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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163822
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】車両用広告物支持装置
(51)【国際特許分類】
   G09F 17/00 20060101AFI20231102BHJP
   E04H 12/32 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G09F17/00 R
E04H12/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022074988
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】大坂 庸仁
(57)【要約】
【課題】本発明は、移動販売車などで移動を行う際に広告物を支持するものであって、車両の移動を要さず簡単に設置可能であり、かつ車両に対して強固に取り付け可能な車両用広告物支持装置の提供を目的とした。
【解決手段】本発明の車両用広告物支持装置は、車両に取り付け可能な広告物支持装置であって、接地部となる脚部、及び支柱となる支柱部を備える本体部と、前記軸線方向両側から前記タイヤを狭持可能な狭持部と、を有することを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に取り付け可能な広告物支持装置であって、
接地部となる脚部、及び支柱となる支柱部を備える本体部と、
タイヤの軸線方向両側から前記タイヤを狭持可能な狭持部と、を有することを特徴とする、車両用広告物支持装置。
【請求項2】
前記タイヤを構成する面のうち、前記軸線方向両側に形成されている面をタイヤ側面とした場合、
前記本体部には、前記タイヤ側面に接触可能な当接部が設けられており、
前記当接部として、前記タイヤ側面の下方側に接触可能な第一当接部が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の車両用広告物支持装置。
【請求項3】
前記タイヤを構成する面のうち、前記軸線方向両側に形成されている面をタイヤ側面とした場合、
前記本体部には、前記タイヤ前記側面に接触可能な当接部が設けられており、
前記当接部として、前記タイヤ側面の上方側に接触可能な第二当接部が設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の車両用広告物支持装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動販売車などによる物販を行う場合に、広告物を支持するための広告物支持装置に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、キッチンカーなど移動販売車による移動販売が盛んに行われるようになっている。また、移動販売車で物品販売などを行うとき、店名やメニューを印刷した広告物(タペストリー、看板、のぼりなど)を利用して販売促進が行われている。しかしながら、看板等の広告物は強風によって飛ばされると、広告物がお客様や他店に接触する恐れがある。そのため、移動販売車に広告物を取り付ける場合、広告物が飛ばされないように対策を講じる必要がある。
【0003】
ここで、広告物が強風で飛ばされないような対策として、(a)広告物の支持部材に水タンクなどのおもりを乗せる、あるいは重量のあるスタンドを用いる、(b)広告物の支持部材をロープやマグネットを用いて車両に括り付ける、(c)支持部材の脚部を車両で踏んで車重で固定する、などが考えられる。
【0004】
例えば、(c)の手段を用いるものとして、下記特許文献1には、駐車された車両のタイヤの接地面に対して、車幅方向から挿入してタイヤのトレッド面を円周方向で挟持する広告支持具が開示されている。特許文献1の広告支持具では、タイヤサイズが変わってもタイヤとしっかり当接し、安定的に広告物を支持可能であるとされている。また、下記特許文献2には、展示車両の装飾広告看板が開示されている。特許文献2の装飾広告看板は、車両の左右タイヤを踏板に乗り上げ、踏板と長さ調整可能なジョイントを介して2本のスタンドパイプを固定し、パイプの間にアコーディオンアーチなどの飾りを取付け可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3233389号公報
【特許文献2】特開2005-221519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記(a)のように支持部材におもりを乗せて対策を講じる場合、おもりの分だけ車両の積載量が少なくなるという問題がある。また、上記(b)のように車両に支持部材を括り付ける場合、準備が面倒となる。さらに、上記(c)のように支持部材の脚部を車両で踏んで車重で固定する場合、そのために駐車位置から車両を動かす必要がある。
