(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163963
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
G11C 7/10 20060101AFI20231102BHJP
G11C 16/10 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G11C7/10 500
G11C16/10 170
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075218
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】松野 隼也
(72)【発明者】
【氏名】平嶋 康伯
(72)【発明者】
【氏名】小内 俊之
【テーマコード(参考)】
5B225
【Fターム(参考)】
5B225CA21
5B225EA05
5B225EF11
5B225FA02
(57)【要約】
【課題】チップ面積の増加を抑制する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体記憶装置は、メモリセルMCと、信号DQの第1ビットデータV0と電圧VREFと比較した結果に基づく第1データDOPeを第1ラッチ回路に記憶し、第1データに基づいて第1信号DReを出力する第1回路60eと、第2ビットデータV1と参照電圧と比較した結果に基づく第2データDOPoを第2ラッチ回路に記憶し、第2データに基づいて第2信号DRoを出力する第2回路60oと、を含む。第1回路は、第2データに基づいて第1ビットデータと参照電圧とを比較し、第2信号に基づいて第1ラッチ回路をリセット状態とさせる。第2回路は、第1データに基づいて第2ビットデータと参照電圧とを比較し、第1信号に基づいて第2ラッチ回路をリセット状態とさせる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性のメモリセルと、
第1ラッチ回路を含み、第1クロック信号に基づいて入力信号の第1ビットデータを受信し、前記第1ビットデータと参照電圧と比較した結果に基づく第1データを前記第1ラッチ回路に記憶し、前記第1データに基づいて第1信号を出力する第1回路と、
第2ラッチ回路を含み、前記第1クロック信号を反転させた第2クロック信号に基づいて前記入力信号の第2ビットデータを受信し、前記第2ビットデータと前記参照電圧と比較した結果に基づく第2データを前記第2ラッチ回路に記憶し、前記第2データに基づいて第2信号を出力する第2回路と、
を備え、
前記第1回路は、前記第2データ及び前記第2信号を受信し、前記第2データに基づいて前記第1ビットデータと前記参照電圧とを比較し、前記第2信号に基づいて前記第1ラッチ回路をリセット状態とさせ、
前記第2回路は、前記第1データ及び前記第1信号を受信し、前記第1データに基づいて前記第2ビットデータと前記参照電圧とを比較し、前記第1信号に基づいて前記第2ラッチ回路をリセット状態とさせる、
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1ラッチ回路は、前記第2回路において、前記第2ラッチ回路に前記第2データが記憶されると、前記リセット状態とされる、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1信号は、前記第1ラッチ回路が前記第1データを記憶している状態と、前記リセット状態とで、論理レベルが異なる、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
不揮発性のメモリセルと、
第1ラッチ回路を含み、第1クロック信号に基づいて入力信号の第1ビットデータを受信し、前記第1ビットデータと参照電圧と比較した結果に基づいて、第1データを前記第1ラッチ回路に記憶し且つ第1信号を出力する第1回路と、
第2ラッチ回路を含み、前記第1クロック信号を反転させた第2クロック信号に基づいて前記入力信号の第2ビットデータを受信し、前記第2ビットデータと前記参照電圧と比較した結果に基づいて、第2データを前記第2ラッチ回路に記憶し且つ第2信号を出力する第2回路と、
を備え、
前記第1回路は、前記第2データ及び前記第2信号を受信し、前記第2データに基づいて前記第1ビットデータと前記参照電圧とを比較し、前記第2信号に基づいて前記第1ラッチ回路をリセット状態とさせ、
前記第2回路は、前記第1データ及び前記第1信号を受信し、前記第1データに基づいて前記第2ビットデータと前記参照電圧とを比較し、前記第1信号に基づいて、前記第2ラッチ回路をリセット状態とさせる、
半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第1ラッチ回路は、前記第2回路において、前記第2ビットデータと前記参照電圧とが比較されると、前記リセット状態とされる、
請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1ラッチ回路は、前記第1ビットデータと前記参照電圧とを比較した前記結果に対応する第3信号の電圧値の変化に基づいて、前記第1データの論理レベルを確定する、
請求項4に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
不揮発性のメモリセルと、
第1クロック信号に基づいて入力信号の第1ビットデータを受信し、前記第1ビットデータから係数を減算した値と参照電圧に前記係数を加算した値と比較した結果に基づく第1信号を出力する第1回路と、
前記第1クロック信号に基づいて前記入力信号の前記第1ビットデータを受信し、前記第1ビットデータに前記係数を加算した値と前記参照電圧から前記係数を減算した値と比較した結果に基づく第2信号を出力する第2回路と、
前記第1クロック信号を反転させた第2クロック信号に基づいて前記入力信号の第2ビットデータを受信し、前記第2ビットデータから前記係数を減算した値と前記参照電圧に前記係数を加算した値と比較した結果に基づく第3信号を出力する第3回路と、
前記第2クロック信号に基づいて前記入力信号の前記第2ビットデータを受信し、前記第2ビットデータに前記係数を加算した値と前記参照電圧から前記係数を減算した値と比較した結果に基づく第4信号を出力する第4回路と、
前記第1信号及び前記第2信号のいずれかを第5信号として出力する第1マルチプレクサと、
前記第3信号及び前記第4信号のいずれかを第6信号として出力する第2マルチプレクサと、
前記第1クロック信号に基づいて前記第5信号を受信し、前記第5信号に基づく第1データを出力する第5回路と、
前記第2クロック信号に基づいて前記第6信号を受信し、前記第6信号に基づく第2データを出力する第6回路と
を備える、半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第5回路は、前記第1データを記憶する第1ラッチ回路を含み、前記第1データに基づいて第7信号を出力し、
前記第6回路は、前記第2データを記憶する第2ラッチ回路を含み、前記第2データに基づいて第8信号を出力し、
前記第1ラッチ回路は、前記第8信号に基づいてリセット状態とされ、
前記第2ラッチ回路は、前記第7信号に基づいてリセット状態とされる、
請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記第1マルチプレクサは、前記第2データに基づいて前記第3信号及び前記第4信号のいずれかを選択する、
請求項7に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体記憶装置として、NAND型フラッシュメモリが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一実施形態では、チップ面積の増加を抑制できる半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、不揮発性のメモリセルと、第1ラッチ回路を含み、第1クロック信号に基づいて入力信号の第1ビットデータを受信し、第1ビットデータと参照電圧と比較した結果に基づく第1データを第1ラッチ回路に記憶し、第1データに基づいて第1信号を出力する第1回路と、第2ラッチ回路を含み、第1クロック信号を反転させた第2クロック信号に基づいて入力信号の第2ビットデータを受信し、第2ビットデータと参照電圧と比較した結果に基づく第2データを第2ラッチ回路に記憶し、第2データに基づいて第2信号を出力する第2回路と、を含む。第1回路は、第2データ及び第2信号を受信し、第2データに基づいて第1ビットデータと参照電圧とを比較し、第2信号に基づいて第1ラッチ回路をリセット状態とさせる。第2回路は、第1データ及び第1信号を受信し、第1データに基づいて第2ビットデータと参照電圧とを比較し、第1信号に基づいて第2ラッチ回路をリセット状態とさせる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】
図1は、第1実施形態に係る半導体記憶装置を含むおけるデータ処理装置の全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態に係る半導体記憶装置のブロック図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態に係る半導体記憶装置が備えるメモリセルアレイの回路図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態に係る半導体記憶装置が備える入力回路のブロック図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50及びラッチ回路52のブロック図である。
【
図6】
図6は、第1実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50の回路図である。
【
図7】
図7は、第1実施形態に係る半導体記憶装置が備える増幅器60eの回路図である。
【
図8】
図8は、第1実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50における各種信号のタイミングチャートである。
【
図9】
図9は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t0におけるDFE回路50の状態図である。
【
図10】
図10は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t1におけるDFE回路50の状態図である。
【
図11】
図11は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t2におけるDFE回路50の状態図である。
【
図12】
図12は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t3におけるDFE回路50の状態図である。
【
図13】
図13は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t4におけるDFE回路50の状態図である。
【
図14】
図14は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t5におけるDFE回路50の状態図である。
【
図15】
図15は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t6におけるDFE回路50の状態図である。
【
図16】
図16は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t7におけるDFE回路50の状態図である。
【
図17】
図17は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t8におけるDFE回路50の状態図である。
【
図18】
図18は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t9におけるDFE回路50の状態図である。
【
図19】
図19は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t10におけるDFE回路50の状態図である。
【
図20】
図20は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t11におけるDFE回路50の状態図である。
【
図21】
図21は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t12におけるDFE回路50の状態図である。
【
図22】
図22は、
図8に示すタイミングチャートの時刻t13におけるDFE回路50の状態図である。
【
図23】
図23は、第1実施形態の変形例に係る半導体記憶装置が備える増幅器60eの回路図である。
【
図24】
図24は、第2実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50及びラッチ回路52のブロック図である。
【
図25】
図25は、第2実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50の回路図である。
【
図26】
図26は、第2実施形態に係る半導体記憶装置が備える増幅器62eの回路図である。
【
図27】
図27は、第2実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50における各種信号のタイミングチャートである。
【
図28】
図28は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t0におけるDFE回路50の状態図である。
【
図29】
図29は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t1におけるDFE回路50の状態図である。
【
図30】
図30は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t2におけるDFE回路50の状態図である。
【
図31】
図31は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t3におけるDFE回路50の状態図である。
【
図32】
図32は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t4におけるDFE回路50の状態図である。
【
図33】
図33は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t5におけるDFE回路50の状態図である。
【
図34】
図34は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t6におけるDFE回路50の状態図である。
【
図35】
図35は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t7におけるDFE回路50の状態図である。
【
図36】
図36は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t8におけるDFE回路50の状態図である。
【
図37】
図37は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t9におけるDFE回路50の状態図である。
【
図38】
図38は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t10におけるDFE回路50の状態図である。
【
図39】
図39は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t11におけるDFE回路50の状態図である。
【
図40】
図40は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t12におけるDFE回路50の状態図である。
【
図41】
図41は、
図27に示すタイミングチャートの時刻t13におけるDFE回路50の状態図である。
【
図42】
図42は、第2実施形態の第1変形例に係る半導体記憶装置が備える増幅器62eの回路図である。
【
図43】
図43は、第2実施形態の第2変形例に係る半導体記憶装置が備える増幅器62eの回路図である。
【
図44】
図44は、第3実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50のブロック図である。
【
図45】
図45は、第3実施形態に係る半導体記憶装置が備える増幅器96e1の回路図である。
【
図46】
図46は、第3実施形態に係る半導体記憶装置が備える増幅器93eの回路図である。
【
図47】
図47は、第3実施形態に係る半導体記憶装置が備えるDFE回路50における各種信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に実施形態が図面を参照して記述される。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は模式的又は概念的なものであり、各図面の寸法及び比率等は必ずしも現実のものと同一とは限らない。ある実施形態についての記述は全て、明示的に又は自明的に排除されない限り、別の実施形態の記述としても当てはまる。本発明の技術的思想は、構成要素の形状、構造、配置等によって特定されるものではない。
【0008】
なお、以下の記述において、略同一の機能及び構成を有する構成要素については、同一の符号が付される。参照符号を構成する文字の後の数字は、同じ文字を含んだ参照符号によって参照され、且つ同様の構成を有する要素同士を区別するために使用される。同じ文字を含んだ参照符号で示される要素を相互に区別する必要がない場合、これらの要素はそれぞれ文字のみを含んだ参照符号により参照される。
【0009】
1.第1実施形態
1.1 構成
1.1.1 データ処理装置の構成
まず、
図1を参照して、データ処理装置1の構成の一例について説明する。
図1は、データ処理装置1の全体構成を示すブロック図である。なお、
図1の例では、各構成要素間の接続の一部を矢印線で示しているが、各構成要素間の接続はこれらに限定されない。
【0010】
図1に示すように、データ処理装置1は、ホストデバイス2及びメモリシステム3を含む。なお、ホストデバイス2には、複数のメモリシステム3が接続されていてもよい。
【0011】
ホストデバイス2は、メモリシステム3にアクセスする情報処理装置(コンピューティングデバイス)である。ホストデバイス2は、メモリシステム3を制御する。より具体的には、例えば、ホストデバイス2は、メモリシステム3にデータの書き込み動作または読み出し動作を要求(命令)する。
【0012】
メモリシステム3は、例えば、SSD(Solid State Drive)である。メモリシステム3は、ホストデバイス2に接続される。
【0013】
1.1.2 メモリシステムの構成
引き続き
図1を参照して、メモリシステム3の構成の一例について説明する。
【0014】
図1に示すように、メモリシステム3は、メモリコントローラ10及び半導体記憶装置20を含む。なお、メモリシステム3は、複数の半導体記憶装置20を含んでいてもよい。
【0015】
メモリコントローラ10は、ホストデバイス2からの要求(命令)に応答して、半導体記憶装置20に対して読み出し動作、書き込み動作、及び消去動作等を命令する。また、メモリコントローラ10は、半導体記憶装置20のメモリ空間を管理する。
【0016】
半導体記憶装置20は、例えば、NAND型フラッシュメモリである。NAND型フラッシュメモリは、データを不揮発に記憶する複数のメモリセルトランジスタ(以下、「メモリセル」とも表記する)を含む。
【0017】
次に、メモリコントローラ10の内部構成について説明する。メモリコントローラ10は、ホストインターフェイス回路(ホストI/F)11、CPU(Central Processing Unit)12、ROM(Read Only Memory)13、RAM(Random Access Memory)14、バッファメモリ15、及びメモリインターフェイス回路(メモリI/F)16を含む。これらの回路は、例えば内部バスにより互いに接続されている。なお、メモリコントローラ10の各機能は専用回路で実現されてもよいし、CPU12がファームウェア(またはプログラム)を実行することにより実現されてもよい。
【0018】
ホストインターフェイス回路11は、ホストデバイス2と接続されるハードウェアインターフェイス回路である。ホストインターフェイス回路11は、ホストデバイス2とメモリコントローラ10との間でインターフェイス規格に従った通信を行う。ホストインターフェイス回路11は、CPU12及びバッファメモリ15に、ホストデバイス2から受信した要求及びデータをそれぞれ送信する。また、ホストインターフェイス回路11は、ホストデバイス2に、バッファメモリ15に記憶されたデータを送信する。
【0019】
CPU12は、プロセッサである。CPU12は、メモリコントローラ10全体の動作を制御する。例えば、CPU12は、ホストデバイス2から受信した要求に基づいて、半導体記憶装置20に書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作を命令する。また、CPU12は、半導体記憶装置20のメモリ領域を管理する。
【0020】
ROM13は、不揮発性メモリである。例えば、ROM13は、EEPROMTM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)である。ROM13は、ファームウェア及びプログラム等を記憶する非一時的記憶媒体である。例えば、後述されるメモリコントローラ10の動作は、CPU12がROM13のファームウェアを実行することにより実現される。
【0021】
RAM14は、揮発性メモリである。例えば、RAM14は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)である。RAM14は、CPU12の作業領域として使用される。RAM14は、半導体記憶装置20を管理するためのファームウェアや、各種の管理テーブル等を保持する。
【0022】
バッファメモリ15は、揮発性メモリである。例えば、バッファメモリ15は、DRAMまたはSRAMである。バッファメモリ15は、メモリコントローラ10が半導体記憶装置20から読み出したデータや、ホストデバイス2から受信したデータ等を一時的に保持する。
【0023】
メモリインターフェイス回路16は、半導体記憶装置20と接続されるハードウェアインターフェイス回路である。メモリインターフェイス回路16は、半導体記憶装置20と、データ及び各種制御信号の送受信を行う。より具体的には、メモリインターフェイス回路16は、半導体記憶装置20と、例えば8ビットの信号DQ<7:0>並びにクロック信号DQS及びbDQSの送受信を行う。信号DQ<7:0>は、例えばデータ、アドレス、及びコマンドである。以下、信号DQ<7:0>のいずれかを限定しない場合は、信号DQと表記する。クロック信号DQS及びbDQSは、データの入出力の際に用いられるクロック信号である。クロック信号bDQSは、クロック信号DQSの反転信号である。
【0024】
また、メモリインターフェイス回路16は、半導体記憶装置20に、制御信号として、例えば、チップイネーブル信号bCE、コマンドラッチイネーブル信号CLE、アドレスラッチイネーブル信号ALE、ライトイネーブル信号bWE、及びリードイネーブル信号bREを送信する。そして、メモリインターフェイス回路16は、半導体記憶装置20から、レディ/ビジー信号bRBを受信する。
