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  • 特開-温風暖房機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163571
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】温風暖房機
(51)【国際特許分類】
   F24H 15/35 20220101AFI20231102BHJP
   F24H 3/04 20220101ALI20231102BHJP
   F24H 15/176 20220101ALI20231102BHJP
【FI】
F24H15/35
F24H3/04 301
F24H15/176
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074547
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】霜鳥 敏之
(72)【発明者】
【氏名】宮澤 哲平
【テーマコード(参考)】
3L028
【Fターム(参考)】
3L028AA02
3L028AB05
3L028AC06
(57)【要約】
【課題】室温が上下するゆらぎ運転を防止した温風暖房機を提供する。
【解決手段】機器本体1と、熱発生手段9と、熱発生手段9の発熱量を決定する発熱量決定手段29と、温風を吹き出させる送風機5と、ゆらぎモード運転スイッチ25を設けた操作部2と、この発熱量決定手段29により決定された発熱量になるように熱発生手段9を制御すると共に、発熱量決定手段29により決定された発熱量に応じて、送風機5の送風量を決定する制御部28とを備え、ゆらぎモードが設定されたとき、発熱量に応じて決定した送風機5の送風量を、所定周期で増減揺動させるゆらぎ運転を行うので、ゆらぎ制御により室温が上下するのを防止し、又、室温が設定温度に上昇するまでの時間が長くなるのを防止できる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
温風吹出口を有する機器本体と、この機器本体内に設けた熱発生手段と、前記熱発生手段の発熱量を決定する発熱量決定手段と、前記熱発生手段に風を供給して前記温風吹出口より温風を吹き出させる送風機と、ゆらぎモード運転スイッチを設けた操作部と、この発熱量決定手段により決定された前記発熱量になるように前記熱発生手段を制御すると共に、前記発熱量決定手段により決定された前記発熱量に応じて、前記送風機の送風量を決定する制御部とを備えた温風暖房機に於いて、前記制御部は前記ゆらぎモード運転スイッチが操作されてゆらぎモードが設定されたとき、前記発熱量に応じて決定した前記送風機の前記送風量を、所定周期で増減揺動させるゆらぎ運転を行うことを特徴とする温風暖房機。
【請求項2】
前記制御部は前記ゆらぎモードが設定されたとき、前記発熱量が高発熱量のときは、前記送風機の前記送風量を前記所定周期で増減揺動させる増減幅を、前記発熱量が前記高発熱量未満のときの前記増減幅よりも小さくしたことを特徴とする請求項1記載の温風暖房機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は室内の暖房を行う温風暖房機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、熱量決定手段により決定された発熱量を中心としてゆらぎ制御部からの指示により所定周期で発熱量を増減揺動させかつ、送風機からの送風量、又は可変翼の風向角度も同時に変化させて、平均発熱量を変化させることなく温風温度を可変しかつ、身体の局部のみに常に一定の温風を吹き付けることがなくなるので身体の局部の温度上昇を抑え、寒暖の刺激を与えると共に身体の広い範囲に温風を当てることができ、効果的に暖房を行なうことができるものがあった。(例えば、特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平09-318161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この従来のものでは、所定周期で発熱量を増減揺動させかつ、送風機からの送風量も同時に変化させるが、例えば室温が設定温度付近の場合、この状態でゆらぎ制御を行うと発熱量が増減して、室温が設定温度に対して上下に揺動してしまい、暖房感を損なう可能性があった。
【0005】