【0007】
このように、上記の(a)~(c)の手法では、車両の積載量減少の問題がある、あるいはわざわざ車両を動かす必要があるなど簡単に設置可能なものではなく、かつ強固に車両に取り付け可能なものとはなっていなかった。また、複数の部材をタイヤのスレッド面に接触させ、タイヤの径側(スレッド面)を掴む構成を検討したところ、グラつきが大きく支持部材をしっかりと固定することが難しいことが判明した。
【0008】
そこで本発明は、車両の移動を要さず簡単に設置可能であり、かつ車両に対して強固に取り付け可能な車両用広告物支持装置の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上述の課題を解決すべく提供される本発明の車両用広告物支持装置は、車両に取り付け可能な広告物支持装置であって、接地部となる脚部、及び支柱となる支柱部を備える本体部と、タイヤの軸線方向両側から前記タイヤを狭持可能な狭持部と、を有することを特徴とする、車両用広告物支持装置。
【0010】
本発明の車両用広告物支持装置は、狭持部をタイヤに装着することで簡単に車両に対して取り付けることができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、駐車位置から車両を動かすことなく、かつ簡単な作業で車両に取り付けることができる。また、本発明の車両用広告物支持装置は、重量物などで支持部材を固定する場合と比較して、女性など非力なユーザでも簡単に設置することができる。さらに、本発明の車両用広告物支持装置は、接地部が接地して自立させつつ、狭持部がタイヤを挟み込むことで車両に対して取り付けられるため、車両に対して強固に取り付けることができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置によれば、広告物が強風に飛ばされることを抑制することができる。
【0011】
(2)本発明の車両用広告物支持装置は、前記タイヤを構成する面のうち、前記軸線方向両側に形成されている面をタイヤ側面とした場合、前記本体部には、前記タイヤ側面に接触可能な当接部が設けられており、前記当接部として、前記タイヤ側面の下方側に接触可能な第一当接部が設けられているとよい。
【0012】
上述の構成によれば、本体部に設けられた当接部をタイヤの側面の下方側に接触させつつ、狭持部にタイヤを挟み込んで車両に取り付けることができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、さらに強固に車両に取り付けることが可能となる。
【0013】
(3)本発明の車両用広告物支持装置は、前記タイヤを構成する面のうち、前記軸線方向両側に形成されている面をタイヤ側面とした場合、前記本体部には、前記タイヤ前記側面に接触可能な当接部が設けられており、前記当接部として、前記タイヤ側面の上方側に接触可能な第二当接部が設けられているとよい。
【0014】
上述の構成によれば、本体部に設けられた当接部をタイヤの側面の上方側に接触させつつ、狭持部にタイヤを挟み込んで車両に取り付けることができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、さらに強固に車両に取り付けることが可能となる。
【0015】
(4)本発明の車両用広告物支持装置は、前記タイヤを構成する面のうち、前記軸線方向両側に形成されている面をタイヤ側面とした場合、前記本体部には、前記タイヤ前記側面に接触可能な当接部が設けられており、前記当接部は、前記支柱部が延びる方向に対して所定の角度をなすように形成されているとよい。
【0016】
上述の構成によれば、タイヤの径方向の大きさによらず、当接部をタイヤに接触させることができる。また、上述の構成によれば、車両用広告物支持装置を車両に取り付けた状態において、本体部の支柱部とタイヤとの間が離間するように構成することができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、支柱部が車体に接触することを抑制し、車体に傷が付くことを抑制することができる。
【0017】
(5)本発明の車両用広告物支持装置は、前記本体部には、所定の長さを備え、幕体とされた広告物を保持可能な保持部が設けられているものであるとよい。
【0018】
上述の構成によれば、保持部の長手方向に沿って幕体(広告物)を保持することができる。
【0019】
(6)本発明の車両用広告物支持装置は、前記本体部には、所定の長さを備え、幕体とされた広告物を保持可能な保持部が設けられており、前記狭持部を前記タイヤに装着して前記本体部が前記車両に取り付けられた状態では、前記保持部は長手方向が前記車両の前後方向に沿うように配置されるものであるとよい。
【0020】
