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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163648
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】車両装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 1/072 20060101AFI20231102BHJP
   B60R 1/06 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B60R1/072
B60R1/06 D
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074687
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142365
【弁理士】
【氏名又は名称】白井 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100146064
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 玲子
(72)【発明者】
【氏名】伊地知 紀公
【テーマコード(参考)】
3D053
【Fターム(参考)】
3D053FF03
3D053GG06
3D053HH14
3D053HH18
3D053HH19
3D053HH27
3D053MM01
3D053MM21
(57)【要約】
【課題】 コストや手間を増大させることなく、IG-OFF時など車両を駐車する際に、サイドミラーの鏡面の角度を傾動させることで、雨滴付着の軽減が可能となる車両装置を提供する。
【解決手段】 車両の外側に設けられた鏡面の角度を変更させる可変手段を備え、前記可変手段は、前記車両が駐車開始状態になったときに前記鏡面の角度を変更し、前記車両が作動開始状態となったときに、前記車両が駐車開始状態になったときに変更した前記鏡面の角度を、変更する前の角度に戻すことを特徴とする。
【選択図】 図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外側に設けられた鏡面の角度を変更させる可変手段を備え、
前記可変手段は、前記車両が駐車開始状態になったときに前記鏡面の角度を変更し、
前記車両が作動開始状態となったときに、前記車両が駐車開始状態になったときに変更した前記鏡面の角度を、変更する前の角度に戻す、車両装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、サイドミラーの鏡面を傾動させることが出来る車両構造が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2013-119276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のサイドミラーにおいては、IG-OFF時などの車両駐車時において、サイドミラーの鏡面はドライバによって設定された角度に保持されながら格納されている。しかし、車両が屋外に保管されていた場合には、雨滴などの水滴が鏡面に付着することがあった。その結果、運転時に後方確認がし難く、発進時や走行中にドライバが鏡面の水滴をタオルでふき取る等の手間をかける場合がある。特に助手席側のサイドミラー鏡面は、運転席側からのふき取りは行い難い。そこで、ミラーの鏡面に親水性のコーティングを施すことによって、雨滴付着を軽減する方法も検討されているが、作業や費用の負担が発生し、効果も一過性のものに過ぎない。
【0005】
本発明は上記課題を解決するものであり、コストや手間を増大させることなく、IG-OFF時など車両を駐車する際に、サイドミラーの鏡面の角度を傾動させることで、雨滴付着の軽減が可能となる車両装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明にかかる車両装置は、車両の外側に設けられた鏡面の角度を変更させる可変手段を備え、前記可変手段は、前記車両が駐車開始状態になったときに前記鏡面の角度を変更し、前記車両が作動開始状態となったときに、前記車両が駐車開始状態になったときに変更した前記鏡面の角度を、変更する前の角度に戻すことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、IG-OFF時など車両を駐車する際に、サイドミラーの鏡面の角度を傾動させることで、雨滴付着の軽減が可能となる車両装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施例にかかる車両装置の構成を示す模式図である。
