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特開2023-163815シート貼付装置およびシート貼付方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163815
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】シート貼付装置およびシート貼付方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20231102BHJP
   B65C 9/30 20060101ALI20231102BHJP
   B65C 9/36 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01L21/68 N
B65C9/30
B65C9/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074968
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000102980
【氏名又は名称】リンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120592
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 崇裕
(74)【代理人】
【識別番号】100184712
【弁理士】
【氏名又は名称】扇原 梢伸
(74)【代理人】
【識別番号】100192223
【弁理士】
【氏名又は名称】加久田 典子
(72)【発明者】
【氏名】野末 喬城
(72)【発明者】
【氏名】上道 厚史
【テーマコード(参考)】
3E095
5F131
【Fターム(参考)】
3E095AA17
3E095BA03
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA44
3E095DA47
3E095DA48
3E095DA83
5F131AA02
5F131AA03
5F131BA53
5F131CA12
5F131EC32
5F131EC62
5F131EC63
(57)【要約】
【課題】被着体に接着シートを貼付して保護した保護部が次工程等において汚染されることを防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供すること。
【解決手段】接着シートASを供給する供給手段10と、供給手段10で供給された接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとを重ね合わせて重なり部ASPを形成し、当該接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する貼付手段20とを備えたシート貼付装置EAにおいて、貼付手段20で押圧された重なり部ASPを再押圧する再押圧手段30をさらに備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接着シートを供給する供給手段と、
前記供給手段で供給された前記接着シートの供給方向先端部と供給方向後端部とを重ね合わせて重なり部を形成し、当該接着シートを被着体に押圧して貼付する貼付手段とを備えたシート貼付装置において、
前記貼付手段で押圧された前記重なり部を再押圧する再押圧手段をさらに備えていることを特徴とするシート貼付装置。
【請求項2】
前記接着シートは、所定のエネルギーによって接着力が増加可能とされ、
前記接着シートに前記所定のエネルギーを付与するエネルギー付与手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のシート貼付装置。
【請求項3】
前記貼付手段は、前記被着体の一方の面の外縁部および他方の面の外縁部と、当該一方の面および他方の面の間に位置する外縁端面とに前記接着シートを貼付し、
前記再押圧手段は、前記一方の面の外縁部および他方の面の外縁部に前記接着シートを押し付けて前記重なり部を再押圧し、
前記再押圧手段による前記重なり部の再押圧の際、前記接着シートが前記被着体の外縁端面から浮き上がることを規制する浮き上がり規制手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項4】
前記接着シートは、弾性変形が可能とされ、
被着体に貼付される接着シートに張力を付与する張力付与手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項5】
前記接着シートは、所定の第2エネルギーによって変形が可能とされ、
前記接着シートに前記所定の第2エネルギーを付与する第2エネルギー付与手段を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のシート貼付装置。
【請求項6】
接着シートを供給する供給工程と、
前記供給工程で供給された前記接着シートの供給方向先端部と供給方向後端部とを重ね合わせて重なり部を形成し、当該接着シートを被着体に押圧して貼付する貼付工程とを実施するシート貼付方法において、