上述の構成によれば、風の影響を受けやすい幕体を、車両の側面に沿って(車両の前後方向)保持することができる。これにより、本発明の車両用広告物支持装置は、幕体など風の影響を受けやすい広告物について、車両の前後方向に沿って風が逃げるように保持することができる。言い方を換えれば、本発明の車両用広告物支持装置は、風の方向と幕体の配置を最適化することができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、より効果的に風の影響を低減させることができる。
【0021】
(7)本発明の車両用広告物支持装置は、前記本体部には、所定の長さを備え、幕体とされた広告物を保持可能な保持部と、前記タイヤ前記側面に接触可能な当接部と、が設けられており、前記当接部は、前記支柱部が延びる方向に対して所定の角度をなすように形成されており、前記狭持部を前記タイヤに装着して前記本体部が前記車両に取り付けられた状態では、前記保持部が前記車両の前後方向に沿うように配置されるものであるとよい。
【0022】
上述の構成によれば、風の影響を受けやすい幕体を、車両の側面に沿って(車両の前後方向)保持することができる。これにより、本発明の車両用広告物支持装置は、幕体など風の影響を受けやすい広告物について、車両の前後方向に沿って風が逃げるように保持することができる。言い方を換えれば、本発明の車両用広告物支持装置は、風の方向と幕体の配置を最適化することができる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、より効果的に風の影響を低減させることができる。
【0023】
また、上述の構成では、当接部がタイヤ側面に接触することで、支柱部とタイヤ側面とが離間するように本体部を配置することができる。これにより、本発明の車両用広告物支持装置は、保持部に幕体を取り付けた場合、車体と幕体との間に隙間が形成される。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、幕体と車体との間の隙間から風を逃がし、さらに効果的に風の影響を低減させることができる。
【0024】
(8)本発明の車両用広告物支持装置は、前記狭持部は、前記タイヤを狭持可能な一対の狭持体を備え、一対の前記狭持体の離間距離を調整可能であるとよい。
【0025】
上述の構成によれば、タイヤのサイズを問わず、狭持部をしっかりとタイヤに取り付けることができる。すなわち、本発明の車両用広告物支持装置は、車種を問わず取り付けが可能となる。また、一度狭持体間の離間距離を調整して車両のタイヤ幅に合わせれば、次回からは狭持部をタイヤにかぶせるだけでよくなり、狭持体間の調整が不要となる。その結果、本発明の車両用広告物支持装置は、さらに取り付け作業が簡易となる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、車両の移動を要さず設置が簡単であり、かつ車両に対して強固に取り付け可能な車両用広告物支持装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態に係る車両用広告物支持装置の使用例を示している。
図2図1の車両用広告物支持装置の斜視図であり、本体部から狭持部を分離させた状態を示している。
図3図1の車両用広告物支持装置の斜視図であり、狭持部を本体部に取り付けた状態を示している。
図4図1の車両用広告物支持装置の本体部の側面図である。
図5図1の車両用広告物支持装置を車両に取り付ける手順を示している。(a)は本体部をタイヤに接触させる前の状態、(b)は本体部をタイヤに接触させた後の状態を示している。
図6図1の車両用広告物支持装置を車両に取り付ける手順を示している。(a)は狭持部をタイヤに取り付ける際の動作、(b)は狭持部を本体部に取り付けた状態を示している。
図7図1の車両用広告物支持装置の当接部がタイヤに接触する位置を示す斜視図である。
図8図1の車両用広告物支持装置の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態に係る車両用広告物支持装置10について、図面を参照しつつ説明する。
【0029】
図1に示すとおり、車両用広告物支持装置10は、広告物1を保持するためのものである。また、車両用広告物支持装置10は、車両Vに取り付け可能となっている。なお、車両用広告物支持装置10を用いて保持させる広告物1としては、タペストリーや看板、のぼりなど適宜選択可能である。
【0030】
車両用広告物支持装置10は、車両VのタイヤTに装着することで、車両Vに対して取り付け可能となっている。車両用広告物支持装置10は、接地部となる脚部22を備えており、脚部22を接地させて自立可能となっている。
【0031】
なお、以下の説明では、車両用広告物支持装置10を自立させた状態を、単に「自立状態」と記載して説明する場合がある。また、車両用広告物支持装置10を自立させた状態における上下方向を、単に「上下方向H」と記載して説明する場合がある。さらに、上下方向Hのうち、上方を単に「上方H1」と、下方を単に「下方H2」と記載して説明する場合がある。
【0032】
また、以下の説明では、車両Vの前後方向を単に「前後方向X」と、車両Vの幅方向を単に「幅方向W」と記載して説明する場合がある。
【0033】