又、室温が低温で設定温度まで上昇させるために高発熱量で運転している場合、この状態でゆらぎ制御を行うと発熱量が高発熱量から中発熱量に増減して、室温が設定温度に達するまでの時間がかかってしまう課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1では、温風吹出口を有する機器本体と、この機器本体内に設けた熱発生手段と、前記熱発生手段の発熱量を決定する発熱量決定手段と、前記熱発生手段に風を供給して前記温風吹出口より温風を吹き出させる送風機と、ゆらぎモード運転スイッチを設けた操作部と、この発熱量決定手段により決定された前記発熱量になるように前記熱発生手段を制御すると共に、前記発熱量決定手段により決定された前記発熱量に応じて、前記送風機の送風量を決定する制御部とを備えた温風暖房機に於いて、前記制御部は前記ゆらぎモード運転スイッチが操作されてゆらぎモードが設定されたとき、前記発熱量に応じて決定した前記送風機の送風量を、所定周期で増減揺動させるゆらぎ運転を行うものである。
【0007】
又、請求項2では、前記制御部はゆらぎモードが設定されたとき、前記発熱量が前記高発熱量のときは、前記送風機の前記送風量を所定周期で増減揺動させる増減幅を、前記発熱量が高発熱量未満のときの前記増減幅よりも小さくしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の請求項1によれば、ゆらぎモードが設定されたとき、前記発熱量に応じて決定した前記送風機の送風量を、所定周期で増減揺動させるゆらぎ制御を行うので、ゆらぎ制御により室温が上下するのを防止し、又、室温が設定温度に上昇するまでの時間が長くなるのを防止し、送風の強弱のゆらぎにより心地よい暖房感を与えることができる。
【0009】
又、請求項2によれば、ゆらぎモードが設定されたとき、発熱量が高発熱量のときは、送風機の送風量を所定周期で増減揺動させる増減幅を、発熱量が高発熱量未満のときの増減幅よりも小さくしたので、高発熱量のときのゆらぎ制御で室温が上下するのを防止し、又、室温が設定温度に上昇するまでの時間が長くなるのを防止しつつ、送風量が減少したときに機器本体内に熱がこもって機器内の温度が高温になるのを防止できる。
【0010】
又、高発熱量のときに送風量の増減幅を大きく揺動させると、高発熱量未満のときに比べて機器内の金属部品の温度の上下変動が大きくなり、機器内の金属部品の膨張、収縮による音が発生してしまうが、高発熱量のときの送風量の増減幅を高発熱量未満のときの送風量の増減幅よりも小さくすることで、機器内の金属部品の温度の上下変動を小さくして、機器内の金属部品の膨張、収縮による音の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】この発明の一実施形態の温風暖房機の図。
図2】同概略図。
図3】同ブロック図。
図4】同ゆらぎモード運転のフローチャート図。
【0012】
次に、この発明を適用した一実施形態を図面に基づいて説明する。
1は温風暖房機の機器本体で、2は前面上部に備えられた操作部、3は温風を案内するルーバ4が取り付けられた温風吹出口、5は背面の空気取入口6にファンガード7を介して取り付けられ、対流ファンモータにより駆動される送風機(以下対流ファンと称す)、8は前記空気取入口6と温風吹出口3とを連通する送風ボックス、9は前記送風ボックス8内にバーナヘッド10を突出して設けられた熱発生手段(以下バーナ部と称す)、11は前記バーナヘッド10を囲堯して燃焼空間を形成する燃焼筒、12は前記送風ボックス8内で前記燃焼筒11の真上に配設された遮熱板で、前記燃焼筒11は燃焼筒基板13に取り付けられ、その燃焼筒11が取り付けられた燃焼筒基板13が送風ボックス8に取り付けられるものである。
【0013】
前記機器本体1の外装体は、前面を覆う前パネル14と、上面を覆う上面板15と、側面及び背面を覆う背面板16とを置き台17の上に固定して構成され、前記前パネル14には温風吹出口3が取付けられているものである。
【0014】
そして灯油などの液体燃料を供給するカートリッジ式タンク(図示せず)からの燃料を一時的に固定タンク18に溜め置き、該固定タンク18内の燃料を送油管19を介してバーナ部9へ電磁ポンプ20が圧送し、燃焼ファン21により燃焼用空気を送風管22を介して送風することで、バーナ部9は、燃焼ファン21からの燃焼用空気の供給及び、電磁ポンプ20からの燃料の供給を受けて、燃焼して燃焼ガスを生成するものである。
【0015】
前記操作部2には、暖房運転の開始及び停止を行うための暖房運転スイッチ23、希望する室温を設定する室温設定スイッチ24、ゆらぎ運転であるゆらぎモードの開始及び停止を行うためのゆらぎモード運転スイッチ25が設けられている。
【0016】
