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2023-163908情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163908
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 40/13 20220101AFI20231102BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20231102BHJP
【FI】
G06V40/13
G06T7/00 530
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075122
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】318012780
【氏名又は名称】FCNT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】那須 起代子
【テーマコード(参考)】
5B043
【Fターム(参考)】
5B043BA02
5B043DA05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鮮明な指紋を取得する情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、発光素子の配列を含む発光層32と、発光層32の上側に重畳して設けられるタッチセンサ層33、34と、発光層32及びタッチセンサ層(タッチパネル33、カバーガラス34)を通して、タッチセンサ層の上側を撮影する指紋センサ2と、制御部と、を備える。制御部は、タッチセンサ層によって、タッチセンサ層の上側の層に指が近接又は接触する位置の範囲を取得し、発光層32に含まれ、取得した位置の範囲に対応するの範囲のうちの限定された限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で指紋センサ2により指から指紋を取得する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子の配列を含む表示層と、
前記表示層の上側に重畳して設けられるタッチセンサ層と、
前記表示層および前記タッチセンサ層を通して、前記タッチセンサ層の上側を撮影する撮像装置と、
制御部と、を備え、前記制御部は、
前記タッチセンサ層によって前記タッチセンサ層または前記タッチセンサ層の上側の層に指が近接または接触する位置の範囲を取得することと、
前記表示層に含まれ、前記位置の範囲に対応する前記表示層の範囲のうちの限定された限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で前記撮像装置により前記指から指紋を取得することと、を実行する情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記限定領域に含まれる異なる部分領域に位置する発光素子を、時間をずらして発光させた状態でそれぞれ前記撮像装置により画像を取得し、前記時間をずらして発光させた状態でそれぞれ取得された画像を合成し、指紋を取得する請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記それぞれ取得された画像中で、前記異なる部分領域に対応して決定される領域を抽出し、抽出された領域を合成する請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記限定領域は、前記位置の範囲に対応する前記表示層の範囲の外周部分、前記外周部分より所定距離内側の内周部分、前記位置の範囲に対応する前記表示層の範囲に含まれる十字形状の部分、および前記表示層の範囲に含まれる多角形の枠領域の少なくとも1つを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記部分領域は、前記限定領域に含まれる点状または線状の形状を含む請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
タッチセンサ層または前記タッチセンサ層の上側の層に指が近接または接触する位置の範囲を取得することと、
表示層に含まれ、前記位置の範囲に対応する前記表示層の範囲のうちの限定された限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で撮像装置により前記指から指紋を取得することと、を実行する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
タッチセンサ層または前記タッチセンサ層の上側の層に指が近接または接触する位置の範囲を取得することと、
