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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163645
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】気体圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04B 41/02 20060101AFI20231102BHJP
   F04B 41/00 20060101ALI20231102BHJP
   F04B 39/12 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
F04B41/02 A
F04B41/00 D
F04B39/12 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074681
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 真樹
(72)【発明者】
【氏名】才木 裕貴
【テーマコード(参考)】
3H003
3H076
【Fターム(参考)】
3H003AA02
3H003AB05
3H003AC02
3H003CD01
3H003CE01
3H076AA01
3H076AA34
3H076AA35
3H076BB21
3H076BB28
(57)【要約】
【課題】冷却効率を低下させることなく、カバー部において通気口が設けられている部位を保護できるようにした空気圧縮機を提供する。
【解決手段】空気圧縮機1Aは、圧縮部、駆動部、送風部及び貯蔵部5を有した本体部6と、本体部6の少なくとも一部を覆うカバー部7と、把持部80を有したハンドル部8を備え、カバー部は、送風部が駆動部で駆動されることで流れる空気が通る通気口73を備え、ハンドル部8は、通気口73に臨む保護部80cを備え、保護部80cと通気口73の間に、空気が通る空間が設けられる。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体を圧縮する圧縮部と、
前記圧縮部を駆動する駆動部と、
前記駆動部に駆動される送風部と、
前記圧縮部、前記駆動部及び前記送風部を有した本体部と、
前記本体部の少なくとも一部を覆うカバー部と、
把持部を有したハンドル部と
を備え、
前記カバー部は、前記送風部が前記駆動部で駆動されることで流れる空気が通る通気口を備え、
前記通気口は、前記駆動部に駆動されて回転する前記送風部の回転軸方向と対向して設けられ、
前記ハンドル部は、前記通気口に臨む保護部を備え、前記保護部が前記通気口と離間して設けられる
気体圧縮機。
【請求項2】
前記保護部は、前記通気口の上部に臨む上面保護部と、前記通気口と対向する側面保護部を備え、
前記ハンドル部は、前記上面保護部が前記通気口と離間して設けられ、前記側面保護部が前記通気口と離間して設けられる
請求項1に記載の気体圧縮機。
【請求項3】
前記ハンドル部は、前記保護部の上端側に、前記カバー部の上面部に固定される上端部を備えると共に、前記保護部の下端側に、前記本体部に固定される下端部を備える
請求項1に記載の気体圧縮機。
【請求項4】
前記ハンドル部は、前記通気口の幅に合わせて2本の前記保護部が設けられる
請求項1に記載の気体圧縮機。
【請求項5】
前記ハンドル部は、前記送風部の回転軸方向と対向した両側に設けられる
請求項1に記載の気体圧縮機。
【請求項6】
前記ハンドル部は、前記カバー部の上面部の少なくとも一部を覆い連結される連結部を備えた
請求項5に記載の気体圧縮機。
【請求項7】
前記ハンドル部は、前記カバー部の上面部の少なくとも一部を覆う連結部材で連結される
請求項5に記載の気体圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気体を圧縮する気体圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
