(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164033
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】廃棄物搬入管理システムおよび廃棄物搬入管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075329
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】安永 雅典
(72)【発明者】
【氏名】平林 照司
(72)【発明者】
【氏名】益岡 俊勝
(72)【発明者】
【氏名】田中 秀治
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】
【課題】廃棄物の搬入を円滑に行う。
【解決手段】廃棄物搬入管理システム(101)は、清掃工場への廃棄物の搬入の予約に関する予約情報をオンラインで受け付け、受け付けた予約情報に対応付けられた、廃棄物の搬入者の識別情報を前記搬入者に発行するとともに管理する受付装置(1)と、搬入者が所持する識別情報が受付装置(1)に管理されている識別情報と一致すると、搬入者が搬入する廃棄物を計量する計量装置(2)と、を備えている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
清掃工場への廃棄物の搬入の予約に関する予約情報をオンラインで受け付け、受け付けた前記予約情報に対応付けられた、廃棄物の搬入者の識別情報を前記搬入者に発行するとともに管理する受付装置と、
前記搬入者が所持する前記識別情報が前記受付装置に管理されている前記識別情報と一致すると、前記搬入者が搬入する廃棄物を計量する計量装置と、を備えていることを特徴とする廃棄物搬入管理システム。
【請求項2】
前記計量装置により計量された廃棄物の重量と前記受付装置により管理されている前記識別情報とを対応付けて管理する管理装置と、
前記搬入者が所持する前記識別情報を読み取り、前記管理装置が当該識別情報と対応付けて管理している廃棄物の重量に基づいて料金を決定し、当該料金の支払いを受け付ける決済装置と、をさらに備えていることを特徴とする請求項1に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項3】
廃棄物の搬入が認められた認可搬入者に付与されている認可識別情報を登録する登録装置をさらに備え、
前記計量装置は、前記認可搬入者が所持する前記認可識別情報が前記登録装置に登録されている前記認可識別情報と一致すると、前記認可搬入者が搬入する廃棄物を計量し、
前記管理装置は、前記計量装置により計量された廃棄物の重量と前記登録装置に登録されている前記認可識別情報とを対応付けて管理し、
前記決済装置は、前記認可搬入者が所持する前記認可識別情報を読み取り、前記管理装置が当該認可識別情報と対応付けて管理している廃棄物の重量に基づいて料金を決定し、当該料金の支払いを受け付けることを特徴とする請求項2に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項4】
前記管理装置から取得した廃棄物の重量および前記認可識別情報と、前記決済装置から取得した支払い済みの前記料金の金額とを、前記認可搬入者による利用実績として所定期間累積し、当該利用実績を前記認可搬入者に発行する発行装置をさらに備えていることを特徴とする請求項3に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項5】
前記予約情報は、予約が初回であるか否かを示す情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項6】
前記受付装置は、前記搬入者の居所を管理しており、前記居所が予め定められた区域内であるか否かを判定し、当該区域内に居所を有する搬入者にのみ前記識別情報を発行することを特徴とする請求項1または2に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項7】
前記受付装置は、前記予約情報を受け付けた前記搬入者の氏名または名称を管理しており、予約の申請時に前記搬入者によって提示される前記氏名または前記名称と前記居所とに基づいて、当該予約の申請日と同日に当該搬入者による前記予約情報を受け付けた受付回数を特定し、当該受付回数が所定回数に達している場合に、申請時に提示された前記予約情報を受け付けないことを特徴とする請求項6に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項8】
前記受付装置は、前記搬入者の氏名または名称を管理するとともに、前記予約情報を受け付けない前記搬入者を非受付搬入者として管理しており、予約の申請時に前記搬入者によって提示される前記氏名または前記名称と前記居所とに基づいて当該搬入者を特定し、特定した当該搬入者が前記非受付搬入者として管理されている場合、当該搬入者による前記予約情報を受け付けないことを特徴とする請求項6に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項9】
各区域についての廃棄物に関する廃棄物情報を集計する集計装置をさらに備え、
前記予約情報は、清掃工場へ搬入する廃棄物に関する搬入廃棄物情報を含み、
前記集計装置は、前記受付装置が前記区域内に居所を有する搬入者に前記識別情報を発行する場合、搬入者が居所を有する前記区域の前記廃棄物情報を前記搬入廃棄物情報と関連付けることを特徴とする請求項6に記載の廃棄物搬入管理システム。
【請求項10】
清掃工場への廃棄物の搬入の予約に関する予約情報をオンラインで受け付け、受け付けた前記予約情報に対応付けられた、廃棄物の搬入者の識別情報を前記搬入者に発行するとともに管理する受付工程と、
前記搬入者が所持する前記識別情報が前記受付工程において管理されている前記識別情報と一致すると、前記搬入者が搬入する廃棄物を計量する計量工程と、を含んでいることを特徴とする廃棄物搬入管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃工場における廃棄物の搬入を管理する廃棄物搬入管理システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、清掃工場において、住民等の個人が廃棄物を自己搬入する場合と、事業者が廃棄物を搬入する場合の手続は異なっている。
