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特開2023-164011ウルトラファインバブル生成器、これを内蔵したシャワーヘッド、および水道蛇口用カートリッジ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164011
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ウルトラファインバブル生成器、これを内蔵したシャワーヘッド、および水道蛇口用カートリッジ
(51)【国際特許分類】
   B01F 23/2375 20220101AFI20231102BHJP
   A47K 3/28 20060101ALI20231102BHJP
   E03C 1/046 20060101ALI20231102BHJP
   B01F 25/421 20220101ALI20231102BHJP
   B01F 23/23 20220101ALI20231102BHJP
   C02F 1/68 20230101ALI20231102BHJP
   C02F 1/50 20230101ALI20231102BHJP
   B01F 101/48 20220101ALN20231102BHJP
【FI】
B01F23/2375
A47K3/28
E03C1/046
B01F25/421
B01F23/23
C02F1/68 510A
C02F1/68 520B
C02F1/68 520S
C02F1/68 530C
C02F1/68 530D
C02F1/68 540B
C02F1/50 531T
C02F1/50 520B
C02F1/50 510A
C02F1/50 531J
C02F1/50 560C
B01F101:48
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075293
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】522174270
【氏名又は名称】岡本 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100110984
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 敬子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 嘉之
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
4G035
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BC30
2D060BD01
2D060BD03
2D060CC17
2D060CD01
2D060CD10
2D132FA07
2D132FA12
2D132FA17
2D132FB00
2D132FB02
2D132FC04
4G035AB04
4G035AC01
4G035AE13
4G035AE17
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウルトラファインバブル生成器の構造を簡易にし、かつウルトラファインバブルの生成量を増やす。
【解決手段】円柱状のコア1と、コアと同軸であり、コアの外周面との間に所定間隔を空けてコアを取り囲む筒状の周壁2と、コアの外周面及び/または周壁の内周面に接続され、コアの周方向に所定のピッチで配置される複数のブレード3とを備え、凸部5と凹部6を備える複数のユニットが嵌合して構成される周壁は、ユニットがコアの中心軸AXの周りに一端から他端に向かって順に、コアの中心軸の周りに一定の回転方向に一定の回転角度ずつ回転して、螺旋状に延びる流路が形成されるように配置される、ウルトラファインバブル生成器100であって、ユニットは、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む、ウルトラファインバブル生成器である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円柱状のコアと、
前記コアと同軸であり、前記コアの外周面との間に所定間隔を空けて前記コアを取り囲む筒状の周壁と、
前記コアの外周面及び/または前記周壁の内周面に接続され、前記コアの周方向に所定のピッチで配置される複数のブレードとを備える、複数のユニットから構成され、
各ユニットは、前記周壁の上面および下面に、ユニット同士を嵌合する、複数の凹凸部が設けられており、凸部の数は、ブレードの数と同じであり、周壁に接続するブレードの上部が、凸部を挟む凹部間の中心に接続されており、
前記複数のユニットを、前記コアの中心軸の周りに一端から他端に向かって順に、前記コアの中心軸の周りに一定の回転方向に一定の回転角度ずつ回転して配置されており、
