(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163958
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】タイヤオートロケーションシステム及びタイヤオートロケーション方法
(51)【国際特許分類】
B60C 23/04 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B60C23/04 140D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075213
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000003551
【氏名又は名称】株式会社東海理化電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】武智 和洋
(57)【要約】
【課題】タイヤ通信機の電源を省電力化できるタイヤオートロケーションシステム及びタイヤオートロケーション方法を提供する。
【解決手段】第1処理部28は、車軸単位で電波の届く範囲が異なるイニシエータ6から、位置判定のトリガ電波Strをタイヤ通信機4に送信することにより、タイヤ3と同期回転する加速度検出部11の出力を用いたピーク検出を、各々のタイヤ通信機4に実行させる。第2処理部29は、タイヤ通信機4においてトリガ電波Strの受信とピーク検出のタイミングとに基づき計測された計測情報Skを、タイヤ通信機4の各々から無線によって取得する。第3処理部30は、タイヤ通信機4の各々から取得した計測情報Skに基づき、タイヤ通信機4の各々と車体前後方向に並ぶ車軸24との対応付けを判定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の各々のタイヤに取り付けられたタイヤ通信機から前記タイヤの空気圧情報を送信させ、前記空気圧情報を車体の受信機で受信して前記タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムに使用されるタイヤオートロケーションシステムであって、
車軸単位で電波の届く範囲が異なる通信エリアを形成するイニシエータから、位置判定のトリガ電波を複数の前記タイヤ通信機に送信することにより、前記タイヤと同期回転する加速度検出部の出力を用いたピーク検出を、各々の前記タイヤ通信機に実行させる第1処理部と、
前記タイヤ通信機において前記トリガ電波の受信と前記ピーク検出のタイミングとに基づき計測された計測情報を、前記タイヤ通信機の各々から無線によって取得する第2処理部と、
前記タイヤ通信機の各々から取得した前記計測情報に基づき、前記タイヤ通信機の各々と車体前後方向に並ぶ車軸との対応付けを判定する第3処理部と
を備えるタイヤオートロケーションシステム。
【請求項2】
前記計測情報は、前記タイヤ通信機が前記トリガ電波を受信してからピーク回数検出を開始するまでに要した時間を表す第1測定値と、ピーク回数検出を開始してからピークを規定回数検出するまでに要した時間を表す第2測定値とを含む
請求項1に記載のタイヤオートロケーションシステム。
【請求項3】
前記第3処理部は、前記第2測定値に基づき、タイヤ1回転あたりの周期を求め、前記周期及び前記第1測定値に基づき、前記タイヤ通信機が前記トリガ電波を受信してから最初の前記ピーク検出までに要した時間である判定時間を前記タイヤ通信機ごとに求め、前記タイヤ通信機ごとに求まる前記判定時間に基づき、前記タイヤ通信機及び前記車軸の対応付けを判定する
請求項2に記載のタイヤオートロケーションシステム。
【請求項4】
前記イニシエータから各タイヤ通信機に前記トリガ電波を送信すること、前記各タイヤ通信機にピーク回数検出を実行させて前記計測情報を前記受信機に送信させること、及び、前記計測情報から前記判定時間を求めること、を含む一連の処理は、複数回実行され、
前記第3処理部は、複数の前記判定時間に基づき、前記タイヤ通信機及び前記車軸の対応付けを判定する
請求項3に記載のタイヤオートロケーションシステム。
【請求項5】
前記計測情報は、前記タイヤ通信機が前記トリガ電波を受信してからピーク回数検出を開始するまでに要した時間を表した測定値を含む
請求項1に記載のタイヤオートロケーションシステム。
【請求項6】
前記タイヤ通信機の各々は、他の前記タイヤ通信機に対して時間差をつけて前記計測情報を前記車体に送信する
請求項1に記載のタイヤオートロケーションシステム。
【請求項7】
前記イニシエータから送信した電波に対する各々の前記タイヤ通信機の応答を確認することにより、前記イニシエータが形成する前記通信エリアを調整するエリア調整部を備える
請求項1に記載のタイヤオートロケーションシステム。
【請求項8】
車両の各々のタイヤに取り付けられたタイヤ通信機から前記タイヤの空気圧情報を送信させ、前記空気圧情報を車体の受信機で受信して前記タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムに使用されるタイヤオートロケーション方法であって、