表示層に含まれ、前記位置の範囲に対応する前記表示層の範囲のうちの限定された限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で撮像装置により前記指から指紋を取得することと、を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯型情報端末、例えば、スマートフォン、可搬形のパーソナルコンピュータ等には、紛失や盗難等による情報漏洩等の危険があるため、様々な方法でセキュリティ対策が行われている。その対策方法の一つとして、光学式の指紋センサを使用した生体認証がある。また、このような認証は様々な場面で利用される各種の情報処理装置においても実施される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-57039号公報
【特許文献2】特表2020-525891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般的には高い認証精度を得るために指紋を鮮明に撮影したいという要望がある。そのため、撮影対象の指に通常よりも強い光を照射し、反射光を強くする方法が考えられる。しかしながら、指紋センサが搭載される装置または指紋センサが利用される環境により、指に照射する光を強くできないことも想定される。また、単純に照射する光を強くするだけでは、十分に鮮明な指紋を得られないことも想定される。
【0005】
そこで、開示の実施形態の1つの側面は、鮮明な指紋を取得することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示の実施の形態は、情報処理装置によって例示される。本情報処理装置は、発光素子の配列を含む表示層と、前記表示層の上側に重畳して設けられるタッチセンサ層と、前記表示層および前記タッチセンサ層を通して、前記タッチセンサ層の上側を撮影する撮像装置と、制御部と、を備える。制御部は、タッチセンサ層によって前記タッチセンサ層または前記タッチセンサ層の上側の層に指が近接または接触する位置の範囲を取得することと、前記表示層に含まれ、前記位置の範囲に対応する前記表示層の範囲のうちの限定された限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で前記撮像装置により前記指から指紋を取得することを実行する
【発明の効果】
【0007】
本情報処理装置は、鮮明な指紋を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、比較例の情報処理装置が指紋を取得するために有する構成とその構造を例示する図である。
図2図2は、比較例の情報処理装置における指紋による認証操作を例示する図である。
図3図3は、実施の形態1の情報処理装置が指紋を取得するために有する構成とその構造を例示する図である。
図4図4は、発光層の発光箇所の形状の一例を示す図である。
図5図5は、発光箇所の形状の他の例を示す図である。
図6図6は、情報処理装置のハードウェア構成を例示する図である。
図7図7は、情報処理装置による指紋取得処理を例示するフローチャートである。
図8図8は、実施の形態2の情報処理装置の処理を画像で例示する図である。
図9図9は、実施の形態2の情報処理装置の処理手順を例示するフローチャートである。
図10図10は、発光箇所での光の照射時間と、発光箇所から照射される光量との関係を例示する図である。
図11図11は、発光箇所が線状である処理を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、一実施の形態に係る情報処理装置100およびを情報処理装置100による情報処理方法を例示する。
【0010】
<比較例>
まず、図1および図2を参照して、比較例に係る情報処理装置500を説明する。図1は、比較例の情報処理装置500が指紋を取得するために有する構成とその構造を例示する図である。情報処理装置500は、携帯型情報端末、例えば、スマートフォン、可搬形のパーソナルコンピュータ等である。図1は、情報処理装置500の筐体の一部の断面を波線で区切って例示する。なお、図1では、筐体そのものは省略されている。図1の紙面に向かって上側(TOPの文字列のある側)が、情報処理装置500の上面である。上面には、表示器3が設けられる。また、図1の紙面に向かって下側(BOTTOMの文字列のある側)が、情報処理装置500の下面である。下面は、筐体の外面となる。
【0011】
筐体内には、基板1が設けられる。基板1は、情報処理、制御、通信等の処理を実行する回路が設けられる。表示器3の下側で、基板1の上側には、指紋センサ2が設けられている。指紋センサ2は、光を集光するレンズと、画像を形成する撮像装置とを有する。撮像装置は、例えば、Complementary Metal Oxide Semiconductor(CMOS)センサ、Charge Coupled Device(CCD)センサ等である。
【0012】
