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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163651
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】手差しトレイ及び画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20231102BHJP
   B65H 1/04 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B65H11/00 A
B65H1/04 310A
B65H1/04 320B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074693
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】角田 昌之
【テーマコード(参考)】
3F063
3F343
【Fターム(参考)】
3F063BA02
3F063BA08
3F063BA09
3F063BA10
3F343FA01
3F343FB01
3F343GA02
3F343GB01
3F343GC01
3F343GD01
3F343HA18
3F343HA31
3F343HA34
3F343KB03
3F343KB14
3F343KB17
3F343LA04
3F343LA16
3F343LC14
3F343LC20
3F343LD12
(57)【要約】
【課題】搬送ローラーカバーのような突出部が存在しても、装置の更なる小型化を実現できるようにする。
【解決手段】側部12から突出した突出部(搬送ローラーカバー14)を収納するための収納部SPと、用紙を載置する載置面31に形成された、収納部SPの開口32と、給紙方向と直交する方向を回転軸331として回動自在に支持された、開口32を塞ぐことが可能な開口カバー33と、を有するトレイ本体3と、トレイ本体3からの引き出し可能であって、トレイ本体3に収納されている場合において、収納部SPを形成するための凹部42を有する補助トレイ4と、を備える。開口カバー33は、トレイ本体3が側部12に沿って収納されるとき、回転軸331を中心にして、トレイ本体3の内側に向けて回転し、収納部SPに突出部である搬送ローラーカバー14と一緒に収納されるようにする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置の装置本体の側部に開閉自在に取り付けられ、手差し給紙を可能とする手差しトレイであって、
用紙を載置する載置面を有すると共に、給紙方向の下流側が前記側部に開閉自在に支持され、前記側部に沿って前記装置本体に収納される収納位置と、前記側部から開き、給紙方向の上流側が下流側よりも高い傾斜姿勢で、前記用紙が載置される給紙位置と、に位置変更が可能なトレイ本体と、
前記トレイ本体の内側となる本体内部に収納され、前記本体内部から引き出される方向と、前記本体内部に押し込まれる押し込み方向とに移動し、前記用紙が載置される補助載置面を有する補助トレイと、を備え、
前記トレイ本体は、前記装置本体の前記側部から突出した前記突出部の前記本体内部への侵入を許容する開口が前記載置面に形成され、給紙方向と直交する方向を回転軸として回動自在に支持されて、前記開口を塞ぐ姿勢と、前記開口から退避する姿勢に回動し、前記突出部が収納される形状とされた開口カバーと、を更に有し、
前記補助トレイは、前記トレイ本体に収納された状態のときに、前記本体内部において前記開口と対向する位置に配置され、前記開口カバーを受け入れる形状とされた凹部を有し、
前記開口カバーは、
前記補助トレイが収納された状態で前記トレイ本体が前記収納位置に存在するときに、前記本体内部に向けて回転することにより、前記凹部に前記突出部と共に収納され、
前記トレイ本体が前記給紙位置に配置され、前記補助トレイが収納された状態にあるとき、前記凹部へ収納され、
前記トレイ本体が前記給紙位置に配置され、前記補助トレイが引き出された状態にあるとき、前記本体内に収納されて、前記開口を塞ぐ位置に回動する、手差しトレイ。
【請求項2】
前記開口カバーは、
前記補助トレイが前記引き出されるときに前記補助トレイからの押圧を受け付ける第1受圧面と、前記補助トレイが前記本体内部に押し込まれたときに前記本体内部で支持を受ける第2受圧面とを有し、