車軸単位で電波の届く範囲が異なる通信エリアを形成するイニシエータから、位置判定のトリガ電波を複数の前記タイヤ通信機に送信することにより、前記タイヤと同期回転する加速度検出部の出力を用いたピーク検出を、各々の前記タイヤ通信機に実行させることと、
前記タイヤ通信機において前記トリガ電波の受信と前記ピーク検出のタイミングとに基づき計測された計測情報を、前記タイヤ通信機の各々から無線によって取得することと、
前記タイヤ通信機の各々から取得した前記計測情報に基づき、前記タイヤ通信機の各々と車体前後方向に並ぶ車軸との対応付けを判定することと
を前記タイヤ空気圧監視システムに実行させるタイヤオートロケーション方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TPMS(Tire Pressure Monitoring System)に使用されるタイヤオートロケーションシステム及びタイヤオートロケーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示されるように、タイヤ空気圧監視システムにおいて、車体前後方向に並ぶどの車軸のホイールに、どの電子ボックスが取り付いているのかを判定するタイヤオートロケーションシステムが周知である。電子ボックスは、ホイールの空気圧を検出して空気圧情報を車体に送信する通信機である。電子ボックスは、ホイールと同期回転するように各々のホイールに取り付けられている。
【0003】
特許文献1の場合、電子ボックスは、内蔵した加速度センサの出力に基づき、ホイール回転に基づく自身の回転位置を検出する。また、電子ボックスは、車両の中央送受信モジュールから送信された電波を受信する。電子ボックスは、中央送受信モジュールからの電波を受信したときの回転位置と、中央送受信モジュールからの電波を受信したときの受信信号強度との関係に基づき、どの車軸のホイールにどの電子ボックスが取り付いているのかを判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の場合、タイヤ通信機は、例えば、中央送受信モジュールから送信された電波の受信信号強度の測定、加速度センサの出力による回転位置の検出、測定した受信信号強度及び回転位置の中央送受信モジュールへの送信など、種々の処理を実行する必要がある。このため、電子ボックスにおいて電力消費が大きいという懸念があった。特に、電子ボックスの電源は、電池であるため、長期使用を可能にするためにも省電力化の必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するタイヤオートロケーションシステムは、車両の各々のタイヤに取り付けられたタイヤ通信機から前記タイヤの空気圧情報を送信させ、前記空気圧情報を車体の受信機で受信して前記タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムに使用される構成であって、車軸単位で電波の届く範囲が異なる通信エリアを形成するイニシエータから、位置判定のトリガ電波を複数の前記タイヤ通信機に送信することにより、前記タイヤと同期回転する加速度検出部の出力を用いたピーク検出を、各々の前記タイヤ通信機に実行させる第1処理部と、前記タイヤ通信機において前記トリガ電波の受信と前記ピーク検出のタイミングとに基づき計測された計測情報を、前記タイヤ通信機の各々から無線によって取得する第2処理部と、前記タイヤ通信機の各々から取得した前記計測情報に基づき、前記タイヤ通信機の各々と車体前後方向に並ぶ車軸との対応付けを判定する第3処理部とを備える。
【0007】
前記課題を解決するタイヤオートロケーション方法は、車両の各々のタイヤに取り付けられたタイヤ通信機から前記タイヤの空気圧情報を送信させ、前記空気圧情報を車体の受信機で受信して前記タイヤの空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システムに使用される方法であって、車軸単位で電波の届く範囲が異なる通信エリアを形成するイニシエータから、位置判定のトリガ電波を複数の前記タイヤ通信機に送信することにより、前記タイヤと同期回転する加速度検出部の出力を用いたピーク検出を、各々の前記タイヤ通信機に実行させることと、前記タイヤ通信機において前記トリガ電波の受信と前記ピーク検出のタイミングとに基づき計測された計測情報を、前記タイヤ通信機の各々から無線によって取得することと、前記タイヤ通信機の各々から取得した前記計測情報に基づき、前記タイヤ通信機の各々と車体前後方向に並ぶ車軸との対応付けを判定することとを、前記タイヤ空気圧監視システムに実行させる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、タイヤ通信機の電源を省電力化できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態のタイヤオートロケーションシステムの構成図である。
【
図3】タイヤ通信機が有する加速度検出部の出力波形図である。
【
図6】タイヤ及びタイヤ通信機の対応付けを判定するときのタイミングチャートである。
