(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163859
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】印刷システム
(51)【国際特許分類】
B41J 5/30 20060101AFI20231102BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B41J5/30 Z
B41J2/01 305
B41J2/01 109
B41J2/01 201
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075053
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000137823
【氏名又は名称】株式会社ミマキエンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒井 航
(72)【発明者】
【氏名】日置 渉
【テーマコード(参考)】
2C056
2C187
【Fターム(参考)】
2C056EA07
2C056EB58
2C056EC79
2C056FA14
2C056HA10
2C056HA29
2C187AC08
2C187AG15
2C187BF08
2C187BH26
2C187CC03
2C187DB26
(57)【要約】
【課題】テーパ状の印刷対象物に形成される画像の歪みを抑制する。
【解決手段】印刷システムは、テーパ状の印刷対象物を中心軸の軸回り方向に回転させる回転支持部と、印刷対象物の側面に沿って配置され、印刷対象物の母線方向に沿って並ぶ複数のノズルを有し、ノズルから印刷対象物の側面にインクを吐出するヘッドと、供給される印刷データに基づいて、印刷対象物に画像を形成する制御部とを有する印刷装置と、矩形のオリジナル画像を取得し、取得したオリジナル画像について印刷対象物の小径側端部に対応する第2辺側から印刷対象物の大径側端部に対応する第1辺側にかけて先細りとなるように横方向に変形した印刷用画像を生成し、生成した印刷用画像を印刷データとして印刷装置に供給する印刷データ生成装置とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸の軸線方向に大径側端部及び小径側端部を有するテーパ状の印刷対象物を前記中心軸の軸回り方向に回転させる回転支持部と、
前記印刷対象物の側面に沿って配置され、前記印刷対象物の母線方向に沿って並ぶ複数のノズルを有し、前記ノズルから前記印刷対象物の側面にインクを吐出するヘッドと、
供給される印刷データに基づいて、前記印刷対象物に画像を形成するように前記回転支持部及び前記ヘッドを制御する制御部と
を有する印刷装置と、
前記印刷対象物の前記母線方向に対応する縦方向に対向する2辺と、前記縦方向に直交する横方向に対向する2辺とを有する矩形のオリジナル画像を取得し、取得した前記オリジナル画像について前記縦方向に対向する2辺のうち前記印刷対象物の前記小径側端部に対応する第2辺側から前記印刷対象物の前記大径側端部に対応する第1辺側にかけて先細りとなるように前記横方向に変形した印刷用画像を生成し、生成した前記印刷用画像を前記印刷データとして前記印刷装置に供給する印刷データ生成装置と
を備える印刷システム。
【請求項2】
前記印刷データ生成装置は、取得した前記オリジナル画像について前記縦方向に対向する2辺のうち前記印刷対象物の前記大径側端部に対応する第1辺側から前記印刷対象物の前記小径側端部に対応する第2辺側にかけて先細りとなるように前記第2辺の両端を含む削除領域を設定して当該削除領域を前記オリジナル画像から削除した台形状の中間画像を生成し、台形状の前記中間画像が矩形状となるように前記中間画像を前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷データ生成装置は、前記印刷対象物の前記大径側端部及び前記小径側端部のそれぞれの径と、前記印刷対象物の母線の長さとに基づいて、前記削除領域の寸法を設定する
請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷データ生成装置は、前記オリジナル画像のうち前記印刷対象物の側面を前記中心軸に直交する一方向から見た場合に視認可能な範囲に印刷される主要領域が残るように前記削除領域の寸法を設定する
請求項2又は請求項3に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記印刷データ生成装置は、取得した前記オリジナル画像について前記横方向に分割して複数の分割画像を取得し、複数の前記分割画像のそれぞれについて前記第2辺側から前記第1辺側にかけて先細りとなるように前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成する
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項6】
前記印刷データ生成装置は、取得したそれぞれの前記分割画像について前記縦方向に対向する2辺のうち前記第1辺側から前記第2辺側にかけて先細りとなるように前記第2辺の両端を含む分割削除領域を設定して当該分割削除領域を前記オリジナル画像から削除した台形状の分割中間画像を生成し、台形状の前記分割中間画像が矩形状となるように前記中間画像を前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成する
