(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163657
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】制御プログラム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04817 20220101AFI20231102BHJP
【FI】
G06F3/04817
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074702
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(72)【発明者】
【氏名】浅井 浩
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA06
5E555AA25
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA29
5E555BA64
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB29
5E555BC04
5E555CA02
5E555CA12
5E555CB06
5E555CB34
5E555DB06
5E555DB18
5E555DB53
5E555DB57
5E555DC09
5E555DC13
5E555DC84
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】文書表示プログラムによって文書を表示しながら、プレゼンテーションを効果的に演出することができる制御プログラムを提供する。
【解決手段】コンピュータ機器は、第1のウィンドウ50W内の第1のアイコン501の位置と対応する位置に、第1のアプリケーションプログラムを実行させることを示す疑似アイコン301が表記されている文書300D内の、第1のウィンドウ50W内のカーソル510の位置と対応する位置にポインタ310を表示させる。コンピュータ機器は、カーソル510が第1のアイコン501の位置に位置し、かつ、ポインタ310が疑似アイコン301の位置に位置している状態で、カーソル510による第1のアイコン501の押下によって第1のアプリケーションプログラムを実行させる操作がなされると、第2の表示部に、第1のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータ機器に、
第1の表示部に、第1のアプリケーションプログラムを実行させるための第1のアイコンとカーソルとを含む第1のウィンドウを表示させるステップと、
前記第1のウィンドウと、文書表示プログラムの実行によって第2の表示部に表示されている第2のウィンドウとを連携させるステップと、
前記第2のウィンドウ内に表示されている文書であって、前記第1のウィンドウ内の前記第1のアイコンの位置と対応する位置に、前記第1のアプリケーションプログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコンが表記されている文書内の、前記第1のウィンドウ内の前記カーソルの位置と対応する位置にポインタを表示させるステップと、
前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させる操作がなされると、前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させ、かつ、前記カーソルの移動に同期させて、前記第2のウィンドウ内で前記ポインタを移動させるステップと、
前記カーソルが前記第1のアイコンの位置に位置し、かつ、前記ポインタが前記疑似アイコンの位置に位置している状態で、前記カーソルによる前記第1のアイコンの押下によって前記第1のアプリケーションプログラムを実行させる操作がなされると、前記第2の表示部に、前記第1のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示させるステップと、
を実行させる制御プログラム。
【請求項2】
前記第1のウィンドウを表示させるステップとして、前記第1のアイコン及び前記カーソルに加えて、第2のアプリケーションプログラムを実行させるための第2のアイコンを表示させ、
前記文書は、前記第1のウィンドウ内の前記第2のアイコンの位置と対応する位置に、前記第2のアプリケーションプログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコンが表記されておらず、
前記カーソルが前記第2のアイコンの位置に位置し、かつ、前記ポインタが前記第2のアイコンの位置と対応する位置に位置している状態で、前記カーソルによる前記第2のアイコンの押下によって前記第2のアプリケーションプログラムを実行させる操作がなされると、前記第1のウィンドウ内に、前記第2のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示させるステップをさらに実行させる
請求項1に記載の制御プログラム。
【請求項3】
コンピュータ機器の中央処理装置が、
第1の表示部に、第1のアプリケーションプログラムを実行させるための第1のアイコンとカーソルとを含む第1のウィンドウを表示させ、
前記第1のウィンドウと、文書表示プログラムの実行によって第2の表示部に表示されている第2のウィンドウとを連携させ、
前記第2のウィンドウ内に表示されている文書であって、前記第1のウィンドウ内の前記第1のアイコンの位置と対応する位置に、前記第1のアプリケーションプログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコンが表記されている文書内の、前記第1のウィンドウ内の前記カーソルの位置と対応する位置にポインタを表示させ、
