(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163842
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】コンベア用ワークガイドシステム及びワークガイドシステム用棒状ガイドレール
(51)【国際特許分類】
B65G 21/20 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B65G21/20 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075029
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】592053778
【氏名又は名称】株式会社日本設計工業
(74)【代理人】
【識別番号】110002963
【氏名又は名称】弁理士法人MTS国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】名倉 成之
(72)【発明者】
【氏名】森田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大島 久典
【テーマコード(参考)】
3F025
【Fターム(参考)】
3F025BA03
3F025BA06
3F025BA09
3F025BC01
3F025BC06
3F025BC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】コンベア、シュートにおけるワークガイドのための棒状のガイドレールを交換容易、傾斜角度可変とする。
【解決手段】コンベア用ワークガイドシステム10は、直線状コンベア1を支持するコンベアフレーム20と、レールクランプ40を含む支持装置30と、ワーク2の搬送方向と直交する鉛直断面における上下左右の複数位置で、搬送方向と平行に配置され、且つ、ワーク2と摺接可能な複数の棒状のガイドレール50と、を有し、レールクランプ40は、1本のガイドレール50につき、コンベア搬送方向の複数の個所に設けられ、支持装置30はレールクランプ40と調整ユニット42を含み、レールクランプ40はクランプジョーを備え、調整ユニット42は、ガイドレール50のガイド面51をワーク2の表面に対して直線的に進退自在及び斜め方向に進退自在、且つ、角度調節自在に支持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
直線状コンベアを支持するコンベアフレームと、棒状部材を把持するレールクランプを含む支持装置と、前記支持装置を介して前記コンベアフレームに支持されていて、前記直線状コンベアに載置されるワークの搬送方向と直交する鉛直断面における上下左右の複数位置で、少なくとも各1本、前記直線状コンベアの長さと等しい範囲で前記搬送方向と平行に配置され、且つ、前記ワークと摺接可能な円弧状のガイド面を備えた少なくとも2本の棒状のガイドレールと、を有してなり、
前記レールクランプは、前記ガイドレールの1本につき、コンベア搬送方向の複数の支持個所で各1個備えられ、前記支持装置は前記レールクランプを各々独立して固定して、前記コンベアフレームに取付ける調整ユニットを含んでなり、
前記ガイドレールは、前記搬送方向と直交する断面において、前記円弧状のガイド面、このガイド面の中心の背後に反対方向に突出したレールクランプ用突起、このレールクランプ用突起の根元の両側に形成されたレールクランプ係止用溝部を有し、
前記調整ユニットは、前記ガイドレールを、前記ガイド面が、前記ワークの表面に対して直線的に進退自在に支持するレール直進調整ユニット、及び、前記ガイド面が、前記ワークの表面に対して斜め方向に進退自在、且つ、角度調節自在に支持するレール角度調整ユニットと、からなり、
前記レールクランプは、前記クランプ用突起を挟み込み、前記レールクランプ係止用溝部に入り込むクランプジョーを備えてなる、
コンベア用ワークガイドシステム。
【請求項2】
請求項1において、
前記レール直進調整ユニットは、先端に前記レールクランプを支持する直進調整用目盛付直線状シャフトと、この直進調整用目盛付直線状シャフトを、軸方向摺動自在に支持し、任意の軸方向位置で締付けて位置固定可能であり、前記コンベアフレームに上下方向又は前記搬送方向に直交する鉛直面内で水平方向に移動自在、且つ、任意位置で固定自在の直進位置固定用ブロックと、を有してなり、
