(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163675
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】トレーディングカード用ケース及びフレーム
(51)【国際特許分類】
A63F 1/06 20060101AFI20231102BHJP
A45C 11/18 20060101ALI20231102BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A63F1/06 B
A45C11/18 Z
A45C11/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074732
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】504440133
【氏名又は名称】株式会社ポケモン
(74)【代理人】
【識別番号】100151688
【弁理士】
【氏名又は名称】今 智司
(72)【発明者】
【氏名】木村 一成
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CD06
3B045DA31
3B045EA03
3B045FA06
3B045FC04
(57)【要約】
【課題】保護袋に入っていないトレーディングカードだけでなく保護袋に入っているトレーディングカードの損傷を防止し、かつ、鑑賞性を損なわずに適切に保管できるトレーディングカード用ケース及びフレームを提供する。
【解決手段】トレーディングカード用ケース1は、凸部を有する第1部材10と、第1部材10に固定可能な第2部材20と、第1部材10と第2部材20との間に配置可能な中板30とを備え、第1部材10と中板30との間であって凸部の周縁部130の側とは反対側の領域に中板30と第1部材10とで挟まれて保持される第1物品3を収容可能な第1収容領域120を形成可能であり、平坦面300と第2部材20とで挟まれて保持される第2物品5を収容可能な第2収容領域220を形成可能である。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部を視認可能な略矩形状のトレーディングカード用ケースであって、
前記トレーディングカード用ケースが、
周縁部より内側に設けられる凸部を有する第1部材と、
前記第1部材に重ね合わされて前記第1部材に固定可能な第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材との間であって前記凸部の前記周縁部側とは反対側の領域に配置可能な中板と
を備え、
前記第1部材と前記中板との間であって前記凸部の前記周縁部の側とは反対側の領域に、前記中板と前記第1部材とで挟まれて保持される第1物品を収容可能な第1収容領域を形成可能であり、
前記第2部材と前記中板との間であって前記凸部の上面と前記中板の表面とにより構成される平坦面に接触させ、前記平坦面と前記第2部材とで挟まれて保持される第2物品を収容可能な第2収容領域を形成可能なトレーディングカード用ケース。
【請求項2】
前記第1物品が、トレーディングカード若しくはトレーディングカードが挿入された保護袋であり、
前記第2物品が、前記第1物品を所定の保護袋に挿入して形成される請求項1に記載のトレーディングカード用ケース。
【請求項3】
前記第1物品が、トレーディングカード若しくはトレーディングカードが挿入された保護袋であり、
前記第2物品が、前記第1物品以上のサイズを有し、トレーディングカードが挿入された保護袋である請求項1に記載のトレーディングカード用ケース。
【請求項4】
前記第1部材が、平面視にて略矩形状であり、
前記凸部が、前記第1部材の4つの辺の前記周縁部のうち、少なくとも2つの辺の前記周縁部の少なくとも一部に設けられる請求項1に記載のトレーディングカード用ケース。
【請求項5】
前記第1収容領域に前記第1物品を収容する場合、前記第1物品の表面を前記中板側とは反対側方向に向けることで、前記第1物品の前記表面が前記第1部材を介して視認可能にし、
前記第2収容領域に前記第2物品を収容する場合、前記第2物品の表面を前記中板側とは反対側方向に向けることで、前記第2物品の前記表面が前記第2部材を介して視認可能にする請求項1に記載のトレーディングカード用ケース。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項に記載のトレーディングカード用ケースを保持可能なフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トレーディングカード用ケース及びフレームに関する。特に、本発明は、保護袋に入っていないトレーディングカードだけでなく保護袋に入っているトレーディングカードも適切に保護可能なトレーディングカード用ケース及びフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、スポーツ選手等の人物、アニメーションやゲーム等のキャラクター等の画像が印刷されたトレーディングカードは鑑賞性が高いことから人気があり、ゲーム等で用いるだけでなく収集家やファンによって集められることも多い。収集したトレーディングカードが損傷してしまうと鑑賞性を損ねると共に収集家やファンのショックが大きいことから、トレーディングカードへの損傷を防止しつつ手軽に鑑賞できるようにすることが要求される。そのためユーザは、トレーディングカード単体(いわゆる、「裸」の状態)で保管するのではなく、スリーブやシールドと称される保護袋にトレーディングカードを挿入して保管したり、トレーディングカードのサイズに合わせた収容部を有するケースにトレーディングカードを収容して保管したりしている。トレーディングカードが折れ曲がること等を防止する観点からは、トレーディングカードは硬質ケースに収容して保管されることも多い。
