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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163559
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】農業機械の走行システム
(51)【国際特許分類】
   B61B 13/04 20060101AFI20231102BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B61B13/04 Z
B61B13/04 C
A01B69/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074534
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000100469
【氏名又は名称】みのる産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108958
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 英一
(72)【発明者】
【氏名】河原 昭二
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 盛次
(72)【発明者】
【氏名】川口 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】野澤 和志
【テーマコード(参考)】
2B043
【Fターム(参考)】
2B043AA03
2B043BA08
2B043BA10
2B043DC03
2B043DC06
(57)【要約】
【課題】 1本のガイドレールにより走行車両の進路を誘導する。
【解決手段】 本発明の農業機械の走行システム1は、路面Gに敷設された1本のガイドレール2と、ガイドレール2に沿って進路を誘導する走行ガイド部6を備え、路面Gの上を走行する走行車両5を備える農業機械とを含む。ガイドレール2は、一対の側面2a,2bを備える。走行車両5は、前後一対の車輪13,14の組を左右に備える。走行ガイド部6は、右の組の車輪13,14の側方にそれぞれ配置されている。各走行ガイド部6は、ガイドレール2の一対の側面2a,2bにそれぞれ対峙するようにして車輪13,14の支軸と同心に設けられた一対の略円環状の被ガイド面6a,6bを備え、ガイドレール2が、該被ガイド面に対して上下遊動可能になっており、該一対の被ガイド面がガイドレール2の一対の側面2a,2bにガイドされることにより、走行車両5の進路を誘導するように構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行路に沿って路面に敷設された1本のガイドレールと、該ガイドレールに沿って進路を誘導する走行ガイド部を備えるとともに前記路面の上を走行するように構成された走行車両を備える農業機械とを含む走行システムであって、
前記ガイドレールは、前記走行路と略平行に延びる一対の側面を備えており、
前記走行車両は、前後一対の車輪の組を左右それぞれに備えており、
前記走行ガイド部は、いずれかの前記組の前後一対の車輪の側方にそれぞれ配置されており、
該各走行ガイド部は、前記ガイドレールの一対の側面にそれぞれ対峙するようにして前記車輪の支軸と同心に設けられた一対の略円環状の被ガイド面を備えるとともに、該一対の被ガイド面の間に配設された前記ガイドレールが、該一対の被ガイド面に対して相対的に上下方向へ遊動可能に構成されており、前記一対の被ガイド面が前記ガイドレールの一対の側面にガイドされることにより、前記走行車両の進路を誘導するように構成されている農業機械の走行システム。
【請求項2】
前記走行ガイド部は、一方の被ガイド面が前記車輪の側面であり、他方の被ガイド面が前記支軸に取り付けられ、前記車輪よりも小経の略円板形部材の側面である請求項1記載の農業機械の走行システム。
【請求項3】
