IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社東海理化電機製作所の特許一覧

特開2023-163957キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置
<>
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図1
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図2
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図3
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図4
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図5
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図6
  • 特開-キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163957
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置
(51)【国際特許分類】
   E05B 49/00 20060101AFI20231102BHJP
   E05B 83/28 20140101ALI20231102BHJP
   G06Q 10/08 20230101ALI20231102BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20231102BHJP
   B60R 7/06 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
E05B49/00 J
E05B83/28
G06Q10/08
G06Q50/10
B60R7/06 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075212
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】安藤 喬彦
【テーマコード(参考)】
2E250
3D022
5L049
【Fターム(参考)】
2E250AA21
2E250FF23
2E250FF36
2E250GG05
2E250HH01
2E250LL01
2E250LL11
2E250LL12
3D022CA01
3D022CD15
5L049AA16
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】車両の室内を荷物の配達先とする場合の利便性を向上できるキーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置を提供する。
【解決手段】ユーザの荷物の配達先として車両2の室内が指定された場合に、業者の端末3である業者端末21に第1鍵情報Da1が付与される。これにより、業者端末21での車両ドア13の施解錠が許可される。ユーザ端末23には、第1鍵情報Da1とは別の第2鍵情報Da2が登録されている。制御部33は、認証成立した端末3が業者端末21の場合には、業者端末21による車両ドア13の施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部18に関して施解錠を許可しないようにする。制御部33は、認証成立した端末3がユーザ端末23の場合には、少なくとも収納部18の施解錠を許可する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの荷物の配達先として車両の室内が指定された場合に、業者の端末である業者端末に第1鍵情報が付与されることにより、前記業者端末での車両ドアの施解錠が許可されるキーシステムであって、
前記業者端末と通信が確立した場合には、前記業者端末の前記第1鍵情報を通信によって認証し、前記第1鍵情報とは別の第2鍵情報を有する端末であるユーザ端末と通信が確立した場合には、前記ユーザ端末の前記第2鍵情報を通信によって認証する認証部と、
認証成立した前記端末が前記業者端末の場合には、前記業者端末による前記車両ドアの施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部に関して施解錠を許可しないようにし、認証成立した前記端末が前記ユーザ端末の場合には、少なくとも前記収納部の施解錠を許可する制御部と
を備えるキーシステム。
【請求項2】
前記第1鍵情報は、外部で生成されてネットワーク通信を介して付与されるデジタルキーである
請求項1に記載のキーシステム。
【請求項3】
前記車両及び前記ユーザ端末の間の通信形式は、前記ユーザ端末を前記車両の短距離無線モジュールに近づけて通信させる短距離無線通信である
請求項1に記載のキーシステム。
【請求項4】
前記制御部は、前記ユーザ端末が前記車両の室外で認証された場合、前記車両ドアの施解錠を許可又は実行し、前記ユーザ端末が室内で前記短距離無線通信によって認証された場合、前記収納部の施解錠を許可又は実行する
請求項3に記載のキーシステム。
【請求項5】
前記収納部は、前記車両に複数設けられ、