【0003】
従来、第1の板状ケース部材と、第2の板状ケース部材との間に形成される中空部にカード等を収容するカードケースであって、第1の板状ケース部材は、第2の板状ケース部材を固定する固定手段と、中空部の一部を形成する平面状凹部とを具備し、第2の板状ケース部材は、両面にそれぞれ深さの異なる平面状凹部と、表裏を逆にして第1の板状ケース部材に装着可能な形状とを具備し、第2の板状ケース部材の表裏を逆にして第1の板状ケース部材に装着することで、異なる深さの中空部を実現するカードケースが知られている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1に係るカードケースによれば、異なる厚さのカードの収容が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のカードケースにおいては、凹部の深さを異ならせることができるものの、トレーディングカードの厚さと中空部の深さとが一致するとは限らず、不一致の度合いが大きい場合はトレーディングカードが中空部内でケース内部と衝突してトレーディングカードの表面や角部が損傷することや、中空部内でトレーディングカードが反ってしまう場合がある。また、特許文献1に記載のカードケースにおいてはトレーディングカード単体の収容はできるものの、保護袋に挿入された状態のトレーディングカードの収容については想定されていない。
【0006】
したがって、本発明の目的は、保護袋に入っていないトレーディングカードだけでなく保護袋に入っているトレーディングカードの損傷を防止し、かつ、鑑賞性を損なわずに適切に保管できるトレーディングカード用ケース及びフレームを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するため、内部を視認可能な略矩形状のトレーディングカード用ケースであって、トレーディングカード用ケースが、周縁部より内側に設けられる凸部を有する第1部材と、第1部材に重ね合わされて第1部材に固定可能な第2部材と、第1部材と第2部材との間であって凸部の周縁部側とは反対側の領域に配置可能な中板とを備え、第1部材と中板との間であって凸部の周縁部の側とは反対側の領域に、中板と第1部材とで挟まれて保持される第1物品を収容可能な第1収容領域を形成可能であり、第2部材と中板との間であって凸部の上面と中板の表面とにより構成される平坦面に接触させ、平坦面と第2部材とで挟まれて保持される第2物品を収容可能な第2収容領域を形成可能なトレーディングカード用ケースが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係るトレーディングカード用ケース及びフレームによれば、保護袋に入っていないトレーディングカードだけでなく保護袋に入っているトレーディングカードの損傷を防止し、かつ、鑑賞性を損なわずに適切に保管できるトレーディングカード用ケース及びフレームを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態に係る第1部材の構造の概要図である。
【
図2】本実施形態に係る第2部材の構造の概要図である。
【
図3】(a)は
図1のA-A断面の概要図であり、(b)は
図2のB-B断面の概要図である。
【
図4】(a)は本実施形態に係る中板の概要図であり、(b)はトレーディングカードの概要図である。
【
図5】本実施形態に係るトレーディングカード用ケースにトレーディングカード単体を収容する場合の概要図である。
【
図6】本実施形態に係るトレーディングカード用ケースに保護袋に挿入されたトレーディングカードを収容する場合の概要図である。
【
図7】(a)は
図5のC-C断面の概要図であり、(b)は
図6のD-D断面の概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<トレーディングカード用ケース1の概要>
本実施形態に係るトレーディングカード用ケース1は、トレーディングカードとトレーディングカードを挿入した保護袋との双方を収容可能なケースである(以下、トレーディングカードを「カード」と称する場合がある。)。従来のケースは、カード単体、つまり「裸状態」のカードを収容する構造を有しており、保護袋に挿入されたカードは保護袋のサイズがケースの収容領域に収まらず、無理に収容しようとすると保護袋が折れ曲がりカード自体も損傷しかねないことから収容できない。そこで、ケースの底部と底部に嵌める蓋部とを用いて底部と蓋部との間に所定の収容領域を設け、底部の蓋部側表面であって底部の周囲に沿って裸状態のカードの外寸に応じた突起を設け、突起の内側に裸状態のカードを収納可能にし、突起上に保護袋に挿入されたカードを収容可能にするケースが考えられる。しかしながら、係るケースの場合、保護袋に挿入されたカードを突起上に載置して収容すると、保護袋に挿入されたカードと底部表面との間に中空領域が生じ、その結果、カードが撓んでカードが損傷する可能性がある。
【0011】