表示器3は、上側、すなわち、筐体の上面から順に、例えば、カバーガラス34、タッチパネル33、発光層32および保護層31を有する。カバーガラス34は、筐体の上面の一部または全部を被覆し、表示器3を保護する。タッチパネル33は、カバーガラス34に近接または接触する人の指、タッチペン等の存在を検知し、人の指、タッチペン等が近接または接触する位置の位置情報を取得する。タッチパネル33は、例えば、例えば2次元に配列された静電容量の検出素子と、各検出素子を走査する検出回路を有する。タッチパネル33は、指、タッチペン等と、検出素子との間の静電容量の変化により、指、タッチペン等の近接または接触を検知し、検出回路の信号から位置情報を形成する。
【0013】
発光層32は、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンス(EL)ディスプレイ等である。ELディスプレイは、organic electro-luminescence(有機EL)、Organic Light Emitting Diode(OLED)によるディスプレイであってもよい。情報処理装置500は、指が近接または接触するカバーガラス34上の部分領域に光を照射し、その反射光を表示器3の下側に投影させる。保護層31は、発光層32を下側から保護する。保護層31のうち指紋センサ2の上方の部分には、開口31Aが形成され、指からの反射光を指紋センサ2に導く。
【0014】
図1において、カバーガラス34上で指紋センサ2の上方の部分に指が近接または接触された際に、情報処理装置500は、発光層32のうち、「発光箇所」の文字列が付された、指紋センサ2の上方の部分を強く発光させる。この発光により、指の表面からの反射
光が指紋センサ2に入射し、指紋センサ2により指紋が撮影される。情報処理装置500は、このようにして指紋を取得する。そして、取得された指紋により認証が成功すると、情報処理装置500は、例えばロックを解除し、ユーザの操作を受け付ける。図1の構成は、表示器3の下に指紋センサ2を配置できることから、情報処理装置500が、例えば携帯型情報端末等である場合のように、筐体の寸法が限定される装置においては、表示器3の画面占有率の向上に有利な構成である。
【0015】
図2は、比較例の情報処理装置500における指紋による認証操作を例示する図である。ユーザが指紋センサ2に対応する情報処理装置500の表面部分に指を近接または接触させた状態で、情報処理装置500は、ユーザの指に光を照射し、指紋の画像を取得する。図2の右側には、情報処理装置500の指紋センサ2に対応する筐体上面の部分に指を近接または接触する操作が例示されている。また、図2の左側には、吹き出しの内部に、カバーガラス34への光の照射状況が例示されている。ここで、光の照射状況は、「発光箇所」の文字列が付された矢印で示される塗りつぶしパターンで例示されている。なお、図2の吹き出しには、カバーガラス34に接触する指の指紋も例示されている。このように、図2の光の照射状況の例では、例えば、カバーガラス34上の指が接触する領域に満遍なく光が照射される。ここで、満遍なくとは、例えば、カバーガラス34上で指が近接または接触する部分に照射される光がある程度均一であり、指の表面の法線方向に近い方向から光が入射することを意味する。なお、図1においても、カバーガラス34上で指が近接または接触する部分領域全体に、指の表面の法線と概ね平行に光が照射されるように、発光層32が発光する。
【0016】
ところで、情報処理装置500における指紋認証時には、取得される指紋のコントラストを上げるために強い光を照射することが考えられる。しかし、図2に例示するように、指紋認証時には、指が近接または接触するカバーガラス34の部分で、指の周辺から光が漏れることがある。光が漏れてしまうと、ユーザの目への受光量が増え、漏れた光が視神経を強く刺激することがある。また、情報処理装置500が照射する光の強度を増加させることで有機EL等のディスプレイの劣化を早めることも想定される。さらに、人によって皮膚の硬さが異なること、または、認証時の湿度の影響等があり、必ずしもカバーガラス34に皮膚が密着せず指紋の認証が円滑に実施できないことも考えられる。
【0017】
すなわち、一般的には指紋認証で認証精度を向上させるためには指紋を鮮明に撮影することが望ましい。しかし、図1の構成では、表示器3の下側に指紋センサ2があり、指の表面からの反射光が表示器3を通過するため、反射光が減衰されやすい。そこで通常は、表示器3を可能な限り強い光で発光させて指紋の反射光を大きくする方法が取られている。
【0018】
このとき、図2に例示されるように、照射される光がユーザの指の周辺から漏れ出す場合がある。したがって、鮮明な指紋を取得するためには、照射される光が強いことが望ましいが、まぶしさ等を抑制する観点、または、ディスプレイの劣化を抑制する観点等から、照射される光の強度は無制限に強くできない。
【0019】
<実施の形態1>(構成)