【0025】
チップイネーブル信号bCEは、半導体記憶装置20をイネーブルにするための信号である。信号bCEは、例えば、Low(“L”)レベルでアサートされる。
【0026】
コマンドラッチイネーブル信号CLEは、信号DQがコマンドであることを示す信号である。信号CLEは、例えば、High(“H”)レベルでアサートされる。
【0027】
アドレスラッチイネーブル信号ALEは、信号DQがアドレスであることを示す信号である。信号ALEは、例えば、“H”レベルでアサートされる。
【0028】
ライトイネーブル信号bWEは、受信した信号を半導体記憶装置20内へ取り込むための信号である。信号bWEは、半導体記憶装置20がコマンド及びアドレスを取り込むタイミングに、例えば“L”レベルでアサートされる。よって、信号bWEがトグルされる度に、コマンド及びアドレスが半導体記憶装置20に取り込まれる。
【0029】
リードイネーブル信号bREは、メモリコントローラ10が、半導体記憶装置20からデータを読み出すための信号である。例えば、半導体記憶装置20は、データ出力の際、信号bREに基づいて、信号DQS及びbDQSを生成する。
【0030】
レディ/ビジー信号bRBは、半導体記憶装置20がメモリコントローラ10から信号DQを受信不可能な状態か可能な状態かを示す信号である。レディ/ビジー信号bRBは、例えば、半導体記憶装置20がビジー状態の際に“L”レベルとされる。
【0031】
1.1.3 半導体記憶装置の構成
次に、
図2を参照して、半導体記憶装置20の構成の一例について説明する。
図2は、半導体記憶装置のブロック図である。なお、
図2の例では、各構成要素の接続の一部を矢印線により示している。但し、各構成要素間の接続はこれらに限定されない。
【0032】
図2に示すように、半導体記憶装置20は、入出力回路21、ロジック制御回路22、アドレスレジスタ23、コマンドレジスタ24、ステータスレジスタ25、シーケンサ26、レディ/ビジー回路27、電圧発生回路28、メモリセルアレイ29、ロウデコーダ30、センスアンプ31、データレジスタ32、及びカラムデコーダ33を含む。
【0033】
入出力回路21は、メモリコントローラ10と信号DQ及びクロック信号DQS及びbDQSの入出力を行う回路である。入出力回路21は、メモリコントローラ10のメモリインターフェイス回路16と接続される。また、入出力回路21は、ロジック制御回路22、アドレスレジスタ23、コマンドレジスタ24、ステータスレジスタ25、及びデータレジスタ32に接続される。
【0034】
入出力回路21は、入力回路41及び出力回路42を含む。
【0035】
入力回路41は、メモリコントローラ10から入力信号DQを受信する回路である。入力回路41は、入力信号DQがデータDATである場合、クロック信号DQS及びbDQSに基づいて、入力信号DQを受信する。そして、入力回路41は、データレジスタ32に、データDATを送信する。入力回路41は、入力信号DQがアドレスADDである場合、信号bWEに基づいて、入力信号DQを受信する。そして、入力回路41は、アドレスレジスタ23に、アドレスADDを送信する。入力回路41は、入力信号DQがコマンドCMDである場合、信号bWEに基づいて、入力信号DQを受信する。そして、入力回路41は、コマンドレジスタ24に、コマンドCMDを送信する。
【0036】
出力回路42は、メモリコントローラ10に出力信号DQを送信する回路である。出力回路42は、メモリコントローラ10に、クロック信号DQS及びbDQSとともに、出力信号DQを送信する。
【0037】
ロジック制御回路22は、半導体記憶装置20のロジック制御を行う回路である。ロジック制御回路22は、メモリコントローラ10から、例えば、信号bCE、CLE、ALE、bWE、及びbREを受信する。ロジック制御回路22は、入出力回路21及びシーケンサ26に接続される。ロジック制御回路22は、受信した信号に基づいて、入出力回路21及びシーケンサ26を制御する。
【0038】
アドレスレジスタ23は、アドレスADDを一時的に記憶するレジスタである。アドレスレジスタ23は、入出力回路21、ロウデコーダ30、及びカラムデコーダ33に接続される。アドレスADDは、ロウアドレスRAとカラムアドレスCAとを含む。アドレスレジスタ23は、ロウデコーダ30に、ロウアドレスRAを送信する。また、アドレスレジスタ23は、カラムデコーダ33に、カラムアドレスCAを送信する。
【0039】
コマンドレジスタ24は、コマンドCMDを一時的に記憶するレジスタである。コマンドレジスタ24は、入出力回路21及びシーケンサ26に接続される。コマンドレジスタ24は、シーケンサ26に、コマンドCMDを送信する。
【0040】
ステータスレジスタ25は、ステータス情報STSを一時的に記憶するレジスタである。例えば、ステータス情報STSは、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作等の結果についての情報を含む。ステータスレジスタ25は、シーケンサ26に接続される。例えば、ステータス情報STSは、出力信号DQとして、メモリコントローラ10に送信される。
【0041】
シーケンサ26は、半導体記憶装置20全体の動作を制御する回路である。シーケンサ26は、ロジック制御回路22、アドレスレジスタ23、コマンドレジスタ24、ステータスレジスタ25、レディ/ビジー回路27、電圧発生回路28、ロウデコーダ30、及びセンスアンプ31等に接続される。シーケンサ26は、ステータスレジスタ25、レディ/ビジー回路27、電圧発生回路28、ロウデコーダ30、及びセンスアンプ31等を制御する。シーケンサ26は、コマンドCMDに基づいて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作を実行する。
【0042】
レディ/ビジー回路27は、レディ/ビジー信号bRBを生成する回路である。レディ/ビジー回路27は、シーケンサ26に接続される。レディ/ビジー回路27は、シーケンサ26の制御に基づいて、レディ/ビジー信号bRBを生成する。レディ/ビジー回路27は、メモリコントローラ10に、レディ/ビジー信号bRBを送信する。
【0043】
電圧発生回路28は、シーケンサ26の制御に基づいて、書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作に用いられる各種電圧を発生させる。電圧発生回路28は、各種電圧をメモリセルアレイ29、ロウデコーダ30、及びセンスアンプ31等に供給する。
【0044】
メモリセルアレイ29は、配列された複数のメモリセルトランジスタの集合である。メモリセルアレイ29は、複数のブロックBLKを含む。ブロックBLKは、例えばデータを一括して消去される複数のメモリセルトランジスタの集合である。
図2の例では、メモリセルアレイ29は、4つのブロックBLK0、BLK1、BLK2、及びBLK3を含む。なお、メモリセルアレイ29内のブロックBLKの個数は任意である。
【0045】
ロウデコーダ30は、ロウアドレスRAのデコード回路である。ロウデコーダ30は、アドレスレジスタ23、シーケンサ26、電圧発生回路28、及びメモリセルアレイ29に接続される。ロウデコーダ30は、ロウアドレスRAのデコード結果に基づいて、いずれかのブロックBLKを選択する。ロウデコーダ30は、選択したブロックBLKのロウ方向の配線(後述するワード線及び選択ゲート線)に電圧を印加する。
【0046】
センスアンプ31は、データDATの書き込み及び読み出しを行う回路である。センスアンプ31は、シーケンサ26、電圧発生回路28、メモリセルアレイ29、及びデータレジスタ32に接続される。センスアンプ31は、読み出し動作時には、メモリセルアレイ29からデータDATを読み出す。また、センスアンプ31は、書き込み動作時には、書き込みデータDATに応じた電圧をメモリセルアレイ29に供給する。
【0047】
データレジスタ32は、データDATを一時的に記憶するレジスタである。データレジスタ32は、入出力回路21、シーケンサ26、センスアンプ31、及びカラムデコーダ33に接続される。データレジスタ32は、複数のラッチ回路を含む。各ラッチ回路は、書き込みデータまたは読み出しデータを一時的に記憶する。
【0048】
カラムデコーダ33は、カラムアドレスCAのデコードを行う回路である。カラムデコーダ33は、アドレスレジスタ23、シーケンサ26、及びデータレジスタ32に接続される。カラムデコーダ33は、アドレスレジスタ23からカラムアドレスCAを受信する。カラムデコーダ33は、カラムアドレスCAのデコード結果に基づいて、データレジスタ32内のラッチ回路を選択する。
【0049】
1.1.4 メモリセルアレイの回路構成
次に、
図3を参照して、メモリセルアレイ29の回路構成の一例について説明する。
図3は、メモリセルアレイ29の回路図である。なお、
図3の例は、1つのブロックBLKの回路構成を示している。
【0050】
図3に示すように、ブロックBLKは、複数のストリングユニットSUを含む。ストリングユニットSUは、例えば、書き込み動作または読み出し動作において一括して選択される複数のNANDストリングNSの集合である。
図3の例では、ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。なお、ブロックBLKに含まれるストリングユニットSUの個数は、任意である。
【0051】
次に、ストリングユニットSUの内部構成について説明する。ストリングユニットSUは、複数のNANDストリングNSを含む。NANDストリングNSは、直列に接続された複数のメモリセルトランジスタの集合である。例えば、ストリングユニットSU内のn+1個(nは1以上の整数)のNANDストリングNSは、n+1本のビット線BL0~BLnにそれぞれ接続される。
【0052】
次に、NANDストリングNSの内部構成について説明する。各NANDストリングNSは、複数のメモリセルトランジスタMC、並びに選択トランジスタST1及びST2を含む。
図3に示す例では、NANDストリングNSは8個のメモリセルトランジスタMC0~MC7を含む。なお、NANDストリングNS内のメモリセルトランジスタMCの個数は、任意である。
【0053】
メモリセルトランジスタMCは、データを不揮発に保持する。メモリセルトランジスタMCは、制御ゲート及び電荷蓄積層を含む。メモリセルトランジスタMCは、MONOS(Metal-Oxide-Nitride-Oxide-Silicon)型であってもよいし、FG(Floating Gate)型であってもよい。MONOS型は、電荷蓄積層に絶縁層を用いる。FG型は、電荷蓄積層に導電体層を用いる。
【0054】
選択トランジスタST1及びST2は、各種動作時におけるストリングユニットSUの選択に使用される。選択トランジスタST1及びST2の個数は任意である。選択トランジスタST1及びST2は、NANDストリングNSにそれぞれ1個以上含まれていればよい。
【0055】
各NANDストリングNS内のメモリセルトランジスタMC、並びに選択トランジスタST1及びST2の電流経路は、直列に接続される。より具体的には、選択トランジスタST2、メモリセルトランジスタMC0~MC7、及び選択トランジスタST1の順に、その電流経路は直列に接続される。選択トランジスタST1のドレインは、いずれか1つのビット線BLに接続される。選択トランジスタST2のソースは、ソース線SLに接続される。
【0056】
同一ブロックBLK内の複数のメモリセルトランジスタMC0~MC7の制御ゲートは、それぞれワード線WL0~WL7に共通に接続される。より具体的には、例えば、ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。そして、ストリングユニットSU0~SU3は、複数のメモリセルトランジスタMC0をそれぞれ含む。ブロックBLK内のこれら複数のメモリセルトランジスタMC0の制御ゲートは、1つのワード線WL0に共通に接続される。メモリセルトランジスタMC1~MC7も同様である。
【0057】
ストリングユニットSU内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、1つの選択ゲート線SGDに共通に接続される。より具体的には、ストリングユニットSU0は、複数の選択トランジスタST1を含む。ストリングユニットSU0内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD0に共通に接続される。同様に、ストリングユニットSU1内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD1に共通に接続される。ストリングユニットSU2内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD2に共通に接続される。ストリングユニットSU3内の複数の選択トランジスタST1のゲートは、選択ゲート線SGD3に共通に接続される。
【0058】
同一ブロックBLK内の複数の選択トランジスタST2のゲートは、1つの選択ゲート線SGSに共通に接続される。より具体的には、例えば、ブロックBLKは、4つのストリングユニットSU0~SU3を含む。そして、ストリングユニットSU0~SU3は、複数の選択トランジスタST2をそれぞれ含む。ブロックBLK内のこれら複数の選択トランジスタST2のゲートは、1つの選択ゲート線SGSに共通に接続される。なお、選択ゲート線SGDと同様に、ストリングユニットSU毎に異なる選択ゲート線SGSが設けられてもよい。
【0059】
ワード線WL0~WL7、選択ゲート線SGD0~SGD3、及び選択ゲート線SGSは、ロウデコーダ30にそれぞれ接続される。
【0060】
ビット線BLは、各ブロックBLKの各ストリングユニットSU内の1つのNANDストリングNSに共通に接続される。1つのビット線BLに接続された複数のNANDストリングNSには、同一のカラムアドレスCAが割り当てられる。各ビット線BLは、センスアンプ31に接続される。
【0061】
ソース線SLは、例えば複数のブロックBLK間で共有される。
【0062】
1つのストリングユニットSU内で、1つのワード線WLに接続された複数のメモリセルトランジスタMCの集合は、「セルユニットCU」と表記される。例えば、メモリセルトランジスタMCが1ビットデータを記憶する場合、セルユニットCUの記憶容量は、「1ページデータ」として定義される。メモリセルトランジスタMCが記憶するデータのビット数に基づいて、セルユニットCUは、2ページデータ以上の記憶容量を有し得る。
【0063】
1.1.5 入力回路の構成
次に、
図4を参照して、入力回路41の構成の一例について説明する。
図4は、入力回路41のブロック図である。
【0064】
図4に示すように、入力回路41は、8個の判定帰還型イコライザ(DFE:Decision Feedback Equalizer)回路50_0~50_7、クロック信号生成回路51、8個のラッチ回路52_0~52_7、及び8個のシフトレジスタ53_0~53_7を含む。
【0065】
以下、DFE回路50_0~50_7のいずれかを限定しない場合は、DFE回路50と表記する。ラッチ回路52_0~52_7のいずれかを限定しない場合は、ラッチ回路52と表記する。シフトレジスタ53_0~53_7のいずれかを限定しない場合は、シフトレジスタ53と表記する。
【0066】
DFE回路50は、DFE技術を適用した信号補償回路である。DFE技術は、デジタル方式の信号補償技術の1つである。DFE回路50_0~50_7は、信号DQ<0>~DQ<7>にそれぞれ対応する。DFE回路50は、入力信号(信号DQ)のビットデータの論理レベル(High(“H”)レベルまたはLow(“L”)レベル)を確定する。DFE回路50は、論理レベルが確定されたビットデータを、次のビットデータの入力にフィードバックさせることにより、入力信号を補償する。
【0067】
例えば、入力回路41は、メモリコントローラ10と半導体記憶装置20との間の伝送経路の影響、あるいは高速通信化にともない、フルスイング状態の信号DQを受信できない場合がある。すなわち、入力回路41は、メモリコントローラ10が出力した状態よりも振幅が小さくなった信号DQを受信する場合がある。入力回路41は、信号DQと参照電圧VREFとを比較することにより信号DQの論理レベルを確定する。このため、信号DQがフルスイング状態ではない場合、信号DQと電圧VREFとの電圧差が小さくなり、信号DQの論理レベルが誤判定される可能性が高くなる。このような場合に、DFE回路50は、入力信号DQの波形を改善する。
【0068】
DFE回路50には、対応する信号DQと、電圧VREF、クロック信号CK及びbCKが入力される。電圧VREFは、信号DQの論理レベルの判定に用いられる。クロック信号CK及びbCKは、信号DQを取り込むタイミング制御に用いられる。信号bCKは、信号CKの反転信号である。例えば、信号CK及びbCKの立ち上がりのタイミングで、DFE回路50は信号DQを取り込む(受信する)。
【0069】
DFE回路50は、信号DQの偶数ビットデータに対応した受信経路と奇数ビットデータに対応した受信経路を有する。このため、DFE回路50は、信号DQの偶数ビットデータに対応した2つの出力端子と奇数ビットデータに対応した2つの出力端子とを有する。DFE回路50の4つの出力端子は、対応するラッチ回路52の4つの入力端子に接続される。より具体的には、DFE回路50_0~50_7は、ラッチ回路52_0~52_7にそれぞれ接続される。
【0070】
クロック信号生成回路51は、信号CK及びbCKを生成する回路である。クロック信号生成回路51は、DFE回路50_0~50_7に接続される。クロック信号生成回路51は、各DFE回路50に信号CK及びbCKを送信する。クロック信号生成回路51は、信号DQS及びbDQSを受信する。例えば、信号DQがデータである場合、クロック信号生成回路51は、信号CKとして信号DQSを出力し、信号bCKとして信号bDQSを出力する。また、例えば、信号DQがコマンドまたはアドレスである場合、クロック信号生成回路51は、ロジック制御回路22から受信した信号bWEに基づいて、信号CK及びbCKを生成する。
【0071】
ラッチ回路52は、対応するDFE回路50の出力信号を一時的に記憶する回路である。ラッチ回路52は、DFE回路50の出力信号として、論理レベルが確定された信号DQの偶数ビットデータ及び奇数ビットデータをそれぞれ受信する。ラッチ回路52は、信号DQの偶数ビットデータに対応した出力端子と奇数ビットデータに対応した出力端子とを有する。ラッチ回路52の2つの出力端子は、対応するシフトレジスタ53の2つの入力端子に接続される。より具体的には、ラッチ回路52_0~52_7は、シフトレジスタ53_0~53_7にそれぞれ接続される。
【0072】
シフトレジスタ53は、対応するラッチ回路52の出力信号を一時的に記憶する回路である。例えば、シフトレジスタ53は、信号DQの偶数ビットデータに対応する複数のフリップフロップ回路と奇数ビットデータに対応する複数のフリップフロップ回路とを含む。シフトレジスタ53は、信号DQの並列度を偶数ビットデータと奇数ビットデータとの2並列から変換して出力し得る。例えば、シフトレジスタ53は、偶数ビットデータと奇数ビットデータとが交互に配置されたシリアルデータを出力してもよいし、4並列の偶数ビットデータと4並列の奇数ビットデータとによる8並列のパラレルデータを出力してもよい。シフトレジスタ53は、信号DQがデータである場合、信号DQをデータレジスタ32に送信する。シフトレジスタ53は、信号DQがアドレスである場合、信号DQをアドレスレジスタ23に送信する。シフトレジスタ53は、信号DQがコマンドである場合、信号DQをコマンドレジスタ24に送信する。
【0073】
1.1.6 DFE回路及びラッチ回路の構成
次に、
図5を参照して、DFE回路50及びラッチ回路52の構成の一例について説明する。
図5は、DFE回路50及びラッチ回路52のブロック図である。
【0074】
図5に示すように、DFE回路50は、2つの増幅器60e及び60oを含む。増幅器60e及び60oの構成は同じである。DFE回路50は、受信経路を2相に分割する2タイム・インターリーブ(2TI:2 Time-Interleave)に対応している。例えば、増幅器60eは、信号DQの偶数ビットデータの受信経路に対応している。増幅器60oは、信号DQの奇数ビットデータの受信経路に対応している。以下、増幅器60e及び60oのいずれかを限定しない場合は、増幅器60と表記する。
【0075】
増幅器60は、データ入力端子DM及びbDM、フィードバック入力端子DF及びbDF、ラッチ制御クロック入力端子CL、リセット制御クロック入力端子CR、データ出力端子Q及びbQ、並びにラッチ完了出力端子Rを含むLT-SA(Latch-type Voltage Sense Amplifier)回路である。LT-SA回路は、出力データを記憶するラッチ回路を有する差動増幅器である。
【0076】
端子DMには、信号DQが入力される。端子bDMには、電圧VREFが入力される。
【0077】
一方の増幅器60の端子DF及びbDFには、他方の増幅器60の出力信号が入力(フィードバック)される。例えば、一方の増幅器60が増幅器60eである場合、他方の増幅器60は増幅器60oである。また、一方の増幅器60が増幅器60oである場合、他方の増幅器60は増幅器60eである。より具体的には、例えば、増幅器60eが信号DQのk番目(kは任意の偶数)のビットデータを受信する場合、増幅器60eの端子DF及びbDFには、増幅器60oが1つ前のタイミングで受信した信号DQの(k-1)番目のビットデータに対応した出力信号DOPo及びDOMoがそれぞれフィードバックされる。一方の増幅器60の端子DF及びbDFは、他方の増幅器60の端子Q及びbQにそれぞれ接続される。より具体的には、増幅器60eの端子DFには、増幅器60oの端子Qから信号DOPoが入力される。増幅器60eの端子bDFには、増幅器60oの端子bQから信号DOMoが入力される。増幅器60oの端子DFには、増幅器60eの端子Qから信号DOPeが入力される。増幅器60oの端子bDFには、増幅器60eの端子bQから信号DOMeが入力される。
【0078】
増幅器60eの端子CLには、信号CKが入力される。増幅器60oの端子CLには、信号bCKが入力される。
【0079】
一方の増幅器60の端子CRには、他方の増幅器60の端子Rから出力されたリセット制御クロック信号が入力される。リセット制御クロック信号は、増幅器60内のラッチ回路の状態(ラッチ状態またはリセット状態)を通知する信号である。増幅器60は、リセット制御クロック信号に基づいてラッチ回路をリセット状態とさせる。換言すると、一方の増幅器60のラッチ回路は、他方の増幅器60のラッチ回路において信号DQの論理レベルが確定した後、リセット状態とされる。一方の増幅器60の端子CRは、他方の増幅器60の端子Rに接続される。より具体的には、増幅器60eの端子CRは、増幅器60oの端子Rに接続される。増幅器60oの端子CRは、増幅器60eの端子Rに接続される。以下、増幅器60eの端子CRに入力される増幅器60oのリセット制御クロック信号を信号DRoと表記する。また、増幅器60oの端子CRに入力される増幅器60eのリセット制御クロック信号を信号DReと表記する。
【0080】
