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特開2023-163865配線機器、配線機器の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163865
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】配線機器、配線機器の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0481 20220101AFI20231102BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G06F3/0481
H04Q9/00 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075068
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小山 正樹
【テーマコード(参考)】
5E555
5K048
【Fターム(参考)】
5E555AA16
5E555AA75
5E555AA79
5E555BA06
5E555BB06
5E555BC01
5E555CA13
5E555CB12
5E555CB33
5E555CB34
5E555CB73
5E555CB74
5E555CC01
5E555CC03
5E555DA01
5E555DB18
5E555DB20
5E555DB41
5E555DD06
5E555DD08
5E555EA09
5E555EA11
5E555FA00
5K048BA07
5K048BA08
5K048DB01
5K048DB04
5K048DC01
5K048EB02
5K048EB06
5K048EB12
5K048FB05
5K048FB10
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA23
(57)【要約】
【課題】制御対象機器の制御機能の追加や変更に容易に対応できるようにすること。
【解決手段】配線機器1は、第1記憶部と、表示部11と、インターフェイス部12と、制御部10と、を備える。第1記憶部は複数の画面レイアウト情報を記憶する。複数の画面レイアウト情報は、操作オブジェクト22を含む操作画面に関する画面情報と、操作オブジェクト22に対応付けられた制御対象機器L1の制御に関する制御情報と、をそれぞれ含む。表示部11は、表示対象の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面21を表示する。インターフェイス部12は、表示部11の操作画面21に表示された操作オブジェクト22の操作を受け付けると、操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力する。制御部10は、インターフェイス部12から入力される制御情報に基づいて制御対象機器L1を制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクトを含む操作画面に関する画面情報と、前記操作オブジェクトに対応付けられた制御対象機器の制御に関する制御情報と、をそれぞれ含む複数の画面レイアウト情報を記憶する第1記憶部と、
前記複数の画面レイアウト情報のうち表示対象の画面レイアウト情報に含まれる前記画面情報に基づく操作画面を表示する表示部と、
インターフェイス部と、
制御部と、を備え、
前記インターフェイス部は、前記表示部の前記操作画面に表示された前記操作オブジェクトの操作を受け付けると、前記操作オブジェクトに対応付けられた前記制御情報を前記制御部に出力し、
前記制御部は、前記インターフェイス部から入力される前記制御情報に基づいて前記制御対象機器を制御する、
配線機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記制御対象機器を制御すると、前記複数の画面レイアウト情報のうち前記制御対象機器の制御結果に対応する遷移先の画面レイアウト情報を選択し、前記遷移先の画面レイアウト情報に含まれる前記画面情報に基づく前記操作画面を前記表示部に表示させる、
請求項1に記載の配線機器。
【請求項3】
前記制御対象機器の制御状態を表す参照情報を記憶する第2記憶部を備え、
前記制御部は、前記インターフェイス部から入力される前記制御情報と、前記制御対象機器の前記参照情報とに基づいて、前記制御対象機器を制御し、前記制御対象機器の制御状態を表す前記参照情報を更新して前記第2記憶部に保存する、
請求項1に記載の配線機器。
【請求項4】
前記表示部は、前記参照情報に基づいて、前記制御対象機器の制御状態を前記操作画面に表示する、
請求項3に記載の配線機器。
【請求項5】
前記制御情報は、
前記制御対象機器である電気機器の制御に関連する情報、
前記表示部に表示する前記画面レイアウト情報に関連する情報、及び、
前記制御対象機器である前記配線機器の動作設定に関連する情報の少なくとも1つを含む、
請求項1~4のいずれか1項に記載の配線機器。
【請求項6】
文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクトを含む操作画面に関する画面情報と、前記操作オブジェクトに対応付けられた制御対象機器の制御に関する制御情報と、をそれぞれ含む複数の画面レイアウト情報のうち、表示対象の画面レイアウト情報に含まれる前記画面情報に基づく操作画面を表示部に表示する表示ステップと、
前記表示部の前記操作画面に表示された前記操作オブジェクトの操作を受け付ける操作受付ステップと、
前記操作受付ステップで操作を受け付けた前記操作オブジェクトに対応付けられた前記制御情報を出力する出力ステップと、
前記出力ステップで出力された前記制御情報に基づいて前記制御対象機器を制御する制御ステップと、を含む、
配線機器の制御方法。
【請求項7】
コンピュータシステムに、
請求項6に記載の配線機器の制御方法を実行させるための、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、配線機器、配線機器の制御方法、及びプログラムに関する。より詳細には、本開示は、制御対象機器の制御に関する操作を行うための配線機器、配線機器の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、照明器具の状態を切り替えるための配線器具を開示する。この配線器具は、照明器具の状態を切り替えるためのスイッチ画面を表示する表示部を備えている。スイッチ画面において、照明器具の状態を切り替える操作が行われると、配線器具は、照明器具の状態を切り替えるとともに、照明器具の状態の変化に応じてスイッチ画面を変更する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-128472号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述のような配線器具(配線機器)において、制御対象機器の制御内容を変更する場合、制御対象機器を制御するための制御プログラムと、スイッチ画面を描画するための描画データの両方を変更する必要があるため、制御機能の追加や変更に対応しにくいという問題があった。
【0005】