そこで本発明者は、ケースに収容されるカードの撓みや反り、そして損傷を防止するためにはカード及び保護袋のサイズと同一以上のサイズの硬質の板材を用い、当該板材でカード(及び/又は保護袋に挿入されたカード)を支持するか又は当該板材と底部若しくは蓋部とでカード(及び/又は保護袋に挿入されたカード)を挟むか、当該板材をカード(及び/又は保護袋に挿入されたカード)に接触させた状態を保持することが有効であるという技術思想に想到した。本願発明は係る技術思想に基づいてなされたものである。
【0012】
すなわち、本実施形態に係るトレーディングカード用ケース1は、第1部材10と、第1部材10に重ね合わされて内部に収容領域を構成する第2部材20と、第1部材10と第2部材20との間に設置される中板30とを備える。第1部材10の主面には、主面の周縁部の内側にカード及び中板30の縁に接触可能な凸部が設けられている。ここで、第1部材10の凸部内側の領域の寸法は少なくともカード及び中板30が収まる寸法を有し、第1部材10及び第2部材20の内寸は保護袋が収まる寸法を有する。ここで、第1部材10には凸部が設けられているので、凸部内側の領域に収まらない寸法の保護袋があってもよい。係る保護袋は、後述するように中板30と第2部材20との間に収容可能である。なお、第1部材10、第2部材20、及び中板30はいずれもトレーディングカード用ケース1が構成された場合にケース内部を視認可能にするために透明の硬質素材から構成される。
【0013】
ここで、カード単体を収容する場合と保護袋に挿入されたカードを収容する場合との概要を説明する。
【0014】
<カード単体を収容する場合の概要>
まず、第1部材10に設けられる凸部の内側にカード単体を載置する。ここで、凸部は、第1部材10の主面にカード単体の外寸に応じて複数設けられ、カード単体は凸部の内側の収容領域に保持される。また、第1部材10の主面からの凸部の高さはカード単体の厚さ以上に設定される。そして、第1部材10の主面上であって凸部内側の収容領域にカード単体を保持させた状態で、当該主面と中板30とでカード単体を挟み込む。中板30の寸法も凸部の内側の収容領域に載置可能な寸法(収まる寸法)にされている。そのため、凸部内側の収容領域においてカード単体は第1部材10の主面と中板30とによって挟み込まれた状態が保持される。続いて、この状態の第1部材10に第2部材20を重ね合わせ、第1部材10と第2部材20とを固定することでトレーディングカード用ケース1にカード単体が収容される。
【0015】
<保護袋に挿入されたカードを収容する場合の概要>
まず、第1部材10に設けられる凸部の内側の収容領域に中板30を載置する。上記の通り、凸部は第1部材10の主面に複数設けられ、中板30の寸法も凸部の内側の収容領域に載置可能な寸法にされていることから、中板30は凸部の内側の収容領域に入って載置される。ここで、中板30の厚さは凸部の高さに合わせて形成されており、中板30の第1部材10の主面側とは反対側表面と凸部上面とにより平坦面若しくは平坦領域(凸部上面と中板30の表面との間に僅かな隙間がある場合、凸部上面と中板30の表面とを合わせた領域が平坦領域である。)が構成される。そして、第1部材10の主面であって凸部内側の収容領域に中板30を載置させた状態で、当該平坦面上に保護袋に挿入されたカードを載置し、その上から第2部材20を第1部材10に重ね合わせて第1部材10と第2部材20とを固定する。その結果、平坦面と第2部材20との間の収容領域において保護袋に挿入されたカードが平坦面と第2部材20とで挟み込まれた状態が保持される。これにより、トレーディングカード用ケース1に保護袋に挿入されたカードが収容される。
【0016】
このように本実施形態に係るトレーディングカード用ケース1は、カード単体を収容する場合は中板30にカードを挟み込む機能を発揮させ、保護袋に挿入されたカードを収容する場合は中板30に凸部上面との連関により平坦面を構成する機能を発揮させることで、カード単体の収容と保護袋に挿入されたカードの収容との両立ができる。そして、トレーディングカード用ケース1によれば、カード単体は第1部材10の主面と中板30とにより挟み込まれ、保護袋に挿入されたカードは平坦面と第2部材20とにより挟み込まれているので、トレーディングカード用ケース1内でのカードの移動や撓み及び反り等を防止できる。したがって、トレーディングカード用ケース1によれば、カード単体だけでなく保護袋に入っているカードの損傷を防止しつつ鑑賞性を損なわずに適切に保管できる。また、カード単体を収容する場合であっても保護袋に挿入されたカードを収容する場合であっても、第1部材10、第2部材20、及び中板30を同時に用いるので、利用態様によって収容領域が変化した場合であっても中板30を紛失すること等のデメリットを防止できる。
【0017】
<トレーディングカード用ケース1の詳細>
図1は、本実施形態に係る第1部材の構造の概要を示し、
図2は、本実施形態に係る第2部材の構造の概要を示す。また、
図3(a)は、
図1のA-A断面の概要を示し、
図3(b)は、
図2のB-B断面の概要を示す。更に
図4(a)は、本実施形態に係る中板の概要を示し、
図4(b)は、トレーディングカードの一例の概要を示す。
【0018】
トレーディングカード用ケース1は、内部を視認可能な材料から構成され、平面視にて略矩形状を有する。そして、トレーディングカード用ケース1は、平面視にて略矩形状の第1部材10と、平面視にて略矩形状であって第1部材10に重ね合わせて第1部材10に固定可能な第2部材20と、第1部材10と第2部材20との間に配置されてトレーディングカード用ケース1内部の中空領域を分割し、物品を収容可能な2つの収容領域を形成可能な中板30とを備える。