前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させる操作がなされると、前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させ、かつ、前記カーソルの移動に同期させて、前記第2のウィンドウ内で前記ポインタを移動させ、
前記カーソルが前記第1のアイコンの位置に位置し、かつ、前記ポインタが前記疑似アイコンの位置に位置している状態で、前記カーソルによる前記第1のアイコンの押下によって前記第1のアプリケーションプログラムを実行させる操作がなされると、前記第2の表示部に、前記第1のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示させる
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御プログラム及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
説明者が出席者に所定の情報を伝えるプレゼンテーションを行う際には、通常、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムが用いられる。プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムを用いてプレゼンテーションを行うと、プレゼンテーションを効果的に演出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プレゼンテーションを行おうとするときに、米国のアドビシステムズ社が開発したPortable Document Format(以下、PDF)と称される電子文書ファイル形式で作成された文書が既に作成されている場合がある。このような場合には、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムによってプレゼンテーションのための新たな資料を作成するのではなく、既に作成されているPDFの文書を用いてプレゼンテーションを行えば効率的である。
【0005】
しかしながら、単にPDFの文書を表示する文書表示プログラムによってPDFの文書を表示するのみでは、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムを用いてプレゼンテーションを行う場合のような効果的な演出を行うことができない。これは、PDFの文書を表示する文書表示プログラムは、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムであれば表示することができるファイル形式の文書をサポートしていないとか、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムであれば連携することができる別のアプリケーションプログラムをサポートしていないからである。
【0006】
この問題は、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムを文書表示プログラムとして用いる場合も同様に発生し、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムがサポートしていないファイル形式または別のアプリケーションプログラムを用いてプレゼンテーションの演出を行うことはできない。
【0007】
本発明は、文書表示プログラムによって文書を表示しながら、文書表示プログラムがサポートしていないファイル形式または別のアプリケーションプログラムを用いてプレゼンテーションを効果的に演出することができる制御プログラム及び制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、コンピュータ機器に、第1の表示部に、第1のアプリケーションプログラムを実行させるための第1のアイコンとカーソルとを含む第1のウィンドウを表示させるステップと、前記第1のウィンドウと、文書表示プログラムの実行によって第2の表示部に表示されている第2のウィンドウとを連携させるステップと、前記第2のウィンドウ内に表示されている文書であって、前記第1のウィンドウ内の前記第1のアイコンの位置と対応する位置に、前記第1のアプリケーションプログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコンが表記されている文書内の、前記第1のウィンドウ内の前記カーソルの位置と対応する位置にポインタを表示させるステップと、前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させる操作がなされると、前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させ、かつ、前記カーソルの移動に同期させて、前記第2のウィンドウ内で前記ポインタを移動させるステップと、前記カーソルが前記第1のアイコンの位置に位置し、かつ、前記ポインタが前記疑似アイコンの位置に位置している状態で、前記カーソルによる前記第1のアイコンの押下によって前記第1のアプリケーションプログラムを実行させる操作がなされると、前記第2の表示部に、前記第1のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示させるステップとを実行させる制御プログラムを提供する。
【0009】