【0003】
例えば、特許文献1には、自己搬入の場合、受付において、搬入者は、受付用紙に手書きで氏名、住所、ごみ種別等を記入し、ごみを載せた車両ごと計量機で計量する。計量完了後、搬入者は、指定されたダンピングボックスへごみを投入する。そして、搬入者は、ごみを降ろした車両を計量機で計量して、2回の計量の差分であるごみの重量に応じて精算を行う。2回の計量時には、受付で受付用紙に記入した情報が記録されている計量用ICカードをカードリーダに読み取らせる。
【0004】
一方、事業者による搬入の場合、事業者が予め登録されているので、自己搬入の場合のように受付用紙への記入は必要なく、計量用ICカードに記録された登録情報に基づいて、自己搬入の場合と同じく2回の計量を行う。なお、事業者の場合のごみ処理費用は、後日、例えば月単位で精算される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、自己搬入の場合、受付で必要事項の記入が必要であるため、その記入作業に時間がかかる。このため、搬入者が多くなった場合、受付が混雑する。それゆえ、受付の係員の作業負担が大きくなるだけでなく、周辺道路への渋滞を招くおそれもある。
【0007】
本発明の一態様は、廃棄物の搬入を円滑に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る廃棄物搬入管理システムは、清掃工場への廃棄物の搬入の予約に関する予約情報をオンラインで受け付け、受け付けた前記予約情報に対応付けられた、廃棄物の搬入者の識別情報を前記搬入者に発行するとともに管理する受付装置と、前記搬入者が所持する前記識別情報が前記受付装置に管理されている前記識別情報と一致すると、前記搬入者が搬入する廃棄物を計量する計量装置と、を備えている。
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る廃棄物搬入管理方法は、清掃工場への廃棄物の搬入の予約に関する予約情報をオンラインで受け付け、受け付けた前記予約情報に対応付けられた、廃棄物の搬入者の識別情報を前記搬入者に発行するとともに管理する受付工程と、前記搬入者が所持する前記識別情報が前記受付工程において管理されている前記識別情報と一致すると、前記搬入者が搬入する廃棄物を計量する計量工程と、を含んでいる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、廃棄物の搬入を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態1に係る廃棄物搬入管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】廃棄物搬入の予約状況を廃棄物の搬入者が確認するために上記廃棄物搬入管理システムの受付装置によって提供される予約状況画面を示す図である。
【
図3】搬入者によって入力された予約の詳細を確認するために上記受付装置によって提供される予約詳細画面を示す図である。
【
図4】上記廃棄物搬入管理システムにおける決済装置が有する支払装置を示す正面図である。
【
図5】上記廃棄物搬入管理システムによる廃棄物搬入管理の処理の手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図5に示すフローチャートにおける受付処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】
図5に示すフローチャートにおける計量処理の手順を示すフローチャートである。
【
図8】
図5に示すフローチャートにおける決済処理の手順を示すフローチャートである。
【
図9】本発明の実施形態2に係る廃棄物搬入管理システムの構成を示すブロック図である。
【
図10】本発明の実施形態3に係る廃棄物搬入管理システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態について、詳細に説明する。
【0013】
〈廃棄物搬入管理システムの概略構成〉
実施形態1に係る廃棄物搬入管理システム101の構成を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、廃棄物搬入管理システム101は、受付装置1と、計量装置2と、決済装置3とを備えている。受付装置1、計量装置2および決済装置3は、コンピュータ装置によって構成されている。
【0015】
廃棄物の搬入者は、端末装置6を用いて清掃工場への廃棄物の搬入の予約を受付装置1に対して申請する。ここでの搬入者は、清掃工場を運営する運営者によって認可された認可業者とは異なり、認可されていない個人等である。このような搬入者は、廃棄物を搬入するごとに予約の申請を行う。
【0016】
受付装置1は、端末装置6からの予約の申請時に、予約に関する予約情報を、インターネット100を介してオンラインで受け付ける装置である。また、受付装置1は、受け付けた予約情報に対応付けられた予約番号を、廃棄物の搬入者の識別情報として搬入者に発行するとともに管理する。
【0017】
計量装置2は、搬入者が搬入する廃棄物を計量する計量機能を有している装置である。計量装置2は、搬入者が所持する予約番号が受付装置1に管理されている予約番号と一致すると、搬入者が搬入する廃棄物を計量する。
【0018】
計量装置2は、計量した廃棄物の重量と受付装置1により管理されている予約番号とを対応付けて管理する管理装置としての機能を有する。決済装置3は、搬入者が所持する予約番号を読み取り、当該予約番号と対応付けて管理している廃棄物の重量に基づいて料金を決定し、当該料金の支払いを受け付ける。
【0019】
計量装置2および決済装置3は、清掃工場において廃棄物を投入するピット付近に配置されている。運営者が複数の清掃工場を運営する場合、計量装置2および決済装置3は、清掃工場ごとに設けられている。受付装置1は、1つ以上の清掃工場に対する廃棄物の搬入の予約を統括して受け付けるために、例えばクラウドサーバに設けられている。受付装置1と計量装置2とは、インターネット100を介して通信可能に接続されている。計量装置2および決済装置3は、清掃工場におけるLAN(Local Area Network)を介して通信可能に接続されている。