【0019】
[第1部材10の詳細]
第1部材10は、略矩形状の第1主面100と、第1主面100の周縁部130より内側に設けられる凸部と、周縁部130に沿って設けられる側壁部と、凸部に設けられる第1固定部110を有する。
【0020】
(凸部:第1凸部102及び第2凸部104)
具体的に
図1及び
図3(a)に示すように第1部材10は、第1主面100の対向する一対の一方の周縁部130(例えば、一対の長辺)から所定距離だけ内側(第1主面100の中心側)に離れた位置に当該一方の周縁部130に沿って設けられる第1凸部102と、第1主面100の対向する一対の他方の周縁部130(例えば、一対の短辺)から所定距離だけ内側(第1主面100の中心側)に離れた位置に当該他方の周縁部に沿って設けられる第2凸部104とを有する。
【0021】
第1凸部102及び第2凸部104はそれぞれ、第1主面100の長辺及び短辺の長さ以下の長さを有して構成される。また、第1凸部102及び第2凸部104は収容されるカードの厚さ以上の高さを有して構成される(つまり、第1主面100から各凸部上面(例えば、第1凸部102の上面103)までの距離がカードの厚さ以上である。)。そして、第2凸部104は、側面(例えば、外側側面)に第2部材20との固定に用いられる第1固定部110を含んで構成される。第1固定部110は、後述する第2固定部210がつめ状部材である場合、第2固定部210を挿入可能な凹部であってよい。また、第2固定部210を凹部にし、第1固定部110をつめ状部材にしてもよい。なお、第1固定部110は第1凸部102に設けてもよく、第1凸部102及び第2凸部104の双方に設けてもよい。更に、第1固定部110は複数設けてもよい。
【0022】
また、
図1の例では第1凸部102及び第2凸部104が周縁部130それぞれの近傍に存在しているが、カード及び/又は保護袋に挿入されたカードを第1主面100の中心側で保持可能することができる限り、周縁部130の一部に凸部を設ける形態であってもよい。例えば、第1主面100の2つの周縁部130に凸部を設ける形態、つまり、凸部が、第1部材10の4つの辺の周縁部130のうち少なくとも2つの辺の周縁部130の少なくとも一部に設けられる形態であってよい。係る形態には、例えば、以下のパターンが挙げられる。
【0023】
(1)一対の第1凸部102のみ、又は一対の第2凸部104のみを設ける形態。
(2)一の周縁部130の第1凸部102と他の周縁部130の第2凸部104とを離間して設ける形態。
(3)一の周縁部130の第1凸部102と他の周縁部130の第2凸部104とをつなげて設ける形態(平面視にて第1主面100の頂点にL字状に凸部が設けられる形態)。
【0024】
更に、
図1において第1凸部102及び第2凸部104はそれぞれ平面視において矩形状(長方形状)を有して構成されるものの、第1凸部102及び第2凸部104は他の形態を有して構成されてもよい。例えば、第1凸部102は、複数の線状、複数の矩形状、及び複数の点状等の凸状構造体の群から構成してもよく、平面視にて波状形状に構成してもよい。第2凸部104も同様である。
【0025】
なお、第1凸部102の平面視における幅と、第2凸部104の平面視における幅とを異ならせてもよい。例えば、第2凸部104(つまり、第1主面100の短辺に沿って設けられる凸部)の幅を第1凸部102(つまり、第1主面100の長辺に沿って設けられる凸部)の幅より広くすることも狭くすることもできる。
【0026】
(第1部材10の側壁部:第1側壁部106及び第2側壁部108)
第1部材10は、一方の周縁部130(つまり、第1主面100の長辺の縁部)に沿うと共に第1凸部102の外側(第1主面100の中心から離れる方向側)に設けられ第1主面100の垂線方向に延びて設けられる1以上の第1部材側の第1側壁部106と、他方の周縁部130(つまり、第1主面100の短辺の縁部)に沿うと共に第2凸部104の外側(第1主面100の中心から離れる方向側)に設けられ第1主面100の垂線方向に延びて設けられる1以上の第1部材側の第2側壁部108とを有する。なお、第1部材10の側壁部は、第1部材10と第2部材20とを重ね合わせた場合に第2部材20の側壁部と互い違いになる位置に設けられる。
【0027】
第1側壁部106及び第2側壁部108はそれぞれ、第1主面100の長辺及び短辺の長さ以下の長さを有して構成される。また、第1側壁部106及び第2側壁部108は、第1凸部102及び第2凸部104の高さ以上の高さを有して構成される。例えば、第2側壁部108は第2凸部104の高さより高い高さを有して構成される。一方、第1側壁部106を複数設ける場合、少なくとも1つの第1側壁部106の高さを第1凸部102の高さと同程度の高さにすることが好ましい。例えば、
図1の例で一方の周縁部130に3つの第1側壁部106が設けられる。この場合において第1主面100の頂点側に位置する2つの第1側壁部106に挟まれた位置の第1側壁部106(以下、「中央の第1側壁部106」という。)の高さを、他の2つの第1側壁部106の高さより低くする。これにより、第1部材10と第2部材20とを重ね合わせた場合に、中央の第1側壁部106の上面と第2部材20との間に隙間を設けることができ、第1部材10と第2部材20とが固定された後、再度、第1部材10と第2部材20とを分離しやすくできる。
【0028】
また、