前記貼付工程で押圧された前記重なり部を再押圧する再押圧工程をさらに実施することを特徴とするシート貼付方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート貼付装置およびシート貼付方法に関する。
【背景技術】
【0002】
接着シートの供給方向先端部と供給方向後端部とを重ね合わせて重なり部を形成し、当該接着シートを被着体に貼付するシート貼付装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-30877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されたテープ貼り付けシステム1(シート貼付装置)では、使用される保護テープ27(接着シート)の構成や組成等によっては、ウェハW(被着体)に対する貼付力が十分であっても、自身の接着面の反対側である反接着面に対する貼付力が不十分である場合がある。このような場合、例えば、接着シートを貼付して特定の保護部を保護した被着体を液体中に浸したり、気体中に晒したりして所定の処理を施す次工程やその他の工程等の次工程等において、接着シートの重なり部における供給方向後端部の接着面が、供給方向先端部の反接着面から剥がれ、その剥がれた部分から液体や気体等の異物が侵入し、被着体に接着シートを貼付して保護した保護部が汚染されてしまうという不都合を発生する。
【0005】
本発明の目的は、被着体に接着シートを貼付して保護した保護部が次工程等において汚染されることを防止することができるシート貼付装置およびシート貼付方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、請求項に記載した構成を採用した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、貼付手段で押圧された重なり部を再押圧するので、被着体に接着シートを貼付して保護した保護部が次工程等において汚染されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係るシート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
図2】シート貼付装置の説明図および同装置の動作説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、本実施形態におけるX軸、Y軸、Z軸は、それぞれが直交する関係にあり、X軸およびY軸は、所定平面内の軸とし、Z軸は、前記所定平面に直交する軸とする。さらに、本実施形態では、図1(A)に示すY軸と平行な矢印DR方向から観た場合を基準とし、図を指定することなく方向を示した場合、「上」がZ軸の矢印方向で「下」がその逆方向、「左」がX軸の矢印方向で「右」がその逆方向、「前」がY軸と平行な図1中手前方向で「後」がその逆方向とする。なお、図1(D)は、図1(A)のAA矢視図、(E)は、図1(A)のBB矢視図。
【0010】
本発明のシート貼付装置EAは、接着シートASを供給する供給工程を実施する供給手段10と、供給手段10で供給された接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとを重ね合わせて重なり部ASP(図2(B)~(E)参照)を形成し、当該接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する貼付工程を実施する貼付手段20と、貼付手段10で押圧された重なり部ASPを再押圧する再押圧工程を実施する再押圧手段30と、接着シートASに所定のエネルギーとしての熱を付与するエネルギー付与工程を実施するエネルギー付与手段40と、再押圧手段30による重なり部ASPの再押圧の際、接着シートASが被着体WKの外縁端面WK3から浮き上がることを規制する浮き上がり規制工程を実施する浮き上がり規制手段50とを備えている。
なお、本実施形態の接着シートASは、所定のエネルギーとしての熱によって接着力が増加するものが採用されている。
また、本実施形態の被着体WKは、被着体中心WKCを中心とする円形形状のものが採用されている。
【0011】
供給手段10は、当該供給手段10を構成する各部材を直接的または間接的に支持する支持部材11と、接着シートASが帯状の剥離シートRLに仮着された原反RSを支持する支持ローラ12と、原反RSを案内するガイドローラ13と、剥離縁14Aで剥離シートRLを折り返し、当該剥離シートRLから接着シートASを剥離する剥離手段としての剥離板14と、駆動機器としての回動モータ15Aの図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ15Bとで剥離シートRLを挟み込む駆動ローラ15と、図示しない駆動機器の出力軸に支持され、シート貼付装置EAの自動運転が行われている間、ピンチローラ15Bとの間に存在する剥離シートRLに常に所定の張力を付与し、当該剥離シートRLを回収する回収手段としての回収ローラ16と、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与する張力付与手段17とを備えている。
張力付与手段17は、トルク制御が可能な駆動機器としての回動モータ17Aと、その図示しない出力軸に支持され、ピンチローラ17Bとで原反RSを挟み込む駆動ローラ17Cとを備えている。