【
図7】(a)、(b)は、各通信機IDの判定時間の分布図である。
【
図9】(a)、(b)は、イニシエータのエリア調整の仕方を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の一実施形態を説明する。
(タイヤ空気圧監視システム1の概説)
図1に示すように、車両2は、タイヤ3の各々の空気圧を監視するタイヤ空気圧監視システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)1を備える。タイヤ空気圧監視システム1は、タイヤ3において空気圧を計測して空気圧情報Sprを無線によって送信するタイヤ通信機4を備える。本例のタイヤ空気圧監視システム1は、規定のタイミングでタイヤ通信機4が自ら空気圧情報Sprを送信する方式、又は、車体5に設けられたイニシエータ6の電波に応答して空気圧情報Sprを送信する方式のいずれでもよい。
【0011】
タイヤ通信機4は、各タイヤ3に取り付けられている。タイヤ通信機4は、例えば、タイヤ3の内部に埋め込まれたタイヤマウントセンサ、又は、タイヤ栓に取り付けられたタイヤバルブである。
【0012】
タイヤ通信機4は、タイヤ通信機4の作動を制御する通信機制御部9を備える。通信機制御部9には、タイヤ通信機4の各々に付与された固有のIDである通信機IDがメモリ(図示略)に書き込まれている。
【0013】
タイヤ通信機4は、タイヤ3の空気圧を検出する圧力検出部10と、タイヤ通信機4に発生する加速度(例えば、重力加速度)を検出する加速度検出部11とを備える。圧力検出部10は、例えば、圧力センサである。加速度検出部11は、例えば、加速度センサ(Gセンサ)である。通信機制御部9は、圧力検出部10及び加速度検出部11から信号を入力する。
【0014】
タイヤ通信機4は、通信を実行するアンテナ12を備える。アンテナ12は、例えば、電波受信を実行する受信アンテナ12aと、電波送信を実行する送信アンテナ12bとを備える。受信アンテナ12aは、例えば、LF(Low Frequency)帯の電波を受信する。送信アンテナ12bは、例えば、UHF(Ultra High Frequency)帯の電波を送信する。通信機制御部9は、受信アンテナ12a及び送信アンテナ12bを介して、無線通信を実行する。
【0015】
タイヤ通信機4は、所定タイミングのとき、空気圧情報Sprを送信アンテナ12bから送信する。空気圧情報Sprは、例えば、圧力検出部10によって検出された圧力情報と、通信機制御部9のメモリに登録された通信機IDとを含む。タイヤ通信機4は、例えば、所定のタイミングのとき、又は、イニシエータ6から電波送信の指示を受信したとき、空気圧情報Sprを送信する。
【0016】
タイヤ空気圧監視システム1は、タイヤ通信機4から送信された空気圧情報Sprを受信して各タイヤ3の空気圧を監視する受信機14を車体5に備える。受信機14は、タイヤ通信機4から送信される空気圧情報Sprを受信するアンテナ15と、受信した空気圧情報Sprに基づきタイヤ3の空気圧を監視する監視制御部16とを備える。監視制御部16のメモリ17には、通信機IDとタイヤ位置とが紐付けて登録されている。すなわち、どの通信機IDがどの取付位置のタイヤ3と対応しているのかがメモリ17に登録されている。アンテナ15は、例えば、UHF帯の電波を受信する。
【0017】
監視制御部16は、タイヤ通信機4から送信された空気圧情報Sprをアンテナ15で受信すると、空気圧情報Sprに含まれる通信機IDを確認する。監視制御部16は、通信機IDがメモリ17に登録されていれば、同一電波内に含まれる空気圧情報Sprを確認する。監視制御部16は、タイヤ空気圧が閾値以下であれば、タイヤ空気圧が低圧である旨を、タイヤ位置を対応付けて表示部18に表示する。監視制御部16は、この空気圧確認を、受信する空気圧情報Sprごとに実行することにより、各タイヤ3の空気圧の異常有無を運転者に通知する。
【0018】
(車両2の一例)
図2に示すように、車両2は、例えば、荷の運搬車21である。運搬車21は、例えば、トラックやトレーラーなどである。運搬車21は、運転席及び走行駆動源を有する駆動部22と、駆動部22によって牽引される貨物部23とを有する。
【0019】
車両2は、軸両端にタイヤ3が取り付けられた複数の車軸24を有する。本例の車軸24は、例えば、駆動部22に1本設けられるとともに、貨物部23に複数設けられている。本例の車軸24は、ハンドル操作に追従するように駆動部22に設けられた第1車軸24aと、貨物部23に設けられた第2車軸24b、第3車軸24c、第4車軸24d、及び第5車軸24eとを含む。第1車軸24a及び第2車軸24bは、軸両端に各々1つずつタイヤ3が取り付けられている。第3車軸24c~第5車軸24eは、軸両端に各々2つずつタイヤ3が取り付けられている。
【0020】
(タイヤオートロケーションシステム27の概説)
図1に示す通り、タイヤ空気圧監視システム1は、通信機IDとタイヤ位置との紐付けを自動で登録する機能(タイヤオートロケーションシステム27)を備える。本例のタイヤオートロケーションシステム27は、タイヤ通信機4の各々が複数の車軸24のうちのどの車軸24に取り付けられているのかを、自動で登録する。
