(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163670
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】歩行型管理機
(51)【国際特許分類】
A01B 33/08 20060101AFI20231102BHJP
F16H 7/12 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A01B33/08 A
F16H7/12 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074722
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】富久 聡
(72)【発明者】
【氏名】原 竜太郎
(72)【発明者】
【氏名】宮内 正男
(72)【発明者】
【氏名】米田 彩美
(72)【発明者】
【氏名】黒田 恭正
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠太
(72)【発明者】
【氏名】沖本 章
【テーマコード(参考)】
2B033
3J049
【Fターム(参考)】
2B033AA07
2B033AB01
2B033AB11
2B033AB19
2B033AC05
2B033CA22
2B033ED20
3J049AA01
3J049BD04
3J049BH13
3J049CA07
(57)【要約】
【課題】
メンテナンス性と安全性を確保する伝動機構を備える歩行型管理機を提供する。
【解決手段】
機体(1)にはエンジン(E)を備え、前記エンジン(E)の下方には前記エンジン(E)の動力を伝達する駆動部(K)を備え、前記駆動部(K)には動力伝達を入り切りするテンションアーム(T)を備え、前記駆動部(K)の機体外側には前記駆動部(K)を保護するカバー(C)を備え、前記カバー(C)の下方には開放部(C1)を備え、前記テンションアーム(T)には前記テンションアーム(T)の動きに追従して前記開放部(C1)を開閉するカバープレート(C2)を備え、前記カバープレート(C2)は、前記テンションアーム(T)と一体化した部材であり、側面(Ca)と、前面(Cb)と、上面(Cc)の3つの面を備え、前記側面(Ca)と前記テンションアーム(T)と一体形成されていることを特徴とする歩行型管理機。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体(1)にはエンジン(E)を備え、前記エンジン(E)の下方には前記エンジン(E)の動力を伝達する駆動部(K)を備え、前記駆動部(K)には動力伝達を入り切りするテンションアーム(T)を備え、前記駆動部(K)の機体外側には前記駆動部(K)を保護するカバー(C)を備え、前記カバー(C)の下方には開放部(C1)を備え、前記テンションアーム(T)には前記テンションアーム(T)の動きに追従して前記開放部(C1)を開閉するカバープレート(C2)を備え、前記カバープレート(C2)は、前記テンションアーム(T)と一体化した部材であり、側面(Ca)と、前面(Cb)と、上面(Cc)の3つの面を備え、前記側面(Ca)と前記テンションアーム(T)と一体形成されていることを特徴とする歩行型管理機。
【請求項2】
機体(1)には耕耘装置(2)を備え、前記耕耘装置(2)の上方を覆うフェンダ(F)を備え、前記前面(Cb)は前記フェンダ(F)より前方に位置することを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機。
【請求項3】
前記側面(Ca)は、前記機体(1)と前記テンションアーム(T)が一体化している箇所を避ける切欠部(CT)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歩行型管理機。
【請求項4】
前記機体(1)には通電状態を切り替えるリミットスイッチ(55)を備え、前記リミットスイッチ(55)と前記テンションアーム(T)を連携させるリミットワイヤー部(51)を備え、前記リミットワイヤー部(51)は、前記テンションアーム(T)の回動に追従し、前記リミットスイッチ(55)を切り替える構成であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の歩行型管理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型管理機の伝動機構と伝動機構を覆うカバーの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示される技術のように、従来、圃場を耕耘し、畝立作業等を行う歩行型管理機が知られている。
