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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163857
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 9/00 20060101AFI20231102BHJP
   A44C 25/00 20060101ALI20231102BHJP
   A44C 5/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A44C9/00
A44C25/00 A
A44C5/00 C
A44C5/00 501A
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075051
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】396016445
【氏名又は名称】株式会社フェリシモ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】弁理士法人有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 由莉
(72)【発明者】
【氏名】大畑 恵実
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114CC13
3B114GG05
3B114GG07
(57)【要約】
【課題】 デザインを容易に変更することができる装身具を提供する。
【解決手段】 装身具は、それぞれが環状に形成され、身体に挿通して装着される内側環状部10及び外側環状部20と、内側環状部10に保持されている内側装飾部3と、を有し、外側環状部20は、内周面の周方向に延び且つ内側環状部10を収容する凹溝21を有する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれが環状に形成され、身体に挿通して装着される内側環状部及び外側環状部と、
前記内側環状部に保持されている内側装飾部と、を有し、
前記外側環状部は、内周面の周方向に延び且つ前記内側環状部を収容する凹溝を有する、装身具。
【請求項2】
前記内側環状部は、弾性を有し、周方向において一部が途切れている途切れ部を有する、請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記外側環状部は、身体に装着した状態において身体の内側に位置する部位に形成され、周方向において一部が途切れている途切れ部を有する、請求項1に記載の装身具。
【請求項4】
前記外側環状部に保持され、前記外側環状部の径方向外側を向く開口部を有する枠状の台座部を有し、
前記内側装飾部は、前記外側環状部の径方向において前記台座部の内方に位置する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の装身具。
【請求項5】
透明材質であり、前記外側環状部に保持されているカバー部を有し、
前記内側装飾部は、前記外側環状部の径方向において前記カバー部の内方に位置する、請求項1乃至3の何れか1項に記載の装身具。
【請求項6】
前記カバー部の外側面は、外側に膨らむ曲面又は多面体面である、請求項5に記載の装身具。
【請求項7】
前記外側環状部に保持され、前記外側環状部の径方向外側を向く開口部を有する枠状の台座部を有する、請求項5に記載の装身具。
【請求項8】
前記カバー部は、前記開口部を閉塞するように前記台座部に取り付けられている、請求項7に記載の装身具。
【請求項9】
前記内側環状部及び前記外側環状部は円環状に形成され、
前記内側装飾部は、前記開口部内に位置し、
前記内側装飾部の前記外側環状部の中心軸を中心とする円周方向に前記台座部が位置する、請求項7に記載の装身具。
【請求項10】
前記装身具は、指輪、ブレスレット、首飾り又は腕時計である、請求項1に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から複数のリングを組み合わせて一つの指輪を構成し、各々を取り替えることにより、色彩や装飾の異なるものとする指輪が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