前記走行ガイド部は、互いに間隔をおいて前記支軸に取り付けられ、前記車輪よりも小経の一対の略円板形部材における互いに対峙する側面である請求項1又は2記載の農業機械の走行システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガイドレールにより進路を誘導するように構成された農業機械の走行システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、トマトなどのハウス栽培において、誘引や芽かきなど栽培管理作業が実施される。栽培管理作業をより効率よく行うために、ハウス内を電動走行する台車を用いることが多くある。ハウスには、比較的大規模な栽培面積を有する場合、栽培通路が長くなるため、電動で走行する台車の軌道として、パイプなどで2本のレールを敷設して、レール上を直進走行して、管理作業を実施する場合と、比較的小規模なハウスでは、レール敷設費用が掛かるため、レールを敷設していない場合があり、ハウスの設置数では大部分を占めている。
【0003】
ハウス内にレール等の軌道が設けられていない場合は、栽培管理作業を行うため、特許文献1に記載された高所作業車を例示する。この作業車では、昇降可能な作業台の上に作業者が搭乗して操舵ハンドルで操舵することにより、作業車を直進走行させながら、栽培管理作業を行うようになっている。
【0004】
また、ハウス内にレール等の軌道が設けられている場合は、例えば特許文献2に記載された作業台車が用いられる。この作業台車は、図9に示すように、ハウス内に付設された2本のパイプレール106上を走行する車輪102を機体103の下部に設け、作業者が搭乗する作業台105を機体103の上部に昇降リンク104を介して配置している。そして、車輪102を電動モータで駆動しながらパイプレール106上の機体103を推進し、昇降可能な作業台105上に作業者が搭乗して高所作業を行うようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-65374号公報
【特許文献2】特開2003-206098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1の台車としての高所作業車では、作業者が操舵ハンドルで操舵しながら台車を直線走行させながら、作物に対する作業を行う必要があるので、目線を作物だけに集中させることができず、作業の効率が悪いという課題がある。
また、栽培通路内では幅が狭く、高所作業車が旋回できないため、栽培通路の終端で前進から後進に切り替えて、作業を行うことがあり、ハンドルによる操舵の操作が極めて困難であり、ハウスによっては、後進禁止にしていることもあり、大きな課題となっている。
【0007】
また、特許文献2の台車としての作業台車では、該作業台車を走行可能に支持するように構成された2本のパイプレール106を該作業台車の走行軌道に沿って互いに平行に敷設する必要があり、設置費用が大きくなるという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の農業機械の走行システムは、
走行路に沿って路面に敷設された1本のガイドレールと、該ガイドレールに沿って進路を誘導する走行ガイド部を備えるとともに前記路面の上を走行するように構成された走行車両を備える農業機械とを含む走行システムであって、
前記ガイドレールは、前記走行路と略平行に延びる一対の側面を備えており、
前記走行車両は、前後一対の車輪の組を左右それぞれに備えており、
前記走行ガイド部は、いずれかの前記組の前後一対の車輪の側方にそれぞれ配置されており、
該各走行ガイド部は、前記ガイドレールの一対の側面にそれぞれ対峙するようにして前記車輪の支軸と同心に設けられた一対の略円環状の被ガイド面を備えるとともに、該一対の被ガイド面の間に配設された前記ガイドレールが、該一対の被ガイド面に対して相対的に上下方向へ遊動可能に構成されており、前記一対の被ガイド面が前記ガイドレールの一対の側面にガイドされることにより、前記走行車両の進路を誘導するように構成されている。
【0009】
前記ガイドレールとしては、特に限定されないが、前記走行路に沿って延びる棒状体(例えば、中空又は中実の円柱状、中空又は中実の角柱状、断面H状、断面L字状等。)に形成されている態様であって、該ガイドレールの一対の側面としては、特に限定されないが、該棒状体における前記走行路の両側方にそれぞれ向いている一対の側面である態様を例示する。
【0010】
前記前後一対の車輪の側方としては、特に限定されないが、前記車輪の内側方(前記走行車両の中心側の側方)であってもよいし、同外側方(前記走行車両の反中心側の側方)であってもよい。
【0011】
この構成によれば、前記走行ガイド部は、前記一本のガイドレールの一対の側面にガイドされることにより、前記走行車両の進路を誘導するように構成されているので、1本のガイドレールを敷設するだけでよく、低コストに実現できる。しかも、前記一対の被ガイド面の間に配設された前記ガイドレールが、該一対の被ガイド面に対して相対的に上下方向へ遊動可能に構成されており、前記路面に過大な凹みがない限り前記ガイドレールに前記走行車両の重量がかかることがないので、背景技術のようにガイドレールで前記走行車両を支持する場合よりもガイドレールの強度が要求されず、低コストに実現できる。