前記レール角度調整ユニットは、先端に前記レールクランプを支持する角度調整用目盛付直線状シャフトと、前記角度調整用目盛付直線状シャフトを、軸方向位置に摺動自在に支持し、任意の軸方向位置で締付けて位置固定可能であり、且つ、前記角度調整用目盛付直線状シャフトを、前記鉛直面内で前記搬送方向と平行な回転中心軸周りに揺動可能に支持する直進揺動位置固定用ブロックと、前記直進揺動位置固定用ブロックを前記回転中心軸周りに支持する直進揺動ブロックと、を有してなることを特徴とするコンベア用ワークガイドシステム。
【請求項3】
請求項2において、
前記コンベアフレームは縦方向部材と、前記搬送方向に直交する面内で水平に、且つ、前記直線状コンベアの上方を横断する横方向部材とを有し、
前記レール直進調整ユニットにおける前記直進位置固定用ブロックは、前記縦方向部材に縦方向位置移動自在、又は、前記横方向部材に、横方向位置移動自在で、任意位置に固定可能に設けられ、
前記レール角度調整ユニットにおける前記直進揺動ブロックは、前記縦方向部材に縦方向位置移動自在、且つ、任意方向に固定可能に設けられたことを特徴とするコンベア用ワークガイドシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記ガイドレールは、1本のガイドレールより短い複数の棒状素材を、その端面を突き合せた状態でワークの搬送方向に接続可能に構成され、
該突き合せ部分を挟み込んで固定して支持する前記レールクランプは、前記突き合せた状態の棒状素材を、その突き合せ部を間に、ガイドレール長手方向における前記突き合せ部の両側部を含む範囲で、前記レールクランプ用突起を挟み込む長さで構成されたことを特徴とするコンベア用ワークガイドシステム。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記ガイドレールは、前記直線状コンベアにおけるワーク入口側の端部が、前記ワークの、前記搬送方向と直交する鉛直断面の外形よりも外側に、テーパ状に前記搬送方向と逆方向に拡がった構成のテーパ部を有することを特徴とするコンベア用ワークガイドシステム。
【請求項6】
直線状コンベアに載置されるワークの搬送方向と直交する鉛直断面におけるワーク外周に対して摺接可能な円弧状のガイド面を備え、レールクランプにより把持された状態で、前記直線状コンベアの長さと等しい範囲で前記搬送方向と平行に配置された棒状ガイドレールであって、
前記ガイドレールは、前記搬送方向と直交する断面において、前記円弧状のガイド面、このガイド面の中心の背後に反対方向に突出して形成され前記レールクランプのクランプジョーにより挟持可能なレールクランプ用突起、このレールクランプ用突起の根元の両側に形成され、前記クランプジョーが入り込み可能なレールクランプ係止用溝部を有する形状とされたことを特徴とするワークガイドシステム用棒状ガイドレール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、シュートや直線状コンベア用ワークガイドシステム及びワークガイドシステム用棒状ガイドレールに関する。
【背景技術】
【0002】
図12に、本出願人社内においてかつて開発したシュート用のワークガイドシステム100(非公知)を示す。
【0003】
このワークガイドシステム100は、2列の直線状コンベア101上のワークWを、
図12の紙面に垂直に搬送するものであり、搬送方向に平行な複数の丸棒状ガイドレール103が、コンベアフレーム102の縦方向部材102A又は横方向部材102Bに、上下方向調整ロッド104を介して、円弧状部が上方及び側方からワークWに接触して、これを案内するように構成されている。
【0004】
詳細には、コンベアフレーム102の上方を跨ぐ横方向部材102Bから、上下方向調整ロッド104の下端に溶接した丸棒状ガイドレール103を、ワークWに接触可能に配置し、又、側方からは、コンベアフレーム102の下側の横方向部材102Cから、上下方向調整ロッド104により立ち上げた先端をT字レール106として、その先端に丸棒状ガイドレール103を溶着し、又、コンベアフレーム102の幅方向両側からは、縦方向部材102Aに支持された上下方向調整ロッド104の上端に取付けられたL字レール105の内側面に、丸棒状ガイドレール103を溶着して、ワークWを案内するようにされている。
【0005】
このようなワークガイドシステムは、重量があり、大型の鋳物などのワークを直線状コンベアあるいは直線状のシュートにて搬送する場合に丸棒状ガイドレール103に摺接させて案内するものである。
【0006】
ガイドレールについては、
図13に示されるように、上下方向調整ロッド104の円の先端に、クランプ108を設け、丸棒状ガイドレール107を握持するようにしたものもある。
