(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023163996
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】容器ホルダー
(51)【国際特許分類】
B65D 33/02 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
B65D33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075269
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000238005
【氏名又は名称】株式会社フジシールインターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】西田 隼也
(72)【発明者】
【氏名】稲川 義則
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 昌伸
(72)【発明者】
【氏名】小田切 俊
(72)【発明者】
【氏名】綿世 真弓
【テーマコード(参考)】
3E064
【Fターム(参考)】
3E064AA11
3E064BA01
3E064BA21
3E064BA55
3E064BB03
3E064EA02
3E064EA30
3E064FA03
3E064GA02
3E064HM01
3E064HS04
(57)【要約】
【課題】使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供する。
【解決手段】容器ホルダー(1)は、収納容器(20)を収容するための収容空間(7)を有する、筒状またはその一部をなすシート部材(2)と、シート部材(2)の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材(5)と、収納容器(20)を載置可能な底面部(8)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、
前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、
前記収納容器を載置可能な底面部と、
を備える容器ホルダー。
【請求項2】
前記底面部は、前記シート部材の一方の端部である第1端部に位置する前記フィルム部材から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を含む、請求項1に記載の容器ホルダー。
【請求項3】
前記シート部材の前記第1端部から該シート部材の径方向に延び、前記フィルム延在部により重畳される第1シート延在部を含む、請求項2に記載の容器ホルダー。
【請求項4】
前記容器ホルダーの側面部と前記底面部との間に湾曲部を有する、請求項1から3の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項5】
前記シート部材の軸方向における一対の端部間において、前記底面部に向けて径寸法が漸次縮径する縮径部を有する、請求項1から3の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項6】
前記収納容器は、排出部を有しており、
前記排出部を係止する係止部を備える、請求項1から3の何れか1項に記載の容器ホルダー。
【請求項7】
前記係止部は、前記シート部材の他方の端部である第2端部から延びる第2シート延在部により構成されている、請求項6に記載の容器ホルダー。
【請求項8】
前記係止部は、前記シート部材の他方の端部である第2端部に着脱可能に装着される、請求項6に記載の容器ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、容器を収容する容器ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
収納容器を装着して用いる容器ホルダーが知られている。
【0003】
特許文献1は、袋容器ホルダーを開示する。該袋容器ホルダーは、載置部と、載置部から立設する立設部と、立設部の第1端部から載置部の直上部分に張り出して設けられた、U字状切欠き部を備える張出し係止部とを含む。張出し係止部の下方の部分が、袋容器の着脱空間部となっている。載置部から立設して、下端部邪魔板部が設けられており、下端部邪魔板部の裏面側に、袋容器の下端部を装着させる下端部装着部が形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-047928号公報(2018年3月29日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、射出成型により形成された特許文献1の袋容器ホルダーは、ユーザがノズルヘッドを押圧する押圧力に抗する強度を持たせるために肉厚に形成されており、製造時に使用する樹脂量が多くなる。
【0006】
本開示は、前記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、射出成型により製造された従来の容器ホルダーよりも使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題を解決するために、本開示の一態様に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記収納容器を載置可能な底面部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、使用する樹脂量の少ない容器ホルダーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本開示に係る容器ホルダーの使用例を説明するための図である。
【
図2】本開示に係る容器ホルダーの構成と、容器ホルダーの製造方法を説明するための図である。
【
図3】本開示に係るシート部材の変形例を示す図である。
【
図5】本開示に係る底面部の補強構造の一例を説明するための図である。
【
図6】本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止するロックプレートを説明するための図である。
【
図7】本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する上部ホルダーを説明するための図である。
【
図8】本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する天面部を説明するための図である。
【
図9】収納容器の排出部を強固に係止するための、ロックプレートを備えたシート部材を説明するための図である。
【
図10】本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〔実施形態〕
