(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163888
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】プログラム、システム及び情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/20 20230101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q10/00 300
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075097
(22)【出願日】2022-04-28
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-06
(71)【出願人】
【識別番号】000205535
【氏名又は名称】株式会社 商船三井
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】住田 勇武
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA00
(57)【要約】
【課題】作業者の必要に応じて船舶における保守作業を支援する技術を提供する。
【解決手段】船舶の保守作業を支援するためのプログラムは、装置のコンピュータに、船舶の保守作業に関する保守支援情報を装置が備える記憶部に保存することと、保守支援情報を記憶部から取得することと、保守支援情報を表示することと、保守支援情報に基づいて保守作業に関連する保守作業情報を取得することと、保守作業情報を記憶部に保存することと、を実行させ、保守支援情報は、船舶内の位置情報と船舶内の位置情報に関連付けられた保守項目を示す情報を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置のコンピュータに、
船舶の保守作業に関する保守支援情報を前記装置が備える記憶部に保存することと、
前記保守支援情報を前記記憶部から取得することと、
前記保守支援情報を表示することと、
前記保守支援情報に基づいて保守作業に関連する保守作業情報を取得することと、
前記保守作業情報を前記記憶部に保存することと、
を実行させる船舶の保守作業を支援するためのプログラムであって、
前記保守支援情報は、船舶内の位置情報と前記船舶内の位置情報に関連付けられた保守対象を示す情報を含む、
プログラム。
【請求項2】
前記保守対象は、少なくとも1つの保守項目を含み、
前記保守項目は、保守済項目と保守対象項目を含み、
前記保守項目を示す情報は、保守済項目と保守対象項目とが識別可能な態様で示される画像データを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守作業情報を保守対象の位置情報と関連付けて取得することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守対象に関するテキストデータを保守作業情報として取得することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守対象の画像データを保守作業情報として取得することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記保守作業情報を取得することは、オフライン中に前記保守作業情報の取得に関連する設定を制限することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を制限することは、画像取得モードを低画質モードに制限することを含む、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を制限することは、画像データの圧縮形式を高圧縮率形式に制限することを含む、
請求項5に記載のプログラム。
【請求項9】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守作業情報を編集することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項10】
前記保守作業情報を編集することは、前記保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、前記保守作業情報の一部を切り取ることを含む、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記保守対象は、画像データを含み、
前記保守作業情報を取得することは、前記保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、前記画像データの画質を下げることを含む、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項12】
前記保守作業情報を編集することは、前記保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、前記保守作業情報の編集を促す通知を出力することを含む、
請求項9に記載のプログラム。
【請求項13】
前記保守作業情報を保存することは、前記保守対象に含まれる保守項目毎に記憶可能なデータ量が設定された前記記憶部に保存することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
前記保守支援情報は、船舶の航路及び船舶の種類に基づいて生成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
前記保守支援情報は、過去の保守履歴に基づいて生成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項16】
前記保守支援情報を表示することは、ユーザの位置情報を取得し、前記ユーザの位置情報に対応する前記船舶内の位置情報に関連付けられた保守項目を表示することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項17】
前記保守作業情報を表示することをさらに備え、
前記保守作業情報は、外部装置から取得された前記保守対象に関するデータを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項18】
外部装置との通信を制御することをさらに備え、
前記通信を制御することは、前記保守作業情報を前記外部装置に出力することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項19】
前記通信を制御することは、船舶の航路、船舶の種類、及び過去の保守履歴に基づいて作成されるインシデント予測情報を前記外部装置から取得することを含む、
請求項18に記載のプログラム。
【請求項20】
船舶の保守作業を支援するためのシステムであって、
前記システムは、情報処理装置及びサーバを備え、
前記情報処理装置は、
船舶の保守作業に関する保守支援情報を前記サーバから取得する保守支援情報取得部と、
前記保守支援情報を表示する表示部と、
前記保守支援情報に基づいて保守作業情報を取得する保守作業情報処理部と、
前記保守作業情報を保存する記憶制御部と、
前記サーバと通信する通信部と、
を備え、
前記サーバは、
前記保守作業情報を前記情報処理装置から取得する保守作業情報処理部と、
前記保守作業情報を記憶部に保存する記憶制御部と、
を備える、システム。
【請求項21】
請求項1乃至19の何れか1項に記載のプログラムを実行するプロセッサを備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、プログラム、システム及び情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
船舶に搭載されている機器や設備等の点検、修理、整備等のメンテナンス(以下、「保守」と総称する)は、安全管理マニュアル等に従い、熟練した作業者により実施されることが一般的であった。熟練した作業者による保守作業に関する経験を他の作業者とも共有し、作業者の経験に依存することなく保守作業を効果的に行うことを支援するため、情報共有が行われている。
【0003】
特許文献1には、保守作業に必要な情報をインターネット等のネットワークを介して取得し、保守作業に関するデータを集約するシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1では、船舶において発生した事象に基づいて保守作業に応じた支援情報が作業者に提供されるため、通常時における安全点検等の保守作業については支援情報が作業者に提供されない。そのため、作業者が保守作業を行う際に必要な情報を提供し、保守作業を支援する技術が求められている。
【0006】
さらに、海上では、ネットワークを介した通信環境が不安定である場合や、通信ができない場合がある。長時間、長距離の航路を運航する船舶では、そのような通信環境においても保守作業を行う必要がある。そのため、船外の電子機器と通信を行わないオフラインの状態でも船舶の乗務員による保守作業を支援する技術が求められている。
【0007】