本開示の目的は、制御対象機器の制御機能の追加や変更に容易に対応できる配線機器、配線機器の制御方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様の配線機器は、第1記憶部と、表示部と、インターフェイス部と、制御部と、を備える。前記第1記憶部は複数の画面レイアウト情報を記憶する。前記複数の画面レイアウト情報は、文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクトを含む操作画面に関する画面情報と、前記操作オブジェクトに対応付けられた制御対象機器の制御に関する制御情報と、をそれぞれ含む。前記表示部は、前記複数の画面レイアウト情報のうち表示対象の画面レイアウト情報に含まれる前記画面情報に基づく操作画面を表示する。前記インターフェイス部は、前記表示部の前記操作画面に表示された前記操作オブジェクトの操作を受け付けると、前記操作オブジェクトに対応付けられた前記制御情報を前記制御部に出力する。前記制御部は、前記インターフェイス部から入力される前記制御情報に基づいて前記制御対象機器を制御する。
【0007】
本開示の一態様の配線機器の制御方法は、表示ステップと、操作受付ステップと、出力ステップと、制御ステップと、を含む。前記表示ステップでは、画面情報と制御情報とをそれぞれ含む複数の画面レイアウト情報のうち、表示対象の画面レイアウト情報に含まれる前記画面情報に基づく操作画面を表示部に表示する。前記画面情報は、文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクトを含む操作画面に関する情報である。前記制御情報は、前記操作オブジェクトに対応付けられた制御対象機器の制御に関する情報である。前記操作受付ステップでは、前記表示部の前記操作画面に表示された前記操作オブジェクトの操作を受け付ける。前記出力ステップでは、前記操作受付ステップで操作を受け付けた前記操作オブジェクトに対応付けられた前記制御情報を出力する。前記制御ステップでは、前記出力ステップで出力された前記制御情報に基づいて前記制御対象機器を制御する。
【0008】
本開示の一態様のプログラムは、コンピュータシステムに、前記配線機器の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、制御対象機器の制御機能の追加や変更に容易に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の一実施形態に係る配線機器の概略的なブロック図である。
図2図2は、同上の配線機器を備える制御システムが施工された住宅を模式的に説明する図である。
図3図3は、同上の配線機器の施工状態を示す正面図である。
図4図4は、同上の配線器器及び制御対象機器の動作を説明するシーケンス図である。
図5図5は、同上の配線器器の動作を模式的に説明する図である。
図6図6は、同上の配線器器の動作を模式的に説明する図である。
図7図7は、同上の配線器器の動作を模式的に説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態)
(1)概要
以下の実施形態において説明する各図は、模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
【0012】
本実施形態に係る配線機器1は、図1に示すように、第1記憶部13Aと、表示部11と、インターフェイス部12と、制御部10と、を備える。
【0013】
第1記憶部13Aは、複数の画面レイアウト情報を記憶する。複数の画面レイアウト情報は、それぞれ、文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクト22(図3参照)を含む操作画面に関する画面情報と、操作オブジェクト22に対応付けられた制御対象機器L1の制御に関する制御情報と、を含んでいる。なお、画面レイアウト情報は1種類でもよく、インターフェイス部12は、1種類の画面レイアウトで、参照情報に基づいて表示内容を変更してもよい。つまり、複数の画面レイアウト情報は、操作画面のレイアウトが共通で、操作画面に表示されるボタンの名称、数値等が互いに異なる複数の情報を含んでいてもよい。
【0014】
表示部11は、複数の画面レイアウト情報のうち表示対象の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面21を表示する。
【0015】
インターフェイス部12は、表示部11の操作画面21に表示された操作オブジェクト22の操作を受け付けると、操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力する。
【0016】
制御部10は、インターフェイス部12から入力される制御情報に基づいて制御対象機器L1を制御する。
【0017】
ここにおいて、操作画面21に表示される操作オブジェクト22は、制御対象機器L1の動作状態を変更するために操作されるオブジェクトである。操作オブジェクト22は、文字と図形の少なくとも一方を用いて、制御対象機器L1の動作状態を変更する操作内容を視覚的に判りやすく表現している。図3は、照明器具の点灯/消灯を切り替えるために操作される操作オブジェクト22の一例を示している。この操作オブジェクト22は、操作箇所を示すボタンB1を含んでいる。ボタンB1には現在の照明器具の点灯状態を示す文字が表示されている。操作オブジェクト22は、制御対象機器L1の種類及びその制御内容に応じて、適宜変更可能である。なお、図3の画面では操作オブジェクト22であるボタンB1の近傍に、現在の照明器具の点灯状態を示す図形が表示されているが、この図形の表示態様は適宜変更が可能である。
【0018】
制御情報は操作オブジェクト22に対応付けられている。例えばユーザが操作オブジェクト22に対してタッチ操作等の操作を行うと、インターフェイス部12は、操作された操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力する。つまり、制御情報は、ユーザによって操作オブジェクト22が操作されたことを制御部10に伝達するために出力される情報とも言える。
【0019】
制御部10が制御対象機器L1を「制御する」とは、制御部10が制御対象機器L1(例えば配線機器1に接続された負荷、又は配線機器1自体)を直接制御すること、及び、制御部10が直接又は他の機器を介して制御対象機器L1に制御信号を出力することによって、制御対象機器L1を制御することを含み得る。
【0020】
制御対象機器L1は、例えば、配線機器1に接続され、配線機器1によって直接制御される負荷(例えば照明器具など)を含んでもよい。また、制御対象機器L1は、配線機器1が送信する遠隔制御信号を直接又は他の装置を介して受信し、遠隔制御信号によって動作状態を変更するような電気機器を含んでもよい。また、制御部10が、制御情報に基づいて、表示部11に表示する操作画面を変更する処理、又は、配線機器1の動作内容を設定する設定処理を行う場合、制御対象機器L1は配線機器1そのものとなる。
【0021】
本実施形態の配線機器1では、画面情報及び制御情報をそれぞれ含む複数の画面レイアウト情報が第1記憶部13Aに記憶されている。表示部11は、表示対象の画面レイアウト情報に含まれる画像情報に基づく操作画面21を表示する。そして、操作画面21に表示された操作オブジェクト22がユーザによって操作されると、インターフェイス部12は、ユーザによって操作された操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力し、制御部10が、制御情報に基づいて制御対象機器L1を制御する。なお、操作オブジェクト22に対応付けられる制御情報の数は1つでもよいし複数でもよく、操作オブジェクト22が操作されると、操作オブジェクト22に対応付けられた1又は複数の制御情報が制御部10に出力される。