26はサーミスタなどからなる室温検知手段で、室温を検知する。
27はタイマーで、計時開始信号を入力すると計時を開始し、計時開始から所定時間を計時すると計時信号を出力して一旦リセットして再計時を開始し、計時終了信号を入力すると、一旦リセットして計時を終了する。
【0017】
28は制御部で、暖房運転及び暖房運転中のゆらぎモード運転を制御する。
制御部28は、ゆらぎモード運転に於いて、1/fゆらぎ周期で送風機5を駆動する対流ファンモータの回転数を所定の範囲で上下に変動させるために、1/fゆらぎ周期になる波形を所定時間(例えば1秒)毎の回転数変動量の形式で1/fゆらぎデータとして予め記憶しているものである。
ここで1/fゆらぎデータは、対流ファンモータの回転数の増減幅毎に複数種予め記憶している。
29は制御部28に内蔵された発熱量決定手段で、室温検知手段26により検知された室温と、室温設定スイッチ24で設定された希望する室温とにより、発熱量を決定するものである。
【0018】
次にゆらぎモード運転について図5のフローチャート図を用いて説明する。
まず、暖房運転中に操作部2のゆらぎモード運転スイッチ25がオン操作されると(S1)、制御部28はゆらぎモード運転を開始する。(S2)
【0019】
そして、制御部28は発熱量が高発熱量かを確認し(S3)、発熱量が所定発熱量以上 (以下高発熱量と称す)であると確認すると、送風機5を駆動する対流ファンモータの回転数のゆらぐ増減幅を、高発熱量に応じて決定した通常回転数に対して上下に100rpmの範囲で揺らぐように設定する。(S4)
そして、制御部28はタイマー27に計時開始信号を出力して所定時間の計時を開始する。(S5)
【0020】
又、制御部28は、(S3)で発熱量が高発熱量ではない、つまり高発熱量未満であることを確認すると、送風機5を駆動する対流ファンモータの回転数のゆらぐ増減幅を、その発熱量に応じて決定した通常回転数に対して上下に200rpmの範囲で揺らぐように設定して(S6)、(S5)に進む。
【0021】
そしてタイマー27が計時を開始して所定時間経過すると(S7)、タイマー27が計時信号を出力し、制御部28は、予めデータとして記憶してあるゆらぎデータに基づいて、対流ファンモータの目標回転数を変更する。(S8)
【0022】
そして次に制御部28は、操作部2のゆらぎモード運転スイッチ25がオフ操作されたかを確認し(S9)、ゆらぎモード運転スイッチ25がオフ操作されていれば、ゆらぎモード運転を終了し(S10) 、通常運転に戻る。(S11)
【0023】
又、(S9)で操作部2のゆらぎモード運転スイッチ25がオフ操作されていなければ、発熱量が変更されたかを確認し(S12)、発熱量が変更されていれば(S3)に戻り、発熱量が変更されていなければ(S5)に戻ることで、所定周期で送風量を増減するものである。
【0024】
?以上のように、ゆらぎモード運転を発熱量を上下に変動させてゆらがせるのではなく、送風機5の送風量を上下に変動させてゆらがせるので、例えば室温が設定温度付近の場合、この状態でゆらぎ制御を行うと発熱量が増減して室温が設定温度に対して上下に揺動することなく、ゆらぎ制御による暖房感を得ることができる。
【0025】
又、室温が低温で設定温度まで上昇させるために高発熱量で運転している場合でも、この高発熱量のままゆらぎ制御を行うので、発熱量が高発熱量から中発熱量に増減して室温が設定温度に達するまでの時間がかかってしまうのを防止できる。
【0026】
又、発熱量に対応して決定される送風機5の通常の送風量に対して、上下に送風量を増減することで、送風量を増加させたとき、通常の送風量に比べて温風が遠くまで届き、室内の温度の偏りを低減できる。
特に低発熱量のときは、発熱量に対応して決定される送風機5の通常の送風量も低く、その状態で所定の範囲で上下させたとき、通常の送風量に対して増減量が大きくなり、増加したときは通常の送風量のときより遠くまで温風を届かせることができる。
【0027】
又、高発熱量のときに送風機5の送風量を上下に変動させてゆらがせると、送風量を減少したときに機器内に熱がこもって機器本体1内の金属部品が大きく膨張し、送風量を増加させると、機器本体1内の温度が下がって機器内の金属部品が大きく収縮し、この膨張及び収縮時に音が発生してしまうのを、高発熱量のときに送風機5の送風量を上下に変動させる幅を小さくすることで、機器本体1内の金属部品の膨張及び収縮を小さくして、音の発生を防止できるものである。
【符号の説明】
【0028】
1 機器本体
2 操作部
3 温風吹出口
5 送風機
9 熱発生手段
25 ゆらぎモード運転スイッチ
29 発熱量決定手段
図1
図2
図3
図4