この発明は、上記事情に着目してなされたもので、作業者の必要に応じて船舶における保守作業を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態において、船舶の保守作業を支援するためのプログラムは、装置のコンピュータに、船舶の保守作業に関する保守支援情報を装置が備える記憶部に保存することと、保守支援情報を記憶部から取得することと、保守支援情報を表示することと、保守支援情報に基づいて保守作業に関連する保守作業情報を取得することと、保守作業情報を記憶部に保存することと、を実行させ、保守支援情報は、船舶内の位置情報と船舶内の位置情報に関連付けられた保守対象を示す情報を含む。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係るシステムを例示するブロック図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る保守支援情報の主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る保守作業情報の主要なデータ構造を示す模式図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保守支援情報表示画像の一例を概略的に示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保守支援情報表示画像の別の例を概略的に示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保守支援情報表示画像のさらに別の例を概略的に示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保守作業情報表示画像のさらに一例を概略的に示す図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置による情報処理の手順を例示するフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置によるオンライン状態における情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、実施形態に係る情報処理装置によるオンライン状態における情報処理の手順の別の例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、実施形態に係るサーバによるオンライン状態における情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、実施形態に係るサーバによるオンライン状態における情報処理の手順の別の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて実施形態について説明する。各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
(構成例)
図1は、実施形態に係る保守支援システム100を例示するブロック図である。
保守支援システム100は、船舶3における保守作業を支援するためのシステムである。保守作業は、船舶3の乗務員等の作業者によって行われる船舶機器、及び船舶設備等の点検、修理、整備作業等を含む。保守作業は、メンテナンス作業ともいう。作業者は、法令、各船舶会社のルール等に遵守して保守作業を行う。作業者は、船舶3の運航中に保守作業を行う。作業者は、船舶3の停泊中に保守作業を行ってもよい。作業者は、ユーザ又は人と読み替えてもよい。
【0012】
保守支援システム100は、サーバ1、情報処理装置2-1~2-n、船舶3-1~3-n、及びPC(Personal Computer)4-1~4-nを含む。サーバ1、情報処理装置2-1~2-n、船舶3-1~3-n、及びPC4-1~4-nは、ネットワークを介して互いに通信自在に接続する。例えば、ネットワークは、インターネットである。ネットワークは、無線ネットワークを含んでもよいし、有線ネットワークを含んでもよい。なお、保守支援システム100は、情報処理装置2-1~2-n、船舶3、及びPC4-1~4-nのうちの少なくとも2つの機器を含むシステムを指すこともある。情報処理装置2-1~2-nは、船舶3-1に乗船する作業者2-1~2-nにより使用される。PC4-1~4-nの各々は、船舶3-1~3-nのそれぞれと対応するものであってもよい。以下の説明では、船舶3-1に乗船する作業者2-1により使用される情報処理装置2-1、及び船舶3-1の情報を管理するPC4-1について説明する。なお、船舶3-1~3-n、情報処理装置2-1~2-n、及びPC4-1~4-nは、船舶3、情報処理装置2、PC4と総称して説明する場合もある。
【0013】
サーバ1は、データを収集し、収集したデータを処理する電子機器である。電子機器は、コンピュータを含む。サーバ1は、ネットワークを介して、情報処理装置2、及びPC4と通信自在に接続する。サーバ1は、情報処理装置2、及びPC4から種々のデータを受け取り、情報処理装置2、及びPC4に種々のデータを出力する。サーバ1は、外部装置の一例である。サーバ1の構成例については後述する。
【0014】
情報処理装置2は、他の電子機器と通信可能な電子機器である。情報処理装置2は、例えば、船舶3における船舶機器、及び船舶設備の保守作業を行う際、作業者等が使用する機器である。情報処理装置2は、PC(Personal Computer)、スマートフォン、又は、タブレット端末等である。情報処理装置2の構成例については後述する。
【0015】
船舶3は、船種、航路等が異なる複数の船舶を含み得る。
【0016】
PC4は、他の電子機器と通信可能な電子機器である。PC4は、例えば、管理対象の船舶3において使用される情報処理装置2と通信可能な電子機器である。PC4は、例えば、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。
【0017】
サーバ1の構成例について説明する。
サーバ1は、プロセッサ11、メインメモリ12、補助記憶デバイス13及び通信インタフェース14を含む電子機器である。サーバ1を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
図1では、インタフェースは、「I/F」と記載されている。
【0018】
プロセッサ11は、サーバ1の中枢部分に相当する。例えば、プロセッサ11は、CPU(Central Processing Unit)であるが、これに限定されない。プロセッサ11は、種々の回路で構成されていてもよい。プロセッサ11は、メインメモリ12又は補助記憶デバイス13に予め記憶されているプログラムをメインメモリ12に展開する。プログラムは、サーバ1のプロセッサ11に後述する各部を実現または実行させるプログラムである。プロセッサ11は、メインメモリ12に展開されるプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0019】
メインメモリ12は、サーバ1の主記憶部分に相当する。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域と揮発性のメモリ領域とを含む。メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域ではオペレーティングシステム又はプログラムを記憶する。メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域を、プロセッサ11によってデータが適宜書き換えられるワークエリアとして使用する。例えば、メインメモリ12は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を含む。例えば、メインメモリ12は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を含む。メインメモリ12は、プログラムを記憶する。
【0020】
補助記憶デバイス13は、サーバ1の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス13は、EEPROM(登録商標)(Electric Erasable Programmable Read-Only Memory)、HDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。補助記憶デバイス13は、上述のプログラム、プロセッサ11が各種の処理を行う上で使用するデータ及びプロセッサ11での処理によって生成されるデータを記憶する。補助記憶デバイス13は、上述のプログラムを記憶する。
【0021】
補助記憶デバイス13は、保守支援情報記憶領域130を含む。保守支援情報記憶領域130は、保守支援情報を記憶する。保守支援情報は、船舶3の保守作業に関する情報である。
ここで、
図2を用いて保守支援情報のデータ構造を説明する。保守支援情報は、保守対象、保守項目、保守要否を示す情報、各保守対象に関連付けられた位置情報、保守方法、法規則及び会社ルール、保守結果記録方法等を含む。保守対象は、保守対象機器、及び保守対象設備を含む。保守対象は、例えば、救命艇、消火設備等を含む。位置情報は、保守対象機器、又は保守対象設備が設置されている船舶3内の位置を示す情報である。保守対象は、少なくとも1つの保守項目を含む。保守項目は、各保守対象について保守が必要な項目を示す。保守対象が「救命艇」である場合、保守項目は、例えば、外観、キャノピー点灯等を含む。保守項目は、保守対象のチェック項目ともいう。保守項目は、保守済項目と保守対象項目を含む。保守済項目は、保守作業が完了している項目を示す。保守対象項目は、保守作業が必要な項目を示す。位置情報は、船舶3の一般配置図に示される位置情報であってもよい。位置情報は、船舶3の一般配置図に含まれる端艇甲板、上甲板等の構造を示す情報であってもよい。一般配置図は、船内マップともいう。保守要否を示す情報は、各保守項目について保守作業が必要か否かを示す情報である。保守要否を示す情報は、保守済項目及び保守対象項目に基づいて保守要否を示す情報である。保守作業が必要な項目は、保守対象項目に対応する。保守方法は、各保守項目についての詳細な保守方法を示す情報である。保守方法は、例えば、「艇内外の外観に異常がないことを確かめる」、「点灯試験を行う」等である。法規則及び会社ルールは、各保守項目について、法令により指定された保守の基準、船舶会社毎に設定された保守のルール等を示す情報である。保守結果記録方法は、保守作業の結果を記録する方法を示す情報である。保守結果記録方法は、例えば、保守作業結果を写真により記録する場合に、どの箇所をどのような角度から撮影するか等の情報を含む。保守作業結果は、保守結果ともいう。保守支援情報は、各保守項目についての保守の優先順位を示す優先レベル等を含んでもよい。保守支援情報は、予め設定されてもよく、管理者等により適宜設定、又は更新されてもよい。
