特開 2023-163939 包装袋

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2023163939

(43)【公開日】2023-11-10

(54)【発明の名称】包装袋

(51)【国際特許分類】

   B65D 75/62 20060101AFI20231102BHJP

   B65D 33/00 20060101ALI20231102BHJP

【ＦＩ】

B65D75/62 A

B65D33/00 C

【審査請求】未請求

【請求項の数】12

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2022075182

(22)【出願日】2022-04-28

(71)【出願人】

【識別番号】000003193

【氏名又は名称】ＴＯＰＰＡＮホールディングス株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100105957

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 誠

(74)【代理人】

【識別番号】100068755

【弁理士】

【氏名又は名称】恩田 博宣

(72)【発明者】

【氏名】有本 共行

(72)【発明者】

【氏名】柳島 俊太郎

【テーマコード（参考）】

3E064

3E067

【Ｆターム（参考）】

3E064AA05

3E064BA27

3E064BA28

3E064BA30

3E064BA36

3E064BA37

3E064BA39

3E064BA55

3E064BB03

3E064BC08

3E064BC18

3E064EA12

3E064GA04

3E064HN13

3E064HP01

3E064HP02

3E067AB01

3E067AB81

3E067BA12A

3E067BB12A

3E067BB15A

3E067BB16A

3E067BB18A

3E067BB25A

3E067BB26A

3E067CA04

3E067CA24

3E067EA06

3E067EA08

3E067EA09

3E067EB07

3E067EB10

3E067EE59

3E067FA01

3E067FB07

3E067FC01

3E067GD07

(57)【要約】

【課題】ハーフカット部に対する引裂線の追従性を高めることのできる包装袋を提供する。
【解決手段】包装袋１０が備える第１シート２１の第１ハーフカット部３１は、長さ方向における第１ハーフカット部３１の中央を含む領域に位置する中央直線部と、中央直線部に対してシール部２３の位置する側で中央直線部に繋がる傾斜部とを含む。傾斜部は、長さ方向に対して傾斜した方向に延びる複数のハーフカット線である傾斜カット線を有し、長さ方向における傾斜部の長さに対する、高さ方向における傾斜部の長さの比は、０．３以下である。中央直線部は、長さ方向に沿って直線状に延びるハーフカット線であって、複数の傾斜カット線が集約されて結合したハーフカット線を有する。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

互いに向かい合う第１シートおよび第２シートを備える包装袋であって、
前記包装袋は、前記第１シートと前記第２シートとが接合されたシール部を前記包装袋の周縁部に有し、
前記第１シートは、前記シール部から前記包装袋を横断して延びる第１ハーフカット部を備え、前記第１ハーフカット部は、前記第１シートを貫通しない深さを有して線状に延びる切れ目が位置する部分であるハーフカット線から構成され、
前記第１ハーフカット部の延びる方向が長さ方向であり、前記第１シートの表面に沿って前記長さ方向と直交する方向が高さ方向であり、
前記第１ハーフカット部は、前記長さ方向における前記第１ハーフカット部の中央を含む領域に位置する中央直線部と、前記中央直線部に対して前記シール部の位置する側で前記中央直線部に繋がる傾斜部とを含み、
前記傾斜部は、前記長さ方向に対して傾斜した方向に延びる複数の前記ハーフカット線である傾斜カット線を有し、前記長さ方向における前記傾斜部の長さに対する、前記高さ方向における前記傾斜部の長さの比は、０．３以下であり、
前記中央直線部は、前記長さ方向に沿って直線状に延びる前記ハーフカット線であって、複数の前記傾斜カット線が集約されて結合した前記ハーフカット線を有する
包装袋。

【請求項2】

前記高さ方向における前記包装袋の両端部のうち、前記第１ハーフカット部に近い端部が前記包装袋の上端部であり、
前記傾斜カット線は、前記中央直線部に向けて前記上端部に近づくように傾斜し、複数の前記傾斜カット線の前記長さ方向に対する傾斜角度は、前記上端部に近い前記傾斜カット線ほど小さくなる
請求項１に記載の包装袋。

【請求項3】

前記長さ方向における前記傾斜部の長さに対する、前記高さ方向における前記傾斜部の長さの比は、０．１２以上である
請求項１に記載の包装袋。

【請求項4】

前記中央直線部における前記ハーフカット線の幅は、前記傾斜カット線の幅よりも大きく、２００μｍ以上４００μｍ以下である
請求項１に記載の包装袋。

【請求項5】

前記第１ハーフカット部は、前記長さ方向における前記第１ハーフカット部の端部に端部直線部を含み、
前記端部直線部は、前記長さ方向において前記傾斜部に対して前記中央直線部と反対側で前記傾斜部に繋がり、
前記端部直線部は、前記長さ方向に沿って直線状に延びる複数の前記ハーフカット線であって、各傾斜カット線に１つずつ繋がる前記ハーフカット線を有する
請求項１に記載の包装袋。

【請求項6】

前記端部直線部の全体が、前記シール部に位置する
請求項５に記載の包装袋。

【請求項7】

前記包装袋は、前記包装袋の開封の起点として機能する開封起点部を有し、
前記開封起点部は、前記包装袋の外縁から前記シール部に入り込んでおり、
前記長さ方向において前記開封起点部のなかで前記包装袋の外縁から最も離れた点が前記開封起点部の端点であり、
前記高さ方向において、前記端点の位置は、前記傾斜部における前記中央直線部と反対側の端部が位置する範囲に含まれる
請求項１に記載の包装袋。

【請求項8】

前記第２シートは、前記シール部から前記包装袋を横断して前記第１ハーフカット部と一致した方向に延びる第２ハーフカット部を備え、
前記第２ハーフカット部は、前記第２シートを貫通しない深さを有して線状に延びる切れ目が位置する部分であるハーフカット線から構成され、
前記第２ハーフカット部の前記ハーフカット線は、前記第２ハーフカット部の延びる方向に沿って直線状に延びる
請求項１に記載の包装袋。

【請求項9】

前記高さ方向に沿った方向での前記第２ハーフカット部の前記ハーフカット線の位置は、
前記傾斜部における前記中央直線部と反対側の端部が位置する前記高さ方向の範囲に含まれる
請求項８に記載の包装袋。

【請求項10】

前記第１シートは、基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に位置する中間層とを備え、
前記ハーフカット線の前記切れ目は、前記第１シートの厚さ方向において前記基材層の少なくとも一部に入っており、
前記シール部では前記シーラント層が前記第２シートと接合され、
前記中間層は、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムである
請求項１に記載の包装袋。

【請求項11】

前記第１シートは、基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に位置する中間層とを備え、
前記ハーフカット線の前記切れ目は、前記第１シートの厚さ方向において前記基材層の少なくとも一部に入っており、
前記シール部では前記シーラント層が前記第２シートと接合され、
前記第１シートの断面において、前記ハーフカット線の幅方向の両側に、前記基材層の表面に対して盛り上がった隆起部が位置する
請求項１に記載の包装袋。

【請求項12】

前記傾斜部は、３本以上の前記傾斜カット線を有する
請求項１に記載の包装袋。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、包装袋に関する。

【背景技術】

【0002】

食品、化粧品、薬品等の被収容物を収容する包装袋は、向かい合わされた２つのシートの周縁部同士が熱融着により接合された構造を有する。上記シートは、包装袋の開封に際してシートの引き裂かれる位置を誘導するハーフカット部を備えている。ハーフカット部には、シートの厚さ方向の一部に切れ目を入れる加工が施されている。ハーフカット部は、例えば、包装袋における左右の端部間を横断する線状に延びる（例えば、特許文献１参照）。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１８－１００１１３号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