増幅器60は、端子Q及びbQから信号DQの反転信号を出力する。より具体的には、増幅器60eは、端子DMに“H”レベルの偶数ビットデータが入力されると、端子Qから“L”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMeを出力する。また、増幅器60eは、端子DMに“L”レベルの偶数ビットデータが入力されると、端子Qから“H”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMeを出力する。同様に、増幅器60oは、端子DMに“H”レベルの奇数ビットデータが入力されると、端子Qから“L”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMoを出力する。また、増幅器60oは、端子DMに“L”レベルの奇数ビットデータが入力されると、端子Qから“H”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMoを出力する。
【0081】
増幅器60は、端子Rからリセット制御クロック信号を出力する。増幅器60は、ラッチ回路がリセット状態にある場合、“H”レベルのリセット完了信号を出力する。また、増幅器60は、ラッチ回路がラッチ状態にある場合、“L”レベルのリセット完了信号を出力する。より具体的には、例えば、増幅器60eにおいて、信号DOPe及びDOMeの論理レベルが同じである場合、すなわち、ラッチ回路がリセット状態にある場合、リセット制御クロック信号は、“H”レベルとされる。他方で、信号DOPeの論理レベルと信号DOMeの論理レベルとが異なる場合、すなわち、ラッチ回路がラッチ状態にある場合、リセット制御クロック信号は、“L”レベルとされる。同様に、増幅器60oにおいて、信号DOPo及びDOMoの論理レベルが同じである場合、リセット制御クロック信号は、“H”レベルとされる。他方で、信号DOPoの論理レベルと信号DOMoの論理レベルとが異なる場合、リセット制御クロック信号は、“L”レベルとされる。
【0082】
次に、ラッチ回路52について説明する。ラッチ回路52は、2つのbSRラッチ回路70e及び70oを含む。bSRラッチ回路70e及び70oの構成は同じである。以下、bSRラッチ回路70e及び70oのいずれかを限定しない場合は、bSRラッチ回路70と表記する。
【0083】
bSRラッチ回路70eは、増幅器60eの出力信号を一時的に記憶する。bSRラッチ回路70oは、増幅器60oの出力信号を一時的に記憶する。
【0084】
bSRラッチ回路70は、信号入力端子bS、リセット信号入力端子bR、及び出力端子Qを含む。なお、bSRラッチ回路70は、反転出力端子bQを含んでいてもよい。
【0085】
bSRラッチ回路70は、端子bSに“L”レベルの信号が入力され且つ端子bRに“H”レベルの信号が入力されると、端子Qから“H”レベルの信号を出力する。bSRラッチ回路70は、端子bSに“H”レベルの信号が入力され且つ端子bRに“L”レベルの信号が入力されると、端子Qから“L”レベルの信号を出力する。また、bSRラッチ回路70は、端子bS及びbRに“H”レベルの信号が入力される間、前の出力の状態を維持する。
【0086】
bSRラッチ回路70eの端子bSには、増幅器60eの信号DOPeが入力される。bSRラッチ回路70eの端子bRには、増幅器60eの信号DOMeが入力される。bSRラッチ回路70eは、端子Qからは、信号DQの偶数ビットデータである信号DQeを出力する。
【0087】
bSRラッチ回路70oの端子bSには、増幅器60oの信号DOPoが入力される。bSRラッチ回路70oの端子bRには、増幅器60oの信号DOMoが入力される。bSRラッチ回路70oは、端子Qから信号DQの奇数ビットデータである信号DQoを出力する。
【0088】
1.1.7 DFE回路の回路図
次に、
図6及び
図7を参照して、DFE回路50の回路図の一例について説明する。
図6は、DFE回路50の回路図である。
図7は、増幅器60eの回路図である。
【0089】
図6に示すように、増幅器60e及び60oの回路構成は同じである。以下、増幅器60eに着目して説明する。なお、以下の説明において、トランジスタのソースまたはドレインのいずれか一方を、トランジスタの一端と表記する。また、トランジスタのソースまたはドレインのいずれか他方を、トランジスタの他端と表記する。
【0090】
図7に示すように、増幅器60eは、pチャネルMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)(以下、「PMOSトランジスタ」または、「トランジスタ」とも表記する)101~104、nチャネルMOSFET(以下、「NMOSトランジスタ」または、「トランジスタ」とも表記する)105~111、論理和演算回路(OR回路)112、及び否定排他論理和演算回路(XNOR回路)113を含む。
【0091】
トランジスタ101の一端には、電源電圧VDDが印加される。換言すれば、トランジスタ101の一端は、電源電圧線に接続される。トランジスタ101の他端は、ノードND1に接続される。トランジスタ101のゲートは、OR回路112の出力端子に接続される。
【0092】
トランジスタ102の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ102の他端は、ノードND1に接続される。トランジスタ102のゲートは、ノードND2に接続される。
【0093】
トランジスタ103の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ103の他端は、ノードND2に接続される。トランジスタ103のゲートは、ノードND1に接続される。
【0094】
トランジスタ104の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ104の他端は、ノードND2に接続される。トランジスタ104のゲートは、OR回路112の出力端子に接続される。
【0095】
トランジスタ105の一端は、ノードND1に接続される。トランジスタ105の他端は、ノードND3に接続される。トランジスタ105のゲートは、ノードND2に接続される。
【0096】
トランジスタ106の一端は、ノードND2に接続される。トランジスタ106の他端は、ノードND4に接続される。トランジスタ106のゲートは、ノードND1に接続される。
【0097】
トランジスタ102、103、105、及び106により、ラッチ回路DLが構成される。より具体的には、トランジスタ102及び105により、第1のインバータが構成される。トランジスタ103及び106により第2のインバータが構成される。そして、第1インバータの出力及び第2インバータの入力(ノードND1)が、端子Qに接続される。第1インバータの入力及び第2インバータの出力(ノードND2)が、端子bQに接続される。
【0098】
トランジスタ101及び104は、ラッチ回路DLのリセット回路として機能する。例えば、OR回路112の出力信号が“L”レベルとされると、トランジスタ101及び104はオン状態とされる。これにより、ノードND1及びND2は、“H”レベルに充電される。すなわち、ラッチ回路DLは、リセット状態とされる。
【0099】
トランジスタ107の一端は、ノードND3に接続される。トランジスタ107の他端は、ノードND5に接続される。トランジスタ107のゲートは、端子DMに接続される。
【0100】
トランジスタ108の一端は、ノードND4に接続される。トランジスタ108の他端は、ノードND5に接続される。トランジスタ108のゲートは、端子bDMに接続される。
【0101】
トランジスタ109の一端は、ノードND3に接続される。トランジスタ109の他端は、ノードND5に接続される。トランジスタ109のゲートは、端子DFに接続される。
【0102】
トランジスタ109は、トランジスタ107と並列に接続されている。トランジスタ109のドライブ能力は、トランジスタ107のドライブ能力よりも低い。例えば、トランジスタ107及び109がオン状態の場合、トランジスタ109を流れる電流は、トランジスタ107を流れる電流よりも少ない。例えば、トランジスタ107は、トランジスタ109と同じサイズのトランジスタが複数個(例えば10個)並列に接続された構造である。
【0103】
トランジスタ110の一端は、ノードND4に接続される。トランジスタ110の他端は、ノードND5に接続される。トランジスタ110のゲートは、端子bDFに接続される。
【0104】
トランジスタ110は、トランジスタ108と並列に接続されている。トランジスタ110のドライブ能力は、トランジスタ108のドライブ能力よりも低い。例えば、トランジスタ108及び110がオン状態の場合、トランジスタ110を流れる電流は、トランジスタ108を流れる電流よりも少ない。例えば、トランジスタ108は、トランジスタ110と同じサイズのトランジスタが複数個(例えば10個)並列に接続された構造である。
【0105】
トランジスタ109及び110は、他方の増幅器60の出力信号を一方の増幅器60の入力信号にフィードバックさせる役割を果たす。トランジスタ109及び110の動作により、信号DQの電圧値に対して電圧VREFの電圧値が変動した場合と同様の効果が生じる。例えば、トランジスタ109がオン状態であり且つトランジスタ110がオフ状態である状態は、信号DQの電圧値に対して電圧VREFの電圧値が相対的に下がった状態と同様である。他方で、トランジスタ109がオフ状態であり且つトランジスタ110がオン状態である状態は、信号DQの電圧値に対して電圧VREFの電圧値が相対的に上がった場合と同様の状態である。
【0106】
より具体的には、例えば、増幅器60oが1つ前のタイミングで受信した信号DQのビットデータが“L”レベルである場合、増幅器60oは、“H”レベルの信号DOPo及び“L”レベルの信号DOMoを出力する。従って、増幅器60eの端子DFに“H”レベルの信号DOPoが入力され、端子bDFに“L”レベルの信号DOMoが入力される。この場合、トランジスタ109はオン状態とされ、トランジスタ110はオフ状態とされる。この状態で、例えば、端子DMに“H”レベルの信号DQのビットデータが入力されると、トランジスタ107及び109はオン状態とされる。この状態は、信号DQの“H”レベルの電圧値が上昇して、トランジスタ107がより強いオン状態とされた場合と同様の状態となる。従って、信号DQの電圧値に対して電圧VREFの電圧値が下がった状態と同じ効果が生じる。以下、このような状態を、「電圧VREFは下がる」と表記する。
【0107】
また、例えば、増幅器60oが1つ前のタイミングで受信した信号DQのビットデータが“H”レベルである場合、増幅器60oは、“L”レベルの信号DOPo及び“H”レベルの信号DOMoを出力する。従って、増幅器60eの端子DFに“L”レベルの信号が入力され、端子bDFに“H”レベルの信号が入力される。この場合、トランジスタ109はオフ状態とされ、トランジスタ110はオン状態とされる。この状態で、例えば、端子DMに“L”レベルの信号DQのビットデータが入力されると、トランジスタ108及び110はオン状態とされる。この状態は、電圧VREFの電圧値が上昇して、トランジスタ108が比較的強いオン状態とされた場合と同様の状態となる。従って、信号DQの電圧値に対して電圧VREFの電圧値が上がった状態と同じ効果が生じる。以下、このような状態を。「電圧VREFは上がる」と表記する。
【0108】
すなわち、1つ前の信号DQのビットデータが“L”レベルである場合、フィードバックにより、増幅器60において電圧VREFは下がる。また、1つ前の信号DQのビットデータが“H”レベルである場合、フィードバックにより、増幅器60において電圧VREFは上がる。
【0109】
トランジスタ111の一端は、ノードND5に接続される。トランジスタ111の他端は、接地される。換言すれば、トランジスタ111の他端は、接地電圧線に接続される。トランジスタ111のゲートは、OR回路112の出力端子に接続される。
【0110】
OR回路112の2つの入力端子は、端子CL及び端子CRにそれぞれ接続される。OR回路112は、端子CLから入力されたクロック信号及び端子CRから入力されたリセット制御クロック信号の少なくとも1つが“H”レベルの場合に、“H”レベルの信号を出力する。
【0111】
XNOR回路113の2つの入力端子は、ノードND1(端子Q)及びノードND2(端子bQ)にそれぞれ接続される。XNOR回路113は、ノードND1及びノードND2の一方が“H”レベルであり他方が“L”レベルである場合に、“L”レベルの完了信号を出力する。換言すると、XNOR回路113は、ラッチ回路DLにおいて取り込んだ信号DQの論理レベルが確定すると、“L”レベルのリセット制御クロック信号を出力する。より具体的には、増幅器60eのXNOR回路113は、信号DOPe及びDOMeのいずれか一方が“L”レベルであり他方が“H”レベルである場合に、“L”レベルの信号DReを出力する。同様に、増幅器60oのXNOR回路113は、信号DOPo及びDOMoのいずれか一方が“L”レベルであり他方が“H”レベルである場合に、“L”レベルの信号DRoを出力する。
【0112】
増幅器60eの動作について簡略に説明する。増幅器60eのラッチ回路DLは、OR回路112が“L”レベルを出力している間、リセット状態とされる。より具体的には、端子CLから入力される信号CK及び端子CRから入力される信号DRoが“L”レベルである場合、OR回路112は、“L”レベルの信号を出力する。この場合、トランジスタ101及び104は、オン状態とされ、トランジスタ111は、オフ状態とされる。これにより、ノードND1及びND2には、“H”レベルの電圧が印加される。このため、増幅器60eは、“H”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力する。増幅器60eは、OR回路112の出力信号が“L”レベルから“H”レベルに立ち上がるタイミングで、端子DMから信号DQの偶数ビットデータを取り込んだ結果をラッチ回路DLに記憶する。このとき、端子DF及びbDFには、増幅器60oの出力信号DOPo及びDOMoがそれぞれ入力されている。ラッチ回路DLに記憶された結果に基づいて、信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定される。信号DOPe及びDOMeのいずれか一方が“H”レベルであり且つ他方が“L”レベルである間、XNOR回路113は、“L”レベルの信号を出力する。そして、増幅器60eは、OR回路112が“H”レベルから“L”レベルに立ち下がるタイミングで、リセット状態とされる。より具体的には、増幅器60oにおいて、次のタイミングの信号DQの奇数ビットデータの論理レベルが確定されると、信号DRoが“L”レベルとされる。このとき、信号CKは“L”レベルにあるため、信号DRoに基づいて増幅器60eがリセット状態とされる。
【0113】
1.2 DFE回路の動作例
次に、
図8~
図22を参照して、DFE回路50の動作の一例について説明する。
図8は、DFE回路50における各種信号のタイミングチャートである。
図9~
図22は、
図8に示すタイミングチャートの各時刻におけるDFE回路50の状態図である。本例では、入力信号DQがデータである場合について説明する。なお、以下の説明では、タイミングチャートの各時刻において、信号及びトランジスタの状態が変化した部分に着目して説明する。
【0114】
[時刻t0]
図8に示すように、信号DQが入力される前の時刻t0において、信号CKは、“L”レベルとされ、信号bCKは、“H”レベルとされる。増幅器60eは、“H”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力している。このため、信号DReは、“H”レベルとされる。例えば、増幅器60oは、“H”レベルの信号DOPo及び“L”レベルのDOMoを出力している。これにより、信号DRoは、“L”レベルとされる。
【0115】
増幅器60eには、“L”レベルの信号CK及び“L”レベルの信号DRoが入力される。このため、増幅器60eのラッチ回路DL(
図8に示す参照符号“Even”)は、リセット状態(
図8に示す参照符号“rst”)とされる。また、増幅器60oには、“H”レベルの信号bCK及び“H”レベルの信号DReが入力される。このため、増幅器60oのラッチ回路DL(
図8に示す参照符号“Odd”)は、ラッチ状態(
図8に示す参照符号“lat”)とされる。
【0116】
図9に示すように、信号DQが“L”レベルであるため、増幅器60e及び60oのトランジスタ107は、オフ状態とされる。増幅器60e及び60oのトランジスタ108は、電圧VREFによりクランプされた比較的弱いオン状態とされる。
【0117】
増幅器60eの端子DFには、“H”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60eの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ110は、オフ状態とされる。従って、増幅器60eにおいて、電圧VREFは下がる。増幅器60eのOR回路112には、“L”レベルの信号CK及びDRoが入力される。このため、OR回路112は、“L”レベルの信号を出力する。増幅器60eのトランジスタ101及び104はオン状態とされ、トランジスタ111はオフ状態とされる。従って、ラッチ回路DLは、リセット状態とされる。増幅器60eは、“H”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力する。
【0118】
増幅器60oの端子DFには、“H”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60oの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ110は、オン状態とされる。増幅器60oのOR回路112には、“H”レベルの信号bCK及びDReが入力される。このため、OR回路112は、“H”レベルの信号を出力する。増幅器60oのトランジスタ101及び104はオフ状態とされ、トランジスタ111はオン状態とされる。従って、ラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。信号DQが“L”レベルのため、増幅器60oは、“H”レベルの信号DOPo及び“L”レベルのDOMoを出力する。
【0119】
[時刻t1]
図8に示すように、例えば、信号DQの偶数ビットデータV0が“H”レベルであるとする。時刻t1において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。増幅器60eのラッチ回路DLは、信号CKの立ち上がりに基づいてラッチ状態(“lat”)とされ、“H”レベルの偶数ビットデータV0を取り込む。偶数ビットデータV0に基づいて、信号DOPe及びDOMeは、遷移を開始する。
【0120】
図10に示すように、信号DQの偶数ビットデータV0が“H”レベルであるため、増幅器60e及び60oのトランジスタ107は、オン状態とされる。
【0121】
増幅器60eのOR回路112には、“H”レベルの信号CKが入力される。このため、OR回路112は、“H”レベルの信号を出力する。増幅器60eのトランジスタ101及び104はオフ状態とされ、トランジスタ111はオン状態とされる。これにより、増幅器60eのラッチ回路DLはラッチ状態とされる。増幅器60eは、偶数ビットデータV0を取り込む。
【0122】
増幅器60oのOR回路112は、“L”レベルの信号bCKが入力される。OR回路112は、信号DReが“H”レベルであるため、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0123】
[時刻t2]
図8に示すように、例えば、信号DQの奇数ビットデータV1は“L”レベルであるとする。時刻t2において、増幅器60eの信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定する。換言すると、偶数ビットデータV0の論理レベルが確定する。偶数ビットデータV0が“H”レベルであるため、信号DOPeは、“L”レベルとされ、信号DOMeは、“H”レベルとされる。これにより、信号DReは、“L”レベルとされる。増幅器60oでは、信号DRe及びbCKが“L”レベルであるため、ラッチ回路DLのリセット動作が開始される。
【0124】
図11に示すように、信号DQの奇数ビットデータV1が“L”レベルであるため、増幅器60e及び60oのトランジスタ107は、オフ状態とされる。
【0125】
増幅器60eでは、“H”レベルの偶数ビットデータV0を取り込んだ結果、ノードND1の電圧がノードND2の電圧よりも速く下がる。このため、ラッチ回路DLでは、ノードND1が“L”レベルとされ、ノードND2が“H”レベルとされる。従って、信号DOPeは、“L”レベルとされる。他方で、信号DOMeは、“H”レベルに維持される。これにより、増幅器60eは、端子Rから“L”レベルの信号DReを出力する。
【0126】
増幅器60oには、増幅器60eが偶数ビットデータV0を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器60oの端子DFには、“L”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ109は、オフ状態とされる。増幅器60oの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ110は、オン状態とされる。従って、増幅器60oにおいて、電圧VREFは上がる。また、増幅器60oでは、“L”レベルの信号DReが入力されることにより、OR回路112は、“L”レベルの信号を出力する。このため、増幅器60oのトランジスタ101及び104はオン状態とされ、トランジスタ111はオフ状態とされる。これにより、増幅器60oは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。すなわち、ノードND1及びノードND2に“H”レベルの電圧が印加される。但し、時刻t2において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPoは“H”レベルに維持され、信号DOMoは“L”レベルに維持されている。このため、信号DRoは“L”レベルに維持される。
【0127】
[時刻t3]
図8に示すように、時刻t3において、増幅器60oは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPo及びDOMoは、“H”レベルとされる。これにより、信号DRoは、“H”レベルとされる。
【0128】
図12に示すように、増幅器60oでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND1及びノードND2が“H”レベルに充電される。すなわち、信号DOPo及びDOMoは、“H”レベルとされる。これにより、増幅器60oは、端子Rから“H”レベルの信号DRoを出力する。
【0129】
増幅器60eの端子DFには、“H”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60eの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ110は、オン状態とされる。増幅器60eのOR回路112は、“H”レベルの信号DRoが入力される。OR回路112は、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0130】
[時刻t4]
図8に示すように、時刻t4において、信号CKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がり、信号bCKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。増幅器60oのラッチ回路DLは、信号bCKの立ち上がりに基づいてラッチ状態(“lat”)とされ、“L”レベルの奇数ビットデータV1を取り込む。奇数ビットデータV1に基づいて、信号DOPo及びDOMoは、遷移を開始する。
