(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163883
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ダンプトラック
(51)【国際特許分類】
B60P 1/00 20060101AFI20231102BHJP
B60P 1/16 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B60P1/00 C
B60P1/16 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075089
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】木村 和史
(72)【発明者】
【氏名】青山 仁夫
(57)【要約】
【課題】ダンプフレームへの負荷が大きい状況でも荷台のスライド動作を継続する。
【解決手段】ダンプトラック1は、シャシフレーム10と、ダンプフレーム20と、前後方向に伸縮可能なロッド51を備え回動するシリンダ50と、ロッド51の伸縮に従って前後方向に移動するとともに回動する荷台30と、シャシフレーム10に着床した状態でダンプフレーム20を固定可能なロック装置60と、ロック装置60の近傍に設けられ、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していること、または、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床していることを検知する第1センサ70と、を備える。ダンプトラック1は、ダンプフレーム20の固定または着床を第1センサ70が検知していることを含む所定の場合に、シリンダ50の伸縮操作を許可する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向に延びるシャシフレームと、
前記シャシフレームに設けられ、車幅方向に延びる第1回動軸と、
前記シャシフレームの上に配置され、前記第1回動軸周りに回動するダンプフレームと、
前記ダンプフレームに設けられ、車幅方向に延びる第2回動軸と、
前後方向に伸縮可能なロッドを備え、前記第2回動軸周りに回動するシリンダと、
前記ロッドに連結され、前記ロッドの伸縮に従って前後方向に移動するとともに、前記シリンダとともに前記第2回動軸周りに回動する荷台と、
前記ダンプフレームが前記シャシフレームに着床した状態で、前記ダンプフレームの前端部と前記シャシフレームとを固定可能なロック装置と、
前記ロック装置の近傍に設けられ、前記ロック装置が前記ダンプフレームを固定していること、または、前記ダンプフレームが前記シャシフレームに着床していることを検知する第1センサと、
前記シリンダの伸縮操作を行うことが可能な操作端と、
前記第1センサおよび前記操作端に接続されるとともに、前記シリンダを制御する制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記ダンプフレームの固定または着床を前記第1センサが検知していることを含む所定の場合に、前記操作端による前記シリンダの伸縮操作を許可する、
ダンプトラック。
【請求項2】
前記第1センサよりも後方に設けられ、前記ダンプフレームが前記シャシフレームに着床していることを検知する第2センサをさらに備え、
前記第1センサは、前記ロック装置が前記ダンプフレームを固定していることを検知するように構成されている、
請求項1に記載のダンプトラック。
【請求項3】
前記制御装置は、前記第1センサが前記ダンプフレームの固定を検知していること、および、前記第2センサが前記ダンプフレームの着床を検知していること、のうちの少なくとも一方を含む所定の場合に、前記操作端による前記シリンダの伸縮操作を許可する、
請求項2に記載のダンプトラック。
【請求項4】
前記ロック装置は、前記荷台が所定位置よりも前方に位置しているときに前記ダンプフレームの固定を解除し、前記荷台が前記所定位置よりも後方に位置しているときに前記ダンプフレームを固定する、
請求項3に記載のダンプトラック。
【請求項5】
前記ロック装置は、前記シャシフレームに着床した状態の前記ダンプフレームと前記シャシフレームとに係合するロック位置と、前記シャシフレームまたは前記ダンプフレームから離れるアンロック位置とに移動する係合部材を備え、
前記荷台に連結され、前記荷台が前記所定位置よりも前方に位置している状態では前記係合部材に当接して前記係合部材を前記アンロック位置に押しやるロック解除部材をさらに備えている、
請求項4に記載のダンプトラック。
【請求項6】
前記ロック装置は、前記シャシフレームに着床した状態の前記ダンプフレームと前記シャシフレームとに係合するロック位置と、前記シャシフレームまたは前記ダンプフレームから離れるアンロック位置とに移動する係合部材を備え、
前記第1センサは、前記係合部材が前記ロック位置に位置していることを検知することにより、前記ロック装置が前記ダンプフレームを固定していることを検知する、
請求項2に記載のダンプトラック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンプトラックに関する。
【背景技術】
【0002】