以下、図3から図6を参照して、実施の形態1に係る情報処理装置100が説明される。情報処理装置100も、情報処理装置500と同様、携帯型情報端末、例えば、スマートフォン、可搬形のパーソナルコンピュータ等である。図3は、実施の形態1の情報処理装置100が指紋を取得するために有する構成とその構造を例示する図である。情報処理装置100は、情報処理装置500と同様、情報処理装置100の筐体の上面に表示器3を有している。また、情報処理装置100の筐体内には、基板1が設けられる。また、表示器3の下側で、基板1の上側には、指紋センサ2が設けられている。基板1および指紋
センサ2の構成および作用は、図1の情報処理装置500と同様である。
【0020】
さらに、表示器3は、筐体の上面から順に、例えば、カバーガラス34、タッチパネル33、発光層32および保護層31を有する。図1と同様、発光層32は、ディスプレイであり、表示層ということもできる。タッチパネル33は、の上側に重畳して設けられるタッチセンサ層ということができる。なお、図3では、カバーガラス34の上面に接触する人の指の表面が例示されている。また、図3では、指の表面には、指紋に相当する溝が例示され、各溝には図面に向かって最も左から順に、G1、G2、・・・、GNの符号が付されている。
【0021】
図3に例示するように、情報処理装置100では、カバーガラス34上で指が接触する領域のうちの限定された部分に対応する発光層32の限定領域(「発光箇所」の文字列が付された部分)が発光する。一方、発光層32のうち、「非発光箇所」の文字列が付された部分は発光しない。その結果、発光層32の発光箇所からの光は、指が接触する領域に、均等に、指紋の溝GR1、GR2、・・・、GRNに入射しない。例えば、溝GR1は、発光層32の発光箇所の真上にあり、指の表面の法線方向から光が入射する。そのため、溝GR1にはほとんど影が生じない。
【0022】
一方、溝GR2には、指の表面の法線方向に対して、斜め方向から光が入射する。このため、溝GR2には溝GR1よりも大きな影が生じる。溝GR1、GR2、・・・、GRNにおいて、図面に向かって右側、すなわち、溝GRNに近いほど、指の表面の法線方向に対する、照射される光の傾きが大きくなる。このため、溝GR1、GR2、・・・、GRNにおいて、溝GRNに近いほど、影が大きくなる。ただし、溝GRNに近いほど、発光箇所から遠くなり、入射する光の光量が少なくなる。このため、溝GR1から溝GRNに至る途中の溝GRk~GRmを含む領域で、指紋センサ2から見たコントラストが適正な領域が生じる。そこで、本実施の形態では、情報処理装置100は、指紋センサ2から取得される画像のうち、このコントラストが適正な領域から指紋を取得する。なお、溝GR1、GR2、・・・、GRNで例示される部分(カバーガラス34上で指が接触する各領域)のうち、どの領域においてコントラストが適正となるか否かは、発光層32の発光箇所の大きさ、形状等の条件下で、実験的、経験的に決定できる。
【0023】
図4は、発光層32の発光箇所の形状の一例を示す図である。図4の左側は、指が接触したカバーガラス34への光の照射状況を例示する。また、図4の右側は、図4の左側の指から取得された画像の一例である。情報処理装置100は、カバーガラス34上で指が接触する領域の周辺付近の環状領域L1に対応する発光層32の領域を発光させる。このような発光箇所の形状により、指紋センサ2から取得される画像は、例えば、図4の右側のようになる。この画像では、発光箇所の環状領域L1に対応する周辺部分A1は、明るい画像であるが、コントラストが十分でない。一方、発光箇所の環状領域L1の内側部分A2は、発光箇所から被写体である指の表面の法線に対して斜め方向に光が照射されるため、周辺部分A1もより高いコントラストの画像となる。
【0024】
図5は、発光箇所の形状の他の例を示す図である。図5の(A)は、発光箇所が二重の環状領域L1、L2の場合である。図5の(A)の発光箇所は、図4の一重の環状領域L1の外周部分に加えて、この外周部分より所定距離内側に内周部分として、環状領域L2を有する。なお、本実施形態において、発光箇所が図4の一重の環状領域L1の場合、図5の(A)の二重の環状領域L1、L2の場合に限定される訳ではなく、3重以上であってもよい。環状領域が複数となることで、発光箇所から指の表面に光が照射される角度と、光が照射される部分の光量を調整するときの自由度を高めることができる。ただし、環状領域の数が多くなりすぎると、発光箇所から指の表面の法線方向に光を受ける領域が増加する。つまり、コントラストが低い領域が増加し、指紋が取得できる箇所が限定される
ことになる。
【0025】
図5の(B)は、発光箇所が十字形状の領域(縦領域L3、横領域L4)の場合である。十字状の形状によっても、例えば十字形状の部分を座標軸とした場合の第1象限から第4象限(領域A3からA6)に相当する領域で適正なコントラストの画像が取得できる。
【0026】
図5の(C)は、発光箇所が菱形の枠領域L5の場合である。菱形の発光箇所によっても環状領域と同様、菱形の内部部分A7では、発光箇所から被写体である指の表面の法線に対して斜め方向に光が照射されるため、周辺部分もより高いコントラストの画像が取得できる。なお、本実施の形態において、発光箇所が図4のような環状領域L1、図5(A)のような環状領域L1、L2、(B)のような十字型、(C)のような菱形の枠領域L5に限定される訳ではない。例えば、発光箇所は、五角形以上の多角形の枠領域であってもよい。すなわち、このような多角形も外周部分ということができる。