【0020】
〈受付装置〉
受付装置1の詳細について説明する。
【0021】
図2は、廃棄物搬入の予約状況を廃棄物の搬入者が確認するために受付装置1によって提供される予約状況画面を示す図である。
図3は、搬入者によって入力された予約の詳細を確認するために受付装置1によって提供される予約詳細画面を示す図である。
【0022】
受付装置1は、通信部11と、予約受付部12と、受付票発行部13と、記憶装置14と、情報管理部15とを有している。
【0023】
通信部11は、インターネット100を介して計量装置2および端末装置6との通信を行う。
【0024】
予約受付部12は、端末装置6からの予約の申請を受け付けて、受付票を端末装置6に対して発行する。予約受付部12は、予約のWebサイトにおいて、予約者である搬入者に、予約の申請に必要な事項を入力する入力フォームをHTML(HyperText Markup Language)形式で提供する。
【0025】
申請事項としては、予約者情報、予約情報、ナンバープレート等が挙げられる。予約者情報は、予約者に関する情報であり、予約者の氏名(名称)、電話番号、住所(居所)、メールアドレス等である。予約情報は、予約内容を定めるための情報であり、予約利用時間、実施時間、利用日、予約時間、廃棄物の種類・個数等である。ナンバープレートは、廃棄物を搬入するために使用する車両の情報として求められる。
【0026】
なお、予約情報は、予約が初回であるか否かを示す情報を含んでいてもよい。搬入の予約は、搬入ごとに行う必要があり、複数回の予約を行った場合、各予約に関連付けはされない。ただし、過去の予約の履歴については、記憶装置14または外部装置において構築される予約履歴データベース(図示せず)によって管理される。
【0027】
予約者は、予約の日時を決定するために、現在の予約状況を確認する必要がある。このため、予約受付部12は、
図2に示す予約状況画面201を端末装置6において閲覧可能となるように端末装置6に提供する。
【0028】
予約状況画面201は、予約の状況を1日、1週間および1月の単位で一覧できる画面である。1日、1週間および1月の画面は、それぞれ切り替えて表示することが可能である。
図2に示す予約状況画面201は、1週間の予約状況を1時間単位で表示しており、予約状況を、「空きなし」、「空きあり」、「予約済み」および「予約中」で表す。「空きあり」の場合、予約可能な残りの台数(搬入車両の台数)が示される。
【0029】
予約状況は、受付装置1の記憶装置14に設けられた図示しないデータベースまたは受付装置1の外部に設けられたデータベースにおいて管理されている。
【0030】
予約受付部12は、入力フォームに記載された申請事項に基づいて予約可能であると判断すると、予約者の最終的な承認が得られることで予約を受け付け、予約者に固有の識別情報として予約番号を予約情報と対応付けて発行する。また、予約受付部12は、予約番号をQRコード(登録商標)、バーコードなどの識別コードに変換する。
【0031】
また、予約者は、最終的な承認をするために、受け付けられた予約についての詳細を確認する必要がある。このため、予約受付部12は、
図3に示す予約詳細画面301を端末装置6において閲覧可能となるように端末装置6に提供する。
【0032】
予約詳細画面301は、予約番号、予約者情報、予約情報およびナンバープレートを表形式で示す画面である。また、予約詳細画面301は、上述した識別コードとしてQRコード(登録商標)302を含んでいる。予約詳細画面301は、下部に設けられた編集ボタンを操作することにより編集可能となり、予約詳細画面301において申請事項の誤りを訂正したり申請事項の不足を入力したりすることができる。
【0033】
なお、受付装置1の管理者は、予約受付部12による予約の受付状況を監視し、かつ予約の代行を行うことができる。当該管理者は、運営者の管理事務所のような拠点に常駐しており、受付装置1の管理を行うために管理用のコンピュータを利用する。
【0034】
受付票発行部13は、識別コード、予約情報またはその一部、廃棄物の搬入方法などを記載した受付票のデータ(受付票データ)を端末装置6に発行する。受付票に記載される予約情報またはその一部は、予約者の覚書として利用される。
【0035】
記憶装置14は、上述した、予約情報、予約番号および識別コードを記憶する。また、記憶装置14は、予約受付部12によって入力が受け付けられた予約者情報およびナンバープレートを含む各種情報を記憶する。
【0036】
情報管理部15は、記憶装置14に記憶されている情報、および予約履歴データベースの情報を管理する。例えば、情報管理部15は、計量装置2からの要求に応じて、予約者の予約番号を記憶装置14から取得して計量装置2に提供する。
【0037】
〈端末装置〉
端末装置6は、予約者が所有する端末機器であり、スマートフォン、タブレット等の携帯型の機器であってもよいし、パーソナルコンピュータのような機器であってもよい。端末装置6は、通信部61と、予約入力部62と、表示装置63と、入力装置64と、記憶装置65とを有している。
【0038】
通信部61は、インターネット100を介して受付装置1との通信を行う。
【0039】
予約入力部62は、Webブラウザを利用して予約のための予約者による入力を支援する。予約入力部62は、受付装置1の予約受付部12によって提供された入力フォームを表示装置63に表示させ、入力装置64による予約者の入力を受け付けて、入力フォームに申請事項を記入する。予約入力部62は、記入した入力フォームを通信部61に受付装置1に送信させる。
【0040】
記憶装置65は、受付装置1から送信された受付票データを記憶する。表示装置63は、記憶装置65に記憶されている受付票データに基づいて受付票を表示する。
【0041】
予約者は、廃棄物を清掃工場に搬入するときに、受付票を表示装置63に表示させて、受付票に含まれる識別コードに基づいて搬入の受け付けを行う。また、予約者は、印刷物の受付票を清掃工場に持参して、当該受付票に示された識別コードに基づいて搬入の受け付けを行ってもよい。
