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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163649
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】容器
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B41J2/175 119
B41J2/175 115
B41J2/175 169
B41J2/175 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074688
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117101
【弁理士】
【氏名又は名称】西木 信夫
(74)【代理人】
【識別番号】100120318
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 朋浩
(72)【発明者】
【氏名】林 雅洋
(72)【発明者】
【氏名】岡崎 真也
(72)【発明者】
【氏名】大木 聡
(72)【発明者】
【氏名】田邉 裕磨
(72)【発明者】
【氏名】福田 祐士
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EB55
2C056KC02
2C056KC04
2C056KC10
2C056KC13
2C056KC16
(57)【要約】
【課題】供給口から流出した記録材がカバーに付着し難い容器を提供する。
【解決手段】インクカートリッジ30は、供給口48を有する容器本体31と、容器本体31に取り付けられたカバー32と、を備える。容器本体31は、前壁40と、後壁41と、を有する。貯留室46は、前壁40と後壁41との間に位置する。カバー32は、後方を向く開口71を有しており、前壁40の外面の一部を覆っている。供給口47は、カバー32の開口71の下端よりも下方に位置して前後方向8へ延びるインク流路48の前端に位置する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液状の記録材を貯留する貯留室を有し、画像形成装置に装着可能な容器であって、
前方を向く供給口を有する容器本体と、
上記容器本体に取り付けられたカバーと、を備え、
上記容器本体は、
上下方向に延びる前壁と、
上記上下方向と交差する前後方向において上記前壁と対をなす後壁と、を有しており、
上記貯留室は、上記前壁と上記後壁との間に位置しており、
上記カバーは、後方を向く開口を有しており、上記前壁の外面の少なくとも一部を覆っており、
上記供給口は、上記カバーの開口の下端よりも下方に位置して上記前後方向へ延びる液体供給路の前端に位置する容器。
【請求項2】
上記容器本体は、上記貯留室に貯留された上記記録材の液面が外部から視認可能な透光性を有する請求項1に記載の容器。
【請求項3】
上記カバーの前面は、上記供給口よりも前方に位置する請求項1または2に記載の容器。
【請求項4】
上記カバーは、上記上下方向に移動可能に上記容器本体に取り付けられている請求項1または2に記載の容器。
【請求項5】
上記容器本体は、
上記前壁と上記後壁とを繋ぐ第1側壁と、
上記前後方向および上記上下方向と交差する左右方向において上記第1側壁と対をなす第2側壁と、
上記前壁と上記後壁とを繋ぐ上壁と、
上記上下方向において上記上壁と対をなす下壁と、を更に有する請求項1または2に記載の容器。
【請求項6】
上記容器本体は、上記貯留室を外部と連通する大気開放路を有しており、
上記大気開放路の上記容器本体の外面における開口は、前方を向いている請求項1または2に記載の容器。
【請求項7】
上記容器本体は、上記貯留室を外部と連通する大気開放路を有しており、
上記大気開放路の上記容器本体の外面における開口は、上方を向いている請求項1または2に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液状の記録材を貯留し、画像形成装置に装着可能な容器に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタに装着可能なインクカートリッジ30が知られている(例えば、特許文献1参照)。インクカートリッジ30において、プリンタへの装着向きの前方にカバーが位置する。カバーに形成された貫通孔97を通じてインク供給部34が外部に露出されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-103565号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インク供給部34から流出したインクがカバーに付着することがある。カバーに付着したインクは、プリンタ内部を汚したり、記録紙を汚したりする。
