(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163644
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ステッピングモーターのトルクリミッター
(51)【国際特許分類】
H02P 8/38 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
H02P8/38
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074680
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】722004159
【氏名又は名称】岩田 正樹
(72)【発明者】
【氏名】岩田 正樹
【テーマコード(参考)】
5H580
【Fターム(参考)】
5H580AA03
5H580BB05
5H580FA23
5H580HH02
5H580HH39
5H580JJ02
5H580JJ05
5H580JJ09
(57)【要約】
【課題】ステッピングモーターの駆動制御構成においてトルクリミッターを提供する。
【解決手段】ステッピングモーターの駆動制御構成に、エンコーダ付きステッピングモーター、定電流のステッピングモータードライバ、直流電源、電圧調節器、制御装置としてプログラマブルコントローラを使用し、駆動用電力の電圧を調節することによりステッピングモーターの脱調トルクを調節し、ステッピングモーターの脱調時の駆動パルスと読み取りパルスの違いを検出する。ステッピングモーターの脱調を利用することが特徴のトルクリミッターである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンコーダ付きステッピングモーターを使用した駆動制御構成において、駆動用電力供給部に電圧調整器を装備し、駆動用電力の電圧に対し過負荷が加わった場合にステッピングモーターが脱調して、駆動パルスと実際のステッピングモーターの回転の違いを検出するトルクリミッター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステッピングモーターで駆動する装置のトルクリミッターに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、モーター駆動に対するトルクリミッターは、バネと摩擦板等を利用したクラッチ式や、電流制限によるトルク制限などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
それらは、次のような欠点があった。
バネと摩擦板等を利用したクラッチ式は、原動側のモーターと従動側との間にトルクリミッターを組み込む必要がありスペースを要する。
電流制御によるトルク制御は電流制御機能付きモータードライバを必要とし、位置決め可能なモーターでは高価である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エンコーダ付きステッピングモーター、定電流のステッピングモータードライバ、直流電源、電圧調節器、制御装置としてプログラマブルコントローラを使用するステッピングモーターのトルクリミッターである。
【発明の効果】
【0006】
汎用的なステッピングモーターの駆動制御構成にエンコーダと電圧調節器を追加する構成で、原動側のモーターと従動側との間にトルクリミッターを組み込むスペースを必要としない。また、位置決め可能なモーターとしては高価な部品を必要とせず低コストある。トルクリミッターの調節も電圧調節器の操作で行うので簡単にできる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明の実施例1、タップ折れ防止トルクリミッター付きタッピングマシンの構成を示した説明図である。
【
図3】本発明の実施例1、タップ折れ防止トルクリミッター付きタッピングマシンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
エンコーダ付きステッピングモーター、定電流のステッピングモータードライバ、直流電源、電圧調節器、制御装置としてプログラマブルコントローラを使用する。
【0009】
プログラマブルコントローラからステッピングモータードライバへ駆動パルスを送る。直流電源からは電圧調節器を通してステッピングモータードライバへステッピングモーターの駆動用電力を送る。そして、ステッピングモーターの駆動用電力の電圧を電圧調節器で調節することによりステッピングモーターの脱調トルクを調節し、ステッピングモーター脱調時には駆動パルス数とエンコーダの読み取りパルス数との違いをプログラマブルコントローラで検出してステッピングモーターを停止させる。
以上の様に、汎用的なステッピングモーターの駆動制御構成にエンコーダと電圧調節器を追加するだけで、トルクリミッターの機能を追加できる。
【実施例0010】
図2は本発明の実施例1のタップ折れ防止トルクリミッター付きタッピングマシンの構成を示した説明図、
図3は概略図である。
【0011】
制御ボックス16には定電流のステッピングモータードライバ、プログラマブルコントローラ、直流電源、電圧調節器等が内蔵され
図2の破線内の様に構成されている。
【0012】
スピンドル5の回転速度と送り量は、タップ7のサイズに合わせてプログラマブルコントローラによってステッピングモーター2、4を連動させるようになっていて、足踏みスイッチ9を踏むことによりステッピングモータードライバへ駆動パルスを送り、直流電源から電圧調節器を通してステッピングモーター2、4へ駆動用電力を送る。制御ボックス16側面にはステッピングモーター2、4の駆動用電力の電圧調節用ツマミ17、18があり電圧を調節することによりステッピングモーター2、4の脱調トルクが変化する。
【0013】
タッピング作業前に、加工物に合わせて上限センサー12、下限センサー15を上下に移動させ、タッピング作業時のタップ7の停止位置である上限と、反転開始位置である下限を調節する。次にタップ7折れ防止のため、加工物、タップ7のサイズ等の加工条件を考慮し、予め電圧調節用ツマミ17、18でステッピングモーター2、4の脱調トルクを調節しておく。
【0014】
タッピング作業中に過負荷が発生してステッピングモーター2、4の何れかが脱調した場合、ステッピングモーター2、4の駆動パルス数とステッピングモーター2、4に取り付けられているエンコーダ1、3の読み取りパルス数の違いをプログラマブルコントローラで検出、停止し、警告を発してトルクリミッターとして機能する。