【0007】
図12の構成の場合、丸棒状ガイドレール103が摩耗したときには、これを上下方向調整ロッド104と一体で交換しなければならず、また、L字レール105、T字レール106に取付けられた状態では、ワークWのわずかな寸法変化にも対応できないので、全体を交換せざるを得ないという問題点がある。
【0008】
図13に示されるような場合は、クランプ108から突出した丸棒状(円筒状)ガイドレール107の一定範囲のみがワークWと接触可能であり、ワークとの接触範囲が狭いので、ワークWに対して斜め上あるいは斜め下から丸棒状ガイドレール107を接触させることが出来ないという問題点が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平6-227635号公報
【特許文献2】特開平4-333409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、上記先行技術の問題点を解消するものであって、ワークへの接触角度を斜めに調整することができると共に、ガイドレールのみを交換することができるようにしたコンベア用ワークガイドシステム及びワークガイドシステム用棒状ガイドレールを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、直線状コンベアを支持するコンベアフレームと、棒状部材を把持するレールクランプを含む支持装置と、前記支持装置を介して前記コンベアフレームに支持されていて、前記直線状コンベアに載置されるワークの搬送方向と直交する鉛直断面における上下左右の複数位置で、少なくとも各1本、前記直線状コンベアの長さと等しい範囲で前記搬送方向と平行に配置され、且つ、前記ワークと摺接可能な円弧状のガイド面を備えた少なくとも2本の棒状のガイドレールと、を有してなり、前記レールクランプは、前記ガイドレールの1本につき、コンベア搬送方向の複数の支持個所で各1個備えられ、前記支持装置は前記レールクランプを各々独立して固定して、前記コンベアフレームに取付ける調整ユニットを含んでなり、前記ガイドレールは、前記搬送方向と直交する断面において、前記円弧状のガイド面、このガイド面の中心の背後に反対方向に突出したレールクランプ用突起、このレールクランプ用突起の根元の両側に形成されたレールクランプ係止用溝部を有し、前記調整ユニットは、前記ガイドレールを、前記ガイド面が、前記ワークの表面に対して直線的に進退自在に支持するレール直進調整ユニット、及び、前記ガイド面が、前記ワークの表面に対して斜め方向に進退自在、且つ、角度調節自在に支持するレール角度調整ユニットと、からなり、前記レールクランプは、前記クランプ用突起を挟み込み、前記レールクランプ係止用溝部に入り込むクランプジョーを備えてなる、コンベア用ワークガイドシステムにより、上記課題を解決するものである。
【0012】
又、本発明は、直線状コンベアに載置されるワークの搬送方向と直交する鉛直断面におけるワーク外周に対して摺接可能な円弧状のガイド面を備え、レールクランプにより把持された状態で、前記直線状コンベアの長さと等しい範囲で前記搬送方向と平行に配置された棒状ガイドレールであって、前記ガイドレールは、前記搬送方向と直交する断面において、前記円弧状のガイド面、このガイド面の中心の背後に反対方向に突出して形成され前記レールクランプのクランプジョーにより挟持可能なレールクランプ用突起、このレールクランプ用突起の根元の両側に形成され、前記クランプジョーが入り込み可能なレールクランプ係止用溝部を有する形状とされたことを特徴とするワークガイドシステム用棒状ガイドレールにより、上記課題を解決するものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、直線コンベア上で搬送されるワークの種類を、水平な棒状の複数のガイドレールでガイドするコンベア用ワークガイドシステムにおいて、棒状のガイドレールを、ワークと摺接可能な円弧状のガイド面を備え、この円弧状のガイド面と反対側にレールクランプ用突起を設けて、この部分において、レールクランプによりガイドレールを固定するようにしているので、ガイドレールとワークとの接触角度の可能範囲を大きくすることが出来ると共に、ガイドレールの交換時に、迅速に交換することが出来、且つ、ワークの僅かな寸法変化に対応して、迅速にガイドレールの、ワークに対する接触角度位置を変更することが出来るという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例1に係るワークガイドシステムを模式的に示す正面図