前記周壁の内側に、前記流体活性化装置の前記一端側から前記他端側へと螺旋状に延びる前記流路が形成されるように、各ユニットが嵌合されている、ウルトラファインバブル発生装置であって、
前記複数のユニットは、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む、ウルトラファインバブル生成器。
【請求項2】
給水管からの流体をシャワーヘッド本体に接続するための接続部と、このシャワーヘッド本体に設けた吐出板から流水を吐出させるシャワーヘッドであって、
前記シャワーヘッド本体は、使用時の把持部分となる下部本体と、前記下部本体に連結し、前記吐出板を備える上部本体から構成され、
前記下部本体に、請求項1に記載のウルトラファインバブル生成器を内蔵する、シャワーヘッド。
【請求項3】
蛇口に取り付けるカートリッジであって、
前記カートリッジは、請求項1に記載のウルトラファインバブル生成器を内蔵する、カートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、より細かいウルトラファインバブルを生成するとともに、優れた除菌・消臭効果を有する水を供給するウルトラファインバブル生成器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウルトラファインバブル水は、水の中に0.01~1μm程度の空気などの気泡を含んである。ウルトラファインバブルは、水中で浮上せずに、極めて長時間残存することが知られている。ウルトラファインバブル水は、水クラスターを細分化し、水の活性を向上させる。ウルトラファインバブルは、マイナスに帯電しており、汚れ・臭気および帯電物質、陽イオンなどを吸着する。
【0003】
ウルトラファインバブルを生成する様々な生成器が開発されている。例えば、特許公報第6990471号公報には、同一形状を有する複数のユニットから構成されており、前記複数のユニットの各々は、円柱状のコアと、前記コアと同軸であり、前記コアの外周面との間に所定間隔を空けて前記コアを取り囲む筒状の周壁と、前記コアの外周面及び/または前記周壁の内周面に接続され、前記コアの周方向に所定のピッチで配置される複数の前記ブレードとを備え、前記周壁の内周面の全面に、前記複数のリブを構成する複数の凸部が設けられる流体活性化装置を備える、ウルトラファインバブル発生装置が開示されている。
【0004】
しかし、この流体活性化装置においては、周壁の内周面の全面に、前記複数のリブを構成する複数の凸部が設けられる構造を有し、構造および製造が複雑であるという問題がある。
【0005】
また、マイクロバブルを有する流体を吐出するシャワーヘッドが開発されている(例えば、特許文献2など)。
【0006】
特許文献1に記載されるように、簡易な構造で安定してウルトラファインバブルを発生することができない、および器特許文献2に記載されているように、シャワーヘッドの構造が複雑となり、吐出板周辺の部品の交換が容易でない。また、シャワーヘッド部分が重く、
そのような構造にも関わらず、十分にウルトラファインバブルを発生しにくいという問題がある。
【0007】
また、ウルトラファインバブルは、汚れ、臭気などを吸着するが、汚れ、臭気などの成分を分解するわけではない。また、感染予防の観点から、薬剤等を用いずに、除菌・除ウイルス効果が得られるのが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第6990471号公報
【特許文献2】特開2019-97881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、構造が簡易で、製造が容易でありながら、良質なウルトラファインバブルを生成することができ、優れた除菌・消臭効果を有する水を供給することができる、ウルトラファインバブル生成器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は、特許文献1の発明者と共に、ウルトラファインバブル生成器の構造を簡易にし、かつウルトラファインバブルの生成量を増やすことを検討し、本発明を完成した。すなわち、本発明は、以下のとおりである。
【0011】
本発明のウルトラファインバブル生成器は、それぞれが、円柱状のコアと、前記コアと同軸であり、前記コアの外周面との間に所定間隔を空けて前記コアを取り囲む筒状の周壁と、前記コアの外周面及び/または前記周壁の内周面に接続され、前記コアの周方向に所定のピッチで配置される複数の前記ブレードとを備える、複数のユニットから構成され、各ユニットは、前記周壁の上面および下面に、ユニット同士を嵌合する、複数の凹凸部が設けられており、凸部の数は、ブレードの数と同じであり、周壁に接続するブレードの上部が、凸部を挟む凹部間の中心に接続されており、前記複数のユニットを、前記コアの中心軸の周りに一端から他端に向かって順に、前記コアの中心軸の周りに一定の回転方向に一定の回転角度ずつ回転して配置されており、前記周壁の内側に、前記流体活性化装置の前記一端側から前記他端側へと螺旋状に延びる前記流路が形成されるように、各ユニットが嵌合されている、ウルトラファインバブル発生装置であって、前記複数のユニットは、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む。