【0012】
また、この構成によれば、前記車輪の支軸と前記走行ガイド部の軸は同一であり、かつ、前記車輪の側方に前記走行ガイド部が設けられているので、前記車輪が前記路面の凹凸に応じて上下する場合、該車輪の上下に追従してその側方で前記走行ガイド部も上下するため、前記路面からの浮き上がりが過大になり難く、前記ガイドレールから前記走行ガイド部が脱線し難くなる。仮に、前記走行ガイド部が左右の前記車輪の中間位置のように、前記車輪から離れた位置に設けられているとすると、左右の前記車輪の路面に対して、前記中間位置の路面が凹んでいるときに、前記走行ガイド部が該中間位置の路面から大きく浮き上がって前記ガイドレールへの掛かりが浅くなり、該ガイドレールから前記走行ガイド部が脱線することがあるが、本発明によればその可能性を低減することができる。
【0013】
前記農業機械の走行システムとしては、
前記走行ガイド部は、一方の被ガイド面が前記車輪の側面であり、他方の被ガイド面が前記支軸に取り付けられ、前記車輪よりも小経の略円板形部材の側面である態様を例示する。
【0014】
この構成によれば、前記走行ガイド部における前記一対の被ガイド面のうちの一方として、前記車輪の側面を用いているため、低コストに前記走行ガイド部を実現できる。
【0015】
前記農業機械の走行システムとしては、
前記走行ガイド部は、互いに間隔をおいて前記支軸に取り付けられ、前記車輪よりも小経の一対の略円板形部材における互いに対峙する側面である態様を例示する。
【0016】
この構成によれば、前記走行ガイド部における前記一対の被ガイド面を前記車輪とは別体の部材により構成しているため、前後一対の車輪の大きさや側面の位置を互いに揃える必要がなく、同一対の車輪の構成上の自由度を高くすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る農業機械の走行システムによれば、一本のガイドレールにより走行車両の進路を誘導するように構成されているので、低コストに実現できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明を具体化した第一実施形態に係る農業機械の走行システムの平面図である。
図2】同走行システムの正面図である。
図3】同走行システムの側面図である。
図4】同走行システムの要部拡大断面図であり、(a)は平断面図、(b)は正断面図である。
図5】同走行システムのガイドレールの分解斜視図である。
図6】本発明を具体化した第二実施形態に係る農業機械の走行システムの変更例を示す要部拡大正断面図である。
図7】本発明を具体化した第三実施形態に係る農業機械の走行システムの変更例を示す要部拡大正断面図である。
図8】本発明の変更例を示す要部拡大正断面図である。
図9】背景技術に係る作業台車の背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1図5は本発明を具体化した第一実施形態の農業機械の走行システム1を示している。本例では、農業機械として、施設園芸等において高所での農作業が容易かつ安定して行えるように構成された作業台車3を例に説明する。なお、各図において、矢印Fは作業台車3の前側を指し示している。
【0020】
本例の走行システム1は、図1図4に示すように、走行路に沿って路面Gに敷設された1本のガイドレール2と、該ガイドレール2に沿って進路を誘導する走行ガイド部6を備えるとともに路面Gの上を走行するように構成された走行車両5を備える農業機械としての作業台車3とを含んでいる。
【0021】
ガイドレール2は、図5に示すように、前記走行路と略平行に延びる一対の側面2a,2bを備えており、本例では、中空の金属パイプ11と、該金属パイプ11同士を接続する接続部材12とにより構成されている。接続部材12は、中央に上下方向に延びる貫通穴12aが設けられた接続部材本体12bと、該接続部材本体12bの両端にそれぞれ設けられ、金属パイプ11のパイプ内に嵌挿可能に形成された嵌挿部12cとを備えており、一対の嵌挿部12cにより金属パイプ11同士を連結するとともに、貫通穴12aを介して杭12dで路面Gに固定できるようになっている。
【0022】
本例の作業台車3は、走行車両5を備え、該走行車両5の上部に昇降手段7を介して作業台8が配置されている。