【0003】
従来の歩行型管理機においては、エンジンからの出力軸や走行部や作業部への入力軸はカバーに覆われていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の歩行型管理機の構成によれば、カバーを機体に取り付けた状態ではベルト伝動機構の状態を確認できず、点検や注油の際にはカバーを着脱する必要があった。
【0006】
本発明の目的は、上記従来の歩行型管理機のこの様な課題に鑑みて、メンテナンス性と安全性を確保する伝動機構を備える歩行型管理機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、上記課題を解決すべく次のような技術的手段を講じた。
【0008】
請求項1に係る発明は、機体(1)にはエンジン(E)を備え、前記エンジン(E)の下方には前記エンジン(E)の動力を伝達する駆動部(K)を備え、前記駆動部(K)には動力伝達を入り切りするテンションアーム(T)を備え、前記駆動部(K)の機体外側には前記駆動部(K)を保護するカバー(C)を備え、前記カバー(C)の下方には開放部(C1)を備え、前記テンションアーム(T)には前記テンションアーム(T)の動きに追従して前記開放部(C1)を開閉するカバープレート(C2)を備え、前記カバープレート(C2)は、前記テンションアーム(T)と一体化した部材であり、側面(Ca)と、前面(Cb)と、上面(Cc)の3つの面を備え、前記側面(Ca)と前記テンションアーム(T)と一体形成されていることを特徴とする歩行型管理機である。
【0009】
請求項2に係る発明は、機体(1)には耕耘装置(2)を備え、前記耕耘装置(2)の上方を覆うフェンダ(F)を備え、前記前面(Cb)は前記フェンダ(F)より前方に位置することを特徴とする請求項1に記載の歩行型管理機である。
【0010】
請求項3に係る発明は、前記側面(Ca)は、前記機体(1)と前記テンションアーム(T)が一体化している箇所を避ける切欠部(CT)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歩行型管理機である。
【0011】
請求項4に係る発明は、前記機体(1)には通電状態を切り替えるリミットスイッチ(55)を備え、前記リミットスイッチ(55)と前記テンションアーム(T)を連携させるリミットワイヤー部(51)を備え、前記リミットワイヤー部(51)は、前記テンションアーム(T)の回動に追従し、前記リミットスイッチ(55)を切り替える構成であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の歩行型管理機である。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の本発明によれば、開放部(C1)によってカバー(C)を取り外すことなく駆動部(K)のメンテナンスが可能であることに加え、クラッチが「入」状態の時、即ち駆動部(K)が動いているときは開放部(C1)をカバープレート(C2)で塞ぐため作業者が駆動部(K)に触れることを防止し、メンテナンス性と安全性が向上し、テンションアーム(T)とカバープレート(C2)が一体化しているため、機体(1)側の構成を変更することなく取り付けることができる。
【0013】
請求項2に記載の本発明によれば、カバープレート(C2)がフェンダ(F)より前方に位置するため、テンションアーム(T)の回動に伴ってカバープレート(C2)が回動してもカバープレート(C2)とフェンダ(F)が接触しないため、耕耘作業の邪魔にならない。
【0014】
請求項3に記載の本発明によれば、機体(1)とテンションアーム(T)が一体化している位置を避けて取り付けられるため、テンションアーム(T)の取付に影響を及ぼすことなくカバープレート(C2)も取り付けることができる。
【0015】
請求項4に記載の本発明によれば、テンションアーム(T)にリミットワイヤー部(51)が追従してリミットスイッチ(55)が反応し、クラッチレバー6の操作だけで通電状態の入り切りを可能にするため、別途リミットスイッチ(51)を操作する部材を備えずに済む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図5】本発明の歩行型管理機のテンションアームの平面図。
【
図6】本発明の歩行型管理機のテンションアームの側面図。
【
図7】本発明の歩行型管理機のカバープレートの側面図。
【
図8】本発明の歩行型管理機のテンションアームとカバープレートの側面図。
【
図10】本発明の歩行型管理機のフードブラケットの平面図。
【