以下、本開示の一実施形態について、模式的に示した
図1、
図2等を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本開示に係る容器ホルダー1の使用例を説明するための図である。
図2は、容器ホルダー1の構成と、容器ホルダー1の製造方法を説明するための図である。
【0011】
なお、本開示の一実施形態について説明するうえで、以下について付言する。「下限値XXX~上限値YYY」で表される数値範囲は、下限値XXX以上上限値YYY以下を意味する。「上」、「下」は、重力方向を下側、重力方向と反対側を上側とする。
【0012】
(適用例)
理解の容易のため、最初に
図1を参照しつつ、本開示に係る容器ホルダー1の使用例を説明する。
【0013】
参照番号100に示す図を参照して、容器ホルダー1は、内部が中空の筒状に形成されており、その内部に収納容器を収容するための収容空間7を有する。詳細は後述するが、容器ホルダー1は、下端に、収納容器20を載置可能な底面部8を有する。
【0014】
詳細は後述するが、容器ホルダー1は、容器ホルダー1の天面を開閉自在となるように、上端にロックプレート3(係止部、第2シート延在部)を有してもよい。
図1の説明では、容器ホルダー1はロックプレート3を有するものとする。
【0015】
収納容器20は、一般的な収納容器であってよく、収納物を排出するための排出部21を有する。排出部21は、排出口を有する。排出部21は、筒状であり、その外壁面にはキャップを取り付けるための溝が形成されてもよい。例えば、収納容器20は、洗剤、シャンプー、リンス、食品類などを収納する。収納容器20は、排出口を有する専用のキャップを用いて収納物を排出してもよいし、該キャップを用いることなく、収納物を排出してもよい。
【0016】
図1に示す例では、収納容器20は、軟包材容器であって、天マチ及び底マチを有しており、天マチの面内中央に排出部21が取り付けられている。排出部21は、スパウトである。排出部21は、スパウトのような樹脂成型品であってよいし、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
【0017】
参照番号110に示す図を参照して、容器ホルダー1のロックプレート3を上方に向けて開放した状態で、収納容器20が、図中の(A)に示す方向から容器ホルダー1に挿入される。
【0018】
参照番号120に示す図を参照して、収納容器20は、容器ホルダー1の底面部8に載置される。収納容器20の排出部21は、ロックプレート3によって容器ホルダー1に係止される。
【0019】
参照番号130に示す図を参照して、容器ホルダー1は、排出部21を下方に向けて把持される。これにより、収納容器20から収納物が排出される。
【0020】
不図示であるが、参照番号110に示す(A)と反対側に容器ホルダー1を移動させることにより、容器ホルダー1は、収納容器20の排出部21における係止を解除し、収納容器20を取り外すことができる。
【0021】
以下、容器ホルダー1の詳細を、
図2を参照して説明する。
【0022】
(容器ホルダーとその製造方法)
次に、
図2を参照しつつ、容器ホルダー1の製造方法と、容器ホルダー1の構成を説明する。最初に概略を説明すれば、容器ホルダー1は、収納容器20を収容するための収容空間7を有する筒状のシート部材2と、シート部材2の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材5と、収納容器20を載置可能な底面部8と、を備える。
【0023】
(シート部材)
参照番号200に示す図は、容器ホルダー1の構成部材であるシート部材2を示す。シート部材2は、収納容器20を収容するための収容空間7を有し、筒状に形成される。シート部材2は、合成樹脂、紙、合成紙、又は、それらの積層体であってよい。シート部材2は、後述するフィルム部材5の応力によって変形可能な程度の剛性を有しておればよい。一例として、シート部材2は、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。シート部材2は、肉厚があるほど容器ホルダー1の強度を高めることができる。シート部材2は、例えば、肉厚が100μm~300μmであってよい。好ましくは、シート部材2は、肉厚が200μm~250μmである。シート部材2は、収納容器の排出部を係止するためのロックプレート3(詳細は後述)を有してもよい。
【0024】
シート部材2は、筒状に形成される前の状態においては、正方形、矩形、台形、又は扇形等の形状を有してよい。シート部材2は、筒状に形成されたときに、多角柱、円柱形又は円錐台形等の形状を有してよい。以下の説明では、シート部材2は、筒状に形成される前の状態では扇形であり、筒状に形成された後では円錐台形であるものとする。
【0025】
なお、扇形とは、一組の円弧とその両端に引いた半径とで囲まれた図形をいうものとする。また、本明細書では、扇形というときは、略扇形の形状を含むものとする。このことは、シート部材2が、筒状に形成される前の状態においては、正方形、矩形、又は台形等の形状を有する場合、及び、筒状に形成されたときに、円柱形又は円錐台形等の形状を有する場合についても同様である。
【0026】
以下、シート部材2について具体的に説明する。
【0027】
参照番号200に示す図を参照して、シート部材2は、第1端部2a及び第2端部2bを有する。第1端部2a及び第2端部2bは何れも円弧の一部に相当する形状であり、第1端部2aは第2端部2bよりも短い。
【0028】
シート部材2は、第2端部2bにおいて、収納容器20の排出部21を係止するためのロックプレート3を有してよい。ロックプレート3は、シート部材2と一体となって形成されており、シート部材2の他方の端部である第2端部2bから延びる第2シート延在部により構成された係止部である。シート部材2とロックプレート3との境界位置には折罫線又はハーフカット線が形成されてよい。これにより、ロックプレート3は、第2端部2bにおいて折り曲げやすくなる。
【0029】
ロックプレート3は、多角形(三角形、四角形、若しくは五角形等)、台形、又は楕円形等の様々な形状の、複数の小片が連設されて構成されてよい。
図2の参照番号200に示す図では、ロックプレート3は、第2端部2bから延在する6つの小片を有する。これら複数の小片はそれぞれ、同形であってもよいし、互いに異なる形状であってもよい。
図2の例では、6つの小片はそれぞれ、角部が丸みを帯びた四角形で構成されている。ロックプレート3は、容器ホルダー1に収容される収納容器20の排出部21の形状又は大きさ等を考慮して、その形状又は大きさ等が適宜に設定されてよい。
【0030】
なお、