包装袋において、被収容物の取り出しを容易とする的確な開封のためには、ハーフカット部に沿ってシートの引き裂きが進行すること、言い換えれば、ハーフカット部に対する引裂線の追従性が高いことが望ましい。引裂線は、包装袋の開封によってシートが実際に引き裂かれた位置である。従来から、ハーフカット部の形状や位置等について種々の提案が為されてきたが、ハーフカット部に対する引裂線の追従性を高める観点では、ハーフカット部の構成にはなお改善の余地が残されている。

【課題を解決するための手段】

【0005】

上記課題を解決するための包装袋は、互いに向かい合う第１シートおよび第２シートを備える包装袋であって、前記包装袋は、前記第１シートと前記第２シートとが接合されたシール部を前記包装袋の周縁部に有し、前記第１シートは、前記シール部から前記包装袋を横断して延びる第１ハーフカット部を備え、前記第１ハーフカット部は、前記第１シートを貫通しない深さを有して線状に延びる切れ目が位置する部分であるハーフカット線から構成され、前記第１ハーフカット部の延びる方向が長さ方向であり、前記第１シートの表面に沿って前記長さ方向と直交する方向が高さ方向であり、前記第１ハーフカット部は、前記長さ方向における前記第１ハーフカット部の中央を含む領域に位置する中央直線部と、前記中央直線部に対して前記シール部の位置する側で前記中央直線部に繋がる傾斜部とを含み、前記傾斜部は、前記長さ方向に対して傾斜した方向に延びる複数の前記ハーフカット線である傾斜カット線を有し、前記長さ方向における前記傾斜部の長さに対する、前記高さ方向における前記傾斜部の長さの比は、０．３以下であり、前記中央直線部は、前記長さ方向に沿って直線状に延びる前記ハーフカット線であって、複数の前記傾斜カット線が集約されて結合した前記ハーフカット線を有する。

【0006】

上記構成によれば、複数の傾斜カット線が中央直線部にて結合することにより、中央直線部におけるハーフカット線の幅が大きくなる。それゆえ、中央直線部にてハーフカット線からの引裂線のずれが抑えられる。また、傾斜部の上記比が０．３以下であることから、傾斜部の角度が急になることが抑えられるため、傾斜部に対する引裂線の追従性が高められる。これらにより、第１ハーフカット部に対する引裂線の追従性が高められる。

【0007】

上記構成において、前記高さ方向における前記包装袋の両端部のうち、前記第１ハーフカット部に近い端部が前記包装袋の上端部であり、前記傾斜カット線は、前記中央直線部に向けて前記上端部に近づくように傾斜し、複数の前記傾斜カット線の前記長さ方向に対する傾斜角度は、前記上端部に近い前記傾斜カット線ほど小さくなってもよい。

【0008】

上記構成によれば、複数の傾斜カット線を中央直線部にて集約させることが的確に可能である。また、包装袋の開封後において第１シートの上縁付近が突出するように、第１ハーフカット部を構成することができる。したがって、包装袋の開封後に第１シートの上縁付近を摘まんで包装袋を開きやすくなる。

【0009】

上記構成において、前記長さ方向における前記傾斜部の長さに対する、前記高さ方向における前記傾斜部の長さの比は、０．１２以上であってもよい。
上記構成によれば、傾斜部の長さが過大になることが抑えられるため、傾斜部に対する引裂線の追従性が高められる。したがって、第１ハーフカット部に対する引裂線の追従性が高められる。

【0010】

上記構成において、前記中央直線部における前記ハーフカット線の幅は、前記傾斜カット線の幅よりも大きく、２００μｍ以上４００μｍ以下であってもよい。
上記構成によれば、中央直線部におけるハーフカット線の幅が十分に確保されるため、ハーフカット線からの引裂線のずれが的確に抑えられる。したがって、第１ハーフカット部に対する引裂線の追従性が高められる。

【0011】

上記構成において、前記第１ハーフカット部は、前記長さ方向における前記第１ハーフカット部の端部に端部直線部を含み、前記端部直線部は、前記長さ方向において前記傾斜部に対して前記中央直線部と反対側で前記傾斜部に繋がり、前記端部直線部は、前記長さ方向に沿って直線状に延びる複数の前記ハーフカット線であって、各傾斜カット線に１つずつ繋がる前記ハーフカット線を有してもよい。

【0012】

上記構成によれば、包装袋の外縁の形成位置や開封起点部の形成位置にずれが生じたとしても、引裂線の形成開始位置が第１ハーフカット部からずれることを抑えることができる。

【0013】

上記構成において、前記端部直線部の全体が、前記シール部に位置してもよい。
上記構成によれば、第１シートと第２シートとが接合されていない領域と比較して硬いシール部に端部直線部が位置するため、端部直線部から傾斜部への切り換えの位置で、第１ハーフカット部に対する引裂線の追従が安定しやすい。

【0014】

上記構成において、前記包装袋は、前記包装袋の開封の起点として機能する開封起点部を有し、前記開封起点部は、前記包装袋の外縁から前記シール部に入り込んでおり、前記長さ方向において前記開封起点部のなかで前記包装袋の外縁から最も離れた点が前記開封起点部の端点であり、前記高さ方向において、前記端点の位置は、前記傾斜部における前記中央直線部と反対側の端部が位置する範囲に含まれてもよい。

【0015】

上記構成によれば、開封起点部の形成位置にずれが生じたとしても、開封起点部の端点が第１ハーフカット部からずれることを抑えることが可能であり、傾斜部の付近で引裂線が第１ハーフカット部に追従しやすい。

【0016】

上記構成において、前記第２シートは、前記シール部から前記包装袋を横断して前記第１ハーフカット部と一致した方向に延びる第２ハーフカット部を備え、前記第２ハーフカット部は、前記第２シートを貫通しない深さを有して線状に延びる切れ目が位置する部分であるハーフカット線から構成され、前記第２ハーフカット部の前記ハーフカット線は、前記第２ハーフカット部の延びる方向に沿って直線状に延びてもよい。
上記構成によれば、第２ハーフカット部の構成が簡易であり、第２ハーフカット部の形成が容易である。

【0017】

上記構成において、前記高さ方向に沿った方向での前記第２ハーフカット部の前記ハーフカット線の位置は、前記傾斜部における前記中央直線部と反対側の端部が位置する前記高さ方向の範囲に含まれてもよい。

【0018】

上記構成によれば、高さ方向における第１ハーフカット部と第２ハーフカット部との形成位置にずれが生じたとしても、第１ハーフカット部の中央直線部のハーフカット線と第２ハーフカット部のハーフカット線とが重なることが抑えられる。それゆえ、開封後において第１シートの上縁と第２シートの上縁との間に段差が形成される。したがって、開封者は第１シートの上縁付近を容易に摘むことができるため、包装袋を開けることが容易に可能である。

【0019】

上記構成において、前記第１シートは、基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に位置する中間層とを備え、前記ハーフカット線の前記切れ目は前記厚さ方向において前記基材層の少なくとも一部に入っており、前記シール部では前記シーラント層が前記第２シートと接合され、前記中間層は、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムであってもよい。

【0020】

上記構成によれば、ガスバリア性が高められるとともに、中間層が金属箔である場合に比べて、包装袋の製造コストを下げることができる。また、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムである中間層の破壊を抑えつつ形成できる切れ目の深さには限界がある。これに対し、上記包装袋では、中央直線部にてハーフカット線の幅を広げることによって引裂線の追従性を高めているため、形成できる切れ目の深さに限界がある場合でも、第１ハーフカット部に対する引裂線の追従性を好適に高められる。