エアコンプレッサと称す気体圧縮機は、圧縮部、電動モータ、ファンがカバーで覆われる構成である。エアコンプレッサのカバーには、内部冷却のための通気口が不可欠であるが、通気口は、異物の挿入を防ぐため格子状や列状のスリットで構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-71467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エアコンプレッサのカバーに設けられる通気口は、スリットの間の部分が細くなるため、通気口が設けられていない部位に比較してカバー部の強度が低下する。一方、建築現場などで使用される可搬型のエアコンプレッサは、工具や建材との接触によりカバーが衝撃を受けることがある。このため、カバーにおいて通気口が設けられている部位が損傷しやすい。そこで、通気口においてスリットの開口面積を減少させることで、スリットの間の部分を太くして、強度を向上させることが考えられる。しかし、スリットの開口面積を減少させると、冷却効率が低下する。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、冷却効率を低下させることなく、カバー部において通気口が設けられている部位を保護できるようにした気体圧縮機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するため、本発明は、気体を圧縮する圧縮部と、圧縮部を駆動する駆動部と、駆動部に駆動される送風部と、圧縮部、駆動部及び送風部を有した本体部と、本体部の少なくとも一部を覆うカバー部と、把持部を有したハンドル部とを備え、カバー部は、送風部が駆動部で駆動されることで流れる空気が通る通気口を備え、通気口は、駆動部に駆動されて回転する送風部の回転軸方向と対向して設けられ、ハンドル部は、通気口に臨む保護部を備え、保護部が通気口と離間して設けられる気体圧縮機である。
【発明の効果】
【0007】
本発明では、ハンドル部がカバー部の外側で通気口の一部を覆うことで、ハンドル部は、通気口に何等かの物体が当たることなどを抑制する。また、保護部が通気口と離間して設けられることによりハンドル部と通気口との間に空間が形成されることで、ハンドル部は、通気口を通る空気の流れを阻害しない。これにより、通気口を直接補強する構成と比較して、冷却効率を低下させることなく、ハンドル部で通気口を保護できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す斜視図である。
図1B】本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す斜視図である。
図2】本実施の形態の空気圧縮機の一例を示すカバー部を外した斜視図である。
図3A】本実施の形態の空気圧縮機の変形例を示す斜視図である。
図3B】本実施の形態の空気圧縮機の変形例を示す斜視図である。
図3C】本実施の形態の空気圧縮機の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の気体圧縮機としての空気圧縮機の実施の形態について説明する。
【0010】
<本実施の形態の空気圧縮機の構成例>
図1A及び図1Bは、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示す斜視図、図2は、本実施の形態の空気圧縮機の一例を示すカバー部を外した斜視図である。
【0011】
空気圧縮機1Aは、気体の一例として空気を圧縮する圧縮部2と、圧縮部2を駆動する駆動部3と、駆動部3に駆動され、圧縮部2及び駆動部3を冷却する空気の流れを生成する送風部4と、圧縮部2で圧縮される空気(圧縮空気)を貯蔵する貯蔵部5を備える。
【0012】
また、空気圧縮機1Aは、圧縮部2、駆動部3、送風部4及び貯蔵部5を有した本体部6と、本体部6の少なくとも一部を覆うカバー部7と、人が手で持つことが可能なハンドル部8を備える。なお、空気圧縮機1Aは、地面や建物の床等の設置場所に設置される使用形態を考慮して、上下方向が決められる。
【0013】
圧縮部2は、一次シリンダ20aと二次シリンダ20bを備える。一次シリンダ20aと二次シリンダ20bは、それぞれ図示しないピストンを備える。圧縮部2は、一次シリンダ20aと二次シリンダ20bの各ピストンが、クランクケース21に回転可能に支持される図示しないクランクシャフトに連結される。圧縮部2は、クランクシャフトが回転することで各ピストンが往復移動し、各ピストンの往復移動で圧縮空気を生成する。圧縮部2は、一次シリンダ20aで圧縮された空気を二次シリンダ20bでさらに圧縮することで、より高圧の圧縮空気を生成する。
【0014】
駆動部3は、電気で駆動されるモータ(電動機)である。駆動部3は、回転する軸30の図示しない一方の側が圧縮部2のクランクシャフトと連結される。
【0015】
送風部4は、軸流ファンで構成され、駆動部3の軸30の他方の側に取り付けられる。送風部4は、駆動部3に駆動されて回転することで、送風部4から駆動部3、圧縮部2に向かう空気の流れを生成する。
【0016】