【0131】
図13に示すように、増幅器60oのOR回路112には、“H”レベルの信号bCKが入力される。このため、OR回路112は、“H”レベルの信号を出力する。増幅器60oのトランジスタ101及び104はオフ状態とされ、トランジスタ111はオン状態とされる。これにより、増幅器60eのラッチ回路DLはラッチ状態とされる。増幅器60oは、奇数ビットデータV1を取り込む。
【0132】
増幅器60eのOR回路112には、“L”レベルの信号CKが入力される。OR回路112は、信号DRoが“H”レベルであるため、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0133】
[時刻t5]
図8に示すように、例えば、信号DQの偶数ビットデータV2は“L”レベルであるとする。時刻t5において、増幅器60oの信号DOPo及びDOMoの論理レベルが確定する。換言すると、奇数ビットデータV1の論理レベルが確定する。奇数ビットデータV1が“L”レベルであるため、信号DOPoは、“H”レベルとされ、信号DOMoは、“L”レベルとされる。これにより、信号DRoは、“L”レベルとされる。増幅器60eでは、信号DRo及びCKが“L”レベルであるため、ラッチ回路DLのリセット動作が開始される。
【0134】
図14に示すように、信号DQの偶数ビットデータV2が“L”レベルであるため、増幅器60e及び60oのトランジスタ107は、オフ状態とされる。
【0135】
増幅器60oでは、“L”レベルの奇数ビットデータV1を取り込んだ結果、ノードND2の電圧がノードND1の電圧よりも速く下がる。このため、ラッチ回路DLでは、ノードND1が“H”レベルとされ、ノードND2が“L”レベルとされる。従って、信号DOPoは、“H”レベルに維持される。他方で、信号DOMoは、“L”レベルとされる。これにより、増幅器60oは、端子Rから“L”レベルの信号DRoを出力する。
【0136】
増幅器60eには、増幅器60oが奇数ビットデータV1を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器60eの端子DFには、“H”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60eの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ110は、オフ状態とされる。従って、増幅器60eにおいて、電圧VREFは下がる。また、増幅器60eでは、“L”レベルの信号DRoが入力されることにより、OR回路112は、“L”レベルの信号を出力する。このため、増幅器60eのトランジスタ101及び104はオン状態とされ、トランジスタ111はオフ状態とされる。これにより、増幅器60eは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。すなわち、ノードND1及びノードND2に“H”レベルの電圧が印加される。但し、時刻t5において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPeは“L”レベルに維持され、信号DOMeは、“H”レベルに維持される。このため、信号DReは、“L”レベルに維持される。
【0137】
[時刻t6]
図8に示すように、時刻t6において、増幅器60eは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPe及びDOMeは、“H”レベルとされる。これにより、信号DReは、“H”レベルとされる。
【0138】
図15に示すように、増幅器60eでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND1及びノードND2が“H”レベルに充電される。すなわち、信号DOPe及びDOMeは、“H”レベルとされる。これにより、増幅器60eは、端子Rから“H”レベルの信号DReを出力する。
【0139】
増幅器60oの端子DFには、“H”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60oの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ110は、オン状態とされる。増幅器60oのOR回路112には、“H”レベルの信号DReが入力される。OR回路112は、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0140】
[時刻t7]
図8に示すように、時刻t7において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。増幅器60eのラッチ回路DLは、信号CKの立ち上がりに基づいてラッチ状態(“lat”)とされ、“L”レベルの偶数ビットデータV2を取り込む。偶数ビットデータV2に基づいて、信号DOPe及びDOMeは、遷移を開始する。
【0141】
図16に示すように、増幅器60eのOR回路112には、“H”レベルの信号CKが入力される。このため、OR回路112は、“H”レベルの信号を出力する。増幅器60eのトランジスタ101及び104はオフ状態とされ、トランジスタ111はオン状態とされる。これにより、増幅器60eのラッチ回路DLはラッチ状態とされる。増幅器60eは、偶数ビットデータV2を取り込む。
【0142】
増幅器60oのOR回路112には、“L”レベルの信号bCKが入力される。OR回路112は、信号DReが“H”レベルのため、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0143】
[時刻t8]
図8に示すように、例えば、信号DQの奇数ビットデータV3は“H”レベルであるとする。時刻t8において、増幅器60eの信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定する。換言すると、偶数ビットデータV2の論理レベルが確定する。偶数ビットデータV2が“L”レベルであるため、信号DOPeは、“H”レベルとされ、信号DOMeは、“L”レベルとされる。これにより、信号DReは、“L”レベルとされる。増幅器60oでは、信号DRe及びbCKが“L”レベルであるため、ラッチ回路DLのリセット動作が開始される。
【0144】
図17に示すように、信号DQの奇数ビットデータV3が“H”レベルであるため、増幅器60e及び60oのトランジスタ107は、オン状態とされる。
【0145】
増幅器60eでは、“L”レベルの偶数ビットデータV2を取り込んだ結果、ノードND2の電圧がノードND1の電圧よりも速く下がる。このため、ラッチ回路DLでは、ノードND1が“H”レベルとされ、ノードND2が“L”レベルとされる。従って、信号DOPeは、“H”レベルに維持される。他方で、信号DOMeは、“L”レベルとされる。これにより、増幅器60eは、端子Rから“L”レベルの信号DReを出力する。
【0146】
増幅器60oには、増幅器60eが偶数ビットデータV2を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器60oの端子DFには、“H”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60oの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ110は、オフ状態とされる。従って、増幅器60oにおいて、電圧VREFは下がる。また、増幅器60oでは、“L”レベルの信号DReが入力されることにより、OR回路112は、“L”レベルの信号を出力する。このため、増幅器60oのトランジスタ101及び104はオン状態とされ、トランジスタ111はオフ状態とされる。これにより、増幅器60oは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。すなわち、ノードND1及びノードND2に“H”レベルの電圧が印加される。但し、時刻t8において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPoは“H”レベルに維持され、信号DOMoは“L”レベルに維持される。このため、信号DRoは、“L”レベルに維持される。
【0147】
[時刻t9]
図8に示すように、時刻t9において、増幅器60oは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPo及びDOMoは、“H”レベルとされる。これにより、信号DRoは、“H”レベルとされる。
【0148】
図18に示すように、増幅器60oでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND1及びノードND2が“H”レベルに充電される。すなわち、信号DOPo及びDOMoは、“H”レベルとされる。これにより、増幅器60oは、端子Rから“H”レベルの信号DRoを出力する。
【0149】
増幅器60eの端子DFには、“H”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60eの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ110は、オン状態とされる。増幅器60eのOR回路112には、“H”レベルの信号DRoが入力される。OR回路112は、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0150】
[時刻t10]
図8に示すように、時刻t10において、信号CKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がり、信号bCKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。増幅器60oのラッチ回路DLは、信号bCKの立ち上がりに基づいてラッチ状態(“lat”)とされ、“H”レベルの奇数ビットデータV3を取り込む。奇数ビットデータV3に基づいて、信号DOPo及びDOMoは、遷移を開始する。
【0151】
図19に示すように、増幅器60oのOR回路112には、“H”レベルの信号bCKが入力される。このため、OR回路112は、“H”レベルの信号を出力する。増幅器60oのトランジスタ101及び104はオフ状態とされ、トランジスタ111はオン状態とされる。これにより、増幅器60eのラッチ回路DLはラッチ状態とされる。増幅器60oは、奇数ビットデータV3を取り込む。
【0152】
増幅器60eのOR回路112には、“L”レベルの信号CKが入力される。OR回路112は、信号DRoが“H”レベルのため、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0153】
[時刻t11]
図8に示すように、例えば、信号DQの偶数ビットデータV4は“H”レベルであるとする。時刻t11において、増幅器60oの信号DOPo及びDOMoの論理レベルが確定する。換言すると、奇数ビットデータV3の論理レベルが確定する。奇数ビットデータV3が“H”レベルであるため、信号DOPoは、“L”レベルとされ、信号DOMoは、“H”レベルとされる。これにより、信号DRoは、“L”レベルとされる。増幅器60eでは、信号DRo及びCKが“L”レベルであるため、ラッチ回路DLのリセット動作が開始される。
【0154】
図20に示すように、信号DQの偶数ビットデータV4が“H”レベルであるため、増幅器60e及び60oのトランジスタ107は、オン状態とされる。
【0155】
増幅器60oでは、“H”レベルの奇数ビットデータV3を取り込んだ結果、ノードND1の電圧がノードND2の電圧よりも速く下がる。このため、ラッチ回路DLでは、ノードND1が“L”レベルとされ、ノードND2が“H”レベルとされる。従って、信号DOPoは、“H”レベルから“L”レベルとされる。他方で、信号DOMoは、“H”レベルに維持される。これにより、増幅器60oは、端子Rから“H”レベルの信号DRoを出力する。
【0156】
増幅器60eには、増幅器60oが奇数ビットデータV3を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器60eの端子DFには、“L”レベルの信号DOPoが入力されるため、トランジスタ109はオフ状態とされる。増幅器60eの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMoが入力されるため、トランジスタ110はオン状態とされる。従って、増幅器60oにおいて、電圧VREFは上がる。また、増幅器60eでは、“L”レベルの信号DRoが入力されることにより、OR回路112は、“L”レベルの信号を出力する。このため、増幅器60eのトランジスタ101及び104はオン状態とされ、トランジスタ111はオフ状態とされる。これにより、増幅器60eは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。すなわち、ノードND1及びノードND2に“H”レベルの電圧が印加される。但し、時刻t11において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPeは“H”レベルに維持され、信号DOMeは“L”レベルに維持される。このため、信号DReは、“L”レベルに維持される。
【0157】
[時刻t12]
図8に示すように、時刻t12において、増幅器60eは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPe及びDOMeは、“H”レベルとされる。これにより、信号DReは、“H”レベルとされる。
【0158】
図21に示すように、増幅器60eでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND1及びノードND2が“H”レベルにチャージされる。すなわち、信号DOPe及びDOMeは、“H”レベルとされる。これにより、増幅器60eは、端子Rから“H”レベルの信号DReを出力する。
【0159】
増幅器60oの端子DFには、“H”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ109は、オン状態とされる。増幅器60oの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ110は、オン状態とされる。増幅器60oのOR回路112には、“H”レベルの信号DReが入力される。OR回路112は、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0160】
[時刻t13]
図8に示すように、時刻t13において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。増幅器60eのラッチ回路DLは、信号CKの立ち上がりに基づいてラッチ状態(“lat”)とされ、“H”レベルの偶数ビットデータV4を取り込む。偶数ビットデータV4に基づいて、信号DOPe及びDOMeは、遷移を開始する。
【0161】
図22に示すように、増幅器60eのOR回路112には、“H”レベルの信号CKが入力される。このため、OR回路112は、“H”レベルの信号を出力する。増幅器60eのトランジスタ101及び104はオフ状態とされ、トランジスタ111はオン状態とされる。これにより、増幅器60eは、信号DQを取り込む。
【0162】
増幅器60oのOR回路112には、“L”レベルの信号bCKが入力される。OR回路112は、信号DReが“H”レベルのため、引き続き“H”レベルの信号を出力する。
【0163】
1.3 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、チップ面積の増加を抑制できる半導体記憶装置を提供できる。本効果につき詳述する。
【0164】
例えば、高速通信に対応した伝送補償技術の1つとして、DFE技術が知られている。DFE技術に対応したDFE回路には、90度ずつ位相をずらした4相に受信経路を分割する4タイム・インターリーブが適用される。DFE回路は4つの受信経路に対応した回路構成とされる。このため、DFE回路の回路面積及び消費電力は、増加する傾向にある。
【0165】
これに対し、本実施形態に係る構成であれば、DFE回路50は、2タイム・インターリーブに対応した2つの増幅器60を含む。増幅器60は、データ入力端子DM及びbDM、フィードバック入力端子DF及びbDFラッチ制御クロック入力端子CL、リセット制御クロック入力端子CR、データ出力端子Q及びbQ、並びにラッチ完了出力端子Rを含むLT-SA回路である。
【0166】
増幅器60は、端子Rからラッチ回路DLの状態に基づくリセット制御クロック信号(DReまたはDRo)を出力できる。換言すると、増幅器60は、ラッチ回路DLにおいて信号DQの論理レベルが確定されると、その旨を通知するリセット制御クロック信号を出力できる。一方の増幅器60は、端子CRから、他方の増幅器60が出力したリセット制御クロック信号を受信できる。増幅器60は、受信したリセット制御クロック信号に基づいて、内部のラッチ回路DLをリセットできる。すなわち、一方の増幅器60は、他方の増幅器60の出力データに基づいて、ラッチ回路DLのリセット動作を実行できる。これにより、DFE回路50は、2タイム・インターリーブを適用したDFEを実現できる。DFE回路50は、2タイム・インターリーブを適用することにより、回路面積の増加と消費電力の増加を抑制できる。よって、半導体記憶装置は、チップ面積の増加を抑制できる。更に、半導体記憶装置は、消費電力の増加を抑制できる。
【0167】
更に、本実施形態に係る構成であれば、一方の増幅器60は、他方の増幅器60の出力データに基づいて、ラッチ回路DLのリセット動作を実行できる。従って、クロック信号に同期してラッチ回路のリセット動作を実行する4タイム・インターリーブの場合よりも、リセット動作を高速化できる。よって、半導体記憶装置は、メモリコントローラとの通信速度を高速化できる。
【0168】
更に、本実施形態に係る構成であれば、増幅器60は、端子DMから信号DQの1ビットデータを受信する。このとき、一方の増幅器60は、端子DF及びbDFを介して、他方の増幅器60の出力信号(他方の増幅器60が1つの前のタイミングで受信したビットデータに対応した出力データ)をフィードバックさせることができる。これにより、増幅器60は、電圧VREFを信号DQに対して相対的に変動させることができる。よって、信号DQの論理レベルの誤判定を抑制できる。
【0169】
1.4 第1実施形態の変形例
1.4.1 増幅器の構成
次に、第1実施形態の変形例について説明する。本例では、
図23を用いて、第1実施形態と異なる増幅器の構成について説明する。
図23は、増幅器60eの回路図である。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。なお、以下の説明では、増幅器60eについて説明するが、増幅器60oも増幅器60eと同じ構成である。
【0170】
図23に示すように、増幅器60eは、PMOSトランジスタ101~104、121、及び122、NMOSトランジスタ105~111、並びにXNOR回路113を含む。本例の増幅器60eでは、第1実施形態の
図7を用いて説明した増幅器60eのOR回路112が廃されている。そして、本例の増幅器60eには、トランジスタ121、122、及び123が追加されている。トランジスタ121、122、及び123により、OR回路112と同じ機能を実現している。
【0171】
トランジスタ121の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ121の他端は、ノードND10に接続される。トランジスタ121のゲートは、端子CRに接続される。
【0172】
トランジスタ122の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ122の他端は、ノードND10に接続される。トランジスタ122のゲートは、端子CRに接続される。
【0173】
トランジスタ123の一端は、ノードND5に接続される。トランジスタ123の他端は、接地される。トランジスタ123のゲートは、端子CRに接続される。
【0174】
本例では、トランジスタ101及び104の一端は、ノードND10に接続される。他の構成は、第1実施形態の
図7と同様である。
【0175】
1.4.2 第1実施形態の変形例に係る効果
本変形例に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0176】
更に、本変形例に係る構成であれば、増幅器60は、OR回路112を設けずにラッチ回路DLのリセット信号を生成し得る。端子CLとトランジスタ101及び104との間にOR回路112を挟まないため、増幅器60は、OR回路112による遅延の発生を抑制し、より高速に動作できる。
【0177】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形態と異なるDFE回路50及びラッチ回路52の構成について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0178】
2.1 DFE回路及びラッチ回路の構成
まず、
図24を参照して、DFE回路50及びラッチ回路52の構成の一例について説明する。
図24は、DFE回路50及びラッチ回路52のブロック図である。
【0179】
図24に示すように、DFE回路50は、2つの増幅器62e及び62oを含む。増幅器62e及び62oの構成は同じである。第1実施形態と同様に、DFE回路50は、2タイム・インターリーブに対応している。例えば、増幅器62eは、信号DQの偶数ビットデータに対応している。他方で、増幅器62oは、信号DQの奇数ビットデータに対応している。以下、増幅器62e及び62oのいずれかを限定しない場合は、増幅器62と表記する。
【0180】
増幅器62は、データ入力端子DM及びbDM、フィードバック入力端子DF及びbDF、ラッチ制御クロック入力端子CL、リセット制御クロック入力端子CR及びbCR、データ出力端子Q及びbQ、並びにラッチ入力信号出力端子DI及びbDIを含むDTSA(Double-tail Latch-type Voltage Sense Amplifier)回路である。
【0181】
端子DMには、信号DQが入力される。端子bDMには、電圧VREFが入力される。
【0182】
一方の増幅器62の端子DF及びbDFには、他方の増幅器62の出力信号が入力(フィードバック)される。例えば、一方の増幅器62が増幅器62eである場合、他方の増幅器62は増幅器62oである。また、一方の増幅器62が増幅器62oである場合、他方の増幅器62は増幅器62eである。より具体的には、例えば、増幅器62eが信号DQのk番目のビットデータを受信する場合、増幅器62eの端子DF及びbDFには、増幅器62oが1つ前のタイミングで受信した信号DQの(k-1)番目のビットデータに対応した出力信号DOPo及びDOMoがそれぞれフィードバックされる。一方の増幅器62の端子DF及びbDFは、他方の増幅器62の端子Q及びbQにそれぞれ接続される。より具体的には、増幅器62eの端子DFには、増幅器62oの端子Qから信号DOPoが入力される。増幅器62eの端子bDFには、増幅器62oの端子bQから信号DOMoが入力される。増幅器62oの端子DFには、増幅器62eの端子Qから信号DOPeが入力される。増幅器62oの端子bDFには、増幅器62eの端子bQから信号DOMeが入力される。
【0183】