前記制御部は、前記車両及び前記ユーザ端末の通信による認証に基づき、前記複数の収納部の施解錠を一括制御する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のキーシステム。
【請求項6】
ユーザの荷物の配達先として車両の室内が指定された場合に、業者の端末である業者端末に第1鍵情報を付与することにより、前記業者端末での車両ドアの施解錠を許可する車両制御方法であって、
前記業者端末と通信が確立した場合には、前記業者端末の前記第1鍵情報を通信によって認証し、前記第1鍵情報とは別の第2鍵情報を有する端末であるユーザ端末と通信が確立した場合には、前記ユーザ端末の前記第2鍵情報を通信によって認証することと、
認証成立した前記端末が前記業者端末の場合には、前記業者端末による前記車両ドアの施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部に関して施解錠を許可しないようにし、認証成立した前記端末が前記ユーザ端末の場合には、少なくとも前記収納部の施解錠を許可することとを、
前記車両ドアの施解錠を制御するキーシステムに実行させる車両制御方法。
【請求項7】
端末に登録されたデジタルキーを車両との通信を介して認証することにより、前記車両の作動を許可又は実行するキーシステムに使用される鍵生成装置であって、
ユーザの荷物の配達先として前記車両の室内が指定された場合に、業者の前記端末である業者端末に対し、車両ドアの施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部の施解錠を許可しない第1デジタルキーを付与する第1付与部と、
ユーザの前記端末であるユーザ端末に対し、少なくとも前記収納部の施解錠を許可し得る第2デジタルキーを付与する第2付与部と
を備える鍵生成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キーシステム、車両制御方法、及び鍵生成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、ユーザが宅配サービスを利用した場合に、荷物の配達先を車両に指定して荷物を車室内に保管するサービスが周知である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-113929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この宅配サービスを利用する場合、第三者である業者の車室内への進入を許可するため、車室内に貴重品を置いたままにしておくと、貴重品の管理に関してセキュリティ性がよくない。このため、この宅配サービスを利用する場合、都度、車室内の貴重品を車室内から取り出す必要があるため、利便性がよくない課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記課題を解決するキーシステムは、ユーザの荷物の配達先として車両の室内が指定された場合に、業者の端末である業者端末に第1鍵情報が付与されることにより、前記業者端末での車両ドアの施解錠が許可される構成であって、前記業者端末と通信が確立した場合には、前記業者端末の前記第1鍵情報を通信によって認証し、前記第1鍵情報とは別の第2鍵情報を有する端末であるユーザ端末と通信が確立した場合には、前記ユーザ端末の前記第2鍵情報を通信によって認証する認証部と、認証成立した前記端末が前記業者端末の場合には、前記業者端末による前記車両ドアの施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部に関して施解錠を許可しないようにし、認証成立した前記端末が前記ユーザ端末の場合には、少なくとも前記収納部の施解錠を許可する制御部とを備える。
【0006】
前記課題を解決する車両制御方法は、ユーザの荷物の配達先として車両の室内が指定された場合に、業者の端末である業者端末に第1鍵情報を付与することにより、前記業者端末での車両ドアの施解錠を許可する方法であって、前記業者端末と通信が確立した場合には、前記業者端末の前記第1鍵情報を通信によって認証し、前記第1鍵情報とは別の第2鍵情報を有する端末であるユーザ端末と通信が確立した場合には、前記ユーザ端末の前記第2鍵情報を通信によって認証することと、認証成立した前記端末が前記業者端末の場合には、前記業者端末による前記車両ドアの施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部に関して施解錠を許可しないようにし、認証成立した前記端末が前記ユーザ端末の場合には、少なくとも前記収納部の施解錠を許可することとを、前記車両ドアの施解錠を制御するキーシステムに実行させる。
【0007】
前記課題を解決する鍵生成装置は、端末に登録されたデジタルキーを車両との通信を介して認証することにより、前記車両の作動を許可又は実行するキーシステムに使用される構成であって、ユーザの荷物の配達先として前記車両の室内が指定された場合に、業者の前記端末である業者端末に対し、車両ドアの施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部の施解錠を許可しない第1デジタルキーを付与する第1付与部と、ユーザの前記端末であるユーザ端末に対し、少なくとも前記収納部の施解錠を許可し得る第2デジタルキーを付与する第2付与部とを備える鍵生成装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、車両の室内を荷物の配達先とする場合の利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施形態のキーシステムの構成図である。