貯蔵部5は、圧縮空気を貯蔵する複数のタンク50を備える。タンク50は、円筒形状の径方向が短手方向となり、径方向(短手方向)と直交する方向が長手方向となる。貯蔵部5は、本例では2本のタンク50を備え、各タンク50の長手方向が互いに平行となる向きで、2本のタンク50が径方向に並んで配置される。
【0017】
本体部6は、駆動部3の軸30の一方の側に、圧縮部2の図示しないクランクシャフトが連結され、また、駆動部3の軸30の他方の側に送風部4が取り付けられる。これにより、本体部6は、駆動部3の軸30の延伸する方向が送風部4の回転軸方向40となり、圧縮部2、駆動部3及び送風部4が、送風部4の回転軸方向40に沿って同軸上に配置される。また、各タンク50の長手方向と、送風部4の回転軸方向40(駆動部3の軸30の延伸する方向)が平行となる向きで配置される。なお、圧縮部2、駆動部3及び送風部4が、送風部4の回転軸方向40に沿って並ぶ長さより、タンク50の長手方向の長さが長く構成される。これにより、各タンク50の長手方向と、送風部4の回転軸方向40が平行となる向きで配置されると、タンク50の長手方向に沿った両端の上側に、ハンドル部8を設ける空間が確保しやすく、かつ、ハンドル部8とカバー部7との間に空間が確保しやすい。
【0018】
本体部6は、送風部4が駆動部3に駆動されて回転することで、図2に破線で示す送風部4の回転軸方向40に沿って、送風部4から駆動部3、圧縮部2に向かう空気の流れが生成される。
【0019】
本体部6は、貯蔵部5でタンク50に貯蔵された圧縮空気を図示しない工具に供給する圧縮空気取出口60を備える。圧縮空気取出口60は、タンク50と配管61で接続される。空気圧縮機1Aは、本例では、2つの圧縮空気取出口60が設けられ、高圧の圧縮空気を供給するための圧縮空気取出口60aと、相対的に低圧の圧縮空気を供給するための圧縮空気取出口60bとを備える。圧縮空気取出口60aと圧縮空気取出口60bは、所望の圧力に減圧された圧縮空気を工具に供給するため減圧弁62と、圧力を調整するダイヤル63がそれぞれ設けられる。
【0020】
カバー部7は、上面部70と、送風部4の回転軸方向40と対向する両側に設けられる第1の側部71a及び第2の側部71bと、送風部4の回転軸方向40と直交する方向と対向する両側に設けられる第3の側部71c及び図示しない第4の側部を備える。
【0021】
カバー部7は、上面部70と、第1の側部71a及び第2の側部71bと、第3の側部71c及び図示しない第4の側部により、圧縮部2、駆動部3及び送風部4の全体と、貯蔵部5の上部を覆う形状を有する。カバー部7は、貯蔵部5のタンク50の周面に設けた取り付け部52aにネジ74で固定される。
【0022】
カバー部7は、送風部4の回転軸方向40と対向する一方の側部である第1の側部71aに通気口形成部72aを備える。通気口形成部72aは、上面部70と第1の側部71aがつながる部位を凹状として構成される。
【0023】
また、カバー部7は、送風部4の回転軸方向40と対向する他方の側部である第2の側部71bに通気口形成部72bを備える。通気口形成部72bは、上面部70と第2の側部71bがつながる部位を凹状として構成される。
【0024】
カバー部7は、通気口形成部72aに通気口73(第1の通気口73a)を備える。第1の通気口73aは、第1の側部71aの表裏を貫通する複数のスリット状の開口を設けて構成される。
【0025】
また、カバー部7は、通気口形成部72bに通気口73(第2の通気口73b)を備える。第2の通気口73bは、第2の側部71bの表裏を貫通する複数のスリット状の開口を設けて構成される。
【0026】
これにより、送風部4の回転軸方向40に対向する両側に通気口73(第1の通気口73a、第2の通気口73b)が形成される。本体部6の内部では、送風部4から駆動部3、圧縮部2に向かって空気が流れることから、送風部4と対向した第1の通気口73aが吸込口となり、圧縮部2と対向した第2の通気口73bが排出口となる。
【0027】
ハンドル部8は、第1の通気口73aの一部を覆うハンドル部8aと、第2の通気口73bの一部を覆うハンドル部8bを備える。
【0028】
ハンドル部8a及びハンドル部8bは、カバー部7の上面部70に固定される上端部80aと、本体部6を構成する貯蔵部5に固定される下端部80bと、上端部80aと下端部80bをつなぎ、第1の通気口73a、第2の通気口73bに臨む2本の保護部80cと、手で持つことが可能な把持部80dを備える。
【0029】
上端部80aは、2本の保護部80cの間隔が、第1の通気口73a、第2の通気口73bの幅と合わせた同等程度の長さとなるように、2本の保護部80cの上端側の間をつなぐ。下端部80bは、2本の保護部80cの間隔が、第1の通気口73a、第2の通気口73bの幅と同等程度の長さとなるように、2本の保護部80cの下端側の間をつなぐ。