【0021】
図3に示すように、加速度検出部11は、タイヤ3の回転位置に応じた重力加速度を検出する。具体的には、加速度検出部11は、タイヤ1回転を1周期とする三角関数状(例えば、正弦波状)の加速度データDgを出力する。加速度データDgは、例えば、重力依存度成分として「-1G~+1G」の範囲内の1値をとる。加速度データDgは、タイヤ回転経路の頂点(同図において時計でいう12時の点)に位置する度に、ピーク値である「-1G」を検出する。
【0022】
図2に示す通り、イニシエータ6は、前後に並ぶ車軸24の組に対して電波を送信する位置に配置されている。本例のイニシエータ6は、第1車軸24a及び第2車軸24bの各タイヤ3に取り付いたタイヤ通信機4に電波を送信する第1イニシエータ6aと、第3車軸24c~第5車軸24eの各タイヤ3に取り付いたタイヤ通信機4に電波を送信する第2イニシエータ6bとを有する。イニシエータ6は、例えば、LF帯の電波を送信することにより、通信相手とするタイヤ通信機4に電波が届く通信エリアEを形成する。
【0023】
図4に示すように、第1イニシエータ6aは、第1車軸24aに取付くタイヤ3の後方寄りの領域と、第2車軸24bに取付くタイヤ3の前方寄りの領域と、を含む通信エリアEaに設定されている。すなわち、第1イニシエータ6aの通信エリアEaは、第1車軸24aに取付くタイヤ3と、第2車軸24bに取付くタイヤ3と、の各々に対して電波の届く領域が異なるように設定されている。
【0024】
図5に示すように、第2イニシエータ6bは、第3車軸24cに取付くタイヤ3の後方寄りの領域と、第4車軸24dに取付くタイヤ3の全体領域と、第5車軸24eに取付くタイヤ3の前方寄りの領域と、を含む通信エリアEbに設定されている。すなわち、第2イニシエータ6bの通信エリアEbは、第3車軸24cに取付くタイヤ3と、第4車軸24dに取付くタイヤ3と、第5車軸24eに取付くタイヤ3と、の各々に対して電波の届く領域が異なるように設定されている。
【0025】
図1に示す通り、タイヤオートロケーションシステム27は、イニシエータ6から位置判定のトリガ電波Strをタイヤ通信機4に送信してタイヤオートロケーションの動作を実行させる第1処理部28を備える。第1処理部28は、受信機14の監視制御部16に設けられている。第1処理部28は、車軸単位で電波の届く範囲が異なるイニシエータ6から位置判定のトリガ電波Strをタイヤ通信機4に受信させ、タイヤ3と同期回転する加速度検出部11の出力を用いたピーク検出を、各々のタイヤ通信機4に実行させる。
【0026】
第1処理部28は、第1イニシエータ6aから、第1車軸24a及び第2車軸24bに取付くタイヤ3の各タイヤ通信機4に対してトリガ電波Strを送信する。第1処理部28は、第2イニシエータ6bから、第3車軸24c~第5車軸24eに取付くタイヤ3の各タイヤ通信機4に対してトリガ電波Strを送信する。第1イニシエータ6aから送信されるトリガ電波Str、及び第2イニシエータ6bから送信されるトリガ電波Strは、同時に送信されてもよいし、時間差を付けて送信されてもよい。
【0027】
図6に示すように、タイヤ通信機4は、トリガ電波Strを受信アンテナ12aで受信すると、回転のピーク検出を実行する。タイヤ通信機4は、例えば、トリガ電波Strを受信してからピーク回数検出を開始するまでに要した時間を表す測定値Tx(本例は、第1測定値T1)を計測する。タイヤ通信機4は、例えば、ピーク回数検出を開始してからピークを規定回数検出するまでに要した時間を表す測定値Tx(本例は、第2測定値T2)を計測する。
【0028】
タイヤ通信機4は、計測が完了すると、その計測情報Skを受信機14に対して送信する。計測情報Skは、例えば、UHF帯の電波によってタイヤ通信機4から送信される。計測情報Skは、タイヤ通信機4においてトリガ電波Strの受信とピーク検出のタイミングとに基づき計測された情報である。具体的には、計測情報Skは、測定値Tx(第1測定値T1及び第2測定値T2)と、タイヤ通信機4に登録された通信機IDと、を含む情報である。
【0029】
図1に示す通り、タイヤオートロケーションシステム27は、タイヤ通信機4において計測された計測情報Skをタイヤ通信機4の各々から取得する第2処理部29を備える。第2処理部29は、受信機14の監視制御部16に設けられている。第2処理部29は、例えば、タイヤ通信機4から送信された計測情報Skを受信機14のアンテナ15で受信した場合に、これを取り込む。第2処理部29は、車両2に複数存在するタイヤ通信機4の各々から計測情報Skを取得する。
【0030】
タイヤオートロケーションシステム27は、タイヤ通信機4がどのタイヤ3に取り付いているのかを判定する第3処理部30を備える。第3処理部30は、受信機14の監視制御部16に設けられている。第3処理部30は、タイヤ通信機4の各々から取得した計測情報Skに基づき、タイヤ通信機4の各々と車体前後方向に並ぶ車軸24との対応付けを判定する。
【0031】