図2】収納部を示す車室内の斜視図である。
図3】端末かざし場所を示す車室内の斜視図である。
図4】端末の認証の手順図である。
図5】鍵情報の配信の手順を示す概略図である。
図6】(a)、(b)は、業者が荷物を車両に搬入するときの作業図である。
図7】別例のキーシステムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態を説明する。
(キーシステム1の概説)
図1に示すように、車両2は、端末3を通信によって認証するキーシステム1を備える。キーシステム1は、端末3の認証結果に基づき、車両2の搭載装置4の作動を制御する。本例のキーシステム1は、端末3に登録された鍵情報(本例は、第1鍵情報Da1や第2鍵情報Da2)を、通信によって認証する。
【0011】
キーシステム1は、外部から鍵情報(例えば、デジタルキーDk)を登録した端末3を車両2のキーとして使用するデジタルキーシステムを含む。端末3は、例えば、高機能携帯電話等のモバイル端末である。デジタルキーDkは、例えば、使用が1度のみ、或いは、一定期間のみ許可されたワンタイムキーである。デジタルキーDkは、例えば、サーバからのダウンロード、マスターキーからの無線による取得、コード情報の画像読み取りなどの各種方式によって、端末3にダウンロードされる。
【0012】
デジタルキーシステムは、車両2及び端末3の間の通信に近距離無線通信が使用される。近距離無線通信は、例えば、PAN(Personal Area Network:パーソナルエリアネットワーク)通信、又は短距離無線通信である。パーソナルエリアネットワーク通信には、例えば、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)通信、UWB(Ultra Wide Band)通信、Wi-Fi(登録商標)通信などがある。また、ブルートゥース通信は、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)である。短距離無線通信は、RFID(Radio Frequency Identification)の一種として、NFC(Near Field Communication)などがある。
【0013】
キーシステム1は、無線通信による端末3の認証を実行する認証装置6を備える。認証装置6は、近距離無線通信を実行する近距離無線モジュール7と、端末3を認証する認証部8と、端末3の位置を判定する位置判定部9とを有する。端末3は、近距離無線通信を実行する近距離無線モジュール10を備える。認証部8は、デジタルキーシステムの場合、近距離無線モジュール7を介して端末3の近距離無線モジュール10と近距離無線通信を実行することにより、端末3の鍵情報を認証する。
【0014】
位置判定部9は、近距離無線通信の電波で測定された特性値Ktに基づき、車両2及び端末3の間の位置関係を判定する。特性値Ktは、例えば、近距離無線で通信される電波の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)である。受信信号強度を測定する電波は、端末3で受信する電波、及び、認証装置6で受信する電波のいずれでもよい。位置判定部9は、例えば、測定した受信信号強度と閾値とを比較することにより、車両2に対する端末3の位置(車内/車外)を判定する。
【0015】
認証装置6は、車両2に設けられた通信線12を介して、複数の搭載装置4と接続されている。搭載装置4は、例えば、車両ドア13の施解錠を制御するドアロック制御装置14、車両2に推進力を付与する走行駆動装置(図示略)、ステアリングホイールの回転操作をロックするステアリングロック制御装置(図示略)などである。認証装置6は、例えば、搭載装置4に各種指令を出力することにより、搭載装置4を制御する。
【0016】
ドアロック制御装置14は、ドアロック制御装置14を制御するコントローラ15と、電気的に施解錠が切り替えられる電気錠16とを備える。コントローラ15は、認証装置6から入力する作動指令に基づき、電気錠16を介して車両ドア13の施解錠の切り替えを実行する。
【0017】
(収納部18の概説)
図2に示すように、車両2は、室内において物品を収納可能とする収納部18を備える。収納部18は、例えば、車両2のセンターコンソールに設けられたコンソールボックス19である。また、収納部18は、例えば、車両2の助手席に設けられたグローブボックスでもよい。なお、収納部18は、コンソールボックス19やグローブボックスに限定されず、室内において物品を収納可能とする部位であればよい。
【0018】
(鍵情報の付与)
図1に示す通り、荷物の配達先として車両2が指定された場合、宅配業者の端末3である業者端末21は、業者端末21で車両2を作動させるときに認証される第1鍵情報Da1が登録されている。本例の第1鍵情報Da1は、例えば、第1デジタルキーDk1、又は、第1デジタルキーDk1を復号して得られるセッション鍵のいずれでもよい。
【0019】