【0005】
本発明は、前述された事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、供給口から流出した記録材がカバーに付着し難い容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1) 本発明は、液状の記録材を貯留する貯留室を有し、画像形成装置に装着可能な容器に関する。上記容器は、前方を向く供給口を有する容器本体と、上記容器本体に取り付けられたカバーと、を備える。上記容器本体は、上下方向に延びる前壁と、上記上下方向と交差する前後方向において上記前壁と対をなす後壁と、を有する。上記貯留室は、上記前壁と上記後壁との間に位置する。上記カバーは、後方を向く開口を有しており、上記前壁の外面の少なくとも一部を覆っている。上記供給口は、上記カバーの開口の下端よりも下方に位置して上記前後方向へ延びる液体供給路の前端に位置する。
【0007】
カバーにより容器本体の前方が保護される。また、カバーの開口の下端よりも下方に供給口が位置するので、供給口から流出した記録材がカバーに付着することが抑制される。また、カバーの下方において容器本体に付着した記録材が拭き取られやすい。
【0008】
(2) 上記容器本体は、上記貯留室に貯留された上記記録材の液面が外部から視認可能な透光性を有してもよい。
【0009】
容器本体の外部から貯留室に貯留された記録材の液面が確認できる。
【0010】
(3) 上記カバーの前面は、上記供給口よりも前方に位置してもよい。
【0011】
カバーにより供給口に外部の部材が接触することを抑制できる。
【0012】
(4) 上記カバーは、上記上下方向に移動可能に上記容器本体に取り付けられていてもよい。
【0013】
(5) 上記容器本体は、上記前壁と上記後壁とを繋ぐ第1側壁と、上記前後方向および上記上下方向と交差する左右方向において上記第1側壁と対をなす第2側壁と、上記前壁と上記後壁とを繋ぐ上壁と、上記上下方向において上記上壁と対をなす下壁と、を更に有してもよい。
【0014】
(6) 上記容器本体は、上記貯留室を外部と連通する大気開放路を有しており、上記大気開放路の上記容器本体の外面における開口は、前方を向いていてもよい。
【0015】
供給口が重力方向の下方を向く容器の姿勢において、供給口と大気開放路の開口との重力方向における位置の差が比較的小さいので、供給口における液体の圧力も比較的小さくなる。これにより、上記姿勢において、貯留室に貯留された液体が供給口から漏れ出し難い。
【0016】
(7) 上記容器本体は、上記貯留室を外部と連通する大気開放路を有しており、上記大気開放路の上記容器本体の外面における開口は、上方を向いていてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、供給口から流出した記録材がカバーに付着し難い。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、プリンタ10の内部構造を模式的に示す縦断面図である。
図2図2は、インクカートリッジ30の斜視図である。
図3図3は、インクカートリッジ30の縦断面図である。
図4図4は、変形例に係るインクカートリッジ30の縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、適宜図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明される実施形態は本発明が具体化された一例にすぎず、本発明の要旨を変更しない範囲で実施形態を適宜変更できることは言うまでもない。
【0020】