【0012】
本発明のウルトラファインバブル生成器は、特許文献1に記載の「流体活性化装置においては、周壁の内周面の全面に、前記複数のリブを構成する複数の凸部が設けられる構造」を有さない。周壁の内周面は平滑である。この結果、構造が簡易となり、製造が容易である。一方、各ユニットは、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む。このイオン交換銀担持ゼオライトおよび遠赤外線放射体を含ませることにより、従来のウルトラファインバブル生成器より細かいウルトラファインバブルを多く生成することができる。
【0013】
さらに、細かいウルトラファインバブルが多く発生すると、ウルトラファインバブル全体の表面積が大きくなる。この結果、表面に付着する銀イオンやOHラジカルの量が増加し、高い除菌・消臭効果のある流体が得られる。また、銀イオンにより水中に含まれる塩素イオンが除去されるので、刺激の少ない流体が得られる。
【0014】
このような本発明のウルトラファインバブル生成器は、シャワーヘッドに用いてもよい。例えば、給水管からの流体をシャワーヘッド本体に接続するための接続部と、このシャワーヘッド本体に設けた吐出板から流水を吐出させるシャワーヘッドであって、前記シャワーヘッド本体は、使用時の把持部分となる下部本体と、前記下部本体に連結し、前記吐出板を備える上部本体から構成される構造としてもよい。前記下部本体は、前記のウルトラファインバブル生成器を内蔵する。
【0015】
また、蛇口に取り付けるカートリッジとして、カートリッジ内に前記ウルトラファインバブル生成器を内蔵する構造としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明のウルトラファインバブル生成器は、より細かいウルトラファインバブルを多数生成することができる。また、生成されたウルトラファインバブルの表面に、銀イオンおよびOHラジカルを付着しているため、高い除菌・消臭効果のある流体が得られる。また、銀イオンにより水中に含まれる塩素イオンが除去されるので、刺激の少ない流体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は本発明のウルトラファインバブル生成器の説明図である。
図2図2は本発明のウルトラファインバブル生成器を構成するユニットの斜視図である。
図3図3は本発明のウルトラファインバブル生成器を構成するユニットの表面図である。
図4図4は本発明のウルトラファインバブル生成器を構成するユニットの裏面図である。
図5図5は本発明のウルトラファインバブル生成器を構成するユニットの上面図である。
図6図3に示すVI-VIラインに沿う断面を平面に展開した展開図である。
図7図7は、本発明のシャワーヘッドの正面図である。
図8図8は、本発明のシャワーヘッドの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。本発明のウルトラファインバブル生成器100は、流体を供給する多様なアプリケーションに適用可能である。流体は、例えば水、空気である。なお、ウルトラファインバブルとは、0.001mm未満の気泡のことをいう。流体活性化装置100は、図1の左側端部が上流側となり、図1の右側端部が下流側となるように、パイプやチューブ等の配管の途中に接続される。
【0019】
本発明のウルトラファインバブル生成器100は、図1に示すように、それぞれが、円柱状のコア1と、前記コア1と同軸であり、前記コアの外周面との間に所定間隔を空けて前記コアを取り囲む筒状の周壁2と、前記コアの外周面及び/または前記周壁の内周面に接続され、前記コアの周方向に所定のピッチで配置される複数の前記ブレード3とを備える、複数のユニット10から構成され、筒状体である。複数のユニットを筒状体に連結することにより、コアがシャフトを構成する。各コアには、貫通孔が設けられている。
【0020】
以下に、図2~6を参照しながら、ユニットの詳細を説明する。
図2は、図1に示すウルトラファインバブル生成器の構成ユニットの斜視図である。図3は、図2に示す。構成ユニットの表面図である。図4は、図2に示す。構成ユニットの裏面図である。図5は、図4に示す構成ユニットの上面図である。図6は、図3に示VI-VIラインに沿う断面を平面に展開した展開図である。
【0021】