なお、第3処理部30は、各車軸24において、タイヤ通信機4が左右輪のどちらに取り付けられているのかも判定することが好ましい。この左右輪のオートロケーションも、タイヤ通信機4から取得した計測情報Skに基づき実行されることが好ましい。このように、第3処理部30は、例えば、計測情報Sk内の測定値Txに基づき実行するとよい。
【0032】
(実施形態の作用)
次に、本実施形態のタイヤオートロケーションシステム27(タイヤオートロケーション方法)の作用について説明する。
【0033】
図6に示す通り、第1処理部28は、タイヤオートロケーションを実行するタイミングとなったとき、イニシエータ6から、タイヤ通信機4にタイヤオートロケーションを開始させるためのトリガ電波Strを送信する(時刻t1)。トリガ電波Strは、例えば、タイヤ通信機4に対して測定値Txの計測開始を指示するビット信号を含んだLF帯の信号である。本例のトリガ電波Strは、第1イニシエータ6a及び第2イニシエータ6bの各々から、組をなすタイヤ通信機4に向けて送信される。
【0034】
タイヤ通信機4は、トリガ電波Strを受信アンテナ12aで受信すると、例えば、自身のタイマを使用するなどして、時間計測を開始する。すなわち、タイヤ通信機4は、時間計測の開始とともに、加速度検出部11の加速度データDgの監視を開始する。そして、タイヤ通信機4は、トリガ電波Strを受信してから最初のピークを検出するまでに要した時間、すなわち、第1測定値T1を計測する。
【0035】
なお、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信した後、最初に発生するピークを取り逃がす場合もある(時刻t2)。このときは、取り逃がし後のタイヤ1回転後に生じるピークが最初のピークとして検出される(時刻t3)。タイヤ通信機4は、最初のピークを検出したとき、ピーク回数検出を開始する。
【0036】
タイヤ通信機4は、ピーク回数検出の開始後、ピーク回数検出を開始してからピークを規定回数検出するまでに要した時間、すなわち、第2測定値T2を計測する(時刻t4)。ピーク検出回数(タイヤ回転回数)は、タイヤオートロケーションシステム27において予め決められた値として設定されている。このピーク検出回数は、タイヤ通信機4及び受信機14の両者とも把握している。本例は、例えば、ピーク検出の回数が「3回」に設定されている。
【0037】
タイヤ通信機4は、第2測定値T2の測定後、計測により得た計測情報Skを、送信アンテナ12bからUHF帯の電波によって送信する(時刻t5)。本例の計測情報Skは、例えば、第1測定値T1、第2測定値T2、及び通信機IDを含む。計測情報Skは、例えば、他のタイヤ通信機4との電波干渉を防ぐために、ディレイ時間Tdの経過後に送信される。ディレイ時間Tdは、例えば、タイヤ通信機4ごとに異なるランダム値である。
【0038】
受信機14が計測情報Skをアンテナ15で受信すると、第2処理部29は、この計測情報Skを取り込む。そして、第3処理部30は、第2処理部29によって取り込んだ計測情報Skに基づき、タイヤ1回転あたりの周期Trを演算する。周期Trは、例えば、計測情報Sk内の第2測定値T2と、定数であるピーク検出回数(タイヤ回転回数:本例は3回)とを用いて、式「Tr=T2/ピーク検出回数」により演算される。
【0039】
第3処理部30は、演算した周期Trと、第1測定値T1とを用いて、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信してから最初のピーク検出までに要した時間である判定時間T1’を求める。本例の場合、第1測定値T1が周期Tr以下であれば、第1測定値T1を判定時間T1’として取り込む。すなわち、第1測定値T1が周期Tr以下の場合、ピーク取り逃がしがないため、第1測定値T1を、そのまま判定時間T1’として取得する。
【0040】
一方、第1測定値T1が周期Trを超える場合、第3処理部30は、周期Tr及び第1測定値T1で演算を実行することにより、判定時間T1’を求める。すなわち、ピーク取り逃がしが発生しているため、このピーク取り逃がしを相殺できる演算によって判定時間T1’を求める。この演算は、例えば、減算及び除算のいずれでもよい。減算は、例えば、第1測定値T1から周期Trを引く演算であって、引いた残りを判定時間T1’として求める。除算は、例えば、第1測定値T1を周期Trで割り、その余りを判定時間T1’として求める。
【0041】
なお、
図6に示した時刻t1~時刻t5の一連の処理は、複数回実行されてもよい。すなわち、以下の[1]~[3]を含む一連の処理が複数回実行されてもよい。
[1]イニシエータ6から各タイヤ通信機4にトリガ電波Strを送信すること
[2]各タイヤ通信機4にピーク回転検出を実行させて計測情報Skを受信機14に送信させること
[3]計測情報Skから判定時間T1’を求めること
第3処理部30は、複数の判定時間T1’に基づき、タイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを判定する。
【0042】