【
図2】同ワークガイドシステムの直線状コンベアへの装着状態を示す斜視図
【
図3】
図2におけるIII-III線に沿う拡大断面図
【
図5】同ワークガイドシステムにおけるレール直進調整ユニット及びガイドレールの関係を示す平面図
【
図7】同ワークガイドシステムを取付けた直線状コンベア及びそのコンベアフレームを示す斜視図
【
図8】同ワークガイドシステムのワーク入側を拡大して示す斜視図
【
図9】同ワークガイドシステムにおけるワーク入側のガイドレールを外側に傾斜させた実施形態を示す斜視図
【
図10】ガイドレールを長手方向に継足した状態で把持したレールクランプを示す斜視図
【
図11】本発明の実施例2に係るワークガイドシステムを模式的に示す正面図
【
図12】本発明による改良前のワークガイドシステムの構成を模式的に示す正面図
【
図13】本発明による改良前の他のワークガイドシステムにおけるガイドレール及びレールクランプを示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0015】
[実施例1]
図1、
図2に示されるように、本発明の実施例に係るコンベア用ワークガイドシステム10は、直線状コンベア1を支持するコンベアフレーム20と、棒状部材を把持するレールクランプ40を含む支持装置30と、支持装置30を介してコンベアフレーム20に支持されていて、並列の2本の直線状コンベア1に各々載置されるワーク2の搬送方向と直交する鉛直断面における上下左右の複数位置で、1本の直線状コンベア1につき6本、直線状コンベア1の長さと等しい範囲で搬送方向と平行に配置され、且つ、ワーク2と摺接可能な円弧状ガイド面51を備えた棒状のガイドレール50と、を有してなる。
【0016】
レールクランプ40は、1本のガイドレール50につき、コンベア搬送方向の複数の支持個所で各1個備えられていて、支持装置30はレールクランプ40を各々独立して固定して、コンベアフレーム20に取付ける調整ユニット42を含んでいる。
【0017】
ガイドレール50は、
図3に示されるように、搬送方向と直交する断面において、円弧状ガイド面51、その中心の背後に反対方向に突出したレールクランプ用突起52、このレールクランプ用突起52の根元の両側に形成されたレールクランプ係止用溝部54を備えている。基本的には、丸棒の円周方向の一部を突出させて握持可能なレールクランプ用突起52を形成した断面形状となっている。
【0018】
調整ユニット42は、ガイドレール50を、円弧状ガイド面51が、ワーク2の表面に対して直線的に進退自在に支持するレール直進調整ユニット43、及び、円弧状ガイド面51が、ワーク2の表面に対して斜め方向に進退自在、且つ、角度調節自在に支持するレール角度調整ユニット44と、から構成されている。
【0019】
又、レールクランプ40は、レールクランプ用突起52を挟み込み、レールクランプ係止用溝部54に入り込むクランプジョー45を備えている。
【0020】
図2~4に示されるように、レール直進調整ユニット43は、先端にレールクランプ40を支持する直進調整用目盛付直線状シャフト43Aと、この直進調整用目盛付直線状シャフト43Aを、軸方向摺動自在に支持し、任意の軸方向位置で締付けて位置固定可能であり、コンベアフレーム20に上下方向又は搬送方向に直交する鉛直面内で水平方向に移動自在、且つ、任意位置で固定自在の直進位置固定用ブロック43Bと、を有している。レール角度調整ユニット44は、先端にレールクランプ40を支持する角度調整用目盛付直線状シャフト44Aと、角度調整用目盛付直線状シャフト44Aを、軸方向位置に摺動自在に支持し、任意の軸方向位置で締付けて位置固定可能であり、且つ、角度調整用目盛付直線状シャフト44Aを、鉛直面内で搬送方向と平行な回転中心軸周りに揺動可能に支持する直進揺動位置固定用ブロック44Bと、直進揺動位置固定用ブロック44Bを回転中心軸周りに支持する直進揺動ブロック44Cと、を有している。
【0021】
図2の符号44Dは、直進揺動位置固定用ブロック44Bを縦方向部材21に上下方向位置可変に固定するユニット固定用ブロックを示す。なお、直進位置固定用ブロック43Bとユニット固定用ブロック44Dは同一構造であるが、前者は直進調整用目盛付直線状シャフト43Aを軸方向に位置調整して固定するものであり、又、後者は直進揺動位置固定用ブロック44Bを高さ方向位置調整可能に、縦方向部材21に取付けるものである。
【0022】
コンベアフレーム20は縦方向部材21と、搬送方向に直交する面内で水平に、且つ、前記直線状コンベア1の上方及び下方を横断する横方向部材22とを有している。