ユニット10は、コア1と、周壁2と、複数のブレード3とを備える。ユニット10は、例えば、樹脂の射出成型により形成することができる。
【0022】
コア1は、円柱状の部材である。コア1には、貫通孔5が設けられている。
【0023】
貫通孔5は、コア1の中心を貫通する円形の孔である。貫通孔5は、複数のユニット1を連結した後、金棒を通し、上流側と下流側をそれぞれ固定するためのものである。コア1の外周面との間に所定間隔をあけて、コア1を取り囲む。
【0024】
周壁2は、コア1と同軸の環状の部材である。前記周壁の上面および下面に、ユニット同士を嵌合する、複数の凸部5および凹部6が設けられている。凸部5および凹部6の数は、ブレード3の数と同じである。
【0025】
複数のブレード4は、コア1の外周面と周壁2の内周面との間の空間を流れる流体をコア1の中心軸AX周りに旋回させると共に、流体に乱流を発生させることにより、ウルトラファインバブルを発生させる部材である。ブレード3の各々は、コア1の外周面と周壁2の内周面とを接続する。ブレード3は、コア1の外周面及び周壁2の内周面のいずれか一方に接続されていても良いが、コア1の外周面及び周壁2の内周面の両方に接続されていることにより、ブレード3の強度が向上する。ブレード3の各々は、コア1の周方向に一定のピッチで設けられている。ブレード3の各々は、コア1の中心軸AXに対して所定の角度で傾斜して配置されている。具体的には、ブレード3の各々は、流路の旋回方向(本実施形態では、上流側から見たときに、コア1の中心軸AXを中心とする反時計回り方向)に向かうにつれて、コア1の上流側の面を含む平面Pからブレード3の表面(上流側の面)までの垂直距離が増加するように傾斜している(図6)。ブレード3の各々の傾斜角度は一定である。ブレード3の各々は、コア1の周方向に一定のピッチで設けられている。ブレード3の各々は、コア1の中心軸AXに対して所定の角度で傾斜して配置されている。具体的には、ブレード3の各々は、流路の旋回方向(本実施形態では、上流側から見たときに、コア1の中心軸AXを中心とする反時計回り方向)に向かうにつれて、コア1の上流側の面を含む平面Pからブレード3の表面(上流側の面)までの垂直距離が増加するように傾斜している(図6)。ブレード3の各々の傾斜角度は一定である。周壁に接続するブレードの上部が、凸部を挟む凹部間の中心に接続されている。図6に示すように、本実施形態において、ブレード3は、平板状の主面部13と、主面部の下
流側の端縁に沿って設けられた屈曲部14とを有する。主面部13の上流側の端縁は、流体抵抗を低減するため薄刃状に形成されていることが好ましい。屈曲部14は、ブレード3の下流側の面に沿って流れる流体に乱流(渦)を発生させる。屈曲部14によって乱流が生じることによりウルトラファインバブルが発生すると考えられる。ブレード3の数や傾斜角度は、特に限定されず、流体活性化装置100に供給する流体の粘度や流速、流体に加えられる圧力、許容される圧力損失等に基づいて設定することができる。
【0026】
各ユニット10は、前記周壁2の上面および下面に、ユニット同士を嵌合する、複数の凸部5および凹部6が設けられている。本発明においては、凸部5および凹部6の数は、ブレードの数と同じであり、周壁2に接続するブレード6の周方向の上部が、凸部5を挟む凹部6の中心に接続されている。このため、複数のユニット10を、凸部5および凹部6を用いて嵌合することにより、容易に複数のユニットを組み合わせることができる。同時に、隣接するユニットのブレードの位置が重ならないように接続できるので、複雑な接続構造や、接続方法を必要としない。なお、図1においては、上流側からのみ表されているが、複数のユニット10は、コア1の中心軸に金属棒7を貫通させて、複数のユニット10の上下をボルト、ナットなどの公知の固定手段8を用いて、固定するとよい。
【0027】
本発明のウルトラファインバブル生成器10は、特許文献1に記載の理論に基づいて、ウルトラファインバブルを生成する。特許文献1においては、ウルトラファインバブルを生成するために、「流体活性化装置においては、周壁の内周面の全面に、前記複数のリブを構成する複数の凸部が設けられる構造」を有する。一方、本発明のウルトラファインバブル生成器100においては、周壁2の内周面は平滑である。これにより、構造が簡易になるため、製造が容易である。また、ユニット10同士の接続も、周壁2の上面および下面に、ユニット同士を嵌合する、複数の凸部5および凹部6が設けられている。これにより、ユニットの接続も容易となる。
【0028】
前記複数のユニット10を、前記コア1の中心軸の周りに一端から他端に向かって順に、前記コアの中心軸の周りに一定の回転方向に一定の回転角度ずつ回転して配置されており、前記周壁の内側に、前記流体活性化装置の前記一端側から前記他端側へと螺旋状に延びる前記流路が形成されるように、各ユニットが嵌合されている。
【0029】