さらに、以下の説明では、タイヤTを構成する面のうち、タイヤTの周面であって接地部分となる部分を単に「接地面F1」(スレッド面)と、タイヤTの軸線Lが延びる方向(軸線方向A)の両側に形成されている面を単に「タイヤ側面F2」と記載して説明する場合がある(図7参照)。
【0034】
図2に示すとおり、車両用広告物支持装置10は、本体部20、及び狭持部40を備えている。本実施形態の車両用広告物支持装置10では、狭持部40は、本体部20に対して着脱可能となっている(図2及び図3参照)。
【0035】
図2に示すとおり、車両用広告物支持装置10の本体部20や狭持部40は、アルミ素材の複数のフレーム材11をジョイント部材12で連結させることで形成されている。また、図示を省略するが、フレーム材11には長手方向に伸びる溝が形成されている。また、ジョイント部材12は溝に沿って移動可能であるとともに、ジョイント部材12のボルトを締めることでフレーム材11の所定の位置で位置決め可能となっている。本実施形態の車両用広告物支持装置10は、アルミ素材のフレーム材11により構成することで、軽量化を実現している。
【0036】
なお、本発明の車両用広告物支持装置の材質はアルミ素材に限定されない。例えば、本発明の車両用広告物支持装置の材質は、他の金属材料、あるいは樹脂素材など種々選択可能である。また、フレーム材は、パイプ状の部材のほか、角材、棒材、板材など種々選択可能である。
【0037】
図2に示すとおり、本体部20には、脚部22、支柱部24、保持部26、横フレーム部28、及び当接部30が設けられている。本体部20は、車両用広告物支持装置10を自立させつつ広告物1を支持するための本体をなしている。脚部22は接地部となる部分であり、支柱部24は支柱となる部分である。
【0038】
図2に示すとおり、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、脚部22は、一対の(二本の)フレーム材11に一本のフレーム材11を交差するように連結した構成となっている。また、支柱部24は、脚部22のフレーム材11が交差する部分から上方H1に延びるように設けられている。さらに、保持部26は、支柱部24をなす一対のフレーム材11の上方H1側を連結するように設けられている。
【0039】
保持部26は、所定の長さを備え、幕体などの広告物1を保持可能となっている。これにより、車両用広告物支持装置10は、保持部26の長手方向に沿って幕体(広告物1)を好適に保持可能となっている。図1に示すとおり、保持部26は、広告物1を保持可能な長さ(所定の長さ)を備えている。なお、狭持部40をタイヤTに装着して本体部20が車両Vに取り付けられた状態では、保持部26は長手方向が車両Vの前後方向に沿うように配置される(図1参照)。
【0040】
図2に示すとおり、当接部30は、本体部20に設けられている。図4に示すとおり、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、当接部30は、所定の長さのフレーム材11を支柱部24に対して斜めの角度をなすように(約45度)取り付けることで形成されている。
【0041】
図2に示すとおり、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、四つの当接部30が設けられている。より具体的には、実施形態の車両用広告物支持装置10では、当接部30として、脚部22から支柱部24に至るように形成された二つの第一当接部31と、第一当接部31が設けられた位置よりも上方H1側に設けられ、支柱部24から上方H1斜め方向に突出するように形成された二つの第二当接部32とが設けられている。
【0042】
すなわち、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、当接部30として、タイヤ側面F2の下方H2側に接触可能な第一当接部31が二つ設けられており、タイヤ側面F2の上方H1側に接触可能な第二当接部32が二つ設けられている。言い方を換えれば、当接部30は、タイヤ側面F2に接触可能な位置に設けられている。
【0043】
このように、実施形態の車両用広告物支持装置10では、当接部30を形成するフレーム材11が、支柱部24の長手方向(上下方向H)に対して角度(約45度)をなすように取り付けられている。従って、車両用広告物支持装置10を車両Vに取り付けた状態では、当接部30は、上下方向Hに広がる面をなすタイヤ側面F2に対して所定の角度(約45度)をなす。
【0044】
また、図4に示すとおり、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、第一当接部31(下方H2側の当接部30)と、第二当接部32(上方H1側の当接部30)とが、「ハの字」をなしている。別の観点から説明すると、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、支柱部24から離間するほど、第一当接部31と第二当接部32との離間距離が大きくなる構成となっている。