図1の例では、容器ホルダー1は2つのロックプレート3を有し、ロックプレート3はそれぞれ、半月形状である。ロックプレート3においては、収納容器20の排出部21が挿入される半月状の領域がそれぞれくり抜かれている。このように、ロックプレート3は、収納容器20の排出部21を係止する機能を発揮するのであれば、数又は形状等は適宜に設定されてよい。
【0031】
シート部材2は、第1端部2aから第2端部2bに至る、折罫線又はハーフカット線等により構成される折れ曲がり線2cを有してもよい。シート部材2は、折れ曲がり線2cを1以上有してよい。
図2の例では、シート部材2は、折れ曲がり線2cを1つ有する。シート部材2は、折れ曲がり線2cを有することにより、シート部材2を折り畳みやすくできる。これにより、シート部材2の運搬又は梱包等、及び、容器ホルダー1の製造等が効率的に行える。
【0032】
シート部材2は、側端2d及び側端2eを有する。側端2d及び側端2eは、シート部材2が折れ曲がり線2cで折り畳まれたときに互いに重なり合ってよい。
【0033】
シート部材2は、側端2d(又は、側端2e)の中央付近に接着片4を有してよい。接着片4は、シート部材2と一体となってシート部材2の側端2d(又は、側端2e)から延在し、その延在部の少なくとも一部に接着部が設けられることによって形成されてよい。接着片4は、折れ曲がり線2cにおいて折り畳まれた側端2d及び側端2eを互いに接着する。接着片4の接着部は、ホットメルト接着剤、接着テープ、又は糊等であってよい。
【0034】
参照番号210に示す図は、側端2d及び側端2eが接着片4によって互いに接着され、シート部材2が筒状に形成された後の様子を示す。接着片4は、第1端部2aと第2端部2bとの中央付近に位置し、第1端部2a及び第2端部2bに至るまでは延在していなくてよい。
【0035】
参照番号220に示す図は、筒状に形成されたシート部材2が収容空間7(不図示)を内部に有し、その収容空間7にマンドレル10(芯)が挿入される様子を示す。一例として、マンドレル10は、上方に向かうにつれ縮径する。シート部材2は、第2端部2b側からマンドレル10に挿入される。
【0036】
シート部材2がマンドレル10に挿入されるときに、ロックプレート3は、容器ホルダー1の収容空間7側(すなわち内側)に折り込まれていてよい。この構成によれば、容器ホルダー1の製造時において、シート部材2をマンドレル10に挿入した後のフィルム部材5の装着が容易になる。参照番号230に示す図では、ロックプレート3が図示されていない。これは、シート部材2がマンドレル10に挿入されたときに、ロックプレート3が容器ホルダー1の収容空間7側に折り込まれているものと理解されてよい。
【0037】
ロックプレート3は、容器ホルダー1の収容空間7側に折り込まれていなくてもよい。ロックプレート3は、容器ホルダーの外壁面(側面)と同一面上(又は、略同一面上)に延在した状態が好ましい。これらの構成によれば、容器ホルダー1は、複数の容器ホルダー1をスタッキングしやすくなり、また、収納容器20を容器ホルダー1の内部に収容しやすくなる。
【0038】
(フィルム部材)
参照番号230に示す図は、フィルム部材5が、マンドレル10に挿入されたシート部材2に被せられる様子を示す。上述したように、フィルム部材5は、シート部材2の外壁面(側面)に装着される、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮した部材である。フィルム部材5は、シュリンクラベル、又は、ストレッチラベルであってよい。フィルム部材5は、筒状のシート部材2に巻き付けられて筒状に形成されてもよい。
【0039】
筒状のフィルム部材5は、その一端の内面と他端の外面とが接着剤又は溶着によって接合(センターシール)されてよい。フィルム部材5は、その厚みが、特に限定されないが、一例として10~120μmであってよい。フィルム部材5がシュリンクラベルの場合、フィルム部材5の厚みは、例えば、12~60μmが好ましい。
【0040】
シュリンクラベルは、少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムである。熱収縮するフィルムとは、室温下(例えば、23℃)では収縮しないが、熱収縮温度(例えば、80℃~100℃)に加熱されると所定方向において収縮する性質を有するフィルムをいう。少なくとも第1方向に熱収縮するフィルムとは、少なくとも第1方向において、熱収縮性を有するフィルムである。加熱は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法を採用することができる。フィルム部材5の収縮率は、シュリンクフィルムの第1方向の、90℃、10秒における熱収縮率が、例えば15~90%であり、好ましくは20~85%である。また、シュリンクフィルムの第2方向の、90℃、10秒における熱収縮率は、-3~15%であり、好ましくは-1~10%である。
【0041】
第1方向とは、フィルムの面内における1つの方向を意味し、第2方向は、フィルムの面内において第1方向と直交する方向である。例えば、筒状のフィルム部材5では、筒状形状の長軸方向(筒状のフィルム部材5の軸方向)を第2方向、その第2方向に直交する方向(周方向)を第1方向と規定することができる。
【0042】
フィルム部材5は、上述の熱的性質を有することを条件として、様々なフィルムを用いることができる。フィルム部材5の材料としては、例えば、合成樹脂フィルム、不織布フィルム、又は発泡樹脂フィルムなどが挙げられる。フィルム部材5は、前述した材料から選ばれる少なくとも1つを含む積層フィルムであってもよい。積層フィルムは、その積層物全体として熱収縮性を有することを条件として、実質的に熱収縮性を有さないフィルムと熱収縮性を有するフィルムの積層物であってもよいが、その全てが熱収縮性を有するフィルムからなる積層物が好ましい。
【0043】
好ましくは、フィルム部材5として、合成樹脂フィルム又は合成樹脂層を有する積層フィルムが用いられ、さらに好ましくは、単層の合成樹脂フィルム又は複層の合成樹脂フィルムが用いられる。単層の合成樹脂フィルムは、単一の合成樹脂層からなるフィルムであり、複層の合成樹脂フィルムは、2つ以上の合成樹脂層が積層された積層フィルムである。
【0044】
合成樹脂フィルム(合成樹脂層)の材質は、特に限定されず、ポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸などのポリエステル系樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、環状オレフィンなどのオレフィン系樹脂;ポリスチレン、スチレン-ブタジエン共重合体などのポリスチレン系樹脂;ポリアミド系樹脂;塩化ビニル系樹脂などの熱可塑性樹脂から選ばれる1種、又は2種以上の混合物などが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムの材質も特に限定されず、従来公知の合成樹脂を用いたものが挙げられる。不織布フィルム及び発泡樹脂フィルムは、それ自体、断熱効果を期待できる。