土砂などの運搬と建設車両の運搬とを行うことができるダンプトラックが従来から知られている。例えば、特許文献1には、車体の上に配置され第1枢軸周りに揺動する揺動枠(ダンプフレーム)と、伸縮するとともに第2枢軸周りに回動するスライドシリンダと、揺動枠上に配置され、スライドシリンダの伸縮に伴って前後方向に移動しかつスライドシリンダとともに回動する荷台と、を備えた運搬車両が開示されている。特許文献1に開示された運搬車両では、スライドシリンダを伸ばして荷台を後方に移動させると、スライドシリンダおよび荷台が後方下がりに回動する。これにより、荷台が地面に接地し、建設車両が荷台に乗り込み可能となる。
【0003】
特許文献1に開示された運搬車両は、荷台が前進限よりも後退した状態では揺動枠の車体からの浮き上がりを阻止するように揺動枠と車体とを係合し、荷台が前進限にあるときには揺動枠と車体との係合を解除する浮き上がり防止機構を備えている。これにより、荷台が後退したときに荷台に引っ張られて揺動枠がダンプすることが防止されている。また、特許文献1に開示された運搬車両は、揺動枠が車体に伏倒した姿勢にあることを検知可能な着床センサを備えている。特許文献1に開示された運搬車両は、揺動枠が伏倒していることを着床センサが検知していないと、荷台をスライドさせて地面に降ろす作業ができないように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明者の知見によれば、例えば特許文献1に記載されたようなダンプトラックにおいて積荷を乗せた状態の荷台を後退させると、荷台が傾こうとする力を受け、ダンプフレームが反る場合がある。ダンプフレームが反る要因の1つとしては、ロック装置(特許文献1では、浮き上がり防止機構)によってダンプフレームがシャシフレームに固定されていることが挙げられる。ダンプフレームがシャシフレームに固定されていると、ダンプフレームは、荷台が傾こうとする力を受けてもダンプしないが、代わりに上記したように反ることがある。かかるダンプフレームの反りは、例えば、荷台の後ろの方に建設車両を載せた場合に生じ得る。
【0006】
本願発明者のさらなる知見によれば、このような高負荷によってダンプフレームが反ると、ダンプフレームがシャシフレームに着床していることを検知するセンサの検知範囲からダンプフレームが外れ、センサがダンプフレームの着床を検知しなくなる可能性がある。例えば特許文献1に開示された運搬車両でそのような非検知が起きると、エラーが発生し、荷台をスライドさせて地面に降ろす作業が中止される。
【0007】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ダンプフレームに加わる負荷が大きい状況であっても荷台のスライド動作を継続しやすいダンプトラックを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ここに開示するダンプトラックは、前後方向に延びるシャシフレームと、前記シャシフレームに支持され車幅方向に延びる第1回動軸と、前記シャシフレームの上に配置され前記第1回動軸周りに回動するダンプフレームと、前記ダンプフレームに支持され車幅方向に延びる第2回動軸と、前後方向に伸縮可能なロッドを備え前記第2回動軸周りに回動するシリンダと、前記ロッドに連結され、前記ロッドの伸縮に従って前後方向に移動するとともに、前記シリンダとともに前記第2回動軸周りに回動する荷台と、前記ダンプフレームが前記シャシフレームに着床した状態で、前記ダンプフレームの前端部と前記シャシフレームとを固定可能なロック装置と、前記ロック装置の近傍に設けられ、前記ロック装置が前記ダンプフレームを固定していること、または、前記ダンプフレームが前記シャシフレームに着床していることを検知する第1センサと、前記シリンダの伸縮操作を行うことが可能な操作端と、前記第1センサおよび前記操作端に接続されるとともに前記シリンダを制御する制御装置と、を備える。前記制御装置は、前記ダンプフレームの固定または着床を前記第1センサが検知していることを含む所定の場合に、前記操作端による前記シリンダの伸縮操作を許可する。
【0009】
上記ダンプトラックによれば、第1センサは、ロック装置がダンプフレームを固定していることを検知するか、または、ダンプフレームがシャシフレームに着床していることをロック装置の近傍で検知する。第1センサがロック装置の固定を検知する場合、第1センサの検知は、ダンプフレームの反りの影響を受けない。第1センサがダンプフレームの着床を検知する場合でも、第1センサはロック装置の近傍に設けられているため、第1センサの検知は、ダンプフレームの反りの影響を受けにくい。よって、上記ダンプトラックによれば、ダンプフレームに加わる負荷が大きい状況であっても荷台のスライド動作を継続できることが多い。
【0010】
本発明のダンプトラックの好ましい一態様によれば、ダンプトラックは、前記ダンプフレームが前記シャシフレームに着床していることを検知する第2センサをさらに備えている。前記第2センサは、前記第1センサよりも後方に設けられている。前記第1センサは、前記ロック装置が前記ダンプフレームを固定していることを検知するように構成されている。
【0011】
上記ダンプトラックによれば、第1センサはロック装置によるダンプフレームの固定を検知し、第1センサが直接的には検知しないダンプフレームの着床は第2センサが検知している。そのため、上記ダンプトラックによれば、ダンプフレームの着床をより確実に検知することができる。
【0012】