請求項5に記載の印刷システム。
【請求項7】
前記印刷データ生成装置は、取得した前記オリジナル画像が主対象画像と背景画像とを含む場合、前記主対象画像と前記背景画像とについてそれぞれ別個に前記第2辺側から前記第1辺側にかけて先細りとなるように前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成する
請求項1に記載の印刷システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システムに関する。
【背景技術】
【0002】
円錐台状の印刷対象物の側面にインクを吐出して画像を形成する印刷装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
円錐台状の印刷対象物の側面に矩形の画像を印刷する場合、大径側と小径側との間で1回転当たりの移動距離が異なるため、印刷後の画像に歪みが生じる場合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、テーパ状の印刷対象物に形成される画像の歪みを抑制することが可能な印刷システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る印刷システムは、中心軸の軸線方向に大径側端部及び小径側端部を有するテーパ状の印刷対象物を前記中心軸の軸回り方向に回転させる回転支持部と、前記印刷対象物の側面に沿って配置され、前記印刷対象物の母線方向に沿って並ぶ複数のノズルを有し、前記ノズルから前記印刷対象物の側面にインクを吐出するヘッドと、供給される印刷データに基づいて、前記印刷対象物に画像を形成するように前記回転支持部及び前記ヘッドを制御する制御部とを有する印刷装置と、前記印刷対象物の前記母線方向に対応する縦方向に対向する2辺と、前記縦方向に直交する横方向に対向する2辺とを有する矩形のオリジナル画像を取得し、取得した前記オリジナル画像について前記縦方向に対向する2辺のうち前記印刷対象物の前記小径側端部に対応する第2辺側から前記印刷対象物の前記大径側端部に対応する第1辺側にかけて先細りとなるように前記横方向に変形した印刷用画像を生成し、生成した前記印刷用画像を前記印刷データとして前記印刷装置に供給する印刷データ生成装置とを備える。
【0007】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷データ生成装置は、取得した前記オリジナル画像について前記縦方向に対向する2辺のうち前記印刷対象物の前記大径側端部に対応する第1辺側から前記印刷対象物の前記小径側端部に対応する第2辺側にかけて先細りとなるように前記第2辺の両端を含む削除領域を設定して当該削除領域を前記オリジナル画像から削除した台形状の中間画像を生成し、台形状の前記中間画像が矩形状となるように前記中間画像を前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成してもよい。
【0008】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷データ生成装置は、前記印刷対象物の前記大径側端部及び前記小径側端部のそれぞれの径と、前記印刷対象物の母線の長さとに基づいて、前記削除領域の寸法を設定してもよい。
【0009】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷データ生成装置は、前記オリジナル画像のうち前記印刷対象物の側面を前記中心軸に直交する一方向から見た場合に視認可能な範囲に印刷される主要領域が残るように前記削除領域の寸法を設定してもよい。
【0010】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷データ生成装置は、取得した前記オリジナル画像について前記横方向に分割して複数の分割画像を取得し、複数の前記分割画像のそれぞれについて前記第2辺側から前記第1辺側にかけて先細りとなるように前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成してもよい。
【0011】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷データ生成装置は、取得したそれぞれの前記分割画像について前記縦方向に対向する2辺のうち前記第1辺側から前記第2辺側にかけて先細りとなるように前記第2辺の両端を含む分割削除領域を設定して当該分割削除領域を前記オリジナル画像から削除した台形状の分割中間画像を生成し、台形状の前記分割中間画像が矩形状となるように前記中間画像を前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成してもよい。
【0012】
上記の印刷システムにおいて、前記印刷データ生成装置は、取得した前記オリジナル画像が主対象画像と背景画像とを含む場合、前記主対象画像と前記背景画像とについてそれぞれ別個に前記第2辺側から前記第1辺側にかけて先細りとなるように前記横方向に変形することにより前記印刷用画像を生成してもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、テーパ状の印刷対象物に形成される画像の歪みを抑制することが可能な印刷システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は、本実施形態に係る印刷システムの一例を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、印刷装置に円錐台状の印刷対象物を配置する場合の一例を模式的に示す図である。