【0027】
図6は、情報処理装置100のハードウェア構成を例示する図である。情報処理装置100は、例えば、制御部10と、発光層ドライバ回路132と、発光層32と、タッチセンサ検出回路133と、タッチパネル33と、無線回路140を有する。また、制御部10は、Central Processing Unit(CPU)11と、メモリ12と、インターフェース(
I/F)13とを有する。
【0028】
CPU11は、メモリ12に実行可能に展開されたコンピュータプログラムにより、情報処理装置100の機能を提供する。メモリ12は、CPU11が実行するコンピュータプログラムまたはCPU11が処理するデータを記憶する。インターフェース13は、CPU11と、外部の回路との間で信号を授受する。メモリは、揮発性のDynamic Random Access Memory(DRAM)の他、不揮発性のRead Only Memory(ROM)を含む。
【0029】
例えば、インターフェース13は、CPU11とタッチセンサ検出回路133とを接続する。すなわち、インターフェース13は、タッチセンサ検出回路133からの検出信号をCPU11に伝達する。すでに述べたように、タッチパネル33は、例えば2次元に配列された静電容量の検出素子を有する。タッチセンサ検出回路133はいずれかの検出素子の静電容量の変化から、例えば、カバーガラス34に接触した指の位置情報を生成し、CPU11に伝達する。また、インターフェース13は、CPU11からの制御信号を発光層ドライバ回路132に伝達する。発光層32は、発光素子の配列を有する。発光層32は、発光層ドライバ回路132からの駆動信号にしたがって駆動信号に対応する発光素子を発光させる。
【0030】
無線回路140は、CPU11で処理された送信データで高周波信号を変調し、アンテナから放射する。また、無線回路140は、アンテナから受信された高周波信号から、受信データを取得してCPU11に引き渡す。
【0031】
(処理手順)
図7は、情報処理装置100による指紋取得処理を例示するフローチャートである。指紋取得処理においては、情報処理装置100は、まず、タッチパネル33から指の接触領域(または指が近接した領域)の位置情報を取得する(S1)。なお、指の接触領域とは、指がカバーガラス34に接触した範囲の領域をいう。また、本実施の形態で、指が近接した領域とは、発光層32の発光箇所からの光がユーザの目に入射しない程度まで十分に指が接近したカバーガラス34の領域である。このように指がカバーガラス34に接近すると、ユーザの目に入射しないように光を遮ることができる。また、タッチパネル33は指が近接した領域の位置情報を取得できる。位置情報は、例えば、タッチパネル33で定義されるXY座標系での座標値の集合である。ただし、座標値は、タッチパネル33で定
義されるXY座標系から座標変換されたものであってもよい。したがあって、情報処理装置100は、S1の処理により、タッチセンサ層であるタッチパネル33によって、タッチセンサ層またはタッチセンサ層の上側のカバーガラス34の層に指が近接または接触する位置の範囲を取得する、といえる。
【0032】
次に、情報処理装置100は、S1で取得された座標値の集合を基に、発光領域を特定する(S2)。情報処理装置100は、例えば、座標値の集合を含む領域の外周部分で、図4に例示される環状領域の座標値を決定する。また、情報処理装置100は、例えば、図5で例示される二重の環状領域、十字型の領域、菱形または多角形の枠領域の座標値を決定する。情報処理装置100は、S1で取得された座標値の集合で規定される領域の内側に、発光領域を設定することで、図2に例示したような指紋取得時に指の周辺から光が漏れてしまうことを抑制する。S2で特定される発光領域は、上記座標値の集合に含まれる位置の範囲に対応する表示層の範囲のうちの限定された限定領域ということができる。
【0033】
そして、情報処理装置100は、S2で特定された発光領域で発光層32を発光させる(S3)。そして、情報処理装置100は、指紋センサ2で撮影された画像から指紋を取得する(S4)。情報処理装置100は、S4の処理により、表示層である発光層32の範囲のうちの限定された限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で指紋センサ2により指から指紋を取得するといえる。
【0034】
(実施形態の効果)