前記補助トレイが前記引き出されるときに前記第1受圧面が前記補助トレイからの押圧を受けると、前記載置面の外側に向けて回転して上方に押し上げられ、前記補助トレイの移動路上から退避し、
前記補助トレイが予め定められた引出位置まで前記トレイ本体から引き出されたとき、前記第1受圧面の前記押圧が解除され、前記トレイ本体の前記本体内部に向けて回転して収納されると共に、前記本体内部で前記第2受圧面が支持され、前記開口を塞ぐ位置に配置される、請求項1に記載の手差しトレイ。
【請求項3】
前記補助載置面に前記用紙が載置されたときに前記用紙に先端が当接することで、前記用紙の有無に応じて姿勢が変化するサイズ検知アクチュエーターを有するサイズ検知機構を更に備えると共に、
前記補助載置面には、前記サイズ検知アクチュエーターの当接部を貫通させる貫通口が形成され、
前記当接部は、上方からの押圧を受けると、前記貫通口の下方に押し下げられ、上方からの押圧を受けないときは、前記貫通口から上方に突出する方向に押圧され、
更に、一端部が前記開口カバーの下面に固着され、他端部が前記回転軸の径方向に延びる弾性シートを備え、
前記弾性シートは、前記補助トレイが前記本体内部から引き出され、前記開口カバーが前記トレイ本体の外側に向けて回転して上方に押し上げられて前記開口から退避したときに前記開口を覆う位置に移動し、
前記弾性シートは、前記開口カバーの下面において、少なくとも、前記補助トレイに合わせて移動する前記貫通口の移動路上となる位置に配設されている請求項1に記載の手差しトレイ。
【請求項4】
前記開口カバーは、断面がV字状で、前記回転軸に連結された前記第1受圧面及び第2受圧面と、を有し、
前記弾性シートは、一端部が前記第1受圧面に固着され、他端部が前記第1受圧面を越えて、回転軸の径方向に延びる自由端からなり、前記開口カバーが上方に押し上げられたときに前記開口を覆う位置に配置され、前記補助トレイが前記本体トレイに収納された状態で前記開口カバーが前記本体内部に収納されたときに自由端側が弾性変形し、前記第2受圧面と前記凹部の底面の間に収納される請求項3に記載の手差しトレイ。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の手差しトレイと、
前記装置本体と、
前記装置本体の側部に沿って配置され、前記突出部を含む用紙搬送路と、
前記搬送路において、前記搬送路側から前記突出部の内部に収納される位置に設けられ、前記用紙を搬送する搬送ローラーと、
前記搬送ローラーにより搬送される前記用紙に対して画像を形成する画像形成部と、を備える画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置の装置本体の側部に開閉自在に取り付けられる手差しトレイ及びこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機や複合機等の画像形成装置には、例えば、下記の特許文献1,2に記載されているように、装置本体の側部に開閉自在に取り付けられ、手差し給紙を可能とする手差しトレイを備えるものがある。また、下記の特許文献2には、トレイ本体と、当該トレイ本体に収納され、給紙方向とは逆方向に引き出し可能な補助トレイと、を備える画像形成装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-005986号公報
【特許文献2】特開2014-162581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、画像形成装置の小型化が要求され、構造部品の一部が装置本体から突出することがある。例えば、用紙を搬送する搬送ローラーを覆う搬送ローラーカバーが装置本体の側部から突出すると、手差しトレイの収納を妨げ、装置の小型化を進めるのが難しくなる。
【0005】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、上記搬送ローラーカバーのような突出部が存在しても、装置の更なる小型化を実現できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一局面に係る手差しトレイは、画像形成装置の装置本体の側部に開閉自在に取り付けられ、手差し給紙を可能とする手差しトレイであって、用紙を載置する載置面を有すると共に、給紙方向の下流側が前記側部に開閉自在に支持され、前記側部に沿って前記装置本体に収納される収納位置と、前記側部から開き、給紙方向の上流側が下流側よりも高い傾斜姿勢で、前記用紙が載置される給紙位置と、に位置変更が可能なトレイ本体と、前記トレイ本体の内側となる本体内部に収納され、