【0022】
保守支援情報は、船舶の航路及び船舶の種類に基づいて生成されてもよい。保守支援情報は、過去の保守作業履歴に基づいて生成されてもよい。
【0023】
補助記憶デバイス13は、保守作業情報記憶領域131を含む。保守作業情報記憶領域131は、保守作業情報を記憶する。保守作業情報は、保守作業に関連する情報である。
ここで、
図3を用いて保守作業情報のデータ構造を説明する。保守作業情報は、保守対象、保守項目、保守要否を示す情報、位置、保守作業日時、保守状況、保守作業情報等を含む。保守項目は、各保守対象に対して少なくとも1つの保守項目を含む。保守作業情報は、保守作業日時、保守状況等を含んでもよい。保守作業日時は、作業者が保守作業を行った日時を示す。保守状況は、保守作業の結果、保守が問題なく行われたことを示す「OK」、保守を行ったが対処が必要なことを示す「NG(対処が必要)」等を示す。保守作業情報は、船舶3の識別情報に関連付けて保存される。船舶3の識別情報は、各船舶を一意に識別する船舶ID等を示す。船舶IDは、IMO(International Maritime Organization)により与えられるIMO番号であってもよい。保守作業情報は、保守項目毎の保守作業結果を示す情報である。保守作業情報は、作業者により記録される保守作業結果を示す情報である。保守作業情報は、写真、動画等の画像データ、音声データ、テキストデータ等を含む。画像データは、例えば、保守作業後に保守対象を撮影した画像データを含む。音声データは、例えば、保守作業結果を示す音声データを含む。音声データは、作業者により録音されるデータを含む。テキストデータは、保守作業結果を示すテキストデータを含む。テキストデータは、作業者により入力されるコメントを含む。保守作業情報は、PC4のユーザにより入力される保守対象に関するデータを含んでもよい。保守対象に関するデータは、テキストデータを含んでもよい。テキストデータは、保守対象に関する注意事項等を示すコメントを含む。保守対象に関するデータは、画像データを含んでもよい。画像データは、保守対象の画像データを含む。保守作業情報は、ネットワークを介して、保守作業情報が受信される毎に更新される。
【0024】
補助記憶デバイス13は、船舶情報記憶領域132を含む。船舶情報記憶領域132は、船舶情報を記憶する。船舶情報は、識別情報、旗国、船種、航路、図面等の情報を含む。旗国は、船舶が所属する国名を示す。船種は、コンテナ船、タンカー船、ばら積み船等の各船舶の種類を示す。航路は、各船舶が運航予定の航路を示す。航路は、各船舶が過去に運航した航路等を含んでもよい。図面は、一般配置図、消防設備配置図等を含む。
【0025】
通信インタフェース14は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、サーバ1を他の電子機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0026】
なお、サーバ1のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。サーバ1は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0027】
上述のプロセッサ11に実装される各部について説明する。
プロセッサ11は、保守作業情報処理部110、保守作業情報更新部111、記憶制御部112、及び通信部113を実装する。プロセッサ11に実装される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ11に実装される各部は、プロセッサ11及びメインメモリ12を含む制御部に実装されるということもできる。
【0028】
保守作業情報処理部110は、通信インタフェース14を介して、情報処理装置2から保守作業情報を取得する。以下の説明において、「取得」するは、「受信」と読み替えてもよい。
【0029】
保守作業情報更新部111は、保守作業情報処理部110により取得された保守作業情報に基づいて、保守作業情報を更新する。保守作業情報更新部111は、保守作業情報が取得される毎に、保守作業情報を更新する。保守作業情報更新部111は、所定の周期で保守作業情報を更新してもよい。
【0030】
記憶制御部112は、保守作業情報処理部110により取得された保守作業情報を補助記憶デバイス13に保存する。
【0031】
通信部113は、通信インタフェース14を介して、情報処理装置2、及びPC4と通信する。通信部113は、通信インタフェース14を介して、情報処理装置2に保守支援情報を出力する。例えば、通信部113は、情報処理装置2と通信可能であるか否かを判定する。通信部113は、情報処理装置2と通信可能であると判定した場合、情報処理装置2に保守支援情報を出力する。情報処理装置2は、保守支援情報を補助記憶デバイス23に保存する。以下の説明において、「出力」するは、「送信」と読み替えてもよい。
【0032】
通信部113は、通信インタフェース14を介して、情報処理装置2にインシデント予測情報を出力する。例えば、通信部113は、情報処理装置2と通信可能であるか否かを判定する。通信部113は、情報処理装置2と通信可能であると判定した場合、情報処理装置2にインシデント予測情報を出力する。通信部113は、PC4と通信可能であるか否かを判定する。通信部113は、PC4と通信可能であると判定した場合、PC4にインシデント予測情報を出力する。インシデント予測情報は、保守作業情報に基づいて生成される予測されるトラブル、又は異常を示す情報である。インシデント予測情報は、保守項目毎に集計された保守作業情報に基づいて、航路毎又は船種毎に予測されるトラブル、又は異常を示す情報であってもよい。インシデント予測情報は、船舶の航路、船舶の種類、及び過去の保守作業履歴に基づいて作成される。インシデント予測情報は、保守作業情報に基づいて、ニューラルネットワーク等の機械学習により生成されたモデルを使用して、航路、又は船種に応じて予測されるトラブル、又は異常を示す情報であってもよい。インシデント予測情報は、予測されるトラブル、又は異常に基づいて算出される保守が必要となると予測される保守項目を含んでもよい。
【0033】
インシデント予測情報は、例えば、現在の保守対象の画像を解析し、保守対象の状態を判定することにより不具合の有無、又は保守の要否等を判定した判定結果を示す情報を含む。インシデント予測情報は、保守対象についての過去の画像と現在の画像を比較した経年変化の判定結果を示す情報を含む。インシデント予測情報は、例えば、保守作業の結果を解析した解析結果を示す情報を含む。インシデント予測情報は、同一船舶の同一保守箇所の保守作業結果を時系列で比較し、トラブルにつながり得る変化を示す情報を含む。インシデント予測情報は、複数の船舶の同一保守箇所の保守作業結果を比較し、それぞれの船舶の状態を相対評価して、トラブルの起こりやすい船舶を特定する情報を含む。インシデント予測情報は、例えば、事故事例の分析結果を示す情報を含む。インシデント予測情報は、事故発生時の報告内容を蓄積し、事故原因を特定した情報を含む。インシデント予測情報は、過去のインシデントに対する対応履歴の分析結果を示す情報を含んでもよい。インシデント予測情報は、インシデント発生時の詳細情報と、インシデントの対処方法を蓄積し、蓄積された情報に基づいて作成されてもよい。インシデント予測情報は、インシデント発生時に同一事例を特定して、対処方法をリコメンドするリコメンド情報を含んでもよい。インシデント予測情報は、将来のインシデントを防ぐために、保守作業の内容やタイミング、優先度をリコメンドするリコメンド情報を含んでもよい。
【0034】
なお、保守作業情報処理部110、保守作業情報更新部111、記憶制御部112、及び通信部113は、プログラムを実行することでプロセッサ11に実装されるものとして説明したが、これに限定されない。
【0035】
情報処理装置2-1の構成例について説明する。
情報処理装置2-1は、プロセッサ21、メインメモリ22、補助記憶デバイス23、通信インタフェース24、入力デバイス25、カメラ26、表示デバイス27、及びスピーカ28を含む電子機器である。情報処理装置2を構成する各部は、互いに信号を入出力可能に接続されている。
【0036】
プロセッサ21は、情報処理装置2-1の中枢部分に相当する。プロセッサ21は、上述のプロセッサ11と同様のハードウェア構成である。プロセッサ21は、メインメモリ22または補助記憶デバイス23に予め記憶されているプログラムを実行することで、種々の動作を実行する。
【0037】