図4に示す通り、第1イニシエータ6aがトリガ電波Strを送信した際、第1車軸24aに取付くタイヤ通信機4の場合、トリガ電波Strを受信してから比較的早くピーク位置に到達するため、判定時間T1’が短くなる傾向が出る。一方、第1イニシエータ6aがトリガ電波Strを送信した際、第2車軸24bに取付くタイヤ通信機4の場合、トリガ電波Strを受信してからピーク位置に到達するまでの距離が長いため、判定時間T1’が長くなる傾向が出る。
【0043】
このため、
図7(a)に示すように、例えば「ID1」の判定時間T1’が短い時間帯(ta、tb、tc、td)に分布する場合、第3処理部30は、この「ID1」を第1車軸24aに取付くタイヤ3のタイヤ通信機4であると判定する。また、
図7(b)に示すように、例えば「ID2」の判定時間T1’が長い時間帯(te、tf、tg、th)に分布する場合、第3処理部30は、この「ID2」を第2車軸24bに取付くタイヤ3のタイヤ通信機4であると判定する。
【0044】
図5に示す通り、第3車軸24cに取付くタイヤ通信機4の場合、トリガ電波Strを受信してから比較的早くピーク位置に到達するため、判定時間T1’が短くなる傾向が出る。第4車軸24dに取付くタイヤ通信機4の場合、トリガ電波Strをどの回転位置でも受信するため、判定時間T1’がばらつく傾向が出る。第5車軸24eに取付くタイヤ通信機4の場合、トリガ電波Strを受信してからピーク位置に到達するまでの距離が長いため、判定時間T1’が長くなる傾向が出る。
【0045】
このため、第3処理部30は、第2イニシエータ6bからトリガ電波Strを送信した際に応答を受けた通信機IDのうち、判定時間T1’が短い時間帯に分布するIDを、第3車軸24cに取付くタイヤ3のタイヤ通信機4であると判定する。同様に、第3処理部30は、判定時間T1’がばらつくIDを、第4車軸24dに取付くタイヤ3のタイヤ通信機4であると判定するとともに、判定時間T1’が長い時間帯に分布するIDを、第5車軸24eに取付くタイヤ3のタイヤ通信機4であると判定する。
【0046】
なお、第3処理部30は、例えば、各車軸24において、左右のどちらのタイヤ3にタイヤ通信機4が取り付いているのかの判定も実行する。この左右判定は、例えば、カーブ走行時の各タイヤ3の回転速度を用いた判定としてもよい。具体的には、カーブ走行時、各タイヤ3は左右で固有の回転速度をとるため、タイヤ通信機4ごとに求まる周期Trもタイヤ3の回転速度に関連した値をとる。よって、第3処理部30は、周期Trの値の大小から、左右どちらのタイヤ3に取付くタイヤ通信機4かを判定してもよい。
【0047】
第3処理部30は、位置判定が確定すると、位置判定結果をメモリ17に書き込む。すなわち、第3処理部30は、タイヤ3の取付位置とタイヤ通信機4の通信機IDとの組合せをメモリ17に書き込む。以上により、タイヤオートロケーションが完了する。なお、タイヤオートロケーションの完了は、例えば、表示部18にその旨を表示するなどして運転者に通知されるとよい。
【0048】
(実施形態の効果)
上記実施形態のタイヤオートロケーションシステム27(タイヤオートロケーション方法)によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0049】
(1)タイヤ空気圧監視システム1は、車両2の各々のタイヤ3に取り付けられたタイヤ通信機4からタイヤ3の空気圧情報Sprを送信させ、空気圧情報Sprを車体5の受信機14で受信してタイヤ3の空気圧を監視する。タイヤオートロケーションシステム27は、このタイヤ空気圧監視システム1に使用される。タイヤオートロケーションシステム27は、第1処理部28、第2処理部29、及び第3処理部30を備える。第1処理部28は、車軸単位で電波の届く範囲が異なる通信エリアEを形成するイニシエータ6から、位置判定のトリガ電波Strを複数のタイヤ通信機4に送信することにより、タイヤ3と同期回転する加速度検出部11の出力を用いたピーク検出を、各々のタイヤ通信機4に実行させる。第2処理部29は、タイヤ通信機4においてトリガ電波Strの受信とピーク検出のタイミングとに基づき計測された計測情報Skを、タイヤ通信機4の各々から無線によって取得する。第3処理部30は、タイヤ通信機4の各々から取得した計測情報Skに基づき、タイヤ通信機4の各々と車体前後方向に並ぶ車軸24との対応付けを判定する。
【0050】
本構成によれば、タイヤ通信機4のタイヤオートロケーションを実行する場合、タイヤ通信機4は、トリガ電波Strの受信とピーク検出のタイミングとに基づき計測情報Skを求めつつ、この計測情報Skを車体5の受信機14に送信する処理を実行するだけで済む。具体的には、タイヤ通信機4のタイヤオートロケーションに際し、例えば、タイヤ通信機4において受信信号強度の測定を実行したり、この測定データを受信機14に送信したりせずに済む。このため、タイヤ通信機4の処理負荷を軽減することが可能となる。よって、タイヤ通信機4の電源を省電力化できる。
【0051】