【0045】
図7に示すとおり、狭持部40は、軸線方向Aの両側からタイヤTを狭持可能とされている。図2に示すとおり、狭持部40は、連結部41、一対の狭持体42、及び装着部43を備えている。
【0046】
狭持体42は、タイヤTを挟み込んでタイヤTに対して車両用広告物支持装置10を取り付けるためのものである。図2に示すとおり、狭持体42は、略「T字状」の形状をなしており、連結部41に対して取り付けられている。また、図2に示すとおり、狭持部40には、連結部41の端部に取り付けられた狭持体42aと、連結部41の中間部に取り付けられた狭持体42bとの、一対の(二つの)狭持体42が設けられている。
【0047】
なお、連結部41の中間部に設けられた狭持体42bは、ジョイント部材12のボルトを緩めることで連結部41(フレーム材11)の溝に沿って移動可能となっており、ボルトを締めることで連結部41の長手方向の所定の位置で位置決め可能となっている(図7中の矢印C参照)。すなわち、一対の狭持体42のうち、狭持体42aは固定側となっており、狭持体42bは可動側となっている。このように、一対の狭持体42の離間距離は調整可能となっている。そのため、狭持部40は、狭持体42bの位置を変更することで、タイヤT幅に合わせて一対の狭持体42の離間距離を調整可能となっている。
【0048】
装着部43は、狭持部40を本体部20に対して着脱するために設けられている。すなわち、狭持部40は、装着部43を介して本体部20の横フレーム部28に対して連結可能となっている。本実施形態では、装着部43はジョイント部材12により構成されている。
【0049】
<車両への取り付けについて>
次に、車両用広告物支持装置10を車両Vに取り付ける際の作業について図5、及び図6等を参照しつつ説明する。
【0050】
図5(a)に示すとおり、車両用広告物支持装置10を車両Vに取り付ける場合、先ず本体部20の脚部22をタイヤTの両脇(タイヤTの前後)に配置させる。より詳細に説明すると、車両用広告物支持装置10の本体部20を車両Vの幅方向Wに沿って移動させ、タイヤTの前後の位置に脚部22を配置させる。
【0051】
次に、図5(b)に示すとおり、四つの当接部30がタイヤ側面F2に接触する位置まで本体部20を移動させる。この状態では、本体部20は、脚部22が地面に接地し、支柱部24が当接部30とタイヤTとの接触により位置決めされた状態となる。
【0052】
次いで、図6(a)に示すとおり、狭持部40をタイヤTに被せるように装着する。より詳細に説明すると、図6(a)に示すとおり、一対の狭持体42がタイヤTの両側(両側のタイヤ側面F2)を挟み込むように狭持部40を装着する。これにより、一対の狭持体42がタイヤTの中腹に至るように配置され、狭持部40がタイヤTの中腹を掴むように取り付けられる。
【0053】
最後に、図6(b)に示すとおり、狭持部40の装着部43を横フレーム部28に対して取り付ける。これにより、狭持部40が本体部20に対して連結される。この状態では、支柱部24とタイヤTや車体Bとが所定距離(距離D)離間した状態となる。
【0054】
このように、車両用広告物支持装置10では、(1)当接部30がタイヤTに接触する位置まで移動させる、(2)タイヤTを挟み込むように狭持部40をタイヤTに装着する、(3)狭持部40を本体部20に連結させる、の三つのアクションで車両Vへの取り付けが完了する。そのため、手軽に、かつ簡単に車両Vに取り付けることができる。
【0055】
また、上記の手順により車両用広告物支持装置10が車両V(タイヤT)に取り付けられた状態では、外側のタイヤ側面F2に、二つの第一当接部31と、二つの第二当接部32が接触する。さらに、車両用広告物支持装置10は、狭持部40により車両Vに対して幅方向Wに位置決めされる。
【0056】
すなわち、車両用広告物支持装置10を車両Vに取り付けた状態では、本体部20の四つの当接部30がタイヤTに対して面をなすように接触する。言い方を換えれば、タイヤ側面F2に対して四つの接触点Pが形成される(図7参照)。また、狭持部40がタイヤTに装着されて幅方向Wに位置決めされる。そのため、車両用広告物支持装置10を車両Vに対して安定して取り付け、強固に保持することができる。言い方を換えれば、車両用広告物支持装置10は、当接部30とタイヤTとの接触点と、タイヤTを挟み込んだ狭持部40により、強固に本体部20を車両Vに取り付ける(固定する)ことができる。
【0057】
このように、車両用広告物支持装置10では、狭持部40をタイヤTに装着することで簡単に車両Vに対して取り付けることができる。その結果、車両用広告物支持装置10は、車両Vを駐車位置から動かすことなく、かつ簡単な作業で車両に取り付けることができる。また、車両用広告物支持装置10は、重量物などで支持部材を固定する場合と比較して、女性など非力なユーザでも簡単に設置することができる。さらに、車両用広告物支持装置10では、脚部22が接地して自立させつつ、狭持部40がタイヤTを挟み込むことで車両Vに対して取り付けられるため、車両Vに対して強固に取り付けることができる。その結果、車両用広告物支持装置10は、広告物1が強風に飛ばされることを抑制することができる。