【0042】
〈計量装置〉
計量装置2は、通信部21と、読取装置22と、識別情報比較部23と、計量機24と、表示装置25と、重量管理部26と、記憶装置27とを有している。
【0043】
通信部21は、インターネット100を介して受付装置1との通信を行う。また、通信部21は、LANを介して決済装置3との通信を行う。
【0044】
読取装置22は、廃棄物の搬入の予約を済ませた予約者、すなわち搬入者が持参する受付票の識別コードを読み取る装置である。読取装置22は、撮影した識別コードの画像を予約番号に逆変換する。
【0045】
識別情報比較部23は、読取装置22によって識別コードから読み取られた予約番号と、受付装置1から取得した予約番号とを比較する。識別情報比較部23は、両者の予約番号が一致した場合、計量機24に計量可能であることを通知するとともに、当該予約番号の計量が受け付けられたことを受付装置1の情報管理部15に通知する。また、識別情報比較部23は、両者の予約番号が一致しなかった場合、予約されていないというメッセージのデータを表示装置25に出力する。
【0046】
計量機24は、廃棄物の重量を計測する機器である。計量機24は、廃棄物そのものの重量を計測する。あるいは、計量機24は、まず廃棄物を積載した状態の車両ごとの重量を計測し、廃棄物を廃棄した後の車両のみの重量を計測して、その差を廃棄物の重量として計測してもよい。
【0047】
表示装置25は、識別情報比較部23からのメッセージのデータに基づいて、当該メッセージを表示する。また、表示装置25は、計量機24から出力される重量の値に基づいて、計量された廃棄物の重量を表示する。
【0048】
重量管理部26は、計量機24によって計測された廃棄物の重量と、搬入者の予約番号とを対応付けて管理する。重量管理部26は、計量が受け付けられた予約番号として受付装置1の情報管理部15によって管理されている当該予約番号を受付装置1から取得して、廃棄物の重量と対応付ける。重量管理部26は、予約番号と対応付けた重量を記憶装置27に記憶させる。これにより、記憶装置27において重量管理データベースが構築される。
【0049】
〈決済装置〉
決済装置3は、通信部31と、読取装置32と、料金決定部33と、支払装置34とを有している。
【0050】
通信部31は、LANを介して計量装置2との通信を行う。
【0051】
読取装置32は、搬入者が持参する受付票の識別コードを読み取る装置である。読取装置32は、撮影した識別コードの画像を予約番号に逆変換する。
【0052】
料金決定部33は、計測された廃棄物の重量に基づいて料金を決定する。具体的には、料金決定部33は、計量装置2の重量管理部26によって予約番号と対応付けられて管理されている廃棄物の重量を、読取装置22によって読み取られた予約番号に基づいて取得し、当該重量に基づいて料金を決定する。
【0053】
図4は、決済装置3が有する支払装置34を示す正面図である。支払装置34は、料金決定部33によって決定された料金の支払いを受け付ける装置である。
図4に示すように、支払装置34は、ディスプレイ341と、決済端末342と、カードリーダ343と、伝票取出口344と、現金自動精算機345とを有している。
【0054】
ディスプレイ341、決済端末342、カードリーダ343および伝票取出口344は、支払装置34の前面パネル340に配置されている。現金自動精算機345は、支払装置34の下部に、前面パネル340より前方に突出するように配置されている。
【0055】
ディスプレイ242は、前面パネル340の上部に配置されている。ディスプレイ242は、メッセージ表示部341aと、重量表示部341bとを有している。メッセージ表示部341aは、予約により廃棄物を搬入した予約搬入者に対して決済端末342または現金自動精算機345の利用を促すメッセージを
図4に示すように表示する。また、メッセージ表示部341aは、実施形態2において後述する、予め廃棄物の搬入が認可されている予約不要な認可搬入者に対して、認可搬入者が所持する登録カードの利用を促すメッセージを表示する。
【0056】
決済端末342は、前面パネル340の中央部に配置されている。決済端末342は、非接触読取装置と、接触読取装置と、磁気読取装置とを有している。非接触読取装置は、決済端末342の前面に設けられており、非接触でカードの情報を読み取る。非接触読取装置は、表示機能を併せて有している。接触読取装置は、決済端末342の下端に設けられており、カードを挿入するスロットを有し、カードの情報を接触的に読み取る。磁気読取装置は、決済端末342の側面に設けられており、カードの磁気ストライプから情報を読み取る。
【0057】
カードリーダ343は、前面パネル340において、決済端末342の側方に配置されている。カードリーダ343は、認可搬入者が所有する登録カードから情報を読み取る装置である。
【0058】
伝票取出口344は、前面パネル340において、決済端末342のカードリーダ343とは反対側の側方に配置されている。伝票取出口344は、完了した料金の支払いに対して発行される伝票を取り出すための開口である。伝票取出口344は、透明なプラスチックの開閉扉で覆われている。
【0059】
現金自動精算機345は、現金による支払いを行う機器である。現金自動精算機345は、紙幣挿入部345aと、硬貨投入部345bと、釣銭取出部345cとを有している。紙幣挿入部345aは、縦長のスロットを有しており、当該スロットに紙幣が挿入されると、紙幣を内部に取り込む。硬貨投入部345bは、上方に開口しており、上方から投入された硬貨を内部に取り込む。釣銭取出部345cは、現金自動精算機345の前面から突出するように設けられており、上方に開口している。現金自動精算機345は、釣銭取出部345cに釣銭を排出する。
【0060】
〈廃棄物搬入管理〉
上記のように構成される廃棄物搬入管理システム101による廃棄物搬入の管理(廃棄物搬入管理方法)について説明する。
【0061】
図5は、廃棄物搬入管理システム101による廃棄物搬入管理の処理の手順を示すフローチャートである。
図6は、
図5に示すフローチャートにおける受付処理の手順を示すフローチャートである。