【0021】

上記構成において、前記第１シートは、基材層と、シーラント層と、前記基材層と前記シーラント層との間に位置する中間層とを備え、前記ハーフカット線の前記切れ目は前記厚さ方向において前記基材層の少なくとも一部に入っており、前記シール部では前記シーラント層が前記第２シートと接合され、前記第１シートの断面において、前記ハーフカット線の幅方向の両側に、前記基材層の表面に対して盛り上がった隆起部が位置してもよい。
上記構成によれば、ハーフカット線に沿って進む第１シートの引き裂きが、ハーフカット線からずれにくくなる。

【0022】

上記構成において、前記傾斜部は、３本以上の前記傾斜カット線を有してもよい。
上記構成によれば、中央直線部におけるハーフカット線の幅をより大きく確保しやすくなるため、ハーフカット線からの引裂線のずれが的確に抑えられる。したがって、第１ハーフカット部に対する引裂線の追従性が高められる。

【発明の効果】

【0023】

本発明によれば、ハーフカット部に対する引裂線の追従性を高めることができる。

【図面の簡単な説明】

【0024】

【図1】一実施形態の包装袋の全体構成を示す図。

【図2】一実施形態の包装袋における第１ハーフカット部の付近を拡大して示す図。

【図3】一実施形態の包装袋における傾斜部での第１シートの断面構造を示す図。

【図4】一実施形態の包装袋における中央直線部での第１シートの断面構造を示す図。

【図5】一実施形態の包装袋の第２シートの構成を示す図。

【図6】一実施形態の包装袋における第１ハーフカット部と第２ハーフカット部との位置関係を示す図。

【図7】一実施形態における開封された包装袋を示す図。

【発明を実施するための形態】

【0025】

図面を参照して、包装袋の一実施形態を説明する。以下の説明における上下方向は、包装袋を開封したときの開口方向、すなわち、開封によって形成された開口を通じて包装袋の内部から外部に向かう方向を上方向とした場合の方向である。

【0026】

［包装袋の全体構成］
図１を参照して、包装袋の全体構成を説明する。図１に示すように、包装袋１０は、互いに向かい合う第１シート２１と第２シート２２とを備えている。包装袋１０は、包装袋１０の外縁に沿った領域である周縁部に、第１シート２１と第２シート２２とが接合された部分であるシール部２３を有している。シール部２３にて、第１シート２１と第２シート２２とは、ヒートシールを利用した熱融着によって接合されている。包装袋１０において、第１シート２１と第２シート２２とが接合されずに向かい合っている領域、言い換えればシール部２３以外の領域は、袋部２４である。

【0027】

図１は、包装袋１０が、四方シール袋である例を示している。この場合、第１シート２１に対向する位置から見て、包装袋１０は略矩形形状の外形を有し、矩形の四辺に沿った周縁部の全域がシール部２３である。

【0028】

包装袋１０の外縁には、第１側縁１１と第２側縁１２とが含まれる。第１側縁１１と第２側縁１２との間には、袋部２４が挟まれている。包装袋１０は、第１側縁１１から第２側縁１２に向けてシート２１，２２が引き裂かれることにより、開封される。例えば、包装袋１０が略矩形形状を有するとき、第１側縁１１は、矩形における上下方向に延びて互いに向かい合う二辺の一方に沿い、第２側縁１２は、上記二辺の他方に沿う。

【0029】

包装袋１０は、第１側縁１１から第２側縁１２に向けて延びる開封誘導部３０を有している。開封誘導部３０は、第１側縁１１と第２側縁１２との間で、シール部２３および袋部２４を通って包装袋１０を横断している。開封誘導部３０は、包装袋１０の開封に際してシート２１，２２の引き裂かれる位置を誘導する機能を有する。開封誘導部３０の延びる方向が、左右方向である。左右方向は上下方向と直交する。

【0030】

包装袋１０は、さらに、再封止部材２５を備えている。再封止部材２５は、包装袋１０の開封後に、包装袋１０の再封止と再開封とを繰り返し可能とする機能を有する。再封止部材２５は、第１側縁１１と第２側縁１２との間の袋部２４に備えられ、開封誘導部３０と同一の方向に延びる。再封止部材２５は、例えば、帯状の突起部と帯状の溝部とを有して突起部と溝部との嵌合により封止を可能とする樹脂製のチャックであってもよいし、剥離と貼付とが繰り返し可能な粘着シールであってもよい。

【0031】

開封誘導部３０および再封止部材２５は、包装袋１０の上部に位置する。開封誘導部３０は、再封止部材２５と包装袋１０の上端部との間に位置する。袋部２４のなかで、再封止部材２５に対して開封誘導部３０と反対側の部分に、被収容物が収容される。被収容物は、特に限定されず、例えば、食品、化粧品、薬品等である。

【0032】

第１側縁１１から開封誘導部３０の端部に向けて、シール部２３には、開封起点部２６が設けられている。開封起点部２６は、包装袋１０の開封に際して、シート２１，２２の引き裂きの起点として機能する。開封起点部２６は、開封時にシール部２３に加えられる力が開封起点部２６の端部に集中しやすくなる構造、あるいは、開封起点部２６の強度がシール部２３の他の部分よりも弱められている構造を有する。

【0033】

例えば、開封起点部２６は、シール部２３が三角形状等の形状に切り欠かれた構造を有していてもよいし、シール部２３に直線状の切れ目が入れられた構造を有していてもよい。あるいは、開封起点部２６は、微細な貫通孔の形成等によってシール部２３の強度を低下させる脆弱加工が施された部分であってもよい。

【0034】

包装袋１０は、第１側縁１１から第２側縁１２に向けた方向と、第２側縁１２から第１側縁１１に向けた方向とのいずれの方向からも開封が可能であってもよい。この場合、図１に示すように、第２側縁１２から開封誘導部３０の端部に向けても、シール部２３には開封起点部２６が設けられ、開封誘導部３０は、左右対称な形状を有する。

【0035】

なお、包装袋１０は、四方シール袋に限らず、三方シール袋やスタンディングパウチであってもよい。包装袋１０が三方シール袋である場合、包装袋１０の周縁部の一部において、第１シート２１と第２シート２２とは連続している。包装袋１０がスタンディングパウチである場合、包装袋１０の下部において第１シート２１と第２シート２２との間には、包装袋１０の底部を構成するシートが位置する。また、包装袋１０の外形は矩形形状に限られない。要は、包装袋１０は、開封誘導部３０を有した袋状の構造体であればよく、シール部２３は、包装袋１０の周縁部のなかで、少なくとも、第１側縁１１に沿った部分に位置していればよい。

【0036】

［開封誘導部の構成］
開封誘導部３０は、第１シート２１に備えられた第１ハーフカット部３１と、第２シート２２に備えられた第２ハーフカット部３２とを有する。まず、第１ハーフカット部３１の詳細な構成を説明する。

【0037】

＜第１ハーフカット部＞
図２に示すように、第１ハーフカット部３１は、端部直線部３３と、傾斜部３４と、中央直線部３５とを含み、ハーフカット線４０から構成されている。ハーフカット線４０は、第１シート２１を貫通しない深さを有して線状に延びる切れ目が位置する部分である。