前記本体内部から引き出される方向と、前記本体内部に押し込まれる押し込み方向とに移動し、前記用紙が載置される補助載置面を有する補助トレイと、を備え、前記トレイ本体は、前記装置本体の前記側部から突出した前記突出部の前記本体内部への侵入を許容する開口が前記載置面に形成され、給紙方向と直交する方向を回転軸として回動自在に支持されて、前記開口を塞ぐ姿勢と、前記開口から退避する姿勢に回動し、前記突出部が収納される形状とされた開口カバーと、を更に有し、前記補助トレイは、前記トレイ本体に収納された状態のときに、前記本体内部において前記開口と対向する位置に配置され、前記開口カバーを受け入れる形状とされた凹部を有し、前記開口カバーは、前記補助トレイが収納された状態で前記トレイ本体が前記収納位置に存在するときに、前記本体内部に向けて回転することにより、前記凹部に前記突出部と共に収納され、前記トレイ本体が前記給紙位置に配置され、前記補助トレイが収納された状態にあるとき、前記凹部へ収納され、前記トレイ本体が前記給紙位置に配置され、前記補助トレイが引き出された状態にあるとき、前記本体内に収納されて、前記開口を塞ぐ位置に回動する、ものである。
【0007】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、本発明の一局面に係る上記手差しトレイと、記装置本体と、前記装置本体の側部に沿って配置され、前記突出部を含む用紙搬送路と、前記搬送路において、前記搬送路側から前記突出部の内部に収納される位置に設けられ、前記用紙を搬送する搬送ローラーと、前記搬送ローラーにより搬送される前記用紙に対して画像を形成する画像形成部と、を備えるものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、トレイ本体が有する収納部に突出部(例えば、搬送ローラーカバー)が収納されるので、装置本体に突出部が存在しても、収納部に突出部を収納した状態で手差しトレイを装置本体の側部に対して閉じた状態にでき、これにより、装置の更なる小型化を実現することが可能となる。
【0009】
また、補助トレイが固定位置まで引き出されたとき、開口カバーは収納部の開口を塞ぐ位置で停止し、開口は開口カバーで塞がれるので、開口からトレイ本体の内部は露出しない。
【0010】
開口カバーは、トレイ本体の内側に存在し続けると、補助トレイの移動(引き出し、押し込み)の妨げになるが、補助トレイからの押圧を受けると、トレイ本体の外側に向けて回転してトレイ本体の上方に押し上げられ、補助トレイの移動路上から退避するので、補助トレイの移動を妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る手差しトレイを示す正面断面図である。
図2】(A)及び(B)は、手差しトレイを簡略化した正面図である。
図3】搬送ローラーカバー及びその周辺を示す正面断面図である。
図4】(A)及び(B)は、手差しトレイを示す斜視図である。
図5】(A)乃至(C)は、開口カバーの状態を説明する図である。
図6】開口が開口カバーで塞がれた状態を示す斜視図である。
図7】弾性シート及びその周辺を示す正面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態に係る手差しトレイについて図面を参照して説明する。図1(A)及び(B)は、本発明の一実施形態に係る手差しトレイを示す正面断面図である。図2(A)及び(B)は、手差しトレイを簡略化した正面図である。
【0013】
手差しトレイ2は、画像形成装置1の装置本体11の側部12に開閉自在に取り付けられ、手差し給紙を可能とする。図1(A)及び図2(A)は、手差しトレイ2が閉じた状態を示し、図1(B)及び図2(B)は、手差しトレイ2が開いた状態を示している。図1及び図2には装置本体11の一部を示している。
【0014】
装置本体11は、装置本体11の側部に沿って配置されて用紙を搬送する図略の搬送路と、当該搬送路に設けられた搬送ローラー13と、搬送路の一部として搬送路に設けられ、搬送ローラー13を覆う搬送ローラーカバー14と、手差しトレイ2に載置された用紙を1枚ずつ取り出し、上記搬送路に搬送する図略のピックアップローラーと、を備える。すなわち、搬送ローラー13は、搬送路側から搬送ローラーカバー14の内部に収納されている。搬送ローラーカバー14は、装置本体11の側部12から突出し、特許請求の範囲における突出部の一例である。
【0015】
手差しトレイ2は、トレイ本体3と、トレイ本体3に収納され、給紙方向とは逆方向に引き出し可能及び給紙方向に押し込み可能な補助トレイ4(図2中で、灰色で示される)と、を備える。