【
図3】
図3は、印刷装置のヘッドの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、複数色のインクを用いた場合の印刷装置の印刷動作の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、複数色のインクを用いた場合の印刷装置の印刷動作の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、複数色のインクを用いた場合の印刷装置の印刷動作の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、印刷データが生成される過程を模式的に示す図である。
【
図8】
図8は、画像が形成された印刷対象物の一例を示す図である。
【
図9】
図9は、円錐台状の印刷対象物に印刷される画像を比較する図である。
【
図10】
図10は、印刷データが生成される過程の他の例を示す図である。
【
図11】
図11は、印刷データが生成される過程の他の例を示す図である。
【
図12】
図12は、印刷データが生成される過程の他の例を示す図である。
【
図13】
図13は、変形例に係る印刷システムの構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る印刷システムの実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0016】
図1は、本実施形態に係る印刷システム100の一例を模式的に示す図である。
図1に示すように、印刷システム100は、印刷装置10と、印刷データ生成装置20とを備える。
【0017】
印刷装置10は、回転支持部11と、ヘッド12と、通信部13と、制御部14とを有する。印刷装置10は、円筒型、円錐台型等の回転体形状を有する印刷対象物Mの側面に対して画像を印刷することが可能である。
【0018】
回転支持部11は、印刷対象物Mを支持し、当該印刷対象物Mを中心軸AXの軸回り方向に回転させる。回転支持部11は、印刷対象物Mの側面M3がヘッド12に対してヘッドギャップが均一又はほぼ均一となるように印刷対象物Mを支持する。回転支持部11は、2つの円柱状部材15が印刷対象物Mを中心軸AXの軸線方向の両側から挟むように印刷対象物Mを支持する。回転支持部11は、不図示の駆動機構により中心軸AXの軸回り方向に回転可能である。なお、例えば印刷対象物Mがカップ状のように一方の端部が凹状である場合には、回転支持部11に固定用治具を取り付け、固定用治具により当該凹状の端部の外周部を固定する構成としてもよい。
【0019】
図2は、印刷装置10に円錐台状の印刷対象物Mを配置する場合の一例を模式的に示す図である。
図2(a)及び(b)に示すように、回転支持部11は、2つの円柱状部材15の水平面に対する傾きを調整可能である。回転支持部11は、中心軸AXの軸線方向に大径側端部M1及び小径側端部M2を有する円錐台状の印刷対象物Mを中心軸AXの軸回り方向に回転させる場合、ヘッド12と印刷対象物Mの側面M3との距離が印刷対象物Mの母線方向に均一又はほぼ均一になるように、中心軸AXを傾けた状態で印刷対象物Mを支持して回転させる。この場合、
図2(b)に示すように、回転支持部11は、2つの円柱状部材15の中心軸が水平面に対して傾いた状態で配置される。
【0020】
ヘッド12は、印刷対象物Mの側面M3に沿って配置される。ヘッド12は、印刷対象物Mの母線方向に沿って移動可能である。
図3は、印刷装置10のヘッド12の一例を示す図である。
図3(a)は上側から見た状態(上側から見るとノズルは見えないが、説明のためにノズル列を点として図示)、
図3(b)は印刷対象物Mの母線方向から見た状態をそれぞれ示している。
【0021】
図3(a)及び(b)に示すように、ヘッド12は、異なる色のインクを吐出する吐出部12C、12M、12Y、12Kを有する。吐出部12Cは、例えばシアン色のインクを吐出する。吐出部12Mは、例えばマゼンタ色のインクを吐出する。吐出部12Yは、例えばイエロー色のインクを吐出する。吐出部12Kは、例えばブラック色のインクを吐出する。各吐出部12C、12M、12Y、12Kは、
図3(a)に示すように、複数のノズル12aを有する。複数のノズル12aは、印刷対象物Mの母線方向に沿って1列に並んでノズル列12Lを構成する。各吐出部12C、12M、12Y、12Kは、平面視においてノズル列12Lを中心軸AXに対応させ、複数のノズル12aから印刷対象物Mの側面M3に向けてインクを吐出する。
【0022】
印刷対象物Mに画像を形成する際には、
図3(b)に示すように、印刷対象物Mを回転させながら、1色ずつインクを吐出する。つまり、複数のノズル12aのうち、吐出する色に対応した吐出部12C、12M、12Y、12Kのノズル12aからインクを吐出する。この場合、印刷対象物Mを1回転させると、1色の画像が形成される。
【0023】
図4は、複数色のインクを用いた場合の印刷装置の印刷動作の一例を示す図である。