この指輪は、外リングと、外リングに差し込む差込みリングを備えている。これによって、いずれかのリングを取り替えることにより、指輪のデザインに変化をもたせることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7-155214号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載の指輪は、指輪のアームの幅が広くなり、指輪デザインが限定されるという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明のある態様に係る装身具は、それぞれが環状に形成され、身体に挿通して装着される内側環状部及び外側環状部と、前記内側環状部に保持されている内側装飾部と、を有し、前記外側環状部は、内周面の周方向に延び且つ前記内側環状部を収容する凹溝を有する。
【0007】
この構成によれば、内側環状部を取り外したり、交換したりすることにより、装身具のデザインを容易に変更することができる。また、様々なデザインの装身具に容易に適用することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、デザインを容易に変更することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る装身具の構成例を示す斜視図である。
図2図1の装身具の構成例を示す斜視図であり、外側部材から内側部材を取り外した状態を示す図である。
図3図1の装身具の断面図である
図4】実施の形態2に係る装身具の構成例を示す図である。
図5】実施の形態2に係る装身具の構成例を示す図である。
図6】実施の形態2に係る装身具の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0011】
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る装身具100の構成例を示す斜視図である。
【0012】
装身具100は、身体に装着する飾りであり、本実施の形態においては、指輪である。しかし、装身具100は、指輪に限られるものではなく、例えば、指輪、ブレスレット、又はチョーカー等の首飾りであってもよい。また、装身具100は、実用性を伴う腕時計であってもよい。
【0013】
図1に示すように、装身具100は、内側部材1と外側部材2とを備える。
【0014】
図2は、装身具100の構成例を示す斜視図であり、外側部材2から内側部材1を取り外した状態を示す図である。図3は、装身具100の構成例を示す断面図であり、外側部材2に内側部材1を取り付けた状態において、内側環状部10及び外側環状部20の縦断方向の断面を示す図である。
【0015】
図1図3に示すように、内側部材1は、内側環状部10と内側装飾部3とを有する。
【0016】
内側環状部10は、環状に形成されており、より具体的には、円環状に形成されている。内側環状部10によって囲まれる部分は、身体の一部、すなわち指を挿通する部分であり、指のサイズに応じたサイズに形成される。これによって、内側環状部10に指を挿通することによって、装身具100を身体に装着することができる。内側環状部10は、弾性を有する材質であり、例えば、細長い線材である。
【0017】
そして、内側環状部10は、内側環状部10の周方向において一部が途切れており、C字環状の外観を呈している。この途切れている部分が途切れ部12を成し、途切れ部12を介して内側環状部10の周方向に一対の端部13が対峙している。上記の通り、内側環状部10は弾性を有する材質であり、一対の端部13を近づけるように撓ませることによって、径を小さく絞ることができる。
【0018】
そして、内側環状部10に内側装飾部3が保持されている。内側装飾部3は、例えばロウ付けによって内側環状部10に取り付けられている。内側装飾部3は、飾りであり、デザインの特徴部分が看取される主面31が内側環状部10の径方向外側を向くように内側環状部10に保持されている。また、内側装飾部3は、一対の端部13のうち一方の端部13に取り付けられている。内側部材1と外側部材2とを組み合わせた状態において、内側装飾部3は、外側環状部20の径方向においてカバー部4の内方に位置し、より具体的には、開口部51内に位置する。内側装飾部3は、任意の形態とすることができる。本実施の形態において、内側装飾部3は、神秘的な概念を備える文字を立体的にデザインした態様を有している。
【0019】
外側部材2は、外側環状部20と、カバー部4と、台座部5とを備える。
【0020】