(2)計測情報Skは、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信してからピーク回数検出を開始するまでに要した時間を表す第1測定値T1と、ピーク回数検出を開始してからピークを規定回数検出するまでに要した時間を表す第2測定値T2とを含む。この構成によれば、第1測定値T1及び第2測定値T2を用いて演算を行い、その演算結果からタイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを判定することが可能となる。よって、タイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを精度よく実行できる。
【0052】
(3)第3処理部30は、第2測定値T2に基づき、タイヤ1回転あたりの周期Trを求め、周期Tr及び第1測定値T1に基づき、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信してから最初のピーク検出までに要した時間である判定時間T1’をタイヤ通信機4ごとに求め、タイヤ通信機4ごとに求まる判定時間T1’に基づき、タイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを判定する。
【0053】
この構成によれば、タイヤ通信機4から取得した第2測定値T2により求めた周期Trや、タイヤ通信機4から取得した第1測定値T1を用いて、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信してから最初にピークを検出するまでに要した時間を、判定時間T1’として精度よく求めることが可能となる。このため、信頼性の高い判定時間T1’を用いて、タイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを精度よく実行できる。
【0054】
(4)イニシエータ6から各タイヤ通信機4にトリガ電波Strを送信すること、各タイヤ通信機4にピーク回数検出を実行させて計測情報Skを受信機14に送信させること、及び、計測情報Skから判定時間T1’を求めること、を含む一連の処理は、複数回実行される。第3処理部30は、複数の判定時間T1’に基づき、タイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを判定する。この構成によれば、複数の判定時間T1’の傾向から、タイヤ通信機4及び車軸24の対応付けを実行することが可能となる。このため、判定時間T1’が突発的に変化した状況となっても、この変化に影響を受けない判定結果を得ることが可能となる。よって、タイヤ通信機4の取付位置の判定精度の向上に寄与する。
【0055】
(5)タイヤ通信機4の各々は、他のタイヤ通信機4に対して時間差(ディレイ時間Tdの差)をつけて計測情報Skを車体5に送信する。この構成によれば、各タイヤ通信機4から計測情報Skを車体5に送信する場合に、計測情報Sk同士を衝突させずに済む。
【0056】
(他の実施形態)
なお、本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0057】
・
図8に示すように、タイヤオートロケーションシステム27は、イニシエータ6が形成する通信エリアEを調整可能なエリア調整部35を備えていてもよい。エリア調整部35は、例えば、監視制御部16に設けられる。エリア調整部35は、例えば、イニシエータ6から送信した電波に対する各々のタイヤ通信機4の応答を確認することにより、イニシエータ6が形成する通信エリアEを調整する。なお、通信エリアEの調整は、タイヤオートロケーション時、又は非タイヤオートロケーション時のいずれで実行されてもよい。
【0058】
具体的には、
図9(a)に示すように、例えば通信エリアEが狭すぎると、トリガ電波Strを送信したとき、タイヤ通信機4からの応答を受けられない頻度が多くなる。本例のエリア調整部35は、トリガ電波Strを送信したときの前後両方のタイヤ通信機4からの応答数が規定数以下の場合、通信エリアEを徐々に広げていく。そして、前後の各タイヤ通信機4から十分な個数の応答が得られたとき、そこで調整を停止する。これにより、イニシエータ6の通信エリアEが最適化される。
【0059】
また、
図9(b)に示すように、例えば通信エリアEが大きすぎると、トリガ電波Strを送信してタイヤ通信機4から応答を得たとき、どのタイヤ通信機4においても判定時間T1’がばらついてしまう。本例のエリア調整部35は、どのタイヤ通信機4においても判定時間T1’がばらつくことを検出した場合、通信エリアEを徐々に狭くしてき、判定時間T1’に所定の傾向が得られたとき、そこで調整を停止する。これにより、イニシエータ6の通信エリアEが最適化される。
【0060】
このように、エリア調整部35は、イニシエータ6から送信した電波に対する各々のタイヤ通信機4の応答を確認することにより、イニシエータ6が形成する通信エリアEを調整する。この構成によれば、イニシエータ6によって形成される通信エリアEを最適化することが可能となるので、イニシエータ6からトリガ電波Strを送信した場合に、タイヤ通信機4を的確に応答させることが可能となる。よって、タイヤ通信機4の取付位置の判定精度の向上に寄与する。
【0061】