図1の例では第1側壁部106及び第2側壁部108は、周縁部130に沿って複数存在しているが、第2部材20の各側壁部との嵌め合わせによりトレーディングカード用ケース1の各側面の大部分が封じられる限り、第1側壁部106及び第2側壁部108の数及び配置は適宜変更できる。例えば、第2部材20が第1側壁部106に対応する位置を封じる側壁部を有している場合、第1部材10は第1側壁部106を有していなくてもよい。第2側壁部108についても同様である。
【0029】
(第1部材10の寸法の例)
第1部材10の各部の寸法は収容されるカード及び保護袋に挿入されたカードの寸法によって適宜設定できる。一例として、以下の寸法を第1部材10は有していてよい。
・第1主面100:長辺の長さ95mm、短辺の長さ69mm、厚さ1.5mm
・第1凸部102:高さ1mm、平面視における幅1mm、平面視における長さ85mm
・第2凸部104:高さ1mm、平面視における幅1.5mm、平面視における長さ60mm
・第1側壁部106(第1主面100の頂点から延びる側壁部):長さ10mm、平面視における幅1mm、第1主面100からの高さ2.3mm
・第1側壁部106(第1主面100の長辺中央付近部分):長さ20mm、平面視における幅1mm、第1主面100からの高さ1mm
・第2側壁部108(第1主面100の頂点から延びる側壁部):長さ19.5mm、平面視における幅1mm、第1主面100からの高さ2.3mm
したがって、各凸部の第1主面100の中心側の収容領域の寸法は、90mm×65mmである。
【0030】
[第2部材20の詳細]
第2部材20は、略矩形状の第2主面200と、第2主面200の周縁部230に沿って設けられる側壁部と、側壁部に設けられる第2固定部210とを有する。
【0031】
(第2部材20の側壁部:第1側壁部202及び第2側壁部204)
具体的に第2部材20は、第2主面200の対向する一対の一方の周縁部230(例えば、一対の長辺)に沿うと共に
図3(b)に示すように第2主面200の垂線方向に延びて設けられる1以上の第2部材20側の第1側壁部202と、第2主面200の対向する一対の他方の周縁部230(例えば、一対の短辺)に沿うと共に第2主面200の垂線方向に延びて設けられ、内側側面に第1固定部110と固定可能な第2固定部210が設けられている1以上の第2部材20側の第2側壁部204とを有する。
【0032】
第1側壁部202及び第2側壁部204はそれぞれ、第2主面200の長辺及び短辺の長さ以下の長さを有して構成される。また、第1側壁部202及び第2側壁部204は、第1部材10と重ね合わせた場合に、各側壁部の上面が第1主面100に接する高さを有して構成される。
【0033】
また、
図2の例では第1側壁部202及び第2側壁部204は、周縁部230に沿って複数存在しているが、第1部材10の各側壁部との嵌め合わせによりトレーディングカード用ケース1の各側面の大部分が封じられる限り、第1側壁部202及び第2側壁部204の数及び配置は適宜変更できる。例えば、第1部材10が第1側壁部202に対応する位置を封じる側壁部を有している場合、第2部材20は第1側壁部202を有していなくてもよい。第2側壁部204についても同様である。
【0034】
(第2固定部210)
第2固定部210は、第1部材10の第1固定部110に嵌め合わされることで第2部材20を第1部材10に固定する。第2固定部210は、例えば、先端に所定の曲率の曲面を有するつめ状部材であってよい。この場合、第1固定部110は、当該つめ状部材が嵌め合わされる凹部形状を有する。なお、各固定部の配置は
図1及び
図2の例に限られない。例えば、複数の第1固定部110及び第2固定部210を第2凸部104及び第2側壁部204に設けることも、1以上の第1固定部110を第1凸部102に設けると共にこれら第1固定部110に対応する1以上の第2固定部210を第1側壁部202に設けることもできる。
【0035】
(第2部材20の寸法の例)
第2部材20の各部の寸法は収容されるカード及び保護袋に挿入されたカードの寸法によって適宜設定できる。一例として、以下の寸法を第2部材20は有していてよい。
・第2主面200:長辺の長さ95mm、短辺の長さ69mm、厚さ1.5mm
・各第1側壁部202(第2主面200の長辺部分):長さ27.5mm、平面視における幅1mm、第2主面200からの高さ2.3mm、第1側壁部202間の間隔20mm(第1側壁部202の間に第1部材10の中央の第1側壁部106が嵌め合わされる)
・第2側壁部204:長さ30mm、平面視における幅1mm、第2主面200からの高さ2.3mm
したがって、各側壁部の第2主面200の中心側の領域の寸法は、93mm×67mmである。
【0036】
[中板30]
図4(a)に示すように中板30は、第1部材10と第2部材20との間であって第1部材10の凸部より内側に収まる所定形状を有して構成される。すなわち、中板30は、第1部材10と第2部材20との間であって第1部材10の凸部の周縁部130側とは反対側の領域に配置可能であり、略矩形状を有する。また、中板30の各頂点は所定の曲率を有する円弧状に形成されてもよい。
【0037】
(中板30の寸法の例)
中板30の寸法はトレーディングカード用ケース1に収容されるカード及び保護袋に挿入されたカードの寸法によって適宜設定できる。一例として、中板30は、90mm×65mmの寸法を有して形成される。
【0038】
(第1部材10、第2部材20、及び中板30の材質)