図11】本発明の歩行型管理機のフードブラケットの平面図。
【
図18】本発明の歩行型管理機のミッションオイル給油口の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を、1実施の形態である歩行型管理作業機の機体1の基本構成について、その構成と動作を具体的に説明する。
【0018】
なお、実施例の説明においては、機体1の前進方向に向かって左右方向をそれぞれ左、右といい、前進方向を前、後進方向を後というが、本発明の構成を限定するものではない。
【0019】
【0020】
歩行型管理機の機体1は機体フレーム3を備え、機体フレーム3上にエンジンE等を備え、エンジンEより下方側にはエンジンEの駆動を各部に伝える伝動ケースDを備え、伝動ケースDの下方側には耕耘装置2を備える。エンジンE付近には、エンジンEに燃料を供給する燃料タンクNを備え、エンジンE等を上部から覆うフード4を備え、フード4には燃料タンクN内の燃料の残量を確認する燃料ゲージや、燃料タンクNに燃料を注油する燃料給油部NOを備える。
【0021】
伝動ケースDの上部には、作業者が機体1の操作をする操作ハンドル5を備える。より詳細には、伝動ケースDの上部に、操作ハンドル5を機体1に取り付けるハンドルフレームHを取り付け、ハンドルフレームHの上部に操作ハンドル5を取り付ける。操作ハンドル5には、機体1の操作に関するクラッチレバー6等の操作装置を備える。
【0022】
エンジンEの駆動は、駆動部Kから各部に伝わる。エンジンEの出力軸K1に備えられる出力プーリP1が回転する。出力プーリP1と、伝動ケースDへの入力軸K2に備えられる入力プーリP2にベルトVが巻きかけられており、ベルトVを介して動力が入力軸K2に伝わり、入力軸K2から、伝動ケースD内で変速されて耕耘装置2に動力を伝える。駆動部Kは伝動部の一部であり、駆動部Kの下方に伝動ケースDを備える。
【0023】
前述した、駆動部K(以下、ベルト伝動機構Kという)の詳細について説明する。
図2から
図4に示すように、エンジンEの動力を走行車輪2等に伝動するベルト伝動機構Kには、エンジンEの駆動によって回転する出力軸K1と、伝動ケースDに駆動を伝える入力軸K2を備える。出力軸K1には出力プーリP1を備え、入力軸K2には入力プーリP2を備える。出力プーリP1と入力プーリP2には、ベルトVが巻きかけられる。ベルトVによって、入力プーリP2は出力プーリP1と共に回転する。
【0024】
ベルトVの張り具合によって、入力プーリP2が共に回転するかどうかを入り切りすることができ、この入り切りの操作は、操作ハンドル5に備えられるクラッチレバー6によって行う。ベルト伝動機構KにはテンションアームTを備える。
【0025】
テンションアームTは、
図2から
図5に示すようにクランク状の部材である。
【0026】
テンションアームTは、機体1側に取り付けられる内側面Taと、内側面Taより機体1外側かつ前方に位置する外側面Tbと、内側面Taの前方と外側面Tbの後方から屈曲した中間部である中間面Tcの3つの面を持つ。
【0027】
テンションアームTには、クラッチレバー6の操作によって伸縮するクラッチケーブル部60と接続される。詳細には、
図4のようにクラッチケーブル部60は、クラッチレバー6から機体1下方に向かうケーブル61、ベルト伝動機構K付近から下方に向かうワイヤー62、クラッチレバー6の操作で伸縮するスプリング63、テンションアームTに引っ掛けられるフック64から構成される。
【0028】
テンションアームTの中間面Tcには、フック64が入る穴Tiを備える。これにより、クラッチレバー6が操作されるとテンションアームTが回動する。
【0029】
ベルト伝動機構K付近には、機体1のスタートスイッチ50の通電状態を切り替えるリミットスイッチ55を備える。
【0030】
リミットスイッチ55はクラッチの「入」状態と「切」状態を検出して通電状態を切り替えるものであり、クラッチレバー6の操作によってテンションアームTが回動した際に、リミットスイッチ55の入り切りが行われる。
【0031】
詳細には、テンションアームTと連動するリミットワイヤー部51を備え、リミットワイヤー部51はテンションアームTの回動で伸縮するスプリング52,テンションアームTに引っ掛けられるフック53、リミットスイッチ55の通電非通電を切り替えるリミットプレート54から成る。
【0032】
テンションアームTの内側面Taには、フック53が入る穴Tjを備える。これにより、テンションアームTが回動すると、リミットワイヤー部51が伸縮し、リミットプレート54がリミットスイッチ55に接触しているか否かでスタートスイッチ50の通電状態を切り替えることができる。
【0033】