以下では、インクカートリッジ30は、カートリッジ装着部110に対して水平方向(重力方向に対し直交する方向)に挿入及び脱抜される。したがって、前後方向8及び左右方向9は水平方向である前提として説明がなされるが、必ずしも前後方向8は水平方向でなくてもよい。また、前後方向8に直交する鉛直方向が上下方向7と定義される。上下方向7及び前後方向8と直交する方向が左右方向9と定義される。なお、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態とは、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110の装着位置まで挿入された状態である。装着位置は、カートリッジ装着部110に設けられたインクニードル102がインクカートリッジ30に設けられたインク供給部34に挿入されて互いに連結される位置である。また、以下では、インクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に装着されて使用される状態の、当該インクカートリッジ30の姿勢を使用姿勢と称する。
【0021】
また、以下の説明では、前方は、前後方向8においてインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して挿入される向きをいい、後方は、前後方向8においてインクカートリッジ30がカートリッジ装着部110に対して脱抜される向きをいう。「前方を向く」とは、前方の成分を含む方向を向くことを含み、「後方を向く」とは、後方の成分を含む方向を向くことを含む。また、「下方を向く」とは、下方の成分を含む方向を向くことを含み、「上方を向く」とは、上方の成分を含む方向を向くことを含む。例えば、「前面が前方を向く」とは、前面が前方を向いていてもよいし、前面が前方に対して傾斜した方向を向いていてもよい。
【0022】
[プリンタ10の概要]
図1に示されるように、プリンタ10は、インクジェット記録方式に基づいて、用紙に対してインク滴を吐出することにより画像を記録する画像形成装置であり、例えばインクジェットプリンタである。プリンタ10は、カートリッジ装着部110を備える。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30(容器の一例)が装着される。カートリッジ装着部110には、その一面に開口112が形成されている。インクカートリッジ30は、開口112を通じてカートリッジ装着部110に前方へ挿入され、或いは開口112を通じてカートリッジ装着部110から後方へ抜き出される。なお、図1においては、カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態が示されている。つまり、図1において、インクカートリッジ30は装着状態である。この状態にあるインクカートリッジ30の姿勢が、使用姿勢である。
【0023】
インクカートリッジ30は、液体を貯留しており、例えばプリンタ10で使用可能なインク(記録材の一例)を貯留する。カートリッジ装着部110へのインクカートリッジ30の装着が完了した状態において、インクカートリッジ30と記録ヘッド21とは、インクチューブ20を介して接続されている。記録ヘッド21は、インクカートリッジ30から供給されたインクを複数のノズル29から吐出する。具体的には、記録ヘッド21が備えるヘッド制御基板が、複数のノズル29に対応して設けられた複数のピエゾ素子29Aに選択的に駆動電圧を印加する。これにより、ノズル29から選択的にインクが吐出される。つまり、記録ヘッド21は、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30に貯留されたインクを消費する。
【0024】
プリンタ10は、給紙トレイ15と、給紙ローラ23と、搬送ローラ対25と、プラテン26と、排出ローラ対27と、排紙トレイ16と、を備えている。給紙ローラ23は、給紙トレイ15上の用紙を搬送路24へ向けて給送する。搬送路24へ給送された用紙は、やがて搬送ローラ対25に到達する。搬送ローラ対25は、搬送ローラ対25に到達した用紙をプラテン26上へ搬送する。記録ヘッド21は、プラテン26上を通過する用紙に対してインクを選択的に吐出する。これにより、用紙に画像が記録される。プラテン26を通過した用紙は、排出ローラ対27に到達する。排出ローラ対27は、排出ローラ対27に到達した用紙を、搬送路24の最下流側に位置する排紙トレイ16に排出する。
【0025】
[カートリッジ装着部110]
図1に示されるように、カートリッジ装着部110は、カートリッジケース101と、インクニードル102と、を備えている。カートリッジ装着部110には、インクカートリッジ30が収容可能である。
【0026】
図1に示されるように、カートリッジケース101は、カートリッジ装着部110の筐体を形成する箱形状である。開口112は、ユーザがプリンタ10を使用するときに対面する面であるプリンタ10のユーザインタフェース面に露出し得る。
【0027】