上記ダンプトラックの好ましい一態様によれば、前記制御装置は、前記第1センサが前記ダンプフレームの固定を検知していること、および、前記第2センサが前記ダンプフレームの着床を検知していること、のうちの少なくとも一方を含む所定の場合に、前記操作端による前記シリンダの伸縮操作を許可する。
【0013】
上記ダンプトラックによれば、前記第1センサによる前記ダンプフレームの固定検知、および、前記第2センサによる前記ダンプフレームの着床検知のうちのどちらか一方がされない場合であっても、シリンダの伸縮操作が許可される。よって、上記ダンプトラックによれば、荷台のスライド動作をさらに継続しやすくすることができる。
【0014】
上記ダンプトラックの好ましい一態様によれば、前記ロック装置は、前記荷台が所定位置よりも前方に位置しているときに前記ダンプフレームの固定を解除し、前記荷台が前記所定位置よりも後方に位置しているときに前記ダンプフレームを固定するように構成されている。
【0015】
上記態様によれば、荷台が所定位置よりも前方に位置しているときには、荷台をダンプ可能なようにダンプフレームの固定が解除される。そのため、荷台が所定位置よりも前方に位置しているとき、第1センサは、ロック装置によるダンプフレームの固定を検知しない。ただし、その間は、第2センサによるダンプフレームの着床の検知に基づいて操作端によるシリンダの伸縮操作が許可され、これにより、荷台のスライド作業を行うことができる。
【0016】
上記ダンプトラックの好ましい一態様によれば、前記ロック装置は、前記シャシフレームに着床した状態の前記ダンプフレームと前記シャシフレームとに係合するロック位置と、前記シャシフレームまたは前記ダンプフレームから離れるアンロック位置とに移動する係合部材を備えている。ダンプトラックは、前記荷台に連結されたロック解除部材をさらに備えている。前記ロック解除部材は、前記荷台が前記所定位置よりも前方に位置している状態では前記係合部材に当接して前記係合部材を前記アンロック位置に押しやる。
【0017】
上記態様によれば、荷台を所定位置よりも前方に位置させることによってロック解除部材が係合部材に当接し、特に制御を行うことなくロック装置によるダンプフレームの固定を解除することができる。
【0018】
ロック装置がダンプフレームを固定していることを第1センサで検知する態様のうちの好ましい一態様によれば、前記ロック装置は、前記シャシフレームに着床した状態の前記ダンプフレームと前記シャシフレームとに係合するロック位置と、前記シャシフレームまたは前記ダンプフレームから離れるアンロック位置とに移動する係合部材を備えている。前記第1センサは、前記係合部材が前記ロック位置に位置していることを検知することにより、前記ロック装置が前記ダンプフレームを固定していることを検知する。
【0019】
上記態様によれば、係合部材の位置を第1センサで検知することにより、ロック装置がダンプフレームを固定していることを確実に検知できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るダンプトラックによれば、ダンプフレームに加わる負荷が大きい状況であっても荷台のスライド動作を継続しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】一実施形態に係るローダーダンプの側面図である。
【
図2】ローダーダンプのダンプ動作時およびスライド動作時の側面図である。
【
図3】ダンプフレームおよびガイドフレームの平面図である。
【
図4】ダンプフレームおよびガイドフレームの側面図である。
【
図5】ロック状態のときのロック装置の側面図である。
【
図6】アンロック状態のときのロック装置の側面図である。
【
図8】荷台のスライド動作に係るフローチャートである。
【
図9】ダンプフレームの反りを示す模式図なローダーダンプの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
[ローダーダンプの構成]
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の一形態について説明する。なお、複数の実施形態を説明する際には、同じ作用を奏する部材、部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0023】
図1は、一実施形態に係るローダーダンプ1の側面図である。
図1に示すように、本実施形態に係るローダーダンプ1は、前後方向に延びるシャシフレーム10と、シャシフレーム10に支持されたキャブ5と、シャシフレーム10の上に配置され上下方向に回動するダンプフレーム20と、ダンプフレーム20上に配置された荷台30と、を備えている。シャシフレーム10は、前輪3Fおよび後輪3Bに支持されている。キャブ5の内部には、図示しない運転席が設けられている。以下の説明では特に断らない限り、前、後、左、右、上、下とは、上記運転席に座った運転手から見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味することとする。
【0024】
図2は、ローダーダンプ1のダンプ動作時およびスライド動作時の側面図である。