図7は、
図5に示すフローチャートにおける計量処理の手順を示すフローチャートである。
図8は、
図5に示すフローチャートにおける決済処理の手順を示すフローチャートである。
【0062】
(全体処理の概要)
図5に示すように、まず、受付装置1は、廃棄物の搬入を希望する搬入者からの予約を受け付ける受付処理を行う(ステップS1,受付工程)。受付装置1による予約の受付処理が完了すると、計量装置2は、予約を済ませた搬入者が搬入した廃棄物を計量する計量処理を行う(ステップS2,計量工程)。廃棄物の計量が完了すると、決済装置3は、廃棄物の重量に基づいて廃棄物搬入に対する料金を決定して、当該料金の支払いを受け付ける決済処理を行う(ステップS3)。
【0063】
(受付処理)
図6に示すように、受付処理において、受付装置1の予約受付部12は、入力フォームに入力された申請事項の内容を確認する(ステップS11)。入力フォームは、予約のWebサイトにおいて表示される。予約者は、入力フォームに予約に必要な申請事項を記入していく。予約受付部12は、申請事項の記載内容が正しくないときに、予約者に記載内容が正しくないことを通知し、入力が必要な申請事項が入力されていないとき、予約者に申請事項の入力が不足していることを通知する。
【0064】
予約受付部12は、入力フォームへの予約情報の入力のために、現在の予約状況を記載した予約状況画面201を予約者に対して閲覧可能となるように提供する。予約者は、予約状況画面201を参照することにより、予約に空きのある日および時間帯を選択することができる。
【0065】
予約受付部12は、入力フォームへの申請事項の入力が正しく行われたことを確認すると、予約の受け付けが可能であるか否かを判定する(ステップS12)。予約受付部12は、予約者の最終的な承認を得るために、予約の詳細を記載した予約詳細画面301を予約者に対して閲覧可能となるように提供するとともに、予約確定のボタン(図示せず)を予約詳細画面301とともに端末装置6に表示させる。
【0066】
予約者は、予約詳細画面301に記載された事項を確認して、予約の詳細について問題がなければ、予約確定のボタンを操作する。これにより、予約受付部12は、予約の受け付けが可能であると判定する(YES)。また、予約受付部12は、予約確定のボタンの操作が行われるまで待機する(NO)。予約受付部12は、予約の受け付けにより、予約番号を発行するとともに、予約番号を識別コードに変換する。
【0067】
ステップS12において予約受付部12が予約の受け付けが可能であると判定すると、受付票発行部13は、予約者に対して識別コードを含む受付票として受付票データを発行する(ステップS13)。受付票発行部13は、受付票データを電子メールの形態で端末装置6に送信する。受付装置1は、受付票発行部13が受付票を発行すると、処理をメインルーチンに戻す。
【0068】
受付票の発行により、予約が完了する。完了した予約については、上述した予約履歴データベースにおいて管理される。
【0069】
(計量処理)
予約を済ませた搬入者は、車両により廃棄物を清掃工場に搬入する。計量装置2による計量を補助する係員が常駐する場合、係員が計量の各段階で行うべき作業を搬入者に案内する。
【0070】
搬入者は、受付票データが保存された携帯型の端末装置6を持参した場合、端末装置6において受付票の識別コードが表示された部分を計量装置2の読取装置22にかざす。また、搬入者は、印刷物の受付票を持参した場合、受付票の識別コードが記載された部分を読取装置22にかざす。
【0071】
図7に示すように、計量処理において、読取装置22は、搬入者がかざした識別コードの画像を撮影し、当該画像を予約番号に逆変換することで、予約番号の読み取りを行う(ステップS21)。読取装置22は、読み取った予約番号を識別情報比較部23に与える。
【0072】
識別情報比較部23は、読取装置22から予約番号を与えられると、現在の時刻から予約時間帯を特定し、当該時間帯に予約されている予約者の全ての予約番号の提供を受付装置1の情報管理部15に要求する。例えば、1時間単位で予約時間帯が定められている場合、識別情報比較部23は、現在の時刻を含む1時間の時間帯について、予約番号の提供を要求する。
【0073】
受付装置1の情報管理部15は、識別情報比較部23の要求を受けて、予約履歴データベースから該当する時間帯に予約されている全ての予約者の予約番号を取得して、当該予約番号を通信部11に計量装置2へ送信させる。
【0074】
識別情報比較部23は、読取装置22からの予約番号を情報管理部15から取得した予約番号と比較し、両者の予約番号が一致するか否かを判定する(ステップS22)。
【0075】
識別情報比較部23は、両者の予約番号が一致すると判定すると、計量可能であることを表示装置25による表示や音声で搬入者に通知する。また、識別情報比較部23は、一致した予約番号を情報管理部15に通知する。情報管理部15は、識別情報比較部23から通知された予約番号に基づく予約が履行されたことを予約履歴データベースに記録する。
【0076】
ステップS22において、識別情報比較部23によって両者の予約番号が一致すると判定されると(YES)、計量機24は、識別情報比較部23からの計量可能の通知を受けて、廃棄物の計量を行う(ステップS23)。計量機24は、計量が完了すると、計測した廃棄物の重量を表示装置25に表示させる。計量機24は、計測した廃棄物の重量を重量管理部26に通知する。
【0077】
重量管理部26は、記憶装置27における重量管理データベースに、計量機24から通知された重量を、情報管理部15から取得した予約番号と対応付けて記憶させることにより管理する(ステップS24)。重量管理部26は、識別情報比較部23から情報管理部15に通知されて予約履歴データベースに記録された予約番号を、情報管理部15に要求して取得する。計量装置2は、重量管理部26が重量の管理を開始すると、処理をメインルーチンに戻す。
【0078】
ステップS22において、識別情報比較部23は、両者の予約番号が一致しなかったと判定すると(NO)、計量ができないことを表示装置25による表示を通じて搬入者に通知する(ステップS25)。この通知が行われると、廃棄物搬入管理の処理を終える。
【0079】