【0022】
ここで、画面レイアウト情報には、制御対象機器L1を操作するための操作オブジェクト22を含む操作画面に関する画面情報と、操作オブジェクト22に対応付けられた制御対象機器L1の制御に関する制御情報とが含まれている。したがって、制御情報を受けて制御対象機器L1を制御する制御部10の構成を変更しなくても、画面レイアウト情報を変更することで、制御対象機器L1に対する制御機能を追加又は変更することが可能になる。よって、制御対象機器L1の制御機能の追加や変更に容易に対応できる配線機器1を実現することができる。
【0023】
(2)詳細
以下、本実施形態に係る配線機器1、及び配線機器1を含む制御システムについて図面を参照して詳しく説明する。
【0024】
(2.1)前提
本実施形態では一例として、配線機器1は、住宅のような施設F1の壁に設置されて使用される。施設F1には複数(例えば2つ)の部屋R1があり、複数の部屋R1には配線機器1が1台ずつ設置されている。なお、図2には2つの部屋R1を図示しており、2つの部屋R1を区別して説明する場合、部屋R1a,R1bと記載する場合もある。
【0025】
施設F1の各々の部屋R1には、制御対象機器L1として、赤外線リモコン50を用いた遠隔操作が可能な電気機器60と、例えば天井に埋込配設される照明器具31,32と、が設置されている。なお、赤外線リモコン50を用いた遠隔操作が可能な電気機器60としては、例えばエアコンディショナ61、テレビ62、電動カーテン63、照明器具64等がある。
【0026】
また、本実施形態の配線機器1には、照明器具31が接続されており、照明器具31に電力を供給する状態と電力供給を遮断する状態とを切り替えることによって、照明器具31を点灯又は消灯させる。配線機器1は、照明器具31に供給する電力を制御することによって、照明器具31を調光点灯させたり、点滅させたりすることもできる。制御対象機器L1が照明器具31である場合、配線機器1は、操作された操作オブジェクト22に対応する制御状態で照明器具31を動作させる。
【0027】
また、配線機器1は、照明器具32を点灯又は消灯させる負荷制御スイッチ40、赤外線リモコン50、及びユーザ(施設F1の住人等)が携帯するスマートフォン80と通信する機能を有している。配線機器1は、負荷制御スイッチ40、赤外線リモコン50、及びスマートフォン80との間で、適宜の無線通信方式により無線通信を行う。例えば、配線機器1は、負荷制御スイッチ40との間で920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線(特定小電力無線)により無線通信を行う。また、配線機器1は、赤外線リモコン50及びスマートフォン80との間で、例えばBluetooth(登録商標)の規格に準拠した無線通信方式で無線通信を行っている。なお、配線機器1が、負荷制御スイッチ40、赤外線リモコン50、及びスマートフォン80との間で行う無線通信の通信方式は上記の通信方式に限定されず、適宜変更が可能である。
【0028】
制御対象機器L1が電気機器60である場合、配線機器1は、電気機器60を制御するための信号(例えば、赤外線リモコン50が保持している赤外線コード、又は、赤外線コードを指定する信号など)を赤外線リモコン50に無線送信する。赤外線リモコン50は、配線機器1から受信した信号に含まれる赤外線コードを赤外線で送信することで、制御対象の電気機器60を所望の動作状態に制御する。
【0029】
また、制御対象機器L1が、負荷制御スイッチ40に接続された照明器具32である場合、配線機器1は、照明器具32を制御するための信号を負荷制御スイッチ40に送信する。負荷制御スイッチ40は、配線機器1から受信した信号に基づいて、照明器具32を所望の動作状態に制御する。
【0030】
このように、配線機器1は、当該配線機器1に接続された照明器具31だけでなく、配線機器1と同じ部屋R1に設置されている照明器具32及び電気機器60を制御することができる。つまり、配線機器1は、配線機器1と同じ部屋R1に設置されている複数の負荷を制御するルームコントローラの機能を有している。なお、本実施形態では、配線器具1の制御対象の負荷が、配線機器1と同じ部屋R1に設置されている負荷である場合を例に説明しているが、配線器具1と通信可能であれば、配線器具1が設置されている部屋R1とは異なる部屋に設置されている負荷でもよい。
【0031】
なお、配線機器1が設置される施設F1は、例えば、戸建住宅若しくは集合住宅等の住宅施設、又は事務所、店舗、地下街、ホテル、駅、空港、学校、工場、図書館、美術館、博物館、病院若しくは介護施設等の非住宅施設であり、特に限定されない。
【0032】
(2.2)配線機器の構成
本実施形態では、図2に示すように、2つの部屋R1の各々に配線機器1が1台ずつ設置されている場合を想定して説明する。ただし、配線機器1の数は特に限定されない。以下、2台の配線機器1を区別する場合、部屋R1aに設置されている配線機器1を配線機器1a、部屋R1bに設置されている配線機器1を配線機器1bと呼ぶ場合もある。同様に、部屋R1aに設置されている負荷制御スイッチ40及び赤外線リモコン50をそれぞれ負荷制御スイッチ40a及び赤外線リモコン50aと呼ぶ場合もある。また、部屋R1bに設置されている負荷制御スイッチ40及び赤外線リモコン50をそれぞれ負荷制御スイッチ40b及び赤外線リモコン50bと呼ぶ場合もある。
【0033】
配線機器1は、図3に示すように、例えば施設F1の壁70に一部(後部)が埋め込まれた状態で設置される。配線機器1は、例えば、埋込型のスイッチボックス等の取付部材を用いて施設F1の壁70に取り付けられる。すなわち、壁70には施工孔が形成されており、壁70の背面側(壁裏)に配置されたスイッチボックス等の取付部材に対して、配線機器1が施工孔を通して取り付けられる。また、本実施形態では、図3に示すように、矩形枠状の配線器具用のプレートP1が、配線機器1の周囲を囲むように取り付けられている。なお、配線機器1は、壁70に一部が埋め込まれる壁埋込型であるが、壁70の表面に直付けされる露出型であってもよいし、据置型であってもよい。
【0034】
配線機器1は、上述のように、制御部10と、表示部11と、インターフェイス部12と、第1記憶部13Aと、を備える。また、配線機器1は、第2記憶部13Bと、第3記憶部13Cと、通信部14と、開閉素子15と、電源部16と、を更に備えている。また、配線機器1は、制御部10、表示部11、インターフェイス部12、第1~第3記憶部13A~13C、通信部14、開閉素子15、及び電源部16を収容する器体を更に備えている。
【0035】
開閉素子15は、例えば、トライアック、サイリスタ、FET(Field effect transistor)、バイポーラトランジスタ等の半導体スイッチング素子、又はリレー等である。開閉素子15の両端間には、交流電源ACと照明器具31との直列回路が接続されている。制御部10が、例えば開閉素子15のオン/オフを制御し、照明器具31に電力を供給する状態、及び、照明器具31への電力供給を遮断する状態のいずれかに切り替えることで、照明器具31を点灯又は消灯する。なお、制御部10が、開閉素子15を位相制御することによって、照明器具31に供給する電力を制御して、照明器具31を調光点灯してもよい。照明器具31は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源と、光源を点灯させるための点灯回路とを有している。