【0023】
走行車両5は、前後一対の車輪13,14の組を左右それぞれに備えている。また、走行車両5には、電源としてのバッテリー(図示略)と、車輪14を駆動する電動モータ15と、昇降手段7を駆動する電動アクチュエータ16とが搭載されている。前側における左右の車輪13は前側の支軸13aに対して回転自在に支持されている。後ろ側の支軸14aは走行車両5の機体5aに対して回転自在に支持されており、該支軸14aには後ろ側における左右の車輪14が固定されている。そして、電動モータ15の動力が動力伝達機構17(本例ではチェーン伝動機構)を介して後ろ側の支軸14aに伝達されるように構成されている。
【0024】
走行ガイド部6は、本例では走行車両5の機体5aの右側における前後一対の車輪13,14の内側方(走行車両5の中心側の側方)にそれぞれ配置されており、この配置により、ガイドレール2と走行ガイド部6双方の位置関係を走行車両5の上方、前方又は後方から作業者が確認し易くなるようにしており、作業者が屈んだりしゃがんだりしなくても、ガイドレール2に対する走行ガイド部6の取り付けや取り外しが容易に行えるようになっている。
【0025】
本例の各走行ガイド部6は同様に構成されているため、以下においては、特に断らない限り、車輪13の側方に設けられた走行ガイド部6についてのみ説明する。本例の走行ガイド部6は、ガイドレール2の一対の側面2a,2bにそれぞれ対峙するようにして車輪13の支軸13aと同心に設けられた一対の略円環状の被ガイド面6a,6bを備え、該一対の被ガイド面6a,6bの間に配設されたガイドレール2が、該一対の被ガイド面6a,6bに対して相対的に上下方向へ遊動可能に構成されている。図4(b)では、符号Rにより、この走行ガイド部6におけるガイドレール2の上下方向への遊動可能範囲を表している。この構成により、一対の被ガイド面6a,6bがガイドレール2の一対の側面2a,2bにガイドされることにより、走行車両5の進路を誘導するように構成されている。被ガイド面6a,6b同士の間隔としては、特に限定されないが、ガイドレール2の幅の約1.5倍にすることを例示する。このようにガイドレール2との間に少し余裕空間を持たせていると湾曲したガイドレール2に沿って走行させることも可能になるし、ガイドレール2を厳密に一直線にする必要がないのでガイドレール2の敷設工事が容易になるため好ましい。
【0026】
本例における走行ガイド部6は、一方の被ガイド面6aが車輪13の側面13bであり、他方の被ガイド面6bが支軸13aに取り付けられた略円板形部材20の側面20aである態様となっている。略円板形部材20は、車輪13の直径よりも小径に形成されることにより、最下端面が路面G上方に位置するようになっており、基本的に走行車両5が路面Gに対して車輪13で支持されるように構成されている。略円板形部材20の直径としては、特に限定されないが、ガイドレール2に乗り上げないように、十分な大きさにすることが好ましい。また、略円板形部材20は、ベアリング21を介して支軸13aに取り付けられており、支軸13aに対して回転自在になっている。略円板形部材20の外周全体は、反被ガイド面側に折曲形成されており、走行車両5の走行時にガイドレール2への乗り上げを防止したり、地面やガイドレール2への接触時にそれらの損傷を防止したりするようになっている。
【0027】
以上のように構成された本例の農業機械の走行システム1によれば、走行ガイド部6は、一本のガイドレール2の一対の側面2a,2bにガイドされることにより、走行車両5の進路を誘導するように構成されているので、1本のガイドレール2を敷設するだけでよく、低コストに実現できる。しかも、一対の被ガイド面6a,6bの間に配設されたガイドレール2が、該一対の被ガイド面6a,6bに対して相対的に上下方向へ遊動可能に構成されており、路面Gに過大な凹みがない限りガイドレール2に走行車両5の重量がかかることがないので、背景技術のようにガイドレールで前記走行車両を支持する場合よりもガイドレール2の強度が要求されず、低コストに実現できる。
【0028】