【0012】
貼付手段20は、図示しないブラケットに回転可能に支持され、供給手段10で供給された接着シートASにはみ出し領域ASHが形成されるように、当該接着シートASを被着体WKの外縁端面WK3に押圧する押圧部材としての押圧ローラ21と、図示しないブラケットに回転可能に支持された押圧部材としての第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24と、駆動機器としてのリニアモータ25と、そのスライダ25Aに支持された駆動機器としての回動モータ26と、その出力軸26Aに支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な支持面27Aを有する支持テーブル27とを備え、被着体WKの一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部と、当該一方の面WK1および他方の面WK2の間に位置する外縁端面WK3とに接着シートASを貼付する構成となっている。支持テーブル27は、回動モータ26によってテーブル中心27Cを中心に回転する構成となっている。
なお、本実施形態では、押圧ローラ21は、図1(B)、(C)に示すように、被着体WKの被着体中心WKCがローラ配置中心RCに配置された際、供給手段10から供給された接着シートASを当該被着体WKの外縁端面WK3に押圧可能な位置に配置されている。また、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24は、図1(B)、(D)~(F)に示すように、それぞれ上下一対とされ、被着体WKの被着体中心WKCがローラ配置中心RCに配置された際、当該被着体WKの外縁端面WK3に貼付された接着シートASのはみ出し領域ASHを、それぞれ一方の面WK1方向および他方の面WK2方向に折り曲げ可能な位置に配設されている。本実施形態では、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24は、Z軸に対してそれぞれ30度、60度、90度ローラ配置中心RC方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっている。
【0013】
再押圧手段30は、上下一対の駆動機器としての直動モータ31と、各直動モータ31の出力軸31Aにそれぞれ支持された押圧部材としての押圧板32とを備えている。
なお、本実施形態では、再押圧手段30は、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に接着シートASを押し付けて重なり部ASPを再押圧するようになっている。
【0014】
エネルギー付与手段40は、コイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱機器41を備え、各押圧板32の内部に配置されている。
【0015】
浮き上がり規制手段50は、駆動機器としての直動モータ51と、直動モータ51の出力軸51Aに支持され、接着シートASを外縁端面WK3に押圧する規制部材としての規制板52とを備えている。
【0016】
以上のシート貼付装置EAの動作を説明する。
先ず、図1(A)中実線で示す初期位置に各部材が配置されたシート貼付装置EAに対し、当該シート貼付装置EAの使用者(以下、単に「使用者」という)が同図のように原反RSをセットした後、操作パネルやパーソナルコンピュータ等の図示しない操作手段を介して自動運転開始の信号を入力する。すると、供給手段10が回動モータ15A、17Aを駆動し、原反RSを繰り出して図1(A)に示すように、先頭の接着シートASの供給方向先端部ASFが剥離板14の剥離縁14Aで所定長さ剥離されると、回動モータ15A、17Aの駆動を停止する。
【0017】
次いで、使用者または多関節ロボットやベルトコンベア等の図示しない搬送手段が、図1(A)に示すように、被着体中心WKCがテーブル中心27Cと重なるように、被着体WKを支持面27A上に載置すると、移動手段30が図示しない減圧手段を駆動し、当該支持面27Aでの吸着保持を開始する。その後、貼付手段20がリニアモータ25を駆動し、図1(B)に示すように、テーブル中心27C(被着体中心WKC)がローラ配置中心RCと一致するように被着体WKを左方へ移動させ、リニアモータ25の駆動を停止する。次に、供給手段10および貼付手段20が回動モータモータ15A、17A、26を駆動し、上方から見下ろした上面視で被着体WKを反時計方向RDに回転させつつ接着シートASを供給する。これにより、接着シートASは、押圧ローラ21によって押圧され、図1(B)、(C)に示すように、はみ出し領域ASHが形成された状態で外縁端面WK3に貼付された後、図1(D)、(E)、(F)に示すように、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24によってはみ出し領域ASHが段階的に折り曲げられ、被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付される。
【0018】