メインメモリ22は、情報処理装置2-1の主記憶部分に相当する。メインメモリ22は、上述のメインメモリ12と同様のハードウェア構成である。メインメモリ22は、プログラムを記憶する。
【0038】
補助記憶デバイス23は、情報処理装置2-1の補助記憶部分に相当する。補助記憶デバイス23は、上述の補助記憶デバイス13と同様のハードウェア構成である。補助記憶デバイス23は、上述のプログラムを記憶する。
【0039】
補助記憶デバイス23は、保守支援情報記憶領域230を含む。保守支援情報記憶領域230は、保守支援情報を記憶する。保守支援情報は、サーバ1に記憶される保守支援情報と同様の情報である。
【0040】
補助記憶デバイス23は、保守作業情報記憶領域231を含む。保守作業情報記憶領域231は、保守作業情報を記憶する。保守作業情報は、サーバ1に記憶される保守作業情報と同様の情報である。保守作業情報は、情報処理装置2からサーバ1に出力されていない情報である。保守作業情報は、情報処理装置2-1の識別情報を含む。識別情報は、各情報処理装置2を一意に識別する装置ID等を示す。保守作業情報は、船舶3-1の識別情報を含む。補助記憶デバイス23は、保守項目毎に保守作業情報を記憶可能なデータ量が設定されている。補助記憶デバイス23は、保守対象毎に保守作業情報を記憶可能なデータ量が設定されていてもよい。補助記憶デバイス23は、記憶部の一例である。
【0041】
通信インタフェース24は、所定の通信プロトコルに従い、ネットワークを介して、情報処理装置2を他の機器と通信可能に接続する種々のインタフェースを含む。
【0042】
入力デバイス25は、情報処理装置2へデータ又は指示を入力可能なデバイスである。例えば、入力デバイス25は、キーボードまたはタッチパネル等を含む。入力デバイス25は、音声を入力可能なマイクを含む。
【0043】
カメラ26は、プロセッサ21の制御により撮影範囲の撮影データを取得可能なデバイスである。カメラ26は、撮像部の一例である。
【0044】
表示デバイス27は、プロセッサ21の制御により種々の画像を表示可能なデバイスである。例えば、表示デバイス27は、液晶ディスプレイまたはEL(Electroluminescence)ディスプレイ等である。
【0045】
スピーカ28は、情報処理装置2の制御により音声を出力可能なデバイスである。
【0046】
なお、情報処理装置2のハードウェア構成は、上述の構成に限定されるものではない。情報処理装置2は、適宜、上述の構成要素の省略及び変更並びに新たな構成要素の追加を可能とする。
【0047】
上述のプロセッサ21に実装される各部について説明する。
プロセッサ21は、保守支援情報処理部210、保守作業情報処理部211、記憶制御部212、表示部213、及び通信部214を実装する。プロセッサ21に実装される各部は、各機能ということもできる。プロセッサ21に実装される各部は、プロセッサ21及びメインメモリ22を含む制御部に実装されるということもできる。
【0048】
保守支援情報処理部210は、通信インタフェース24を介して、サーバ1から保守支援情報を取得する。保守支援情報処理部210は、補助記憶デバイス23から保守支援情報を取得する。
【0049】
保守作業情報処理部211は、入力デバイス25、又はカメラ26を介して、作業者により入力される保守作業情報を取得する。例えば、保守作業情報処理部211は、カメラ26を介して入力される保守対象の画像データを取得する。画像データは、静止画像データ、及び動画データを含む。保守作業情報処理部211は、入力デバイス25を介して入力される保守対象に関するテキストデータを取得する。保守作業情報処理部211は、入力デバイス25を介して入力される保守対象に関する音声データを取得してもよい。保守作業情報処理部211は、保守作業情報を保守作業が行われた位置の位置情報と関連付けて取得する。保守作業情報処理部211は、サーバ1との通信が可能でないオフライン中に、保守作業情報の取得に関連する設定を制限する。保守作業情報処理部211は、作業者が保守作業情報の取得に関連する設定を選択することができないように制限してもよい。この場合、保守作業情報処理部211は、保守作業情報の取得に関連する設定を所定の設定に制限する。保守作業情報処理部211は、作業者が選択できる保守作業情報の取得に関連する設定の候補数を減らすように制限してもよい。この場合、保守作業情報処理部211は、保守作業情報の取得に関連する設定を複数の所定の数の設定候補を作業者に提供する。例えば、保守作業情報処理部211は、画像取得モードを低画質モードに制限してもよい。低画質モードは、オンライン中に選択可能な複数の画質モードのうち、最も高画質の画質モード以外の何れかの画質モードである。画像データの画質モードを選択するための複数の候補は、オンライン中に選択可能な複数の画質モードのうち、少なくとも最も高画質の画質モードを除く複数の画質モードである。画質モードは、例えば、カメラ26のビットレート、フレームレート、解像度等の設定パラメータに基づいて変わる。保守作業情報処理部211は、画像データの圧縮形式を高圧縮率形式に制限してもよい。高圧縮率形式は、オンライン中に選択可能な複数の画像データの圧縮形式のうち、最も低圧縮率の圧縮形式以外の何れかの圧縮形式である。画像データの圧縮形式を選択するための複数の候補は、オンライン中に選択可能な複数の画像データの圧縮形式のうち、少なくとも最も低圧縮率の圧縮形式を除く複数の圧縮形式である。
【0050】
保守作業情報処理部211は、保守作業情報を編集する。保守作業情報処理部211は、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、保守作業情報の一部を切り取る。保守作業情報処理部211は、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、画像データの画質を下げる。画像データの画質は、ビットレート、フレームレート、解像度等の設定パラメータの変更に基づいて下げられてもよい。保守作業情報処理部211は、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、保守作業情報の編集を促す通知を出力する。保守作業情報の編集を促す通知は、例えば、「編集してください」、「所定のデータ量を超えます」等の通知を含む。保守作業情報の編集を促す通知に基づいて、作業者は、保守作業情報を編集する。
【0051】
記憶制御部212は、サーバ1から取得された保守支援情報を補助記憶デバイス23に保存する。記憶制御部212は、保守作業情報を保守項目毎に記憶可能なデータ量が設定された補助記憶デバイス23に保存する。記憶可能なデータ量は、保守項目毎に異なるデータ量が設定されてもよい。例えば、保守作業情報に画像データが多く含まれる保守項目については、記憶可能なデータ量が他の保守項目より多く設定されてもよい。記憶制御部212は、保守作業情報を補助記憶デバイス23から削除する。
【0052】
表示部213は、保守支援情報を表示デバイス27に表示する。表示部213は、作業者の位置情報を取得する。表示部213は、作業者の位置情報に対応する船舶3内の位置情報に関連付けられた保守対象を含む保守支援情報を表示デバイス27に表示する。表示部213は、作業者の操作に基づいて作業者の位置情報を取得する。作業者の操作は、例えば、表示デバイス27に表示された船舶3の一般配置図に基づいて、作業者の位置を選択する操作を含む。例えば、作業者の操作は、表示デバイス27に表示された船舶3の一般配置図上の位置をタッチ入力することを含む。作業者の操作は、船舶3に設置されたQRコード(登録商標)等の位置情報を示す二次元コード等、又はNFCタグ等の位置情報を取得可能な通信手段を読み取る操作を含む。表示部213は、表示デバイス27にインシデント予測情報を表示する。表示部213は、表示デバイス27に保守作業情報を表示してもよい。
【0053】
通信部214は、サーバ1との通信を制御する。通信部214は、サーバ1と通信可能であるか否かを判定する。通信部214は、サーバ1と通信可能であると判断した場合、通信インタフェース24を介して、サーバ1に保守作業情報を出力する。通信部214は、サーバ1と通信可能であると判断した場合、通信インタフェース24を介して、サーバ1からインシデント予測情報を取得する。
【0054】
なお、保守支援情報処理部210、保守作業情報処理部211、記憶制御部212、表示部213、及び通信部214は、プログラムを実行することでプロセッサ21に実装されるものとして説明したが、これに限定されない。
【0055】
情報処理装置2に表示される画像について説明する。
図4は、実施形態に係る情報処理装置2に表示される保守支援情報表示画像の一例を概略的に示す図である。
図4は、船舶3-1において保守作業を行う作業者により使用される情報処理装置2-1の表示デバイス27に表示される保守支援情報表示画像の一例を示す。
図4では、例えば、作業者2-1により救命艇の保守作業が行われる場合を想定する。
【0056】
図4に示される保守支援情報表示画像IM1は、船舶3-1の側面図を示すエリアA1、船舶3-1の平面図を示すエリアA2、船舶3-1の構造別の平面図を示すエリアA3、操作ボタンを示すエリアA4、作業情報を入力するための画像へ遷移する「結果報告」ボタンB1、マップを拡大又は縮小させるための「+」ボタン及び「-」ボタン含む拡大縮小ボタンB2、及び保守対象の船内の位置を示す位置表示オブジェクトOb1を含む。
【0057】