【0030】
保護部80cは、上端部80aと下端部80bとの間の一部を屈曲した形状として屈曲部80eが設けられる。保護部80cは、下端部80bから略垂直方向上側に向けて延び、屈曲部80eで本体部6の内側に向けて延びてその端部に上端部80aが設けられる形状である。これにより、保護部80cは、上端部80aと屈曲部80eの間が、第1の通気口73a、第2の通気口73bの上部に臨む上面保護部80fを構成し、下端部80bと屈曲部80eの間が、第1の通気口73a、第2の通気口73bと対向する側面保護部80gを構成する。ハンドル部8a及びハンドル部8bは、下端部80bから側面保護部80gが略垂直方向上側に向けて延び、屈曲部80eから上面保護部80fがカバー部7の上面部70に向かって内側に延びる。
【0031】
把持部80dは、2本の保護部80cの間をつなぐ形状で、本例では、各保護部80cの屈曲部80eの間をつなぐ。
【0032】
ハンドル部8aは、上端部80aが、カバー部7の上面部70の一方の端部側にネジ82により固定される。また、ハンドル部8aは、下端部80bが、貯蔵部5においてタンク50の長手方向の一方の端部側に設けた取り付け部52bに、カバー部7と共に図示しないネジで固定される。
【0033】
ハンドル部8aは、カバー部7及び本体部6(貯蔵部5)に取り付けられると、2本の保護部80cと、把持部80dが、送風部4の回転軸方向40に沿った第1の通気口73aの正面側の一部を覆う。保護部80cは、上端部80aと屈曲部80eの間の上面保護部80fが、第1の通気口73aの上部に臨み、下端部80bと屈曲部80eの間の側面保護部80gが、第1の通気口73aと対向する。
【0034】
これにより、ハンドル部8aは、第1の通気口73aの側面及び上面から何等かの物体が当たることなどを抑制して、第1の通気口73aを保護する。
【0035】
また、ハンドル部8aは、凹状となる通気口形成部72aに対して、保護部80cが屈曲部80eの部位で凸状となり、保護部80c(上面保護部80f及び側面保護部80g)が第1の通気口73aと離間して設けられ、保護部80cと第1の通気口73aとの間に空間が形成される。これにより、ハンドル部8aは、第1の通気口73aからカバー部7の内部に吸い込まれる空気の流れを阻害しない。
【0036】
したがって、第1の通気口73aを直接補強する構成と比較して、第1の通気口73aの開口面積を減らすことなく、ハンドル部8aで第1の通気口73aを保護できる。
【0037】
ハンドル部8bは、上端部80aが、カバー部7の上面部70の他方の端部側にネジ82により固定される。また、ハンドル部8bは、下端部80bが、貯蔵部5においてタンク50の長手方向の他方の端部側に設けた取り付け部52bに、カバー部7と共に図示しないネジで固定される。
【0038】
ハンドル部8bは、カバー部7及び本体部6(貯蔵部5)に取り付けられると、2本の保護部80cと、把持部80dが、送風部4の回転軸方向40に沿った第2の通気口73bの正面側の一部を覆う。保護部80cは、上端部80aと屈曲部80eの間の上面保護部80fが、第2の通気口73bの上部に臨み、下端部80bと屈曲部80eの間の側面保護部80gが、第2の通気口73bと対向する。
【0039】
これにより、ハンドル部8bは、第2の通気口73bの側面及び上面から何等かの物体が当たることなどを抑制して、第2の通気口73bを保護する。
【0040】
また、ハンドル部8bは、凹状となる通気口形成部72bに対して、保護部80cが屈曲部80eの部位で凸状となり、保護部80c(上面保護部80f及び側面保護部80g)が第2の通気口73bと離間して設けられ、保護部80cと第2の通気口73bとの間に空間が形成される。これにより、ハンドル部8bは、第2の通気口73bから排出される空気の流れを阻害しない。
【0041】
したがって、第2の通気口73bを直接補強する構成と比較して、第2の通気口73bの開口面積を減らすことなく、ハンドル部8bで第2の通気口73bを保護できる。
【0042】
ハンドル部8aとハンドル部8bは、重量が重い空気圧縮機1Aを持ち運べるようにするため、各部の肉厚を厚くするなどにより強度を確保している。また、ハンドル部8aとハンドル部8bは、2本の保護部80cの間が、上端部80aと下端部80bの間の屈曲部80eの位置で把持部80dにより連結されることで、強度を確保できる。そして、ハンドル部8aとハンドル部8bは、それぞれの上端部80aがカバー部7の上面部70ぶつながる。
【0043】