本発明のウルトラファインバブル生成器10は、上流側の配管から流体が供給される。流体は、液体であっても良いし、気体であっても良い。また、複数種類の流体を合わせて供給しても良い。複数種類の流体を供給した場合、流体活性化装置の作用により、複数種類の流体を均一に混合することができる。流体を混合する場合、液体のみの組み合わせを供給しても良いし、気体のみの組み合わせを供給しても良いし、液体と流体の組み合わせを供給しても良い。以下では、流体が液体であり、液体中にウルトラファインバブルを発生させる例を説明する。
【0030】
コア1と周壁2とで挟まれた空間に供給された流体は、周方向に隣接するブレード3の間を通過して下流側のユニット10に流れる。このとき、図6に示したブレード3の屈曲部14によって発生する乱流により、流体中にウルトラファインバブルが発生する。上述の通り、上流側から下流側へと順に、各ユニットのブレード3の回転位置が上流側から見て中心軸AXを中心として反時計回り方向に一定角度ずつずれているため、周方向に隣接するブレード3間の空間が順に繋がり、反時計回りの螺旋状に延びる流路となる。流体は、この螺旋状の流路を流れる間にブレード3の屈曲部14に複数回衝突するため、ウルトラファインバブルが繰り返し発生する。
【0031】
前記複数のユニット10は、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む。これにより、上記したような簡易な構造であっても、より微細で、安定なウルトラファインバブルを生成することができる。
【0032】
本発明のウルトラファインバブル生成器100は、ユニット10にイオン交換銀担持ゼオライトおよび遠赤外線放射体を含む。各ユニット10は、通常樹脂製であり、原料樹脂にイオン交換銀担持ゼオライトおよび遠赤外線放射体を添加して、混練すればよい。各ユニットは、射出成型により製造することができる。
【0033】
比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む。これにより、生成するウルトラファインバブル流体に十分な量の銀イオンと、OHラジカルを付与することができる。同時に、生成されるウルトラファインバブルの大きさを小さくすることができ、生成されるウルトラファインバブルの量を増加させることができる。比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体が2重量%未満であると、十分な量の銀イオンと、OHラジカルが得られない。また、生成されるウルトラファインバブルの大きさを小さくすることができず、生成されるウルトラファインバブルの量を増加させることができない。一方、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体が5重量%を超えても、それ以上の効果を得ることができない。比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を2~5重量%含む組成物は、例えば、特許第6481867号公報に記載の方法により得られる。または、特許第6481867号の特許権者から購入できる。
【0034】
本発明のウルトラファインバブル生成器100の上流側から、例えば水道水を導入する。複数のユニット10から構成されるウルトラファインバブル生成器100の中を下流側に移動する間に、流れが乱流となり、ウルトラファインバブルを生成する。同時に、ユニットに含まれるイオン交換銀担持ゼオライトおよび遠赤外線放射体から、銀イオンおよびOHラジカルが発生する。発生した銀イオンおよびOHラジカルが、ウルトラファインバブルの生成に寄与するとともに、ウルトラファインバブルの表面に付着して、銀イオンおよびOHラジカルが多く含まれるウルトラファインバブルが得られる。
【0035】
本発明のウルトラファイン生成器100により得られる、ウルトラファインバブル流体は、微細なウルトラファインバブルを含有する。この結果、ウルトラファイン生成器を出た流体には、ウルトラファインバブルが安定に存在する。したがって、ウルトラファインバブルを用いられる、美容、理容、農業などの多くの分野において利用が可能である。また、微細なウルトラファインバブルを多く含むということは、ウルトラファインバブル全体の表面積が大きくなる。この結果、ウルトラファインバブルの表面に、所望の量の銀イオンと、OHラジカルを含有するウルトラファインバブル流体を得ることができる。
【0036】
以下に、本発明のウルトラファイン生成器を内蔵するシャワーヘッド200について説明する。
【0037】
図7は、本発明のウルトラファインバブル生成器100を備えるシャワーヘッド200の一実施形態を示す。図8は、図7に示すシャワーヘッド200のVIII-VIIIラインに沿う断面図である。シャワーヘッド本体10と接続部11とを有する。シャワーヘッド本体11は、使用時の把持部分となる下部本体12と、前記下部本体12に連結し、吐出板14を備える上部本体13とから構成される。接続部11は、図示しない湯水供給源からの同じく図示しないホースが接続される。