そして、先頭の接着シートASに続く次の接着シートASの供給方向先端部ASFが剥離板14の剥離縁14Aで所定長さ剥離されると、供給手段10が回動モータ15A、17Aの駆動を停止し、原反RSの繰り出しを停止する。次いで、先頭の接着シートASの供給方向後端部ASRのはみ出し領域ASHが、第3押圧ローラ24によって被着体WKの一方の面WK1および他方の面WK2に貼付されて一体物UPが形成されると、図2(D)に示すように、供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとが相互に重なり合って重なり部ASPが形成される。その後、図2(A)に示すように、重なり部ASPが押圧板32の間に位置すると、貼付手段20が回動モータ26の駆動を停止する。
【0019】
次に、浮き上がり規制手段50が直動モータ51を駆動し、図2(A)中二点鎖線で示すように、規制板52を移動させて重なり部ASPの側方を外縁端面WK3に押し付ける。そして、再押圧手段30およびエネルギー付与手段40が直動モータ31および加熱機器41を駆動し、図2(A)中二点鎖線および図2(B)に示すように、押圧板32を相互に接近させて重なり部ASPを再押圧する。これにより、接着シートASは、自身の反接着面に対する貼付力が不十分であったとしても、再押圧手段30の再押圧によって当該反接着面に対する貼付力が増加する。この際、再押圧手段30は、図2(C)、(E)に示すように、重なり部ASPが変形する程度に当該重なり部ASPを再押圧してもよいし、図2(B)、(D)に示したような重なり部ASPの周囲に形成された空洞HWや当該空洞HWへの入口ERが押し潰される程度に当該重なり部ASPを再押圧してもよいし、空洞HWや当該空洞HWへの入口ERが押し潰されない程度に当該重なり部ASPを再押圧してもよいし、重なり部ASPが変形しない程度に当該重なり部ASPを再押圧してもよい。また、接着シートASは、エネルギー付与手段40によって付与される熱によって接着力が増加し、反接着面に対する接着力がさらに増加するようになる。
【0020】
次いで、重なり部ASPへの再押圧が完了すると、エネルギー付与手段40が加熱機器41の駆動を停止した後、再押圧手段30および浮き上がり規制手段50が直動モータ31、51を駆動し、各押圧板32および規制板52を初期位置に復帰させる。その後、貼付手段20がリニアモータ25を駆動し、支持テーブル27を初期位置に復帰させた後、図示しない減圧手段の駆動を停止し、支持面27Aでの吸着保持を解除する。次に、使用者または図示しない搬送手段が一体物UPを支持面27A上から取り去り、当該一体物UPをめっき工程やドライエッチング工程等の次工程に搬送し、以降上記同様の動作が繰り返される。
【0021】
以上のような実施形態によれば、貼付手段20で押圧された重なり部ASPを再押圧するので、被着体WKに接着シートASを貼付して保護した保護部が次工程等において汚染されることを防止することができる。
【0022】
本発明における手段および工程は、それら手段および工程について説明した動作、機能または工程を果たすことができる限りなんら限定されることはなく、まして、前記実施形態で示した単なる一実施形態の構成物や工程に全く限定されることはない。例えば、供給手段は、接着シートを供給可能なものであればどんなものでもよく、出願当初の技術常識に照らし合わせてその技術範囲内のものであればなんら限定されることはない(その他の手段および工程も同じ)。
【0023】
供給手段10は、帯状の剥離シートRLに仮着された帯状の接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込が形成されることで、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シート基材が仮着された帯状接着シート原反を採用し、当該帯状接着シート原反を繰り出す途中で、接着シート基材に閉ループ状または短寸幅方向全体の切込を切断手段としての切断刃で形成し、その切込で仕切られた所定の領域が接着シートASとされた原反RSから当該接着シートASを剥離して供給してもよいし、帯状の剥離シートRLに帯状の接着シートASが仮着された原反RSから当該帯状の接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回されることなく、例えばファンフォールド折りにされた原反RSから接着シートASを剥離して供給してもよいし、巻回することなく、例えばファンフォールド折りにしたり、シュレッダ等で切り刻んだり、無造作に集積したりして剥離シートRLを回収する回収手段を採用してもよいし、回収手段を採用しなくてもよいし、剥離シートRLに仮着されていない接着シートASを繰り出して供給してもよいし、被着体WKに貼付された接着シートASを所定の長さに切断する切断手段を備えていてもよい。