【0016】
トレイ本体3は、用紙を載置する載置面31を有すると共に、給紙方向の下流側が装置本体11の側部12に開閉自在に支持され、側部12に沿って装置本体11に収納される収納位置と、装置本体11の側部12から開かれて、給紙方向の上流側が下流側よりも高い傾斜姿勢で用紙の載置を受け付け給紙する給紙位置と、に位置変更が可能となっている。
【0017】
トレイ本体3は、当該トレイ本体3が上記収納位置に存在するときに側部12から突出した搬送ローラーカバー(特許請求の範囲における突出部の一例)14を収納するための収納部SPと、載置面31に形成された、収納部SPの開口32と、給紙方向と直交する方向を回転軸331として回動自在に支持された、開口32を塞ぐことが可能な開口カバー33と、を有する。すなわち、トレイ本体3は、搬送ローラーカバーがトレイ本体3の本体内部に侵入することを許容する開口32が形成され、トレイ本体3の本体内部が収納部SPとして機能する。当該本体内部は、搬送ローラーカバー14を収納するに足りる空間を有する。
【0018】
補助トレイ4は、トレイ本体3の内側となる本体内部に収納される。補助トレイ4は、用紙を載置する補助載置面41と、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されている場合において、収納部SPを形成するための凹部42と、を有する。補助トレイ4は、トレイ本体3に対して、上記本体内部から引き出される方向(すなわち、給紙方向とは逆方向に引き出される方向)と、上記本体内部に押し込まれる方向(すなわち、給紙方向)に押し込まれる方向とに移動する。凹部42は、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されている状態のときに、トレイ本体3の本体内部において開口32と対向する位置に配置される。
【0019】
開口カバー33は、断面が「V」の字状で、回転軸331に連結された、引き出し中の補助トレイ4(凹部42の給紙方向下流側壁面)からの押圧を受ける第1受圧面332と、押し込み中の補助トレイ4からの押圧を受ける第2受圧面333と、を有する。
【0020】
開口カバー33は、第1受圧面332が補助トレイ4からの押圧を受けると、回転軸331を中心にして、トレイ本体3の外側に向けて回転して当該トレイ本体3の上方に押し上げられ、補助トレイ4の移動路上から退避する。なお、開口カバー33は、補助トレイ4がトレイ本体3の本体内部に収納されて、回転に対する規制がないときは、自重により、トレイ本体3の内側に向けて回転し、図2(B)に示したように、手差しトレイ2の凹部42の底面に到達する。このとき、開口カバー33は、搬送ローラーカバー14と共に凹部42に収納される。すなわち、開口カバー33は、給紙方向と直交する方向を回転軸として回動自在に支持されて、開口32を塞ぐ姿勢と、開口32から退避する姿勢に回動する。開口カバー33は、搬送ローラーカバー14が収納される形状とされている。また、補助トレイ4が予め定められた引出位置までトレイ本体3から引き出されたとき、開口カバー33は、補助トレイ4による第1受圧面332への押圧が解除され、トレイ本体3の収納部SP(本体内部)に向けて回転して収納されると共に、収納部SPで第2受圧面333が支持され、開口32を塞ぐ位置に配置される。
【0021】
図3は、搬送ローラーカバー14及びその周辺を示す正面断面図である。断面が「L」の字状である開口カバー33が、回転軸331を中心にして、トレイ本体3の内側に向けて回転することにより、収納部SPが開放される。そして、収納部SPに搬送ローラーカバー14及び開口カバー33が収納される。
【0022】
図中34は、弾性シートである。弾性シート34は、一端部が開口カバー33の下面(第1受圧面332)に固着され、他端部が回転軸331の径方向に延びる自由端からなる。なお、弾性シート34については、後で詳しく説明する。
【0023】
図4は、手差しトレイ2を示す斜視図であり、(A)は、補助トレイ4がトレイ本体3に収納された状態を示し、(B)は、補助トレイ4がトレイ本体3から引き出された状態を示している。
【0024】
トレイ本体3は、載置面31に載置された用紙の幅方向と直交する長手方向のサイズを検知する第1サイズ検知機構を備える。当該第1サイズ検知機構(図4(B)には、その先端部を先端部35として示す)は、載置面31に載置される用紙の有無に応じて姿勢が変化する既知のサイズ検知アクチュエーターを有する。
【0025】