【0038】

端部直線部３３は、第１ハーフカット部３１の延びる方向である長さ方向の端部に位置する。長さ方向は、包装袋１０の左右方向と一致する方向である。端部直線部３３は傾斜部３４と繋がっており、さらに、傾斜部３４は中央直線部３５と繋がっている。すなわち、第１側縁１１に近い位置から、端部直線部３３、傾斜部３４、中央直線部３５がこの順に並んでいる。

【0039】

図２では図示を省略しているが、開封誘導部３０が左右対称な構造を有するとき、第１側縁１１から第２側縁１２に向けて、端部直線部３３、傾斜部３４、中央直線部３５、傾斜部３４、端部直線部３３がこの順に並ぶ。中央直線部３５は、長さ方向における第１ハーフカット部３１の中央を含む領域に位置し、長さ方向において中央直線部３５に対してシール部２３の位置する側に、傾斜部３４および端部直線部３３が位置する。

【0040】

端部直線部３３は、３本のハーフカット線４０である、上部カット線４１ａ、中央カット線４１ｂ、および、下部カット線４１ｃから構成されている。これらカット線４１ａ，４１ｂ，４１ｃのすべては、長さ方向に沿って直線状に延び、長さ方向と直交する高さ方向に沿って等間隔に並んでいる。これらのカット線４１ａ，４１ｂ，４１ｃの各々が、端部カット線である。

【0041】

高さ方向において、上部カット線４１ａと下部カット線４１ｃとの間に中央カット線４１ｂが位置する。高さ方向は、包装袋１０の上下方向と一致する方向であり、上部カット線４２ａは中央カット線４２ｂの上側に位置し、下部カット線４２ｃは中央カット線４２ｂの下側に位置する。

【0042】

中央直線部３５は、１本のハーフカット線４０である集約カット線４３から構成されている。集約カット線４３は、長さ方向に沿って直線状に延びる。集約カット線４３は、高さ方向において、端部直線部３３の各カット線４１ａ，４１ｂ，４１ｃよりも、包装袋１０の上端部に近い位置に配置されている。

【0043】

傾斜部３４は、３本のハーフカット線４０である、上部カット線４２ａ、中央カット線４２ｂ、および、下部カット線４２ｃから構成されている。これらカット線４２ａ，４２ｂ，４２ｃのすべては、長さ方向に対して傾斜した方向に延びる。これらのカット線４２ａ，４２ｂ，４２ｃの各々が、傾斜カット線である。

【0044】

高さ方向において、上部カット線４２ａと下部カット線４２ｃとの間に中央カット線４２ｂが位置する。上部カット線４２ａは中央カット線４２ｂの上側に位置し、下部カット線４２ｃは中央カット線４２ｂの下側に位置する。

【0045】

上部カット線４２ａの一端は、端部直線部３３の上部カット線４１ａに繋がっており、上部カット線４２ａの他端は、集約カット線４３に繋がっている。中央カット線４２ｂの一端は、端部直線部３３の中央カット線４１ｂに繋がっており、中央カット線４２ｂの他端は、集約カット線４３に繋がっている。下部カット線４２ｃの一端は、端部直線部３３の下部カット線４１ｃに繋がっており、下部カット線４２ｃの他端は、集約カット線４３に繋がっている。

【0046】

上部カット線４２ａ、中央カット線４２ｂ、下部カット線４２ｃの各々は、中央直線部３５に向けて包装袋１０の上端部に近づくように、長さ方向に対して傾斜している。各カット線４２ａ、４２ｂ、４２ｃの長さ方向に対する傾斜角度は、互いに異なっている。傾斜角度は、下部カット線４２ｃにて最も大きく、中央カット線４２ｂ、上部カット線４２ａの順に小さくなる。すなわち、包装袋１０の上端部に近いカット線ほど、傾斜角度が小さくなっている。

【0047】

以上のように、第１ハーフカット部３１においては、端部直線部３３および傾斜部３４を構成する３本のハーフカット線４０が、中央直線部３５にて集約されて１本のハーフカット線４０となっている。集約カット線４３の線幅は、端部直線部３３および傾斜部３４のカット線４１ａ～４１ｃ，４２ａ～４２ｃの各々の線幅よりも大きい。

【0048】

第１ハーフカット部３１と開封起点部２６およびシール部２３との位置関係について説明する。開封起点部２６は、第１側縁１１からシール部２３に入り込んでいる。開封起点部２６の端点Ｔは、開封起点部２６のなかで、長さ方向において最も第１側縁１１から離れている点、言い換えれば、開封起点部２６のなかで最も袋部２４に近い点である。

【0049】

開封起点部２６は、高さ方向において端部直線部３３の位置する範囲に端点Ｔが位置するように、配置されている。すなわち、高さ方向において、端点Ｔの位置は、上部カット線４１ａの位置から下部カット線４１ｃの位置までの範囲に含まれる。図２では、端点Ｔの位置が中央カット線４１ｂの位置と一致する場合を例示しているが、端点Ｔの位置は、上部カット線４１ａから下部カット線４１ｃまでの範囲に含まれていれば、中央カット線４１ｂの位置とはずれていてもよい。また、図２においては、各カット線４１ａ，４１ｂ，４１ｃが、開封起点部２６に達するまで延びているが、開封起点部２６とカット線４１ａ，４１ｂ，４１ｃのうちの少なくとも１本との間には隙間が空いていてもよい。

【0050】

上記構成では、高さ方向にて、端点Ｔの位置は、傾斜部３４における中央直線部３５と反対側の端部が位置する範囲に含まれる。すなわち、高さ方向において、端点Ｔの位置は、上部カット線４２ａにおける第１側縁１１の側の端部の位置から、下部カット線４２ｃにおける第１側縁１１の側の端部の位置までの範囲に含まれる。

【0051】

端部直線部３３は、その全体がシール部２３に位置し、端部直線部３３と傾斜部３４との境界は、シール部２３に位置する。シール部２３と袋部２４との境界は、傾斜部３４と重なっている。すなわち、傾斜部３４の一部はシール部２３に位置し、傾斜部３４の残部は袋部２４に位置する。中央直線部３５は、袋部２４に位置する。

【0052】

シール部２３は、袋部２４と比較して硬いため、端部直線部３３から傾斜部３４への切り換えの位置がシール部２３に含まれることにより、上記切り替えの位置でハーフカット線４０に対する引裂線の追従が安定しやすい。引裂線は、包装袋１０の開封によってシート２１，２２が実際に引き裂かれた位置である。

【0053】

第１ハーフカット部３１の端部に端部直線部３３が位置することによって、長さ方向において開封起点部２６の形成位置やシート２１，２２に対する第１側縁１１の形成位置にずれが生じたとしても、端点Ｔが第１ハーフカット部３１からずれることを抑えることができる。こうした効果を得るためには、端部直線部３３の長さＬｅは、１．０ｍｍ以上であることが好ましい。端部直線部３３の長さＬｅは、長さ方向において、開封起点部２６の端点Ｔよりも内側の領域、言い換えれば、端点Ｔよりも袋部２４に近い領域での端部直線部３３の長さである。

【0054】

また、端部直線部３３および傾斜部３４が複数のハーフカット線４０から構成されていることにより、端部直線部３３および傾斜部３４が１本のハーフカット線４０から構成されている場合と比較して、高さ方向において開封起点部２６の形成位置にずれが生じたとしても、端点Ｔが第１ハーフカット部３１からずれることを抑えることができる。