供給手段10は、接着シートASが、弾性変形が可能なものとされた場合、外縁端面WK3に接着シートASを貼付する際、回動モータ17Aを駆動し、駆動ローラ17Cを介して接着シートASから加わるトルクを検知して、当該トルクが常に所定の値となるようにしながら接着シートASを供給することで、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与してもよい。これにより、弾性変形が可能な接着シートASは、内在する弾性復元力により、はみ出し領域ASHが一方の面WK1方向や他の面WK2方向に折れ曲がった折れ曲がり姿勢となる。この場合、はみ出し領域ASHは、折れ曲がり姿勢の状態から第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24を介して、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に貼付されてもよいし、折れ曲がり姿勢となることで、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24を介さずに、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に貼付されてもよい。
張力付与手段17は、原反RSや接着シートASを摺動可能に把持し、この把持力を調整して被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与したり、トルク制御ができない回動モータ17Aが採用されたりしてもよいし、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成、構成、形状、寸法および重量や、雰囲気の条件、その他の要因等の諸条件を考慮して接着シートASに付与する所定の張力を使用者が任意に決定することができるし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
なお、上記の実施形態では、張力付与手段17を供給手段10の構成物として説明したが、当該張力付与手段17は、供給手段10の構成物ではなく独立した構成されてもよく、例えば、剥離板14と押圧ローラ21との間に位置し、被着体WKに貼付される接着シートASに張力を付与してもよい。
【0024】
貼付手段20は、被着体WKを移動させることなくまたは移動させつつ押圧部材を移動させ、被着体WKに接着シートASを貼付してもよいし、例えば、被着体WKの一方の面WK1のみに接着シートASを貼付したり、被着体WKの他方の面WK2のみに接着シートASを貼付したり、被着体WKの外縁端面WK3のみに接着シートASを貼付したり、被着体WKの一方の面WK1および外縁端面WK3に接着シートASを貼付したり、被着体WKの一方の面WK1や他方の面WK2の中央部に接着シートASを貼付したりしてもよく、どこに貼付してもよいし、保持面27Aでの吸着保持ができない支持テーブル27が採用されてもよいし、被着体WKに接着シートASを貼付する際、当該被着体WKを支持テーブル27とで挟み込む上押え手段を備えていてもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24が上下一対でなく、被着体WKの一方の面WK1側のみまたは他方の面WK2側のみに設けられていてもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24が、Z軸に対してそれぞれ13度、47度、91度といった角度でローラ配置中心RC方向に傾斜した回転軸を中心に回転するようになっていてもよいし、前記実施形態では、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24の3体の押圧部材を採用し、接着シートASを3段階で被着体WKに貼付したが、4体以上の押圧部材を採用し、接着シートASを4段階以上で被着体WKに貼付したり、2体以下の押圧部材を採用し、接着シートASを2段階以下で被着体WKに貼付したりしてもよいし、押圧部材として第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24に代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルトまたはエアの吹付け等を採用し、接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、リニアモータ25、回動モータ26および支持テーブル27に代えてまたは併用して、例えば、他の装置や図示しない駆動機器等によって、被着体WKを押圧ローラ21や第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24に対して相対移動させ、接着シートASを被着体WKに貼付してもよいし、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24がなくてもよい。
貼付手段20は、被着体WKに接着シートASを貼付しつつ、接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとを重ね合わせて重なり部ASPを形成し、当該接着シートASを被着体WKに押圧して貼付してもよいし、予め接着シートASの供給方向先端部ASFと供給方向後端部ASRとを重ね合わせて重なり部ASPを形成した後、当該接着シートASを被着体WKに押圧して貼付してもよく、重なり部ASPを形成した後、当該接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する場合、例えば、押圧ローラ21の代わりに、駆動機器としての直動モータの出力軸に支持され、減圧ポンプや真空エジェクタ等の図示しない減圧手段(保持手段)によって吸着保持が可能な保持部材を採用し、この保持部材で接着シートASを保持する際に重なり部ASPを形成し、当該保持部材で保持した接着シートASを被着体WKに押圧して貼付する構成としてもよい。