本発明は、コンピュータ機器の中央処理装置が、第1の表示部に、第1のアプリケーションプログラムを実行させるための第1のアイコンとカーソルとを含む第1のウィンドウを表示させ、前記第1のウィンドウと、文書表示プログラムの実行によって第2の表示部に表示されている第2のウィンドウとを連携させ、前記第2のウィンドウ内に表示されている文書であって、前記第1のウィンドウ内の前記第1のアイコンの位置と対応する位置に、前記第1のアプリケーションプログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコンが表記されている文書内の、前記第1のウィンドウ内の前記カーソルの位置と対応する位置にポインタを表示させ、前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させる操作がなされると、前記第1のウィンドウ内で前記カーソルを移動させ、かつ、前記カーソルの移動に同期させて、前記第2のウィンドウ内で前記ポインタを移動させ、前記カーソルが前記第1のアイコンの位置に位置し、かつ、前記ポインタが前記疑似アイコンの位置に位置している状態で、前記カーソルによる前記第1のアイコンの押下によって前記第1のアプリケーションプログラムを実行させる操作がなされると、前記第2の表示部に、前記第1のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示させる制御方法を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の制御プログラム及び制御方法によれば、文書表示プログラムによって文書を表示しながら、プレゼンテーションを効果的に演出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態の制御プログラムを実行するコンピュータ機器の構成例を示すブロック図である。
【
図2】コンピュータ機器と外部の表示装置とを用いてプレゼンテーションを行う場合の全体的な構成例を示す図である。
【
図3】CPUが一実施形態の制御プログラムを実行して、操作ウィンドウと外部表示ウィンドウとを連携させている状態を概念的に示す概念図である。
【
図4】CPUが動画再生プログラムを実行して、外部表示ウィンドウに動画像が表示される状態を概念的に示す概念図である。
【
図5】CPUが文字表示プログラムを実行して、操作ウィンドウに文字情報が表示される状態を概念的に示す概念図である。
【
図6】一実施形態の制御プログラムに設定されている、アプリケーションプログラムとアプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示するウィンドウとの対応関係を示す図である。
【
図7】CPUが一実施形態の制御プログラムに基づいて実行する処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、一実施形態の制御プログラム及び制御方法について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、コンピュータ機器100は、中央処理装置(以下、CPU)10、メインメモリ15、記憶媒体20、マウス30、記憶部40、表示パネル50(第1の表示部)、送信部60を備える。CPU10、メインメモリ15、記憶媒体20はバスによって接続されている。
【0013】
コンピュータ機器100は、パーソナルコンピュータであってもよいし、タブレット端末であってもよいし、スマートフォンであってもよい。マウス30は操作部の一例であって、コンピュータ機器100がタブレット端末またはスマートフォンであれば、マウス30の代わりに、タッチパネルが操作部として用いられてもよい。
【0014】
記憶媒体20には、アプリケーションプログラムとして、文書表示プログラム、本実施形態の制御プログラム、動画再生プログラム(第1のアプリケーションプログラム)、文字表示プログラム(第2のアプリケーションプログラム)が記憶されている。記憶媒体20は、半導体メモリ等の非一時的な記憶媒体である。CPU10は、文書表示プログラム、制御プログラム、動画再生プログラム、文字表示プログラムのうちの1またはそれ以上のアプリケーションプログラムをメインメモリ15にロードする。CPU10は、メインメモリ15にロードされたアプリケーションプログラムに記述されている各命令を実行する。
【0015】
記憶部40には、予め作成されたPDFの文書ファイル、動画像ファイル等が記憶されている。記憶部40は、メモリカード、USBメモリ等の着脱自在の記憶媒体であってもよいし、コンピュータ機器100に内蔵されている半導体メモリ等の記憶媒体であってもよい。記憶媒体20と記憶部40とは一体であってもよい。
【0016】
表示パネル50は例えば液晶パネルであって、CPU10が制御プログラムを実行したときに生成されるウィンドウを表示する。CPU10が文書表示プログラムを実行して記憶部40より読み出した文書は、送信部60によって外部の表示装置へと送信される。
【0017】
図2において、コンピュータ機器100はプレゼンテーションを行う説明者の近くに配置されている。送信部60は記憶部40より読み出した文書のデータをプロジェクタ200に送信する。送信部60は、ブルートゥース(登録商標)等の近距離無線を用いて文書のデータをプロジェクタ200に送信するのがよい。コンピュータ機器100とプロジェクタ200とが有線で接続されていてもよい。
【0018】
プロジェクタ200は、受信した文書のデータをスクリーン300に投射する。出席者はスクリーン300に表示されている文書を見ながら、説明者によるプレゼンテーションを聞く。プロジェクタ200及びスクリーン300は、外部の表示装置(第2の表示部)の一例である。
【0019】
CPU10が制御プログラムを実行すると、CPU10は表示パネル50に
図3に示す操作ウィンドウ50W(第1のウィンドウ)を表示させる。操作ウィンドウ50Wは、動画再生プログラムを実行させるための第1のアイコン501と、文字表示プログラムを実行させるための第2のアイコン502と、カーソル510とを含む。操作ウィンドウ50Wは、第1のアイコン501と第2のアイコン502とのうちの第1のアイコン501のみを含むことがあってもよいし、第2のアイコン502のみを含むことがあってもよい。操作ウィンドウ50Wは、第1のアイコン501に加えて、第2のアイコン502を含むのがよい。