【0055】

端部直線部３３の長さＬｅが大きすぎると、包装袋１０の開封に際して端部直線部３３にかかる力の方向が端部直線部３３の途中で分散し、端部直線部３３にて引裂線が蛇行しやすくなる。その結果、中央直線部３５の集約カット線４３に引裂線が誘導されにくくなって、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性が低くなるとともに、引裂線の付近で、第１シート２１の構成層の剥離や、第１シート２１の糸状の切れ端である糸状片の形成が起こりやすくなる。引裂線の追従性を高めるとともに、構成層の剥離や糸状片の発生を抑えるためには、端部直線部３３の長さＬｅは、２．０ｍｍ以下であることが好ましい。

【0056】

端部直線部３３における高さ方向でのカット線４１ａ～４１ｃの間隔Ｐｅは、１．０ｍｍ以下であることが好ましい。これにより、傾斜部３４の高さＨｉが大きくなることが抑えられるため、傾斜部３４の傾斜角度が急になることを抑えやすい。

【0057】

傾斜部３４の高さＨｉは、高さ方向において傾斜部３４が位置する領域の長さであり、下部カット線４２ｃにおける端部直線部３３の側の端部と、上部カット線４２ａにおける中央直線部３５の側の端部との間の高さ方向での長さである。傾斜部３４の高さＨｉは、例えば、１．０ｍｍ以上３．０ｍｍ以下である。傾斜部３４の長さＬｉは、長さ方向における傾斜部３４の両端部間の長さである。傾斜部３４の長さＬｉは、例えば、１０ｍｍ以上３０ｍｍ以下である。

【0058】

傾斜部３４の長さＬｉに対する高さＨｉの比は、０．３以下である。これにより、傾斜部の傾斜角度が急すぎないため、端部直線部３３から傾斜部３４を通って中央直線部３５へ至るハーフカット線４０の角度の変化が大きくなることが抑えられる。その結果、端部直線部３３から傾斜部３４へ、および、傾斜部３４から中央直線部３５へ、ハーフカット線４０に沿って引裂線が誘導されやすくなり、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性が高められる。

【0059】

また、傾斜部３４の長さＬｉが大きすぎると、傾斜部３４にて引裂線が蛇行して、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性が低くなるとともに、第１シート２１の構成層の剥離や糸状片の発生が起こりやすくなる。これを抑えるためには、傾斜部３４の長さＬｉは２５ｍｍ以下であることが好ましく、傾斜部３４の長さＬｉに対する高さＨｉの比は、０．１２以上であることが好ましい。

【0060】

引裂線の追従性を向上に加えて、構成層の剥離や糸状片の発生を抑えるためには、傾斜部３４の長さＬｉに対する高さＨｉの比は、０．２以下であることが好ましく、０．２であることが最も好ましい。
なお、中央直線部３５の長さは、包装袋１０の左右方向の大きさに応じて設定されればよい。

【0061】

図３および図４を参照して、第１ハーフカット部３１の断面構造について説明する。図３および図４は、ハーフカット線４０の幅方向に沿った第１シート２１の断面であって、図３は、傾斜部３４の断面を示し、図４は、中央直線部３５の断面を示す。

【0062】

まず、第１シート２１の層構成を説明する。図３および図４に示すように、第１シート２１は、基材層５０と、中間層５１と、シーラント層５２とを備えている。基材層５０は包装袋１０の外側に向けられ、シーラント層５２は包装袋１０の内側に向けられる。中間層５１は、基材層５０とシーラント層５２との間に位置する。

【0063】

基材層５０の材料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、ポリカーボネート、ポリアクリルニトリル、ポリイミド等の樹脂であることが好ましい。ポリエチレンテレフタレートは、メカニカルリサイクルやケミカルリサイクルにより再生されたリサイクルポリエチレンテレフタレートであってもよい。基材層５０は、一軸延伸フィルムや二軸延伸フィルムであってもよいし、無延伸フィルムであってもよい。なお、ハーフカット線４０の形成が可能であれば、基材層５０は紙や不織布であってもよい。また、基材層５０は、単層であってもよいし、複数の層の積層体であってもよい。

【0064】

中間層５１は、水蒸気や酸素等の透過を抑制する機能、すなわちガスバリア性を有する。中間層５１は、例えば、アルミニウム等の金属箔、アルミニウム等の金属が蒸着された樹脂フィルム、酸化アルミニウム等の無機酸化物が蒸着された樹脂フィルム等である。樹脂フィルムは、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエステルフィルムである。なかでも、中間層５１が、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムであると、ガスバリア性が高められるとともに、中間層５１が金属箔である場合に比べて、包装袋１０の製造コストを下げることができる。

【0065】

なお、中間層５１は、第１シート２１の剛性や機械的強度を向上させるための層であってもよい。この場合、中間層５１は、ナイロンやポリエステル等の樹脂からなるフィルムであってもよい。

【0066】

シーラント層５２は、熱により融解する性質を有する樹脂からなり、熱融着により第２シート２２と接合される。シーラント層５２の材料は、例えば、ポリオレフィン系樹脂である。ポリオレフィン系樹脂の具体例は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン－酢酸ビニル共重合体、エチレン－メタクリル酸共重合体、エチレン－アクリル酸エチル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレン等である。シーラント層５２は、単層であってもよいし、複数の層の積層体であってもよい。

【0067】

基材層５０と中間層５１とは、図示しない接着層によって貼り合わせられており、中間層５１とシーラント層５２もまた、図示しない接着層によって貼り合わせられている。接着層の材料には、例えば、ドライラミネート用接着剤が用いられ、各層はドライラミネート法によって貼り合わせられる。接着剤は、例えば、二液硬化型ウレタン系接着剤、ポリエステルウレタン系接着剤、ポリエーテルウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、エポキシ系接着剤等である。

【0068】

なお、第２シート２２は、第１シート２１と同様に、基材層５０と、中間層５１と、シーラント層５２とを備えている。シール部２３では、第１シート２１のシーラント層５２と第２シート２２のシーラント層５２とが熱融着により接合されている。

【0069】

ハーフカット線４０は、レーザ加工によって形成されることが好ましい。レーザの種類は、例えば、炭酸ガスレーザである。樹脂からなる基材層５０にレーザ加工によってハーフカット線４０が形成されている場合、ハーフカット線４０の幅方向における両側には、基材層５０の表面５０Ｓに対して盛り上がった隆起部４５が形成される。隆起部４５は、レーザのエネルギーによってハーフカット線４０の位置で基材層５０である樹脂フィルムの変形が生じることにより形成される。
ハーフカット線４０の両側に隆起部４５が位置することにより、ハーフカット線４０に沿って進む第１シート２１の引き裂きが、ハーフカット線４０からずれにくくなる。

【0070】

ハーフカット線４０では、第１シート２１の厚さ方向において、基材層５０の少なくとも一部が欠損している。言い換えれば、切れ目である溝が、基材層５０の少なくとも一部に入っている。図３および図４では、ハーフカット線４０において、基材層５０の全体が欠損している場合を例示しているが、基材層５０の一部は残存していてもよい。また、ガスバリア性等の中間層５１の機能の低下を抑えるためには、ハーフカット線４０において、中間層５１は欠損していないことが好ましい。

【0071】

第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性を高め、かつ、中間層５１の機能の低下を抑える観点では、ハーフカット線４０において、基材層５０の全体が欠損し、かつ、中間層５１の全体が欠損していないことが好ましい。言い換えれば、切れ目である溝は、基材層５０を貫通し、かつ、中間層５１に達していないことが好ましい。