図2図2は、本発明の実施例にかかるサイドミラーの概略側面断面図である。
図3図3は、本発明の実施例にかかるサイドミラーの概略側面断面図であり、傾動態様の例示である。
図4図4は、本発明における車両装置の動作(処理)の一例を示すフローチャートである。
図5図5は、本発明における車両装置の動作(処理)の他の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の説明に限定および制限されない。
【0010】
本発明の実施形態の車両は、IG-OFF(イグニッションオフ)時など車両を駐車する際に、サイドミラーの鏡面の角度を、雨滴付着が軽減される角度まで傾動させることができる車両装置2を搭載している。車両装置2は、車両が備えるミラーユニット30に設けられたミラー部42の角度(位置)を検知するミラー位置センサ31と、ミラー位置センサ31から検知されたミラー部42の角度を記憶し、ミラー部42の角度を制御するミラーコントローラ20とを備え、IGオフ時など車両を駐車する際にミラー部42(鏡面42a)の角度を変更し、IG-ON(イグニッションオン)時などユーザが車両を作動させる際には、駐車時に変更したミラー部42の角度を、変更前の角度に戻す制御を行うものである。
【0011】
図1は、本発明の実施例に係る車両装置2の構成を示す模式図である。車両装置2には、BODY_ECU10と、ミラーコントローラ20と、ミラーユニット30とが備えられている。ミラーユニット30の内部構造には、ミラー位置センサ31と、格納用モータ32と、ミラーユニット30のミラー部42用の左右角度調整用モータ33、上下角度調整用モータ34とが含まれる。
【0012】
図2は、ミラーユニット30の概略側面断面図である。ミラーユニット30は、電動格納式であって、その外筐となるミラーハウジング46と、ミラー部42と、その内部構造にはミラー部42の角度調整を可能とする公知の角度調整機構と、電動格納機構と、ミラー位置センサ31とを備える。ミラー部42は、ミラー部42が有する鏡面42aによって運転席に座ったユーザが車両の周囲を視認するためのものであり、ミラーハウジング46内に設けられた回転軸48と連結される。ミラーハウジング46は開口部50を有し、ミラー部42は、その鏡面42aが、開口部50側に向くように設けられる。本実施例において、ミラーユニット30は車両の外側に設けられたサイドミラーであり、開口部50が開口されている方向(ミラーユニットオープン時の車両後方側)を後方、その反対側を前方として説明する。
【0013】
ミラーユニット30内の角度調整機構には、回転軸48と、図1に示す左右角度調整用モータ33と、上下角度調整用モータ34とが含まれる。回転軸48は、左右角度調整用モータ33および上下角度調整用モータ34に作動連結される。これにより、ミラー部42の角度は、左右方向または上下方向に調整可能となる。電動格納機構には、図1に示す格納用モータ32が含まれ、ミラーハウジング46に連結された図示しない回転軸と格納用モータ32とが連結されることにより、ミラーユニット30を格納/オープンすることが可能となる。格納とは、例えば、ミラー部42の鏡面42aが車体に沿うように車両に対して横方向に閉じるようにしてもよく、また、ミラーユニット30を捩じり上げるようにしてもよい。
【0014】
図2に示すように、ミラー部42の上部には、突起部44が設けられている。突起部44は、鏡面42aの正面側(ミラーユニットオープン時の車両後方側)と背面側(ミラーユニットオープン時の車両前方側)とに延在するように設けられ、正面側突起部44aは、鏡面42aに雨滴等の水滴が付着することを傘のように防ぐ機能を有し、背面側突起部44bは、ミラー部42の鏡面42aを下方へ向けた際の、ミラーユニット30の内部に対する防水防塵機能を有する。突起部44は、例えば、ミラー部42と一体的に形成されていてもよく、ミラー部42の上部にブラケット等を設けることにより接合されてもよい。また、突起部44の長さは適宜変更可能である。例えば、正面側のみに突起部44を形成してもよいし、ミラー部42の上部を中心として、正面側突起部44aもしくは背面側突起部44bのいずれかが長くなるよう形成されていてもよく、もしくは両者が同じ長さであってもよい。
【0015】