第1デジタルキーDk1は、例えば、外部(鍵生成装置22:図5参照)で生成されてネットワーク通信を介して付与される。第1デジタルキーDk1は、例えば、車両2の利用が許可された期間に係る利用期間情報と、車両2及び業者端末21の間で暗号通信を行うときに使用するセッション鍵と、業者端末21が有する固有の端末IDと、搭載装置4のうち車両ドア13の施解錠のみを許可する許可情報と、を含む。このように、業者端末21には、車両ドア13の施解錠のみが許可された第1デジタルキーDk1が付与される。
【0020】
ユーザ端末23は、ユーザ端末23で車両2を作動させるときに認証される第2鍵情報Da2が登録されている。本例の第2鍵情報Da2は、例えば、第2デジタルキーDk2、又は、第2デジタルキーDk2を復号して得られるセッション鍵のいずれでもよい。
【0021】
第2デジタルキーDk2は、例えば、鍵生成装置22から付与されてもよいし、又は、予めユーザ端末23に登録されていてもよい。第2デジタルキーDk2は、例えば、車両2の利用が許可された期間に係る利用期間情報と、車両2及びユーザ端末23の間で暗号通信を行うときに使用するセッション鍵と、ユーザ端末23が有する端末IDと、搭載装置4の全ての使用が許可された許可情報と、を含む。このように、ユーザ端末23には、車両2を自由に使用することが可能な第2デジタルキーDk2が付与される。
【0022】
(短距離無線通信の概説)
車両2は、短距離無線の電波を送受信する短距離無線モジュール24を備える。短距離無線モジュール24は、認証装置6に接続されることにより、動作が認証装置6によって管理される。ユーザ端末23は、車両2と短距離無線通信を実行する短距離無線モジュール25を備える。短距離無線は、例えば、NFCである。認証装置6は、短距離無線モジュール24にユーザ端末23が近づけられた場合、短距離無線によってユーザ端末23を認証する。短距離無線による認証は、例えば、第2デジタルキーDk2を復号して得られるセッション鍵が使用される。
【0023】
図3に示すように、車両2は、車両2の室内において短距離無線通信を実行するときにユーザ端末23をかざす端末かざし場所26を備える。端末かざし場所26は、例えば、車室内のインストルメントパネルの上面に設けられる。車両2の短距離無線モジュール24は、端末かざし場所26の下方に配置されている。
【0024】
(収納部18の制御)
図1に示す通り、車両2は、収納部18の施解錠を制御する機器制御装置29を備える。機器制御装置29は、例えば、通信線12を介して認証装置6に接続されている。機器制御装置29は、通信線30を介して、収納部18に設けられた電気錠31に接続されている。収納部18が複数存在する場合、機器制御装置29は、各収納部18の電気錠31に接続されている。機器制御装置29は、認証装置6から入力する作動指令に基づき、電気錠31を介して収納部18の施解錠の切り替えを実行する。
【0025】
認証部8は、業者端末21と通信が確立した場合には、業者端末21の第1鍵情報Da1を通信によって認証する。認証部8は、第1鍵情報Da1とは別の第2鍵情報Da2を有するユーザ端末23と通信が確立した場合には、ユーザ端末23の第2鍵情報Da2を通信によって認証する。認証部8は、ユーザ端末23と短距離無線通信を実行するとき、第2鍵情報Da2から得られるセッション鍵を使用して、認証を実行する。
【0026】
キーシステム1は、認証部8の認証結果に基づき収納部18の施解錠を制御する制御部33を備える。制御部33は、例えば、認証装置6に設けられている。制御部33は、認証成立した端末3が業者端末21の場合には、業者端末21による車両ドア13の施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部18に関して施解錠を許可しないようにする。一方、制御部33は、認証成立した端末3がユーザ端末23の場合には、少なくとも収納部18の施解錠(本例は、車両2の全ての搭載装置4の使用)を許可する。
【0027】
制御部33は、ユーザ端末23が車両2の室外で認証された場合、車両ドア13の施解錠を許可又は実行するとともに、ユーザ端末23が室内で短距離無線通信によって認証された場合、収納部18の施解錠を許可又は実行する。制御部33は、収納部18が複数設けられた場合、車両2及びユーザ端末23の通信による認証に基づき、複数の収納部18の施解錠を一括制御する。
【0028】
次に、本実施形態のキーシステム1の作用について説明する。
(ユーザ端末23での車両操作)
図4に示すように、ステップ101において、認証装置6は、自機の通信に係る情報を知らせるアドバタイズを、近距離無線モジュール7から周期的に繰り返し送信する。なお、アドバタイズは、例えば、パケットデータの一種であって、認証装置6から常時、定期的に送信される。
【0029】
ステップ102において、ユーザ端末23は、車両2に近づいた場合、認証装置6から送信されるアドバタイズを受信すると、スキャン処理を実行する。なお、ユーザ端末23は、例えば、アドバタイズを受信したときの受信信号強度が規定値以上となった場合に、スキャン処理を開始する。ユーザ端末23は、スキャン処理後、近距離無線通信の詳細に係る提供の要求として、接続要求を認証装置6に送信する。
【0030】
ステップ103において、認証装置6及びユーザ端末23は、以上のやり取りを遂行すると、近距離無線通信が接続された状態、すなわち通信接続の状態に移行する。