【0045】
フィルム部材5は、シュリンクラベルではなく、熱を必要としない、自己伸縮性のあるストレッチラベルであってもよい。フィルム部材5は、シュリンクラベル又はストレッチラベルの機能により、シート部材2の外形を保持することができる。
【0046】
フィルム部材5は、分断線(ミシン目等)を有してもよい。容器ホルダー1は、フィルム部材5の分断線が分断されることで、シート部材2の形状を、筒状から扁平状に変形可能である、言い換えると、元の形状に戻すように構成することもできる。シート部材2は、人又は機械の手を介して元の形状に戻る構成であってもよいし、自然と元の形状に戻る構成であってもよい。
【0047】
フィルム部材5は、シート部材2と接着部を介して互いに接着されてもよい。この場合、フィルム部材5は、シート部材2と一体化される。
【0048】
フィルム部材5は、デザイン印刷を施されることで、容器ホルダー1の加飾性を向上させることができる。具体的に、フィルム部材5は、グラビア印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷、又はスクリーン印刷等を施されることにより、樹脂成型品に直接印刷する場合と比較して容器ホルダー1の加飾性を向上させることができる。
【0049】
上述したように、フィルム部材5は、シュリンクラベル及びストレッチラベルの何れでもよいが、以下の説明では、シュリンクラベルであるものとして説明する。
【0050】
(容器ホルダー)
参照番号240に示す図は、フィルム部材5がシート部材2に被せられた後の様子を示す。図示の例では、マンドレル10の軸心方向において、フィルム部材5は、シート部材2よりも長く、シート部材2の第1端部2a(不図示)から突き出ている。
【0051】
参照番号250に示す図は、熱風、スチーム、過熱水蒸気又はLED照射等の適宜の方法によってフィルム部材5を熱収縮させた後の、容器ホルダー1が完成した様子を示す。図示の例において、容器ホルダー1は、熱収縮したフィルム部材5がシート部材2の外壁面に装着されるとともに、フィルム部材5が容器ホルダー1の底面部8の一部を形成している。容器ホルダー1は、フィルム部材5を熱収縮させることにより、シート部材2の外形を保持することができる。
【0052】
容器ホルダー1は、シート部材2の軸方向における一対の端部間において、底面部8に向けて径寸法が漸次縮径する縮径部6を有してもよい。これにより、容器ホルダー1は、縦(高さ)方向に複数スタッキングできる。この構成によれば、容器ホルダー1は、複数の容器ホルダー1を縦(高さ)方向にスタッキングして収納及び運搬でき、重ねた容器ホルダーの数量だけ収納効率及び運搬効率を高めることができる。
【0053】
以上によれば、容器ホルダー1は、射出成型により製造される従来の容器ホルダーに比べて、使用する樹脂量を軽減することができる。
【0054】
さらに、容器ホルダー1は、以下の効果を奏する。
【0055】
同じ形状で異なるフレーバー又は期間限定品のような多種多様な収納容器に使用する容器ホルダーを考える。樹脂成型により製造された従来の容器ホルダーの場合、その容器ホルダーに対して収納容器の収納物に関連する情報を直接印刷すると、収納容器の売れ行きが低下すると容器ホルダーの在庫が増える。
【0056】
これに対して容器ホルダー1では、収納容器の収納物に関連する情報をフィルム部材5に印刷できる。つまり、収納容器の収納物に応じてフィルム部材5のラベルデザインを変更し、そのフィルム部材5をシート部材2に装着すればよい。これにより、容器ホルダー1自体の在庫を従来よりも大幅に軽減できる。
【0057】
さらに、従来の容器ホルダーは、樹脂成型のための金型を必要とするが、本開示に係る容器ホルダー1は、シート部材2とフィルム部材5とで簡単に製造できるため、従来必要であった金型が不要となる。
【0058】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、種々の効果を奏することができる。
【0059】
(シート部材の変形例)
シート部材2は、上面視で、
図1等に示す円筒状のほか、多角形(三角形、四角形、五角形等)、又は楕円形等からなる筒状で構成されてよい。シート部材2は、マンドレル10を所望の形状に変更することで、マンドレル10の形状に応じて所望の形状とすることができる。また、シート部材2は、
図3に示す形状とすることもできる。
図3は、本開示に係るシート部材2の変形例を示す図である。
【0060】
参照番号300に示す図において、本開示に係るシート部材30は、上面視で、C字状である。具体的に、シート部材30は、シート部材30の両端同士が接合しておらず、端部間に隙間を有し、筒状の一部をなしている。シート部材30は、シート部材30の外壁面に密着する筒状のフィルム部材5の応力によって湾曲形状を保持することができる。
【0061】
参照番号310に示す図において、本開示に係るシート部材31は、扁平状のシートの一端に差込み片32を有し、シートの他端に差込み口33を有する。差込み片32は、差込み口33に差込まれることにより、シート部材31の湾曲形状を保持することができる。差込み片32及び差込み口33の形状は、同様の機能を発揮するならば、図示した形状に限定されず、他の形状を採用することも当然に可能である。
【0062】
参照番号320に示す図において、本開示に係るシート部材36は、上面視で、筒状である。具体的に、シート部材36は、シート部材36の両端同士が突き合わされており、端部間に隙間がないか、ほぼ隙間がない。フィルム部材5は、そのシート部材36の外壁面に密着する。シート部材36の両端部間の隙間が無くなることにより、本開示に係る容器ホルダーは、大量生産されたときにロットごとの径がさらに安定する。
【0063】
(底面部)
次に、底面部8の詳細を
図4により説明する。
図4は、本開示に係る容器ホルダー1の断面図である。
【0064】
参照番号400に示す図は、フィルム部材5を熱収縮させた直後の、マンドレル10に挿入された容器ホルダー1の様子を示す。参照番号410に示す図は、フィルム部材5を熱収縮させ、かつ、マンドレル10を取り出した後の容器ホルダー1の様子を示す。
【0065】
マンドレル10は、上方に向かうにつれ縮径する縮径部を少なくとも一部に有する。また、マンドレル10は、マンドレル10の頂部であるマンドレル上面10aとマンドレル10の側面部との間に湾曲部10bを有してよい。マンドレル10に湾曲部10bを設けることにより、容器ホルダー1の底面側にも同様の形状である湾曲部9を形成することができる。
【0066】
フィルム部材5が熱収縮する前の時点において、シート部材2及びフィルム部材5は、マンドレル上面10aよりも上方に突き出ている。参照番号400に示す図は、この状態でフィルム部材5を熱収縮させた後の様子を示す。
【0067】