両者の予約番号が一致しなかった場合、予約者が、予約情報の日および時間帯の少なくともいずれか一方とは異なるときに訪れた可能性がある。この場合、予約者は、受付票に記載された予約の日および時間帯を確認して、予約した日および時間帯の少なくともいずれか一方とは異なるときに訪れたのであれば、予約日時に応じて、改めて搬入をし直すか、改めて予約をし直すことになる。あるいは、係員が常駐している場合、搬入者が訪れた時間帯に予約の空きがあれば、係員の裁量により計量できることもある。
【0080】
(決済処理)
計量を済ませた搬入者は、決済装置3による料金の決済を行う。搬入者は、重量管理部26で管理されている重量を取得するために、受付票の識別コードが記載された部分を読取装置32にかざす。
【0081】
図8に示すように、決済処理において、読取装置32は、搬入者がかざした識別コードの画像を撮影し、当該画像を予約番号に逆変換することで、予約番号の読み取りを行う(ステップS31)。読取装置32は、読み取った予約番号を料金決定部33に与える。
【0082】
料金決定部33は、読取装置32からの予約番号に基づいて、重量管理部26から当該予約番号に対応付けられている重量を取得する(ステップS32)。料金決定部33は、重量の取得において、読取装置32からの予約番号と併せて、重量を要求するコマンドを計量装置2に送信する。計量装置2の重量管理部26は、受信したコマンドを受けて、記憶装置27から予約番号を検索キーとして重量を読み出して、当該重量を通信部21に決済装置3へ送信させる。料金決定部33は、決済装置3において通信部31が重量を受信することにより所望の重量を取得する。
【0083】
料金決定部33は、取得した重量に基づいて料金を決定する(ステップS33)。料金決定部33は、重量に対応する料金が記載された料金表を参照して、取得した重量に相当する料金を決定する。
【0084】
支払装置34は、決定した料金の支払いを受け付ける(ステップS34)。決済装置3は、支払装置34が料金の支払いを受け付けると、処理をメインルーチンに戻す。
【0085】
搬入者は、支払装置34において、所望の決済方法で料金の決済を行う。例えば、キャッシュレス決済を行う場合、搬入者は、支払装置34の決済端末342により所望の決済媒体を用いて決済を行う。また、現金による決済を行う場合、搬入者は、支払装置34の現金自動精算機345により決済を行う。いずれの場合でも、決済が完了すると、支払装置34は、伝票取出口344から決済済みであることを示す伝票を排出する。
【0086】
また、銀行口座等の引き落としが必要なキャッシュレス決済が行われた場合、支払装置34は、通信部31を通じて決済事業者に決済額を通知する。決済事業者は、当該決済額に基づいて決済処理を行うとともに、清掃工場の運営者に決済が行われたことを通知する。
【0087】
〈廃棄物搬入管理システムによる効果〉
以上に述べたように、本実施形態に係る廃棄物搬入管理システム101は、受付装置1と、計量装置2とを備えている。
【0088】
上記構成によれば、予めオンラインで予約が受け付けられた搬入者が搬入する廃棄物に対して計量が行われる。これにより、清掃工場における廃棄物の搬入の受け付けが不要になる。したがって、清掃工場における混雑を緩和することができる。
【0089】
また、廃棄物搬入管理システム101は、さらに決済装置3を備え、計量装置2が重量管理部26を有することにより、計量された廃棄物の重量と受付装置1により管理されている予約番号とを対応付けて管理する管理装置として機能する。
【0090】
上記構成によれば、識別情報としての予約番号に基づいて、計測された廃棄物の重量に基づく課金および決済を円滑に行うことができる。
【0091】
また、廃棄物搬入管理システム101において、予約情報は、予約が初回であるか否かを示す情報を含んでいてもよい。これにより、予約が初回である搬入者に対して、清掃工場の利用案内などの情報を提供することができる。
【0092】
〔実施形態2〕
本発明の実施形態2について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図9は、実施形態2に係る廃棄物搬入管理システム102の構成を示すブロック図である。
【0093】
図9に示すように、廃棄物搬入管理システム102は、上述した廃棄物搬入管理システム101と同じく、受付装置1と、計量装置2と、決済装置3とを備えている。また、廃棄物搬入管理システム102は、登録装置4を備えている。登録装置4は、コンピュータ装置によって構成されている。
【0094】
廃棄物搬入管理システム102において、廃棄物の搬入が認められた認可搬入者は、実施形態1における予約搬入者と異なり、搬入の予約が必要なく、予め付与されている登録番号に基づいて廃棄物を搬入することが可能である。登録番号としては、事業者登録番号と、車両登録番号とが挙げられる。事業者登録番号は、認可された認可事業者に付与される認可事業者に固有の登録番号である。車両登録番号は、認可事業者が保有する車両に個々に付与される各車両に固有の登録番号である。
【0095】
廃棄物搬入管理システム102は、予約を必要としない認可搬入者についても、実施形態1の廃棄物搬入管理システム101における決済装置3による決済処理を行うことができるように構成されている。なお、ここでの認可搬入者は、認可事業者が保有する車両の運転者であり、登録された当該車両の車両登録番号と事業者登録番号とが併せて記録されている登録カードを所持している。
【0096】
〈登録装置〉
登録装置4は、廃棄物の搬入が認められた認可搬入者に付与されている事業者登録番号および車両登録番号を認可識別情報として登録する。登録装置4は、通信部41と、登録受付部42と、認可情報発行部43と、記憶装置44と、情報管理部45とを有している。
【0097】
通信部41は、インターネット100を介して計量装置2との通信を行う。
【0098】
登録受付部42は、認可を申請する事業者が有する端末装置7からの登録の申請を受け付ける。登録受付部42は、登録のWebサイトにおいて、登録の申請に必要な申請事項を入力する入力フォームをHTML形式で提供する。端末装置7は、実施形態1における端末装置6と同等の機能を有する機器であってもよい。
【0099】