以上述べたように、本実施の形態によれば、情報処理装置100は、タッチセンサ層としてのタッチパネル33に近接、またはタッチパネル33の上側の層であるカバーガラス34に接触する指の接触範囲を取得する。そして、情報処理装置100は、図4図5に例示した環状領域、二重の環状領域、十字型の領域、菱形または多角形の枠領域に位置する発光素子を発光させた状態で撮像装置としての指紋センサ2により指紋を取得する。指紋が取得される指の表面には、図4図5に例示した領域の発光箇所から、指の表面の法線に対して斜め方向に光が入射する。したがって、図3に例示したように、指の表面で指紋を形成する溝に有効に影が形成される。その結果、情報処理装置100はコントラストを向上させた画像から指紋を取得できる。また、情報処理装置100は、図4図5に例示した領域をタッチパネル33から取得した指の接触領域の内側に設定する。そのため、指紋取得時に図2に例示したように指の周辺から光が漏れることを抑制できる。
【0035】
また、本実施の形態では、情報処理装置100は、図4に例示したように、カバーガラス34上で指が接触する領域の周辺付近に対応する発光層32の環状領域を発光させる。発光箇所の環状領域の内側部分A2は、発光箇所から被写体である指の表面の法線に対して斜め方向に光が照射されるため、周辺部分A1もより高いコントラストの画像となる。したがって、情報処理装置100は、カバーガラス34上で指が接触する領域の中央に近い部分でコントラストの高い画像から指紋を取得できる。また、情報処理装置100は、図5(A)に例示したように、環状領域を複数形成することで、発光箇所から指の表面に光が照射される角度と、光が照射される部分の光量を調整するときの自由度を高めることができる。また、情報処理装置100は、図5(B)に例示したように、発光箇所を十字形状の領域とする。このような発光箇所の形状により、情報処理装置100は、十字形状を座標軸とした場合の第1象限から第4象限に相当する領域で適正なコントラストの画像を取得できる。また、情報処理装置100は、図5(C)に例示したように、菱形または多角形の内部部分において、発光箇所から、被写体である指の表面の法線に対して斜め方向に光が照射されるため、周辺部分もより高いコントラストの画像を取得できる。
【0036】
(変形例)
発光層32はディスプレイであるため、形状や点灯時間は柔軟に変更することが可能と
なっている。そのため、発光層32内の発光箇所の形状は、例えば、すでに登録した指紋の特徴の検出ができるように変更または設定されても良い。情報処理装置100は、例えば、指紋の溝が特定の方向と平行なものが多い場合は指紋に直行する方向に発光領域を設定しても良い。
【0037】
<実施の形態2>(処理手順)
図8から図10を参照して、実施の形態2に係る情報処理装置100を説明する。上記実施形態1では、情報処理装置100は、カバーガラス34に接触する指の接触範囲を取得し、その周辺の環状領域等の限定領域に位置する発光素子を発光させた状態で指紋を取得した。これによって情報処理装置100はコントラストを向上させた画像から指紋を取得した。本実施の形態では、情報処理装置100は、発光素子を発光させる発光箇所を環状領域等の限定領域において時間とともに移動し、撮影された画像からそれぞれコントラストが高い領域を抽出する。そして、抽出したそれぞれの領域を合成して全体の画像を再構成し、指紋を取得する。本実施の形態の情報処理装置100が発光箇所を時間とともに移動しコントラストが高いそれぞれの領域を合成して全体の画像を再構成する処理(以下、合成処理)以外の処理および構成は、実施の形態1と同様である。そこで、この合成処理以外の処理および構成については、実施の形態1の処理および構成がそのまま本実施の形態の情報処理装置100に適用されるので、その説明は省略される。
【0038】
図8は、実施の形態2の情報処理装置100の処理を画像で例示する図である。図8で、TIMEで示される矢印は、時間軸を例示する。時間軸上の文字t、t+m、t+nは、時刻を例示する。「発光部分」の文字列と矢印で示される上段の3つの画像は、各時刻においてカバーガラス34上で指が接触する領域を例示する。これら3つの画像中では、各時刻における発光層32の発光箇所に対応する領域が円形の領域L0、Lm、Lnで例示されている。発光層32において、時刻tでは円形の領域L0に対応する発光箇所が発光し、時刻t+mでは円形の領域Lmに対応する発光箇所が発光し、時刻t+nでは円形の領域Lnに対応する発光箇所が発光する。図8のように、円形の領域L0、Lm、Lnは、時刻とともに、環状の経路C1に沿って移動する。環状の経路C1は、例えば、実施の形態1の発光箇所である環状領域L1と重複する。すなわち、実施の形態1では、図4に例示されるように、例えば、環状領域L1に対応する発光箇所が発光した。一方、実施の形態2では、環状領域L1の一部分である円形の領域L0、Lm、Ln等に対応する発光層32の各発光箇所が時刻とともに位置を変更しつつ発光する。
【0039】
図8で、「取得イメージ」の文字列と矢印で示される下段の3つの画像G0、Gm、Gnは、各時刻t、t+m、t+nにおいて指紋センサ2で撮影される画像である。これら3つの画像G0、Gm、Gnには、カバーガラス34上の円形の領域L0、Lm、Lnに対応して、撮影された画像中の領域LL0、LLm、LLnが例示されている。撮影された画像G0、Gm、Gnそれぞれにおいては、発光箇所に対応する領域LL0、LLm、LLnの近傍は明るいがコントラストがやや低下していることが分かる。また、コントラストが低下している領域に隣接する矩形の領域P0、Pm、Pnでは、明るさが適正で、かつ、コントラストが高いことが分かる。さらに、領域LL0、LLm、LLnから、矩形の領域P0、Pm、Pnを挟んでより遠い領域は、暗くなることが分かる。