電気式のスタートスイッチ50では、非通電状態では始動できないため、クラッチが「入」状態になったまま始動することによる急発進を防止することができる。
【0034】
テンションアームTには、回動支点となる支点TSを挿入する穴Thを備え、テンションプーリTPを取り付けるテンションピンTNを挿入する穴Tgを備える。
【0035】
穴Tgは外側面Tbに、穴Thと穴Tjは内側面Taに、穴Tiは中間面Tcに備えられる。
【0036】
テンションアームTは、クラッチレバー6を操作することによって支点TSを支点に上下方向に回動し、上方に回動した際にはテンションプーリTPがベルトVを押し上げ、入力軸K2に動力が伝わるようにする。
【0037】
ベルト伝動機構Kは、カバーCによって機体外側から覆われ、作業者が間違ってベルト伝動機構Kに触れることがないようにする。
図2から
図4に示すように、カバーCの下方には、メンテナンス作業用の開放部C1を備える。
図2はクラッチが「切」状態になっている時で、
図4はクラッチが「入」状態になっている時を示すものである。
図8のように、テンションアームTにはL字型のプレートであるカバープレートC2を備え、テンションアームTの動きに追従するようにする。
【0038】
より詳細には、
図5のようにカバープレートC2は、3つの面を持つ部材である。カバープレートC2の説明において、以下のような表現を使用する。
【0039】
機体前後方向をX方向とし、機体上下方向をY方向とし、機体左右方向をZ方向とする。
【0040】
カバープレートC2は、X方向とY方向に辺を持つ面である側面Caと、Y方向とZ方向に辺を持つ面である前面Cbと、X方向とZ方向の辺を持つ面である上面Ccから成る。
【0041】
側面Caは、上面Ccの左辺から上方に向かう面であり、テンションアームTに溶接される。
【0042】
前面Cbは、上面Ccの前辺から下方に向かう面であり、クラッチ「切」状態の際は、耕耘装置2を覆う外装部品であるフェンダFより前方に位置する。即ち、カバープレートC2はテンションアームTに追従して回動した際も、フェンダFに干渉しない。詳細には、前面Cbはクラッチ「切」状態の時にはフェンダFの前方かつ下方に位置し、クラッチ「入」状態の時にはフェンダFの前方かつ上方に位置する。
【0043】
また、側面Caは、切欠部CTを備える形状とする。
【0044】
切欠部CTは、テンションアームTを機体1側に一体化させるため溶接されるテンションピンTNおよび溶接ビード等に接触しないように備えられる。なお、切欠部CTを備えない場合は、側面Caに穴を開け、穴Tgと同様にテンションピンTNが挿入される構成として、テンションアームTに接続する。
【0045】
テンションアームTが上方向に動き、クラッチが「入」状態になった際にはカバープレートC2によって開放部C1を覆う。この構成によって、クラッチが「入」状態の際には開放部C1を覆うことができ、安全性を向上させることができると共に、クラッチが「切」状態の際にはメンテナンス作業も可能となる。なお、カバープレートC2はテンションアームTの機体内側に溶接する構成が望ましいが、着脱可能な構成であっても良い。
【0046】
カバープレートC2は、
図4や
図7、
図8では3つの面を持つ部材であるが、別の形状であっても良い。例示するなら、側面Caの後部の辺と上面Ccの後部の辺と共通の辺を持ち、Y方向とZ方向に辺を持つ面である後面Cbといった面を備えても良い。
【0047】
以下、エンジンE周辺の構成に係る発明について説明する。
【0048】
図9に示すように、エンジンEの上部はフード4F(
図1の機体1やそのフード4とは異なる)に覆われている。フード4Fは、エンジンEへの取付部材であるフードブラケット40によって、エンジンEの上部に取り付けられる。フードブラケット40は、エンジンEの上部に取り付けられ、ボルトで留められる。
【0049】
フードブラケット40はクランク状の部材であり、折曲部40Dより前方の前ブラケット40Aと、折曲部40Dより後方の後ブラケット40Bから成る。
【0050】
図10に示すように、フードブラケット40には、右前ステー40Mを備え、右後ステー40Rを備え、左前ステー40Lを備え、前ステー44Fを備え、遮熱カバーステー46を備え、これらはフードブラケット40に溶接されることによって一体化している。
【0051】
また、前ブラケット40の前側には切欠部40Cを備え、切欠部40Cにはステー凸部47を備える。ステー凸部47の先端は、前ブラケット40Aの前端より、前方側に突出している。
【0052】
また、後ブラケット40Bの後部には、燃料タンクブラケットNBと接続する接続穴40Nを有する。後ブラケット40Bの接続穴40Nと、燃料タンクブラケットNB側の接続穴NHが重ねられ、ボルトで留められる。なお、接続穴NHは長穴になっており、ボルトを留める際に取り付け位置を機体前後方向に調整可能である。