インクニードル102は、中空の管状となっており、カートリッジケース101の終面103の下部に位置している。インクニードル102は、カートリッジケース101の終面103において、カートリッジ装着部110に装着されたインクカートリッジ30の供給口47に対応する位置にある。インクニードル102は、カートリッジケース101の終面103から前後方向8に沿って突出しており、その先端が後方へ向けて開口している。なお、インクニードル102の先端は、平坦であってもよく、尖っていてもよい。
【0028】
[インクカートリッジ30]
インクカートリッジ30は液体であるインクが貯留される容器である。図2に示されるように、インクカートリッジ30は、容器本体31と、カバー32と、を有する。
【0029】
図2に示されるように、容器本体31は、左右方向9の寸法が、上下方向7の寸法および前後方向8の寸法よりも小さい薄平な立方体形状である。
【0030】
容器本体31は、前壁40と、前後方向8において前壁40と対をなす後壁41と、前壁40と後壁41とを繋ぐ左壁42(第1側壁の一例)と、左右方向9において左壁42と対をなす右壁43(第2側壁の一例)と、前壁40と後壁41とを繋ぐ上壁44と、上下方向7において上壁44と対をなす下壁45と、を有する。前壁40の外面は前方を向いている。後壁41の外面は後方を向いている。左壁42の外面は左方を向いている。右壁43の外面は右方を向いている。上壁44の外面は上方を向いている。下壁45の外面は下方を向いている。
【0031】
前壁40、後壁41、左壁42、右壁43、上壁44及び下壁45は、容器本体31の内部空間の貯留室46を区画する。貯留室46は、前壁40と後壁41との間に位置する。前壁40、後壁41、左壁42、右壁43、上壁44及び下壁45は、貯留室46に貯留されたインクの液面を外部から視認できる程度の透光性を有する。容器本体31は、例えば合成樹脂の成型品である。
【0032】
前壁40の下方には、インクを流出するための供給口47が開口している。本実施形態は、供給口47は外部に開口しているが、供給口47は、バルブなどによって開閉されてもよい。供給口47は前方を向いている。
【0033】
図3に示されるように、容器本体31の内部において、供給口47から前後方向8に沿ってインク流路48(液体供給路)が延びている。インク流路48は、供給口47と貯留室46の下端付近とを繋いでいる。インク流路48の前端が供給口47である。貯留室46に貯留されたインクが、インク流路48を通じて供給口47から外部へ流出する。
【0034】
上壁44には、貯留室46の上端付近と外部とを繋ぐ大気開放路49が形成されている。大気開放路49を通じて外部と貯留室46との間で空気が流通可能である。大気開放路49によって、貯留室46の気体層が外部の大気圧となる。大気開放路49の上壁44の外面における開口は上方を向いている。なお、大気開放路49は、バルブや半透膜などによって塞がれていてもよい。
【0035】
図2に示されるように、右壁43の前端付近には、右壁43の外面から右方へ突出する突片50が位置する。図には現れていないが、左壁42の前端付近にも同様に、左壁42の外面から左方へ突出する突片50が位置する。
【0036】
カバー32は、容器本体31より小さな立方体形状であり、後方へ向く開口71を有する箱形状である。カバー32は、容器本体31の前壁40において、供給口47よりも上側の部分を覆うように容器本体31に取り付けられている。
【0037】
カバー32は、後方へ向く開口71を有する箱形状のカバー本体72と、カバー本体72において開口71を区画する左壁75の後端および右壁76の後端から、それぞれ後方へ延びる延出片73L,73Rと、を有する。
【0038】
カバー本体72は、前壁74と、前壁74の左端から後方へ延びる左壁75と、左右方向9において左壁75と対をなす右壁76と、前壁74の上端から後方へ延びる上壁77と、上下方向7において上壁77と対をなす下壁78と、を有する。前壁74の外面は前方を向いている。左壁75の外面は左方を向いている。右壁76の外面は右方を向いている。上壁77の外面は上方を向いている。下壁78の外面は下方を向いている。前壁74、左壁75、右壁76、上壁77、および下壁78は、カバー本体72の内部空間を区画する。
【0039】
カバー本体72の上下方向7に沿った寸法は、容器本体31の上下方向7に沿った寸法よりも小さい。カバー本体72の前後方向8に沿った寸法は、容器本体31の前後方向8に沿った寸法よりも小さい。カバー本体72の左右方向9に沿った寸法は、容器本体31の左右方向9に沿った寸法よりも若干大きい。
【0040】