【0072】

傾斜部３４における各カット線４２ａ～４２ｃの幅Ｗｉは、例えば、８０μｍ以上１５０μｍ以下である。中央直線部３５における集約カット線４３の幅Ｗｃは、カット線４２ａ～４２ｃの幅Ｗｉよりも大きい。幅Ｗｃは、２００μｍ以上４００μｍ以下であることが好ましい。

【0073】

幅Ｗｉ，Ｗｃは、基材層５０の表面５０Ｓよりも下方においてハーフカット線４０の幅が最大となる位置でのハーフカット線４０の幅である。通常、ハーフカット線４０の幅はは厚さ方向で変化し、表面５０Ｓの位置で最大となる。なお、端部直線部３３における各カット線４１ａ～４１ｃの幅は、傾斜部３４における各カット線４２ａ～４２ｃの幅Ｗｉと同等である。

【0074】

レーザ加工によるハーフカット線４０の形成に際しては、集約カット線４３の形成のために、上部カット線４１ａ，４２ａの形成に連続するレーザの走査と、中央カット線４１ｂ，４２ｂの形成に連続するレーザの走査と、下部カット線４１ｃ，４２ｃの形成に連続するレーザの走査とが実施される。すなわち、端部直線部３３および傾斜部３４の形成に連続するレーザ照射が、端部直線部３３および傾斜部３４よりも狭い走査線の間隔で実施されることにより、中央直線部３５における１本の集約カット線４３が形成される。

【0075】

このように、集約カット線４３は、傾斜部３４における３本のカット線４２ａ，４２ｂ，４２ｃが中央直線部３５にて集約されて、かつ、互いに結合したハーフカット線４０である。したがって、集約カット線４３の幅Ｗｃは、３本のカット線４２ａ，４２ｂ，４２ｃの幅Ｗｉを合わせた大きさに近い大きさを有する。

【0076】

なお、本実施形態において、１本のハーフカット線４０とは、幅方向における両端の隆起部４５以上の高さを有する隆起部分を、当該両端の隆起部４５間に有さない構造を指す。両端の隆起部４５間は平坦でなくてもよく、１本のハーフカット線４０は、両端の隆起部４５よりも低い隆起部分を当該両端の隆起部４５間に有していてもよい。

【0077】

＜第２ハーフカット部＞
図５および図６を参照して、第２シート２２に備えられた第２ハーフカット部３２の構成を説明する。図５は、第２シート２２と対向する位置から見た包装袋１０を示す。

【0078】

図５に示すように、第２ハーフカット部３２は、１本のハーフカット線である直進カット線４４から構成される。直進カット線４４は、第２シート２２を貫通しない深さを有して線状に延びる切れ目が位置する部分である。直進カット線４４は、その全体にわたって、第２ハーフカット部３２の延びる方向である長さ方向に沿って直線状に延びる。第２ハーフカット部３２の延びる方向は、第１ハーフカット部３１の延びる方向と一致する方向であり、包装袋１０の左右方向である。すなわち、第１ハーフカット部３１と第２ハーフカット部３２において長さ方向は共通であり、高さ方向も共通である。

【0079】

直進カット線４４の断面形状は、第１ハーフカット部３１のハーフカット線４０の断面形状と同様である。直進カット線４４の幅は、傾斜部３４における各カット線４２ａ～４２ｃの幅Ｗｉと同等であって、中央直線部３５における集約カット線４３の幅Ｗｃよりも小さい。

【0080】

図６を参照して、第１ハーフカット部３１と第２ハーフカット部３２との位置関係について説明する。高さ方向において、直進カット線４４の位置は、端部直線部３３の位置する範囲に含まれる。すなわち、高さ方向において、直進カット線４４の位置は、上部カット線４１ａの位置から下部カット線４１ｃの位置までの範囲に含まれる。直進カット線４４は、例えば、開封起点部２６の端点Ｔから延びる。

【0081】

図６では、直進カット線４４の位置が中央カット線４１ｂの位置と一致する場合を例示しているが、直進カット線４４の位置は、上部カット線４１ａから下部カット線４１ｃまでの範囲に含まれていれば、中央カット線４１ｂの位置とはずれていてもよい。

【0082】

上記構成においては、高さ方向にて、直進カット線４４の位置は、傾斜部３４における中央直線部３５と反対側の端部が位置する範囲に含まれる。すなわち、高さ方向において、直進カット線４４の位置は、上部カット線４２ａにおける第１側縁１１の側の端部の位置から、下部カット線４２ｃにおける第１側縁１１の側の端部の位置までの範囲に含まれる。
そして、高さ方向において、直進カット線４４の位置は、中央直線部３５の集約カット線４３の位置とは異なる。直進カット線４４の位置は、集約カット線４３の位置よりも下である。

【0083】

［作用］
包装袋１０における開封誘導部３０の作用を説明する。包装袋１０の開封に際して、開封者は、開封起点部２６の付近を摘まんで引くように包装袋１０に力をかける。これにより、開封起点部２６の端点Ｔの付近から第１シート２１および第２シート２２の引き裂きが開始される。

【0084】

端点Ｔが高さ方向において端部直線部３３の位置する範囲に配置されていることにより、端点Ｔの付近から延びる引裂線が、端部直線部３３の位置する範囲内に入りやすく、すなわち、端部直線部３３および傾斜部３４の付近で引裂線が第１ハーフカット部３１に追従しやすい。そして、傾斜部３４における複数のハーフカット線４０が中央直線部３５にて集約されることから、引裂線が、中央直線部３５の集約カット線４３に誘導されやすい。

【0085】

包装袋１０の中央部では、引き裂きの速度が増加しやすく、また、中央直線部３５は長いため、ハーフカット線４０の幅が小さいと、ハーフカット線４０から引裂線がずれやすくなる。仮に複数のハーフカット線４０が配置されていたとしても、１つ１つのハーフカット線４０の幅が小さければ、開封誘導部３０からの引裂線のずれを抑えることには限界がある。

【0086】

これに対し、本実施形態では、複数のハーフカット線４０が中央直線部３５にて集約され、中央直線部３５における集約カット線４３の幅が大きくなっている。したがって、集約カット線４３からの引裂線のずれが好適に抑えられるため、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性が高められる。

【0087】

上述のように、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性を高め、かつ、中間層５１の機能の低下を抑えるためには、ハーフカット線４０を構成する切れ目が、基材層５０を貫通し、かつ、中間層５１に達していないことが好ましい。中間層５１が金属箔である場合、レーザ照射によって中間層５１が破壊されにくいため、基材層５０のみを破壊するように切れ目を深く形成することが容易である。一方、中間層５１が金属蒸着膜を有する樹脂フィルムであると、レーザ照射によって中間層５１が破壊されやすいため、中間層５１を破壊しない範囲で形成できる切れ目の深さには限界がある。

【0088】

本実施形態では、中央直線部３５にてハーフカット線４０の幅を広げることにより、引裂線の追従性を高めているため、切れ目の深さに限界がある場合でも、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性を好適に高められる。

【0089】

図７は、開封後の包装袋１０の上部を、第２シート２２と対向する位置から見た図である。第２シート２２の直進カット線４４の位置は、第１シート２１の集約カット線４３の位置よりも下であることから、開封後において第１シート２１の上縁と第２シート２２の上縁とにはずれが生じる。第１シート２１の上縁は、第２シート２２の上縁よりも上方向に突出する。したがって、開封者は第１シート２１の上縁付近を容易に摘むことができる。それゆえ、第１シート２１と第２シート２２とを引き離して再封止部材２５を開けることが容易に可能である。