外側環状部20は、環状に形成されており、より具体的には、円環状に形成されている。外側環状部20は、内側環状部10よりも幅及び厚さ寸法が大きく形成され、内側環状部10よりも高い剛性を有する。外側環状部20によって囲まれる部分は、内側環状部10が内側に位置するように内側環状部10と係合(嵌合)させた状態で、身体の一部、すなわち指を挿通する部分である。外側環状部20は、一対の円弧状に延在するアーム25を含む。そして、一対のアーム25は、内周面が対峙するように配設されている。外側環状部20は、一対のアーム25の一方の端部23が身体の内側(すなわち掌側)に位置するように身体に装着され、一方のアーム25の端部23と他方のアーム25の端部23との間の部分が、外側環状部20の周方向において途切れた途切れ部22を成す。すなわち、途切れ部22を介して外側環状部20の周方向に一対の端部23が対峙している。このように、途切れ部22は、身体に装着した状態において身体の内側に位置する外部から視認され難い部位である。なお、外側環状部20に径を使用者の身体にあわせて拡張又は収縮するため、一対の端部23を離間又は接近させるように、一対のアーム25を塑性変形させてもよい。このようにして、装身具100のサイズを容易に変更することができる。また、身体の外側(すなわち手の甲側)に位置する一対のアーム25の他方の端部は、カバー部4又は台座部5と接続される一対の接続部24を成す。
【0021】
そして、外側環状部20は、内周面の周方向に延びる凹溝21を有する。凹溝21は、内側環状部10を収容可能に形成され、内側環状部10の径寸法よりも若干大きい幅及び深さ寸法を有する窪みである。また、凹溝21は、途切れ部22及び接続部24で中断され、断続的に円を描いて伸びている。
【0022】
台座部5は、枠状(ベゼル状)に形成され、台座部5の内周面によって囲まれる領域が開口部51を成す。台座部5は、両側面が一対のアーム25の接続部24に接続され、開口部51が外側環状部20の径方向外側を向く姿勢で外側環状部20に保持されている。一対のアーム25は、台座部5に例えばロウ付けによって取り付けられている。そして、台座部5の内周面は、外側環状部20の径方向内側の部分が、開口部51の内側に向かって突出しており、段部52を成している。また、台座部5の外側面には、図示しない浮き彫りが施され、審美性を有する。
【0023】
そして、内側部材1と外側部材2とを組み合わせた状態において、上記の通り、内側装飾部3は、開口部51内に位置する。そして、内側装飾部3の外側環状部20の中心軸を中心とする円周方向に台座部5が位置する。したがって、内側環状部10が外側環状部20に対して回動すると、内側装飾部3が開口部51に接触し、内側部材1の回動を規制し、内側装飾部3の位置が開口部51の外にずれることを防止している。
【0024】
カバー部4は、内側装飾部3を覆うように配置され、外側環状部20に保持されている。カバー部4は、透明材質であり、例えば、単結晶の宝石、又は樹脂である。カバー部4は、開口部51に嵌められ、内側面42の周縁が段部52の上面に着座し、台座部5に固定されている。このように、台座部5は、開口部51を閉塞するように台座部5に取り付けられている。カバー部4の外側面41は、外側環状部20の径方向において、開口部51の外側に位置し、外側に膨らむ曲面又は多面体面である。外側面41は、例えばドーム状に形成してもよい。これによって、カバー部4にレンズ効果を付与することができ、外部からはカバー部4の内側に位置する内側装飾部3が拡大して視認される。また、カバー部4は、材質に応じたカット加工が施されてもよい。これによって、カバー部4に入射する光を拡散させ、審美性を高めることができる。
【0025】
(使用例)
装身具100は、上記の通り、内側部材1と外側部材2とを組み合わせた上で装着して用いる。
【0026】
外側部材2に内側部材1を嵌めるときは、内側環状部10の一対の端部13を近づけて内側環状部10を撓ませ、内側環状部10の径を小さく絞る。そして、内側環状部10の径を小さく絞った状態で、内側装飾部3を開口部51に差し入れ、内側環状部10を外側環状部20の内側に挿入し、内側環状部10を凹溝21に嵌める。このように、内側環状部10を外側環状部20に容易に嵌めて取り付けることができる。
【0027】
そして、外側部材2に内側部材1を嵌めて組み合わせた状態においては、内側環状部10及び外側環状部20が同心状に位置する。そして、内側環状部10は外側環状部20の凹溝21の内側に嵌まり、内側環状部10及び外側環状部20に指を通すと、内側環状部10は、途切れ部22を除き外部から見えなくなり、周知の指輪のアームと同様の外観を呈し、自然な美観を有する。そして、カバー部4を透過する光が、カバー部4によって屈折や散乱されることにより、カバー部4を通じて視認される内側装飾部3にユニークな審美性をもたせることができる。
【0028】
また、外側部材2に嵌められている内側部材1を異なるデザインの内側装飾部3が取り付けられている内側部材1に付け替えることにより、装身具100のデザインを容易に変更することができる。