容器ホルダー1の製造過程において、フィルム部材5を熱収縮させると、その収縮力によってシート部材2がマンドレル10の形状に沿って成形される。これにより、マンドレル上面10a上には、シート部材2の一方の端部である第1端部2a(不図示)からシート部材2の径方向に延びるシート延在部2f(第1シート延在部)と、シート部材2の径方向に延び、シート延在部2fに重畳するフィルム延在部5aとを含む底面部8が形成される。前述したマンドレル10の湾曲部に対応する位置においては、容器ホルダー1にも湾曲部9が形成される。なお、フィルム延在部5aは、シート延在部2fを完全に覆っていてもよいし、シート延在部2fの一部のみを覆っていてもよい。また、底面部8は、フィルム延在部5aのみから形成されてもよい。
【0068】
容器ホルダー1は、底面部8を有し、その底面部8に収納容器20を載置させることができる。これにより、容器ホルダー1は、ロックプレート3及び底面部8により収納容器20を安定的に収容できる。また、容器ホルダー1は、底面部8に収納容器20を載置させることで、ロックプレート3による収納容器20の排出部21を係止する力(係止力)を低減させたとしても収納容器20を容器ホルダー1に対して係止することが可能となる。
【0069】
また、容器ホルダー1は、シート部材2及びフィルム部材5以外の別部材を用いることなく、底面部8上に収納容器20を載置できるため、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点でも有利である。さらには、容器ホルダー1は、フィルム延在部5aを有することにより、筒状またはその一部をなすシート部材2の外形を良好に保持することができる。
【0070】
さらに、容器ホルダー1は、湾曲部9を有することにより、容器ホルダー1を従来のボトルに類似した形状にできる。加えて、容器ホルダー1は、湾曲部9を有することにより、容器ホルダー1のデザイン性を高める、複数の容器ホルダー1をスタッキングしやすくなる、又は、容器ホルダー1の強度を高める、といった効果も得られる。
【0071】
ここで、参照番号210に示す図を参照して、接着片4は、第2端部2bと第1端部2aとの中央付近に位置し、第1端部2a及び第2端部2bに至るまでは延在していない構成を説明した。この構成によれば、フィルム部材5の収縮力によってシート部材2を成形するときに、湾曲部9の成形時にシート部材2に皺が発生しにくく、湾曲部9を綺麗に仕上げることができる。加えて、前記の構成によれば、シート部材2における応力集中の発生を防止できる、又は、フィルム部材5の収縮にシート部材2を追従させやすい、といった効果も得られる。
【0072】
(底面部の補強構造)
次に、底面部8の補強構造を
図5により説明する。
図5は、本開示に係る底面部8の補強構造の一例を説明するための図である。
【0073】
本開示に係る容器ホルダー50は、底面部51を有する。底面部51は、前述した底面部8と同様に、シート延在部2f及びフィルム延在部5aで構成されている。容器ホルダー50では、フィルム部材5を熱収縮させる前の時点で、シート部材2の先端に、切込み、又は切欠き等を入れておく。シート部材2の先端の折れ曲り位置に罫線を入れてもよい。この構成によれば、フィルム部材5を熱収縮させることにより、フィルム部材5の熱収縮によって、切込み等によって分割されたシート部材2の先端の隣り合う部分同士が互いに重畳したシート重畳部56が形成される。
【0074】
容器ホルダー50は、底面部51がシート重畳部56を有することによって、底面部51の強度をさらに高めることができる。その結果、底面部51を床面に衝突させた場合などにおいても、シート部材2における裂け等の発生を軽減できる。
【0075】
(収納容器の係止方法)
次に、本開示に係る容器ホルダーが収納容器を着脱可能に係止する構成を
図6~
図9により説明する。
図6は、本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止するロックプレートを説明するための図である。
【0076】
(ロックプレート)
図6の参照番号600に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー60は、収納容器20の排出部21を係止するためのロックプレート61a及びロックプレート61b(以下、両者を区別しないときは、単に「ロックプレート61」と称する。)を有する。ロックプレート61は、容器ホルダー60の天面を開閉自在となるように、容器ホルダー60の上端に設けられている。ロックプレート61は、シート部材2(不図示)から延在して形成されてよい。ロックプレート61は、シート部材2の他方の端部である第2端部2a(不図示)から延びる第2シート延在部により構成された係止部である。ロックプレート61a及びロックプレート61bはそれぞれ、半月形状であって、収納容器20の排出部21が挿入される領域がそれぞれ半月状にくり抜かれている。該領域は、図中で挿入口62として示されている。挿入口62は、排出部21の口径より僅かに大きく形成されてよい。
【0077】
次に、
図6の参照番号610、620に示す図を参照して、容器ホルダー60に収納容器20を収容し、ロックプレート61により収納容器20の排出部21を係止する方法を説明する。
【0078】
最初に、参照番号610に示す図を参照して、ロックプレート61を上方に開き、収納容器20に容器ホルダー60を挿入する。収納容器20は、底面部8上に載置される。
【0079】
次に、参照番号620に示す図を参照して、ロックプレート61を下方に閉じて、挿入口62において排出部21を係止する。以上により、容器ホルダー60に収納容器20を収容し、ロックプレート61により収納容器20の排出部21を係止することができる。
【0080】
容器ホルダー60から収納容器20を取り出すときは、例えば、容器ホルダー60を手で固定した状態で、排出部21を引っ張り上げればよい。これにより、ロックプレート61による排出部21の係止が解除され、容器ホルダー60から収納容器20を取り出すことができる。つまり、容器ホルダー60は、収納容器20を収容した状態では使い易く、かつ、収納容器20の交換も容易である。このことは、後述する本開示に係る他の容器ホルダーについても同様である。
【0081】
このように、容器ホルダー60は、底面部8及び挿入口62によって収納容器20を保持することにより、容器ホルダー60からの収納容器20の脱落を容易に防止できる。
【0082】
(上ホルダー)
図7は、本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する上部ホルダー(係止部)を説明するための図である。
【0083】
図7の参照番号700に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー70は、収納容器20の排出部21を係止するための上部ホルダー72が容器ホルダー70に着脱可能に装着される。以下、具体的に説明する。
【0084】