【0036】
配線機器1の器体の前面にはタッチスクリーン20が配置されている。タッチスクリーン20は、上述の表示部11と、表示部11の表示面(操作画面21等が表示される面)にユーザが触れる操作を検知するタッチパネルと、を備えている。ここで、表示部11の表示面には、画面情報に基づく操作画面21が表示される。表示部11は、例えば、白及び黒の2色表示が可能な電子ペーパーで構成されている。表示部11の表示面は、プレートP1の開口から露出している。電子ペーパーは、表示内容の書き換え時に動作電力を消費し、表示面に表示された表示内容を保持するための動作電力が不要である自己保持型の表示器(ディスプレイ)である。さらに、タッチパネルは、抵抗膜方式、静電容量方式、又は電磁誘導方式等の周知の方式を採用しており、タッチパネルは、ユーザの指又はペン等による表示面へのタッチ操作(タップ)を検出可能である。すなわち、タッチパネルは、操作画面21に表示された操作オブジェクト22へのユーザのタッチ操作を受け付ける機能を有している。なお、タッチパネルは、ユーザの指による表示面へのピンチ、フリック、及びスワイプ等の各操作を検出可能であってもよい。また、配線機器1は、タッチパネルがタッチ操作を受け付けたときに表示面に振動を発生させるアクチュエータを更に備えていてもよい。また、電子ペーパーが表示可能な色は、白及び黒以外でもよく、さらには3色以上であってもよい。また、電子ペーパーはグレー表示が可能なものでもよいし、カラー表示が表示可能なものでもよい。
【0037】
通信部14は、負荷制御スイッチ40、赤外線リモコン50、及びスマートフォン80等と通信する機能を有している。通信部14は、例えば、負荷制御スイッチ40との間で920MHz帯又は420MHz帯の電波を使用する小電力無線(特定小電力無線)により無線通信を行う通信モジュールを含む。また、通信部14は、例えば、赤外線リモコン50及びスマートフォン80との間で、Bluetooth(登録商標)の規格に準拠した無線通信方式で無線通信を行う通信モジュールを含む。なお、通信部14が採用する無線通信の通信方式は上記の通信方式に限定されず、適宜変更が可能である。また、通信部14は、負荷制御スイッチ40及び赤外線リモコン50との間で有線通信を行ってもよい。
【0038】
第1記憶部13Aは、例えばフラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read-Only Memory)等の書き換え可能な不揮発性メモリを含む。第1記憶部13Aは、上述のように、複数の画面レイアウト情報を記憶する。第1記憶部13Aには、制御対象機器L1の種類、及び、制御対象機器L1に対して行う制御内容などに応じて複数用意された画面レイアウト情報が記憶されている。複数の画面レイアウト情報の各々は、操作オブジェクト22を含む操作画面に関する画面情報と、操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報と、を含んでいる。操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報は、制御対象機器L1の制御に関する制御情報、配線機器1の動作内容を設定するための制御情報、及び、配線機器1の操作又は表示部11に表示する画面の遷移に関する制御情報の少なくとも一つを含む。
【0039】
第2記憶部13Bは、制御対象機器L1の制御状態を表す参照情報を記憶する。第2記憶部13Bは、例えばフラッシュメモリ、EEPROM等の書き換え可能な不揮発性メモリを含んでもよいし、RAM等の揮発性メモリを含んでもよい。参照情報は制御対象機器L1の制御状態を表すデータである。参照情報は、表示部11の操作画面21に現在の制御状態を表示するために使用される情報、又は、制御部10が制御情報に基づいて制御対象機器L1を制御する際に参照する情報である。例えば、制御対象機器L1がエアコンディショナ61である場合、参照情報は、エアコンディショナ61の現在の運転モード(暖房、冷房、除湿、換気など)、温度の設定値、湿度の設定値、風量の設定値等のうちの少なくとも一つを含んでもよい。また、制御対象機器L1が照明器具64である場合、参照情報は、現在の点灯状態(点灯又は消灯)を示す情報、現在の明るさを示す情報、及び、現在の色温度を示す情報のうちの少なくとも一つを含む。
【0040】
第3記憶部13Cは、制御情報に基づいて制御対象機器L1を制御する処理を実行するアプリケーションソフトウェアである機能モジュール等を記憶する。第3記憶部13Cには、制御対象機器L1の種類、及び、制御対象機器L1に対して行う制御内容などに応じて複数用意された機能モジュールが記憶されている。また、第3記憶部13Cは、配線機器1の制御対象である複数の制御対象機器L1の機器番号、及び、赤外線リモコン50を用いた遠隔操作が可能な電気機器60を制御するための複数の赤外線コードの情報等も記憶している。
【0041】
インターフェイス部12は、タッチスクリーン20のタッチパネルが操作画面21に表示した操作オブジェクト22の操作を受け付けると、操作された操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力する。なお、操作オブジェクト22が、内部タイマの制御コードを含む場合、インターフェイス部12は、該当する制御コードを制御部10に発行し、制御部10が制御コードに応じて内部タイマをカウントアップする。制御部10は、内部タイマが発火したタイミングで画面レイアウト情報を描画し、描画時にインターフェイス部12が操作オブジェクト22に関連する1又は複数の制御情報を制御部10に出力してもよい。また、インターフェイス部12は、制御部10から表示対象の画面レイアウト情報を指定する情報が入力されると、表示対象の画面レイアウト情報に基づく画面情報を表示部11に表示させることで、表示部11に表示される操作画面21を遷移させる。
【0042】
制御部10は、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するコンピュータシステムを主構成とする。制御部10では、1以上のプロセッサがメモリに記録されているプログラムを実行することにより、制御部10の各種の機能が実現される。プログラムはメモリに予め記録されていてもよいし、インターネット等の電気通信回線を通して提供されてもよく、メモリカード等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。
【0043】
制御部10は、操作画面21に表示された操作オブジェクト22の操作に応じてインターフェイス部12から入力された制御情報に基づいて、制御対象機器L1を制御する機能を有している。制御対象機器L1が照明器具31である場合、制御部10は、制御情報に基づいて開閉素子15を制御することによって照明器具31を所望の制御状態に制御する。制御対象機器L1が照明器具32である場合、制御部10は、制御情報に基づいて照明器具32を制御するための信号を通信部14から負荷制御スイッチ40に送信し、負荷制御スイッチ40により照明器具32を所望の制御状態に制御させる。制御対象機器L1が電気機器60である場合、制御部10は、制御情報に基づいて制御対象の電気機器60を制御するための信号を通信部14から赤外線リモコン50に送信する。赤外線リモコン50は、配線機器1から受信した信号に基づいて対応する赤外線コードを送信することで、制御対象の電気機器60を所望の動作状態に制御する。