【0029】
内側部材1を外側部材2から取り外すときは、内側環状部10の一対の端部13を近づけて内側環状部10を撓ませ、内側環状部10の径を小さく絞る。このとき、外側環状部20の途切れ部22から爪を内側環状部10と凹溝21との間に挿し入れることにより、内側環状部10を外側環状部20から容易に取り外すことができる。なお、外側部材2から内側部材1を取り外し、外側部材2単独で装着してもよく、装身具100の外観に変化をもたせることができる。
【0030】
このように、本実施の形態において、装身具100は、それぞれが環状に形成され、身体に挿通して装着される内側環状部10及び外側環状部20と、内側環状部10に保持されている内側装飾部3と、を有し、外側環状部20は、内周面の周方向に延び且つ内側環状部10を収容する凹溝21を有する。これによって、内側環状部10を取り外したり、交換したりすることにより、装身具100のデザインを容易に変更することができる。また、内側環状部10は、細くすることができるので、構造がコンパクトであり、様々なデザインの装身具100に容易に適用することができる。
【0031】
また、内側環状部10は、弾性を有し、周方向において一部が途切れている途切れ部12を有してもよい。これによって、内側環状部10を容易に脱着することができる。
【0032】
更に、外側環状部20は、身体に装着した状態において身体の内側に位置する部位に形成され、周方向において一部が途切れている途切れ部22を有してもよい。これによって、内側環状部10を容易に脱着することができる。また、装身具100のサイズを身体に合わせるように容易に変更することができる。
【0033】
また、外側環状部20に保持され、外側環状部20の径方向外側を向く開口部51を有する枠状の台座部5を有し、内側装飾部3は、外側環状部20の径方向において台座部5の内方に位置してもよい。これによって、開口部51を通して内側装飾部3を視認することができ、ユニークな美観を奏することができる。
【0034】
また、透明材質であり、外側環状部20に保持されているカバー部4を有し、内側装飾部3は、外側環状部20の径方向においてカバー部4の内方に位置してもよい。これによって、カバー部4を通して内側装飾部3を視認することができ、ユニークな美観を奏することができる。
【0035】
更に、カバー部4の外側面41は、外側に膨らむ曲面又は多面体面であってもよい。これによって、審美性を高める事ができる。
【0036】
また、外側環状部20に保持され、外側環状部20の径方向外側を向く開口部51を有する枠状の台座部5を有してもよい。これによって、審美性を高める事ができる。
【0037】
更に、カバー部4は、開口部51を閉塞するように台座部5に取り付けられていてもよい。これによって、審美性をより高める事ができる。
【0038】
また、内側環状部10及び外側環状部20は円環状に形成され、内側装飾部3は、開口部51内に位置し、内側装飾部3の外側環状部20の中心軸を中心とする円周方向に台座部5が位置してもよい。これによって、内側装飾具の位置が開口部51の外にずれることを防止することができる。
【0039】
更に、装身具100は、指輪、ブレスレット、首飾り又は腕時計であってもよい。これによって、指輪、ブレスレット、首飾り又は腕時計のデザインを容易に変更することができる。
【0040】
(実施の形態2)
図4乃至6は、実施の形態2に係る指輪を示す図である。
【0041】
図4乃至6においては、実線で表わした部分が実施の形態2に係る指輪のデザイン上の特徴部分である。また、一点鎖線は実施の形態2に係る指輪のデザイン上の特徴部分とその他の部分との境界のみを示す線である。A-A断面図及びB-B断面図を含めて実施の形態2に係る指輪のデザイン上の特徴部分を特定している。参考B-B断面図において、薄墨部分は透明である。実施の形態2に係る指輪のデザイン上の特徴部分とは、意匠登録を受けようとする部分と解釈される場合があるものとする。
【0042】
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施の形態が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【符号の説明】
【0043】
1 内側部材
2 外側部材
3 内側装飾部
4 カバー部
5 台座部
10 内側環状部
12 途切れ部
13 端部
20 外側環状部
21 凹溝
22 途切れ部
23 端部
24 接続部
25 アーム
31 主面
41 外側面
42 内側面
51 開口部
52 段部
100 装身具
図1
図2
図3
図4
図5
図6