図4に示すように、印刷装置100は、印刷対象物Mに対して1色ずつ順に吐出を行う。例えば、吐出部12Cを印刷対象物Mの母線に対応する位置に配置し、印刷対象物Mを1回転させながら吐出部12Cのノズル12aからシアン色のインクを吐出する。ここで、1回転とは、印刷対象物M上に形成しようとする画像の全領域に該当する領域に印刷するための回転であって、移動距離としては中心軸AXの軸回り方向に1周以下の回転を意味する。次に、ヘッドを主走査方向D1に移動させて吐出部12Mを印刷対象物Mの母線に対応する位置に配置し、印刷対象物Mを1回転させながら吐出部12Mのノズル12aからマゼンタ色のインクを吐出する。次に、ヘッドを主走査方向D1に移動させて吐出部12Yを印刷対象物Mの母線に対応する位置に配置し、印刷対象物Mを1回転させながら吐出部12Yのノズル12aからイエロー色のインクを吐出する。そして、ヘッドを主走査方向D1に移動させて吐出部12Kを印刷対象物Mの母線に対応する位置に配置し、印刷対象物Mを1回転させながら吐出部12Kのノズル12aからブラック色のインクを吐出する。印刷対象物Mの回転速度は、インクの吐出速度に合わせて調整する。
【0024】
図5は、複数色のインクを用いた場合の印刷装置の印刷動作の一例を示す図である。
図5に示すように、ノズル列12Lの副走査方向D2の長さは、印刷対象物Mの母線方向についての印刷対象範囲Rの長さよりも短い。したがって、印刷対象物Mの印刷対象領域Rを副走査方向D2に複数のパス領域R1~R5に分けて、パス領域R1~R5に順に吐出を行う。なお、パス領域R1~R5は、副走査方向D2の寸法がノズル列12Lの長さ以下となる。
図5に示す例において、パス領域R1~R4は、副走査方向D2の寸法がノズル列12Lの長さと同一又はほぼ同一である。また、パス領域R5は、副走査方向D2の寸法がノズル列12Lの長さよりも短い。
【0025】
図5に示すように、印刷装置100は、パス領域R1~R5に順に各吐出部12C、12M、12Y、12Kにより印刷を行う。つまり、1つのパス領域R1について、各吐出部12C、12M、12Y、12Kにより印刷を行った後、次のパス領域R2について各吐出部12C、12M、12Y、12Kにより印刷を行う。その後、パス領域R3、R4、R5について、順次、各吐出部12C、12M、12Y、12Kにより印刷を行う。パス領域R5の印刷では、ノズル列12Lのうちパス領域R5の副走査方向D2の寸法に対応する部分のノズル12aを用いてインクの吐出を行う。
【0026】
図5に示す例では、パス領域R1~R5に順に各吐出部12C、12M、12Y、12Kにより印刷を行う場合について説明したが、これに限定されない。例えば、1つの色についてパス領域R1~R5のそれぞれを順次印刷した後、次の色についてパス領域R1~R5のそれぞれを印刷するようにしてもよい。
【0027】
また、
図6は、複数色のインクを用いた場合の印刷装置の印刷動作の他の例を示す図である。
図6に示すように、1列のノズル列12Lごとに1色ずつパス領域R1~R5に順次インクを吐出するようにしてもよい。この場合、1色のインクについて1つのパス領域に吐出した後、ヘッド12を副走査方向D2に移動させて次のパス領域にインクを吐出する。このようにしてパス領域R1~R5に1色のインクを順次吐出した後、ヘッド12を副走査方向D2に移動して最初のパス領域に戻し、更にヘッド12を主走査方向D1に移動して次の色のインクに対応する吐出部12C、12M、12Y、12Kを印刷対象物Mの母線に対応する位置に配置させる。その後、次の色のインクについてパス領域R1~R5にインクを順次吐出する。この動作を各色について行う。全ての色についてパス領域R1~R5に1列インクを吐出した後、印刷対象物Mを所定距離だけ回転移動させ、ヘッド12を最初の色に対応する位置に移動させるようにする。
【0028】
図1に戻り、通信部13は、印刷データ生成装置20から送信される印刷データを受信する。通信部13は、受信した印刷データを制御部14に入力する。
【0029】
制御部14は、印刷データが入力される。制御部14は、入力される印刷データに基づいて、印刷対象物Mに画像を形成するように回転支持部11及びヘッド12を制御する。
【0030】
印刷データ生成装置20は、印刷対象物Mに形成する画像に対応する印刷データを生成し、生成した印刷データを印刷装置10に供給する。
【0031】
印刷データ生成装置20は、入力部21と、通信部22と、処理部23と、記憶部24とを有する。
【0032】
入力部21は、各種情報が入力される。入力部21は、例えばキーボード、マウス、タッチパネル等の操作装置による操作内容が入力される。入力部21は、印刷対象物Mの大径側端部M1の径、小径側端部M2の径、印刷対象物Mの母線の長さを入力することができる。
【0033】
通信部22は、外部機器との間で情報の送受信が可能である。例えば、通信部22は、印刷装置10に対して印刷データを送信可能である。
【0034】
処理部23は、各種処理を行う。処理部23は、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置と、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)等の記憶装置を有する。処理部23は、取得部25と、加工部26と、変形部27と、通信制御部28とを有する。
【0035】
取得部25は、印刷対象物Mに印刷するためのオリジナル画像を取得する。本実施形態において、オリジナル画像は、印刷対象物Mの母線方向に対応する縦方向に対向する2辺と、縦方向に直交する横方向に対向する2辺とを有する矩形の画像である。
【0036】