第1部材10、第2部材20、及び中板30を構成する材料は、これらの部材によってトレーディングカード用ケース1を構成した場合に内部に収容したカードを視認可能である光透過性を有すると共に所定の強度を有する材料であれば特に限定はない。例えば、所定の強度及び光透過性を有するプラスチック樹脂、すなわち透明な樹脂材料が挙げられる。このような樹脂材料としては、一例として、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、及びアクリルスチレン樹脂等が挙げられる。なお、樹脂材料には必要に応じて、水分吸収剤、補強剤、着色剤、難燃剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤を加えてもよい。一例として、第1部材10及び第2部材はポリカーボネートから構成でき、中板30はポリエチレンテレフタレートから構成できる。
【0039】
(第1部材10と第2部材20との固定方法の変形例)
本実施形態では第1固定部110と第2固定部210とにより第1部材10と第2部材20とを固定する方法を説明している。しかし、第1部材10と第2部材20との固定方法は、両部材を重ね合わせた状態を適切に保持できる方法であれば本実施形態による固定方法に限られない。例えば、第1部材10の一の周縁部と第2部材20の一の周縁部とに蝶番を設けることや、第1部材10の一対の周縁部に所定の溝部を設けると共に第2部材20の一対の周縁部に所定の溝部に対応する凸状部を設けて第1部材10の溝部に第2部材20の凸状部をスライドさせて挿入することで固定させてもよい。
【0040】
[トレーディングカード7]
図4(b)に示すように、トレーディングカード7は略矩形状を有し、表面に人物やキャラクター等の画像が設けられているカードである。トレーディングカード7の種類や寸法に特に限定はないが、一例として、トレーディングカード7の寸法は63mm×88mmである。なお、トレーディングカード7が挿入される保護袋の種類や寸法についても特に限定はないが、一例として、保護袋の寸法は、66mm×92mmであってよい。係る寸法よりも小さな若しくは大きな寸法の保護袋を用いてもよい。なお、保護袋の寸法としては様々な寸法を用いることができ、この場合、第1部材10、第2部材20、及び/又は中板30(以下、「各部材」と称する場合がある。)の寸法、並びに各部材が有する構成要素の寸法は、保護袋の寸法に応じて適宜変更することができる。
【0041】
<トレーディングカード用ケース1への収納方法>
図5は、本実施形態に係るトレーディングカード用ケースにトレーディングカード単体を収容する場合の概要を示し、
図6は、本実施形態に係るトレーディングカード用ケースに保護袋に挿入されたトレーディングカードを収容する場合の概要を示す。また、
図7(a)は、
図5のC-C断面の概要を示し、
図7(b)は、
図6のD-D断面の概要を示す。
【0042】
本実施形態においてトレーディングカード用ケース1に収容される物品として、第1物品3と第2物品5とを用いる。第1物品3及び第2物品5はいずれもカード形状であれば特に限定はないが、本実施形態では以下の例を取り上げて説明する。
【0043】
・第1物品3:トレーディングカード単体若しくはトレーディングカードが挿入された保護袋
・第2物品5:第1物品3を所定の保護袋に挿入して形成される物品、又は第1物品3以上のサイズを有し、トレーディングカードが挿入された保護袋から形成される物品
なお、トレーディングカードには、所定のキャラクター等が印刷された表面と裏面とが存在する。
【0044】
まず、第1部材10と第2部材20との間に中板30を配置し、第1主面100と第2主面200とを対向させて第1部材10に第2部材20を重ね合わせた場合、つまり、各部材の長手方向を揃えて重ね合わせた場合、
図5及び
図6に示すように1以上の第1部材10側の第1側壁部106の間に第2部材20側の第1側壁部202が嵌め合わされ、1以上の第1部材10側の第2側壁部108の間に第2部材20側の第2側壁部204が嵌め合わされる。この場合、第1固定部110と第2固定部210とにより第1部材10と第2部材20とは互いに固定される。そして、1以上の第2部材20側の第1側壁部202のトレーディングカード用ケース1の内側方向の表面400(
図3(b)参照)が、第1凸部102のケース外側方向の表面150(
図3(a)参照)の少なくとも一部と接触若しくは近接し、1以上の第2部材20側の第2側壁部204のトレーディングカード用ケース1の内側方向の表面が、第2凸部104のトレーディングカード用ケース1の外側方向の表面の少なくとも一部と接触若しくは近接する。なお、1以上の第2部材20側の第1側壁部202の間に第1部材10側の第1側壁部106が嵌め合わされ、1以上の第2部材20側の第2側壁部204の間に第1部材10側の第2側壁部108が嵌め合わされように第1部材10及び第2部材20の各側壁部を構成してもよい。
【0045】
この場合、第1部材10と中板30との間であって各凸部(第1凸部102及び第2凸部104)の周縁部130の側とは反対側の領域に、中板30と第1部材10の第1主面100とで挟まれて保持される第1物品3を収容可能な第1収容領域120が形成可能になる(
図7(a)参照)。すなわち、第1主面100上であって、第1凸部102及び/又は第2凸部104によって規定される外形寸法以下の第1物品3(なお、第1物品3の厚さは、第1凸部102及び第2凸部104の高さ以下である。)を第1凸部102及び/又は第2凸部104の内側の第1収容領域120に収納可能となる。