エリアA1、エリアA2、及びエリアA3は、船舶3-1の船内マップを示すエリアである。船内マップのそれぞれは、保守対象の位置を示す少なくとも1つの位置表示オブジェクトOb1を含む。船内マップは、作業者の操作に基づいて表示態様が変更され得る。例えば、作業者による拡大縮小ボタンB2の操作に基づいて、エリアA1、エリアA2、及びエリアA3に表示される船内マップは、拡大又は縮小して表示され得る。作業者によるエリアA1、エリアA2、及びエリアA3の選択操作に基づいて、選択されたエリアの船内マップを拡大して表示してもよい。選択操作は、作業者による表示画像上のタッチ操作、又はクリック操作等を含む。船内マップは、作業者によるピンチイン操作、又はピンチアウト操作により拡大又は縮小して表示されてもよい。
【0058】
エリアA4は、「MAP」、「Search」、「Check List」、及び「設定」の操作ボタンを少なくとも含む。「MAP」ボタンは、
図4に示すような船内マップを表示デバイス27に表示させるためのボタンである。
図4は、作業者により「MAP」ボタンが選択された場合の画像を示す。「Search」ボタンは、保守対象を検索するためのボタンである。検索機能は、公知の技術により、キーワード検索等により実現され得る。保守対象の検索結果は、保守の優先度により表示態様が変更され得る。例えば、検索結果において、保守の優先度の高い保守対象が先に表示されてもよい。保守対象の検索結果は、船内マップ上に保守対象の位置を示した表示態様で表示されてもよく、保守対象をリスト表示した態様で表示されてもよい。「Check List」ボタンは、保守対象の保守項目がリスト表示される画像に遷移するためのボタンである。保守項目がリスト表示される画像では、保守作業の進行状況が識別可能な態様で表示され得る。進行状況は、「未対応」、「対応中」、「完了」等を含む。「設定」ボタンは、各種設定が可能な画像へ遷移するためのボタンである。各種設定は、保守作業の進行状況を通知する通知態様を選択する通知設定、保守作業結果を記録する際のパラメータを設定するパラメータ設定等を含む。なお、保守支援情報表示画像IM1に含まれる各種ボタン及びエリアの名称、数、又はレイアウト等は適宜変更され得る。
【0059】
図5は、実施形態に係る情報処理装置2に表示される保守支援情報表示画像の別の例を概略的に示す図である。
図5は、
図4に示す保守支援情報表示画像IM1に含まれるエリアA3において、作業者により「BOAT DECK」に含まれる位置表示オブジェクトOb1が選択された場合の保守支援情報表示画像IM2を示す。
図5の例では、
図4に示す保守支援情報表示画像IM1において、作業者により「救命艇」の位置を示す位置表示オブジェクトOb1が選択されたものとする。
【0060】
保守支援情報表示画像IM2は、作業者により選択された構造を拡大した船内マップを示すエリアA5、保守項目を示すエリアA6、操作ボタンを示すエリアA4、「結果報告」ボタンB1、拡大縮小ボタンB2、及びエリアA6に示される保守項目に対応する保守対象の船内の位置を示す位置表示オブジェクトOb2を含む。
【0061】
エリアA4、「結果報告」ボタンB1、及び拡大縮小ボタンB2は、
図4と同様である。
エリアA5は、「BOAT DECK」に含まれる保守対象の船内の位置を示す位置表示オブジェクトOb1を含む。
エリアA6は、作業者により選択された位置表示オブジェクトに対応する保守対象を示す。この例では、保守対象「救命艇」が示される。
位置表示オブジェクトOb2は、作業者により選択された位置表示オブジェクトを示す。位置表示オブジェクトOb2は、作業者により選択されていない位置表示オブジェクトOb1と識別可能な対応で表示される。
【0062】
保守支援情報表示画像IM2において、作業者によりエリアA6又は位置表示オブジェクトOb2が選択されることに基づいて、保守対象に関連付けられた保守項目が表示され得る。保守項目は、すべての保守項目を含んでもよいし、優先度の高い保守項目を所定の数だけ含んでもよい。なお、保守支援情報表示画像IM2に含まれる各種ボタン及びエリアの名称、数、又はレイアウト等は適宜変更され得る。
【0063】
図6は、実施形態に係る情報処理装置に表示される保守支援情報表示画像のさらに別の例を概略的に示す図である。
図6は、作業者により保守項目「救命艇 外観」が選択された場合の保守支援情報表示画像IM3を示す。
【0064】
保守支援情報表示画像IM3は、保守項目を示すエリアA8、サンプル画像を示すエリアA9、保守結果記録方法を示すエリアA10、備考を示すエリアA11、及び「保守結果追加」ボタンB3を含む。
【0065】
エリアA8は、保守項目「救命艇 外観」を示す。
エリアA9は、保守項目に対応する保守結果の記録方法として画像の撮影が含まれている場合のサンプル画像を示す。サンプル画像は、予め設定された画像でもよいし、過去に同一の保守項目に対して作業者により記録された画像でもよい。
エリアA10は、保守項目に対応する保守結果の記録方法をテキストで表示する。記録方法は、例えば、保守対象の画像の撮影箇所、撮影角度等を含む。記録方法は、保守方法を含んでもよい。
エリアA11は、保守項目に対応する保守に関する注意事項、過去の保守結果等のコメントを示す。コメントは、予め設定されたものでもよく、管理者等により適宜入力又は更新されたものでもよい。
【0066】
「保守結果追加」ボタンB3は、保守作業結果を入力するための画像に遷移するためのボタンである。なお、保守支援情報表示画像IM3に含まれる各種ボタン及びエリアの名称、数、又はレイアウト等は適宜変更され得る。
【0067】
図7は、実施形態に係る情報処理装置2に表示される保守作業情報表示画像のさらに一例を概略的に示す図である。
図7は、
図6に示す保守支援情報表示画像IM3において、作業者により「保守結果追加」ボタンB3が選択された場合の保守作業情報表示画像IM4を示す。保守作業情報表示画像IM4は、作業者により保守作業結果が入力される画像である。
【0068】
保守作業情報表示画像IM4は、保守項目を示すエリアA8、保守作業結果を入力するコメントエリアA12、保守作業の実行を選択する「実行選択」ボタンB4、写真を追加するための「写真追加」ボタンB5、ファイルを追加するための「ファイル追加」ボタンB6、及び保守作業結果を保存するための「データ保存」ボタンB7を含む。
【0069】
エリアA8は、
図6と同様である。
コメントエリアA12は、保守項目に対応する保守結果として、作業者によりテキストデータが入力されるエリアである。作業者により入力されるテキストデータは、任意のテキストデータであってよい。なお、テキストデータは、キーボードまたはタッチパネル等の入力デバイス25を介して入力されたテキストデータでもよいし、マイク等の入力デバイス25を介して入力された音声に基づいて音声認識により変換されたテキストデータでもよい。なお、コメントエリアA12は、PC4のユーザ等により入力されるテキストデータを含んでもよい。通信部214は、PC4のユーザ等により入力されるテキストデータを含む保守作業情報を、サーバ1を介して取得する。表示部213は、取得された保守作業情報を表示デバイス27に表示する。この場合、コメントエリアA12を介して、作業者とPC4のユーザ等によるコメントのやり取りが行われてもよい。
【0070】
「実行選択」ボタンB4は、エリアA8に示される保守項目について保守作業を実行するか否かを選択するためのボタンである。
図7の「実行選択」ボタンB4は、作業者により、保守作業を実行することが選択された場合を示す。この場合、「YES」が識別可能な態様で表示される。作業者により「YES」ボタンが選択されたことに基づいて、コメントエリアA12、「写真追加」ボタンB5、「ファイル追加」ボタンB6、及び「データ保存」ボタンB7が表示されてもよい。
【0071】
「写真追加」ボタンB5は、画像データを入力するための画像に遷移するためのボタンである。作業者により「写真追加」ボタンB5が選択されたことに基づいて、プロセッサ21は、カメラ26を起動してもよい。作業者により「写真追加」ボタンB5が選択されたことに基づいて、プロセッサ21は、作業者により画像データを選択可能な画像に遷移させてもよい。
【0072】
「ファイル追加」ボタンB6は、音声データ、動画データ等を入力するための画像に遷移するためのボタンである。作業者により「ファイル追加」ボタンB6が選択されたことに基づいて、プロセッサ21は、入力デバイス25を起動してもよい。作業者により「ファイル追加」ボタンB6が選択されたことに基づいて、プロセッサ21は、カメラ26を起動してもよい。作業者により「ファイル追加」ボタンB6が選択されたことに基づいて、プロセッサ21は、作業者により各種データを選択可能な画像に遷移させてもよい。
【0073】
「データ保存」ボタンB7は、作業者により入力された保守作業結果を補助記憶デバイス23に記憶するためのボタンである。作業者により「データ保存」ボタンB7が選択されたことに基づいて、プロセッサ21は、保守作業結果を補助記憶デバイス23に記憶する。なお、保守作業情報表示画像IM4に含まれる各種ボタン及びエリアの名称、数、又はレイアウト等は適宜変更され得る。
【0074】
(動作例)
保守支援システム100による処理の手順について説明する。
なお、以下のサーバ1を主体とする説明では、サーバ1をプロセッサ11と読み替えてもよい。同様に、情報処理装置2を主体とする説明では、情報処理装置2をプロセッサ21と読み替えてもよい。
【0075】
以下の処理では、船舶3-1において航路を運航中に作業者により保守作業が行われる場合を想定する。作業者2-1は、情報処理装置2-1を使用して保守作業を行う。船舶3-1においては少なくとも一人の作業者により保守作業が行われる。船舶3-1においては、任意の数の情報処理装置2-1~2-nが使用される。情報処理装置2-1~2-nは、通信環境が安定している状況において、サーバ1と通信を行う。情報処理装置2-1~2-nは、通信可能な状況において、PC4-1と通信を行ってもよい。サーバ1は、通信可能な状況において、PC4-1と通信を行ってもよい。
