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  • 特開-前輪二輪式乗用玩具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163798
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】前輪二輪式乗用玩具
(51)【国際特許分類】
   B62K 9/02 20060101AFI20231102BHJP
   B62K 5/05 20130101ALI20231102BHJP
   B62J 50/40 20200101ALI20231102BHJP
【FI】
B62K9/02
B62K5/05
B62J50/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074940
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】598139793
【氏名又は名称】アイデス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078950
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 忠
(72)【発明者】
【氏名】中井 範光
【テーマコード(参考)】
3D011
【Fターム(参考)】
3D011AA02
3D011AD03
(57)【要約】
【課題】使用者のより広い身体能力範囲に対応して安全に使用できる前輪二輪式の乗用玩具を提供する。
【解決手段】前輪二輪式乗用玩具1は、操舵軸18の下端に車軸19の中央が直交方向に結合され、その両端に車輪13a,13bが回転自在に支持される。車軸19は、中央において操舵軸18に直交方向に結合される主管20と、この主管20の両端部に伸縮自在に接続される一対の車軸管21と、この車軸管21と主管20の伸縮を所定位置で固定及び固定解除するロック部材22とを具備する。車軸管21は、一端側において主管20の端部に、軸線方向相対移動自在に嵌合し、他端側において車輪13a,13bを支持する。それにより、前輪二輪間の間隔を変更し、使用者のより広い身体能力範囲に対応させることができる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操舵軸の下端に車軸の中央が直交方向に結合され、当該車軸の両端に車輪が回転自在に支持される前輪二輪式乗用玩具であって、
前記車軸は、中央において前記操舵軸に直交方向に結合される主管と、当該主管の両端部に伸縮自在に接続される一対の車軸管と、当該車軸管と前記主管の伸縮を所定位置で固定及び固定解除するロック部材とを具備し、
前記車軸管は、一端側において前記主管の端部に、軸線方向相対移動自在に嵌合し、他端側において車輪を支持し、
それにより、前記前輪二輪間の間隔が変更可能に構成されることを特徴とする前輪二輪式乗用玩具。
【請求項2】
前記車軸管は前記主管に外挿され、
前記ロック部材は、前記主管に内装され、当該主管の外周へ出没自在のロックピンと当該ロックピンを突出方向に付勢するばねとを具備し。
前記車軸管は、前記主管から突出する前記ロックピンを貫通させるように軸線方向に所定の相互間隔を置いて形成された複数の貫通孔を具備することを特徴とする請求項1に記載の前輪二輪式乗用玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、前輪の車軸を伸縮調整自在とした前輪二輪式乗用玩具に関する。
【0002】
従来、前輪二輪式の乗用玩具として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。この乗用玩具は、操舵軸の下端に車軸の中央が直交方向に結合され、当該車軸の両端に、ペダルのない一対の前輪が回転自在に支持される足蹴り推進型の三輪車である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-115917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の前輪二輪式乗用玩具は、運動能力が低い1~3歳の幼児が使用しても転倒しにくいように、前輪が二輪となっているものであり、その二輪の間隔は、操舵のしやすさや、外観上のバランス等も考慮して固定されている。しかしながら、身体能力には年齢や個人により大きな差があるため、個別の使用者に適合した、より広い、あるいはより狭い車輪間隔のものが求められている。
したがって、本発明は、使用者のより広い身体能力の範囲に対応して安全に使用できる前輪二輪式の乗用玩具を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
以下の説明において添付図面の符号を参照するが、本発明はこれに限定されるものではない。