【0058】
また、上述のとおり、車両用広告物支持装置10では、当接部30が支柱部24に対して斜めの角度(約45度)をなすように設けられている。
【0059】
そのため、車両用広告物支持装置10では、タイヤTの径方向の大きさによらず、当接部30をタイヤTに接触させることができる。また、車両用広告物支持装置10を車両Vに取り付けた状態において、本体部20の支柱部24とタイヤTや車体Bとの間が離間する。その結果、車両用広告物支持装置10は、支柱部24が車体Bに接触することを抑制し、車体Bに傷が付くことを抑制することができる。
【0060】
また、上述のとおり、狭持部40をタイヤTに装着して本体部20が車両Vに取り付けられた状態では、保持部26は長手方向が車両Vの前後方向Xに沿うように配置される。そのため、車両用広告物支持装置10は、風の影響を受けやすい幕体(広告物1)を、車両Vの側面に沿って(車両Vの前後方向X)保持することができる。これにより、車両用広告物支持装置10は、幕体など風の影響を受けやすい広告物1について、車両Vの前後方向Xに沿って風が逃げるように保持することができる。言い方を換えれば、車両用広告物支持装置10は、風の方向と幕体(広告物1)の配置を最適化することができる。その結果、車両用広告物支持装置10は、より効果的に風の影響を低減させることができる。
【0061】
さらに、上述のとおり、車両用広告物支持装置10には当接部30が設けられており、当接部30がタイヤ側面F2に接触した状態では、支柱部24とタイヤ側面F2とが距離D分離間する。すなわち、車両用広告物支持装置10では、当接部30がタイヤ側面F2に接触することで、支柱部24とタイヤ側面F2とが離間するように本体部20を配置することができる。これにより、車両用広告物支持装置10は、保持部26に幕体(広告物1)を取り付けた場合、車体Bと幕体(広告物1)との間に隙間が形成される。その結果、車両用広告物支持装置10は、幕体と車体Bとの間の隙間から風を逃がし、さらに効果的に風の影響を低減させることができる。
【0062】
また、上述のとおり、本実施形態の車両用広告物支持装置10では、狭持体42bが連結部41に対して移動可能となっている(狭持体42間の距離を調整可能となっている)。そのため、車両用広告物支持装置10は、タイヤTのサイズを問わず、狭持部40をしっかりとタイヤTに取り付け可能となっている。すなわち、車両用広告物支持装置10は、車種を問わず取り付けが可能となる。また、一度狭持部40間の離間距離を調整して車両Vのタイヤ幅に合わせれば、次回からは狭持部40をタイヤTにかぶせるだけでよくなり、狭持体42間の調整が不要となる。その結果、車両用広告物支持装置10は、さらに取り付け作業が簡易となる。
【0063】
以上、本発明の実施形態に係る車両用広告物支持装置10について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
【0064】
例えば、上述した車両用広告物支持装置10では、狭持部40と本体部20とを連結する構成として、ジョイント部材12(装着部43)を用いた例を示したが、本発明の車両用広告物支持装置は、狭持部を差し込み構造により本体部に連結させてもよい。具体的には、図8に示すとおり、本体部20に差し込み孔が形成された取付部50を設け、取付部50に狭持部40の連結部41を差し込むことで狭持部40と本体部20とを連結させてもよい。
【0065】
また、上述の実施形態に係る車両用広告物支持装置10では、下方H2側の二つの当接部30(第一当接部31)と、上方H1側の二つの当接部30(第二当接部32)との、四つの当接部30を設けた例を示したが、本発明の車両用広告物支持装置は上述の実施形態に限定されない。例えば、狭持部のみで上方側の位置決めが十分である場合などは、上方側の当接部を設けないものとしてもよい。なお、下方側の当接部については、車両用広告物支持装置の車両に対する位置を位置するために(位置決め的な意味合いで)設けられることが望ましい。
【0066】
本発明は、上述した実施形態として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素又は発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、移動販売車で物販を行う場合など、広告物を保持するための装置として好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 広告物
10 車両用広告物支持装置
20 本体部
22 脚部
24 支柱部
26 保持部
30 当接部
31 第一当接部
32 第二当接部
40 狭持部
42 狭持体
42a 狭持体
42b 狭持体
A 軸線方向
B 車体
F1 接地面
F2 タイヤ側面
H 上下方向
L 軸線
T タイヤ
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8