【0046】
また、第2部材20と中板30との間であって各凸部(第1凸部102及び第2凸部104)の上面と中板30の表面とにより構成される平坦面300に接触させ(
図7(b)参照)、平坦面300と第2部材20の第2主面200とで挟まれて保持される第2物品5を収容可能な第2収容領域220が形成可能になる(
図7(b)参照)。すなわち、第2部材20と第1部材10との間に、第2部材20側の第1側壁部202及び/又は第2部材20側の第2側壁部204によって規定される外形寸法以下の第2物品5(なお、第2物品5の厚さは、第1凸部102及び/又は第2凸部104の第1主面100側とは反対側表面から第2主面200の表面まで距離以下の厚さである。)を、第2部材20側の第1側壁部202及び/又は第2部材20側の第2側壁部204の内側の第2収容領域220に収納可能になる(
図7(b)参照)。
【0047】
[第1物品3を収容する場合の例]
トレーディングカード用ケース1に第1物品3を収容する場合の例を
図5及び
図7(a)を参照して説明する。
【0048】
まず、第1部材10の凸部の内側の第1収容領域120に第1物品3を入れる。ここで、凸部内側、つまり第1収容領域120の縦寸法(
図1のL)及び横寸法(
図1のW)は、第1物品3の縦横寸法及び中板30の縦横寸法と同一以上の寸法を有する。第1収容領域120の寸法を第1物品3及び中板30の寸法と同一にしてもよいが、完全に同一の場合、第1収容領域120に第1物品3及び/又は中板30を入れた場合に取り出しにくくなるので、第1収容領域120の寸法は第1物品3及び/又は中板30の寸法に対して、所定のクリアランスを設けてもよい。クリアランスは、0.1mm以上であってよく、0.3mm以上であってもよく、0.5mm以上であってもよく、1.5mm以下であってよく、1.3mm以下であってもよく、1.0mm以下であってもよい。
【0049】
次に、第1収容領域120に第1物品3を入れた状態で、第1主面100と中板30とで第1物品3を挟み込む。中板30の寸法も第1収容領域120に載置可能な寸法にされている。そのため、第1収容領域120において第1物品3は第1主面100と中板30とによって挟み込まれた状態が保持される。続いて、この状態の第1部材10に第2部材20を重ね合わせ、第1部材10と第2部材20とを固定する。これにより、第1物品3がトレーディングカード用ケース1に収容される。
図7(a)に示すように第1物品3は、第1部材10と中板30とによって挟まれてトレーディングカード用ケース1に収容されることになる。
【0050】
ここで、第1収容領域120に第1物品3を収容する場合、第1物品3の表面を中板30側とは反対側方向、つまり、第1部材10側に向けることが好ましい(
図5では第1物品3の表面が第1部材10側に向いていることを点線で表現している。)。このような配置にすることで、第1物品3の表面が第1部材10の第1主面100だけを介して外部から視認可能になる。仮に第1物品3の表面を中板30側に向けた場合、当該表面は中板30及び第2部材20の第2主面200を介して視認しなければならないことから視認性が多少低下する可能性がある。ただし、第1物品3の表面の日焼け等を防止する観点から、あえて第1物品3の表面を中板30側に向けて収納してもよい。
【0051】
[第2物品5を収容する場合の例]
トレーディングカード用ケース1に第2物品5を収容する場合の例を
図6及び
図7(b)を参照して説明する。第2物品5は、例えば、保護袋9にトレーディングカード7が挿入された物品である。
【0052】
まず、第1部材10の凸部の内側の第1収容領域120に中板30を入れる。上記の通り、中板30の寸法も第1収容領域120に載置可能な寸法にされていることから、中板30は第1収容領域120に入って載置される。中板30の厚さは各凸部の高さに合わせて形成されており、中板30の第1主面100側とは反対側の表面32と凸部上面(例えば、第1凸部102の上面103)とにより平坦面若しくは平坦領域が形成される。そして、この平坦面300と第2主面200との間であって、第2部材20の各側壁部によって囲まれる領域が第2収容領域220となる。平坦面300上に第2物品5を載置し、その上から第2部材20を第1部材10に重ね合わせて第1部材10と第2部材20とを固定する。これにより、第2物品5がトレーディングカード用ケース1の第2収容領域220に収容される。
図7(b)に示すように第2物品5は、第1部材10と中板30とで形成される平坦面300と第2部材20とによって挟まれてトレーディングカード用ケース1に収容されることになる。
【0053】
ここで、第2収容領域220に第2物品5を収容する場合、第2物品5の表面を中板30側とは反対側方向、つまり、第2部材20側に向けることが好ましい。このような配置にすることで、第2物品5の表面が第2部材20の第2主面200だけを介して外部から視認可能になる。仮に第2物品5の表面を中板30側に向けた場合、当該表面は保護袋9並びに中板30及び第1部材10の第1主面100を介して視認しなければならないことから視認性が多少低下する可能性がある。ただし、第2物品5の表面の日焼け等を防止する観点から、あえて第2物品5の表面を中板30側に向けて収納してもよい。
【0054】