申請事項としては、事業者情報、車両情報等が挙げられる。事業者情報は、事業者に関する情報であり、事業者の名称、電話番号、居所、メールアドレス等である。車両情報は、例えばナンバープレートである。
【0100】
認可情報発行部43は、登録受付部42によって受け付けられた登録の申請に対して、事業者登録番号および車両登録番号を発行する。事業者登録番号および車両ごとの車両登録番号を端末装置7に対して電子メールによる通知として発行する。認可情報発行部43は、車両のみの登録申請に対して車両登録番号のみを発行する。
【0101】
また、認可情報発行部43は、事業者登録番号および車両登録番号をICチップなどにより記録した登録カードを作成する。登録カードは、郵送などにより認可を申請した事業者に発送される。
【0102】
記憶装置44は、各種情報および登録番号を記憶する。各種情報は、事業者情報および車両情報を含んでおり、登録受付部42によって記憶装置44に書き込まれる。登録番号は、事業者登録番号および車両登録番号を含んでおり、認可情報発行部43によって記憶装置44に書き込まれる。
【0103】
情報管理部45は、記憶装置44に記憶されている情報を管理する。例えば、情報管理部45は、計量装置2からの要求に応じて、認可搬入者の車両登録番号(認可識別情報)を、記憶装置44から取得して、計量装置2に提供する。
【0104】
〈計量装置〉
計量装置2は、認可搬入者が搬入した廃棄物を計量するために、廃棄物搬入管理システム101の計量装置2が有する計量機24に代えて計量機28を有している。計量機28は、図示はしないが、廃棄物を積載した状態の車両の重量を計測する第1計量機と、廃棄物を廃棄した後の車両のみの重量を計測する第2計量機とを有し、第1計量機で計測した重量と第2計量機で計測した重量との差を廃棄物の重量として計測する。あるいは、計量機28は、車両の車体重量が予め登録情報として登録されて登録カードに記録されている場合、廃棄物を積載した状態の車両の重量を計測し、当該重量と登録されている車体重量との差を廃棄物の重量として計測してもよい。
【0105】
計量装置2は、認可搬入者が所持する登録カードに記録されている車両登録番号が登録装置4に登録されている車両登録番号と一致すると、認可搬入者が搬入する廃棄物を計量する。また、計量装置2の重量管理部26は、計量機28によって計測された廃棄物の重量と登録装置4に登録されている車両登録番号とを対応付けて管理する。
【0106】
識別情報比較部23は、読取装置22によって登録カードから読み取られた車両登録番号と、登録装置4から取得した車両登録番号とを比較する。識別情報比較部23は、両者の車両登録番号が一致した場合、計量機28に計量可能であることを通知する。また、識別情報比較部23は、両者の車両登録番号が一致しなかった場合、未登録、登録未更新などのメッセージの表示装置25に表示させる。
【0107】
〈決済装置〉
決済装置3は、認可搬入者が所持する登録カードから車両登録番号を読み取り、重量管理部26が当該車両登録番号と対応付けて管理している廃棄物の重量に基づいて料金を決定し、当該料金の支払いを受け付ける。
【0108】
料金決定部33は、計量装置2の重量管理部26によって車両登録番号と対応付けられて管理されている廃棄物の重量を、読取装置22によって読み取られた車両登録番号に基づいて取得し、当該重量に基づいて料金を決定する。
【0109】
〈受付装置〉
受付装置1の情報管理部15は、計量装置2の重量管理部26から取得した廃棄物の重量および車両登録番号と、決済装置3から取得した支払い済みの料金の金額とを、認可搬入者による利用実績を示す利用実績情報として記憶装置14に所定期間累積して管理する。情報管理部15は、認可搬入者の利用実績情報だけでなく、実施形態1における予約による廃棄物を搬入する搬入者の利用実績情報を併せて管理してもよい。また、情報管理部15は、利用実績を認可搬入者に発行する発行装置として機能する。
【0110】
〈廃棄物搬入管理〉
上記のように構成される廃棄物搬入管理システム102による廃棄物搬入の管理について説明する。
【0111】
認可搬入者は、所持している登録カードを計量装置2の読取装置22にかざす。読取装置22は、登録カードから車両登録番号を読み取って、識別情報比較部23に与える。
【0112】
識別情報比較部23は、読取装置22からの車両登録番号を登録装置4の情報管理部45から取得した車両登録番号と比較し、両者の車両登録番号が一致すると判定すると、計量可能であることを表示装置25による表示や音声で搬入者に通知する。
【0113】
計量機28は、識別情報比較部23からの計量可能の通知を受けて、廃棄物の計量を行う。計量機28は、計量が完了すると、計測した廃棄物の重量を重量管理部26に通知する。
【0114】
重量管理部26は、計量装置2における重量管理データベースに、計量機28から通知された重量を、情報管理部45から取得した車両登録番号と対応付けて記憶させることにより管理する。重量管理部26は、新たに対応付けて管理することとなった重量および車両登録番号を受付装置1の情報管理部15に提供する。
【0115】
計量を済ませた認可搬入者は、決済装置3による決済を行う。認可搬入者は、重量管理部26で管理されている重量を取得するために、登録カードを読取装置32にかざす。
【0116】
読取装置32は、登録カードの車両登録番号を読み取って、料金決定部33に与える。料金決定部33は、読取装置32からの車両登録番号に基づいて、重量管理部26から当該車両登録番号に対応付けられている重量を取得し、当該重量に基づいて料金を決定する。
【0117】
支払装置34は、決定した料金の支払いを受け付ける。認可搬入者は、支払装置34において、登録カードを用いた規定の決済方法で料金の決済を行う。具体的には、認可搬入者は、支払装置34のカードリーダ343により車両登録番号を読み込ませて決済を行う。
【0118】
支払装置34は、決済が完了すると、通信部31を通じて決済事業者に決済額を通知する。決済事業者は、当該決済額に基づいて決済処理を行うとともに、清掃工場の運営者に決済が行われたことを通知する。決済装置3は、決済額を車両登録番号とともに受付装置1の情報管理部15に提供する。
【0119】