【0076】
なお、以下で説明する処理手順は一例に過ぎず、各処理は可能な限り変更されてよい。また、以下で説明する処理手順について、実施形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
【0077】
図8は、実施形態に係る情報処理装置2による情報処理の手順を例示するフローチャートである。
以下の処理では、情報処理装置2-1は、サーバ1と通信可能なオンライン状態のうちに船舶3-1に関連付けられた船舶3-1の保守作業に関する保守支援情報をサーバ1から取得し、補助記憶デバイス23に保存しているものとする。情報処理装置2-1は、オフライン状態において、補助記憶デバイス23に保存された保守支援情報を使用することができる。
【0078】
保守支援情報処理部210は、補助記憶デバイス23から保守支援情報を取得する(ステップS1)。なお、情報処理装置2-1がオンライン状態である場合、サーバ1において更新された保守支援情報を、サーバ1から随時取得してもよい。
【0079】
表示部213は、保守支援情報処理部210により取得された保守支援情報を表示デバイス27に表示する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、表示部213は、作業者の操作に基づいて、船舶3-1内の位置情報と船舶3-1内の位置情報に関連付けられた保守対象を示す保守支援情報を表示する。作業者の操作は、船舶3-1の船内マップを表示させるための操作を含む。表示部213は、保守対象に関連付けられた保守項目を含む保守支援情報を表示する。表示部213は、保守済項目と保守対象項目を識別可能な態様で表示する。表示部213は、保守対象項目を保守済項目と異なる表示態様で表示してもよい。表示態様は、文字色、サイズ、フォント、背景色、明度又は輝度、背景パターン、フレーム色、点滅表示等を含む。表示部213は、作業者の操作に基づいて、保守項目に関連付けられた保守方法を表示する。作業者の操作は、保守項目を選択する操作を含む。表示部213は、保守項目に関連付けられた法規則及び会社ルールを表示してもよい。表示部213は、保守結果記録方法を表示してもよい。保守結果記録方法は、保守作業結果を示すサンプル画像を含んでもよい。保守結果記録方法は、保守結果記録方法を示すテキストデータを含んでもよい。表示部213は、保守項目に関連付けられた保守作業に関する注意事項、又は過去の保守結果等を示すテキストデータを含む保守支援情報を表示してもよい。
【0080】
表示部213は、作業者の位置情報を取得してもよい。表示部213は、作業者の位置情報に対応する船舶3-1内の位置情報に関連付けられた保守対象を含む保守支援情報を表示デバイス27に表示してもよい。なお、情報処理装置2-1がオンライン状態である場合、表示部213は、サーバ1から随時取得された保守支援情報をポップアップ通知等により表示デバイス27に表示してもよい。
【0081】
作業者は、保守支援情報に基づいて保守対象の保守作業を行う。作業者は、保守作業の結果を保守作業情報として情報処理装置2-1に入力する。
【0082】
保守作業情報処理部211は、保守支援情報に基づいて保守作業に関連する保守作業情報を取得する(ステップS3)。ステップS3では、例えば、保守作業情報処理部211は、保守支援情報に基づいて、入力デバイス25、又はカメラ26を介して作業者により入力される保守作業情報を取得する。保守作業情報処理部211は、例えば、保守結果記録方法に基づいて作業者により入力される、保守対象項目に関連付けられた保守対象の画像データを保守作業情報として取得する。保守作業情報処理部211は、保守対象項目に関連付けられた保守対象に関するテキストデータを保守作業情報として取得する。保守作業情報処理部211は、保守対象項目に関連付けられた保守対象に関する音声データを保守作業情報として取得してもよい。保守作業情報処理部211は、保守作業情報を保守対象の位置情報と関連付けて取得する。表示部213は、取得された保守作業情報を表示デバイス27に表示してもよい。
【0083】
保守作業情報処理部211は、サーバ1との通信が可能でないオフライン中に、保守作業情報の取得に関連する設定を制限する。例えば、保守作業情報処理部211は、サーバ1と通信可能な状態であるかどうかを判定する。保守作業情報処理部211は、サーバ1と通信可能な状態でないと判定した場合、保守作業情報の取得に関連する設定を制限する。保守作業情報処理部211は、保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を、保守作業情報のデータ量を削減できる設定情報の選択に制限する。保守作業情報処理部211は、例えば、保守作業情報として画像データを取得する場合の画像取得モードを低画質モードに制限してもよい。保守作業情報処理部211は、保守作業情報として画像データを取得した場合の画像データの圧縮形式を高圧縮率形式に制限してもよい。圧縮形式は、公知の形式であってよい。保守作業情報処理部211は、画像取得モード、又は画像データの圧縮形式を所定の値に予め設定しておいてもよいし、予め設定された複数の値を作業者により選択可能としてもよい。
【0084】
保守作業情報処理部211は、保守作業情報を編集する(ステップS4)。ステップS4では、例えば、保守作業情報処理部211は、オフライン中に保守作業情報のデータ量を削減するように保守作業情報を編集する。保守作業情報処理部211は、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、保守作業情報の一部を切り取ってもよい。保守作業情報処理部211は、例えば、画像データが所定のデータ量を超える場合、画像データの一部を切り取り、所定のデータ量を超えないように編集する。例えば、保守作業情報処理部211は、画像データが動画データである場合、動画データの開始又は終了から所定の時間分のデータを切り取ってもよい。保守作業情報処理部211は、画像データが静止画像データである場合、静止画像データの背景画像を削除してもよいし、静止画像データを所定のサイズになるようにトリミングしてもよい。保守作業情報処理部211は、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して画像データの画質を下げる。保守作業情報処理部211は、例えば、画像データが所定のデータ量を超える場合、画像データを低画質に変更してもよい。
【0085】
保守作業情報処理部211は、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、保守作業情報の編集を促す通知を出力してもよい。保守作業情報処理部211は、例えば、「編集してください」、「所定のデータ量を超えます」等の通知を表示デバイス27に表示する。保守作業情報処理部211は、スピーカ28を介して、保守作業情報の編集を促す通知を音声出力してもよい。
【0086】
記憶制御部212は、保守作業情報を補助記憶デバイス23に保存する(ステップS5)。ステップS5では、例えば、記憶制御部212は、保守作業情報を保守項目毎に記憶可能なデータ量が設定された補助記憶デバイス23に保存する。記憶制御部212は、予め設定されたデータ量を超えないように保守作業情報を補助記憶デバイス23に保存する。
【0087】
図9は、実施形態に係る情報処理装置2によるオンライン状態における情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。以下の処理では、情報処理装置2がサーバ1と通信が行えないオフライン状態から通信可能なオンライン状態に変化する場合を想定する。情報処理装置2は、オフライン状態の間に補助記憶デバイス23に保存した保守作業情報を、オンライン状態に変化した場合にサーバ1に出力する。
【0088】
通信部214は、サーバ1と通信可能であるか否かを判定する(ステップS11)。通信部214によりサーバ1と通信可能と判定された場合(ステップS11:YES)、処理は、ステップS11からステップS12に遷移する。通信部214によりサーバ1と通信可能でないと判定された場合(ステップS11:NO)、処理は、ステップS11を繰り返す。
【0089】
通信部214は、サーバ1に保守作業情報を出力する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、通信部214は、保守作業情報記憶領域231に保存された保守作業情報を取得する。通信部214は、保守作業情報をサーバ1に出力する。通信部214は、取得した保守作業情報をすべてサーバ1に出力してもよい。通信部214は、前回のオンライン状態において出力されなかった保守作業情報をサーバ1に出力してもよい。この場合、通信部214は、前回のオンライン状態において出力されなかった保守作業情報のみを取得してもよい。通信部214は、前回のオンライン状態において出力されなかった保守作業情報のみをサーバ1に出力することにより、データ通信量を削減することができる。
【0090】
記憶制御部212は、保守作業情報を補助記憶デバイス23から削除する(ステップS13)。記憶制御部212は、通信部214によりサーバ1に出力された保守作業情報を保守作業情報記憶領域231から削除する。これにより、記憶制御部212は、保守作業情報記憶領域231におけるデータ量を削減することができる。