【0044】
電源部16は、制御部10、インターフェイス部12、タッチスクリーン20、通信部14、及び開閉素子15等をそれぞれ動作させるための制御電圧を生成して、それらに入力する。電源部16は、交流電源ACから入力される交流電圧から、所定の電圧値の直流電圧を制御電圧として生成する。電源部16は、例えば、交流電源ACから入力される交流電圧を整流する整流器と、整流器の出力電圧を制御電圧に変換する電圧変換回路と、を有している。なお、電源部16が、制御部10、インターフェイス部12、タッチスクリーン20、通信部14、及び開閉素子15等に供給する制御電圧は適宜変更が可能であり、交流電圧の制御電圧を出力してもよい。
【0045】
(2.3)動作説明
次に、本実施形態に係る配線機器1の動作について図4を参照して説明する。なお、図4に示すシーケンス図は、本実施形態に係る配線機器1の制御方法の一例に過ぎず、処理の順序が適宜変更されてもよいし、処理が適宜追加又は省略されてもよい。
【0046】
ここでは、配線機器1の表示部11が、照明器具64を操作するための操作画面21(図3参照)を表示している場合(ステップST1)の動作について説明する。図3の操作画面21には制御対象機器L1である照明器具64の現在の動作状態が文字と図記号とで表示されている。図3の例では、照明器具64は点灯中である。
【0047】
ユーザが照明器具64を消灯させるためにボタンB1をタッチ操作すると、タッチスクリーン20のタッチパネルがボタンB1の操作を検知する。このとき、インターフェイス部12は、タッチパネルの検知結果に基づいて操作オブジェクト22のボタンB1の操作を検知し(ステップST2)、操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力する(ステップST3)。ここで、操作オブジェクト22のボタンB1には、例えば、照明器具64の消灯制御を行う機能モジュールを実行させるための制御情報が対応付けられている。
【0048】
制御部10は、インターフェイス部12から制御情報を受け取ると、この制御情報に基づいて照明器具64の消灯制御を行う機能モジュールを実行させる制御処理を行う(ステップST4)。具体的には、制御部10は、照明器具64を消灯させるための赤外線コードを第3記憶部13Cから読み出し、赤外線コードを含む信号を通信部14から赤外線リモコン50に送信させる。
【0049】
赤外線リモコン50が、配線機器1から送信された信号を受信すると、この信号に含まれる赤外線コードを赤外線で送信する(ステップST5)。この赤外線コードには、制御対象の照明器具64の識別情報、制御内容などを示す情報が含まれている。
【0050】
制御対象の照明器具64が、赤外線リモコン50から送信された赤外線コードを受信すると、赤外線コードに基づいて光源を消灯させる制御を実行する(ステップST6)。
【0051】
また、制御部10は、ステップST4の制御処理を行うと、照明器具64の制御結果に対応する遷移先の画面レイアウト情報として、照明器具64が消灯しているときの画面レイアウト情報を選択する。そして、制御部10は、表示部11の操作画面21を、照明器具64が消灯しているときの操作画面21に変更する画面変更指示をインターフェイス部12に出力する(ステップST7)。
【0052】
インターフェイス部12は、画面変更指示に基づいて、照明器具64が消灯しているときの画面レイアウト情報に含まれる画面情報を表示部11に出力し(ステップST8)、表示部11に照明器具64が消灯しているときの操作画面21を表示させる(ステップST9)。これにより、制御部10は、制御対象機器L1に対して行った制御内容を、表示部11に表示される操作画面21に反映することができる。
【0053】
配線機器1は、上記のステップST1からST9までの処理を繰り返すことで、ユーザの操作に基づいて制御対象機器L1を制御する処理を実行する。
【0054】
次に、図5図7をそれぞれ参照して配線機器1による制御対象機器L1の制御動作を説明する。図5図7では、表示部11と、インターフェイス部12と、制御部10との間でのデータのやりとりを模式的に示している。
【0055】
まず、図5を参照して配線機器1による制御対象機器L1の制御動作を説明する。
【0056】
表示部11に表示される操作画面21は、制御対象機器L1の動作状態を変更するためのボタンからなる操作オブジェクト22Aを含んでいる。ここで、操作オブジェクト22Aには2つの制御情報CD1、CD2が対応付けられている。例えば、制御対象機器L1が照明器具31であり、この照明器具31が点灯している場合、制御情報CD1は、照明器具31を消灯させる操作に対応した情報であり、制御情報CD2は、照明器具31が消灯したときの操作画面21に遷移させるための情報である。
【0057】
ユーザが操作画面21に表示された操作オブジェクト22Aを操作すると、タッチスクリーン20のタッチパネルが操作オブジェクト22Aの操作を検知する。インターフェイス部12は、タッチパネルの検知結果に基づいて、操作された操作オブジェクト22Aに対応付けられた制御情報CD1,CD2を制御部10に出力する。制御部10は、インターフェイス部12から制御情報CD1,CD2が入力されると、制御情報CD1に対応する機能モジュールを実行して照明器具31を消灯させる制御を行う。また、制御部10は、制御情報CD2に基づいて、照明器具31が消灯したときの操作画面21を表示部11に表示させる制御を行う。なお、制御部10は、照明器具31を消灯させる制御を行うと、照明器具31の制御状態を示す参照情報を点灯から消灯に変更して第2記憶部13Bに記憶させた後、インターフェイス部12に表示部11の画面の再描画を指示してもよい。このとき、インターフェイス部12は、第2記憶部13Bに記憶された参照情報を参照して表示部11の画面を再描画しており、照明器具31の消灯状態を示す参照情報に基づいて、照明器具31が消灯したときの操作画面21を表示部11に表示させる。
【0058】
ところで、ユーザが操作画面21に表示された操作オブジェクト22Aを操作したときに、配線機器1と赤外線リモコン50との間の無線通信が失敗した等の理由で、制御部10が、操作オブジェクト22Aの操作に対応した制御を行えなかった場合、制御に失敗したとの制御結果に対応する遷移先の画面レイアウト情報を選択する。制御部10は、この画面レイアウト情報をインターフェイス部12に出力し、インターフェイス部12が、画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づいて、制御に失敗したことを示す画面を表示部11に表示する。したがって、ユーザは、表示部11の画面に基づいて制御の失敗を把握することができる。
【0059】
このように、制御部10は、制御対象機器L1(例えば照明器具64)を制御すると、複数の画面レイアウト情報のうち制御対象機器L1の制御結果に対応する遷移先の画面レイアウト情報を選択する。そして、制御部10は、遷移先の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面21を表示部11に表示させており、ユーザは制御対象機器L1の制御結果を把握することができる。なお、画面レイアウト情報は1種類でもよく、インターフェイス部12は、1種類の操作画面で、参照情報に基づいて表示内容を変更してもよい。