載置面31には、上記サイズ検知アクチュエーターの先端部35を貫通させる貫通口36が形成されている。先端部35は、貫通口36から上方に突出する方向に図略の付勢部材により付勢されている。そのため、先端部35は、上方からの押圧を受けると、貫通口36の下方に押し下げられるが、上方からの押圧を受けないとき、貫通口36から上方に突出する。
【0026】
従って、載置面31に用紙が載置されると、当該用紙との当接によって先端部35は押し下げられ、上記サイズ検知アクチュエーターの姿勢は変化する。
【0027】
上記第1サイズ検知機構は、上記サイズ検知アクチュエーターの姿勢の変化を検知するセンサー(例えば、透過型の光センサー)を備え、上記変化を検知する。これにより、載置面31に載置された用紙の長手方向(給紙方向)のサイズが、先端部35の配置位置に到達する大きさであるかどうかが分かる。
【0028】
補助トレイ4にも、トレイ本体3と同様に、補助載置面41に載置された用紙の長手方向のサイズを検知する第2サイズ検知機構を備える。当該第2サイズ検知機構は、補助載置面41に載置される用紙の有無に応じて姿勢が変化するサイズ検知アクチュエーター43(図7を参照)を有する。なお、上記第2サイズ検知機構及びサイズ検知アクチュエーター43はそれぞれ、特許請求の範囲におけるサイズ検知機構及びサイズ検知アクチュエーターの一例である。
【0029】
補助載置面41には、サイズ検知アクチュエーター43の先端部44を貫通させる貫通口45が形成されている。先端部44は、貫通口45から上方に突出する方向(補助載置面41から外側に突出する方向)に図略の付勢部材により付勢されている。そのため、先端部44は、上方(外側)からの押圧を受けると、貫通口45の下方に押し下げられるが、上方からの押圧を受けないとき、貫通口45から上方に突出する。
【0030】
従って、補助載置面41に用紙が載置されると、当該用紙との当接によって先端部44は押し下げられ、サイズ検知アクチュエーター43の姿勢は変化する。
【0031】
上記第2サイズ検知機構は、サイズ検知アクチュエーター43の姿勢の変化を検知するセンサーを備え、上記変化を検知する。これにより、補助載置面41に載置された用紙の長手方向のサイズが、先端部44の配置位置に到達する大きさであるかどうかが分かる。
【0032】
図5(A)乃至(C)は、開口カバー33の状態を説明する図である。図5(A)に示すように、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されているとき、開口カバー33は、第2受圧面333が補助トレイ4の凹部42の底面に到達し、トレイ本体3の内側に存在する。
【0033】
補助トレイ4のトレイ本体3からの引き出しが行われると、開口カバー33の第1受圧面332は補助トレイ4(凹部42の給紙方向下流側壁面)からの押圧を受ける。そして、開口カバー33は、回転軸331を中心にしてトレイ本体3の外側に向けて回転し、図5(B)に示すように、トレイ本体3の上方に押し上げられ、補助トレイ4の移動路上から退避する。
【0034】
補助トレイ4は、予め定められた位置まで引き出されると、固定される。図5(C)は、補助トレイ4が固定位置まで引き出された状態を示している。補助トレイ4が上記固定位置まで引き出され、開口32が開放されると、開口カバー33が自重により、トレイ本体3の内側に向けて回転する。
【0035】
補助トレイ4は、上記固定位置まで引き出されても、後端部4Rが開口32から露出するようになっている。そのため、開口カバー33は、補助トレイ4の後端部4Rによって回転が規制され、凹部42の底面まで回転せず、図5(C)に示すように、開口32を塞ぐ位置で停止する。図6は、開口32が開口カバー33で塞がれた状態を示す斜視図である。
【0036】
ところで、補助トレイ4に設けられたサイズ検知アクチュエーター43の先端部44は、補助載置面41に用紙が載置されたときだけでなく、補助トレイ4がトレイ本体3に収納される過程でも、トレイ本体3との当接によって貫通口45の下方に押し下げられる。そして、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されているとき、貫通口45はトレイ本体3の天板により塞がれた状態となるので、先端部44は、貫通口45から上方に突出せず、トレイ本体3の内側に存在することになる。
【0037】
このような状態から補助トレイ4のトレイ本体3からの引き出しが行われ、貫通口45が開口32に到達し開放されると、先端部44は、貫通口45から上方に突出し、トレイ本体3の外側に飛び出すことになる。そうなると、先端部44が開口32の周縁に引っ掛かり、補助トレイ4の移動を妨げてしまう。