BODY_ECU10は、CPU、RAM(揮発性メモリ)、ROM(不揮発性メモリ)、およびI/Oを含むマイクロコンピュータで構成され、ドアロックおよびドアロック解除の制御や、格納用モータ32を制御することにより、ミラーユニット30の格納/オープン(いわゆる開閉動作)を行う。ドアロックおよびドアロック解除の制御は、キー12による通信装置(図示しない)を介して送られる操作情報に基づいて行う。キー12の操作情報とは、例えば、携帯機(リモコンなど)によるものや、車両の一部に対してユーザが操作を行うもの(例えばドアハンドルに設けられたスイッチなど)、もしくは、ユーザが車両に近づくことでドアロック(キーロック・キーロック解除ともいう)が解除されるものでもよい。
【0016】
BODY_ECU10は、運転席に設けられたIG_SW16によってIGオフ操作がされると、ミラーコントローラ20にIGオフ信号を送信する。また、BODY_ECU10は、キー12の操作情報に基づきドアロックを行う。ドアロックがされると、格納用モータ32を制御して、ミラーユニット30を格納する。また、ミラー位置センサ31によってミラーユニット30が格納位置にあること、またはオープン位置から移動しはじめていることが検知され、BODY_ECU10は、ミラーコントローラ20にミラーユニット30の格納信号を送信する。
【0017】
BODY_ECU10は、IG_SW16によってIGオン操作がされると、ミラーコントローラ20にIGオン信号を送信し、格納用モータ32を制御して、ミラーユニット30をオープンする。すなわちミラーユニット30が格納前の所定位置に戻される。また、ミラー位置センサ31によってミラーユニット30がオープン位置にあること、または格納位置から移動しはじめていることが検知され、BODY_ECU10は、ミラーコントローラ20にミラーユニット30のオープン信号を送信する。なお、BODY_ECU10から、ミラーコントローラ20へのIGオン/オフ信号の送信は、ミラーユニット30の格納/オープン信号と同時に送信されるものであってもよい。
【0018】
ミラーコントローラ20は、BODY_ECU10から送信される信号や、ミラー位置センサ31の検出信号に基づいて、車両が駐車(停車)開始状態にあるか否か、および車両が作動開始状態にあるか否かを判断した上で、左右角度調整用モータ33および上下角度調整用モータ34を制御し、ミラー部42の角度を変更することができる。
【0019】
駐車開始状態とは、ユーザが車両を駐車させようとしている、若しくは駐車させたと認識できる状態であって、例えば、IG_SW16によってIGオフ操作された場合、ドアロック(キーロック)がされた場合や、ミラーユニット30が格納された場合などを含む。例えば、ユーザが車両から降車するためにドア14を開閉動作させることにより、ドア14が備える図示しないカーテシスイッチのオン/オフ操作の信号が検出されたのちに、ドアロックがされることで駐車開始状態にあると判断されるようにしてもよい。作動開始状態とは、ユーザが車両を作動させようとしている、若しくは作動させたと認識できる状態であって、例えば、IG_SW16によってIGオン操作がされた場合、ドアロック解除(キーロック解除)がされた場合や、ミラーユニット30がオープンした場合などを含む。なお、ミラーユニット30の格納/オープン信号は、BODY_ECU10を介してミラーコントローラ20に入力されるものであってもよいし、BODY_ECU10を介さずに、直接ミラーコントローラ20に入力されるものであってもよい。
【0020】
ミラーコントローラ20は、ミラー位置センサ31によって検出されたミラー部42の角度を記憶する。また、ミラー部42の角度は、図示しない鏡面調整用ボタン(ミラースイッチ)などの操作によりユーザによって所望角度に調整可能である。ユーザにより鏡面調整操作がされると、ミラーコントローラ20は、左右角度調整用モータ33および上下角度調整用モータ34を制御し、ミラー部42の角度を調整(変更)する。ミラーコントローラ20は、ミラー位置センサ31から検出されたミラー部42の調整後(変更後)の角度を記憶する。
【0021】
ミラー位置センサ31は、ミラーユニット30の格納(開閉)方向における位置や、ミラー部42の角度位置を検出するための位置検出センサである。ミラー位置センサ31によって検知された位置情報は検出信号として、BODY_ECU10や、ミラーコントローラ20に入力される。
【0022】
図3を参照して、本実施形態におけるミラー部42の変更可能な角度について説明する。図3で示すA~Cは、図2に示す突起部44が設けられたミラー部42の変更可能な角度での状態の一例を、同一図面上に表したものである。Aが示す状態は、ミラーハウジング46の開口部50からミラー部42の上部が突出しない角度に傾動された場合の状態である。Bが示す状態は、鏡面42aが下側を向くようにミラー部42を傾動させた状態であり、ミラーハウジング46の開口部50からミラー部42の上部が突出する角度となっている。Cが示す状態は、鏡面42aが上側を向くようにミラー部42を傾動させた状態であり、ミラー部42の上部がミラーハウジング46の奥に入り込んでいる。