【0040】
そこで、本実施の形態では、情報処理装置100は、各時刻t、t+1、t+2、・・・、t+m、・・・、t+n、・・・・t+Tにおいて、画像G0、G1、G2、・・・、Gm、・・・、Gn、・・・GTを取得する。すなわち、情報処理装置100は、時刻にしたがって環状の経路C1に沿って発光箇所を移動させるとともに、それぞれの時刻の画像G0、Gm、Gn等を撮影する。したがって、撮影される画像は、図8の3つの画像G0、Gm、Gnに限定される訳ではない。情報処理装置100は、各時刻に撮影された画像G0、Gm、Gn等それぞれにおいて、明るさとコントラストが適正な矩形の領域P
0、Pm、Pn等をトリミング処理によって抽出する。実施の形態1と同様、トリミング処理、すなわち、切り出し処理によって抽出する領域は、発光箇所の形状等の条件の下で、実験的または経験的に決定される。そして、情報処理装置100は、抽出された矩形の領域P0、Pm、Pn等を合成することで、カバーガラス34に接触する指の接触範囲に相当する画像全体を再構成する。なお、合成される領域P0、Pm、Pn等で相互に重複する部分があってもよい。合成される領域P0、Pm、Pn等で相互に重複する部分においては、画像中の画素値は平均されればよい。
【0041】
このような手順により合成された画像が合成イメージIM1、IM2で図8の右側に例示される。合成イメージIM1は、2値化された画像の例である。情報処理装置100は、図8の手順を採ることで、鮮明な2値画像から指紋を取得できる。合成イメージIM2は、グレースケールの画像の例である。グレースケールの画像は、発光層32の発光箇所の移動に伴い、各部の影が鮮明で、かつ濃淡を含んだ、いわば3次元画像となる。すなわち、グレースケールの画像は、指紋の溝の構造から2値画像よりも多くの情報量を有する。したがって、2値画像よりもさらに厳密な認証が可能となる。
【0042】
(処理手順)
図9は、実施の形態2の情報処理装置100の処理手順を例示するフローチャートである。この処理では、情報処理装置100は、まず、タッチパネル33から指がカバーガラス34に接触する接触領域(または指がタッチパネル33に近接した領域)の位置情報を取得する(S11)。そして、実施の形態1と同様、情報処理装置100は、S11で取得された領域を基に、複数の時刻で発光する領域の全体を特定する。領域の全体とは、例えば、図4の環状領域L1、図5の(A)(B)(C)等の各発光箇所の領域である。ここでは、図4の環状領域L1が特定され、環状領域L1に含まれる図8の環状の経路C1が特定されるとする。
【0043】
次に、情報処理装置100は、発光層32において発光させる領域の全体のうち、各時刻に対応する部分領域を発光させる(S12)。情報処理装置100は、例えば、図8の環状の経路C1に沿って、各時刻に対応する部分領域Lkを発光させる。したがって、情報処理装置100は、S11で取得される位置の範囲に対応する発光層32の領域であって、限定領域に含まれる異なる部分領域に位置する発光素子を、時間をずらして発光させるといえる。
【0044】
そして、情報処理装置100は、各時刻tkにおける画像Gkを取得する(S13)。そして、情報処理装置100は、全時刻(k=0からTまで)の処理を終了したか否かを判定する(S14)。すべての時刻の処理が終了していない場合、情報処理装置100は、次の時刻においてS12以下の処理を繰り返す。一方、情報処理装置100は、最後の時刻(k=T)までの処理が終了すると、各時刻で撮影された画像から明るさとコントラストが適正な領域Pkを抽出し、抽出された領域Pkを組み合わせて画像を合成する(S15)。そして、情報処理装置100は、合成された画像から指紋を取得する(S16)。すなわち、情報処理装置100は、時間をずらして発光させた状態でそれぞれ、指紋センサにより画像を取得し、時間をずらして発光させた状態でそれぞれ取得された画像を合成し、指紋を取得するといえる。
【0045】
(実施の形態2の効果)
以上述べたように、本実施の形態では、情報処理装置100は、発光層32において、時刻にしたがって、例えば、図8の経路C1に沿って部分領域を移動しつつ発光させ、各時刻の画像を取得する。そして、それぞれの時刻で得られた画像から、図8の矩形の領域P0、Pm、Pn等のような明るさとコントラストが適正な領域を抽出し、全体の画像を合成し、指紋を取得する。そのため、情報処理装置100は、図8の合成イメージIM1
で例示されるコントラストの高い画像から、指紋を取得できる。また、情報処理装置100は、図8の合成イメージIM2で例示されるグレースケールの3次元画像から、2値画像よりも多くの情報量を有する指紋を取得できる。