図2に示すように、ローダーダンプ1は、荷台30を傾斜させるダンプ動作が可能である。ローダーダンプ1は、ダンプフレーム20の回動軸である第1回動軸15を備えている。第1回動軸15は、シャシフレーム10に設けられ、車幅方向に延びている。ここでは、第1回動軸15は、シャシフレーム10の後端部に設けられている。第1回動軸15は、他の部材を介して間接的にシャシフレーム10に支持されていてもよい。ダンプフレーム20は、シャシフレーム10の上に配置され、第1回動軸15周りに回動する。ダンプフレーム20は、ダンプヒンジ21を介して、上下方向に回動可能に第1回動軸15に係合している。
【0025】
ダンプフレーム20は、図示しないホイスト機構により前部が持ち上げられ、第1回動軸15周りに回動することにより傾斜する。ホイスト機構は、例えば、リフトアームと油圧シリンダとを有している。油圧シリンダが収縮した状態では、ダンプフレーム20は水平な状態となり、荷台30は水平な姿勢を保つ。一方、油圧シリンダが伸張するとダンプフレーム20の前部が持ち上げられ、ダンプフレーム20が第1回動軸15周りに回動する。これにより、ダンプフレーム20および荷台30は、後ろ下がりに傾斜する。以下、この状態をダンプ状態ともいう。以下の図面では、荷台30が傾斜していない状態を符号S1で、ダンプ状態を符号S2で示す。
【0026】
図2に示すように、ローダーダンプ1は、荷台30をダンプフレーム20に沿ってスライドさせるスライド動作が可能である。荷台30を後方にスライドさせて一部をダンプフレーム20よりも後方に突き出させると、荷台30は、突き出した部分の重量によって、後ろ下がりに回動する。
図2に示すように、ローダーダンプ1は、ダンプフレーム20に設けられ車幅方向に延びる第2回動軸25と、第2回動軸25周りに回動するガイドフレーム40およびスライドシリンダ50と、を備えている。
【0027】
図3は、ダンプフレーム20およびガイドフレーム40の平面図である。
図4は、ダンプフレーム20およびガイドフレーム40の側面図である。
図3および
図4に示すように、ダンプフレーム20は、平面視において略矩形の枠状に構成され、前後方向に延びている。第2回動軸25は、ダンプフレーム20の後端部に設けられている。スライドシリンダ50の回動軸としての第2回動軸25は、第1回動軸15と共用されてもよい。ただし、第2回動軸25は、ダンプフレーム20に対する位置が不変である必要があり、実質的にダンプフレーム20に設けられていることを要する。
図3に示すように、ダンプフレーム20は、後述する着床センサ75(
図1参照)が取り付けられるセンサ取付板22を備えている。着床センサ75は、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床していることを検知するセンサである。センサ取付板22は、ダンプフレーム20の前後方向の中央部に設けられている。
【0028】
図3および
図4に示すように、ガイドフレーム40は、第2回動軸25よりも前方に設けられダンプフレーム20に固定された前方側フレーム40Fと、第2回動軸25よりも後方に設けられ第2回動軸25周りに回動する後方側フレーム40Rrと、を備えている。前方側フレーム40Fは、それぞれ前後方向に延びる左右一対のガイド部41を備えている。ガイド部41は、略コの字の断面形状を有している。荷台30は、ガイド部41のコの字の内部を転がる図示しないローラを備えている。ローラがガイド部41内を転がることにより、荷台30は、ガイドフレーム40に沿って前後方向に移動可能である。
図4に示すように、ガイド部41は、後ろ上がりに傾斜する傾斜部41aを前方部分に備えている。
【0029】
後方側フレーム40Rrは、ダンプフレーム20よりも後方に張り出している。後方側フレーム40Rrは、上下方向に回動可能に第2回動軸25に係合している。後方側フレーム40Rrは、荷台30が乗る図示しないローラを第2回動軸25の前後に備えている。荷台30は、後退を開始すると、傾斜部41aに沿って前側が持ち上がり、後方側フレーム40Rrとともに、後ろ下がりの回動を開始する。荷台30は、後方側フレーム40Rr上では、図示しないローラに支持される。
【0030】
スライドシリンダ50は、ガイドフレーム40の後方側フレーム40Rrに支持されており、後方側フレーム40Rrとともに第2回動軸25周りに回動する。スライドシリンダ50は、例えば、油圧シリンダである。
図1に示すように、スライドシリンダ50は、前後方向に伸縮可能なロッド51と、ロッド51を収納するチューブ52と、を備えている。チューブ52の後端部は、上下方向に揺動可能に後方側フレーム40Rrに支持されている。ただし、チューブ52は、揺動不能に後方側フレーム40Rrに固定されていてもよい。または、チューブ52は、第2回動軸25によって直接かつ回動可能に支持されていてもよい。ロッド51の後端部は、上下方向に揺動可能に荷台30の底板31に接続されている。
【0031】
荷台30は、スライドシリンダ50のロッド51に連結され、ロッド51の伸縮に従って前後方向に移動する。荷台30は、また、スライドシリンダ50とともに第2回動軸25周りに回動する。ここでは、荷台30は、ガイドフレーム40に沿って前後方向に移動し、ガイドフレーム40の後方側フレーム40Rrおよびスライドシリンダ50とともに回動する。
図2に示すように、荷台30を完全に降ろした状態では、荷台30の後端部は地面に接地する。以下、この状態を接地状態とも呼び、図面では符号S3で表す。
【0032】
