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▶ 岡本 嘉之の特許一覧

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164014
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】除菌・消臭液
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/01 20060101AFI20231102BHJP
   A01P 3/00 20060101ALI20231102BHJP
   A01N 25/04 20060101ALI20231102BHJP
   A01N 59/16 20060101ALI20231102BHJP
   A01N 61/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A61L9/01 B
A01P3/00
A01N25/04
A01N59/16 A
A01N61/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075300
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】522174270
【氏名又は名称】岡本 嘉之
(74)【代理人】
【識別番号】100110984
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 敬子
(72)【発明者】
【氏名】岡本 嘉之
【テーマコード(参考)】
4C180
4H011
【Fターム(参考)】
4C180AA02
4C180AA07
4C180CB01
4C180EA22X
4C180EA26X
4C180EA27X
4C180EA33X
4C180EA40X
4C180EA52X
4C180EA54X
4H011AA01
4H011AA03
4H011BB18
4H011DA14
(57)【要約】
【課題】。近年の除菌・消臭に対する要求を安全にさらに高める必要がある。
【解決手段】本発明の除菌・消臭液は、ウルトラファインバブル水と殺菌用焼成組成物を含むため、安全であり、優れた除菌・消臭効果を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウルトラファインバブル水と殺菌用焼成組成物を含む、除菌・消臭液。
【請求項2】
前記殺菌用焼成組成物は、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を含む、請求項1に記載の除菌・消臭液。
【請求項3】
除菌・消臭液中の銀イオン濃度が略0.1ppmである、請求項1または2に記載の除菌・消臭液。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌・消臭液に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ウルトラファインバブル水は、水の中に0.01~1μm程度の空気などの気泡を含んである。ウルトラファインバブルは、水中で浮上せずに、極めて長時間残存することが知られている。ウルトラファインバブル水は、水クラスターを細分化し、水の活性を向上させる。ウルトラファインバブルは、マイナスに帯電しており、汚れ・臭気および帯電物質、陽イオンなどを吸着する。
【0003】
また、特許文献1には、多孔質に銀とOH発生物質を入れて焼成加工したセラミックが開示されている。この文献には、このセラミックが殺菌作用を示すことが開示されており、実施例では、大腸菌を殺菌する効果が確認されている。
【0004】
最近のCOVID-19による感染を始めとして、除菌や抗ウイルスに対する関心が高くなっている。また、臭気を消すことに対しても、世の中の関心は高い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6481867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明者は、特許文献1の特許権者から多孔質に銀とOH発生物質を入れて焼成加工したセラミックを正当に購入し、当該セラミックの機能を新たに検討している(https://shangri-la.company/grande-ag)。その中で、当該セラミックが、大腸菌以外の細菌に対する除菌効果や消臭効果を有することを見い出している。近年の除菌・消臭に対する要求を安全にさらに高める必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、多孔質に銀とOH発生物質を入れて焼成加工したセラミックとウルトラファインバブル水とを含む液が、優れた除菌・消臭液であることを見い出して、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
本発明の除菌・消臭液は、ウルトラファインバブル水と殺菌用焼成組成物を含む。この結果、両者の効果を高め合うので、除菌・消臭に対する要求を安全にさらに高めることができる。
【0009】
前記殺菌用焼成組成物は、比表面積が10~20m/gであり、イオン交換銀担持ゼオライトおよび所定量の非加熱使用の可能なジルコン、アルミナ、モザナイトを含む遠赤外線放射体を含む。本発明において用いる殺菌用焼成組成物は、特許文献1に記載の殺菌用焼成組成物である。
【0010】
また、本発明の除菌・消臭液は、除菌・消臭液中の銀イオン濃度が略0.1ppmである。この程度の銀イオン濃度であれば、人体等に影響を及ぼすことなく、除菌・消臭作用を発揮することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の除菌・消臭液は、ウルトラファインバブル水と殺菌用焼成組成物を含むため、安全であり、優れた除菌・消臭効果を有する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の除菌・消臭液は、ウルトラファインバブル水と殺菌用焼成組成物を含む。
【0013】
ウルトラファインバブル水は、公知のウルトラファインバブル製造機を用いて作製されたものを用いることができる。例えば、特許第6077627号などのウルトラファインバブル発生用具を用いて製造してもよい。
【0014】
殺菌用焼成組成物は、特許文献1に記載の殺菌用焼成組成物を用いる。
【0015】
特許文献1に記載の殺菌用焼成組成物は、例えば、
(1)原料ゼオライトおよび硝酸銀を、純水を収容した容器中に入れて十分に混合してイオン交換銀担持ゼオライトを得る工程。
(2)工程(1)において得たイオン交換銀担持ゼオライトに対して所定量の非加熱使用の可能な遠赤外線放射体を混合して混合原料を得る工程。
(3)工程(2)において得た混合原料を真空引きしつつ加温し乾燥して乾燥原料を得る工程。
(4)工程(3)において得た乾燥原料を炉内に収容し大気中で750~1000℃で焼成するか、あるいは前記乾燥原料に必要に応じてバインダーを配合して成形した後、炉内
に収容し大気中で750~1000℃で焼成して殺菌用焼成組成物を得る工程
により製造する。
【0016】
(メカニズム)
ウルトラファインバブルは、粒子バルブの表面がマイナスに帯電している。マイナスイオンは、陽イオンや汚れや臭気も吸着することができる。
【0017】
一方、本発明において用いる殺菌用焼成組成物も、遠赤外線放射体を焼成したものが、水分子をクラスター化して、OHラジカル(・OH)を発生する。ウルトラファインバブルは、水クラスターを細分化する。このため、OHラジカル(・OH)を発生するために適したクラスター化を遠赤外線放射体と協働して効率よく行うと考えられる。
【0018】
次に、OHラジカルは、細菌の表面において細菌から水素を抜き取る。Hが抜き取られることにより、銀イオン(Ag)が細菌などの細胞内部に取り込まれ、細菌を除菌する。ウルトラファインバブルは、0.01~1μm程度の粒径であり、ウイルスは1μm程度の粒径である。ウルトラファインバブルは、その表面に陽イオンを帯びることができるので、細菌などの細胞表面に効率よく銀イオンを運搬し、気泡を細胞表面に効率よく付着させることができると考えられる。この結果、除菌効果を向上させることができる。