ステップ104において、認証装置6及びユーザ端末23は、近距離無線通信が通信接続の状態に移行すると、ユーザ端末23の認証を実行する。本例の場合、例えば、ユーザ端末23は、認証装置6からの要求に応答して、自身に登録されている第2鍵情報Da2(本例の場合、第2デジタルキーDk2)を、近距離無線通信によって認証装置6に送信する。
【0031】
認証装置6は、ユーザ端末23から第2デジタルキーDk2を受信すると、認証部8で第2デジタルキーDk2の認証を実行する。本例の場合、認証部8は、第2デジタルキーDk2を正しく復号できるなどして、第2デジタルキーDk2の認証が成立に移行した場合、例えば、第2デジタルキーDk2の利用期間情報、以降の近距離無線通信で使用するセッション鍵、ユーザ端末23の固有のIDである端末ID、許可する車両操作の内容である許可情報などを取得することができる。第2デジタルキーDk2に含まれる許可情報は、例えば、車両2の全操作(車両ドア13の施解錠、電源の状態遷移、収納部18の施解錠)について使用を許可する情報である。一方、認証部8は、第2デジタルキーDk2が正しくない、或いは、第2デジタルキーDk2の有効期間が正しくなければ、処理を強制終了することにより、車両2の使用を許可しない。
【0032】
ステップ105において、認証装置6及びユーザ端末23は、第2デジタルキーDk2が認証された場合、認証成立を認識した認証完了状態となる。認証完了状態とは、認証装置6及びユーザ端末23の双方が互いに共通のセッション鍵や端末IDを知る状態をいう。
【0033】
また、制御部33は、車両2の全操作を許可する許可情報を含む第2デジタルキーDk2をユーザ端末23から取得するため、ユーザ端末23を所持するユーザに対し、車両2の全操作を許可する。これにより、車両ドア13の施解錠、車両電源の状態遷移(具体的には、走行駆動源の始動)、ステアリングロックの解錠、収納部18の解錠などが可能となる。
【0034】
ステップ106において、認証装置6及びユーザ端末23は、認証完了状態に移行後、近距離無線通信の確立が維持されているか否かの確認の通信を実行する。本例の場合、認証装置6及びユーザ端末23の各々は、所定の周期の間隔(コネクションインターバル)で周期電波Stを送信し、その後、この周期電波Stに対する応答を受信できるか否かを確認することにより、通信確立が維持されているか否かを監視する。すなわち、ユーザ端末23が所定の周期間隔で周期電波Stを送信し、その後、この周期電波Stに対する応答を受信できれば、通信確立が維持されていると判断する。そして、同様の処理を認証装置6も実行する。
【0035】
ユーザ端末23は、自身が送信する周期電波Stに対する応答を認証装置6から受信できなくなると、通信を切断する。また、認証装置6は、自身が送信する周期電波Stに対する応答をユーザ端末23から受信できなくなると、通信を切断する。
【0036】
位置判定部9は、認証装置6及びユーザ端末23が近距離無線通信している際、ユーザ端末23の位置判定を実行する。本例の場合、位置判定は、例えば、コネクションインターバルの周期通信の際に実行される。具体的には、コネクションインターバル間隔で通信された電波の受信信号強度が認証装置6及びユーザ端末23の一方で測定され、測定された受信信号強度が位置判定部9に通知される。位置判定部9は、取得した受信信号強度に基づき、ユーザ端末23の位置を判定する。
【0037】
なお、位置判定は、例えば、電波が複数回送信されるのであれば、複数の受信信号強度から所定の演算値を求め、この演算値を基に位置判定を実行してもよい。この演算値は、例えば、平均値、加重平均、算術平均、相乗平均、調和平均など、種々のパラメータを用いてもよい。さらに、位置判定に用いる電波は、認証装置6及びユーザ端末23の間でやり取りされる電波であれば、どのタイミングで送信される電波を使用してもよい。また、車両2に近距離無線モジュール7を複数設けることにより、近距離無線モジュール7ごとに測定される受信信号強度を用いて位置判定を実施してもよい。
【0038】
認証装置6は、認証完了状態となったユーザ端末23が室外に位置すると位置判定部9によって判定されている場合、室外認証を成立とし、車両ドア13の施解錠を許可する。よって、ロック操作やアンロック操作が実行された場合には、車両ドア13の施解錠が切り替わる。なお、ロック操作は、車外ドアハンドルに対してロック操作を実行すること、ユーザ端末23でロック操作を実行することのいずれでもよい。また、アンロック操作は、車外ドアハンドルに対してアンロック操作を実行すること、ユーザ端末23でアンロック操作を実行することのいずれでもよい。
【0039】
なお、収納部18の施解錠は、ユーザ端末23の認証下における車両ドア13の施解錠と連動する方式、又は、ユーザ端末23の認証下における車両ドア13の施解錠と連動しない方式のいずれでもよい。連動する方式の場合、車両ドア13が解錠されるのと同時に収納部18も解錠に切り替わり、車両ドア13が施錠されるのと同時に収納部18も施錠に切り替わる。
【0040】
また、連動しない方式の場合、収納部18は、ユーザ端末23の認証下において車両ドア13が施解錠操作されても、施錠状態のままで維持される。この場合、収納部18を施解錠するには、乗車したユーザがユーザ端末23を室内の端末かざし場所26にかざす操作を実行する。このとき、ユーザ端末23及び短距離無線モジュール24との間で認証の通信が実行され、認証が成立すれば、収納部18の施解錠が実行される。