なお、情報処理装置2がオンライン状態である場合は、ステップS11の処理は省略されてもよい。この場合、ステップS12、及びステップS13の処理は、保守作業情報が取得される毎に繰り返される。通信部214は、保守作業情報を取得する毎にサーバ1に保守作業情報を出力する
図10は、実施形態に係る情報処理装置2によるオンライン状態における情報処理の手順の別の例を示すフローチャートである。
【0091】
通信部214は、サーバ1からインシデント予測情報を取得する(ステップS21)。
【0092】
表示部213は、インシデント予測情報を表示デバイス27に表示する(ステップS22)。ステップS22では、例えば、表示部213は、インシデント予測情報をポップアップ通知として表示デバイス27に表示してもよい。なお、表示部213によるインシデント予測情報の表示に代えて、又はインシデント予測情報の表示に加えて、スピーカ28は、インシデント予測情報を音声出力してもよい。
【0093】
図11は、実施形態に係るサーバ1によるオンライン状態における情報処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【0094】
保守作業情報処理部110は、情報処理装置2から保守作業情報を取得する(ステップS31)。記憶制御部112は、保守作業情報処理部110により取得された保守作業情報を補助記憶デバイス13に保存する。
【0095】
保守作業情報更新部111は、保守作業情報処理部110により取得された保守作業情報に基づいて、保守作業情報を更新する(ステップS32)。ステップS32では、例えば、保守作業情報更新部111は、保守作業情報が取得される毎に、補助記憶デバイス13に保存されている保守作業情報を更新する。なお、保守作業情報更新部111は、所定の周期で保守作業情報を更新してもよい。
【0096】
図12は、実施形態に係るサーバ1によるオンライン状態における情報処理の手順の別の例を示すフローチャートである。以下の処理では、サーバ1が情報処理装置2-1と通信が行えないオフライン状態から通信可能なオンライン状態に変化する場合を想定する。サーバ1は、オフライン状態の間に補助記憶デバイス13に保存したインシデント予測情報を、オンライン状態に変化した場合に情報処理装置2に出力する。
【0097】
通信部113は、情報処理装置2と通信可能であるか否かを判定する(ステップS41)。通信部113により情報処理装置2と通信可能と判定された場合(ステップS41:YES)、処理は、ステップS41からステップS42に遷移する。通信部113により情報処理装置2と通信可能でないと判定された場合(ステップS41:NO)、処理は、ステップS41を繰り返す。
【0098】
通信部113は、情報処理装置2にインシデント予測情報を出力する(ステップS42)。
【0099】
なお、通信部113は、PC4にインシデント予測情報を出力してもよい。この場合、通信部113は、PC4と通信可能であるか否かを判定する。通信部113は、PC4と通信可能であると判定した場合、PC4にインシデント予測情報を出力する。
なお、情報処理装置2がオンライン状態である場合は、ステップS41の処理は省略されてもよい。この場合、ステップS42の処理は、インシデント予測情報が更新される毎に繰り返される。通信部113は、インシデント予測情報を取得する毎に情報処理装置2にインシデント予測情報を出力する。
【0100】
(効果)
実施形態に係る船舶の保守作業を支援するためのプログラムは、装置のコンピュータに、船舶の保守作業に関する保守支援情報を装置が備える記憶部に保存することと、保守支援情報を記憶部から取得することと、保守支援情報を表示することと、保守支援情報に基づいて保守作業に関連する保守作業情報を取得することと、保守作業情報を記憶部に保存することと、を実行させることができる。これにより、プログラムは、作業者に、保守作業を支援するための情報を提供することができる。作業者は、保守作業を行う際に保守支援情報を取得することができる。また、プログラムは、船舶内の位置情報と船舶内の位置情報に関連付けられた保守対象を示す情報を含む保守支援情報を表示することができる。そのため、ユーザは、船舶内の位置と保守対象の関係を容易に把握することができる。このように、プログラムは、作業者の必要に応じて船舶における保守作業を支援することができる。
【0101】
プログラムは、保守済項目と保守対象項目とが識別可能な態様で示される画像データを含む保守対象を示す情報を表示することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、ユーザに、保守済項目と保守対象項目を容易に認識させることができる。このように、プログラムは、作業者の船舶における保守作業を支援することができる。
【0102】
プログラムは、保守作業情報を保守対象の位置情報と関連付けて取得することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、保守支援情報に含まれる保守対象の位置情報に応じて適切に保守作業情報を管理することができる。
【0103】
プログラムは、保守対象項目に関連付けられた保守対象に関するテキストデータを保守作業情報として取得することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、ユーザに保守作業に関するコメントを任意に入力させることができる。このように、プログラムは、作業者による保守作業の入力の利便性を向上し、保守作業を支援することができる。
【0104】
プログラムは、保守対象項目に関連付けられた保守対象の画像データを保守作業情報として取得することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、ユーザに保守対象の写真や動画を入力させることができる。このように、プログラムは、作業者による保守作業の入力の利便性を向上し、保守作業を支援することができる。
【0105】
プログラムは、オフライン中に保守作業情報の取得に関連する設定を制限することをコンピュータに実行させることができる。また、プログラムは、画像取得モードを低画質モードに制限することをコンピュータに実行させることができる。さらに、プログラムは、画像データの圧縮形式を高圧縮率形式に制限することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、オフライン状態において装置に保存すべき保守作業情報のデータ量を削減することができる。
【0106】
プログラムは、保守作業情報を編集することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、装置に保存すべき保守作業情報のデータ量を削減することができる。
【0107】
また、プログラムは、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、保守作業情報の一部を切り取ることをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、作業者の処理を必要とすることなく、装置に保存すべき保守作業情報のデータ量を削減することができる。
【0108】
さらに、プログラムは、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、画像データの画質を下げることをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、作業者の処理を必要とすることなく、装置に保存すべき保守作業情報のデータ量を削減することができる。
【0109】
プログラムは、保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、保守作業情報の編集を促す通知を出力することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、作業者に装置に保存すべき保守作業情報のデータ量を削減するための処理を促すことができる。
【0110】
プログラムは、保守項目毎に記憶可能なデータ量が設定された記憶部に保存することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、保守項目毎に記憶領域を制限し、効率的に記憶領域を使用することができる。
【0111】
プログラムは、船舶の航路及び船舶の種類に基づいて生成される保守支援情報を取得することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、船舶の航路及び船舶の種類のそれぞれに特有の保守支援情報を作業者に提供することができる。
【0112】
プログラムは、過去の保守履歴に基づいて生成される保守支援情報を取得することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、過去の保守履歴を反映した保守支援情報を作業者に提供することができる。
【0113】
プログラムは、ユーザの位置情報を取得し、ユーザの位置情報に対応する船舶内の位置情報に関連付けられた保守対象を含む保守支援情報を表示することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、ユーザの位置情報に応じた保守対象を示す保守支援情報を表示することができる。このように、プログラムは、作業者による保守作業の入力の利便性を向上し、さらに保守作業を支援することができる。
【0114】