上部ホルダー72は、容器ホルダー70の他方の端部(底面部8と反対側の端部)である第2端部に着脱可能に装着される係止部である。上部ホルダー72は、容器ホルダー70と同様の方法により製造でき、例えば、容器ホルダー70の高さを短くしたものが上部ホルダー72となってよい。従って、上部ホルダー72は、シート部材2及びフィルム部材5により構成されてよい。容器ホルダー70及び/又は上部ホルダー72の高さは、収納容器20の高さに応じて適宜に設定されてよい。
【0085】
上部ホルダー72は、天面73を有する。天面73は、容器ホルダー70の底面部8と同様の方法により形成されてよい。天面73は、その中心部に、収納容器20の排出部21が挿入される挿入口74を有する。挿入口74は、排出部21の口径より僅かに大きく形成されていてよい。
【0086】
次に、参照番号710~740に示す図を参照して、容器ホルダー70に収納容器20を収容し、挿入口74により収納容器20の排出部21を係止する方法を説明する。
【0087】
最初に、参照番号710に示す図を参照して、収納容器20の排出部21を挿入口74に挿入するために、収納容器20の上方から上部ホルダー72を被せる。収納容器20の排出部21にキャップが装着されており、挿入口74がキャップを挿入するほどには大きく形成されていない場合には、挿入口74に排出部21を挿入する前にキャップを外し、挿入口74に排出部21を挿入した後にキャップを取り付けてもよい。上部ホルダー72は、天面73から下方に向けて径寸法が漸次拡径する拡径部を有するのが好ましい。
【0088】
次に、参照番号720に示す図を参照して、収納容器20の排出部21を挿入口74において係止する。
【0089】
続いて、参照番号730に示す図を参照して、排出部21が挿入口74において係止された状態で、収納容器20を容器ホルダー70の内部に挿入する。
【0090】
最後に、参照番号740に示す図を参照して、収納容器20は、排出部21が挿入口74において係止された状態を保ちつつ、底面部8上に載置される。
【0091】
参照番号700に示す図を参照して、容器ホルダー70の上端71は、上部ホルダー72の下端75と同径であってよい。この場合、下端75は上端71に載置される。容器ホルダー70の上端71は、上部ホルダー72の下端75より小径であってよい。この場合、上端71の外面と下端75の内面とが当接する。また、容器ホルダー70の上端71は、上部ホルダー72の天面73の裏面に当接してよい。容器ホルダー70の上端71は、上部ホルダー72の下端75より大径であってよい。この場合、上端71の内面と下端75の外面とが当接する。
【0092】
このように、容器ホルダー70は、底面部8及び挿入口74によって収納容器20を保持することにより、容器ホルダー70からの収納容器20の脱落を容易に防止できる。
【0093】
(天面部)
図8は、本開示に係る容器ホルダーの、収納容器を着脱可能に係止する天面部(係止部)を説明するための図である。
【0094】
図8の参照番号800及び810に示す図を参照して、本開示に係る容器ホルダー80は、収納容器20の排出部21を係止するための天面部81が容器ホルダー80に着脱可能に装着される。以下、具体的に説明する。
【0095】
天面部81は、容器ホルダー80の他方の端部(底面部8と反対側の端部)である第2端部に着脱可能に装着される係止部である。天面部81は、天板82、弾性部材83、係止領域84、側壁85、及び側壁終端部86を有する。
【0096】
天板82は、第1天板82a及び第2天板82b(以下、両者を区別しないときは、単に「天板82」と称する。)を含む。天板82は、上面視において、略円形の外周縁を有してよい。天板82の外径は、容器ホルダー80の開口部の外径よりも大きく設定されてよい。
【0097】
第1天板82a及び第2天板82bは、一端においては弾性部材83を介して連結し、他端においては、第1天板82aと第2天板82bとの間に収納容器20の排出部21を通すための空隙が形成されている。第1天板82aと第2天板82bとのなす角度は、弾性部材83を起点として、10°~30°に設定されてよい。第1天板82aと第2天板82bとの間には係止領域84が形成されている。係止領域84は、天面部81を上面視したときに、第1天板82aの内周縁と、第2天板82bの内周縁とによって部分的に囲まれる略円形の領域である。この係止領域84において収納容器20の排出部21を係止することができる。
【0098】
弾性部材83は、第1天板82aと第2天板82bとを連結し、かつ、第1天板82a及び第2天板82bに対して弾性作用を及ぼす部材である。一般に、弾性とは、応力を加えるとひずみが生じるが、除荷すると元の寸法に戻る性質をいう。
【0099】
具体的に、係止領域84が小さくなる方向に外部からの圧力が第1天板82a及び第2天板82bに加わったとき、係止領域84は小さくなる。このとき、弾性部材83は、係止領域84が大きくなる方向の反発力を生じさせる。また、係止領域84が大きくなる方向に外部からの圧力が第1天板82a及び第2天板82bに加わったとき、係止領域84は大きくなる。このとき、弾性部材83は、係止領域84が小さくなる方向の反発力を生じさせる。弾性部材83は、このような機能を発揮する限り、特定の形状又は材質等に限定されない。一例として、弾性部材83は、プラスチック、ゴム、又は金属等の材料により構成されてよい。また、一例として、弾性部材83は、天面部81を上面視したときに、略U字状であってよい。
【0100】
係止領域84は、例えば、上面視において略U字状に切り欠かかれており、収納容器20の排出部21を係止する。係止領域84は、収納容器20の排出部21を係止することができるのであれば、特定の形状に限定されず、他の形状が採用されてよい。
【0101】
天面部81は、天板82に接続された、収納容器20の開口部に挿入される側壁85を備える。天面部81は、側壁85から延在する側壁終端部86を有してもよい。
【0102】
側壁85は、容器ホルダー80の長軸方向に沿って、天板82から下方に延在する。側壁85は、収納容器20の開口部の内面に当接する。側壁85は、例えば、5mm~20mmの長さであってよい。
【0103】
側壁終端部86は、側壁85に接続しており、天面部81の収納容器20の開口部への装着を容易にするため、口径が容器ホルダー80の開口部の内径よりも小さくなるように天面部81の中心方向に傾斜する。側壁終端部86は、例えば、天板82の外周径よりも約10mm小さい外周径を有してよい。
【0104】
次に、参照番号820~840に示す図を参照して、容器ホルダー80に収納容器20を収容し、天面部81により収納容器20の排出部21を係止する方法を説明する。
【0105】
最初に、参照番号820示す図を参照して、収納容器20の排出部21を天面部81の係止領域84に係止する。このとき、係止領域84を広げる方向に第1天板82a及び第2天板82bに力を加えて、排出部21を係止領域84に挿入しやすくしてよい。