【0060】
次に、図6を参照して配線機器1による制御対象機器L1の制御動作を説明する。
【0061】
図6の例では、表示部11に、制御対象機器L1であるエアコンディショナ61の動作状態を変更するための操作オブジェクト22Bが表示されている。操作オブジェクト22Bには、エアコンディショナ61の動作状態を変更するためのボタン(図示せず)に加えて、現在の設定温度を示す数値が表示されている。
【0062】
ここで、操作オブジェクト22Bに表示される制御対象機器L1の現在の動作状態や以前に設定された温度の設定値等は、固定値では無く、変動し得る情報であるので、配線機器1は、これらの情報を参照情報RF1として第2記憶部13Bに保存している。制御部10は、第2記憶部13Bに記憶されているエアコンディショナ61の動作状態に関連する参照情報RF1に基づいて、エアコンディショナ61の現在の設定温度の情報を取得し、インターフェイス部12を介して表示部11に設定温度の情報を表示させている。このように、表示部11は、参照情報RF1に基づいて、制御対象機器L1の制御状態を操作画面21に表示しており、ユーザは、操作画面21の表示内容に基づいて制御対象機器L1の制御状態を把握することができる。
【0063】
表示部11が図6の操作画面21を表示している状態でユーザが操作オブジェクト22Bを操作すると、タッチスクリーン20のタッチパネルが操作オブジェクト22Bの操作を検知する。インターフェイス部12は、タッチパネルの検知結果に基づいて、操作された操作オブジェクト22Bに対応付けられた制御情報CD3を制御部10に出力する。制御部10は、インターフェイス部12から制御情報CD3が入力されると、制御情報CD3に対応する機能モジュールを実行する。ここで、機能モジュールの実行にあたって、制御対象機器L1の現在の動作状態や以前の設定値等が必要な場合、制御部10は、第2記憶部13Bから参照情報RF1を読み出し、制御情報CD3と参照情報RF1とに基づいて制御対象機器L1を制御する。例えば、操作オブジェクト22Bがエアコンディショナ61の設定温度を1℃上げる操作を行うためのオブジェクトである場合、制御部10は、第2記憶部13Bからエアコンディショナ61の現在の設定温度を示す参照情報RF1を読み出す。そして、制御部10は、設定温度を1℃上げるという制御情報CD3と、現在の設定温度を示す参照情報RF1とに基づいて制御対象機器L1の制御を行う。なお、制御部10による機能モジュールの実行処理については、以下に、図7を参照してより詳細に説明する。ここで、機能モジュールは、例えば第3記憶部13Cに記憶されたプログラムコードであるが、機能モジュールは制御部10の一部であってもよい。
【0064】
上述のように、制御部10は、インターフェイス部12から入力される制御情報CD3と、制御対象機器L1の参照情報RF1とに基づいて、制御対象機器L1を制御する。また、制御部10は、制御対象機器L1の制御状態を表す参照情報RF1を更新して第2記憶部13Bに保存する。これにより、制御部10は、制御情報CD3と参照情報RF1とに基づいて制御対象機器L1を制御することができる。
【0065】
次に、図7を参照して配線機器1による制御対象機器L1の制御動作を説明する。
【0066】
図7の例では、表示部11に、制御対象機器L1であるエアコンディショナ61の動作状態を変更するための操作オブジェクト22C,22Dを含む操作画面21が表示されている。操作オブジェクト22Cは、エアコンディショナ61の設定温度を所定の増加分(例えば+1℃)だけ上げるための操作ボタンである。操作オブジェクト22Dは、エアコンディショナ61の設定温度を所定の減少分(例えば-1℃)だけ下げるための操作ボタンである。操作オブジェクト22Cには設定温度を上げる操作内容を表す制御情報が対応付けられ、操作オブジェクト22Dには設定温度を下げる操作内容を表す制御情報が対応付けられている。また、操作画面21には、エアコンディショナ61の現在の設定温度を示すオブジェクト23も表示されている。
【0067】
ここで、ユーザがエアコンディショナ61の設定温度を上げるために操作オブジェクト22Cをタッチ操作した場合の配線機器1の動作について説明する。
【0068】
配線機器1の表示部11には、エアコンディショナ61の温度設定を行うための操作画面21が表示されている。ここで、インターフェイス部12は、第2記憶部13Bからエアコンディショナ61の設定温度に関する参照情報を読み込み、現在の設定温度を示すオブジェクト23を操作画面21に表示させる。
【0069】
ユーザが操作画面21に表示されている操作オブジェクト22Cのタッチ操作を行うと、タッチスクリーン20のタッチパネルが操作オブジェクト22Cのタッチ操作を検知する。インターフェイス部12は、タッチパネルの検知結果に基づいて、操作オブジェクト22Cに対応付けられている制御情報を制御部10に出力する。ここで、操作オブジェクト22Cには、エアコンディショナ61の設定温度を1℃上げる操作内容を表す制御情報(以下、第1制御情報と言う。)と、操作オブジェクト22Cに含まれるボタンの色を一定時間(例えば数秒間)反転表示するという制御情報(以下、第2制御情報と言う。)と、が対応付けられているものとする。また、第1制御情報には、制御対象に関する機器情報と、操作内容に関する操作情報と、が含まれている。機器情報は、例えば、制御対象であるエアコンディショナ61に割り振られた機器番号であり、操作情報は、設定温度を1℃上げるという情報である。
【0070】
制御部10は、インターフェイス部12から2つの制御情報(第1制御情報及び第2制御情報)を受け取ると、2つの制御情報をそれぞれ実行する。
【0071】
制御部10は、第1制御情報に含まれる機器情報に基づいて制御対象のエアコンディショナ61を特定し、エアコンディショナ61を制御する機能モジュールを呼び出し、機能モジュールにエアコンディショナ61の制御処理を実行させる。ここで、エアコンディショナ61を制御する機能モジュールは、エアコンディショナ61に対して、第1制御情報に含まれる操作情報に対応する制御処理を実行する。ここで、操作情報は、設定温度を1℃上げるという情報であるので、機能モジュールは、第2記憶部13Bからエアコンディショナ61の現在の設定温度(例えば25℃)を読み出し、現在の設定温度を1℃上げた温度(例えば26℃)をエアコンディショナ61の設定温度とする。機能モジュールは、更新後の設定温度の情報を参照情報として第2記憶部13Bに記憶させる。
【0072】
ここで、制御対象のエアコンディショナ61は、赤外線リモコン50から受信する赤外線コードに応じて動作を変更するような電気機器であり、赤外線コードには、設定温度以外にも、運転モード、風量などの情報が含まれている。ここでは、設定温度以外の運転モード及び風量は変更しないため、機能モジュールは、エアコンディショナ61を制御する赤外線コードに必要な設定温度以外の運転モード及び風量の設定内容に関する参照情報を第2記憶部13Bから取得する。そして、機能モジュールは、エアコンディショナ61の温度を26℃に設定し、他の運転モード、風量等の設定は現状と同じにする赤外線コードを第3記憶部13Cから取得する。
【0073】