通気口を有した空気圧縮機のカバー部において、通気口の周囲をハンドルで保護していない構成では、例えばカバー部の上方から荷重を受けたときに、強度の低い通気口付近が特に大きく変形し、通気口付近が破損しやすい。これに対し、カバー部7の上面部70と、カバー部7の貯蔵部5と接続される下端側が、強度が確保されたハンドル部8aとハンドル部8bで連結されることで、カバー部7の剛性が高められ、カバー部7の変形による損傷を抑制できる。
【0044】
また、ハンドル部8aとハンドル部8bは、上面保護部80fが、屈曲部80eから水平方向に対して斜め上方向に延び、上端部80aがカバー部7の上面部70に固定される。これにより、カバー部7の上面部70に加えられた荷重を、ハンドル部8a、8bに与える負荷を抑えて、ハンドル部8a、8bのそれぞれ下端部80bが固定される貯蔵部5に伝達できる。
【0045】
なお、カバー部7の上面部70は、少なくとも一部に所定の大きさの平面を有した形状であり、工具などを載置する台としての使用が可能である。また、カバー部7の上面部70に凹凸形状のリブ70aを設けて上面部70の強度を高めている。これにより、カバー部7の上面部70に工具などを載置したときに、工具などの荷重をカバー部7の上面部70の変形で吸収することを抑制してハンドル部8a、8bに伝達し、カバー部7の損傷を抑制している。更に、ハンドル部8aとハンドル部8bの上面保護部80fを水平な向きに延びる形状とすれば、カバー部7の上面部70で平面をなす範囲を拡大できる。
【0046】
<本実施の形態の空気圧縮機の変形例>
図3A図3B及び図3Cは、本実施の形態の空気圧縮機の変形例を示す斜視図である。
【0047】
図3Aに示す空気圧縮機1Bは、第1の通気口73aの一部を覆うハンドル部8aの上端部80aと、第2の通気口73bの一部を覆うハンドル部8bの上端部80aとの間をつなぐ連結部材81aを備える。図3Bに示す空気圧縮機1Cは、第1の通気口73aの一部を覆うハンドル部8aの上端部80aと、第2の通気口73bの一部を覆うハンドル部8bの上端部80aとの間をつなぐ連結部材81bを備える。
【0048】
連結部材81a、81bは、ハンドル部8a、8bの上端部80aとともに、カバー部7の上面部70にネジ82により固定される。これにより、ハンドル部8aとハンドル部8bは、それぞれの上端部80aがカバー部7の上面部70及び連結部材81a、81bを介してつながる。したがって、送風部4の回転軸方向40に対向して設けられる一対のハンドル部8a及びハンドル部8bの強度を確保できる。また、カバー部7の上面部70にハンドル部8a及びハンドル部8bと、連結部材81a、81bが固定されることで、カバー部7の剛性が高められ、カバー部7の変形による損傷を抑制できる。なお、連結部材81bは、所定の大きさの平面を有した平板状の部材で構成されることで、空気圧縮機1Cの上面に平面を有した部位を構成することができ、工具等を載置する台としての使用が可能である。
【0049】
図3Cに示す空気圧縮機1Dは、第1の通気口73aの一部を覆うハンドル部8aと、第2の通気口73bの一部を覆うハンドル部8bが、連結部80hで一体に構成される。連結部80hは、ハンドル部8aの上端部80aとハンドル部8bの上端部80aとの間をつなぎ、カバー部7の上面部70を覆う。
【0050】
これにより、ハンドル部8aとハンドル部8bは一体につながることで、送風部4の回転軸方向40に対向して設けられる一対のハンドル部8a及びハンドル部8bの強度を確保できる。なお、連結部80hは、所定の大きさの平面を有した平板状の部材で構成されることで、空気圧縮機1Dの上面に平面を有した部位を構成することができ、工具等を載置する台としての使用が可能である。
【符号の説明】
【0051】
1A、1B、1C、1D・・・空気圧縮機、2・・・圧縮部、20a・・・一次シリンダ、20b・・・二次シリンダ、21・・・クランクケース、3・・・駆動部、30・・・軸、4・・・送風部、5・・・貯蔵部、50・・・タンク、52a・・・取り付け部、6・・・本体部、60(60a、60b)・・・圧縮空気取出口、61・・・配管、62・・・減圧弁、63・・・ダイヤル、7・・・カバー部、70・・・上面部、71a・・・第1の側部、71b・・・第2の側部、71c・・・第3の側部、71d・・・第4の側部、72a・・・通気口形成部、72b・・・通気口形成部、73a・・・第1の通気口、73b・・・第2の通気口、8(8a、8b)・・・ハンドル部、80a・・・上端部、80b・・・下端部、80c・・・保護部、80d・・・把持部、80e・・・屈曲部、80f・・・上面保護部、80g・・・側面保護部、80h・・・連結部、81a、81b・・・連結部材
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図3C