【0023】
レール直進調整ユニット43における直進位置固定用ブロック43Bは、縦方向部材21に縦方向位置移動自在、又は、上方の横方向部材22に、横方向位置移動自在で、任意位置に固定可能に設けられ、レール角度調整ユニット44における直進揺動ブロック44Cは、縦方向部材21に縦方向位置移動自在、且つ、任意方向に固定可能に設けられている。
【0024】
図5、
図6に示されるように、ガイドレール50は、断面において、円形の棒状部材から、一方向にレールクランプ用突起52を一体的に突出させた形状であり、そのレールクランプ用突起52を、
図6において紙面と直交する方向から、レールクランプ40のクランプジョー45の間に棒状のガイドレール50の軸方向に摺動して挿入される。
【0025】
この状態で、又、挿入後に、レールクランプ40の内側に配置された、固定ナット40Bにねじ40Aを螺合させてガイドレール50を前方に押圧して固定するようにされている。
【0026】
図7は、本実施例のコンベア用ワークガイドシステム10が装着された直線状コンベア1を示す。この直線状コンベア1は、
図7において、左側からワーク2が挿入されて、右方向に搬送されるように構成されている。
【0027】
又、具体的には、直線状コンベア1の高さ調整脚23A~23Dは、コンベア入口側から、コンベア出口側に向けて順次短くされ、全体として傾斜されている。即ち、この実施例において直線状コンベア1は、自走することなく、傾斜の分力によってワーク2が移動していくいわゆるシュートである。
【0028】
なお、本発明はシュートに限定されるものでなく、水平にワークを搬送する直線状コンベアにも適用されるものである。
【0029】
図8は、上記直線状コンベア1におけるワーク2の入側端部を示している。ここでは、ガイドレール50は直線状コンベア1に沿って直線状とされている。
【0030】
ここで、
図9に示されるガイドレールの他の実施形態について説明する。このガイドレール50は、直線状コンベア1におけるワーク入口3側の端部に、搬送方向と直交する鉛直断面におけるワーク2の外径の外側に向かって、テーパ状に搬送方向と逆方向に拡がった構成のテーパ部55が設けられている。
【0031】
この実施形態の場合、テーパ部55を設けているのでワーク2が重量物の、例えば異形部材である場合に、ガイドレール50の間に入る時に、この複数のガイドレール50のいずれかに先に当たると、ワーク2が回転してしまうことがあり、これを防止できる。
【0032】
次に、
図10は短い2本の棒状素材50A、50Bを、その端面を突き合せた状態で、両端面側の接続部56を、レールクランプ40により固定して、1本のガイドレール50とする構成を示す。
【0033】
レールクランプ40は、棒状素材50A、50Bの接続部56を間に、ガイドレール長手方向における接続部56の両側部を含む範囲で、レールクランプ用突起52を挟み込む長さで構成されている。
【0034】
なお、この時、接続部56にて、2本の棒状素材50A、50Bを溶接することもできるが、溶接しないままで、レールクランプ40によって固定することも出来る。更に、棒状素材50A、50Bの端面を傾斜面としたり、ほぞ構造としてもよい。
【0035】
上記実施例1においては、1個のワークを6本のガイドレールにより案内する構成とされているが、本発明はこれに限定されるものでなく、2本以上(複数)のガイドレールを用いる場合に適用されるものである。
【0036】
[実施例2]
図11に、2本のガイドレール50を用いた実施例2を示す。同図において、実施例1におけると同一構成については、
図1~
図10におけると同一の符号を用いて説明を省略するものとする。
【符号の説明】
【0037】
1…直線状コンベア
2…ワーク
3…ワーク入口
10…コンベア用ワークガイドシステム
20…コンベアフレーム
21…縦方向部材
22…横方向部材
23A~23D…高さ調整脚
30…支持装置
40…レールクランプ
40A…ねじ
40B…固定ナット
42…調整ユニット
43…レール直進調整ユニット
43A…直進調整用目盛付直線状シャフト
43B…直進位置固定用ブロック
44…レール角度調整ユニット
44A…角度調整用目盛付直線状シャフト
44B…直進揺動位置固定用ブロック
44C…直進揺動ブロック
44D…ユニット固定用ブロック
45…クランプジョー
50…ガイドレール
50A、50B…棒状素材
51…円弧状ガイド面
52…レールクランプ用突起
54…レールクランプ係止用溝部
55…テーパ部
56…接続部