増幅器62eの端子CLには、信号CKが入力される。増幅器62oの端子CLには、信号bCKが入力される。
【0184】
一方の増幅器62の端子CR及びbCRには、他方の増幅器62の端子DI及びbDIから出力されたラッチ入力信号が入力される。ラッチ入力信号は、増幅器62のラッチ回路DLに入力される信号である。一方の増幅器62の端子CR及びbCRは、他方の増幅器62の端子DI及びbDIにそれぞれ接続される。より具体的には、増幅器62eの端子CR及びbCRは、増幅器62oの端子DI及びbDIにそれぞれ接続される。増幅器62oの端子CR及びbCRは、増幅器62eの端子DI及びbDIにそれぞれ接続される。以下、増幅器62eの端子CR及びbCRに入力される増幅器62oのラッチ入力信号を信号DIPo及びDIMoとそれぞれ表記する。また、増幅器62oの端子CR及びbCRに入力される増幅器62eのラッチ入力信号を信号DIPe及びDIMeとそれぞれ表記する。
【0185】
増幅器62は、端子Q及びbQから信号DQの正転信号を出力する。より具体的には、増幅器62eは、端子DMに“H”レベルの偶数ビットデータが入力されると、端子Qから“H”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMeを出力する。また、増幅器62eは、端子DMに“L”レベルの偶数ビットデータが入力されると、端子Qから“L”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMeを出力する。同様に、増幅器62oは、端子DMに“H”レベルの奇数ビットデータが入力されると、端子Qから“H”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMoを出力する。また、増幅器62oは、端子DMに“L”レベルの奇数ビットデータが入力されると、端子Qから“L”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMoを出力する。
【0186】
次に、ラッチ回路52について説明する。本実施形態のラッチ回路52は、2つのSRラッチ回路72e及び72oを含む。SRラッチ回路72e及び72oの構成は同じである。以下、SRラッチ回路72e及び72oを限定しない場合は、SRラッチ回路72と表記する。SRラッチ回路72eは、増幅器62eの出力信号を一時的に記憶する。SRラッチ回路72oは、増幅器62oの出力信号を一時的に記憶する。SRラッチ回路72は、信号入力端子S、リセット信号入力端子R、及び出力端子Qを含む。なお、SRラッチ回路72は、反転出力端子bQを含んでいてもよい。
【0187】
SRラッチ回路72は、端子Sに“H”レベルの信号が入力され且つ端子Rに“L”レベルの信号が入力されると、端子Qに“H”レベルの信号を出力する。SRラッチ回路72は、端子Sに“L”レベルの信号が入力され且つ端子Rに“H”レベルの信号が入力されると、端子Qに“L”レベルの信号を出力する。また、SRラッチ回路72は、端子S及びRに“L”レベルの信号が入力される間、前の出力の状態を維持する。
【0188】
SRラッチ回路72eの端子Sには、増幅器62eの信号DOPeが入力される。SRラッチ回路72eの端子Rには、増幅器62eの信号DOMeが入力される。SRラッチ回路72eは、端子Qから信号DQの偶数ビットデータである信号DQeを出力する。
【0189】
SRラッチ回路72oの端子Sには、増幅器62oの信号DOPoが入力される。SRラッチ回路72oの端子Rには、増幅器62oの信号DOMoが入力される。SRラッチ回路72oは、端子Qから信号DQの奇数ビットデータである信号DQoを出力する。
【0190】
2.2 DFE回路の回路図
次に、
図25及び
図26を参照して、DFE回路50の回路図の一例について説明する。
図25は、DFE回路50の回路図である。
図26は、増幅器62eの回路図である。
【0191】
図25に示すように、増幅器62e及び62oの回路構成は同じである。以下、増幅器62eに着目して説明する。
【0192】
図26に示すように、増幅器62eは、入力部80、ラッチ部81、及び否定論理和(NOR)回路220を含む。
【0193】
入力部80は、信号DQの電圧値と電圧VREFとを比較する。入力部80は、比較の結果として、信号DIPe及びDIMeをラッチ部81に送信する。また、入力部80は、端子DI及びbDIから信号DIPe及びDIMeをそれぞれ出力する。
【0194】
ラッチ部81は、信号DIPe及びDIMeに基づくデータを一時的に記憶する。ラッチ部81は、ラッチ回路DLを含む。ラッチ回路DLは、NOR回路220の出力信号に基づいて、リセットされる。ラッチ部81は、端子Q及びbQから信号DOPe及びDOMeをそれぞれ出力する。
【0195】
次に、入力部80の内部構成について説明する。入力部80は、PMOSトランジスタ201及び202、並びにNMOSトランジスタ203~207を含む。
【0196】
トランジスタ201の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ201の他端は、ノードND21に接続される。トランジスタ201のゲートは、端子CLに接続される。
【0197】
トランジスタ202の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ202の他端は、ノードND22に接続される。トランジスタ202のゲートは、端子CLに接続される。
【0198】
トランジスタ203の一端は、ノードND21に接続される。トランジスタ203の他端は、ノードND23に接続される。トランジスタ203のゲートは、端子DMに接続される。
【0199】
トランジスタ204の一端は、ノードND22に接続される。トランジスタ204の他端は、ノードND23に接続される。トランジスタ204のゲートは、端子bDMに接続される。
【0200】
トランジスタ205の一端は、ノードND21に接続される。トランジスタ205の他端は、ノードND23に接続される。トランジスタ205のゲートは、端子bDFに接続される。
【0201】
トランジスタ205は、トランジスタ203と並列に接続されている。トランジスタ205のドライブ能力は、トランジスタ203のドライブ能力よりも低い。例えば、トランジスタ203及び205がオン状態の場合、トランジスタ205を流れる電流は、トランジスタ203を流れる電流よりも少ない。例えば、トランジスタ203は、トランジスタ205と同じサイズのトランジスタが複数個(例えば10個)並列に接続された構造である。
【0202】
トランジスタ206の一端は、ノードND22に接続される。トランジスタ204の他端は、ノードND23に接続される。トランジスタ204のゲートは、端子DFに接続される。
【0203】
トランジスタ206は、トランジスタ204と並列に接続されている。トランジスタ206のドライブ能力は、トランジスタ204のドライブ能力よりも低い。例えば、トランジスタ204及び206がオン状態の場合、トランジスタ206を流れる電流は、トランジスタ204を流れる電流よりも少ない。例えば、トランジスタ204は、トランジスタ206と同じサイズのトランジスタが複数個(例えば10個)並列に接続された構造である。
【0204】
トランジスタ205及び206は、第1実施形態において説明したトランジスタ109及び110と同様に、他方の増幅器62の出力信号を一方の増幅器62の入力信号にフィードバックさせる役割を果たす。トランジスタ205及び206の動作により、信号DQの電圧値に対して電圧VREFの電圧値が変動した場合と同様の効果が生じる。例えば、トランジスタ205がオン状態であり且つトランジスタ206がオフ状態である場合、電圧VREFは下がる。また、トランジスタ205がオフ状態であり且つトランジスタ206がオン状態である状態は、電圧VREFは上がる。
【0205】
トランジスタ207の一端は、ノードND23に接続される。トランジスタ207の他端は、接地される。トランジスタ207のゲートは、端子CLに接続される。
【0206】
入力部80は、ノードND21における電圧を、端子DIから信号DIPeとして出力し、ノードND22における電圧を、端子bDIから信号DIMeとして出力する。
【0207】
次に、ラッチ部81の内部構成について説明する。ラッチ部81は、PMOSトランジスタ208~211及びNMOSトランジスタ212~217を含む。
【0208】
トランジスタ208の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ208の他端は、ノードND24に接続される。トランジスタ208のゲートは、ノードND21に接続される。換言すれば、トランジスタ208のゲートには、信号DIPeが入力される。
【0209】
トランジスタ209の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ209の他端は、ノードND25に接続される。トランジスタ209のゲートは、ノードND22に接続される。換言すれば、トランジスタ209のゲートには、信号DIMeが入力される。
【0210】
トランジスタ210の一端は、ノードND24に接続される。トランジスタ210の他端は、ノードND26に接続される。トランジスタ210のゲートは、ノードND27に接続される。
【0211】
トランジスタ211の一端は、ノードND25に接続される。トランジスタ211の他端は、ノードND27に接続される。トランジスタ211のゲートは、ノードND26に接続される。
【0212】
トランジスタ212の一端は、ノードND26に接続される。トランジスタ212の他端は、接地される。トランジスタ212のゲートは、ノードND27に接続される。
【0213】
トランジスタ213の一端は、ノードND27に接続される。トランジスタ213の他端は、接地される。トランジスタ213のゲートは、ノードND26に接続される。
【0214】
トランジスタ210~213により、ラッチ回路DLが構成される。より具体的には、トランジスタ210及び212により、第1のインバータが構成される。トランジスタ211及び213により第2のインバータが構成される。そして、第1インバータの出力及び第2インバータの入力(ノードND26)が、端子Qに接続される。第1インバータの入力及び第2インバータの出力(ノードND27)が、端子bQに接続される。
【0215】
トランジスタ214の一端はノードND24に接続される。トランジスタ214の他端は、接地される。トランジスタ214のゲートは、NOR回路220の出力端子に接続される。
【0216】
トランジスタ215の一端はノードND25に接続される。トランジスタ215の他端は、接地される。トランジスタ215のゲートは、NOR回路220の出力端子に接続される。
【0217】
トランジスタ216の一端はノードND26に接続される。トランジスタ216の他端は、接地される。トランジスタ216のゲートは、NOR回路220の出力端子に接続される。
【0218】
トランジスタ217の一端はノードND27に接続される。トランジスタ217の他端は、接地される。トランジスタ217のゲートは、NOR回路220の出力端子に接続される。
【0219】
トランジスタ214~217は、ラッチ回路DLのリセット回路として機能する。例えば、NOR回路220の出力信号が“H”レベルとされると、トランジスタ214~217はオン状態とされる。これにより、ノードND26及びND27は、“H”レベルに充電される。すなわち、ラッチ回路DLは、リセット状態とされる。
【0220】
NOR回路220は3つの入力端子と1つの出力端子を含む。3つの入力端子は、端子CL、端子CR、及び端子bCRにそれぞれ接続される。NOR回路220は、端子CL、CR、及びbCRに入力された信号が“L”レベルの場合に、“H”レベルの信号を出力する。NOR回路220は、端子CL、CR、及びbCRに入力された信号の少なくとも1つが“H”レベルの場合に、“L”レベルの信号を出力する。増幅器62eのNOR回路220が出力する信号が、第1実施形態の信号DRoに相当する。また、増幅器62oのNOR回路220が出力する信号が、第1実施形態の信号DReに相当する。
【0221】
増幅器62eの動作について簡略に説明する。増幅器62eの入力部80は、信号CKが“L”レベルから“H”レベルに立ち上がると、トランジスタ201及び202がオフ状態とされ、トランジスタ207がオン状態とされる。この状態で、増幅器62eは、信号DQを取り込む。トランジスタ201及び202がオフ状態であるため、トランジスタ203~206の状態に依存して、ノードND21の電圧が“H”レベルから“L”レベルに降下する速度とノードND22の電圧が“H”レベルから“L”レベルに降下する速度との間に差が生じる。例えば、トランジスタ203がオン状態の場合、ノードND21の電圧の方が、ノードND22の電圧よりも速く降下する。他方で、トランジスタ203がオフ状態の場合、ノードND22の電圧の方が、ノードND21の電圧よりも速く降下する。換言すると、信号DQが“H”レベルの場合、信号DIPeは、信号DIMeよりも先に“H”レベルから“L”レベルに遷移される。他方で、信号DQが“L”レベルの場合、信号DIMeは、信号DIPeよりも先に“H”レベルから“L”レベルに遷移される。
【0222】
NOR回路220が“L”レベルの信号DRoを出力すると、ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオフ状態とされる。この状態において、信号DQが“H”レベルの場合、信号DIPeは、信号DIMeよりも先に“L”レベルに遷移される。すると、トランジスタ208がトランジスタ209よりも先にオン状態とされる。これにより、ラッチ部81では、ノードND26が“H”レベルとされ、ノードND27が“L”レベルとされる。この結果、信号DOPeは“H”レベルとされ、信号DOMeは“L”レベルとされる。他方で、信号DQが“L”レベルの場合、信号DIMeは、信号DIPeよりも先に“L”レベルに遷移される。すると、トランジスタ209がトランジスタ208よりも先にオン状態とされる。これにより、ラッチ部81では、ノードND26が“L”レベルとされ、ノードND27が“H”レベルとされる。この結果、信号DOPeは“L”レベルとされ、信号DOMeは“H”レベルとされる。
【0223】
2.3 DFE回路の動作例
次に、
図27~
図41を参照して、DFE回路50の動作の一例について説明する。
図27は、DFE回路50における各種信号のタイミングチャートである。
図28~
図41は、
図27に示すタイミングチャートの各時刻におけるDFE回路の状態図である。本例では、入力信号DQがデータである場合について説明する。なお、以下の説明では、タイミングチャートの各時刻において、信号及びトランジスタの状態が変化した部分に着目して説明する。
【0224】
[時刻t0]
図27に示すように、信号DQが入力される前の時刻t0において、信号CKは、“L”レベルとされ、信号bCKは、“H”レベルとされる。例えば、増幅器62eは、“H”レベルの信号DIPe及びDIMe、並びに“L”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力している。例えば、増幅器62oは、“L”レベルの信号DIPo及びDIMo、“H”レベルの信号DOPo、並びに“L”レベルのDOMoを出力している。
【0225】
増幅器62eのNOR回路220には、“L”レベルの信号CK、並びに“L”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、増幅器62eのNOR回路220は、“H”レベルの信号DRoを出力する。これにより、増幅器62eのラッチ回路DL(
図27に示す参照符号“Even”)は、リセット状態(“rst”)とされる。また、増幅器62oのNOR回路220には、“H”レベルの信号bCK、並びに“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、増幅器62oのNOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。これにより、増幅器62eのラッチ回路DL(
図27に示す参照符号“Odd”)は、ラッチ状態(“lat”)とされる。
【0226】
図28に示すように、信号DQが“H”レベルであるため、増幅器62e及び62oのトランジスタ203は、オン状態とされる。増幅器62e及び62oのトランジスタ204は、電圧VREFによりクランプされた比較的弱いオン状態とされる。
【0227】
増幅器62eの端子DFには、“H”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ206は、オン状態とされる。増幅器62eの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。従って、増幅器62eにおいて、電圧VREFは上がる。信号CKが“L”レベルであるため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオン状態とされ、トランジスタ207はオフ状態とされる。このため、入力部80は、端子DI及びbDIから“H”レベルの信号DIPe及びDIMeをそれぞれ出力する。増幅器62eのNOR回路220には、端子CLから“L”レベルの信号CKが入力され、端子CRから“L”レベルの信号DIPoが入力され、端子bCRから“L”レベルの信号DIMoが入力される。このため、NOR回路220は、“H”レベルの信号DRoを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオン状態とされる。これにより、ラッチ部81は、リセット状態とされる。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81のノードND26及びND27は、ディスチャージされる。このため、ラッチ部81は、端子Q及びbQから“L”レベルの信号DOPe及びDOMeをそれぞれ出力する。
【0228】
増幅器62oの端子DFには、“L”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62oの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。信号bCKが“H”レベルであるため、増幅器62oのトランジスタ201及び202はオフ状態とされ、トランジスタ207はオン状態とされる。このため、入力部80は、端子DI及びbDIから“L”レベルの信号DIPo及びDIMoをそれぞれ出力する。増幅器62oのNOR回路220には、端子CLから“H”レベルの信号bCKが入力され、端子CRから“H”レベルの信号DIPeが入力され、端子bCRから“H”レベルの信号DIMeが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217が、オフ状態とされる。これにより、ラッチ部81のラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。また、ラッチ部81には、“L”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオン状態とされる。例えば、信号DQが“H”レベルである場合、ラッチ部81は、端子Qから“H”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMoを出力する。
【0229】
[時刻t1]
図27に示すように、例えば、信号DQの偶数ビットデータV0が“H”レベルであるとする。時刻t1において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。増幅器62eは、信号CKの立ち上がりに基づいて、ラッチ状態(“lat”)とされる。偶数ビットデータV0に基づいて、増幅器62eの信号DIPe、DIMe、DOPe、及びDOMeは、遷移を開始する。増幅器62oでは、信号bCKの立ち下がりに基づいて、信号DIPo及びDIMoが“H”レベルとされる。
【0230】
図29に示すように、信号DQの偶数ビットデータV0が“H”レベルであるため、増幅器62e及び62oのトランジスタ203は、オン状態とされる。
【0231】
増幅器62eには、“H”レベルの信号CKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオフ状態とされ、トランジスタ207はオン状態とされる。信号DIPe及びDIMeは、“H”レベルから“L”レベルへの遷移を開始する。増幅器62eのNOR回路220には、端子CLから“H”レベルの信号CKが入力され、端子CRから“H”レベルの信号DIPoが入力され、端子bCRから“H”レベルの信号DIMoが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DRoを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオフ状態とされる。これにより、ラッチ部81のラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。このため、ラッチ部81は、時刻t0に引き続き、端子Q及びbQから“L”レベルの信号DOPe及びDOMeをそれぞれ出力する。
【0232】
増幅器62oには、“L”レベルの信号bCKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオン状態とされ、トランジスタ207はオフ状態とされる。入力部80は、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoを出力する。増幅器62oのNOR回路220には、端子CLから“L”レベルの信号bCKが入力され、端子CRから“H”レベルの信号DIPeが入力され、端子bCRから“H”レベルの信号DIMeが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、ラッチ状態を維持しているため、端子Qから“H”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMoを出力する。
【0233】
[時刻t2]
図27に示すように、時刻t2において、増幅器62eの信号DIPeと信号DIMeとの電圧差、すなわち、“H”レベルから“L”レベルへの遷移速度の違いに基づいて、信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定する。換言すると、偶数ビットデータV0の論理レベルが確定する。増幅器62eは、“H”レベルの信号DOPe及び“L”レベルの信号DOMeを出力する。増幅器62oにおいて、信号DReは“H”レベルとされる。これにより、増幅器62oでは、リセット動作が開始される。
【0234】
図30に示すように、増幅器62eでは、信号DIPeは、信号DIMeよりも先に“L”レベルに遷移される。このため、トランジスタ208は、トランジスタ209よりも先にオン状態とされる。この結果、ラッチ部81では、ノードND26が“H”レベルとされ、ノードND27が“L”レベルとされる。信号DOPeは“L”レベルから“H”レベルに遷移され、信号DOMeは“L”レベルに維持される。換言すれば、増幅器62eは、“H”レベルの偶数ビットデータV0を取り込んだ結果、“H”レベルの信号DOPeと“L”レベルの信号DOMeとを出力する。
【0235】