加工部26は、取得したオリジナル画像について縦方向に対向する2辺のうち印刷対象物Mの大径側端部M1に対応する第1辺側から印刷対象物Mの小径側端部M2に対応する第2辺側にかけて先細りとなるように第2辺の両端を含む三角形状の削除領域を削除して台形状の中間画像を生成する。
【0037】
加工部26は、印刷対象物Mの大径側端部M1及び小径側端部M2のそれぞれの径と、印刷対象物Mの母線の長さとに基づいて、削除領域の寸法を設定する。加工部26は、オリジナル画像のうち印刷対象物Mの側面M3を中心軸AXに直交する一方向から見た場合に視認可能な範囲に印刷される部分が残るように削除領域の寸法を設定する。
【0038】
変形部27は、台形状の中間画像が矩形状となるように中間画像を横方向に拡張して印刷用画像を生成する。
【0039】
通信制御部28は、通信部22の動作を制御する。通信制御部28は、変形部27で生成された印刷用画像を印刷データとして印刷装置10に送信させる。
【0040】
記憶部24は、各種情報を記憶する。記憶部24は、処理部23における各処理を行うためのプログラム、データ等を記憶する。記憶部24は、例えばハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等のストレージを有している。なお、記憶部24として、リムーバブルディスク等の外部記憶媒体が用いられてもよい。
【0041】
次に、上記の印刷システム100の動作について説明する。
図2(a)に示すように、印刷装置10では、回転支持部11により印刷対象物Mを支持させる。印刷対象物Mを支持させた後、
図2(b)に示すように、印刷対象物Mの側面M3がヘッド12に対向し、ヘッドギャップが母線方向について均一又はほぼ均一となるように印刷対象物Mの中心軸AXの傾きを調整する。
【0042】
印刷データ生成装置20では、印刷対象物Mの大径側端部M1及び小径側端部M2のそれぞれの径と、印刷対象物Mの母線の長さと入力部21を介して入力される。
図7は、印刷データが生成される過程を模式的に示す図である。
【0043】
取得部25は、
図7(a)に示すように、印刷対象物Mの側面M3に印刷するためのオリジナル画像IM1を取得する。オリジナル画像IM1は、印刷対象物Mの母線方向に対応する縦方向Yに対向する2辺(第1辺L1、第2辺L2)と、縦方向Yに直交する横方向Xに対向する2辺(第3辺L3、第4辺L4)とを有する画像である。以下の説明において、オリジナル画像IM1は、縦方向Yに沿った複数の直線及び横方向Xに沿った複数の直線を含む画像を例に挙げて説明する。
【0044】
オリジナル画像IM1において、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に対応し、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に対応する。つまり、印刷対象物Mに印刷された場合に、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に配置され、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に配置される。
【0045】
加工部26は、
図7(b)に示すように、取得されたオリジナル画像IM1について削除領域ARを設定し、削除領域ARをオリジナル画像IM1から削除することにより、中間画像IM2を生成する。
【0046】
加工部26は、オリジナル画像IM1のうち第1辺L1側から第2辺L2側にかけて先細りとなるように第2辺L2の両端を含む三角形状の削除領域ARを設定する。加工部26は、2つの削除領域ARが横方向に対称な形状となるように設定する。加工部26は、削除領域ARを設定する際、入力部21に入力される印刷対象物Mの大径側端部M1及び小径側端部M2のそれぞれの径と、印刷対象物Mの母線の長さとに基づいて、削除領域ARの寸法を設定する。加工部26は、オリジナル画像IM1のうち印刷対象物Mの側面M3を中心軸AXに直交する一方向から見た場合に視認可能な範囲に印刷される主要領域BRが残るように削除領域ARの寸法を設定する。
【0047】
変形部27は、
図7(c)に示すように、台形状の中間画像IM2が矩形状となるように当該中間画像IM2を横方向に拡張した印刷用画像IM3を生成する。印刷用画像IM3は、オリジナル画像IM1に比べて、第1辺L1側から第2辺L2側にかけて横方向の外側に引き延ばされた画像となっている。
【0048】
通信制御部28は、生成された印刷用画像IM3を印刷データとして通信部22から印刷装置10に送信させる。
【0049】
印刷装置10は、送信された印刷データを受信する。通信部13は、受信した印刷データを制御部14に入力する。制御部14は、入力される印刷データに基づいて、印刷対象物Mに画像を形成するように回転支持部11及びヘッド12を制御する。
【0050】
図8は、画像が形成された印刷対象物Mの一例を示す図である。
図8(a)は、印刷対象物Mの中心軸AXに直交する所定方向Dから見た状態を示している。
図8(b)は、印刷対象物Mを上記した所定方向Dの反対方向から見た状態を示している。
【0051】
図8(a)に示すように、印刷対象物Mの側面M3には、印刷用画像IM3に基づいた画像IM4が形成される。側面M3は、印刷対象物Mの大径側端部M1から小径側端部M2にかけて先細りとなっている。このような印刷対象物Mに対して、当該印刷対象物Mの母線方向に沿って並ぶ複数のノズル12aを有するヘッド12によりインクを吐出する。このため、