図1に示すように、荷台30は、底板31と、左右一対の側板32と、後壁を形成するテールゲート33と、を有している。テールゲート33は、テールゲート33の上端部に設けられた上方ヒンジ軸34に回動可能に支持されるとともに、テールゲート33の下端部に設けられた下方ヒンジ軸35に回動可能に支持されている。土砂排出時には、テールゲート33を上方ヒンジ軸34周りに回転可能とすることにより、荷台30の傾斜に伴って荷台30内の土砂を地面に排出することができる。建設車両を積み込む際または降ろす際には、荷台30を接地状態とし、テールゲート33を下方ヒンジ軸35周りに後方に回動させることにより、テールゲート33を接地する。これにより、建設車両を荷台30に積み込むことができ、または、建設車両を荷台30から降ろすことができる。
【0033】
ローダーダンプ1は、シャシフレーム10に着床した状態でダンプフレーム20を固定可能なロック装置60と、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることを検知するロックセンサ70と、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床していることを検知する着床センサ75と、を備えている。
【0034】
図1に示すように、ロック装置60は、第1回動軸15よりも前方に設けられている。ロック装置60は、ここでは、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床した状態で、ダンプフレーム20の前端部とシャシフレーム10とを固定する。ここで、「ダンプフレーム20の前端部」とは、例えば、ダンプフレーム20の前方側3分の1以内の部分のことを指す。また、「固定」とは、ダンプフレーム20を実質的に回動不能な状態とすることを意味しており、若干のガタ等によって動き得る状態を含む。以下、ロック装置60がダンプフレーム20を固定している状態をロック状態と、ロック装置60がダンプフレーム20を自由にしている状態をアンロック状態とも呼ぶ。
【0035】
図5は、ロック状態のときのロック装置60の側面図である。
図6は、アンロック状態のときのロック装置60の側面図である。
図5に示すように、本実施形態では、ロック装置60は、ダンプフレーム20の側面に設けられている。ただし、ロック装置60は、シャシフレーム10の側に設けられていてもよい。ロック装置60は、シャシフレーム10のシャフト11に係止されるフック61と、フック61の回転軸62と、フック61とダンプフレーム20との間に張り渡されたスプリング63と、ロックセンサ70によって検知される検知板64と、を備えている。
図5に示すように、シャシフレーム10のシャフト11は、車幅方向に延びる円柱状の部材である。
【0036】
フック61は、シャシフレーム10とダンプフレーム20とに係合する係合部材の一例である。フック61は、ここでは、回転軸62を介してダンプフレーム20に常時係合している。フック61は、シャシフレーム10に着床した状態のダンプフレーム20とシャシフレーム10とに係合するロック位置(
図5に示す位置)と、シャシフレーム10から離れるアンロック位置(
図6に示す位置)とに移動する。なお、ロック装置60がシャシフレーム10の側に設けられている場合には、フック61は、アンロック位置においてダンプフレーム20から離れてもよい。
【0037】
回転軸62は、ダンプフレーム20の側面に設けられ、車幅方向に延びている。フック61は、回転軸62周りに回転可能である。フック61は、回転軸62よりも上方に位置する上方部分61Uと、回転軸62よりも下方に位置する下方部分61Dと、を有している。フック61の下方部分61Dには、シャシフレーム10のシャフト11が挿入される鉤部61aが形成されている。フック61の上方部分61Uには、スプリング63の一端が係止されるスプリング係止部61bが形成されている。スプリング63の他端は、ダンプフレーム20の側面に係止されている。スプリング63は、伸ばされた状態でフック61とダンプフレーム20との間に張り渡されている。スプリング63の復元力によってフック61に回転力が生じ、この回転力により、
図5に示すように、フック61は、ロック位置に保持される。
【0038】
フック61の下端には、ロックセンサ70によって検知される検知板64が取り付けられている。ただし、ロックセンサ70によって検知されるのは、フック61そのものであってもよい。ロックセンサ70は、着床センサ75よりもロック装置60の近くに設けられている。ロックセンサ70は、ここでは、フック61がロック位置にあるときの検知板64の側方に設けられている(
図5では、ロックセンサ70と検知板64とは、紙面奥行き方向に並んでいる)。ロックセンサ70は、例えば、近接センサである。ただし、ロックセンサ70の種類は、特に限定されない。
図5に示すように、ロック装置60がロック状態のとき、検知板64は、ロックセンサ70に近接し、ロックセンサ70に検知される。ロックセンサ70は、フック61がロック位置に位置していることを検知することにより、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることを検知する。
【0039】
図6に示すように、ロック装置60は、荷台30が所定位置よりも前方に位置しているときには、ダンプフレーム20の固定を解除するように構成されている。これは、ダンプフレーム20をダンプできるようにするためである。荷台30の所定位置は、ここでは、荷台30の可動範囲の最前位置である。ただし、荷台30の所定位置は、荷台30のダンプ動作を行っても問題ない位置である限りにおいて限定されない。ロック装置60は、荷台30が上記所定位置(ここでは、最前位置)よりも後方に位置しているときには、ダンプフレーム20を固定する。