【0038】
接続部11は、ホースと接続するためのねじが設けられている。
【0039】
下部本体12は、中空の管状の形状であり、内部にウルトラファインバブル生成器100を内蔵する。ウルトラファインバブル生成器100は、ウルトラファインバブル生成器100の下流側から延伸する金属棒7に固定されている。固定は、公知の固定手段8を用い、上流側のユニットの外側の端と、下流側のユニットの外側の端とを固定する。下流側のウルトラファインバブル生成器100の下流側から延伸する金属棒は、上部本体13に設けられた孔15に挿入されている。ウルトラファインバブル生成器100の外径は、下部本体12の内径よりわずかに小さい。
【0040】
上部本体13は、吐出板14を備える。上部本体13には、ウルトラファインバブル生成器100の下流側から延伸する金属棒7を固定する孔15が設けられている。また、上部本体13には、生成したウルトラファインバブルが通過する経路16が設けられており、通過したウルトラファインバブルがたまる空間部17が設けられている。
【0041】
ウルトラファインバブル流体を吐出する吐出板14は、流体が細かく吐出されるように、できるだけ小さい孔を多数設けておく方が好ましい。
【0042】
本発明のシャワーヘッド10においては、ウルトラファインバブル生成器100の下流側から、吐出板14の間には、特別な構造を必要としない。これは、生成されるウルトラファインバブルの平均粒径が小さく、安定したウルトラファインバブルであるためである。この結果、複雑な構造のシャワーヘッドは必要とされず、製造が容易で、優れた効果を有するシャワーヘッドを得ることができる。また、構造が簡易なため、シャワーヘッドの重量が軽く、長時間使用しても、疲れない。さらに、本発明のシャワーヘッドにおいて、ウルトラファインバブルは、銀イオンを含む。銀イオンの抗菌、抗ウイルス効果により、上部本体に水が滞留しても、細菌が増殖せず、腐敗を防止することができる。なお、シャワーヘッド10は、金属製であっても、樹脂製であってもよい。
【0043】
本発明のシャワーヘッド10から得られるシャワー水には、以下のような機能を有する。本発明のシャワーヘッドから得られるシャワー水は、ウルトラファインバブルを1ccあたり7100万個有する。この結果、毛穴の奥まで浸透し、汚れを綺麗に洗い流すことができ、高い洗浄力、保温・保湿効果を有する。また、銀イオンは、血行促進、抗菌・消臭効果を有する。さらに、銀イオンは、水中の塩素イオンを除去することができる。OHラジカルは、抗酸化作用、抗菌・消臭効果を有する。OHラジカルは、OH-(マイナスイオン)による抗酸化作用により、リラックス効果、疲労回復、アンチエイジング効果などが得られる。銀イオンとOHラジカルという2つのイオンは、高い除菌・消臭効果を有する。ウルトラファインバブルの高い洗浄力と、銀イオン、OHラジカルの効果により、肌を清潔に美しく保つことが出来る。さらに、銀イオンの除菌効果は、黒カビの発生も抑制する。これにより、肌および浴室も清潔に保つことができる。
【0044】
(実施例1)
本発明のシャワーヘッドと、通常の(ウルトラファインバブルを発生せず、本発明にかかるイオン交換銀担持ゼオライトおよび遠赤外線放射体を含有しない)シャワーヘッドを用い、各々5分間湯水を浴びたのちの肌水分量を測定した。測定は、Teledyne FLIR LLC製サーモグラフィックカメラFLIR E6-XTを用いた。両者を比較すると本発明のシャワーヘッドを用いた場合、肌水分量が約12%上昇し、保湿効果があることがわかる。
【0045】
(実施例2)
本発明のシャワーヘッドと、通常の(ウルトラファインバブルを発生せず、本発明にかかるイオン交換銀担持ゼオライトおよび遠赤外線放射体を含有しない)シャワーヘッドを用い、各々5分間湯水を浴びたのち30分経過後の肌表面温度をpeipai充電式肌チェッカーを用いて測定した。本発明のシャワーヘッドを用いると、保温効果が長続きすることがわかった。
【0046】
本発明のウルトラファインバブル発生器100を内蔵したカートリッジは、例えば、水道水の蛇口に取り付けることができる。これにより、洗浄力や肌に優しい、塩素イオンが除去された水を得ることができる。
【0047】
本発明のウルトラファインバブル発生器100は、上記に加え、農業分野、水産分野などの様々な用途に用いることができる。
1 コア
2 周壁
3 ブレード
4 貫通孔
5 凸部
6 凹部
7 金属棒
8 固定手段
10 シャワーヘッド本体
11 接続部
12 下部本体
13 上部本体
14 吐出板
15 孔
16 経路
17 空間部
100 ウルトラファインバブル発生器
200 シャワーヘッド
図1
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図8