なお、上記例では第1収容領域120に第1物品3を収容する例、及び第2収容領域220に第2物品5を収容する例を挙げたが、第1収容領域120に第1物品3を収容し、かつ、第2収容領域220に第2物品5を収容してもよい。また、第1収容領域120には第1物品3としてのトレーディングカード単体を収容することも、第1収容領域120の寸法以下である限り、所定の保護袋に挿入されたトレーディングカードを収容することもできる。
【0055】
<トレーディングカード用ケースを保持するフレーム50の概要>
図8は、本実施形態に係るフレームの概要を示す。
【0056】
トレーディングカード用ケース1は、所定のフレーム50に装着して保持させることができる。フレーム50は平坦面に載置可能なスタンド(図示しない)や壁等に掛けることができるような壁掛け部材(図示しない)を有して構成してもよい。また、トレーディングカード用ケース1を保持可能であり、トレーディングカード用ケース1の表面を外部から視認可能である限り、フレーム50の形状や材質に特に限定はない。トレーディングカード用ケース1をフレーム50に保持させることでフレーム50を様々な場所に載置できるので、ユーザはトレーディングカード用ケース1内の物品を様々な場所で鑑賞できる。
【0057】
[実施の形態の効果]
本実施形態に係るトレーディングカード用ケース1は、第1部材10に所定の凸部を設け、第2部材20に固定する場合に第1部材10と第2部材20との間に中板30を配置するので、第1部材10と中板30との間に第1物品3を収容する場合は中板30と第1部材とで挟んで収容でき、第2部材20と中板30との間に第2物品5を収容する場合は凸部内側を中板30で埋めた上で第2物品5を第2部材20と中板30とで挟んで収容できる。これにより、トレーディングカード用ケース1によれば、第1物品3を収容する場合であっても寸法が第1物品3とは異なる第2物品5を収容する場合であっても、各物品がトレーディングカード用ケース1内で反ったり破損したりすることを防止できる。
【0058】
また、トレーディングカード用ケース1は、第1部材10に所定の凸部を設け、第2部材20に固定する場合に第1部材10と第2部材20との間に中板30を配置するので、第1部材10と中板30との間に第1収容領域120を形成可能であり、かつ、第2部材20と中板30との間に第1収容領域120とは容量が異なる第2収容領域220を形成可能であるため、同一のトレーディングカード用ケース1でありながら、異なる寸法の物品を個別に若しくは同時に収容可能にすることができる。したがって、ユーザは所望の保護袋に所望のトレーディングカードを入れた状態の第2物品5をトレーディングカード用ケース1の第2収容領域220に収容させて鑑賞することや、第1物品3としての所望のトレーディングカードを第1収容領域120に収容させて鑑賞することができる。すなわち、同一のトレーディングカード用ケース1を用いて、様々な形態のトレーディングカード及び/又は保護袋に挿入されたトレーディングカードの収容方法を実現できる。
【0059】
また、トレーディングカード用ケース1は、第1部材10に所定の凸部を設けているので、カード等の物品を収容領域に収容する場合、物品の中心と主面の中心とを合わせやすい。そのため、トレーディングカード用ケース1にカード等の物品を収容した場合、カード等の物品の美的に優れた配置を容易に実現できる。
【0060】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組み合わせの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0061】
なお、本実施形態に係るトレーディングカード用ケースは、特許請求の範囲と混同されるべきでない以下の付記項でも言及できる。
(付記項1)
平面視にて略矩形状の内部を視認可能なトレーディングカード用ケースであって、
前記トレーディングカード用ケースが、
少なくとも一対の周縁部それぞれにおいて、前記周縁部から所定距離だけ内側の位置に設けられる凸部を有する第1部材(底部材)と、
前記第1部材に重ね合わせて前記第1部材に固定され、前記凸部の外側において前記第1部材に接触する側壁部を有し、前記第1部材と前記第2部材との間に収容領域を構成する第2部材(蓋部材)と、
前記第1部材と前記第2部材との間であって前記凸部より内側に収まる所定形状の中板と
を備え、
前記収容領域が、前記中板で区切られることで前記第1部材側の第1収容領域と前記第2部材側の第2収容領域とを有し、
前記第1収容領域に前記凸部の内側に収まる所定形状の第1物品を載置した場合、前記第1部材と前記中板とで前記第1物品を挟んだ状態で前記第1部材と前記第2部材とを重ね合わせることで前記第1物品を前記第1収容領域に保持させて収納可能であり、
前記第1収容領域に前記中板を配置し、前記凸部の上面と前記中板とで構成される平坦面に接触させ、前記側壁部より内側に収まる所定形状の第2物品を載置した状態で前記第1部材と前記第2部材とを重ね合わせることで前記第2物品を前記第2収容領域に保持させて収納可能なトレーディングカード用ケース。
【符号の説明】
【0062】
1 トレーディングカード用ケース
3 第1物品
5 第2物品
7 トレーディングカード
9 保護袋
10 第1部材
20 第2部材
30 中板
32 表面
50 フレーム
100 第1主面
102 第1凸部
103 上面
104 第2凸部
106 第1側壁部
108 第2側壁部
110 第1固定部
120 第1収容領域
130 周縁部
150 表面
200 第2主面
202 第1側壁部
204 第2側壁部
210 第2固定部
220 第2収容領域
230 周縁部
300 平坦面
400 表面