【0023】
ここで、従来のサイドミラーにおけるミラー(鏡面)の角度は、例えば図3におけるAが示す状態のようにミラーハウジング46の開口部50からミラー部42の上部が突出しない角度までしか調整することができなかった。また、車両駐車時において、鏡面の角度は、車両走行時の状態のまま変更されることがなかった。しかし、通常の鏡面の調整可能角度や、車両走行時の鏡面の角度では、車両が屋外に保管されていた場合に、鏡面に雨滴が付着する虞が生じていた。そこで、本実施形態における車両装置2は、車両が駐車開始状態となったときに、ミラー部42の角度を変更可能とし、また図3におけるBが示す状態のようにミラーハウジング46の開口部50からミラー部42の上部が突出する角度に傾動させることができることにより、鏡面42aに雨滴が付着することを軽減可能とした。
【0024】
また、本実施形態におけるミラー部42の上部には突起部44が設けられているため、鏡面42aに雨滴が付着することを更に軽減可能とし、図3のBが示す状態のようにミラーハウジング46の開口部50からミラー部42の上部を突出させた場合であっても、ミラーユニット30の内部構造に対して防水防塵効果を有する。なお、ミラー部42を傾動可能とする角度の範囲は、ミラー部42が、ミラーユニット30の内蔵部(内部構造)に干渉しない範囲とすればよい。また、突起部44が設けられている場合には、図3におけるAが示す状態のように、鏡面42aを上側に向け、ミラー部42の上部がミラーハウジング46の奥に入り込んだ際に、背面側突起部44bがミラーユニット30の内蔵部(内部構造)に干渉しない範囲とすればよい。
【0025】
図4は、車両装置2におけるミラー部42の角度の位置記憶処理(動作)の一例を示すフローチャートである。図4にしたがって本発明における車両装置2の動作を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
図4に示す位置記憶処理では、ステップS1において、ユーザによってミラー部42(鏡面42a)の角度が調整(変更)されたか否かを判別する。ミラー部42の角度が調整されたと判別されなければ(ステップS1、NO)、位置記憶処理を終了する。一方、ミラー部42の角度が調整されたと判別されると(ステップS1、YES)、ステップS3に進む。
【0027】
ステップS3では、ステップS1において調整されたミラー部42の上下および左右の角度が、ミラー位置センサ31によって検出される。ミラー位置センサ31によってミラー部42の角度位置が検出されると、ステップS5に進み、ミラーコントローラ20は、ステップS3においてミラー位置センサ31によって検出されたミラー部42の角度位置(ユーザ設定鏡面位置)を記憶し、位置記憶処理が終了する。位置記憶処理は、例えば、IGオンされ、ミラーユニット30がオープンしている状態など、ミラー部42の角度位置を調整可能な状態において繰り返し実行される。なお、位置記憶処理は、IGオフの状態に鏡面調整可能である場合に実行されてもよく、またミラーユニット30がオープンしておらず、格納されている場合に調整可能であってもよい。
【0028】
図5は、車両装置2における鏡面制御処理(動作)の一例を示すフローチャートである。図5にしたがって本発明における車両装置2の動作を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0029】
図5に示す鏡面制御処理では、ステップS11において、IG_SW16によってIG-OFF(オフ)操作がされたか否かを判別する。IGオフ操作がされたと判別されなければ(ステップS11、NO)、鏡面制御処理を終了する。一方、IGオフ操作がされたと判別(ステップS11、YES)された後に、カーテシSW(スイッチ)のON/OFF操作の信号が検出され(ステップS13)、次いでドアロック(キーロック)がされると(ステップS15)、ユーザが車両から降車した後にドアロックをした駐車開始状態になったものと判別される。次いで、ステップS17でBODY_ECU10はミラーユニット30を格納するとともに、ミラーコントローラ20へミラーユニット30の格納信号を送信し、ステップ19に進む。
【0030】
ステップ19では、ミラー部42(鏡面42a)の角度を現状角度よりも更に下向きになるように制御し、ステップS21に進む。すなわち、ステップS19においてミラーコントローラ20は、上述のステップS11~S17によってBODY_ECU10からIGオフ信号およびミラーユニット30の格納信号が送信されるため、車両が駐車開始状態にあると判断し、ミラー部42の鏡面42aの角度を雨滴が付着し難くなる角度まで傾動させる。