プログラムは、外部装置から取得された前記保守対象に関するデータを含む保守作業情報を表示することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、作業者と管理者等とのやり取りを含む保守作業情報を表示することができる。このように、プログラムは、作業者と管理者等の双方向のやり取りを通して保守作業を支援することができる。
【0115】
プログラムは、外部装置との通信を制御し、保守作業情報を前記外部装置に出力することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、外部装置において保守作業情報を集約して管理することを支援することができる。
【0116】
プログラムは、船舶の航路、船舶の種類、及び過去の保守履歴に基づいて作成されるインシデント予測情報を前記外部装置から取得することをコンピュータに実行させることができる。これにより、プログラムは、保守作業の要否、保守作業の注意点などを作業者に提供することができる。このように、プログラムは、作業者による保守作業の入力の利便性を向上し、さらに保守作業を支援することができる。
【0117】
[他の実施形態]
上述の実施形態では、情報処理装置2は、保守作業情報として画像データを取得し、編集する例について説明したが、情報処理装置2は、保守作業情報として音声データ取得してもよい。この場合、情報処理装置2は、画像データの場合と同様に、音声データの取得に関連する設定を制限してもよい。また、情報処理装置2は、画像データの場合と同様に、音声データの編集を行ってもよい。
【0118】
情報処理装置は、情報処理装置2のような1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0119】
プログラムは、装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0120】
この他、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0121】
1…サーバ、2…情報処理装置、2-1~2-n…情報処理装置、2-1~2-n…作業者、3…船舶、3-1~3-n…船舶、11…プロセッサ、12…メインメモリ、13…補助記憶デバイス、14…通信インタフェース、21…プロセッサ、22…メインメモリ、23…補助記憶デバイス、24…通信インタフェース、25…入力デバイス、26…カメラ、27…表示デバイス、28…スピーカ、100…保守支援システム、110…保守作業情報処理部、111…保守作業情報更新部、112…記憶制御部、113…通信部、130…保守支援情報記憶領域、131…保守作業情報記憶領域、132…船舶情報記憶領域、210…保守支援情報処理部、211…保守作業情報処理部、212…記憶制御部、213…表示部、214…通信部、230…保守支援情報記憶領域、231…保守作業情報記憶領域、A1~A11…エリア、A12…コメントエリア、B1~B7…ボタン、IM1~IM3…保守支援情報表示画像、IM4…保守作業情報表示画像、Ob1~Ob2…位置表示オブジェクト。
【手続補正書】
【提出日】2022-10-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
船舶における保守作業を行う作業者が使用する装置のコンピュータに、
前記船舶の保守作業に関する保守支援情報を前記装置が備える記憶部に保存することと、
前記保守支援情報を前記記憶部から取得することと、
前記作業者の位置情報に対応する前記船舶内の位置情報に関連付けられた保守対象を含む前記保守支援情報を表示することと、
前記保守支援情報に基づいて保守作業に関連する保守作業情報を取得することと、
前記保守作業情報を前記記憶部に保存することと、
を実行させる船舶の保守作業を支援するためのプログラムであって、
前記保守作業情報を取得することは、オフライン中に、前記保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を、保守作業情報のデータ量を削減できる設定情報の選択に制限することを含む、
プログラム。
【請求項2】
前記保守対象は、少なくとも1つの保守項目を含み、
前記保守項目は、保守済項目と保守対象項目を含み、
前記保守項目を示す情報は、保守済項目と保守対象項目とが識別可能な態様で示される画像データを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守作業情報を保守対象の位置情報と関連付けて取得することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項4】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守対象に関するテキストデータを保守作業情報として取得することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項5】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守対象の画像データを保守作業情報として取得することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項6】
前記保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を制限することは、画像取得モードを低画質モードに制限することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項7】
前記保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を制限することは、画像データの圧縮形式を高圧縮率形式に制限することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項8】
前記保守作業情報を取得することは、前記保守作業情報を編集することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項9】
前記保守作業情報を編集することは、前記保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、前記保守作業情報の一部を切り取ることを含む、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項10】
前記保守対象は、画像データを含み、
前記保守作業情報を取得することは、前記保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、前記画像データの画質を下げることを含む、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項11】
前記保守作業情報を編集することは、前記保守作業情報が所定のデータ量を超えることに応答して、前記保守作業情報の編集を促す通知を出力することを含む、
請求項8に記載のプログラム。
【請求項12】
前記保守作業情報を保存することは、前記保守対象に含まれる保守項目毎に記憶可能なデータ量が設定された前記記憶部に保存することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項13】
前記保守支援情報は、船舶の航路及び船舶の種類に基づいて生成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項14】
前記保守支援情報は、過去の保守履歴に基づいて生成される、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項15】
前記保守支援情報を表示することは、ユーザの位置情報を取得し、前記ユーザの位置情報に対応する前記船舶内の位置情報に関連付けられた保守項目を表示することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項16】
前記保守作業情報を表示することをさらに備え、
前記保守作業情報は、外部装置から取得された前記保守対象に関するデータを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項17】
外部装置との通信を制御することをさらに備え、
前記通信を制御することは、前記保守作業情報を前記外部装置に出力することを含む、
請求項1に記載のプログラム。
【請求項18】
前記通信を制御することは、船舶の航路、船舶の種類、及び過去の保守履歴に基づいて作成されるインシデント予測情報を前記外部装置から取得することを含む、
請求項17に記載のプログラム。
【請求項19】
船舶の保守作業を支援するためのシステムであって、
前記システムは、船舶における保守作業を行う作業者が使用する情報処理装置、及び、サーバを備え、
前記情報処理装置は、
船舶の保守作業に関する保守支援情報を前記サーバから取得する保守支援情報取得部と、
作業者の位置情報に対応する前記船舶内の位置情報に関連付けられた保守対象を含む前記保守支援情報を表示する表示部と、
前記保守支援情報に基づいて保守作業情報を取得する保守作業情報処理部と、
前記保守作業情報を保存する記憶制御部と、
前記サーバと通信する通信部と、
を備え、
前記保守作業情報を取得することは、オフライン中に、前記保守作業情報の取得に関連する設定情報の選択を、保守作業情報のデータ量を削減できる設定情報の選択に制限することを含み、
前記サーバは、
前記保守作業情報を前記情報処理装置から取得する保守作業情報処理部と、
前記保守作業情報を記憶部に保存する記憶制御部と、
を備える、システム。
【請求項20】
請求項1乃至18の何れか1項に記載のプログラムを実行するプロセッサを備える情報処理装置。