ここで、赤外線コードを取得し、赤外線リモコン50にデータを転送する処理には比較的長い時間を必要とするため、制御部10は、赤外線コードを取得し、赤外線リモコン50へのデータの転送を完了する迄の間に第2制御情報を実行する。制御部10は、インターフェイス部12に対して操作オブジェクト22Cの色を一定時間反転表示するように指示する。また、制御部10は、インターフェイス部12に対してオブジェクト23に表示されている設定温度を、第2記憶部13Bに記憶されている参照情報に基づいて更新後の設定温度に変更するように指示する。
【0074】
このとき、インターフェイス部12は、操作オブジェクト22Cの色を反転させ、さらにオブジェクト23に表示されている設定温度を更新するように、表示部11に表示されている操作画面21を変更する。
【0075】
また、赤外線コードを取得する処理が終了すると、機能モジュールは、取得した赤外線コードを含む信号を通信部14から赤外線リモコン50に送信させる。
【0076】
赤外線リモコン50が、配線機器1から赤外線コードを含む信号を受信すると、赤外線コードを赤外線信号として送信する。そして、制御対象のエアコンディショナ61が赤外線コードを受信し、赤外線コードで示される動作状態で動作する。
【0077】
これにより、配線機器1の操作画面21においてユーザが操作オブジェクト22を操作することによって、操作された操作オブジェクト22に応じて制御対象機器L1の動作状態が変更されるのである。
【0078】
また、本実施形態の配線機器1では、操作画面21に関する画面情報を含む画面レイアウト情報に操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を付加している。そして、ユーザが操作オブジェクト22を操作すると、インターフェイス部12が、ユーザによって操作された操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を制御部10に出力し、制御部10が制御情報を受けて制御対象機器L1を制御している。したがって、制御情報を受けて制御対象機器L1に対する制御を行う制御部10の制御機能(具体的には機能モジュール)を変更しなくても、画面情報及び制御情報を含む画面レイアウト情報を変更することで、制御対象機器L1に対する制御機能の追加又は変更を行うことができる。よって、制御対象機器L1に対する制御機能の追加又は変更に容易に対応できる配線機器1を実現することができる。
【0079】
なお、制御対象機器L1が電気機器60である場合を例に説明したが、制御対象機器L1は、配線機器1に接続された照明器具31のような電気機器でもよいし、負荷制御スイッチ40に接続された照明器具32のような電気機器でもよい。また、操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報に基づいて、表示部11に表示する操作画面を変更したり、配線機器1の動作設定を行ったりする場合、制御対象機器L1は配線機器1そのものとなる。言い換えると、制御情報は、制御対象機器L1である電気機器(電気機器60又は照明器具31,32等)の制御に関連する情報、表示部11に表示する画面レイアウト情報に関連する情報、及び、制御対象機器L1である配線機器1の動作設定に関連する情報の少なくとも1つを含むことが好ましい。これにより、制御対象機器L1の制御として、電気機器(電気機器60又は照明器具31,32等)の制御、表示部11に表示する操作画面21の変更、配線機器1の動作設定のいずれかを行うことができる。
【0080】
(3)変形例
上記実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上記実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。また、配線機器1と同様の機能は、配線機器1の制御方法、コンピュータプログラム、又はプログラムを記録した非一時的な記録媒体等で具現化されてもよい。一態様に係る配線機器1の制御方法は、表示ステップと、操作受付ステップと、出力ステップと、制御ステップと、を含む。表示ステップでは、複数の画面レイアウト情報のうち、表示対象の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面21を表示部11に表示する。複数の画面レイアウト情報は、文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクト22を含む操作画面21に関する画面情報と、操作オブジェクト22に対応付けられた制御対象機器L1の制御に関する制御情報と、をそれぞれ含む。操作受付ステップでは、表示部11の操作画面21に表示された操作オブジェクト22の操作を受け付ける。出力ステップでは、操作受付ステップで操作を受け付けた操作オブジェクト22に対応付けられた制御情報を出力する。制御ステップでは、出力ステップで出力された制御情報に基づいて制御対象機器L1を制御する。一態様に係る(コンピュータ)プログラムは、コンピュータシステムに、配線機器1の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0081】
以下、上記の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
【0082】
本開示における配線機器1又は配線機器1の制御方法の実行主体は、コンピュータシステムを含んでいる。コンピュータシステムは、ハードウェアとしてのプロセッサ及びメモリを主構成とする。コンピュータシステムのメモリに記録されたプログラムをプロセッサが実行することによって、本開示における配線機器1又は配線機器1の制御方法の実行主体としての機能が実現される。プログラムは、コンピュータシステムのメモリに予め記録されてもよく、電気通信回線を通じて提供されてもよく、コンピュータシステムで読み取り可能なメモリカード、光学ディスク、ハードディスクドライブ等の非一時的記録媒体に記録されて提供されてもよい。コンピュータシステムのプロセッサは、半導体集積回路(IC)又は大規模集積回路(LSI)を含む1又は複数の電子回路で構成される。ここでいうIC又はLSI等の集積回路は、集積の度合いによって呼び方が異なっており、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又はULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれる集積回路を含む。さらに、LSIの製造後にプログラムされる、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又はLSI内部の接合関係の再構成若しくはLSI内部の回路区画の再構成が可能な論理デバイスについても、プロセッサとして採用することができる。複数の電子回路は、1つのチップに集約されていてもよいし、複数のチップに分散して設けられていてもよい。複数のチップは、1つの装置に集約されていてもよいし、複数の装置に分散して設けられていてもよい。ここでいうコンピュータシステムは、1以上のプロセッサ及び1以上のメモリを有するマイクロコントローラを含む。したがって、マイクロコントローラについても、半導体集積回路又は大規模集積回路を含む1又は複数の電子回路で構成される。
【0083】
また、配線機器1における複数の機能が、1つの筐体内に集約されていることは配線機器1に必須の構成ではなく、配線機器1の構成要素は、複数の筐体に分散して設けられていてもよい。さらに、配線機器1の少なくとも一部の機能がクラウド(クラウドコンピューティング)等によって実現されてもよい。