【0025】
再押圧手段30は、被着体WKの一方の面WK1に形成された重なり部ASPのみを再押圧したり、被着体WKの他方の面WK2に形成された重なり部ASPのみを再押圧したり、被着体WKの外縁端面WK3に形成された重なり部ASPのみを再押圧したりしてもよく、被着体WKの何れの位置に形成された重なり部ASPを再押圧してもよいし、直動モータ31や押圧板32が上下一対ではなく、例えば、被着体WKの一方の面WK1側のみに配置されていたり、被着体WKの他方の面WK2側のみに配置されていたり、被着体WKの外縁端面WK3側のみに配置されていたりしてもよいし、押圧板32と支持テーブル27とで重なり部ASPを再押圧する構成としてもよいし、押圧板32の材質が、ゴムや樹脂等の弾性変形が可能なもので構成されていたり、金属や硝子等の弾性変形が不能なもので構成されていたりしてもよいし、直動モータ31や押圧板32に代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルトまたはエアの吹付け等で、重なり部ASPを再押圧してもよいし、重なり部ASP全体を再押圧したり、重なり部ASP全体を再押圧することなく、当該重なり部ASPの一部のみを再押圧したりしてもよい。
【0026】
エネルギー付与手段40は、所定のエネルギーとして、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートの接着力を増加できるものを任意に採用することができるし、押圧板32の外部に配置されていてもよいし、規制板52の内部に配置されていてもよいし、再押圧手段30で重なり部ASPを再押圧する前に、接着シートASに所定のエネルギーを付与して当該接着シートASの接着力を増加させてもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0027】
浮き上がり規制手段50は、規制板52の材質が、ゴムや樹脂等の弾性変形が可能なもので構成されていたり、金属や硝子等の弾性変形が不能なもので構成されていたりしてもよいし、直動モータ51や規制板52に代えてまたは併用して、ガイド板、回行ベルトまたはエアの吹付け等で、接着シートASが被着体WKの外縁端面WK3から浮き上がることを規制してもよいし、本発明のシート貼付装置EAに備わっていてもよいし、備わっていなくてもよい。
【0028】
シート貼付装置EAは、1つまたは複数の被着体WKに1枚の接着シートASを貼付したり、1つまたは複数の被着体WKに複数の接着シートASを貼付したりしてもよいし、被着体WKの一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材を配置したり貼付したりして、接着シートASで当該被着体WKと支持部材とを一体化させてもよい。
シート貼付装置EAは、接着シートASが所定の第2エネルギーによって変形が可能なものとされた場合、図1(A)中二点鎖線で示すように、接着シートASに所定の第2エネルギーを付与する第2エネルギー付与手段60を備えていてもよい。このような第2エネルギー付与手段60は、押圧ローラ21と再押圧手段30との間に設けてもよいし、剥離板14と押圧ローラ21との間に設けてもよい。このような構成とすることで、シート貼付装置EAは、はみ出し領域ASHが形成されるようにして接着シートASを外縁端面WK3に貼付した後、当該はみ出し領域ASHに第2エネルギーを付与して変形させ、当該はみ出し領域ASHが一方の面WK1方向や他の面WK2方向に折れ曲がった折れ曲がり姿勢とすることができる。この場合、はみ出し領域ASHは、折れ曲がり姿勢の状態から第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24を介して、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に貼付されてもよいし、折れ曲がり姿勢となることで、第1、第2、第3押圧ローラ22、23、24を介さずに、一方の面WK1の外縁部および他方の面WK2の外縁部に貼付されてもよい。
なお、第2エネルギーによって変形が可能な接着シートASとしては、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を第2エネルギーとして変形するものやそれ以外のエネルギーによって変形するものでもよい。
また、第2エネルギー付与手段としては、紫外線、赤外線、可視光線、音波、X線またはガンマ線等の電磁波や、熱湯や熱風等の熱等を付与するものでもよく、接着シートASの特性、特質、性質、材質、組成および構成等を考慮して当該接着シートを変形させることができるものを任意に採用することができる。
【0029】
接着シートASは、所定のエネルギーによって接着力が増加しないものでもよいし、所定の第2エネルギーによって変形しないものでもよい。
所定のエネルギーや所定の第2エネルギーによって接着力が増加したり変形したりする接着シートASは、収縮を伴って接着力が増加したり変形したりしてもよいし、膨張を伴って接着力が増加したり変形したりしてもよいし、収縮も膨張も伴うことなく接着力が増加したり変形したりするものでもよい。