【0031】
ステップS21では、IG_SW16によってIG-ON(オン)操作がされたか否かを判別する。IGオン操作がされたと判別されなければ(ステップS21、NO)、ステップS21に戻り、IGオン操作がされたと判別されるまでステップS21が繰り返される。
【0032】
ステップS21で、IGオン操作がされたと判別されると(ステップS21、YES)、ステップS23に進み、BODY_ECU10はミラーユニット30をオープンするとともに、ミラーコントローラ20へミラーユニット30のオープン信号を送信し、ステップS25に進む。
【0033】
ステップS25では、ミラー部42の角度を図4の位置記憶処理によってミラーコントローラ20に記憶された角度位置に復帰させるように制御をする。すなわち、ステップS25においてミラーコントローラ20は、上述のステップS21~S23によって、BODY_ECU10からIGオン信号およびミラーユニット30のオープン信号が送信されるため、車両が作動開始状態にあると判断し、ミラー部42の角度をステップS19において鏡面42aを下向きにする前の角度(ユーザ設定鏡面位置)に戻し、鏡面制御処理を終了する。なお、ユーザによってミラー部42の角度が車両の初期設定の状態から調整されていない場合、初期の値がミラーコントローラ20に記憶されていてもよい。
【0034】
以上説明したように、本発明の車両装置2によれば、コストや手間を増大させることなく、IG-OFF時など車両を駐車する際に、ミラーユニット30のミラー部42の角度を傾動させることができる。その結果、雨滴が付着する虞が生じるような状況においても鏡面42aへの雨滴付着の軽減が可能となる。
【0035】
上記実施形態では、図5のステップS19において、ステップS11~S17によって、BODY_ECU10からIGオフ信号およびミラーユニット30の格納信号が送信されるため、車両が駐車開始状態にあると判断し、ミラー部42の角度を現状角度よりも更に下向きになるように制御する例について説明した。しかし、これに限らず、例えば、ユーザが車両を駐車させようとしている、若しくは駐車させたと認識できる状態であれば、例えば、IG_SW16によってIGオフ操作された場合、ドアロック(キーロック)がされた場合や、ミラーユニット30が格納された場合などのいずれかがなされた場合に、車両が駐車開始状態にあると判断し、ミラー部42(鏡面42a)の角度を下向きに制御してもよい。すなわち、ミラーユニット30が格納されていない状態で、ミラー部42の角度を下向きに制御してもよい。
【0036】
上記実施形態では、図5のステップS25において、ステップS21~S23によって、BODY_ECU10からIGオン信号およびミラーユニット30のオープン信号が送信されるため、車両が作動開始状態にあると判断し、ミラー部42の角度を図4の位置記憶処理によってミラーコントローラ20に記憶された角度位置に復帰させる例について説明した。しかし、これに限らず、例えば、ユーザが車両を作動させようとしている、若しくは作動させたと認識できる状態であれば、例えば、IG_SW16によってIGオン操作がされた場合、ドアロック解除(キーロック解除)がされた場合や、ミラーユニット30がオープンした場合などのいずれかがなされた場合に、車両が作動開始状態にあると判断し、ミラー部42の角度を復帰させてもよい。すなわち、ミラーユニット30が格納されていない状態で、ミラー部42の角度を復帰させてもよい。
【0037】
上記実施形態における図5のステップS19においてミラー部42の角度を下向きにする制御は、ステップS17におけるBODY_ECU10によってミラーユニット30の格納がされるとともに、すなわちミラーユニット30の格納と同時になされる例について説明したが、これに限らず、ミラーユニット30の格納後になされてもよく、もしくは、ミラーユニット30が格納される前になされてもよい。また、ステップS25においてミラー部42の角度を復帰させる制御は、ステップS23におけるBODY_ECU10によってミラーユニット30がオープンされるとともに、すなわちミラーユニット30のオープンと同時になされる例について説明したが、これに限らず、ミラーユニット30のオープン後になされてもよく、もしくは、ミラーユニット30がオープンされる前になされてもよい。
【0038】
上記実施形態では、ミラーユニット30は、ドアロックがされると格納され、IGオン操作がされるとオープンする例について説明したが、これに限らず、例えば、IGオフがされたことにより格納されるものであってもよく、ドアロックが解除(キーロック解除)されることにより、オープンされるものであってもよい。また、ユーザによるボタン(ミラースイッチ)等の操作によって格納/オープン可能とするものでもよい。