【0020】
CPU10が文書表示プログラムを実行すると、CPU10はスクリーン300に
図3に示す文書300Dを含む外部表示ウィンドウ300W(第2のウィンドウ)を表示させる。文書300Dは、文章のみを含んでもよいし、画像のみを含んでもよいし、文章と画像とが混在していてもよい。文書300Dには、操作ウィンドウ50W内の第1のアイコン501の位置と対応する位置に、動画再生プログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコン301が表記されている。
【0021】
第1のアイコン501及び第2のアイコン502は、操作ウィンドウ50W内での位置が調整可能である。文書300D内の疑似アイコン301の位置に合わせるように、第1のアイコン501の位置を調整してもよい。
【0022】
文書300DはPDFの文書であり、疑似アイコン301は動画再生プログラムを実行させる実際のアイコンではない。疑似アイコン301は見かけ上、アイコンに見える「動画再生」と表記された画像である。
【0023】
文書300Dには、操作ウィンドウ50W内の第2のアイコン502の位置と対応する位置に、文書表示プログラムを実行させることを示す文字または画像を含む疑似アイコンは表記されていない。文書300D内の第2のアイコン502の位置と対応する位置である二点鎖線で示す矩形の領域302には、文章及び画像が表記されていなくてもよいし、文章または画像が表記されていてもよい。
【0024】
スクリーン300に外部表示ウィンドウ300Wが表示されている状態で、CPU10が制御プログラムを実行すると、CPU10は、操作ウィンドウ50Wと外部表示ウィンドウ300Wとを連携させる。CPU10は、操作ウィンドウ50Wと外部表示ウィンドウ300Wとを連携させると、外部表示ウィンドウ300Wに、操作ウィンドウ50W内のカーソル510の位置と対応する位置にポインタ310を表示させる。ここではポインタ310を手のマークとしているが、カーソル510と同様の矢印のマークであってもよい。ポインタ310の形状は任意である。
【0025】
なお、操作ウィンドウ50Wの大きさと外部表示ウィンドウ300Wの大きさとは同じ大きさである必要はない。操作ウィンドウ50W内のある位置と外部表示ウィンドウ300W内のある位置とが対応するとは、操作ウィンドウ50W内の位置と外部表示ウィンドウ300W内の位置とが相対的に同じ位置であるということである。
【0026】
例えば、操作ウィンドウ50Wにおける水平方向に左から20%の位置、垂直方向に上から80%の位置に第1のアイコン501の中心位置が位置しているとする。このとき、疑似アイコン301は、外部表示ウィンドウ300Wにおける水平方向に左から20%の位置、垂直方向に上から80%の位置に中心位置が位置している。
【0027】
操作ウィンドウ50Wと外部表示ウィンドウ300Wとが連携している状態で、説明者がマウス30を操作してCPU10が操作ウィンドウ50W内でカーソル510を移動させると、CPU10は、カーソル510の移動に同期させて、外部表示ウィンドウ300Wでポインタ310を移動させる。
【0028】
説明者がカーソル510を第1のアイコン501と重なる位置に移動させると、
図4に示すように、ポインタ310は疑似アイコン301と重なる位置に移動する。この状態で、説明者がマウス30を操作して第1のアイコン501をダブルクリックすると、CPU10は動画再生プログラムを実行させる。第1のアイコン501のダブルクリックは、カーソル510による第1のアイコン501の押下によって動画再生プログラムを実行させる操作の一例である。
【0029】
図4に示すように、動画再生プログラムを実行させる操作がなされると、CPU10は、外部表示ウィンドウ300W内に、記憶部40に記憶されている動画像ファイルを再生した動画像511を表示させる。CPU10は、外部表示ウィンドウ300W内に、文書300Dに重畳させるように動画像511を表示させてもよいし、文書300Dの代わりに動画像511を表示させてもよい。CPU10は、外部表示ウィンドウ300Wとは無関係に、スクリーン300に動画像511を表示させてもよい。動画像511は、第1のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報の一例である。
【0030】
スクリーン300に表示されている外部表示ウィンドウ300Wを見ている出席者は、あたかも、疑似アイコン301がポインタ310によって操作されてスクリーン300に動画像511が表示されたと認識する。さらには、出席者は、疑似アイコン301を実際のアイコンであると認識する。従って、本実施形態の制御プログラム、及び、CPU10が制御プログラムに基づいて実行する制御方法によれば、文書表示プログラムによって文書300Dを表示しながら、プレゼンテーションを効果的に演出することができる。
【0031】
図5に示すように、説明者がカーソル510を第2のアイコン502と重なる位置に移動させると、ポインタ310は領域302と重なる位置に移動する。この状態で、説明者がマウス30を操作して第2のアイコン502をダブルクリックすると、CPU10は文字表示プログラムを実行させる。同様に、第2のアイコン502のダブルクリックは、カーソル510による第2のアイコン502の押下によって文字表示プログラムを実行させる操作の一例である。
【0032】
図5に示すように、文字表示プログラムを実行させる操作がなされると、CPU10は、外部表示ウィンドウ300Wではなく、操作ウィンドウ50W内に、記憶部40に記憶されている文書ファイルの文字情報512を表示させる。文字情報512は、第2のアプリケーションプログラムの実行による所定の情報の一例である。
【0033】