被着体WKは、一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、環状または非環状の凸部が形成されていてもよいし、一方の面WK1側および他方の面WK2側のうち少なくとも一方に、金属、硝子、樹脂、他の接着シート等の支持部材が取り付けられていてもよい。
【0030】
本発明における接着シートAS、他の接着シート、支持部材および被着体WKの材質、種別、形状等は、特に限定されることはない。例えば、接着シートAS、他の接着シート、支持部材および被着体WKは、円形、楕円形、三角形や四角形等の多角形、その他の形状であってもよいし、接着シートASや他の接着シートは、感圧接着性、感熱接着性等の接着形態のものであってもよく、感熱接着性の接着シートASや他の接着シートが採用された場合は、当該接着シートASや他の接着シートを加熱する適宜なコイルヒータやヒートパイプの加熱側等の加熱手段を設けるといった適宜な方法で接着されればよい。また、このような接着シートASや他の接着シートは、例えば、接着剤層だけの単層のもの、基材と接着剤層とが積層された2層のもの、基材と接着剤層との間に1または複数の中間層が積層された3層または3層以上のもの、基材の上面に1または複数のカバー層が積層された3層または3層以上のもの、基材、中間層またはカバー層が剥離可能に設けられたもの、接着剤層のみからなる単層の両面接着シート、1または複数の中間層の両最外面に接着剤層が積層された両面接着シート等、どのようなものでもよい。さらに、支持部材や被着体WKとしては、例えば、食品、樹脂容器、シリコン半導体ウエハや化合物半導体ウエハ等の半導体ウエハ、回路基板、光ディスク等の情報記録基板、ガラス板、鋼板、陶器、木板または樹脂等の単体物であってもよいし、それら2つ以上で形成された複合物であってもよく、任意の形態の部材や物品なども対象とすることができる。なお、接着シートASや他の接着シートは、機能的、用途的な読み方に換え、例えば、情報記載用ラベル、装飾用ラベル、保護シート、ダイシングテープ、ダイアタッチフィルム、ダイボンディングテープ、記録層形成樹脂シート等の任意のシート、フィルム、テープ等でもよい。
【0031】
前記実施形態における駆動機器は、回動モータ、直動モータ、リニアモータ、単軸ロボット、2軸または3軸以上の関節を備えた所謂多関節ロボット等の電動機器、エアシリンダ、油圧シリンダ、ロッドレスシリンダおよびロータリシリンダ等のアクチュエータ等が単体で採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等が直接的又は間接的に組み合わされたものが採用されてもよいし、それら電動機器やアクチュエータ等の出力部に対するトルク制御や速度制御等が可能なものや不能なものが採用されてもよい。
【0032】
前記実施形態において、ローラ等の回転部材が採用されている場合、当該回転部材を回転駆動させる駆動機器を備えてもよいし、回転部材の表面や回転部材自体をゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、回転部材の表面や回転部材自体を変形しない部材で構成してもよいし、ローラの代わりに回転するまたは回転しないシャフトやブレード等の他の部材を採用してもよいし、押圧ローラ、押圧板32または押圧ヘッド等の押圧手段や押圧部材または規制部材といった被押圧物を押圧するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、ローラ、丸棒、ブレード材、ブラシ状部材の他、大気やガス等の気体の吹き付けによるものを採用してもよいし、押圧するものをゴム、樹脂、スポンジ等の変形可能な部材で構成してもよいし、金属や硝子等の変形しない部材で構成してもよいし、剥離板や剥離ローラ等の剥離手段や剥離部材といった被剥離物を剥離するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、板状部材、丸棒、ローラ等の部材を採用してもよいし、剥離するものをゴムや樹脂等の変形可能な部材で構成してもよいし、変形しない部材で構成してもよいし、支持(保持)手段や支持(保持)部材等の被支持部材(被保持部材)を支持(保持)するものが採用されている場合、メカチャックやチャックシリンダ等の把持手段、クーロン力、接着剤(接着シート、接着テープ)、粘着剤(粘着シート、粘着テープ)、磁力、ベルヌーイ吸着、吸引吸着、駆動機器等で被支持部材を支持(保持)する構成を採用してもよいし、切断手段や切断部材等の被切断部材を切断または、被切断部材に切込や切断線を形成するものが採用されている場合、上記で例示したものに代えてまたは併用して、カッター刃、レーザカッタ、イオンビーム、火力、熱、水圧、電熱線、気体や液体等の吹付け等で切断するものを採用したり、適宜な駆動機器を組み合わせたもので切断するものを移動させて切断するようにしたりしてもよい。
【符号の説明】
【0033】
EA…シート貼付装置
10…供給手段
17…張力付与手段
20…貼付手段
30…再押圧手段
40…エネルギー付与手段
50…浮き上がり規制手段
60…第2エネルギー付与手段
AS…接着シート
ASF…供給方向先端部
ASP…重なり部
ASR…供給方向後端部
WK…被着体
WK1…一方の面
WK2…他方の面
WK3…外縁端面
図1
図2