上記課題を解決するための、本発明の前輪二輪式乗用玩具1は、操舵軸18の下端に車軸19の中央が直交方向に結合され、その両端に車輪13a,13bが回転自在に支持される。車軸19は、中央において操舵軸18に直交方向に結合される主管20と、この主管20の両端部に伸縮自在に接続される一対の車軸管21と、この車軸管21と主管20の伸縮を所定位置で固定及び固定解除するロック部材22とを具備する。車軸管21は、一端側において主管20の端部に、軸線方向相対移動自在に嵌合し、他端側において車輪13a,13bを支持する。それにより、前輪二輪間の間隔が変更可能に構成される。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、前輪の車軸19を伸縮調整することにより、使用者の、より広い運動能力の範囲に対応して、安全に使用できる前輪二輪式の乗用玩具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の前輪二輪式乗用玩具を示し、(A)は後方斜視図、(B)は前方斜視図の斜視図である。
図2図1の前輪二輪式乗用玩具の側面図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4図3の一部拡大図である。
図5図1の前輪二輪式乗用玩具の一部の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1,2は、本発明に係る前輪二輪式乗用玩具の一例を示す。
この乗用玩具1は、車体フレーム10の前側にハンドル11、ヘッドチューブ12、二つの前輪13が支持され、後側に単一の後輪14が支持される。
【0009】
車体フレーム10は、ヘッドチューブ12と、そこから後方斜め下へ向かう筒状のメインフレーム15と、メインフレーム15の後部から二股に分かれてメインフレーム15と同一の傾斜で下方へ延びるバックフォーク16を一体に備える。バックフォーク15の後端部に後輪14が支持される。 メインフレーム15の後端上部にサドル17が取り付けられる。
【0010】
ハンドル11の中央から垂直に下方へ延出する操舵軸18は、ヘッドチューブ12を貫通し、下端において水平の車軸19の中央に固着される。車軸19の両端に一対の前輪13が回転自在に支持される。
【0011】
図3ないし図5に示すように、車軸19は、中央において操舵軸18に直交方向に結合される主管20と、それの両端部に伸縮自在に接続される一対の車軸管21と、これと主管20の伸縮を所定位置で固定及び固定解除するロック部材22とを具備する。車軸19と操舵軸18の結合部は車軸カバー26に被覆される。
【0012】
車軸管21は、一端側において主管20の端部に、軸線方向相対移動自在に外挿され、他端側において前輪13を支持する。
【0013】
ロック部材22は、主管20に内装され、主管20の外周へ開口20aから出没自在のロックピン23と当該ロックピン23を突出方向に付勢するばね24とを具備する。ばね24は、略U字状の屈曲ばねからなり、その一端にロックピン23が固着され、ホルダー25に保持されて主管20内に定置される。ロックピン23は、開口20aに対応する所定位置に配置される。
【0014】
車軸管21は、主管20の開口20aから突出するロックピン23を貫通させるように、軸線方向に所定の相互間隔を置いて形成された2つの貫通孔21a,21bを具備する。
【0015】
以上のように構成された乗用玩具1は、例えば歩き始めたばかりの幼児のような、身体能力が未熟な幼児が使用する場合には、図2,3に示すように、ロックピン23が貫通孔21aに係合する位置、すなわち、車軸19が伸長し、一対の前輪13間が広がり、車体が転倒しにくい状態に車軸19の長さを設定する。
【0016】
幼児の成長が進み、サドル17にまたがり、ハンドル11を握り、積極的に足けり推進、操舵が行えるようになったら、ロックピン23を貫通孔21a内へ押し込み、ロックピン23が貫通孔21bに係合するまで、車軸管21を主管20内へ押し込んで車軸19を収縮させることができる。これにより、操舵が容易になり、自ら積極的に玩具を操作して楽しく遊ぶことができ、それにより幼児の運動能力の増進、バランス感覚の養成に寄与することができる。
【0017】
以上、前輪二輪式乗用玩具の一例として、前輪がペダルのない二輪で後輪が一輪で構成されるものについて説明したが、本発明が適用される前輪二輪式乗用玩具は、これに限定されるものではない。例えば、前輪がペダルのない二輪で、後輪も二輪で構成される四輪式乗用玩具等、他の構成の前輪二輪式乗用玩具にも適用可能である。
【符号の説明】
【0018】
1 乗用玩具
10 車体フレーム
11 ハンドル
12 ヘッドチューブ
13 前輪
14 後輪
15 メインフレーム
16 バックフォーク
17 サドル
18 操舵軸
19 車軸
20 主管
20a 開口
21 車軸管
21a 貫通孔
21b 貫通孔
22 ロック部材
23 ロックピン
24 ばね
25 ホルダー
26 車軸カバー
図1
図2
図3
図4
図5