【0040】
図6に示すように、ローダーダンプ1は、荷台30が所定位置よりも前方に位置している状態ではフック61に当接し、フック61をアンロック位置に押しやるロック解除板36を備えている。ロック解除板36は、荷台30の側面に連結され、荷台30とともに前後方向に移動する。
図6に示すように、荷台30が最前位置まで移動すると、ロック解除板36がフック61の上方部分61Uを前方に押す。これにより、スプリング63の付勢力に逆らってフック61の上方部分61Uが前方に回転される。その結果、下方部分61Dの鉤部61aが後方に移動し、シャシフレーム10のシャフト11から外れる。そのため、ダンプフレーム20は、アンロック状態となる。
【0041】
図6に示すように、ダンプフレーム20がアンロック状態になると、検知板64は、ロックセンサ70の近傍から移動する。そのため、ロックセンサ70は、検知板64を検知できなくなる。ロックセンサ70は、これにより、ロック装置60がダンプフレーム20を固定しているかどうかを検知する。
【0042】
着床センサ75は、ダンプフレーム20のセンサ取付板22に取り付けられている。
図1に、着床センサ75の位置を示す。
図1に示すように、着床センサ75は、ロックセンサ70よりも後方に設けられている。着床センサ75は、ここでは、ダンプフレーム20の前後方向の中央部に配置されている。着床センサ75は、例えば、近接センサである。ただし、着床センサ75の種類は限定されない。着床センサ75は、例えば、シャシフレーム10によって押される可動部を備えた接触式のセンサであってもよい。着床センサ75は、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床した状態では、シャシフレーム10の近傍に位置し、シャシフレーム10を検知する。ダンプフレーム20がダンプすると、着床センサ75は、シャシフレーム10から遠ざかり、シャシフレーム10を検知できなくなる。着床センサ75は、これにより、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床しているかどうかを検知する。なお、着床センサ75は、シャシフレーム10に設けられ、ダンプフレーム20を検知してもよい。
【0043】
図7は、スライドシリンダ50の制御ブロック図である。スライドシリンダ50は、例えば、制御回路が駆動する電磁弁によって油圧を制御することにより制御されるが、
図7では、制御回路85がスライドシリンダ50を直接制御しているように図示する。
図7に示すように、ローダーダンプ1は、スライドシリンダ50の伸縮操作を行うことが可能な操作スイッチ80と、例えば油圧系統を介してスライドシリンダ50を制御する制御回路85と、を備えている。操作スイッチ80は、例えば、キャブ5内に設けられている。制御回路85は、ロックセンサ70、着床センサ75、および操作スイッチ80に接続されている。なお、ロックセンサ70、着床センサ75、および操作スイッチ80に接続されスライドシリンダ50を制御するものは、実際に配線された回路でなくてもよく、プログラマブルコントローラやマイクロコンピュータ等によって構成された制御装置であってもよい。制御装置は、ソフトウェアによって構成された部分と、ハードウェアによって構成された部分とを含んでいてもよい。
【0044】
制御回路85は、ロックセンサ70がロック装置60によるダンプフレーム20の固定を検知していること、および、着床センサ75がダンプフレーム20の着床を検知していること、のうちの少なくとも一方を含む所定の場合に、操作スイッチ80によるスライドシリンダ50の伸縮操作を許可する。
図7に示すように、制御回路85は、ロックセンサ70がロック装置60のロック状態を検知している場合に接続される接点86と、着床センサ75がダンプフレーム20の着床を検知している場合に接続される接点87と、操作スイッチ80によりスライドシリンダ50を伸ばす操作が行われると接続される接点88と、操作スイッチ80によりスライドシリンダ50を縮める操作が行われると接続される接点89と、を備えている。
【0045】
図7に示すように、制御回路85において、操作可能条件の判別回路85Aは、接点86および接点87を含んで構成されている。判別回路85Aにおいて、接点86と接点87とは、並列に設けられている。そのため、ロックセンサ70がダンプフレーム20の固定を検知するか、または、着床センサ75がダンプフレーム20の着床を検知すると、判別回路85Aは接続される。以下、ロックセンサ70がダンプフレーム20の固定を検知している状態、および、着床センサ75ダンプフレーム20のシャシフレーム10への着床を検知している状態を、それぞれ、ロックセンサ70、着床センサ75がONしていると呼ぶ。また、検知していない状態をOFFしているとも呼ぶ。操作回路85Bは、接点88および接点89を含んで構成され、判別回路85Aと直列に接続されている。操作回路85Bにおいては、接点88を含む系統と接点89を含む系統とが分岐している。接点88を含む系統は、スライドシリンダ50を伸ばす側の油圧回路に接続されている。接点89を含む系統は、スライドシリンダ50を縮める側の油圧回路に接続されている。従って、着床センサ75およびロックセンサ70のうちの少なくとも一方がONしている状態では、スライドシリンダ50を伸ばす操作、または縮める操作が可能である。なお、図示は省略するが、操作可能条件の判別回路85Aは、他の操作可能条件に基づく他の回路や接点をさらに備えていてもよい。