図8(a)に示すように、所定方向Dから見ると、周方向についての歪みが視認されない状態で画像IM4が形成される。例えば、側面M3に形成される画像IM4のうち、印刷用画像IM3の主要領域BRに対応する対応部分CRは、所定方向Dから見た場合に中心軸AXの軸線方向の全体に亘って歪みのない状態で視認される。一方、
図8(b)に示すように、印刷対象物Mの側面M3を所定方向Dとは反対方向から画像IM4を見た場合、中心軸AXの軸線方向に沿って周方向への歪みが形成されるように視認される。
【0052】
図9は、円錐台状の印刷対象物に印刷される画像を比較する図である。
図9(a)は、比較例に係る印刷対象物MAに矩形のオリジナル画像IMAに基づいて印刷した場合を示している。
図9(a)に示すように、印刷対象物MAの大径側と小径側との間で1回転当たりの移動距離が異なるため、印刷対象物MAに印刷された画像IMBは、印刷対象物MAの中心軸AXAに直交する方向から見た場合、大径側端部MA1から小径側端部MA2にかけて周方向への歪みが大きくなった状態で形成される。
【0053】
図9(b)は、本実施形態に係る印刷データ生成装置20によりオリジナル画像IM1から印刷用画像IM3を生成し、生成した印刷用画像IM3に基づいて印刷対象物Mに画像IM4を形成した場合を示している。
図9(b)に示すように、印刷対象物Mに印刷された画像IM4は、オリジナル画像IM1の主要部分BRに対応する対応部分CRが中心軸AXの軸線方向の全体に亘って周方向への歪みがない状態で視認される。
【0054】
以上のように、本実施形態に係る印刷システム100は、中心軸AXの軸線方向に大径側端部M1及び小径側端部M2を有するテーパ状の印刷対象物Mを中心軸AXの軸回り方向に回転させる回転支持部11と、印刷対象物Mの側面M3に沿って配置され、印刷対象物Mの母線方向に沿って並ぶ複数のノズル12aを有し、ノズル12aから印刷対象物Mの側面M3にインクを吐出するヘッド12と、供給される印刷データに基づいて、印刷対象物Mに画像を形成するように回転支持部11及びヘッド12を制御する制御部14とを有する印刷装置10と、印刷対象物Mの母線方向に対応する縦方向Yに対向する2辺と、縦方向Yに直交する横方向Xに対向する2辺とを有する矩形のオリジナル画像IM1を取得し、取得したオリジナル画像IM1について縦方向Yに対向する2辺のうち印刷対象物Mの小径側端部M2に対応する第2辺L2側から印刷対象物Mの大径側端部M1に対応する第1辺L1側にかけて先細りとなるように横方向Xに変形した印刷用画像IM3を生成し、生成した印刷用画像IM3を印刷データとして印刷装置10に供給する印刷データ生成装置20とを備える。
【0055】
この構成によれば、矩形のオリジナル画像IM1を横方向Xに変形して矩形状の印刷用画像IM3を生成して、当該印刷用画像IM3に基づいて印刷装置10により印刷を行うため、印刷対象物Mに印刷される画像IMについては、中心軸AXの軸線方向の全体に亘って周方向への歪みが抑制される。これにより、テーパ状の印刷対象物Mに形成される画像IMの歪みを抑制することができる。
【0056】
本実施形態に係る印刷システム100において、印刷データ生成装置20は、取得したオリジナル画像について縦方向Yに対向する2辺のうち印刷対象物Mの大径側端部M1に対応する第1辺L1側から印刷対象物Mの小径側端部M2に対応する第2辺L2側にかけて先細りとなるように第2辺L2の両端を含む削除領域ARを設定して当該削除領域ARをオリジナル画像IM1から削除した台形状の中間画像IM2を生成し、台形状の中間画像IM2が矩形状となるように中間画像IM2を横方向Xに変形することにより印刷用画像IM3を生成する。
【0057】
この構成によれば、矩形のオリジナル画像IM1に対して削除領域ARを設定して当該削除領域ARをオリジナル画像IM1から削除した台形状の中間画像IM2を生成し、中間画像IM2を横方向Xに引き延ばして矩形状の印刷用画像IM3を生成するため、印刷対象物Mに印刷される画像IMについては、中心軸AXの軸線方向の全体に亘って周方向への歪みが抑制される。これにより、テーパ状の印刷対象物Mに形成される画像IMの歪みを抑制することができる。
【0058】
本実施形態に係る印刷システム100において、印刷データ生成装置20は、印刷対象物Mの大径側端部M1及び小径側端部M2のそれぞれの径と、印刷対象物Mの母線の長さとに基づいて、削除領域ARの寸法を設定する。この構成によれば、印刷対象物Mの大径側端部M1の径、小径側端部M2の径、側面の母線の長さに応じた印刷用画像IM3を形成することができる。
【0059】
本実施形態に係る印刷システム100において、印刷データ生成装置20は、オリジナル画像IM1のうち印刷対象物Mの側面M3を中心軸AXに直交する一方向から見た場合に視認可能な範囲に印刷される主要領域BRが残るように削除領域ARの寸法を設定する。この構成によれば、主要領域BRについての歪みを確実に抑制することが可能となる。
【0060】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、印刷対象物Mとして、円錐台状の形状を有する構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。印刷対象物Mとしては、印刷対象物Mとヘッド12との間隔(ヘッドギャップ)が母線方向について所定の許容範囲内であれば、中心軸AXの一方側の端部から他方側の端部にかけて径が徐々に小さくなる部分を有する他の形状であってもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、オリジナル画像IM1から削除領域ARを削除した中間画像IM2を生成し、中間画像IM2を横方向に変形させることで印刷用画像IM3を生成する場合を例に挙げて説明したが、この手順に限定されない。