【0090】

高さ方向において、直進カット線４４の位置が、端部直線部３３の位置する範囲に含まれることから、高さ方向における第１ハーフカット部３１と第２ハーフカット部３２との形成位置にずれが生じたとしても、集約カット線４３に直進カット線４４が重なることは抑えられる。したがって、開封後における第１シート２１の上縁と第２シート２２の上縁との段差を的確に確保できる。

【0091】

［実施例］
上述した包装袋を、具体的な実施例および比較例を用いて説明する。
（実施例１）
四方シール袋である実施例１の包装袋を作製した。第１シートおよび第２シートの各々において、基材層はメカニカルリサイクルポリエチレンテレフタレートフィルムであり、中間層はアルミニウムが蒸着されたポリエチレンテレフタレートフィルムであり、シーラント層は無延伸ポリプロピレンフィルムである。基材層の厚さは１２μｍであり、中間層の厚さは１２μｍであり、シーラント層の厚さは４０μｍである。各層の貼り合わせには粘着剤を用いた。粘着剤の材料はポリエチレンであり、粘着層の厚さは３０μｍである。

【0092】

ハーフカット線の形成には、炭酸ガスレーザを用いた。第１ハーフカット部の構成は下記である。なお、第１ハーフカット部の形状は左右対称であり、第１ハーフカット部全体の長さは１８ｃｍである。

【0093】

端部直線部の長さＬｅ：２．０ｍｍ
端部直線部におけるハーフカット線の間隔Ｐｅ：１．０ｍｍ
傾斜部の長さＬｉ：１５ｍｍ
傾斜部の高さＨｉ：３．０ｍｍ
中央直線部におけるレーザ照射の走査線の間隔：０．１ｍｍ

【0094】

第２ハーフカット部における直進カット線の高さ方向の位置は、第１ハーフカット部における端部直線部の中央カット線の位置と一致する。開封起点部は、三角形状の切り欠きであり、開封起点部の端点の高さ方向の位置は、端部直線部の中央カット線の位置と一致する。

【0095】

（実施例２～１１，比較例１～５）
第１ハーフカット部の構成を変更したこと以外は、実施例１と同様の材料および製法によって、実施例２～１１および比較例１～５の包装袋を作製した。

【0096】

比較例１および実施例２～５は、実施例１に対し、傾斜部の長さＬｉを変更した。
実施例６，７は、実施例１に対し、端部直線部におけるハーフカット線の間隔Ｐｅおよび傾斜部の高さＨｉを変更した。
実施例８～１１は、実施例１に対し、端部直線部の長さＬｅを変更した。
比較例２～５は、実施例１に対し、中央直線部におけるレーザ照射の走査線の間隔を変更した。
各実施例および各比較例における第１ハーフカット部の構成を表１に示す。

【0097】

【表1】

【0098】

（評価方法）
実施例および比較例について、中央直線部の断面観察と、包装袋の開封試験を下記の方法で実施した。包装袋の開封試験での評価結果を上記表１に示す。

【0099】

＜断面観察＞
実施例１および比較例２～５について、中央直線部の断面を、電子顕微鏡を用いて観察した。その結果、実施例１では、両端に隆起部を有する１本のハーフカット線が形成されていた。ハーフカット線における溝は、基材層を貫通し、中間層には達していなかった。ハーフカット線の幅は、３５５μｍであった。

【0100】

比較例２～５では、両端に隆起部を有する３本のハーフカット線が形成されていた。隣り合うハーフカット線間の隆起部は結合して１つの塊状であった。ハーフカット線における溝は、基材層を貫通し、中間層には達していなかった。各ハーフカット線の幅は、１３０μｍ～１４０μｍ程度であった。

【0101】

以上の結果から、実施例１では、複数のハーフカット線が結合した１本の集約カット線が形成されていることに対し、比較例２～５では、中央直線部におけるレーザ照射の走査線の間隔が大きいために、ハーフカット線が結合されず分離した状態であることが確認された。

【0102】

＜開封試験＞
各実施例および各比較例について、開封起点部から包装袋を人の手で引き裂く試験を３つのサンプルに対して実施した。引き裂き後の第１シートの第１ハーフカット部付近の状態を目視によって観察し、引裂線の追従性、基材層の剥離の有無、糸状片の形成の有無について評価した。

【0103】

引裂線の追従性は、４段階で評価した。基材層の破断位置を引裂線の位置として、第１ハーフカット部の長さ方向において、第１ハーフカット部と引裂線とが一致している領域の割合を各サンプルについて計測し、３つのサンプルにおける計測結果の平均値を求めた。引裂線の追従性の評価では、上記平均値である追従割合が、９割以上である場合を「４」、７割以上９割未満である場合を「３」、５割以上７割未満である場合を「２」、５割未満である場合を「１」とした。

【0104】

基材層の剥離の有無は、３段階で評価した。引裂線の付近で基材層の剥離が生じて中間層が露出している場合を剥離有とし、３つのサンプルのうち、剥離有のサンプルが０である場合を「３」、剥離有のサンプルが１つである場合を「２」、剥離有のサンプルが２つ以上である場合を「１」とした。

【0105】

糸状片の形成の有無は、３段階で評価した。引裂線の付近に、第１シートにおける糸状の切れ端である糸状片が形成されている場合を糸状片有とし、３つのサンプルのうち、糸状片有のサンプルが０である場合を「３」、糸状片有のサンプルが１つである場合を「２」、糸状片有のサンプルが２つ以上である場合を「１」とした。

【0106】

なお、比較例４，５では、引裂線の追従性が特に低く、第１ハーフカット部に沿って帯状の領域が残存した。したがって、比較例４，５では、基材層の剥離および糸状片の有無の評価を行っていない。

【0107】

（評価結果）
上記表１に示すように、中央直線部にてハーフカット線が結合されずに分離している比較例２～５では、引裂線の追従性が低く、また、基材層の剥離および糸状片の有無の評価も低い。これに対し、中央直線部にてハーフカット線が結合されている実施例１～１１では、比較例２～５と比べて、引裂線の追従性が高くなっている。なお、比較例１においても、中央直線部にてハーフカット線は結合されているが、引裂線の追従性は低い。実施例１～１１では、傾斜部の長さＬｉに対する高さの比（Ｈｉ／Ｌｉ）が０．３以下であることに対し、比較例１では、Ｈｉ／Ｌｉが０．５を超えており実施例と比べて大幅に大きい。それゆえ、比較例１では、端部直線部から傾斜部を通って中央直線部へ至るハーフカット線の角度の変化が急であったために、引裂線の追従性が低くなったと考えられる。

【0108】

実施例１～５を比較すると、傾斜部３４の長さＬｉが大きくＨｉ／Ｌｉが０．１である実施例５と比べて、Ｈｉ／Ｌｉが０．１２以上である実施例１～４では、特に良好な引裂線の追従性が得られることが確認された。さらに、Ｈｉ／Ｌｉが０．２以下である実施例１，３，４では、基材層の剥離が抑えられ、特に、Ｈｉ／Ｌｉが０．２である実施例１では、基材層の剥離および糸状片の発生の双方が好適に抑えられている。

【0109】

また、実施例１と、実施例６～１１とを比較すると、端部直線部におけるハーフカット線の間隔Ｐｅが小さく傾斜部３４の高さＨｉが小さいと、引裂線の追従性がやや低くなり、また、基材層の剥離および糸状片が生じやすくなる傾向が確認される。同様に、端部直線部の長さＬｅが短いまたは長いと、引裂線の追従性がやや低くなり、また、基材層の剥離および糸状片が生じやすくなる傾向があり、特に、端部直線部の長さＬｅが長いと、基材層の剥離および糸状片の双方について発生の頻度が高くなる。