【0084】
また、上記の実施形態において、表示部11の操作画面21にカウントダウンタイマが表示されている場合、カウントダウンタイマのカウントが終了したタイミングで、インターフェイス部12が、カウントダウンタイマに対応付けられた制御情報を制御部10に出力してもよい。つまり、表示部11に操作画面21が表示されている状態で、操作オブジェクト22の操作又はタイマのカウントダウン等の事象が発生すると、インターフェイス部12が、発生した事象に対応付けられた制御情報を制御部10に出力してもよい。
【0085】
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様の配線機器(1)は、第1記憶部(13A)と、表示部(11)と、インターフェイス部(12)と、制御部(10)と、を備える。第1記憶部(13A)は複数の画面レイアウト情報を記憶する。複数の画面レイアウト情報は、文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクト(22,22A~22D)を含む操作画面(21)に関する画面情報と、操作オブジェクト(22,22A~22D)に対応付けられた制御対象機器(L1)の制御に関する制御情報と、をそれぞれ含む。表示部(11)は、複数の画面レイアウト情報のうち表示対象の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面(21)を表示する。インターフェイス部(12)は、表示部(11)の操作画面(21)に表示された操作オブジェクト(22,22A~22D)の操作を受け付けると、操作オブジェクト(22,22A~22D)に対応付けられた制御情報を制御部(10)に出力する。制御部(10)は、インターフェイス部(12)から入力される制御情報に基づいて制御対象機器(L1)を制御する。
【0086】
この態様によれば、画面レイアウト情報には、操作オブジェクト(22)を含む操作画面(21)に関する画面情報と、操作オブジェクト(22)に対応付けられた制御対象機器(L1)の制御に関する制御情報とが含まれている。したがって、制御情報を受けて制御対象機器(L1)を制御する制御部(10)の構成を変更しなくても、画面レイアウト情報を変更することで、制御対象機器(L1)に対する制御機能を追加又は変更することが可能になる。よって、制御対象機器(L1)の制御機能の追加や変更に容易に対応できる配線機器(1)を実現することができる。
【0087】
第2の態様の配線機器(1)では、第1の態様において、制御部(10)は、制御対象機器(L1)を制御すると、複数の画面レイアウト情報のうち制御対象機器(L1)の制御結果に対応する遷移先の画面レイアウト情報を選択する。制御部(10)は、遷移先の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面(21)を表示部(11)に表示させる。
【0088】
この態様によれば、制御対象機器(L1)に対して行った制御内容を、表示部(11)に表示される操作画面(21)に反映することができる。
【0089】
第3の態様の配線機器(1)は、第1又は第2の態様において、制御対象機器(L1)の制御状態を表す参照情報を記憶する第2記憶部(13B)を備える。制御部(10)は、インターフェイス部(12)から入力される制御情報と、制御対象機器(L1)の参照情報とに基づいて、制御対象機器(L1)を制御し、制御対象機器(L1)の制御状態を表す参照情報を更新して第2記憶部(13B)に保存する。
【0090】
この態様によれば、制御部(10)は、制御情報と参照情報とに基づいて制御対象機器(L1)を制御することができる。
【0091】
第4の態様の配線機器(1)では、第3の態様において、表示部(11)は、参照情報に基づいて、制御対象機器(L1)の制御状態を操作画面(21)に表示する。
【0092】
この態様によれば、ユーザは、操作画面(21)の表示内容に基づいて制御対象機器(L1)の制御状態を把握することができる。
【0093】
第5の態様の配線機器(1)では、第1~第4のいずれかの態様において、制御情報は、制御対象機器(L1)である電気機器(60)の制御に関連する情報、表示部(11)に表示する画面レイアウト情報に関連する情報、及び、制御対象機器(L1)である配線機器(1)の動作設定に関連する情報の少なくとも1つを含む。
【0094】
この態様によれば、制御対象機器(L1)の制御として、電気機器(60)の制御、表示部(11)に表示する操作画面(21)の変更、配線機器(1)の動作設定のいずれかを行うことができる。
【0095】
第6の態様の配線機器の制御方法は、表示ステップと、操作受付ステップと、出力ステップと、制御ステップと、を含む。表示ステップでは、画面情報と制御情報とをそれぞれ含む複数の画面レイアウト情報のうち、表示対象の画面レイアウト情報に含まれる画面情報に基づく操作画面(21)を表示部(11)に表示する。画面情報は、文字と図形の少なくとも一方で表現される操作オブジェクト(22,22A~22D)を含む操作画面(21)に関する情報である。制御情報は、操作オブジェクト(22,22A~22D)に対応付けられた制御対象機器(L1)の制御に関する情報である。操作受付ステップでは、表示部(11)の操作画面(21)に表示された操作オブジェクト(22,22A~22D)の操作を受け付ける。出力ステップでは、操作受付ステップで操作を受け付けた操作オブジェクト(22,22A~22D)に対応付けられた制御情報を出力する。制御ステップでは、出力ステップで出力された制御情報に基づいて制御対象機器(L1)を制御する。
【0096】
この態様によれば、画面レイアウト情報には、操作オブジェクト(22)を含む操作画面(21)に関する画面情報と、操作オブジェクト(22)に対応付けられた制御対象機器(L1)の制御に関する制御情報とが含まれている。したがって、制御情報を受けて制御対象機器(L1)を制御する制御ステップを実現するアプリケーションソフトウェアを変更しなくても、画面レイアウト情報を変更することで、制御対象機器(L1)に対する制御機能を追加又は変更することが可能になる。よって、制御対象機器(L1)の制御機能の追加や変更に容易に対応することができる。
【0097】
第7の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第6の態様の配線機器の制御方法を実行させるためのプログラムである。
【0098】
この態様によれば、制御対象機器(L1)の制御機能の追加や変更に容易に対応することができる。
【0099】
上記態様に限らず、実施形態に係る配線機器(1)の種々の構成(変形例を含む)は、配線機器(1)の制御方法、(コンピュータ)プログラム、又はプログラムを記録した非一時的記録媒体等で具現化可能である。
【0100】
第2~第5の態様に係る構成については、配線機器(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
【符号の説明】
【0101】
1 配線機器
10 制御部
11 表示部
12 インターフェイス部
13A 第1記憶部
21 操作画面
22,22A~22D 操作オブジェクト
60 電気機器
L1 制御対象機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7