【0053】
図11に示すように、前ステー44Fは、前ブラケット40A上に備えられる。前ステー44Fは凹字状の部材であり、前ステー44Fの前端は、前ブラケット40Aの前端より前側に突出している。
【0054】
左前ステー40Lには、エンジンEへの取付穴を2個設ける。右前ステー40MのエンジンEへの取付穴を長穴にしても良く、右後ステー40RのエンジンEへの取付穴を長穴にしても良い。取付穴を長穴にすることによって、エンジンEへの取り付け位置の調整が可能になる。
【0055】
ステー凸部47に弾性部材を備えてもよい。ステー凸部47に弾性部材を備えることによって、フード4Fやフードブラケット40の振動を抑制することができる。
【0056】
フードブラケット40には、ハーネス等が通り、留めることができる留穴48を備える。ハーネスを留穴48に通し、バンドで留めることが想定される。留穴48は、1つであっても複数でも良い。前ステー44Fに留穴48を備えても良く、左前ステー40L側上面に留穴48を備えても良く、右前ステー40Mに留穴48を備えても良く、右後ステー40Rの前方右側上面に留穴48を備えても良く、右後ステー40Rの後方右側上面に留穴48を備えても良く、後ブラケット40Bの前方右側上面に留穴48を備えても良く、後ブラケット40Bの後方右側上面にも留穴48を備えても良く、これらの組み合わせであっても良い。
【0057】
後ブラケット40Bと右後ステー40Rの溶接位置によって穴が開いた状態・閉ざされた状態かを識別可能にする識別穴49を備える。
【0058】
部材の折り曲げがあっても強度を保つための折曲穴44Hを、前ステー44Fに備える。折曲穴44Hを、留穴としても利用可能に構成する。折曲穴44Hを複数備えても良く、複数の折曲穴44Hのうち少なくとも1つを留穴としても使用できるように形成しても良い。
【0059】
折曲穴44Hを、溶接位置を識別する識別穴として利用できるようにしても良い。また、折曲穴44Hを複数備える場合、少なくとも1つの折曲穴44Hを識別用の穴として使用できるように形成しても良い。
【0060】
また、機体へのフードの取り付け構成については、以下のようにしても良い。なお、以下の構成について、前述のまで機体とは別形態のため、エンジンEの上方を覆うフードはフード4iとする。
【0061】
図12から
図17に示すように、フード4iは、エンジンEの上方を覆うフロントフード4iaと、燃料タンクNiを上方から覆うタンクフード4ibと、機体後方側から燃料タンクNi等を覆うリアフード4icから構成される。
【0062】
フード4iは、取付部材であるフードブラケット40iによって、エンジンEの上部に取り付けられる。フードブラケット40iは、エンジンEの上部に取り付けられ、ボルトで留められる。
【0063】
フードブラケット40iの左側には、遮熱カバー46iを備える。遮熱カバー46iエンジンEからの排気ガスを機外に排出するマフラーを覆うためのマフラーカバーMCiと、エンジンE間に、遮熱カバー46iは備えられる。遮熱カバー46iはフードブラケット40iと溶接によって一体化していることが望ましく、遮熱カバー46iの右端部とフードブラケット40iの左端部が重ねられる。
【0064】
また、フードブラケット40iの後方側には燃料タンクブラケットNBiを備え、燃料タンクブラケットNBiの備えられる接続穴40Niに、燃料タンクNiをボルト留めする。
【0065】
遮熱カバー46iによって、高温化するエンジンEと、マフラーカバーMCiの間を覆うことができ、作業者の誤接触や、フードブラケット40iが高温化する事態を防止することができ、安全性が向上する。
【0066】
フードブラケット40iには、エンジンEに対するフード4iの取り付け位置を調整できるよう、位置決めの調整穴45iを備える。
【0067】
調整穴45iは、前後方向の長穴にしても良く、左右方向の長穴にしても良い。また、前後方向あるいは左右方向、または両方向に複数個ある構成でも良い。これによって、調整可能になる。
【0068】
調整穴45iは、フロントフード4ia側に備えらえるブラケット取付部4iafより前方にあっても後方にあっても良く、両方にあっても良い。
【0069】
フロントフード4iaは、フードブラケット40i側に備えられる前ステー44iに引っ掛けることで固定できる。詳細には、ブラケット取付部4iafに、前ステー44iが嵌まる隙間を備え、隙間に前ステー44iを差し込むことでフード4iを固定する。
【0070】
前ステー44iはフードブラケット4iと遮熱カバー46i溶接され、一体化している。
【0071】