文字情報512を、説明者が出席者に説明しようとする文章としてもよい。プレゼンテーションで使用する文字情報512を表示パネル50に表示すれば、コンピュータ機器100をプロンプタの代用とすることができる。文字情報512はスクリーン300に表示されないため、出席者は文字情報512を見ることができない。
【0034】
説明者がカーソル510を第2のアイコン502と重なる位置に移動させて第2のアイコン502をダブルクリックしたとしても、外部表示ウィンドウ300W内ではポインタ310が単に領域302と重なる位置に移動するだけである。領域302には疑似アイコンが表記されていないから、外部表示ウィンドウ300Wを見ている出席者は、何らかの操作が行われたとは認識しない。従って、本実施形態の制御プログラム、及び、CPU10が制御プログラムに基づいて実行する制御方法によれば、出席者に気付かれることなく、プレゼンテーションで使用する文字情報512を表示パネル50に表示させることができる。
【0035】
図6に示すように、制御プログラムには、アプリケーションプログラムごとに、アプリケーションプログラムの実行による所定の情報を表示するウィンドウが設定されている。動画再生プログラムの実行による動画像511は、外部表示ウィンドウ300Wに表示するように設定されている。文字表示プログラムの実行による文字情報512は、操作ウィンドウ50Wに表示するように設定されている。
【0036】
図7に示すフローチャートを用いて、CPU10が制御プログラムに基づいて実行する処理を説明する。制御プログラムが起動して処理が開始されると、CPU10は、ステップS1にて、動画再生プログラムを実行させる第1のアイコン501、文字表示プログラムを実行させる第2のアイコン502、カーソル510を含む操作ウィンドウ50Wを表示パネル50に表示させる。CPU10は、ステップS2にて、操作ウィンドウ50Wと、スクリーン300に表示されている外部表示ウィンドウ300Wとを連携させる。
【0037】
CPU10は、ステップS3にて、カーソル510を移動する操作がなされたか否かを判定する。カーソル510を移動する操作がなされなければ(NO)、CPU10はステップS3の処理を繰り返す。カーソル510を移動する操作がなされれば(YES)、CPU10は、ステップS4にて、操作ウィンドウ50W内でカーソル510を移動させる。CPU10は、ステップS5にて、外部表示ウィンドウ300W内でポインタ310をカーソル510の移動に同期させて移動させる。
【0038】
CPU10は、ステップS6にて、動画再生プログラムが起動されたか否かを判定する。動画再生プログラムが起動されれば(YES)、CPU10は、ステップS7にて、外部表示ウィンドウ300W内に動画像511を表示して、処理をステップS8に移行させる。
【0039】
動画再生プログラムが起動されなければ(NO)、CPU10は、ステップS8にて、文字表示プログラムが起動されたか否かを判定する。文字表示プログラムが起動されれば(YES)、CPU10は、ステップS9にて、操作ウィンドウ50W内に文字情報512を表示して、処理をステップS10に移行させる。文字表示プログラムが起動されなければ(NO)、CPU10は処理をステップS10に移行させる。ステップS6及びS7と、ステップS8及びS9との順番は逆でもよい。
【0040】
PU10は、ステップS10にて、制御プログラムの実行を終了させる操作がなされたか否かを判定する。制御プログラムの実行を終了させる操作がなされなければ(NO)、CPU10はステップS3以降の処理を繰り返す。制御プログラムの実行を終了させる操作がなされれば(YES)、CPU10は処理を終了させる。
【0041】
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形可能である。第1のアプリケーションプログラムは動画再生プログラムに限定されないし、第2のアプリケーションプログラムは文字表示プログラムに限定されない。第1のアプリケーションプログラムは静止画を再生する静止画再生プログラムであってもよいし、文書を表示する文字表示プログラムであってもよい。
【0042】
第2のアプリケーションプログラムはアプリケーションプログラムを実行したときに所定の情報を操作ウィンドウ50W内に表示する対象のアプリケーションプログラムである。第2のアプリケーションプログラムを文字表示プログラムとすると、上記のようにコンピュータ機器100をプロンプタの代用とすることができるので、第2のアプリケーションプログラムを文字表示プログラムとすることが好ましい。
【0043】
なお、本実施形態においては、文書表示プログラムとして、PDFの文書を表示する文書表示プログラムを使用する場合を例としているが、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムを文書表示プログラムとして用いてもよい。
【0044】
この場合であっても、本実施形態を用いることにより、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムがサポートしていないファイル形式の文書を表示することができる。また、本実施形態を用いることにより、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムがサポートしていない別のアプリケーションプログラムを連携させたりすることができる。よって、プレゼンテーション用のアプリケーションプログラムを文書表示プログラムとして用いる場合であっても、文書表示プログラムによって文書を表示しながら、文書表示プログラムがサポートしていないファイル形式または別のアプリケーションプログラムを用いてプレゼンテーションを効果的に演出することが可能となる。
【符号の説明】
【0045】
10 中央処理装置
15 メインメモリ
20 記憶媒体
30 マウス
40 記憶部
50 表示パネル
60 送信部
100 コンピュータ機器
200 プロジェクタ
300 スクリーン