【0039】
上記実施形態では、ミラー部42の角度は、駐車開始状態においてミラーコントローラ20によって制御可能な角度と、ユーザによって制御可能な角度とを異なるものにしてもよく、もしくは、ユーザによっても、駐車開始状態においてミラーコントローラ20によって制御可能な角度までミラー部42の角度を制御可能であってもよい。その場合、図5のステップS19において、例えばユーザ操作などにより、ミラー部42の角度が、すでに下向きにできる最大角度となっている場合は、ステップS19におけるミラー部42の角度をさらに下向きにする制御はされないため、その後のステップS25においてミラー位置を戻すこともなされず、モータの消耗による劣化防止ができる。
【0040】
上記実施形態では、図3のBが示す状態のように、ミラーハウジング46の開口部50からミラー部42の上部が突出する例について説明したが、これに限らず、図5のステップ19においてミラー部42を下向きに傾動させる制御は、既存の傾動可能な範囲(例えば図3のAが示すミラー部42の角度位置など)まででもよい。
【0041】
上記実施形態では、図5のステップS19においてミラー部42を下向きに制御する例について説明したが、これに限らず、下向きにする制御に加えて、例えば左右角度調整用モータ33によって、ミラー部42の鏡面42aが車両側面に寄せられるようにミラー部42を左右方向に制御してもよい。この場合、例えば、ミラー部42の左右側面にも突起部44を設け、ミラー部42が、ミラーハウジング46から突出するようにしてもよく、既存の傾動可能な範囲でミラーハウジング46内から突出しないようにしてもよい。これにより、例えばミラーユニット30の横方向から吹き付ける強風を伴う雨風があったとしても、鏡面42aに雨滴が付着することを軽減できる。
【0042】
上記実施形態における図5のステップS19においてミラー部42を下向きに制御する処理は、天気情報に基づいて行われてもよく、例えば、車両が駐車開始状態であると判断されたときに、この先の所定期間(時間)の天気情報において、雨天予報があれば制御を行うものであってもよく、また強風を伴う予報があれば、さらにミラー部42を横向きに制御するものであってもよい。
【0043】
上記実施形態における図5のステップS19においてミラー部42を下向きに制御する処理は、車両に搭載されたカメラやセンサ等から取得した情報に基づいて行われてもよく、例えば、車両が駐車開始状態であると判断されたときに、周辺が壁で囲まれているか否か、もしくは、車両上部に屋根があると検出された場合には、ミラー部42を下向きに制御する処理を行わないものであってもよい。これにより、モータの消耗による劣化防止ができる。
【0044】
上記実施形態では、ミラー部42に突起部44が設けられる例について説明したが、これに加えて突起部44の上部にドリップチャンネルを形成してもよい。すなわち、突起部44の上部表面部で且つミラー部42の左右方向に溝を設け、雨水が当該溝を介してミラー部42の左右外側に流れ落ちるようにしてもよい。また、突起部44の上部表面部を緩く凸状に湾曲した形状とし、ミラー部42の左右方向に雨水が流れ落ちやすくなるようにしてもよい。
【0045】
上記実施形態における図5のステップS19において下向きに制御される対象であるミラー部42がサイドミラーである例について説明したが、これに限らず、車両の外側に設けられているミラーであれば、その鏡面に本発明を適用可能である。また、車両の外側に設けられたカメラやセンサなど、雨滴の影響を受ける可能性のある対象物に対しても、本発明の鏡面に代えて適用可能であり、視認性の悪化やセンサに雨滴が付着することによる誤作動を防止することができる。この場合、傾動させる範囲は、既存の傾動可能な範囲内でもよく、また、突起部44を設けないものであってもよい。少なくとも、鏡面等の対象物を下向きに傾動させることにより、雨滴が鏡面等に付着することを軽減できる。
【0046】
なお、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0047】
2 …車両装置
10 …BODY_ECU
20 …ミラーコントローラ
30 …ミラー(サイドミラー)ユニット
12 …キー
14 …ドア
16 …IG_SW
31 …ミラー位置センサ
32 …格納用モータ
33 …左右角度調整用モータ
34 …上下角度調整用モータ
42 …ミラー部
42a …鏡面
44 …突起部
44a …正面側突起部
44b …背面側突起部
46 …ミラーハウジング
48 …回転軸
50 …開口部
図1
図2
図3
図4
図5