増幅器62oには、増幅器62eが偶数ビットデータV0を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器62oの端子DFには、“H”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ206は、オン状態とされる。増幅器62oの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。従って、増幅器62oにおいて、電圧VREFは上がる。増幅器62oのNOR回路220には、“L”レベルの信号bCK、DIPe、及びDIMeが入力される。この結果、増幅器62oのNOR回路220は、“H”レベルの信号DReを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオン状態とされる。増幅器62oは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。すなわち、ノードND26及びノードND27のディスチャージが開始される。増幅器62oのNOR回路220は、増幅器62eにおいて信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定する前に、“H”レベルの信号を出力できる。換言すれば、増幅器62oは、増幅器62eにおいて信号DQの論理レベルが確定する前に、リセット動作を開始できる。但し、時刻t2において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPoは“H”レベルに維持され、信号DOMoは“L”レベルに維持されている。
【0236】
[時刻t3]
図27に示すように、例えば、信号DQの奇数ビットデータV1は“L”レベルであるとする。時刻t3において、増幅器62oは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPo及びDOMoは、“L”レベルとされる。
【0237】
図31に示すように、信号DQの奇数ビットデータV1が“L”レベルであるため、増幅器62e及び62oのトランジスタ203は、オフ状態とされる。
【0238】
増幅器62oでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND26及びノードND27は、“L”レベルとされる。すなわち、増幅器62oは、“L”レベルの信号DOPo及びDOMoを出力する。
【0239】
増幅器62eの端子DFには、“L”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62eの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。増幅器62eのNOR回路220には“H”レベルの信号CK、DIPo、及びDIMoが入力される。増幅器62eのNOR回路220は、引き続き“L”レベルの信号DRoを出力する。
【0240】
[時刻t4]
図27に示すように、時刻t4において、信号CKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がり、信号bCKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。増幅器62eでは、信号CKの立ち下がりに基づいて、信号DIPe及びDIMeが“H”レベルとされる。増幅器62oは、信号bCKの立ち上がりに基づいて、ラッチ状態(“lat”)とされる。奇数ビットデータV1に基づいて、増幅器62oの信号DIPo、DIMo、DOPo、及びDOMoは、遷移を開始する。増幅器62eでは、信号CKの立ち下がりに基づいて、信号DIPe及びDIMeが“H”レベルとされる。
【0241】
図32に示すように、増幅器62eには、“L”レベルの信号CKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオン状態とされ、トランジスタ207はオフ状態とされる。入力部80は、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeを出力する。増幅器62eのNOR回路220には、“L”レベルの信号CK並びに“H”レベルのDIPo及びDIMoが入力される。このため、増幅器62eのNOR回路220は、引き続き“L”レベルの信号DRoを出力する。また、ラッチ部81では、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、ラッチ状態を維持しているため、端子Qから“H”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMeを出力する。
【0242】
増幅器62oには、“H”レベルの信号bCKが入力される。このため、増幅器62oのトランジスタ201及び202はオフ状態とされ、トランジスタ207はオン状態とされる。信号DIPo及びDIMoは、“H”レベルから“L”レベルへの遷移を開始する。増幅器62oのNOR回路220には、“H”レベルの信号bCK、DIPe、及びDIMeが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオフ状態とされる。これにより、ラッチ部81のラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。このため、ラッチ部81は、引き続き、端子Q及びbQから“L”レベルの信号DOPo及びDOMoをそれぞれ出力する。
【0243】
[時刻t5]
図27に示すように、時刻t5において、増幅器62oの信号DIPoと信号DIMoとの電圧差、すなわち、“H”レベルから“L”レベルへの遷移速度の違いに基づいて、信号DOPo及びDOMoの論理レベルが確定する。換言すると、奇数ビットデータV1の論理レベルが確定する。信号DOPoは、“L”レベルとされ、信号DOMoは、“H”レベルとされる。このため、増幅器62eにおいて、信号DRoは“H”レベルとされる。これにより、増幅器62eでは、リセット動作が開始される。
【0244】
図33に示すように、増幅器62oでは、信号DIMoは、信号DIPoよりも先に“L”レベルに遷移される、このため、トランジスタ209は、トランジスタ208よりも先にオン状態とされる。この結果、ラッチ部81では、ノードND26が“L”レベルとされ、ノードND27が“H”レベルとされる。この結果、信号DOPoは“L”レベルに維持され、信号DOMoは“L”レベルから“H”レベルに遷移される。換言すれば、増幅器62oは、“L”レベルの奇数ビットデータV1を取り込んだ結果、“L”レベルの信号DOPoと“H”レベルの信号DOMoとを出力する。
【0245】
増幅器62eには、増幅器62oが奇数ビットデータV1を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器62eの端子DFには、“L”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62eの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ205は、オン状態とされる。従って、増幅器62eにおいて、電圧VREFは下がる。増幅器62eのNOR回路220には、“L”レベルの信号CK、DIPo、及びDIMoが入力される。この結果、増幅器62eのNOR回路220は、“H”レベルの信号DRoを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオン状態とされる。増幅器62eは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。すなわち、増幅器62eのNOR回路220は、増幅器62oにおいて信号DOPo及びDOMoの論理レベルが確定する前に、“H”レベルの信号を出力できる。換言すれば、増幅器62eは、増幅器62oにおいて信号DQの論理レベルが確定する前に、リセット動作を開始できる。但し、時刻t5において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPeは“H”レベルに維持され、信号DOMeは“L”レベルに維持されている。
【0246】
[時刻t6]
図27に示すように、例えば、信号DQの偶数ビットデータV2は“L”レベルであるとする。時刻t6において、増幅器62eは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPe及びDOMeは、“L”レベルとされる。
【0247】
図34に示すように、信号DQの偶数ビットデータV2が“L”レベルであるため、増幅器62e及び62oのトランジスタ203は、オフ状態とされる。
【0248】
増幅器62eでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND26及びノードND27は、“L”レベルとされる。すなわち、増幅器62eは、“L”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力する。
【0249】
増幅器62oの端子DFには、“L”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62oの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。増幅器62oのNOR回路220には“H”レベルの信号bCK、DIPe、及びDIMeが入力される。増幅器62oのNOR回路220は、引き続き“L”レベルの信号を出力する。
【0250】
[時刻t7]
図27に示すように、時刻t7において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。増幅器62eは、信号CKの立ち上がりに基づいて、ラッチ状態(“lat”)とされる。偶数ビットデータV2に基づいて、増幅器62eの信号DIPe、DIMe、DOPe、及びDOMeは、遷移を開始する。増幅器62oでは、信号bCKの立ち下がりに基づいて、信号DIPo及びDIMoが“H”レベルとされる。
【0251】
図35に示すように、増幅器62eには、“H”レベルの信号CKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオフ状態とされ、トランジスタ207はオン状態とされる。信号DIPe及びDIMeは、“H”レベルから“L”レベルへの遷移を開始する。増幅器62eのNOR回路220には、“H”レベルの信号CK、DIPo、及びDIMoが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DRoを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオフ状態とされる。これにより、ラッチ部81のラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、時刻t6に引き続き、端子Q及びbQから“L”レベルの信号DOPe及びDOMeをそれぞれ出力する。
【0252】
増幅器62oには、“L”レベルの信号bCKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオン状態とされ、トランジスタ207はオフ状態とされる。入力部80は、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoを出力する。増幅器62oのNOR回路220には、“L”レベルの信号bCK、並びに“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、ラッチ状態を維持しているため、端子Qから“L”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMoを出力する。
【0253】
[時刻t8]
図27に示すように、時刻t8において、増幅器62eの信号DIPeと信号DIMeとの電圧差、すなわち、“H”レベルから“L”レベルへの遷移速度の違いに基づいて、信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定する。換言すると、偶数ビットデータV2の論理レベルが確定する。信号DOPeは、“L”レベルとされ、信号DOMeは、“H”レベルとされる。増幅器62oにおいて、信号DReは“H”レベルとされる。これにより、増幅器62oでは、リセット動作が開始される。
【0254】
図36に示すように、増幅器62eでは、信号DIMeは、信号DIPeよりも先に“L”レベルに遷移される。このため、トランジスタ209は、トランジスタ208よりも先にオン状態とされる。この結果、ラッチ部81では、ノードND26が“L”レベルとされ、ノードND27が“H”レベルとされる。信号DOPeは“L”レベルに維持され、信号DOMeは“L”レベルから“H”レベルに遷移される。換言すれば、増幅器62eは、“L”レベルの偶数ビットデータV2を取り込んだ結果、“L”レベルの信号DOPeと“H”レベルの信号DOMeとを出力する。
【0255】
増幅器62oには、増幅器62eが偶数ビットデータV2を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器62oの端子DFには、“L”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62oの端子bDFには、“H”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ205は、オン状態とされる。従って、増幅器62oにおいて、電圧VREFは下がる。増幅器62oのNOR回路220には、“L”レベルの信号bCK、DIPe、及びDIMeが入力される。この結果、増幅器62oのNOR回路220は、“H”レベルの信号DReを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオン状態とされる。増幅器62oは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。但し、時刻t8において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPoは“L”レベルに維持され、信号DOMoは“H”レベルに維持されている。このため、増幅器62eにおいて、信号DRoは“L”レベルに維持される。
【0256】
[時刻t9]
図27に示すように、例えば、信号DQの奇数ビットデータV3は“H”レベルであるとする。時刻t9において、増幅器62oは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPo及びDOMoは、“L”レベルとされる。
【0257】
図37に示すように、信号DQの奇数ビットデータV3が“H”レベルであるため、増幅器62e及び62oのトランジスタ203は、オン状態とされる。
【0258】
増幅器62oでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND26及びノードND27は、“L”レベルとされる。すなわち、増幅器62oは、“L”レベルの信号DOPo及びDOMoを出力する。
【0259】
増幅器62eの端子DFには、“L”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62eの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。増幅器62eのNOR回路220には“H”レベルの信号CK、DIPo、及びDIMoが入力され、引き続き“L”レベルの信号DRoを出力する。
【0260】
[時刻t10]
図27に示すように、時刻t10において、信号CKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がり、信号bCKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。増幅器62eでは、信号CKの立ち下がりに基づいて、信号DIPe及びDIMeが“H”レベルとされる。増幅器62oは、信号bCKの立ち上がりに基づいて、ラッチ状態(“lat”)とされる。奇数ビットデータV3に基づいて、増幅器62oの信号DIPo、DIMo、DOPo、及びDOMoは、遷移を開始する。増幅器62eでは、信号CKの立ち下がりに基づいて、信号DIPe及びDIMeが“H”レベルとされる。
【0261】
図38に示すように、増幅器62eには、“L”レベルの信号CKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオン状態とされ、トランジスタ207はオフ状態とされる。入力部80は、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeを出力する。増幅器62eのNOR回路220には、“L”レベルの信号CK並びに“H”レベルのDIPo及びDIMoが入力される。このため、NOR回路220は、引き続き“L”レベルの信号DRoを出力する。また、ラッチ部81では、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、ラッチ状態を維持しているため、端子Qから“L”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMeを出力する。
【0262】
増幅器62oには、“H”レベルの信号bCKが入力される。このため、増幅器62oのトランジスタ201及び202はオフ状態とされ、トランジスタ207はオン状態とされる。信号DIPo及びDIMoは、“H”レベルから“L”レベルへの遷移を開始する。増幅器62oのNOR回路220には、“H”レベルの信号bCK、DIPe、及びDIMeが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオフ状態とされる。これにより、ラッチ部81のラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。このため、ラッチ部81は、引き続き、端子Q及びbQから“L”レベルの信号DOPo及びDOMoをそれぞれ出力する。
【0263】
[時刻t11]
図27に示すように、時刻t11において、増幅器62oの信号DIPoと信号DIMoとの電圧差、すなわち、“H”レベルから“L”レベルへの遷移速度の違いに基づいて、信号DOPo及びDOMoの論理レベルが確定する。換言すると、奇数ビットデータV3の論理レベルが確定する。信号DOPoは、“H”レベルとされ、信号DOMoは、“L”レベルとされる。このため、増幅器62eにおいて、信号DRoは“L”レベルとされる。これにより、増幅器62eでは、リセット動作が開始される。
【0264】
図39に示すように、増幅器62oでは、信号DIPoは、信号DIMoよりも先に“L”レベルに遷移される、このため、トランジスタ208は、トランジスタ209よりも先にオン状態とされる。この結果、ラッチ部81では、ノードND26が“H”レベルとされ、ノードND27が“L”レベルとされる。この結果、信号DOPoは“L”レベルから“H”レベルに遷移され、信号DOMoは“L”レベルに維持される。換言すれば、増幅器62oは、“H”レベルの奇数ビットデータV3を取り込んだ結果、“H”レベルの信号DOPoと“L”レベルの信号DOMoとを出力する。
【0265】
増幅器62eには、増幅器62oが奇数ビットデータV3を取り込んだ結果がフィードバックされる。より具体的には、増幅器62eの端子DFには、“H”レベルの信号DOPoが入力される。このため、トランジスタ206は、オン状態とされる。増幅器62eの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMoが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。従って、増幅器62eにおいて、電圧VREFは上がる。増幅器62eのNOR回路220には、“L”レベルの信号CK、DIPo、及びDIMoが入力される。この結果、増幅器62eのNOR回路220は、“H”レベルの信号DRoを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオン状態とされる。増幅器62eは、ラッチ回路DLのリセット動作を開始する。但し、時刻t11において、ラッチ回路DLのリセット動作が完了していないため、信号DOPeは“L”レベルに維持され、信号DOMeは“H”レベルに維持されている。
【0266】
[時刻t12]
図27に示すように、例えば、信号DQの偶数ビットデータV4は“H”レベルであるとする。時刻t12において、増幅器62eは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、リセット状態(“rst”)とされる。このため、信号DOPe及びDOMeは、“L”レベルとされる。
【0267】
図40に示すように、信号DQの偶数ビットデータV4が“H”レベルであるため、増幅器62e及び62oのトランジスタ203は、オン状態とされる。
【0268】
増幅器62eでは、ラッチ回路DLのリセット動作が完了し、ノードND26及びノードND27は、“L”レベルとされる。すなわち、増幅器62eは、“L”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力する。
【0269】
増幅器62oの端子DFには、“L”レベルの信号DOPeが入力される。このため、トランジスタ206は、オフ状態とされる。増幅器62oの端子bDFには、“L”レベルの信号DOMeが入力される。このため、トランジスタ205は、オフ状態とされる。増幅器62oのNOR回路220には“H”レベルの信号bCK、DIPe、及びDIMeが入力される。増幅器62oのNOR回路220は、引き続き“L”レベルの信号を出力する。
【0270】
[時刻t13]
図27に示すように、時刻t13において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。増幅器62eは、信号CKの立ち上がりに基づいて、ラッチ状態(“lat”)とされる。偶数ビットデータV4に基づいて、増幅器62eの信号DIPe、DIMe、DOPe、及びDOMeは、遷移を開始する。増幅器62oでは、信号bCKの立ち下がりに基づいて、信号DIPo及びDIMoが“H”レベルとされる。
【0271】
図41に示すように、増幅器62eには、“H”レベルの信号CKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオフ状態とされ、トランジスタ207はオン状態とされる。信号DIPe及びDIMeは、“H”レベルから“L”レベルへの遷移を開始する。増幅器62eのNOR回路220には、“H”レベルの信号CK、DIPo、及びDIMoが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DRoを出力する。ラッチ部81では、トランジスタ214~217がオフ状態とされる。これにより、ラッチ部81のラッチ回路DLは、ラッチ状態とされる。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、時刻t6に引き続き、端子Q及びbQから“L”レベルの信号DOPe及びDOMeをそれぞれ出力する。
【0272】
増幅器62oには、“L”レベルの信号bCKが入力される。このため、増幅器62eのトランジスタ201及び202はオン状態とされ、トランジスタ207はオフ状態とされる。入力部80は、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoを出力する。増幅器62oのNOR回路220には、“L”レベルの信号bCK、並びに“H”レベルの信号DIPe及びDIMeが入力される。このため、NOR回路220は、“L”レベルの信号DReを出力する。また、ラッチ部81には、“H”レベルの信号DIPo及びDIMoが入力される。このため、トランジスタ208及び209はオフ状態とされる。ラッチ部81は、ラッチ状態を維持しているため、端子Qから“H”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMoを出力する。