【0041】
認証装置6は、認証完了状態となったユーザ端末23が室内に位置すると位置判定部9によって判定されている場合、室内認証を成立とし、電源遷移操作を許可する。よって、室内の電源遷移操作用のスイッチ部34を操作することにより、車両2の電源状態の切り替えが可能となる。また、ブレーキペダルを踏み込みながらスイッチ部34が操作されると、車両2の走行駆動源(例えば、走行モータやエンジン)が始動する。
【0042】
なお、ここでは、車両2及びユーザ端末23の間の通信にブルートゥース通信を用いた例を挙げたが、この通信をNFC通信等の短距離無線通信としてもよい。すなわち、NFC等の短距離無線通信によってユーザ端末23を認証し、そして、ユーザ端末23の認証が成立すれば、車両ドア13の施解錠や車両2の電源遷移操作を許可してもよい。
【0043】
(業者端末21への第1鍵情報Da1の配信)
図5に、ユーザが荷物の宅配サービスを利用するとき、配達先として車両2を指定する具体例を図示する。配達先を車両2に指定した場合、ユーザから取得した配達先情報Dhが鍵生成装置22に送られる。鍵生成装置22は、例えば、ネットワーク通信環境下に置かれたサーバである。配達先情報Dhは、例えば、ユーザの車両2が存在する場所(例えば、ユーザの住所)、荷物の配達希望日時、荷物を入れて欲しい車両2の詳細(例えば、車両IDや固体番号)などを含む。
【0044】
鍵生成装置22は、業者端末21に第1デジタルキーDk1を付与する第1付与部36と、ユーザ端末23に第2デジタルキーDk2を付与する第2付与部37とを備える。第1付与部36は、ユーザが入力した配達先情報Dhに基づき第1デジタルキーDk1を生成するとともに、第1デジタルキーDk1を業者端末21に付与する。
【0045】
第1付与部36は、配達先情報Dhを受信すると、配達先情報Dhに基づき、第1鍵情報Da1として第1デジタルキーDk1を生成する。そして、第1付与部36は、生成した第1デジタルキーDk1を、ネットワーク通信を介して業者端末21に配信する。これにより、業者端末21には、第1鍵情報Da1として第1デジタルキーDk1が登録された状態となる。
【0046】
また、第2付与部37は、ユーザ端末23からデジタルキーDkの付与の要求を受け付けたときに、第2デジタルキーDk2を生成する。そして、第2付与部37は、第2鍵情報Da2として第2デジタルキーDk2をユーザ端末23に付与する。なお、ユーザ端末23に予め第2鍵情報Da2が登録されている場合には、第2デジタルキーDk2の配信を受ける必要はない。
【0047】
(車室内貴重品の管理)
図2に示す通り、荷物の配達先として車両2を指定したユーザは、室内に存在する貴重品を室内の収納部18内に収納する。すなわち、業者が車両2を利用するとき、貴重品を車両2の室内に単に置いたままにしておくのは盗難被害に遭う可能性も否定できないため、貴重品をまとめて収納部18内に入れる。具体的には、施錠されていないコンソールボックス19の蓋を開けて内部に貴重品を入れ、その後、蓋を閉める。
【0048】
図3に示す通り、収納部18に貴重品を収納した後、収納部18を施錠するために、ユーザ端末23を端末かざし場所26にかざす。このとき、認証部8は、ユーザ端末23との間で、短距離無線通信による認証を実行する。短距離無線通信による認証は、例えば、ユーザ端末23のセッション鍵を使用した認証である。認証部8は、セッション鍵が合致すれば、短距離無線通信による認証を成立とし、一方、セッション鍵が合致しなければ、短距離無線通信による認証を不成立とする。
【0049】
図1に示す通り、短距離無線通信によるユーザ端末23の認証が成立した場合、制御部33は、収納部18を施錠する要求(施錠要求Slc)を、通信線12を介して機器制御装置29に出力する。機器制御装置29は、認証装置6から施錠要求Slcを入力すると、電気錠31を介して、収納部18を施錠する。このようにして、貴重品が収納部18に保管される。
【0050】
なお、収納部18を解錠するには、例えば、ユーザ端末23を端末かざし場所26に再度かざす。このとき、制御部33は、収納部18を解錠する要求(解錠要求Sul)を、通信線12を介して機器制御装置29に出力する。機器制御装置29は、認証装置6から解錠要求Sulを入力すると、電気錠31を介して、収納部18を解錠する。このように、端末かざし場所26にユーザ端末23をかざす度に、収納部18の施解錠が交互に切り替わる。
【0051】
(業者による車室内への荷物搬入)
図6(a)に示すように、業者が荷物を持って車両2に近づくと、車両2及び業者端末21の間で近距離無線通信による認証が実行される。すなわち、ユーザ端末23を近距離無線通信によって認証したときと同様の手順により、業者端末21に登録された第1鍵情報Da1(本例は、第1デジタルキーDk1)が車両2の認証装置6との間で近距離無線通信によって認証される。
【0052】
認証部8は、第1デジタルキーDk1を正しく復号できるなどして、第1デジタルキーDk1の認証が成立に移行した場合、例えば、第1デジタルキーDk1の利用期間情報、以降の近距離無線通信で使用するセッション鍵、業者端末21の固有のIDである端末ID、許可する車両操作の内容である許可情報などを取得することができる。第1デジタルキーDk1に含まれる許可情報は、例えば、車両2の操作を制限して許可(車両ドア13の施解錠のみ許可)する情報である。一方、認証部8は、第1デジタルキーDk1が正しくない、或いは、第1デジタルキーDk1の有効期間が正しくなければ、処理を強制終了することにより、車両2の使用を許可しない。