マフラーカバーMCiは、ボルト留めによってフードブラケット40iに留められる。遮熱カバー46iは、前後いずれかまたは両方でボルト留めされることでフードブラケット40iに接続される。
【0072】
図14に示す例では、前側の留めは上方から、後側の留めは左右方向からボルト留めしている。マフラーカバーMCiには、フードブラケット40iに接続するための穴を備えるステーを備える。マフラーカバーMCiの前側には、マフラーカバー取付前ステーMSFを、後側にはマフラーカバー取付後ステーMSRを備える。
【0073】
図14と
図15に示すように、燃料タンク後側取付ステーNiSは。燃料タンクNiの後方に取り付けられる。燃料タンク横側取付部NiYは、側面視においては燃料タンクキャップNiCより前方に配置されている。
【0074】
燃料タンク後側取付ステーNiSは、ハンドルフレームHに取り付けられ、機体側に取り付けられている。ハンドルフレームHに溶接され一体化している燃料タンク取付プレートHNに、燃料タンク後側取付ステーNiSを取り付ける。燃料タンク取付プレートHNは、L字形状である。
【0075】
図16に示すようにハンドルフレームHは、ハンドルフレーム側接続穴HOを伝動ケースDにボルト留めすることによって、機体に取り付けられる。
【0076】
図14と
図17に示すように、リアフード4icの機体内側にはケーブルステー65が接続される。ケーブルステー65は、クラッチレバー6iからベルト伝動機構Kに伸びるケーブルを支持し、伝動ケースDに取り付けられる。
【0077】
伝動ケースDへミッションオイルを注入する構成を、以下のようにする。
【0078】
図18では、伝動ケースDとミッションオイルの給油部の構成を簡易的に示す(本発明のミッションオイル給油部以外の部分は省略している)。
【0079】
伝動ケースDには、伝動ケースD内にミッションオイルを注入するミッションオイル給油部70を備える。ミッションオイル給油部70は、ミッションオイル給油口71と、ミッションオイル給油口71を閉じるミッションオイルキャップ72と、ミッションオイル給油口を備えておりミッションオイルキャップ7より径の長い給油筒73と、伝動ケースDと給油筒73の間に段差を設ける凸部74からなる。
【0080】
ミッションオイルキャップ72は、差し込み式であってもネジ式であっても良い。
【0081】
凸部74は、円形であっても楕円形であっても四角形であってもその他の形状であっても良い。また、凸部74の下方側にリブを備えても良い。段差が階段状になるように、凸部74を複数備えても良い。凸部74によって、油面の変化を確認しやすくなり、メンテナンス作業性が良くなる。
【符号の説明】
【0082】
1 機体
2 耕耘装置
3 機体フレーム
4 フード
4F フード
4i フード
4ia フロントフード
4ib タンクフード
4ic リアフード
4iaf ブラケット取付部
5 操作ハンドル
6 クラッチレバー
6i クラッチレバー
40 フードブラケット
40A 前ブラケット
40B 後ブラケット
40C 切欠部
40D 折曲部
40i フードブラケット
40L 左前ステー
40M 右前ステー
40N 接続穴
40Ni 接続穴
40R 右後ステー
44F 前ステー
44H 折曲穴
44i 前ステー
45i 調整穴
46 遮熱カバーステー
46i 遮熱カバー
47 ステー凸部
48 留穴
49 識別穴
50 スタートスイッチ
51 リミットワイヤー部
52 スプリング
53 フック
54 リミットプレート
55 リミットスイッチ
60 クラッチケーブル部
61 ケーブル
62 ワイヤー
63 スプリング
64 フック
65 ケーブルステー
70 ミッションオイル給油部
71 ミッションオイル給油口
72 ミッションオイルキャップ
73 給油筒
74 凸部
C カバー
C1 開放部
C2 カバープレート
Ca 側面
Cb 前面
Cc 上面
CT 切欠部
D 伝動ケース
E エンジン
F フェンダ
H ハンドルフレーム
HN 燃料タンク取付プレート
HO ハンドルフレーム側接続穴
K 駆動部(ベルト伝動機構)
K1 出力軸
K2 入力軸
MCi マフラーカバー
MSF マフラーカバー取付前ステー
MSR マフラーカバー取付後ステー
N 燃料タンク
Ni 燃料タンク
NiS 燃料タンク後側取付ステー
NiC 燃料タンクキャップ
NiY 燃料タンク横側取付部
NB 燃料タンクブラケット
NBi 燃料タンクブラケット
NH 接続穴
NO 燃料給油部
P1 出力プーリ
P2 入力プーリ
T テンションアーム
Ta 内側面
Tb 外側面
Tc 中間面
Tg 穴
Th 穴
Ti 穴
Tj 穴
TN テンションピン
TS 支点
TP テンションプーリ
V ベルト