【0038】
それを解消するために、本実施形態では、図3に示したように、手差しトレイ2に弾性シート34を設けている。弾性シート34は、上記したように、一端部が開口カバー33の下面(第1受圧面332)に固着され、他端部が第1受圧面332を越えて回転軸331の径方向に延びる自由端からなる。そのため、図7に示すように、開口カバー33がトレイ本体3の上方に押し上げられても、弾性シート34は、第1受圧面332と略同一面で保持され、開口32を覆う。すなわち、弾性シート34は、補助トレイ4が上記本体内部から引き出され、開口カバー33がトレイ本体3の外側に向けて回転して上方に押し上げられて開口32から退避したときに開口32を覆う位置に移動する。補助トレイ4がトレイ本体3の本体内部に収納された状態で開口カバー33が上記本体内部に収納されたときに自由端側が弾性変形し、第2受圧面333と凹部42の底面の間に収納される。
【0039】
これにより、貫通口45が開口32に到達しても、貫通口45は弾性シート34により塞がれ、先端部44は、弾性シート34に当接し、貫通口45から上方に突出せず、補助トレイ4の移動を妨げない。なお、弾性シート34については、補助トレイ4に合わせて移動する貫通口45の移動路上に配設されていれば足りる。
【0040】
上記実施形態によれば、トレイ本体3が有する収納部SPに突出部である搬送ローラーカバー14が収納されるので、収納部SPに搬送ローラーカバー14を収納した状態で手差しトレイ2を装置本体11の側部12に対して閉じた状態にできる。これにより、画像形成装置1置の更なる小型化を実現することが可能となる。
【0041】
補助トレイ4が固定位置まで引き出されたとき、図5(C)に示したように、開口カバー33は収納部SPの開口32を塞ぐ位置で停止し、開口32は開口カバー33で塞がれるので、開口32からトレイ本体3の内部は露出しない。
【0042】
一方、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されているとき、収納部SPは補助トレイ4の凹部42により形成されるので、図5(A)に示したように、開口32から露出するのは、凹部42の壁面(給紙方向上流側壁面や幅方向壁面)及び開口カバー33であり、トレイ本体3の内部ではない。すなわち、開口32が開口カバー33で塞がれていなくても、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されているとき、開口32からトレイ本体3の内部は露出しない。
【0043】
従って、開口32からトレイ本体3の内部は露出しないので、トレイ本体3に内蔵される電気部品などに使用者の手が触れたり、トレイ本体3の内部に埃がたまったりするのを防止することができる。
【0044】
開口カバー33は、トレイ本体3の内側に存在し続けると、補助トレイ4の移動(引き出し、押し込み)の妨げになるが、補助トレイ4からの押圧を受けると、トレイ本体3の外側に向けて回転してトレイ本体3の上方に押し上げられ、補助トレイ4の移動路上から退避するので、補助トレイ4の移動を妨げない。
【0045】
なお、上記実施形態では、図1(B)や図5(A)に示したように、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されているとき、開口カバー33が自重により、補助トレイ4の凹部42に到達する場合について説明しているが、別の実施形態として、開口カバー33の基準位置が開口32を塞ぐ位置となるように、開口カバー33を付勢する付勢部材を設け、補助トレイ4がトレイ本体3に収納されているときにも、上記付勢により開口カバー33が開口32を塞ぐ姿勢を維持するようにしてもよい。
【0046】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、図1乃至図7を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0047】
1 画像形成装置
2 手差しトレイ
3 トレイ本体
4 補助トレイ
11 装置本体
12 側部
14 搬送ローラーカバー
31 載置面
32 開口
33 開口カバー
331 回転軸
332,333 受圧面
34 弾性シート
41 補助載置面
42 凹部
43 サイズ検知アクチュエーター
44 先端部
45 貫通口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7