また、この構成によれば、車輪13(又は14)の支軸13a(又は14a)と走行ガイド部6の軸は同一であり、かつ、車輪13(又は14)の側方に走行ガイド部6が設けられているので、車輪13(又は14)が路面Gの凹凸に応じて上下する場合、該車輪13(又は14)の上下に追従してその側方で走行ガイド部6も上下するため、路面Gからの浮き上がりが過大になり難く、ガイドレール2から走行ガイド部6が脱線し難くなる。仮に、走行ガイド部6が左右の車輪13,13(又は14,14)の中間位置のように、車輪13(又は14)から離れた位置に設けられているとすると、左右の車輪13,13(又は14,14)の路面Gに対して、前記中間位置の路面が凹んでいるときに、走行ガイド部6が該中間位置の路面Gから大きく浮き上がってガイドレール2への掛かりが浅くなり、該ガイドレール2から走行ガイド部6が脱線することがあるが、本発明によればその可能性を低減することができる。
【0029】
また、走行ガイド部6は、一方の被ガイド面6aが車輪13の側面13b(又は車輪14の側面14b)であり、他方の被ガイド面6bが支軸13a(又は14a)に取り付けられた略円板形部材20の側面20aである態様となっている。この構成によれば、走行ガイド部6における一対の被ガイド面6a,6bのうちの一方(6a)として、車輪13の側面13b(又は車輪14の側面14b)を用いているため、低コストに走行ガイド部6を実現できる。
【0030】
次に、図6は本発明を具体化した第二実施形態を示している。この農業機械の走行システム30は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0031】
前後一対の車輪13,14の側方としては、車輪13,14の外側方(走行車両5の中心側の側方)としている。この構成によれば、第一実施形態よりも、既存の作業台車に走行ガイド部6を後付けで装着する形態での実施を容易に行うことができる。
【0032】
本例の農業機械の走行システム1によれば、第一実施形態と同様の効果に加え、前記本例特有の効果を得ることができる。
【0033】
次に、図7は本発明を具体化した第三実施形態を示している。この農業機械の走行システム50は、以下に示す点において、主に第一実施形態と相違している。従って、同実施形態と共通する部分については、同一符号を付することにより重複説明を省く。
【0034】
本例の走行ガイド部6の一対の被ガイド面6a,6bは、互いに間隔をおいて支軸13a(又は14a)に取り付けられた一対の略円板形部材20における互いに対峙する側面20aである態様となっている。
【0035】
本例の農業機械の走行システム1によれば、第一実施形態と同様の効果に加え、次の効果を得ることができる。すなわち、本例の構成によれば、走行ガイド部6における一対の被ガイド面6a,6bを車輪13,14とは別体である略円板形部材20により構成しているため、前後一対の車輪13,14の大きさや側面の位置を互いに揃える必要がなく、該一対の車輪13,14の構成上の自由度を高くすることができる。
【0036】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のように、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
(1)ガイドレール2としては、特に限定されないが、前記走行路に沿って延びる棒状(例えば、中空又は中実の円柱状、中空又は中実の角柱状、断面H状、断面L字状等。)に形成されている態様を例示する。
(2)例えば走行車両5を含んだ収穫用機械、収穫物搬送台車、防除用機械、掃除用機械等の他の農業機械に対して、本発明を実施すること。また、本発明を実施する対象の機械は施設園芸の機械に限定されず、例えば露地栽培用の機械であってもよい。
(3)前記略円板形部材20の形状は、前記実施形態のものに限定されず、略皿形(図8参照)、略椀形、略半球形、略ドーナツ形等に変更してもよい。また、被ガイド面6aを有する車輪2の形状としては、前記実施形態に限定されず、例えば、図8に示す略ドーナツ形等の公知の他の形状のものを適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 走行システム
2 ガイドレール
2a 側面
2b 側面
3 作業台車
5 走行車両
5a 機体
6 走行ガイド部
6a 被ガイド面
6b 被ガイド面
7 昇降手段
8 作業台
11 金属パイプ
12 接続部材
12a 貫通穴
12b 接続部材本体
12c 嵌挿部
13 車輪
13a 支軸
13b 側面
14 車輪
14a 支軸
14b 側面
15 電動モータ
16 電動アクチュエータ
17 動力伝達機構
20 略円板形部材
20a 側面
21 ベアリング
30 走行システム
50 走行システム
F 作業台車の前側
G 路面
R 走行ガイド部におけるガイドレールの上下方向への遊動可能範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9