【0273】
2.4 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0274】
更に、本実施形態に係る構成であれば、増幅器62eまたは62oにおいて、信号DQの論理レベルが確定する前に、他方の増幅器のラッチ回路DLのリセット動作を開始することができる。よって、DFE回路50は、信号の受信速度をより高速化できる。
【0275】
2.5 第2実施形態の変形例
次に、第2実施形態の変形例について説明する。第2実施形態の
図26を用いて説明した増幅器62eと異なる内部構成の増幅器62eについて、2つの例を示す。なお、増幅器62oも同様である。以下、
図26を用いて説明した増幅器62eと異なる点を中心に説明する。
【0276】
2.5.1 第1変形例
まず、
図42を参照して、第2実施形態の第1変形例について説明する。
図42は、増幅器62eの回路図である。
【0277】
図42に示すように、本例の増幅器62eは、第2実施形態と同様に、入力部80、ラッチ部81、及び否定論理和(NOR)回路220を含む。
【0278】
入力部80の内部構成は、第2実施形態と同様である。また、NOR回路220に入力される信号は、第2実施形態と同様である。
【0279】
本例のラッチ部81は、PMOSトランジスタ208~211、230、及び231、並びにNMOSトランジスタ212~217を含む。すなわち、
図26を用いて説明したラッチ部81に、トランジスタ230及び231が追加された構造である。
【0280】
トランジスタ230の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ230の他端は、ノードND24に接続される。トランジスタ230のゲートは、NOR回路220の出力端子に接続される。換言すれば、トランジスタ230のゲートには、信号DRoが入力される。
【0281】
トランジスタ231の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ231の他端は、ノードND25に接続される。トランジスタ231のゲートは、NOR回路220の出力端子に接続される。換言すれば、トランジスタ231のゲートには、信号DRoが入力される。
【0282】
ラッチ部81の他のトランジスタの接続は、
図26を用いて説明した増幅器62eと同様である。
【0283】
2.5.2 第2変形例
次に、
図43を参照して、第2実施形態の第2変形例について説明する。
図43は、増幅器62eの回路図である。
【0284】
図43に示すように、本例の増幅器62eは、入力部80、ラッチ部81、及びインバータ250~252を含む。
【0285】
入力部80の内部構成は、第2実施形態と同様である。
【0286】
本例のラッチ部81は、PMOSトランジスタ210、211、及び240、並びにNMOSトランジスタ212、213、216、217、241、及び242を含む。
【0287】
トランジスタ240の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ240の他端は、ノードND30に接続される。トランジスタ240のゲートは、インバータ250の入力端子に接続される。
【0288】
トランジスタ210の一端は、ノードND30に接続される。トランジスタ210の他端は、ノードND26に接続される。トランジスタ210のゲートは、ノードND27に接続される。
【0289】
トランジスタ211の一端は、ノードND30に接続される。トランジスタ211の他端は、ノードND27に接続される。トランジスタ211のゲートは、ノードND26に接続される。
【0290】
トランジスタ216の一端は、ノードND26に接続される。トランジスタ216の他端は、ノードND31に接続される。トランジスタ216のゲートは、ノードND21に接続される。換言すれば、トランジスタ216のゲートには、信号DIPeが入力される。
【0291】
トランジスタ217の一端は、ノードND27に接続される。トランジスタ217の他端は、ノードND31に接続される。トランジスタ217のゲートは、ノードND22に接続される。換言すれば、トランジスタ217のゲートには、信号DIMeが入力される。
【0292】
トランジスタ241の一端は、ノードND31に接続される。トランジスタ241の他端は、接地される。トランジスタ241のゲートは、ノードND40に接続される。
【0293】
トランジスタ242の一端は、ノードND31に接続される。トランジスタ242の他端は、接地される。トランジスタ242のゲートは、ノードND40に接続される。
【0294】
インバータ250の入力端子は、端子CLに接続される。インバータ250の出力端子は、トランジスタ240のゲートに接続される。インバータ250は、信号CK(増幅器62oの場合、信号bCK)の反転信号を出力する。
【0295】
インバータ251の入力端子は、端子CRに接続される。インバータ251の出力端子は、ノードND40に接続される。インバータ251は、信号DIPo(増幅器62oの場合、信号DIPe)の反転信号を出力する。
【0296】
インバータ252の入力端子は、端子bCRに接続される。インバータ252の出力端子は、ノードND40に接続される。インバータ252は、信号DIMo(増幅器62oの場合、信号DIMe)の反転信号を出力する。
【0297】
2.5.2 第2実施形態の変形例の効果
第2実施形態の第1変形例及び第2変形例に係る構成であれば、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0298】
更に、第2実施形態の第1変形例に係る構成であれば、増幅器62は、トランジスタ230及び231を含む。トランジスタ230及び231は、信号DRoが“H”レベルである間、すなわち、ラッチ回路DLがラッチ状態にある間、ラッチ回路DLに電圧VDDを供給する。これにより、例えば、トランジスタ208及び209がオフ状態であっても、ラッチ回路DLには電圧VDDが供給される。よって、ラッチ回路DLにおけるデータ保持の安定性が向上する。
【0299】
更に、第2実施形態の第2変形例に係る構成であれば、増幅器62は、トランジスタ240を含む。これにより、ラッチ回路DLは、信号CKに同期した動作が可能となる。
【0300】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形態と異なるDFE回路50の構成について説明する。以下、第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0301】
3.1 構成
3.1.1 DFE回路の全体構成
次に、
図44を参照して、DFE回路50の全体構成の一例について説明する。
図44は、DFE回路50のブロック図である。本実施形態では、DFE回路50に、ループアンローリング(Loop Unrolling)を適用した場合について説明する。例えば、第1実施形態及び第2実施形態で説明したDFE回路50は、1つ前のタイミングで入力された信号DQのビットデータに対応した出力信号を次のタイミングのビットデータの入力にフィードバックさせる。これにより、DFE回路50は、電圧VREFの電圧値を信号DQの電圧値に対して相対的に変動させた場合と同様の効果を実現していた。これに対し、本実施形態のDFE回路は、1つのビットデータに対して、予め電圧VREFを相対的に上げた状態で信号DQを受信する受信部と、予め電圧VREFを相対的に下げた状態で信号DQを受信する受信部との2つの系統を備える。そして、DFE回路50は、1つ前のタイミングで入力された信号DQのビットデータに対応した出力信号に基づいて2つの系統のいずれかを選択することにより、信号DQを補償している。
【0302】
図44に示すように、DFE回路50は、4つの受信部91e1、91e2、91o1、及び91o2、2つのマルチプレクサ(MUX:Multiplexer)92e及び92o、並びに2つの増幅器93e及び93oを含む。以下、受信部91e1、91e2、91o1、及び91o2のいずれかを限定しない場合は、受信部91と表記する。マルチプレクサ92e及び92oのいずれかを限定しない場合は、マルチプレクサ92と表記する。増幅器93e及び93oのいずれかを限定しない場合は、増幅器93と表記する。
【0303】
受信部91e1及び、受信部91e2は、信号DQの偶数ビットデータを受信する。例えば、受信部91e1は、信号DQに対して電圧VREFを相対的に上げた状態で信号DQを受信する。受信部91e2は、信号DQに対して電圧VREFを相対的に下げた状態で信号DQを受信する。受信部91e1及び91e2には、信号DQの偶数ビットデータ及び電圧VREFが入力される。受信部91e1は、信号DQを取り込んだ結果として、マルチプレクサ92eに信号DSPe1及びDSMe1を送信する。受信部91e2は、信号DQを取り込んだ結果として、マルチプレクサ92eに信号DSPe2及びDSMe2を送信する。
【0304】
受信部91o1及び、受信部91o2は、信号DQの奇数ビットデータを受信する。例えば、受信部91o1は、信号DQに対して電圧VREFを相対的に上げた状態で信号DQを受信する。受信部91o2は、信号DQに対して電圧VREFを相対的に下げた状態で信号DQを受信する。受信部91o1及び91o2には、信号DQの奇数ビットデータ及び電圧VREFが入力される。受信部91o1は、信号DQを取り込んだ結果として、マルチプレクサ92oに信号DSPo1及びDSMo1を送信する。受信部91o2は、信号DQを取り込んだ結果として、マルチプレクサ92oに信号DSPo2及びDSMo2を送信する。
【0305】
マルチプレクサ92eは、増幅器93oの出力信号DOPo及びDOMoに基づいて、受信部91e1及び91e2のいずれかを選択する。マルチプレクサ92eは、信号DMPe及びDMMeを出力する。より具体的には、例えば、マルチプレクサ92eは、信号DOPoが“L”レベルの場合、受信部91e1から入力された信号DSPe1及びDSMe1を信号DMPe及びDMMeとして出力する。また、マルチプレクサ92eは、信号DOPoが“H”レベルの場合、受信部91e2から入力された信号DSPe2及びDSMe2を信号DMPe及びDMMeとして出力する。換言すれば、マルチプレクサ92eは、1つ前のタイミングの信号DQのビットデータが“H”レベルの場合、電圧VREFを相対的に上げた状態で取り込んだ信号DQに対応する信号DSPe1及びDSMe1を選択する。また、マルチプレクサ92eは、1つ前のタイミングの信号DQのビットデータが“L”レベルの場合、電圧VREFを相対的に下げた状態で取り込んだ信号DQに対応する信号DSPe2及びDSMe2を選択する。
【0306】
マルチプレクサ92oは、増幅器93eの出力信号DOPe及びDOMeに基づいて、受信部91o1及び91o2のいずれかを選択する。マルチプレクサ92oは、信号DMPo及びDMMoを出力する。より具体的には、例えば、マルチプレクサ92oは、信号DOPoが“L”レベルの場合、受信部91o1から入力された信号DSPo1及びDSMo1を信号DMPo及びDMMoとして出力する。また、マルチプレクサ92oは、信号DOPoが“H”レベルの場合、受信部91o2から入力された信号DSPo2及びDSMo2を信号DMPo及びDMMoとして出力する。換言すれば、マルチプレクサ92oは、1つ前のタイミングの信号DQのビットデータが“H”レベルの場合、参照電圧VREFを相対的に上げた状態で取り込んだ信号DQに対応する信号DSPo1及びDSMo1を選択する。また、マルチプレクサ92oは、1つ前のタイミングの信号DQのビットデータが“L”レベルの場合、参照電圧VREFを相対的に下げた状態で取り込んだ信号DQに対応する信号DSPo2及びDSMo2を選択する。
【0307】
増幅器93は、データ入力端子D及びbD、ラッチ制御クロック入力端子CL、リセット制御クロック入力端子CR、データ出力端子Q及びbQ、並びにラッチ完了出力端子Rを含むLT-SA回路である。増幅器93は、入力信号の反転信号を出力する。増幅器93eと増幅器93oの構成は同じである。
【0308】
増幅器93eの端子Dには、マルチプレクサ92eから信号DMPeが入力される。増幅器93eの端子bDには、マルチプレクサ92eから信号DMMeが入力される。
【0309】
増幅器93eの端子CLには、信号CKが入力される。
【0310】
増幅器93eの端子CRには、増幅器93oの端子Rからリセット制御クロック信号が入力される。
【0311】
増幅器93eは、端子Dに“H”レベルの信号DMPeが入力され且つ端子bDに“L”レベルの信号DMMeが入力されると、端子Qから“L”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMeを出力する。また、増幅器93eは、端子Dに“L”レベルの信号DMPeが入力され且つ端子bDに“H”レベルの信号DMMeが入力されると、端子Qから“H”レベルの信号DOPeを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMeを出力する。
【0312】
増幅器93eは、端子Rからリセット制御クロック信号DReを出力する。より具体的には、例えば、増幅器93eにおいて、信号DOPe及びDOMeの論理レベルが同じである場合、信号DReは、“H”レベルとされる。他方で、信号DOPeの論理レベルと信号DOMeの論理レベルとが異なる場合、信号DReは、“L”レベルとされる。
【0313】
増幅器93oの端子Dには、マルチプレクサ92oから信号DMPoが入力される。増幅器93oの端子bDには、マルチプレクサ92oから信号DMMoが入力される。
【0314】
増幅器93oの端子CLには、信号bCKが入力される。
【0315】
増幅器93oの端子CRには、増幅器93eの端子Rから出力されたリセット制御クロック信号が入力される。
【0316】
増幅器93oは、端子Dに“H”レベルの信号DMPoが入力され且つ端子bDに“L”レベルの信号DMMoが入力されると、端子Qから“L”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“H”レベルの信号DOMoを出力する。また、増幅器93oは、端子Dに“L”レベルの信号DMPoが入力され且つ端子bDに“H”レベルの信号DMMoが入力されると、端子Qから“H”レベルの信号DOPoを出力し、端子bQから“L”レベルの信号DOMoを出力する。
【0317】
増幅器93oは、端子Rからリセット制御クロック信号DRoを出力する。より具体的には、例えば、増幅器93oにおいて、信号DOPo及びDOMoの論理レベルが同じである場合、信号DRoは、“H”レベルとされる。他方で、信号DOPoの論理レベルと信号DOMoの論理レベルとが異なる場合、信号DRoは、“L”レベルとされる。
【0318】
3.1.2 受信部の構成
引き続き
図44を参照して、受信部91e1、91e2、91o1、及び91o2の内部構成の一例について説明する。
【0319】
まず、受信部91e1について説明する。受信部91e1は、加算器94e1及び95e1、増幅器96e1、及びbSRラッチ回路97e1を含む。
【0320】
加算器94e1は、信号DQの電圧値からフィードバック係数“α”を減算させた電圧値の信号VDPe1を出力する。フィードバック係数“α”は、電圧VREFの電圧値よりも小さい値である。
【0321】
加算器95e1は、電圧VREFの電圧値からフィードバック係数“-α”を減算させた、すなわち、フィードバック係数αを加算した電圧値の信号VDMe1を出力する。
【0322】
増幅器96e1は、LT-SA回路である。増幅器96e1は、データ入力端子D及びbD、ラッチ制御クロック入力端子CL、並びにデータ出力端子Q及びbQを含む。増幅器96e1は、入力信号の反転信号を出力する。
【0323】
増幅器96e1の端子Dには、加算器94e1から信号VDPe1が入力される。増幅器96e1の端子bDには、加算器95e1から信号VDMe1が入力される。
【0324】
増幅器96e1の端子CLには、信号CKが入力される。
【0325】
増幅器96e1は、端子Qから信号DOPe1を出力する。増幅器96e1は、端子bQから信号DOMe1を出力する。
【0326】
bSRラッチ回路97e1は、信号DOPe1及び信号DOMe1を一時的に記憶する。bSRラッチ回路97e1は、信号入力端子bS、リセット信号入力端子bR、及び出力端子Q及びbQを含む。
【0327】
bSRラッチ回路97e1の端子bSは、増幅器96e1の端子Qに接続される。bSRラッチ回路97e1の端子bSには、信号DOPe1が入力される。
【0328】
bSRラッチ回路97e1の端子bRは、増幅器96e1の端子bQに接続される。bSRラッチ回路97e1の端子bRには、信号DOMe1が入力される。
【0329】
bSRラッチ回路97e1の端子Q及びbQは、マルチプレクサ92eの異なる入力端子にそれぞれ接続される。bSRラッチ回路97e1は、端子Qから信号DSPe1を出力する。bSRラッチ回路97e1は、端子bQから信号DSMe1を出力する。
【0330】
次に、受信部91e2について説明する。受信部91e2は、加算器94e2及び95e2、増幅器96e2、及びbSRラッチ回路97e2を含む。
【0331】
加算器94e2は、信号DQの電圧値からフィードバック係数“-α”を減算させた電圧値の信号VDPe2を出力する。
【0332】
加算器95e2は、電圧VREFの電圧値からフィードバック係数“α”を減算させた電圧値の信号VDMe1を出力する。
【0333】
増幅器96e2は、LT-SA回路である。増幅器96e2の構成は、増幅器96e1と同様である。
【0334】
増幅器96e2の端子Dには、加算器94e2から信号VDPe2が入力される。増幅器96e2の端子bDには、加算器95e2から信号VDMe2が入力される。
【0335】
増幅器96e2の端子CLには、信号CKが入力される。
【0336】
増幅器96e2は、端子Qから信号DOPe2を出力する。増幅器96e2は、端子bQから信号DOMe2を出力する。
【0337】
bSRラッチ回路97e2は、信号DOPe2及び信号DOMe2を一時的に記憶する。bSRラッチ回路97e2の構成は、bSRラッチ回路97e1と同様である。
【0338】
bSRラッチ回路97e2の端子bSは、増幅器96e2の端子Qに接続される。bSRラッチ回路97e2の端子bSには、信号DOPe2が入力される。
【0339】
bSRラッチ回路97e2の端子bRは、増幅器96e2の端子bQに接続される。bSRラッチ回路97e2の端子bRには、信号DOMe2が入力される。
【0340】
bSRラッチ回路97e2の端子Q及びbQは、マルチプレクサ92eの異なる入力端子にそれぞれ接続される。bSRラッチ回路97e2は、端子Qから信号DSPe2を出力する。bSRラッチ回路97e2は、端子bQから信号DSMe2を出力する。
【0341】
次に、受信部91o1について説明する。受信部91o1は、加算器94o1及び95o1、増幅器96o1、及びbSRラッチ回路97o1を含む。
【0342】
加算器94o1は、信号DQの電圧値からフィードバック係数“α”を減算させた電圧値の信号VDPo1を出力する。
【0343】
加算器95o1は、電圧VREFの電圧値からフィードバック係数“-α”を減算させた電圧値の信号VDMo1を出力する。
【0344】
増幅器96o1は、LT-SA回路である。増幅器96o1の構成は、増幅器96e1と同様である。
【0345】
増幅器96o1の端子Dには、加算器94o1から信号VDPo1が入力される。増幅器96o1の端子bDには、加算器95o1から信号VDMo1が入力される。
【0346】
増幅器96o1の端子CLには、信号bCKが入力される。
【0347】
増幅器96o1は、端子Qから信号DOPo1を出力する。増幅器96o1は、端子bQから信号DOMo1を出力する。
【0348】
bSRラッチ回路97o1は、信号DOPo1及び信号DOMo1を一時的に記憶する。bSRラッチ回路97o1の構成は、bSRラッチ回路97e1と同様である。
【0349】
bSRラッチ回路97o1の端子bSは、増幅器96o1の端子Qに接続される。bSRラッチ回路97o1の端子bSには、信号DOPo1が入力される。
【0350】
bSRラッチ回路97o1の端子bRは、増幅器96o1の端子bQに接続される。bSRラッチ回路97o1の端子bRには、信号DOMo1が入力される。
【0351】
bSRラッチ回路97o1の端子Q及びbQは、マルチプレクサ92oの異なる入力端子にそれぞれ接続される。bSRラッチ回路97o1は、端子Qから信号DSPo1を出力する。bSRラッチ回路97o1は、端子bQから信号DSMo1を出力する。
【0352】
次に、受信部91o2について説明する。受信部91o2は、加算器94o2及び95o2、増幅器96o2、及びbSRラッチ回路97o2を含む。
【0353】
加算器94o2は、信号DQの電圧値からフィードバック係数“-α”を減算させた電圧値の信号VDPo2を出力する。
【0354】
加算器95o2は、電圧VREFの電圧値からフィードバック係数“α”を減算させた電圧値の信号VDMo1を出力する。
【0355】
増幅器96o2は、LT-SA回路である。増幅器96o2の構成は、増幅器96e1と同様である。
【0356】
増幅器96o2の端子Dには、加算器94o2から信号VDPo2が入力される。増幅器96o2の端子bDには、加算器95o2から信号VDMo2が入力される。
【0357】
増幅器96o2の端子CLには、信号bCKが入力される。
【0358】
増幅器96o2は、端子Qから信号DOPo2を出力する。増幅器96o2は、端子bQから信号DOMo2を出力する。
【0359】
bSRラッチ回路97o2は、信号DOPo2及び信号DOMo2を一時的に記憶する。bSRラッチ回路97o2の構成は、bSRラッチ回路97e1と同様である。
【0360】
bSRラッチ回路97o2の端子bSは、増幅器96o2の端子Qに接続される。bSRラッチ回路97o2の端子bSには、信号DOPo2が入力される。
【0361】
bSRラッチ回路97o2の端子bRは、増幅器96o2の端子bQに接続される。bSRラッチ回路97o2の端子bRには、信号DOMo2が入力される。
【0362】
bSRラッチ回路97o2の端子Q及びbQは、マルチプレクサ92oの異なる入力端子にそれぞれ接続される。bSRラッチ回路97o2は、端子Qから信号DSPo2を出力する。bSRラッチ回路97o2は、端子bQから信号DSMo2を出力する。
【0363】
3.1.3 増幅器96e1の回路構成
次に、
図45を参照して、増幅器96e1の回路構成の一例について説明する。
図45は、増幅器96e1の回路図である。なお、増幅器96e2、96o1、及び96o2の回路構成も同様である。以下、増幅器96e1、96e2、96o1、及び96o2のいずれかを限定しない場合は、増幅器96と表記する。
【0364】
図45に示すように、増幅器96e1は、PMOSトランジスタ301~304、及びNMOSトランジスタ305~309を含む。
【0365】
トランジスタ301の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ301の他端は、ノードND51に接続される。トランジスタ301のゲートは、端子CLに接続される。
【0366】
トランジスタ302の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ302の他端は、ノードND51に接続される。トランジスタ302のゲートは、ノードND52に接続される。