【0053】
認証装置6及び業者端末21は、第1デジタルキーDk1が認証された場合、認証成立を認識した認証完了状態となる。認証完了状態とは、認証装置6及び業者端末21の双方が互いに共通のセッション鍵や端末IDを知る状態をいう。
【0054】
また、制御部33は、車両ドア13の施解錠のみ許可された許可情報を有する第1デジタルキーDk1を業者端末21から取得するため、業者端末21を所持する業者に対し、車両ドア13の施解錠のみ許可する。これにより、車両ドア13の施解錠のみ可能となり、車両電源の状態遷移(具体的には、走行駆動源の始動)、ステアリングロックの解錠、収納部18の解錠などは操作不可となる。
【0055】
図6(b)に示すように、業者端末21の認証後、業者は、車両ドア13をアンロック操作して開け、車室内に荷物を置く。業者による車両ドア13のアンロック操作は、例えば、車外ドアハンドルに対してアンロック操作を実行すること、業者端末21でアンロック操作を実行することのいずれでもよい。
【0056】
ここで、車両2の室内の収納部18は、施錠状態にあるとともに、業者端末21では解錠できない。このため、業者が荷物搬入のために業者端末21で車両ドア13を解錠して開けても、この業者端末21では収納部18までは開けることができない。すなわち、業者端末21が端末かざし場所26にかざされても、制御部33から機器制御装置29に解錠要求Sulが出力されず、結果、収納部18の施錠が維持される。よって、収納部18内に収納された貴重品のセキュリティが満足される。
【0057】
業者は、荷物を車室内に搬入後、車両ドア13を閉めてロックする。業者による車両ドア13のロック操作は、例えば、車外ドアハンドルに対してロック操作を実行すること、業者端末21でロック操作を実行することのいずれでもよい。以上のようにして、ユーザの荷物が車両2の室内に配達される。
【0058】
(実施形態の効果)
上記実施形態のキーシステム1(車両制御方法、鍵生成装置22)によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0059】
(1)キーシステム1は、ユーザの荷物の配達先として車両2の室内が指定された場合に、業者の端末3である業者端末21に第1鍵情報Da1が付与されることにより、業者端末21での車両ドア13の施解錠が許可される。キーシステム1は、認証部8及び制御部33を備える。認証部8は、業者端末21と通信が確立した場合には、業者端末21の第1鍵情報Da1を通信によって認証し、第1鍵情報Da1とは別の第2鍵情報Da2を有する端末3であるユーザ端末23と通信が確立した場合には、ユーザ端末23の第2鍵情報Da2を通信によって認証する。制御部33は、認証成立した端末3が業者端末21の場合には、業者端末21による車両ドア13の施解錠を許可しつつも、室内に設けられた収納部18に関して施解錠を許可しないようにし、認証成立した端末3がユーザ端末23の場合には、少なくとも収納部18の施解錠を許可する。
【0060】
本構成によれば、ユーザに荷物の配達先として車両2が指定された場合、業者端末21に第1鍵情報Da1を付与することにより、車両ドア13の施解錠を可能にして、車室内への荷物の搬入を可能にする。この場合、業者端末21では、車両ドア13の施解錠が可能にされても、車室内の収納部18の解錠は許可されない。このため、収納部18に入れておいた物品のセキュリティ性は維持されるので、荷物の配達先として車両2を指定しても、わざわざ車両2から物品を取り出しておく必要がない。よって、車両2の室内を荷物の配達先とする場合の利便性を向上できる。
【0061】
(2)第1鍵情報Da1は、外部で生成されてネットワーク通信を介して付与されるデジタルキーDkである。この構成によれば、第1鍵情報Da1をネットワーク配信されるデジタルキーDkとしたので、荷物の配送依頼を受け付けた際、業者端末21に対して簡便に利用制限付きの第1鍵情報Da1を付与できる。
【0062】
(3)車両2及びユーザ端末23の間の通信形式は、ユーザ端末23を車両2の短距離無線モジュール24に近づけて通信させる短距離無線通信である。この構成によれば、ユーザ端末23を車両2の短距離無線モジュール24にかざすという明確な操作に基づき、車両2を作動させることが可能となる。よって、ユーザの意図しない通信確立が生じ難い。
【0063】
(4)制御部33は、ユーザ端末23が車両2の室外で認証された場合、車両ドア13の施解錠を許可又は実行し、ユーザ端末23が室内で短距離無線通信によって認証された場合、収納部18の施解錠を許可又は実行する。この構成によれば、ユーザ端末23が車室内外のどちらで認証されたかによって、車両2で実行される制御を異ならせることが可能となる。よって、1つのユーザ端末23で複数の機能を実行できる。
【0064】
(5)収納部18は、車両2に複数設けられている。制御部33は、車両2及びユーザ端末23の通信による認証に基づき、複数の収納部18の施解錠を一括制御する。この構成によれば、複数の収納部18の施解錠をまとめて実行することが可能となるので、利便性の向上に寄与する。