【0062】
図10は、印刷データが生成される過程の他の例を示す図である。
図10に示すように、取得部25は、
図10(a)に示すように、オリジナル画像IM11を取得する。オリジナル画像IM11は、印刷対象物Mの母線方向に対応する縦方向Yに対向する2辺(第1辺L1、第2辺L2)と、縦方向Yに直交する横方向Xに対向する2辺(第3辺L3、第4辺L4)とを有する画像である。以下の説明において、オリジナル画像IM11は、例えば風景画像を例に挙げて説明する。
【0063】
オリジナル画像IM11において、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に対応し、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に対応する。つまり、印刷対象物Mに印刷された場合に、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に配置され、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に配置される。
【0064】
加工部26は、
図10(b)に示すように、取得されたオリジナル画像IM11を横方向Xに分割して複数の分割画像IM12を取得する。
【0065】
変形部27は、
図10(c)に示すように、複数の分割画像IM12のそれぞれについて第2辺L2側から第1辺L1側にかけて先細りとなるように横方向Xに拡張することで、台形状の分割中間画像IM13を生成する。
【0066】
変形部27は、
図10(d)に示すように、複数の分割中間画像13同士を横方向Xに接合することにより、印刷用画像IM14を生成する。印刷用画像IM4は、オリジナル画像IM11の部分ごとに第1辺L1側から第2辺L2側にかけて横方向の外側に引き延ばされた状態となっている。
【0067】
このように、印刷データ生成装置20は、取得したオリジナル画像IM11について横方向Xに分割して複数の分割画像IM12を取得し、複数の分割画像IM12のそれぞれについて第2辺L2側から第1辺L1側にかけて先細りとなるように横方向Xに変形することにより印刷用画像IM14を生成する。これにより、オリジナル画像IM11から削除領域を削除することなく印刷用画像IM14を生成できる。
【0068】
図11は、印刷データが生成される過程の他の例を示す図である。取得部25は、
図11(a)に示すように、オリジナル画像IM21を取得する。オリジナル画像IM21は、印刷対象物Mの母線方向に対応する縦方向Yに対向する2辺(第1辺L1、第2辺L2)と、縦方向Yに直交する横方向Xに対向する2辺(第3辺L3、第4辺L4)とを有する画像である。以下の説明において、オリジナル画像IM21は、例えば人物画像を例に挙げて説明する。
【0069】
オリジナル画像IM21において、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に対応し、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に対応する。つまり、印刷対象物Mに印刷された場合に、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に配置され、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に配置される。
【0070】
加工部26は、
図11(b)に示すように、取得されたオリジナル画像IM21を横方向Xに分割して複数の分割画像IM22を取得する。
【0071】
変形部27は、
図11(c)に示すように、取得された複数の分割画像IM22のそれぞれについて削除領域AR2を設定し、削除領域AR2を分割画像IM22から削除することにより、分割中間画像IM23を生成する。
【0072】
変形部27は、複数の分割画像IM22のそれぞれについて、第1辺L1側から第2辺L2側にかけて先細りとなるように第2辺L2の両端を含む三角形状の削除領域AR2を設定する。加工部26は、2つの削除領域AR2が横方向に対称な形状となるように設定する。加工部26は、削除領域AR2を設定する際、入力部21に入力される印刷対象物Mの大径側端部M1及び小径側端部M2のそれぞれの径と、印刷対象物Mの母線の長さとに基づいて、削除領域AR2の寸法を設定する。加工部26は、オリジナル画像IM1のうち印刷対象物Mの側面M3を中心軸AXに直交する一方向から見た場合に視認可能な範囲に印刷される主要領域BR2が残るように削除領域AR2の寸法を設定する。
【0073】
変形部27は、
図11(d)に示すように、台形状の分割中間画像IM23が矩形状となるように当該分割中間画像IM22を横方向Xに拡張した分割印刷用画像IM24を生成する。
【0074】
変形部27は、生成した分割印刷用画像IM24同士を横方向Xに接合することにより、印刷用画像IM25を生成する。印刷用画像25は、オリジナル画像IM21の部分ごとに第1辺L1側から第2辺L2側にかけて横方向の外側に引き延ばされた状態となっている。
【0075】