【0046】
[荷台のスライド動作]
図8は、荷台30のスライド動作に係るフローチャートである。ここでは、荷台30を最前位置から後方にスライドさせて接地させる動作について説明する。
図8に示すように、荷台30の接地のステップS01では、操作スイッチ80によって荷台30を後退させる操作が行われる。ステップS02では、着床センサ75がONしているかどうかが判定される。着床センサ75がONしている場合(ステップS02の結果がYESの場合)、ステップS04において荷台30のスライド動作が許可される。
【0047】
ステップS02において着床センサ75がOFFしている場合(ステップS02の結果がNOの場合)、ステップS03においてロックセンサ70がONしているかどうかが判定される。ロックセンサ70がONしている場合(ステップS03の結果がYESの場合)、ステップS04において荷台30のスライド動作が許可される。ロックセンサ70がOFFしている場合(ステップS03の結果がNOの場合)、ステップS05において荷台30のスライド動作が不可とされる。なお、ステップS02およびS03の「判定」は、ここでは、制御回路85の対応箇所が接続されているか、切断されているかに基づく結果を意味している。
【0048】
荷台30を最前位置から後方にスライドさせようとする場合、ステップS01の段階では、ロック装置60はアンロック状態である。そのため、ロックセンサ70はOFFであり、ステップS03の結果はNOである。ただし、このとき、ダンプフレーム20をシャシフレーム10に着床させていれば、着床センサ75はONであり、ステップS02の結果はYESである。そのため、荷台30のスライド動作を開始することができる。
【0049】
荷台30を後退させ、最前位置から移動させると、ロック装置60は、ロック状態となる。これにより、ロックセンサ70がONする。
【0050】
荷台30をさらに後退させていくと、荷台30は、後ろ下がりに回動を開始する。このとき、ダンプフレーム20は、ガイドフレーム40を介して、荷台30が傾こうとする回転力を受ける。荷台30が傾こうとする力を受けても、ダンプフレーム20は、ロック装置60によってシャシフレーム10に固定されているため、ダンプはしない。しかし、この荷台30の回転力により、ダンプフレーム20が反ることがある。例えば、荷台30の後ろの方に建設車両が載せられ、ダンプフレーム20に加わる負荷が高い場合、このようなことが起こり得る。
【0051】
図9は、ダンプフレーム20の反りを示す模式図なローダーダンプ1の側面図である。
図9に示すように、ダンプフレーム20は、荷台30から力を受けると、ガイドフレーム40を介して荷台30のローラが係合する中央部が持ち上がるように上に凸する。このダンプフレーム20の反りにより、着床センサ75がOFFすることがあり得る。
【0052】
従来のローダーダンプでは、ダンプフレームがシャシフレームに着床しているかどうかは、本実施形態の着床センサ75と同様の着床センサによって検知されていた。荷台をスライドさせることの可否は、ダンプフレームのダンプ状態に関する限り、着床センサの検出結果だけに基づいて判定されていた。そのため、上記したようなダンプフレームの反りによって着床センサがOFFすると、荷台のスライド動作が不可能となっていた。
【0053】
ダンプフレームが反っても着床センサがOFFしないように着床センサの検知範囲を広げると、上記した問題は抑制される。しかし、ダンプフレームが完全に着床していない状態でも荷台のスライド動作が可能となるため、このような対応は適切でない。
【0054】
それに対して、本実施形態に係るローダーダンプ1は、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることを検知するロックセンサ70を備えている。制御回路85は、ダンプフレーム20の固定をロックセンサ70が検知していることを含む所定の場合に、操作スイッチ80によるスライドシリンダ50の伸縮操作を許可するように構成されている。ロックセンサ70によるダンプフレーム20の固定検知は、ダンプフレーム20の反りの影響を受けない。従って、ダンプフレーム20に加わる負荷によってロックセンサ70がOFFとなることはない。そのため、本実施形態に係るローダーダンプ1によれば、ダンプフレーム20に加わる負荷が大きい状況であっても、荷台30のスライド動作が途中で中止されず、継続できる。
【0055】
[本実施形態の他の作用効果]
以下に、本実施形態に係るローダーダンプ1が奏することができる他の作用効果を記載する。
【0056】
本実施形態では、ローダーダンプ1は、ロックセンサ70よりも後方に設けられ、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床していることを検知する着床センサ75を備えている。かかる構成によれば、ロックセンサ70が直接的には検知しないダンプフレーム20の着床を着床センサ75が検知する。そのため、本実施形態に係るローダーダンプ1によれば、ダンプフレーム20のシャシフレーム10への着床を確実に検知することができる。