【0065】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0066】
図7に示すように、ユーザは、デジタルキーシステムでユーザ認証を実行することに限定されず、例えば、スマートシステムやワイヤレスキーシステムでユーザ認証を実行してもよい。スマートシステムは、例えば、車両2からの通信を契機に認証(スマート照合)を実行する。電子キー41は、車両2のスマート通信部42と通信を実行することにより、電子キー41に登録されたID情報が認証される。スマート通信は、例えば、車両2から電子キー41への通信にLF帯の電波が使用され、電子キー41から車両2への通信にUHF帯の電波が使用される。
【0067】
スマートシステムの場合、車室外に位置する電子キー41とスマート照合が成立すれば、車両ドア13の施解錠が許可又は実行される。また、車室内に位置する電子キー41とスマート照合が成立すれば、車両電源の遷移操作が許可される。
【0068】
ワイヤレスキーシステムは、例えば、電子キー41からの通信を契機に認証を実行する。例えば、電子キー41に設けられたドアロックボタンが操作されると、電子キー41から施錠要求信号がUHF帯の電波で車両2に送信されて車両ドア13が施錠される。また、電子キー41に設けられたドアアンロックボタンが操作されると、電子キー41から解錠要求信号がUHF帯の電波で車両2に送信されて車両ドア13が解錠される。
【0069】
このように、車両ドア13の施解錠や走行駆動装置の始動と、収納部18の施解錠とは、別システムで実行されてもよい。すなわち、車両ドア13の施解錠や走行駆動装置の始動は、電子キー41を用いて行うようにし、一方、収納部18の施解錠は、ユーザ端末23を用いて行うようにしてもよい。
【0070】
・NFC通信(短距離無線通信)の機能は、例えば、端末3(ユーザ端末23)が電池切れとなってデジタルキーシステムが使えなくなったときのバックアップ機能の位置付けであることが好ましい。
【0071】
・ユーザ端末23を車両2の近距離無線モジュール7にかざして収納部18を施解錠する機能は、車両2に予め搭載されている機能に限らず、例えば、車両2に後付けされた機能としてもよい。
【0072】
・ユーザ端末23は、例えば、カードキーでもよい。
・第1鍵情報Da1は、デジタルキーシステムで認証されるデジタルキーDkに限定されない。すなわち、第1鍵情報Da1は、デジタルキーシステム以外のシステムで認証される鍵としてもよい。これは、第2鍵情報Da2も同様である。
【0073】
・車両2に収納部18が複数存在する場合、ユーザ端末23で施解錠できる収納部18を選択可能としてもよい。一例として、例えば、カーナビゲーションディスプレイやマルチインフォメーションディスプレイの案内に従い、複数存在する収納部18のうち、ユーザ端末23で施解錠する収納部18を選択してもよい。
【0074】
・ユーザ端末23で施解錠できる収納部18は、1つのみとしてもよい。
・機器制御装置29は、例えば、認証装置6に組み込まれた機能としてもよい。
・位置判定は、ブルートゥース通信を使用した形式に限定されず、例えば、UWB通信を使用した形式としてもよい。また、ブルートゥース通信及びUWB通信を組み合わせた位置判定としてもよい。
【0075】
・車両2は、電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車、化石燃料車、燃料電池車、水素自動車のいずれでもよい。車両2は、ユーザが所持する個人車両、又は、複数人の間で共用されるシェアリングカーのいずれでもよい。
【0076】
・認証部8、位置判定部9、及び制御部33は、[1]コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサによって構成されてもよいし、[2]そのようなプロセッサと、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は指令を格納している。メモリ(コンピュータ可読媒体)は、汎用、又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。或いは、上記プロセッサを含むコンピュータに代えて、各種処理の全てを実行する1つ以上の専用のハードウェア回路によって構成された処理回路が用いられてもよい。
【0077】
・認証部8、位置判定部9、及び制御部33は、独立したプロセッサから構成されてもよいし、機能の一部分が共用のプロセッサから構築されてもよい。このように、認証部8、位置判定部9、及び制御部33は、独立した機能ブロックに限らず、1つの機能ブロックから構成されてもよいし、一部分が共用された機能ブロックから構成されてもよい。
【0078】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0079】
1…キーシステム、2…車両、3…端末、8…認証部、13…車両ドア、18…収納部、21…業者端末、22…鍵生成装置、23…ユーザ端末、24…短距離無線モジュール、33…制御部、36…第1付与部、37…第2付与部、Da1…第1鍵情報、Da2…第2鍵情報、Dk…デジタルキー、Dk1…第1デジタルキー、Dk2…第2デジタルキー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7