・計測情報Skは、第1測定値T1のみ含んだ情報でもよい。すなわち、計測情報Skは、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信してからピーク回数検出を開始するまでに要した時間を表した測定値Txを含むものでもよい。これは、例えばピーク取り逃がしがなければ、第1測定値T1のみでも、タイヤ3及びタイヤ通信機4の対応付けを判定することが可能だからである。この構成によれば、タイヤ通信機4のタイヤオートロケーションに際し、タイヤ通信機4がトリガ電波Strを受信してからピーク回数検出を開始するまでに要した時間を計測するだけで済む。よって、タイヤ通信機4の電源の省電力化に一層寄与する。
【0062】
・ディレイ時間Tdは、イニシエータ6から各タイヤ通信機4に指示される構成としてもよい。この場合、タイヤオートロケーションが開始されたとき、各タイヤ3に取付くタイヤ通信機4の通信機IDを収集するためにID提供要求をイニシエータ6から送信する。タイヤ通信機4の各々は、ID提供要求を受信アンテナ12aで受信すると、自身に登録されている通信機IDを、送信アンテナ12bから受信機14に向けて送信する。なお、各タイヤ通信機4は、通信機IDを送信するとき、信号が干渉しないように時間差をつけて送信するとよい。
【0063】
第1処理部28は、通信機IDの収集後、イニシエータ6から位置判定のトリガ電波Strを送信する。この場合、トリガ電波Strは、例えば、タイヤ通信機4に対して測定値Txの計測を開始させる指示と、測定した計測情報Skを送信するときの待ち時間を表すディレイ情報とを含む。ディレイ情報は、例えば、どの通信機IDをどれだけの待ち時間とするのかを指定した情報である。このようにして、各タイヤ通信機4に対し、個別のディレイ時間Tdを指示してもよい。
【0064】
・ピークは、タイヤ回転方向の最上点(時計でいう12時の位置)に限定されない。例えば、ピークは、タイヤ回転方向の最下点(時計でいう6時の位置)でもよいし、これ以外の他の規定位置でもよい。
【0065】
・イニシエータ6は、前後車軸の左側輪用と前後車軸の右側輪用とで、各々個別に配置されてもよい。この場合、イニシエータ6の電波が前後車軸の左右両輪に届かない場合であっても、これに対応することができる。
【0066】
・タイヤオートロケーションの判定ロジックは、ピーク取り逃がしを考慮に入れないものでもよい。
・タイヤオートロケーションは、例えば、車両2が走行を開始した時点で実行されてもよい。或いは、タイヤオートロケーションは、走行開始後の一定時間後に実行されてもよい。
【0067】
・イニシエータ6から各タイヤ通信機4にトリガ電波Strを送信すること、各タイヤ通信機4にピーク回転検出を実行させて計測情報Skを受信機14に送信させること、及び、計測情報Skから判定時間T1’を求めること、を含む一連の処理は、1度のみ実行される処理としてもよい。
【0068】
・空気圧情報Sprと計測情報Skとは、同一のフォーマットを使用した信号でもよい。
・車両2は、運搬車21に限定されず、例えば、乗用車やバスなどでもよい。
・第1処理部28、第2処理部29、及び第3処理部30は、[1]コンピュータプログラム(ソフトウェア)に従って動作する1つ以上のプロセッサによって構成されてもよいし、[2]そのようなプロセッサと、各種処理のうち少なくとも一部の処理を実行する特定用途向け集積回路(ASIC)等の1つ以上の専用のハードウェア回路との組み合わせによって構成されてもよい。プロセッサは、CPU並びに、RAM及びROM等のメモリを含み、メモリは、処理をCPUに実行させるように構成されたプログラムコード、又は指令を格納している。メモリ(コンピュータ可読媒体)は、汎用、又は専用のコンピュータでアクセスできるあらゆる利用可能な媒体を含む。或いは、上記プロセッサを含むコンピュータに代えて、各種処理の全てを実行する1つ以上の専用のハードウェア回路によって構成された処理回路が用いられてもよい。
【0069】
・第1処理部28、第2処理部29、及び第3処理部30は、独立したプロセッサから構成されてもよいし、機能の一部分が共用のプロセッサから構築されてもよい。このように、第1処理部28、第2処理部29、及び第3処理部30は、独立した機能ブロックに限らず、1つの機能ブロックから構成されてもよいし、一部分が共用された機能ブロックから構成されてもよい。
【0070】
・本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例や構造に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下、を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。
【符号の説明】
【0071】
1…タイヤ空気圧監視システム、2…車両、3…タイヤ、4…タイヤ通信機、5…車体、6…イニシエータ、11…加速度検出部、14…受信機、24…車軸、27…タイヤオートロケーションシステム、28…第1処理部、29…第2処理部、30…第3処理部、Spr…空気圧情報、Str…トリガ電波、E…通信エリア、Sk…計測情報、Tx…測定値、T1…第1測定値、T2…第2測定値、T1’…判定時間、Tr…周期。