【0057】
本実施形態では、制御回路85は、ロックセンサ70がダンプフレーム20の固定を検知していること、および、着床センサ75がダンプフレーム20の着床を検知していること、のうちの少なくとも一方を含む所定の場合に、操作スイッチ80によるスライドシリンダ50の伸縮操作を許可する。かかる構成によれば、ロックセンサ70によるダンプフレーム20の固定検知、および、着床センサ75によるダンプフレーム20の着床検知のうちのどちらか一方がされない場合であっても、スライドシリンダ50の伸縮操作が許可される。よって、本実施形態に係るローダーダンプ1によれば、荷台30のスライド動作をさらに継続しやすくなる。
【0058】
本実施形態では、ロック装置60は、荷台30が所定位置よりも前方に位置しているときにダンプフレーム20の固定を解除し、荷台30が所定位置よりも後方に位置しているときにダンプフレーム20を固定するように構成されている。かかる構成によれば、荷台30が所定位置よりも前方に位置しているとき、ロックセンサ70はOFFである。ただし、その間は、着床センサ75によるダンプフレーム20の着床の検知に基づいて荷台30のスライド操作が許可される。ダンプフレーム20の反りによる着床センサ75の意図しないOFFは、基本的には、荷台30がある程度後退し、回動を開始した後に発生する。よって、荷台30が前の方に位置しロックセンサ70がOFF状態のときに、着床センサ75も同時にOFFとなることは起こりにくい。
【0059】
本実施形態では、ローダーダンプ1は、荷台30に連結され、荷台30が所定位置よりも前方に位置している状態ではフック61に当接してフック61をアンロック位置に押しやるロック解除板36を備えている。かかる構成によれば、荷台30を所定位置よりも前方に位置させることによって、特に制御を行うことなくロック装置60によるダンプフレーム20のロックを解除することができる。
【0060】
本実施形態では、ロック装置60は、シャシフレーム10に着床した状態のダンプフレーム20とシャシフレーム10とに係合するロック位置と、シャシフレーム10から離れるアンロック位置とに移動するフック61を備えている。ロックセンサ70は、フック61がロック位置に位置していることを検知することにより、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることを検知する。かかる構成によれば、フック61の位置をロックセンサ70で検知することにより、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることを確実に検知できる。なお、フック61は、アンロック位置において、シャシフレーム10からではなく、ダンプフレーム20から離れてもよい。
【0061】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態に係るローダーダンプ1について説明した。しかし、本発明は、他の態様で実施することもできる。
【0062】
例えば、上記した実施形態では、ロック装置60の近傍に設けられた第1のセンサは、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることを検知するロックセンサ70であった。しかし、第1のセンサは、これに限定されない。第1のセンサは、ロック装置60の近傍に設けられ、ダンプフレーム20がシャシフレーム10に着床していることを検知するセンサであってもよい。例えば、第2のセンサは、シャシフレーム10に設けられ、ダンプフレーム20を検知するセンサであってもよい。または、第2のセンサは、例えば、ダンプフレーム20に設けられ、シャシフレーム10を検知するセンサであってもよい。このような第1のセンサは、ロック装置60の近傍に設けられているため、ダンプフレーム20の反りの影響を受けにくい。よって、かかる第1のセンサによっても、ダンプフレーム20の反りの影響を低減し、ダンプフレーム20のスライド動作を継続しやすくすることができる。
【0063】
また、例えば、上記した実施形態では、ロック装置60がダンプフレーム20を固定していることはフック61の位置によって検出されたが、他の方式によって検出されてもよい。例えば、ロック装置は、シリンダ等のアクチュエータによって駆動されてダンプフレームを固定または固定解除してもよい。そのような場合には、ロックセンサは、例えば、アクチュエータの状態を検知することにより、ロック装置がダンプフレームを固定していることを検知してもよい。
【0064】
その他、特に言及されない限り、実施形態は本発明を限定しない。例えば、ローダーダンプは、ロック装置の近傍に設けられ、ロック装置がダンプフレームを固定していること、または、ダンプフレームがシャシフレームに着床していることを検知する第1のセンサを備え、第2のセンサを備えなくてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 ローダーダンプ(ダンプトラック)
10 シャシフレーム
15 第1回動軸
20 ダンプフレーム
25 第2回動軸
30 荷台
36 ロック解除板(ロック解除部材)
50 スライドシリンダ(シリンダ)
51 ロッド
60 ロック装置
61 フック(係合部材)
70 ロックセンサ(第1センサ)
75 着床センサ(第2センサ)
80 操作スイッチ(操作端)
85 制御回路(制御装置)