【0367】
トランジスタ303の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ303の他端は、ノードND52に接続される。トランジスタ303のゲートは、ノードND51に接続される。
【0368】
トランジスタ304の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ304の他端は、ノードND52に接続される。トランジスタ304のゲートは、端子CLに接続される。
【0369】
トランジスタ305の一端は、ノードND51に接続される。トランジスタ305の他端は、トランジスタ307の一端に接続される。トランジスタ305のゲートは、ノードND52に接続される。
【0370】
トランジスタ306の一端は、ノードND52に接続される。トランジスタ306の他端は、トランジスタ308の一端に接続される。トランジスタ306のゲートは、ノードND51に接続される。
【0371】
トランジスタ302、303、305、及び306により、ラッチ回路DLが構成される。より具体的には、トランジスタ302及び305により、第1のインバータが構成される。トランジスタ303及び306により第2のインバータが構成される。そして、第1インバータの出力及び第2インバータの入力(ノードND51)が、端子Qに接続される。第1インバータの入力及び第2インバータの出力(ノードND52)が、端子bQに接続される。
【0372】
トランジスタ307の他端は、ノードND53に接続される。トランジスタ307のゲートは、端子Dに接続される。
【0373】
トランジスタ308の他端は、ノードND53に接続される。トランジスタ308のゲートは、端子bDに接続される。
【0374】
トランジスタ309の一端は、ノードND53に接続される。トランジスタ309の他端は、接地される。トランジスタ309のゲートは、端子CLに接続される。
【0375】
増幅器96e1の動作について簡略に説明する。増幅器96e1は、端子CLに“L”レベルの信号CKが入力されている間、リセット状態とされる。より具体的には、トランジスタ301及び304は、オン状態とされ、トランジスタ309は、オフ状態とされる。これにより、ノードND51及びND52には、“H”レベルの電圧が印加される。このため、増幅器96e1は、端子Q及び端子bQから“H”レベルの信号DOPe1及びDOMe1をそれぞれ出力する。増幅器96e1は、信号CKが“L”レベルから“H”レベルに立ち上がるタイミングで、信号VDPe1を取り込んだ結果をラッチ回路DLに記憶する。ラッチ回路DLに記憶された結果に基づいて、信号DOPe1及びDOMe1の論理レベルが確定される。そして、増幅器96e1は、信号CKが“H”レベルから“L”レベルに立ち上がるタイミングで、リセット状態とされる。
【0376】
3.1.4 増幅器93eの回路構成
次に、
図46を参照して、増幅器93eの回路構成の一例について説明する。
図43は、増幅器93eの回路図である。なお、増幅器93oの回路構成も同様である。
【0377】
図46に示すように、増幅器93eは、PMOSトランジスタ321~324、NMOSトランジスタ325~329、OR回路330、及びXNOR回路331を含む。
【0378】
トランジスタ321の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ321の他端は、ノードND61に接続される。トランジスタ321のゲートは、OR回路330の出力端子に接続される。
【0379】
トランジスタ322の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ322の他端は、ノードND61に接続される。トランジスタ322のゲートは、ノードND62に接続される。
【0380】
トランジスタ323の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ323の他端は、ノードND62に接続される。トランジスタ323のゲートは、ノードND61に接続される。
【0381】
トランジスタ324の一端には、電圧VDDが印加される。トランジスタ324の他端は、ノードND62に接続される。トランジスタ324のゲートは、OR回路330の出力端子に接続される。
【0382】
トランジスタ325の一端は、ノードND61に接続される。トランジスタ325の他端は、トランジスタ327の一端に接続される。トランジスタ325のゲートは、ノードND62に接続される。
【0383】
トランジスタ326の一端は、ノードND62に接続される。トランジスタ326の他端は、トランジスタ328の一端に接続される。トランジスタ326のゲートは、ノードND61に接続される。
【0384】
トランジスタ322、323、325、及び326により、ラッチ回路DLが構成される。より具体的には、トランジスタ322及び325により、第1のインバータが構成される。トランジスタ323及び326により第2のインバータが構成される。そして、第1インバータの出力及び第2インバータの入力(ノードND61)が、端子Qに接続される。第1インバータの入力及び第2インバータの出力(ノードND62)が、端子bQに接続される。
【0385】
トランジスタ327の他端は、ノードND63に接続される。トランジスタ327のゲートは、端子Dに接続される。
【0386】
トランジスタ328の他端は、ノードND63に接続される。トランジスタ328のゲートは、端子bDに接続される。
【0387】
トランジスタ329の一端は、ノードND63に接続される。トランジスタ329の他端は、接地される。トランジスタ329のゲートは、OR回路330の出力端子に接続される。
【0388】
OR回路330の2つの入力端子は、端子CL及び端子CRにそれぞれ接続される。OR回路330は、端子CLから入力されたクロック信号及び端子CRから入力されたリセット制御クロック信号の少なくとも1つが“H”レベルの場合に、“H”レベルの信号を出力する。
【0389】
XNOR回路331の2つの入力端子は、ノードND61(端子Q)及びノードND62(端子bQ)にそれぞれ接続される。XNOR回路331は、ノードND61及びノードND62の一方が“H”レベルであり他方が“L”レベルである場合に、“L”レベルの信号を出力する。換言すると、XNOR回路331は、ラッチ回路DLにおいて取り込んだ信号の論理レベルが確定すると、“L”レベルの信号を出力する。
【0390】
増幅器93eの動作について簡略に説明する。増幅器93eは、OR回路330が“L”レベルの信号を出力している間、リセット状態とされる。より具体的には、トランジスタ321及び324は、オン状態とされ、トランジスタ329は、オフ状態とされる。これにより、ノードND61及びND62には、“H”レベルの電圧が印加される。このため、増幅器93eは、端子Q及び端子bQから“H”レベルの信号DOPe及びDOMeをそれぞれ出力する。増幅器93eは、OR回路330の出力信号が“L”レベルから“H”レベルに立ち上がるタイミングで、信号VDPe1を取り込んだ結果をラッチ回路DLに記憶する。ラッチ回路DLに記憶された結果に基づいて、信号DOPe及びDOMeの論理レベルが確定される。信号DOPe及びDOMeのいずれか一方が“H”レベルであり且つ他方が“L”レベルである間、XNOR回路331は、“L”レベルの信号を出力する。そして、増幅器93eは、信号CKが“H”レベルから“L”レベルに立ち上がるタイミングで、リセット状態とされる。
【0391】
3.2 DFE回路の動作例
次に、
図47を参照して、DFE回路50の動作の一例について説明する。
図47は、DFE回路50における各種信号のタイミングチャートである。
【0392】
[時刻t0]
図47に示すように、信号DQが入力される前の時刻t0において、信号CKは、“L”レベルとされ、信号bCKは、“H”レベルとされる。
【0393】
増幅器96e1は、リセット状態のため、“H”レベルの信号DOPe1及びDOMe1を出力する。増幅器96e2は、リセット状態のため、“H”レベルの信号DOPe2及びDOMe2を出力する。増幅器96o1は、リセット状態のため、“H”レベルの信号DOPo1及びDOMo1を出力する。増幅器96o2は、リセット状態のため、“H”レベルの信号DOPo2及びDOMo2を出力する。
【0394】
bSRラッチ回路97e1は、“L”レベルの信号DSPe1を出力する。bSRラッチ回路97e2は、“L”レベルの信号DSPe2を出力する。
【0395】
マルチプレクサ92eは、信号DQが“L”レベルのため、受信部91e2(bSRラッチ回路97e2)を選択する。マルチプレクサ92eは、“L”レベルの信号DMPeを出力する。
【0396】
[時刻t1]
例えば、信号DQの偶数ビットデータV0が“H”レベルであるとする。時刻t1において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。
【0397】
増幅器96e1及び96e2のラッチ回路DLは、信号CKの立ち上がりに基づいて、“H”レベルの偶数ビットデータV0を取り込む。偶数ビットデータV0に基づいて、信号DOPe1、DOMe1、DOPe2、及びDOMe2は、遷移を開始する。
【0398】
[時刻t2]
時刻t2において、増幅器96e1及び96e2のラッチ回路DLの論理レベルが確定する。この結果、例えば、増幅器96e1は、“H”レベルの信号DOPe1及び“L”レベルの信号DOMe1を出力する。また、例えば、増幅器96e2は、“L”レベルの信号DOPe2及び“H”レベルの信号DOMe2を出力する。信号DQがフルスイング状態で無い場合、電圧VREFとの電圧差により、信号DOPe1と信号DOPe2とは互いに異なる論理レベルになり得る。信号DOPe1と信号DOPe2とは同じ論理レベルであってもよい。
【0399】
bSRラッチ回路97e1は、“H”レベルの信号DOPe1及び“L”レベルの信号DOMe1に基づいて、“L”レベルの信号DSPe1及び“H”レベルの信号DSMe1を出力する。bSRラッチ回路97e2は、“L”レベルの信号DOPe2及び“H”レベルの信号DOMe2に基づいて、“H”レベルの信号DSPe2及び“L”レベルの信号DSMe2を出力する。
【0400】
マルチプレクサ92eは、受信部91e2(bSRラッチ回路97e2)を選択し、“H”レベルの信号DMPe及び“L”レベルの信号DMMeを出力する。
【0401】
[時刻t3]
例えば、信号DQの奇数ビットデータV1が“L”レベルであるとする。時刻t3において、信号CKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がり、信号bCKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。
【0402】
増幅器96e1及び96e2は、信号CKの立ち下がりに基づいて、リセット状態とされる。増幅器96e1は、“H”レベルの信号DOPe1及びDOMe1を出力する。増幅器96e2は、“H”レベルの信号DOPe2及びDOMe2を出力する。
【0403】
増幅器96o1及び96o2は、信号bCKの立ち上がりに基づいて、“L”レベルの奇数ビットデータV1を取り込む。奇数ビットデータV1に基づいて、信号DOPo1、DOMo1、DOPo2、及びDOMo2は、遷移を開始する。
【0404】
[時刻t4]
時刻t4において、増幅器96o1及び96o2のラッチ回路DLの論理レベルが確定する。この結果、例えば、増幅器96o1は、“H”レベルの信号DOPo1及び“L”レベルの信号DOMo1を出力する。また、例えば、増幅器96o2は、“L”レベルの信号DOPo2及び“H”レベルの信号DOMo2を出力する。
【0405】
bSRラッチ回路97o1は、“H”レベルの信号DOPo1及び“L”レベルの信号DOMo1に基づいて、“L”レベルの信号DSPo1及び“H”レベルの信号DSMo1を出力する。bSRラッチ回路97o2は、“L”レベルの信号DOPo2及び“H”レベルの信号DOMo2に基づいて、“H”レベルの信号DSPo2及び“L”レベルの信号DSMo2を出力する。
【0406】
マルチプレクサ92oは、受信部91o2(bSRラッチ回路97o2)を選択し、“H”レベルの信号DMPo及び“L”レベルの信号DMMoを出力する。
【0407】
[時刻t5]
例えば、信号DQの偶数ビットデータV2が“L”レベルであるとする。時刻t5において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。
【0408】
増幅器96e1及び96e2のラッチ回路DLは、信号CKの立ち上がりに基づいて、“L”レベルの偶数ビットデータV2を取り込む。偶数ビットデータV2に基づいて、信号DOPe1、DOMe1、DOPe2、及びDOMe2は、遷移を開始する。
【0409】
増幅器96o1及び96o2は、信号bCKの立ち下がりに基づいて、リセット状態とされる。増幅器96o1は、“H”レベルの信号DOPo1及びDOMo1を出力する。増幅器96o2は、“H”レベルの信号DOPo2及びDOMo2を出力する。
【0410】
増幅器93eは、信号CKの立ち上がりに基づいて、“H”レベルの信号DMPe及び“L”レベルの信号DMMeを取り込む。信号DMPe及びDMMeに基づいて、信号DOPe及びDOMeは、遷移を開始する。
【0411】
[時刻t6]
時刻t6において、増幅器96e1及び96e2のラッチ回路DLの論理レベルが確定する。この結果、例えば、増幅器96e1は、“H”レベルの信号DOPe1及び“L”レベルの信号DOMe1を出力する。また、例えば、増幅器96e2は、“H”レベルの信号DOPe2及び“L”レベルの信号DOMe2を出力する。
【0412】
bSRラッチ回路97e1は、“H”レベルの信号DOPe1及び“L”レベルの信号DOMe1に基づいて、“L”レベルの信号DSPe1及び“H”レベルの信号DSMe1を出力する。bSRラッチ回路97e2は、“H”レベルの信号DOPe2及び“L”レベルの信号DOMe2に基づいて、“L”レベルの信号DSPe2及び“H”レベルの信号DSMe2を出力する。
【0413】
マルチプレクサ92eは、受信部91e2(bSRラッチ回路97e2)を選択し、“L”レベルの信号DMPe及び“H”レベルの信号DMMeを出力する。
【0414】
増幅器93eのラッチ回路DLの論理レベルが確定する。換言すれば、信号DQの偶数ビットデータV0の論理レベルが確定する。この結果、例えば、増幅器93eは、“L”レベルの信号DOPe及び“H”レベルの信号DOMeを出力する。また、増幅器93eは、“L”レベルの信号DReを出力する。
【0415】
マルチプレクサ92oは、“L”レベルの信号DOPe及び“H”レベルの信号DOMeに基づいて、受信部91o1を選択する。マルチプレクサ92oは、“L”レベルの信号DMPo及び“H”レベルの信号DMMoを出力する。
【0416】
増幅器93oには、“L”レベルの信号bCK及びDReが入力される。このため、増幅器93oでは、ラッチ回路DLのリセット動作が開始される。
【0417】
[時刻t7]
時刻t7において、増幅器93oのリセット動作が完了し、ラッチ回路DLはリセット状態とされる。この結果、増幅器93oは、“H”レベルの信号DOPo及びDOMoを出力する。増幅器93oは、“H”レベルの信号DRoを出力する。
【0418】
[時刻t8]
例えば、信号DQの奇数ビットデータV3は“H”レベルであるとする。時刻t8において、信号CKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がり、信号bCKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がる。
【0419】
増幅器96e1及び96e2は、信号CKの立ち下がりに基づいて、リセット状態とされる。増幅器96e1は、“H”レベルの信号DOPe1及びDOMe1を出力する。増幅器96e2は、“H”レベルの信号DOPe2及びDOMe2を出力する。
【0420】
増幅器96o1及び96o2は、信号bCKの立ち上がりに基づいて、“H”レベルの奇数ビットデータV3を取り込む。奇数ビットデータV3に基づいて、信号DOPo1、DOMo1、DOPo2、及びDOMo2は、遷移を開始する。
【0421】
増幅器93oは、信号bCKの立ち上がりに基づいて、“L”レベルの信号DMPo及び“H”レベルの信号DMMoを取り込む。信号DMPo及びDMMoに基づいて、信号DOPo及びDOMoは、遷移を開始する。
【0422】
[時刻t9]
時刻t9において、増幅器96o1及び96o2のラッチ回路DLの論理レベルが確定する。この結果、例えば、増幅器96o1は、“H”レベルの信号DOPo1及び“L”レベルの信号DOMo1を出力する。また、例えば、増幅器96o2は、“L”レベルの信号DOPo2及び“H”レベルの信号DOMo2を出力する。
【0423】
bSRラッチ回路97o1は、“H”レベルの信号DOPo1及び“L”レベルの信号DOMo1に基づいて、“L”レベルの信号DSPo1及び“H”レベルの信号DSMo1を出力する。bSRラッチ回路97o2は、“L”レベルの信号DOPo2及び“H”レベルの信号DOMo2に基づいて、“H”レベルの信号DSPo2及び“L”レベルの信号DSMo2を出力する。
【0424】
増幅器93oのラッチ回路DLの論理レベルが確定する。換言すれば、信号DQの奇数ビットデータV1の論理レベルが確定する。この結果、例えば、増幅器93oは、“H”レベルの信号DOPo及び“L”レベルの信号DOMoを出力する。また、増幅器93oは、“L”レベルの信号DRoを出力する。
【0425】
増幅器93eには、“L”レベルの信号CK及びDRoが入力される。このため、増幅器93eでは、ラッチ回路DLのリセット動作が開始される。
【0426】
[時刻t10]
時刻t10において、増幅器93eのリセット動作が完了し、ラッチ回路DLはリセット状態とされる。この結果、増幅器93eは、“H”レベルの信号DOPe及びDOMeを出力する。増幅器93eは、“H”レベルの信号DReを出力する。
【0427】
マルチプレクサ92oは、受信部91o2を選択し、“H”レベルの信号DMPo及び“L”レベルの信号DMMoを出力する。
【0428】
[時刻t11]
例えば、信号DQの偶数ビットデータV4は“H”レベルであるとする。時刻t11において、信号CKは、“L”レベルから“H”レベルに立ち上がり、信号bCKは、“H”レベルから“L”レベルに立ち下がる。
【0429】
増幅器96e1及び96e2のラッチ回路DLは、信号CKの立ち上がりに基づいて、“H”レベルの偶数ビットデータV4を取り込む。偶数ビットデータV4に基づいて、信号DOPe1、DOMe1、DOPe2、及びDOMe2は、遷移を開始する。
【0430】
増幅器96o1及び96o2は、信号bCKの立ち下がりに基づいて、リセット状態とされる。増幅器96o1は、“H”レベルの信号DOPo1及びDOMo1を出力する。増幅器96o2は、“H”レベルの信号DOPo2及びDOMo2を出力する。
【0431】
増幅器93eは、信号CKの立ち上がりに基づいて、“L”レベルの信号DMPe及び“H”レベルの信号DMMeを取り込む。信号DMPe及びDMMeに基づいて、信号DOPe及びDOMeは、遷移を開始する。
【0432】
3.3 本実施形態に係る効果
本実施形態に係る構成であれば、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0433】
更に、本実施形態に係る構成であれば、入力信号への出力信号のフィードバック動作を省略できる。よって、DFE回路50は、信号の受信速度をより高速化できる。
【0434】
4.変形例等
上記実施形態に係る半導体記憶装置は、不揮発性のメモリセル(MC)と、第1ラッチ回路(DL)を含み、第1クロック信号(CK)に基づいて入力信号(DQ)の第1ビットデータ(V0)を受信し、第1ビットデータと参照電圧(VREF)と比較した結果に基づく第1データ(DOPe)を第1ラッチ回路に記憶し、第1データに基づいて第1信号(DRe)を出力する第1回路(60e)と、第2ラッチ回路(DL)を含み、第1クロック信号を反転させた第2クロック信号(bCK)に基づいて入力信号(DQ)の第2ビットデータ(V1)を受信し、第2ビットデータと参照電圧(VREF)と比較した結果に基づく第2データ(DOPo)を第2ラッチ回路に記憶し、第2データに基づいて第2信号(DRo)を出力する第2回路(60o)と、を含む。第1回路は、第2データ及び第2信号を受信し、第2データに基づいて第1ビットデータと参照電圧とを比較し、第2信号に基づいて第1ラッチ回路をリセット状態とさせる。第2回路は、第1データ及び第1信号を受信し、第1データに基づいて第2ビットデータと参照電圧とを比較し、第1信号に基づいて第2ラッチ回路をリセット状態とさせる。
【0435】
上記実施形態を適用することにより、チップ面積の増加を抑制できる半導体記憶装置を提供できる。
【0436】
例えば、上記第3実施形態において、増幅器93または増幅器96にDTSA回路を適用できる。
【0437】
また、例えば、上記第1実施形態の
図7において、増幅器60の入力端子DM、bDM、DF、及びbDFがNMOSトランジスタのゲートにそれぞれ接続されている場合について説明したが、増幅器60の回路構成はこれに限定されない。例えば、増幅器60は、入力端子DM、bDM、DF、及びbDFがPMOSトランジスタにそれぞれ接続される回路構成であってもよい。すなわち、増幅器60の差動増幅部は、PMOSトランジスタにより構成されてもよい。他の増幅器62、93、及び96も同様である。
【0438】
また、例えば、上記実施形態において、メモリインターフェイス回路16が、入力回路41と同様の構成を有してもよい。
【0439】
更に、上記実施形態における「接続」とは、間に例えばトランジスタあるいは抵抗等、他の何かを介在させて間接的に接続されている状態も含む。
【0440】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0441】
1…データ処理装置、2…ホストデバイス、3…メモリシステム、10…メモリコントローラ、11…ホストインターフェイス回路、12…CPU、13…ROM、14…RAM、15…バッファメモリ、16…メモリインターフェイス回路、20…半導体記憶装置、21…入出力回路、22…ロジック制御回路、23…アドレスレジスタ、24…コマンドレジスタ、25…ステータスレジスタ、26…シーケンサ、27…レディ/ビジー回路、28…電圧発生回路、29…メモリセルアレイ、30…ロウデコーダ、31…センスアンプ、32…データレジスタ、33…カラムデコーダ、41…入力回路、42…出力回路、50…DFE回路、51…クロック信号生成回路、52…ラッチ回路、53…シフトレジスタ、60、60e、60o、62、62e、62o、93、93e、93o、96、96e1、96e2、96o1、96o2…増幅器、70、70e、70o、97e1、97e2、97o1、97o2…bSRラッチ回路、72、72e、72o…SRラッチ回路、80…入力部、81…ラッチ部、91、91e1、91e2、91o1、91o2…受信部、92、92e、92o…マルチプレクサ、94e1、94e2、94o1、94o2、95e1、95e2、95o1、95o2…加算器、101~111、121~123、201~217、230、231、240~242、301~309、321~329…トランジスタ、112、220、330…OR回路、113、331…XNOR回路、220…NOR回路、250~252…インバータ、BLK0~BLK3…ブロック、MC0~MC7…メモリセルトランジスタ、SGD0~SGD3…選択ゲート線、ST1、ST2…選択トランジスタ、SU0~SU3…ストリングユニット、WL0~WL7…ワード線。