このように、印刷データ生成装置20は、取得したそれぞれの分割画像IM22について縦方向Yに対向する2辺のうち第1辺L1側から第2辺L2側にかけて先細りとなるように第2辺L2の両端を含む分割削除領域AR2を設定して当該分割削除領域AR2をオリジナル画像IM1から削除した台形状の分割中間画像IM23を生成し、台形状の分割中間画像IM23が矩形状となるように分割中間画像IM23を横方向Xに変形することにより印刷用画像IM25を生成する。これにより、オリジナル画像IM21に背景等が設けられず、主要部分BR2が残っていればよい場合、オリジナル画像IM21を分割した分割画像IM22を削除することにより、テーパ状の印刷対象物Mに形成される画像IMの歪みを適切に抑制することが可能な印刷用画像IM25を生成できる。
【0076】
図12は、印刷データが生成される過程の他の例を示す図である。取得部25は、
図12(a)に示すように、オリジナル画像IM31を取得する。オリジナル画像IM31は、印刷対象物Mの母線方向に対応する縦方向Yに対向する2辺(第1辺L1、第2辺L2)と、縦方向Yに直交する横方向Xに対向する2辺(第3辺L3、第4辺L4)とを有する画像である。以下の説明において、オリジナル画像IM31は、例えば人物等の主対象画像P1と、背景画像P2とを含む例に挙げて説明する。
【0077】
オリジナル画像IM31において、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に対応し、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に対応する。つまり、印刷対象物Mに印刷された場合に、第1辺L1側が印刷対象物Mの大径側端部M1側に配置され、第2辺L2側が印刷対象物Mの小径側端部M2側に配置される。
【0078】
加工部26は、
図12(b)に示すように、取得されたオリジナル画像IM31を、主対象画像P1と背景画像P2とを分離した複数の分離画像IM32、IM33を取得する。分離画像IM32は、主対象画像P1を含み、背景画像P2を含まない。分離画像IM33は、主対象画像P1を含まず、背景画像P2を含む。
【0079】
変形部27は、
図12(c)に示すように、取得された複数の分離画像IM32、IM33のそれぞれについて、例えば上記実施形態等で説明した手順と同様の手順により、第2辺L2側から第1辺L1側に先細りとなるように変形した分離印刷用画像IM34、IM35を生成する。
【0080】
変形部27は、
図12(d)に示すように、分離印刷用画像IM34と分離印刷用画像IM35とを結合して、印刷用画像IM36を生成する。
【0081】
このように、印刷データ生成装置20は、取得したオリジナル画像IM31が主対象画像P1と背景画像P2とを含む場合、主対象画像P1と背景画像P2とについてそれぞれ別個に第2辺L2側から第1辺L1側にかけて先細りとなるように横方向Xに変形することにより印刷用画像IM36を生成する。これにより、オリジナル画像IM31に主対象画像P1及び背景画像P2を含む場合、主対象画像P1と背景画像P2とをそれぞれ別個に変形することで、テーパ状の印刷対象物Mに形成される画像IMにおいて、主対象画像P1の歪みをより適切に抑制することが可能な印刷用画像IM36を生成できる。
【0082】
上記実施形態では、回転支持部11が印刷対象物Mを中心軸AXの軸線方向の両側から挟むように指示する構成を例に挙げて説明したが、この構成に限定されない。
図13は、変形例に係る印刷装置10Aの構成を模式的に示す図である。
図13に示す印刷装置10Aは、回転支持部11A及びヘッド12を有する。印刷装置10Aは、回転支持部11Aの構成が上記実施形態とは異なっており、ヘッド12の構成については上記実施形態と同様である。
【0083】
図13に示すように、回転支持部11Aは、例えば円柱状部材15Aが2本並んだ状態で配置される。回転支持部11Aは、2本の円柱状部材15Aにより印刷対象物M1を支持可能である。また、回転支持部11Aは、各円柱状部材15Aがそれぞれ中心軸の軸回り方向に回転可能である。回転支持部11Aは、2本の円柱状部材15Aが印刷対象物M1を支持した状態で回転することにより、印刷対象物M1を中心軸AXの軸回り方向に回転させることができる。
【0084】
図13(a)及び(b)に示すように、回転支持部11Aは、2本の円柱状部材15Aの水平面に対する傾きを調整可能である。回転支持部11Aは、ヘッド12と印刷対象物Mの側面M3との距離が印刷対象物Mの母線方向に均一又はほぼ均一になるように、中心軸AXを傾けた状態で印刷対象物Mを支持して回転させる。この場合、
図13(b)に示すように、回転支持部11Aは、2本の円柱状部材の中心軸が水平面に対して傾いた状態で配置される。
【符号の説明】
【0085】
AR…削除領域、AX,AXA…中心軸、BR…主要領域、CR…対応部分、D…所定方向、IM,IMA…画像、IM1,IM11,IM21,IM31…オリジナル画像、IM2…中間画像、IM3,IM14,IM25,IM36…印刷用画像、IM12,IM22…分割画像、IM13,IM23…分割中間画像、IM24…分割印刷用画像、IM32,IM33…分離画像、IM34,IM35…分離印刷用画像、M,MA…印刷対象物、M1,MA1…大径側端部、M2,MA2…小径側端部、M3…側面、X…横方向、Y…縦方向、10…印刷装置、11,11A…回転支持部、12…ヘッド、12a…ノズル、13,22…通信部、14…制御部、15,15A…円柱状部材、20…印刷データ生成装置、21…入力部、23…処理部、24…記憶部、25…取得部、26…加工部、27…変形部、28…通信制御部、100…印刷システム