【0106】
次に、参照番号830に示す図を参照して、排出部21が係止領域84において係止された状態で、収納容器20を容器ホルダー80の内部に挿入する。
【0107】
最後に、参照番号840に示す図を参照して、収納容器20は、排出部21が係止領域84において係止された状態を保ちつつ、底面部8上に載置される。そして、天面部81が容器ホルダー80の開口部に装着される。
【0108】
容器ホルダー80の開口部に天面部81を装着する方法は次のとおりである。最初に、係止領域84が小さくなる方向に第1天板82a及び第2天板82bに対して圧力を加えて、側壁85の外径を容器ホルダー80の開口部の内径よりも小さくする。その状態で、側壁85及び側壁終端部86を容器ホルダー80の開口部の内側に挿入する。次に、第1天板82a及び第2天板82bに対する圧力の印加を停止する。これにより、弾性部材83は、係止領域84が大きくなる方向の反発力を生じさせて、側壁85の外面を容器ホルダー80の開口部の内面に当接させる。この弾性部材83の弾性作用によって、接着剤などを用いることなく、側壁85の外面が容器ホルダー80の開口部の内面に当接する状態を維持できる。
【0109】
容器ホルダー80の開口部から天面部81を取り外す方法は、まず、係止領域84が小さくなる方向に第1天板82a及び第2天板82bに対して圧力を加える。次に、側壁85の外径を容器ホルダー80の開口部の内径よりも小さくし、その状態で、側壁85及び側壁終端部86を容器ホルダー80の開口部の外側に移動する。以上により、容器ホルダー80の開口部から天面部81を取り外すことができる。
【0110】
このように、容器ホルダー80は、底面部8及び天面部81によって収納容器20を保持することにより、容器ホルダー80からの収納容器20の脱落を容易に防止できる。特に、天面部81は、シート部材2及びフィルム部材5によって構成され、開口部の形状が柔軟に変化しやすい本開示の容器ホルダーに好適に適用できる。
【0111】
ここで、天面部81の天板82は、上方向にドーム状に形成されてよい。この構成によれば、天面部81は、上方から印加される圧力に対する強度を高めることができ、座屈しにくくなる。一例として、収納容器20がポンプ機能を有する場合を考える。この場合、ポンピング動作によって天板82に対して上方から圧力が印加される。このとき、天板82が上方向にドーム状に形成されていることにより、天板82は、座屈しにくくなる。この構成によれば、天面部81は、収納容器20がポンプ機能を有する場合に特に好適に適用できる。
【0112】
天面部81は、射出成型により一体成型されてよい。この場合、天板82、弾性部材83、側壁85及び側壁終端部86の少なくとも何れかは、肉厚の薄い薄肉部(リブ構造)を有してよい。天面部81は、いわゆるリブ構造となる薄肉部を有することにより、外部衝撃又は歪みに対する耐久性を高めうる。そして、天面部81は、強度を保ちつつ、使用する樹脂量を軽減できる。
【0113】
以上のように、本開示に係る容器ホルダー及び天面部は、収納容器の種類に応じて使い分けることもできる。
【0114】
(ロックプレートの変形例)
上述のように
図6を参照して、本開示に係る容器ホルダーが収納容器を着脱可能に係止するロックプレート61を説明した。次に、そのロックプレートによって、収納容器20の排出部21をさらに強固に係止する構成を
図9により説明する。
図9は、収納容器20の排出部21をさらに強固に係止するための、ロックプレート93を備えたシート部材92を説明するための図である。なお、
図2等を参照して説明した内容についてはその説明を省略する。
【0115】
参照番号900に示す図を参照して、本開示に係るシート部材92は、シート部材92から延在して形成された、収納容器20の排出部21を係止するための第1ロックプレート93a及び第2ロックプレート93b(以下、両者を区別しないときは、単に「ロックプレート93」と称する。)を有する。シート部材92は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)である。第1ロックプレート93a及び第2ロックプレート93bはそれぞれ半月状であるが、円弧の一部は、第1折れ曲がり部94a及び第2折れ曲がり部94b(以下、両者を区別しないときは、単に「折れ曲がり部94」と称する。)としてシート部材92の筒状をなす本体の一部に含まれている。折れ曲がり部94は、折罫線又はハーフカット線等により形成されてよい。
【0116】
さらに、シート部材92は、第1折れ曲がり部95a及び第2折れ曲がり部95b(以下、両者を区別しないときは、単に「折れ曲がり部95」と称する。)を有する。シート部材92が筒状に形成されたときに、折れ曲がり部95は、ロックプレート93をシート部材92の径方向に折り曲げやすくする。
【0117】
参照番号910に示す図は、シート部材92が筒状に形成され、かつ、ロックプレート93がシート部材92の径方向に折り曲げられた状態において、折れ曲がり部94付近が下方向に押し込まれたときの容器ホルダー90を示す。折れ曲がり部94付近を下方向に押し込むことにより、折れ曲がり部94付近を下方向に窪め、かつ、ロックプレート93の先端(排出部21側)を上方に立ち上げることができる。特に、シート部材92がPET等で形成されている場合には、折れ曲がり部94付近が下方向に窪んだ状態を長く維持できる。
【0118】
前記の構成によれば、折れ曲がり部94付近を下方向に押し込むことにより、ロックプレート93をシート部材92の径方向に立体的に折り曲げることができる。その結果、容器ホルダー90は、ロックプレート93により収納容器20の排出部21をより強固に係止でき、容器ホルダーとしての強度を高めることができる。
【0119】
このように、容器ホルダー90は、シート部材92に折れ曲がり部94を設けることにより、使用する樹脂量を増やすことなく、容器ホルダーとしての強度を高めることができる。
【0120】
なお、前述の説明では、ロックプレート93は半月状であり、円弧の一部であるロックプレート93がシート部材92の内部に含まれているものとした。しかしながら、ロックプレート93は特定の形状に限られず、また、折れ曲がり部94の形状も、円弧状の一部に限定されない。折れ曲がり部94は、折れ曲がり部94付近を下方向に押し込むことにより、ロックプレート93を立体的にシート部材92の径方向に折り曲げることができるのであれば、任意の形状としてよい。
【0121】
(他の収納容器への適用)
本開示に係る容器ホルダーは、様々な形状の収納容器に適用することができる。そのことを
図10により説明する。
図10は、本開示に係る他の容器ホルダーを説明するための図である。
【0122】
参照番号1000に示す図において、収納容器25は、従来公知の収納容器の一例である。収納容器25は、軟包材容器であって、底マチを有しており、上端の角部に排出部25aが取り付けられている。排出部25aは、スパウトのような樹脂成型品であってよく、軟包材容器の包材の一部から形成されていてもよい。