右壁76の後端から延出片73Rが後方へ延びている。延出片73Rは、平板形状である。延出片73Rの上下方向7の中央付近には、延出片73Rを左右方向9に貫通する貫通孔79が位置する。貫通孔79には、突片50が挿入されている。貫通孔79は、突片50の外形よりも大きな長方形である。貫通孔79は、上下方向7に沿った寸法が前後方向8に沿った寸法よりも大きい。貫通孔79の上下方向7に沿った寸法は、突片50の上下方向7に沿った寸法よりも十分に大きい。したがって、突片50は、貫通孔79に挿入された状態において、上下方向7へ移動可能である。なお、図には現れていないが、左壁75にも同様に貫通孔79が位置する。
【0041】
左壁75と右壁76とは、左右方向9において対をなしている。左壁75と右壁76との間には、容器本体31が挿入されている。容器本体31の左壁75に位置する突片50が延出片73Lの貫通孔79に挿入され、右壁76に位置する突片50が延出片73Rの貫通孔79に挿入されることにより、カバー32が容器本体31に取り付けられている。カバー32は、容器本体31に取り付けられた状態において、突片50が貫通孔79を上下方向7に移動可能な範囲だけ、容器本体31に対して上下方向7に移動可能である。
【0042】
カバー32は、容器本体31に取り付けられた状態において、カバー32は、容器本体31の前壁40の一部分である上側部分を覆っている。カバー32の前壁74の外面(前面の一例)は、供給口47よりも前方に位置する。供給口47は、カバー32の開口71の下端よりも下方に位置する。
【0043】
[実施形態の作用効果]
前述された実施形態によれば、カバー32により容器本体31の前方が保護される。また、カバー32の開口71の下端よりも下方に供給口47が位置するので、供給口47から流出したインクがカバー32に付着することが抑制される。また、カバー32の下方において容器本体31に付着したインクが拭き取られやすい。
【0044】
また、容器本体31の左壁42および右壁43が透光性を有するので、容器本体31の外部から貯留室46に貯留されたインクの液面が確認できる。
【0045】
また、カバー32の前壁74の外面は、供給口47よりも前方に位置するので、カバー32により供給口47に外部の部材が接触することを抑制できる。
【0046】
[変形例]
前述された実施形態では、上壁44に大気開放路49が形成されているが、図4に示されるように、大気開放路49は前壁40に形成されていてもよい。この場合、大気開放路49の前壁40の外面における開口は前方を向いている。また、大気開放路49の開口は、カバー32により覆われている。
【0047】
供給口47が重力方向の下方を向くインクカートリッジ30の姿勢において、換言すれば、容器本体31の前壁40の外面が重力方向の下方を向く姿勢において、供給口47と大気開放路49の開口との重力方向における位置の差が、前述された実施形態のように大気開放路49の開口が上壁44に位置する場合と比べて小さい。したがって、供給口47におけるインクの圧力も前述された実施形態と比べて小さくなる。これにより、上記姿勢において、貯留室46に貯留されたインクが供給口47から漏れ出し難い。その結果、容器本体31の外面がインクで汚れ難い。
【0048】
また、供給口47は、容器本体31の前壁40に位置するが、前壁40から前方へ突出する供給部が設けられ、供給部の内部にインク流路48が形成されて、供給部の先端に供給口47が位置してもよい。
【0049】
また、容器本体31の外形やカバー32の外形は、立方体形状や箱形状に限定されない。例えば、容器本体31にユーザにより操作される凸部などが形成されてもよいし、貯留室46のインクを検出するための検出部が設けられてもよい。カバー32においても、同様に凸部などが設けられてもよい。
【0050】
前述された実施形態では、カバー32の貫通孔79に容器本体の突片50が挿入されることにより、カバー32が容器本体31に取り付けられたが、カバー32が容器本体31に取り付けられる構造は、他の構造が採用されてもよい。
【0051】
前述された実施形態では、容器本体31にインクが貯留されるが、容器本体31はインク以外の他の記録材、例えば,印刷時にインクに先立って用紙などに吐出される前処理液が記録材として貯留されてもよい。
【符号の説明】
【0052】
10・・・プリンタ(画像形成装置)
30・・・インクカートリッジ(容器)
31・・・容器本体
40・・・前壁
41・・・後壁
42・・・左壁(第1側壁)
43・・・右壁(第2側壁)
44・・・・上壁
45・・・下壁
46・・・貯留室
47・・・供給口
48・・・インク流路(液体流路)
図1
図2
図3
図4