【0110】

実施例１では、端部直線部の長さＬｅが２．０ｍｍであり、端部直線部におけるハーフカット線の間隔Ｐｅが１．０ｍｍであり、傾斜部の長さＬｉが１５ｍｍであり、傾斜部の高さＨｉが３．０ｍｍであり、こうした構成が、引裂線の追従性を高め、かつ、基材層の剥離および糸状片の発生を抑える観点で最も好適であると言える。

【0111】

以上、実施形態および実施例にて説明したように、上記包装袋によれば、以下に列挙する効果を得ることができる。
（１）第１ハーフカット部３１において、傾斜部３４は、長さ方向に対して傾斜した複数のハーフカット線４０を有し、中央直線部３５は、傾斜部３４からの複数のハーフカット線４０が集約されて結合した直線状のハーフカット線４０を有する。これにより、中央直線部３５におけるハーフカット線４０の幅が大きくなっているため、ハーフカット線４０からの引裂線のずれが好適に抑えられる。したがって、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性が高められる。

【0112】

（２）傾斜部３４のハーフカット線４０は、中央直線部３５に向けて包装袋１０の上端部に近づくように傾斜し、複数のハーフカット線４０の傾斜角度は、上記上端部に近いハーフカット線４０ほど小さくなる。これにより、傾斜部３４のハーフカット線４０を中央直線部３５にて集約させることが容易に可能である。また、包装袋１０の開封後の第１シート２１の端部が台形状に突出するように第１ハーフカット部３１を構成することができる。したがって、包装袋１０の開封後に第１シート２１の端部を摘まんで包装袋１０の袋部２４を開けることが容易である。

【0113】

（３）傾斜部３４の長さＬｉに対する高さＨｉの比が０．３以下であることにより、傾斜部３４の傾斜角度が急になることが抑えられるため、傾斜部３４に対する引裂線の追従性が高められる。また、傾斜部３４の長さＬｉに対する高さＨｉの比が０．１２以上であることにより、傾斜部３４の長さＬｉが大きくなりすぎないため、傾斜部３４に対する引裂線の追従性が高められる。

【0114】

（４）中央直線部３５におけるハーフカット線４０の幅が２００μｍ以上４００μｍ以下であれば、ハーフカット線４０の幅が十分に確保されるため、ハーフカット線４０からの引裂線のずれが的確に抑えられる。

【0115】

（５）第１ハーフカット部３１は、第１ハーフカット部３１の端部に端部直線部３３を含んでおり、端部直線部３３は、傾斜部３４のハーフカット線４０に１つずつ繋がる直線状のハーフカット線４０を有する。こうした構成によれば、包装袋１０の外縁の形成位置や開封起点部２６の形成位置にずれが生じたとしても、引裂線の形成開始位置が第１ハーフカット部３１からずれることが抑えられる。

【0116】

（６）端部直線部３３の全体が、袋部２４と比較して硬いシール部２３に位置するため、端部直線部３３から傾斜部３４への切り換えの位置で、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従が安定しやすい。

【0117】

（７）開封起点部２６の端点Ｔの高さ方向の位置が、傾斜部３４における中央直線部３５と反対側の端部が位置する範囲に含まれる。これにより、開封起点部２６の形成位置にずれが生じたとしても、端点Ｔが第１ハーフカット部３１からずれることを抑えることが可能であり、傾斜部３４の付近で引裂線が第１ハーフカット部３１に追従しやすい。

【0118】

（８）第２ハーフカット部３２が、長さ方向に沿って直線状に延びるハーフカット線である直進カット線４４から構成されるため、第２ハーフカット部３２の構成が簡易であり、第２ハーフカット部３２の形成が容易である。そして、直進カット線４４の高さ方向の位置が、傾斜部３４における中央直線部３５と反対側の端部が位置する範囲に含まれる。これにより、第１ハーフカット部３１と第２ハーフカット部３２との形成位置にずれが生じたとしても、高さ方向において、中央直線部３５のハーフカット線４０の下方に直進カット線４４が配置され、開封後において第１シート２１の上縁と第２シート２２の上縁との間に段差が形成される。したがって、開封者は第１シート２１の上縁付近を容易に摘むことができるため、袋部２４を開けることが容易に可能である。

【0119】

（９）第１シート２１の断面において、ハーフカット線４０の幅方向の両側に、基材層５０の表面５０Ｓに対して盛り上がった隆起部４５が位置する。これにより、ハーフカット線４０に沿って進む第１シート２１の引き裂きが、ハーフカット線４０からずれにくくなる。

【0120】

（１０）中間層５１が、金属蒸着膜を有する樹脂フィルムであることにより、ガスバリア性が高められるとともに、中間層５１が金属箔である場合に比べて、包装袋１０の製造コストを下げることができる。そして、中央直線部３５にてハーフカット線４０の幅を広げることによって引裂線の追従性を高めているため、中間層５１がレーザ照射によって破壊されやすく、形成できる切れ目の深さに限界がある場合でも、第１ハーフカット部３１に対する引裂線の追従性を好適に高められる。

【0121】

［変形例］
上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。

【0122】

・端部直線部３３および傾斜部３４が有するハーフカット線４０の数は、複数であればよく、例えば、２本であってもよいし、４本であってもよい。
・傾斜部３４における複数のハーフカット線４０の傾斜角度は上記実施形態とは異なっていてもよい。例えば、複数のハーフカット線４０に、傾斜角度が同一のハーフカット線４０が含まれていてもよい。

【0123】

・中央直線部３５では、傾斜部３４における２本以上のハーフカット線４０が集約されていればよく、傾斜部３４におけるすべてのハーフカット線４０が集約されていなくてもよい。また、第１ハーフカット部３１のハーフカット線４０が、傾斜部３４における複数のハーフカット線４０が中央直線部３５で集まって中央直線部３５でハーフカット線４０の幅が拡大されている形状を有していれば、ハーフカット線４０の形成方法は限定されない。例えば、上記実施形態では、傾斜部３４のハーフカット線４０の形成に連続する複数回のレーザ照射によって中央直線部３５のハーフカット線４０が形成される例を説明したが、傾斜部３４よりもレーザの径を拡大することで、１回のレーザ照射によって中央直線部３５のハーフカット線４０が形成されてもよい。

【0124】

・第１ハーフカット部３１は、傾斜部３４および中央直線部３５を含んでいればよく、端部直線部３３を含んでいなくてもよい。
・第２ハーフカット部３２におけるハーフカット線の形状は、上記実施形態と異なっていてもよい。例えば、第２ハーフカット部３２におけるハーフカット線は曲線状であってもよいし、第１ハーフカット部３１と同一の形状を有していてもよい。第２ハーフカット部３２のハーフカット線が、第１ハーフカット部３１における中央直線部３５のハーフカット線４０の少なくとも一部と重ならないように構成されていれば、開封後の包装袋１０において第１シート２１と第２シート２２との端部にずれが生じるため、袋部２４を開けることが容易である。

【符号の説明】

【0125】

１０…包装袋
２１…第１シート
２２…第２シート
２３…シール部
２４…袋部
２５…再封止部材
２６…開封起点部
３０…開封誘導部
３１…第１ハーフカット部
３２…第２ハーフカット部
４０，４１ａ～４１ｃ，４２ａ～４２ｃ，４３，４４…ハーフカット線
４５…隆起部
５０…基材層
５１…中間層
５２…シーラント層

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】