【0123】
参照番号1010に示す図において、本開示に係る容器ホルダー100は、
図6の参照番号600を参照して説明したロックプレート61a及びロックプレート61bと類似する第1ロックプレート101a及び第2ロックプレート101bを有する。第1ロックプレート101a及び第2ロックプレート101bはそれぞれ、半月形状であって、収納容器25の排出部25aが挿入される領域がそれぞれ半月状にくり抜かれている。該領域は、図中で挿入口62として示されており、挿入口62は、排出部25aに対応する位置に形成されている。
【0124】
このように、本開示に係る容器ホルダーは、収納容器の形状に応じて製造できるため、様々な形状の収納容器に適用できる。例えば、本開示に係る容器ホルダーは、シャンプー、リンスなどの容器として使用されるシャンプーディスペンサー(シャンプーボトル)にも好適に適用することができる。
【0125】
〔まとめ〕
本開示の態様1に係る容器ホルダーは、収納容器を収容するための収容空間を有する、筒状またはその一部をなすシート部材と、前記シート部材の外壁面に装着された、筒状の、伸縮性を有するか又は熱収縮したフィルム部材と、前記収納容器を載置可能な底面部と、を備える。
【0126】
前記の構成によれば、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、従来の容器ホルダーのように射出成型で製造する必要が無いため、フィルム部材(例えば、樹脂製)の使用量を軽減できる。加えて、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、収納容器を載置可能な底面部を有することにより、強度が高まり、長期間に亘って繰り返し使用できる。この点においても、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、フィルム部材の使用量をさらに軽減できる。また、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、シート部材及び/又はフィルム部材の部材として、再生材を使用することもできる。
【0127】
こういった効果は、世界的な潮流であるSDGs(持続可能な開発目標)が求める持続循環経済に沿うものであり、本開示の態様1に係る容器ホルダーは、プラスチックごみの削減に大きく貢献することもできる。
【0128】
本開示の態様2に係る容器ホルダーは、前記の態様1において、前記底面部が、前記シート部材の一方の端部である第1端部に位置する前記フィルム部材から該シート部材の径方向に延びるフィルム延在部を含む。
【0129】
前記の構成によれば、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、フィルム延在部を有することにより、収納容器を載置可能な底面部を形成できる。それゆえ、本開示の態様2に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。
【0130】
本開示の態様3に係る容器ホルダーは、前記の態様2において、前記シート部材の前記第1端部から該シート部材の径方向に延び、前記フィルム延在部により重畳される第1シート延在部を含む。
【0131】
前記の構成によれば、本開示の態様3に係る容器ホルダーは、第1シート延在部がフィルム延在部により重畳されることにより、底面部の強度を高めることができる。これにより、本開示の態様3に係る容器ホルダーは、収納容器を底面部上に安定して載置できる。
【0132】
本開示の態様4に係る容器ホルダーは、前記の態様1から3の何れかにおいて、前記容器ホルダーの側面部と前記底面部との間に湾曲部を有する。
【0133】
前記の構成によれば、本開示の態様4に係る容器ホルダーは、従来のボトルに類似した形状になる、デザイン性が高まる、複数の容器ホルダーを上下にスタッキングしやすくなる、又は、強度が高まる、といった効果が得られる。
【0134】
本開示の態様5に係る容器ホルダーは、前記の態様1から4の何れかにおいて、前記シート部材の軸方向における一対の端部間において、前記底面部に向けて径寸法が漸次縮径する縮径部を有する。
【0135】
前記の構成によれば、本開示の態様5に係る容器ホルダーは、複数の容器ホルダーをスタッキングしやすくなる。
【0136】
本開示の態様6に係る容器ホルダーは、前記の態様1から5の何れかにおいて、前記収納容器は、排出部を有しており、前記排出部を係止する係止部を備える。
【0137】
前記の構成によれば、本開示の態様6に係る容器ホルダーは、収納容器を、底面部上に載置し、かつ、収納容器の排出部を係止部にて係止できる。これにより、本開示の態様6に係る容器ホルダーは、容器ホルダーからの収納容器の脱落をさらに防止できる。
【0138】
本開示の態様7に係る容器ホルダーは、前記の態様6において、前記係止部は、前記シート部材の他方の端部である第2端部から延びる第2シート延在部により構成されている。
【0139】
前記の構成によれば、本開示の態様7に係る容器ホルダーは、収納容器を係止するための別部材を用いることなく、第2シート延在部によって収納容器を係止することができる。それゆえ、本開示の態様7に係る容器ホルダーは、製造のしやすさ、コスト、及び原材料の低減といった点で有利である。
【0140】
本開示の態様8に係る容器ホルダーは、前記の態様6において、前記係止部は、前記シート部材の他方の端部である第2端部に着脱可能に装着される。
【0141】
前記の構成によれば、本開示の態様8に係る容器ホルダーは、第2端部に係止部を着脱可能に装着するという簡易な方法によって、収納容器を係止できる。
【0142】
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。さらに、それぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0143】
1、50、60、70、80、90、100 容器ホルダー
2、30、31、36、92 シート部材
2a 第1端部
2b 第2端部
2d、2e 側端
2f シート延在部(第1シート延在部)
3、61、61a、61b、93 ロックプレート(係止部)
4 接着片
5 フィルム部材
5a フィルム延在部
6 縮径部
7 収容空間
8、51 底面部
9 湾曲部
10 マンドレル
10a マンドレル上面
20、25 収納容器
21、25a 排出部
35、85 側壁
56 シート重畳部
62、74 挿入口
71 上端
72 上部ホルダー(係止部)
73 天面
75 下端
81 天面部(係止部)
82 天板
82a 第1天板
82b 第2天板
83 弾性部材
84 係止領域
85 側壁
86 側壁終端部
93a、101a 第1ロックプレート
93b、101b 第2ロックプレート