【0046】
(変形例)
上記実施の形態2では、情報処理装置100は、発光層32において、時刻にしたがって、例えば、図8の経路C1に沿って部分領域を移動しつつ発光させた。しかし、情報処理装置100の処理が、図8の経路C1に沿ったものに限定される訳ではない。例えば、情報処理装置100は、図5に例示した二重の環状領域L1、L2、十字形状、菱形等の多角形の枠領域に沿って部分領域を移動しつつ発光させてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態2においては、情報処理装置100は、時刻にしたがって、例えば、図8の経路C1に沿って部分領域を移動しつつ発光させ、各時刻の画像を取得する。この処理において、発光箇所の移動速度(または、各発光箇所での滞在時間)に応じて、発光させる光量を変化させてもよい。図10は、発光箇所での光の照射時間と、発光箇所から照射される光量との関係を例示する。
【0048】
図10の(A)は、発光層32のそれぞれの発光箇所での照射時間が短く、発光箇所が、例えば、図8の環状の経路C1に沿って比較的高速で移動する場合の光量を例示する。また、図10の(B)は、発光層32のそれぞれの発光箇所での照射時間が長く、発光箇所が、例えば、図8の環状の経路C1に沿って比較的低速で移動する場合の光量を例示する。
【0049】
情報処理装置100は、指紋認証のスピードを上げたい場合は、発光箇所の光量を多くし、各位置で滞在時間を短くし、移動速度を上げることで、移動速度を落とすことなく、十分なコントラストの画像を取得できる。逆に、情報処理装置100は、発光層32の寿命を長くしたい場合は、発光箇所の光量を下げるとともに、各位置で滞在時間を長くして、移動速度を落とすことで十分なコントラストの画像を取得できる。すなわち、情報処理装置は、例えば、ユーザからの指定にしたがって、指紋認証のスピード優先処理および発光層32の寿命優先処理等を選択的に実行すればよい。
【0050】
また、本実施形態の処理において、各時刻における発光箇所は、図8に例示された円形の領域L0、Lm、Lnのように円形に限定される訳ではない。発光箇所は楕円形、矩形、線状等であってもよい。なお、円形または矩形の領域は、面積が撮影される画像に比べて所定の比率より小さくなると、点状ということもできる。また、本実施形態の処理において、各時刻の画像G0、Gm、Gn等から抽出される領域が矩形の領域P0、Pm、Pn等に限定される訳ではない。抽出される領域は、円形、楕円形、二次曲線等の曲線の境界線で囲まれた領域、多角形の境界線で囲まれた領域等であってもよい。
【0051】
図11は、発光箇所である部分領域が線状である処理を例示する図である。より具体的には、図11は、発光箇所が図面に向かって左右に延伸する線状であって、発光箇所が図面に向かって上から下方向に移動する処理を例示する。なお、発光箇所は、図11で発光箇所が図面に向かって下から上方向に移動してもよい。また、発光箇所が図面に向かって上下に延伸する線状であって、発光箇所が図面に向かって左右方向に移動してもよい。さらにまた、発光箇所が図面に向かって斜めに延伸する線状であって、線状の発光箇所に直交する方向に移動してもよい。
【0052】
図11も、図8と同様、各時刻においてカバーガラス34上で指が接触する領域を例示する。また、各時刻における発光層32の発光箇所に対応する領域が矩形の領域N0、Nm、Nnで例示されている。また、それぞれの時刻t、t+m、t+nにおいて、発光箇
所N0、Nm、Nnから斜め方向に光が照射される結果、適正なコントラストが得られる領域が、発光箇所N0、Nm、Nmを挟んで例示されている。
【0053】
すなわち、情報処理装置100は、時刻tで得られる画像から、発光箇所N0の上下方向で、コントラストと明るさが適正な領域P01、P02を抽出できる。また、情報処理装置100は、時刻t+mで得られる画像から、発光箇所Nmの上下方向で、コントラストと明るさが適正な領域Pm1、Pm2を抽出できる。さらに、情報処理装置100は、時刻t+nで得られる画像から、発光箇所Nnの上下方向で、コントラストと明るさが適正な領域Pn1、Pn2を抽出できる。情報処理装置100は、各時刻で抽出された領域P01からPn2等を合成する。なお、すでに述べたように、各時刻における発光箇所は、円形または線状に限定される訳ではない。すなわち、情報処理装置100は、図8に例示された円形、図11に例示した線状以外の様々な形状(楕円形、矩形、点状等)の部分領域を時間とともに移動し、取得された画像を合成することで、鮮明な指紋を取得できる。
【符号の説明】
【0054】
1 基板
2 指紋センサ
3 表示器
10 制御部
11 CPU
12 メモリ
13 インターフェース
31 保護層
32 発光層
33 タッチパネル
34 カバーガラス
100 情報処理装置
132 発光層ドライバ
132 タッチセンサ検出回路
140 無線回路
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11