受付装置1の情報管理部15は、計量装置2の重量管理部26から提供された廃棄物の重量および車両登録番号と、決済装置3から提供された決済額とを利用実績情報として記憶装置14に記憶させて管理する。情報管理部15は、記憶装置14において一定期間累積した利用実績情報に基づいて、利用明細票を発行し、認可搬入者が所属する認可事業者に発行する。
【0120】
具体的には、運営者は、利用実績を閲覧できるWebサイトを認可事業者に対して利用可能に提供する。認可事業者は、当該Webサイトにおいて、利用日などを検索キーとして利用実績を閲覧し、所望の期間の利用実績についての利用明細票の発行を要請できる。情報管理部15は、その要請を受けて、利用明細票を認可事業者に発行する。
【0121】
〈廃棄物搬入管理システムによる効果〉
以上に述べたように、本実施形態に係る廃棄物搬入管理システム102は、登録装置4を備えている。また、計量装置2は、車両登録番号に基づいて認可搬入者が搬入する廃棄物を計量するとともに、計量した廃棄物の重量と車両登録番号とを対応付けて管理する。また、決済装置3は、車両登録番号と対応付けて管理されている重量に基づいて料金を決定し、当該料金の支払いを受け付ける。
【0122】
従来、予約を必要としない認可搬入者による廃棄物の搬入については、決済を毎月行っていた。これに対し、上記構成によれば、車両登録番号に基づいて、認可搬入者による廃棄物の搬入についても決済装置3による決済が可能になる。これにより、認可搬入者による廃棄物の搬入の決済のために請求書を毎月発行する業務を廃止することができる。
【0123】
また、廃棄物搬入管理システム102は、上述したように、受付装置1の情報管理部15が、廃棄物の重量および車両登録番号と、支払い済みの料金の金額とを、認可搬入者による利用実績として所定期間累積する。情報管理部15は、当該利用実績としての利用明細票を認可搬入者に発行する。なお、情報管理部15は、利用実績を認可搬入者単位ではなく認可事業者の利用実績としてまとめて管理し、利用明細票を当該利用実績について発行してもよい。
【0124】
上記構成のように利用実績を発行することにより、従来、認可事業者に対して行われていた領収書発行業務を廃止することができる。
【0125】
なお、本実施形態では、情報管理部15が認可搬入者の利用実績を管理して、当該利用実績を認可搬入者に発行しているが、他の装置において利用実績の管理および発行が行われてもよい。
【0126】
〔実施形態3〕
本発明の実施形態3について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、実施形態1にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
図10は、実施形態3に係る廃棄物搬入管理システム103の構成を示すブロック図である。
【0127】
図10に示すように、廃棄物搬入管理システム103は、上述した廃棄物搬入管理システム101と同じく、受付装置1と、計量装置2と、決済装置3とを備えている。廃棄物搬入管理システム103は、運営者が運営する複数の区域、例えば、A区域、B区域およびC区域の清掃工場に設けられた計量装置2および決済装置3を含んでいる。また、廃棄物搬入管理システム103は、集計装置5を備えている。集計装置5は、コンピュータ装置によって構成されている。
【0128】
〈受付装置〉
受付装置1の記憶装置14において管理されている各種情報のうちの予約者情報は、上述したように、搬入者の氏名または名称と、搬入者の居所とを含んでいる。ここでの搬入者は、実施形態1における予約搬入者である。予約搬入者が個人である場合、氏名は当該個人の氏名であり、居所は当該個人の住所である。また、予約搬入者が事業者である場合、名称は当該個人の名称であり、居所は事業者が所在する事業所の居所である。
【0129】
受付装置1は、予約搬入者の居所が予め定められた区域内であるか否かを判定し、当該区域内に居所を有する予約搬入者にのみ予約番号を発行する。具体的には、予約搬入者の居所がA区域、B区域およびC区域のいずれかに含まれていれば、受付装置1の予約受付部12は予約番号を発行する。また、予約搬入者の居所がA区域、B区域およびC区域のいずれにも含まれていなければ、受付装置1の予約受付部12は予約番号を発行しない。
【0130】
従来、区域を把握していない区域外の搬入者による廃棄物の搬入については、受付で制限するか、あるいは搬入の受け入れを容認できる何らかの事情があれば、受付の係員の判断で搬入を受け付けていた。このため、受付での区域外の搬入者とのやり取りが煩雑であった。これに対し、上記の構成によれば、予約の段階で区域外からの廃棄物の搬入を制限することができる。
【0131】
受付装置1は、情報管理部15によって、記憶装置14において管理している各種情報のうち予約者情報に含まれる、予約の申請時に搬入者によって提示される氏名または名称と居所とに基づいて、当該予約情報の申請日と同日に当該搬入者による予約情報を受け付けた受付回数を特定する。また、受付装置1は、特定した受付回数が所定回数に達している場合に、申請された搬入者に予約者情報を受け付けない。
【0132】
具体的には、まず、受付装置1は、同一の予約搬入者による予約情報を受け付ける1日あたりの上限となる所定回数をN回(Nは自然数)と規定している。受付装置1の予約受付部12は、搬入者によって提示された予約情報と併せて提示される予約者情報から当該搬入者の氏名または名称と居所とを抽出して受付装置1の情報管理部15に与える。情報管理部15は、上述した予約履歴データベースにおいて、与えられた氏名または名称と居所とを検索キーとして、上記予約が申請された日と同日の当該搬入者の予約履歴を検索する。情報管理部15は、検索の結果として予約履歴があれば、当該搬入者についての受付回数を特定して、予約受付部12に通知する。そして、予約受付部12は、受付回数がN回に達している場合に予約の申請時に提示された予約情報を受け付け、受付回数がN回に達している場合に予約情報を受け付けない。
【0133】
上記の構成によれば、特定の搬入者が1日に多数回にわたって廃棄物を搬入することを防止することができる。
【0134】
受付装置1は、情報管理部15によって、予約情報を受け付けない搬入者を非受付搬入者としてさらに管理している。また、受付装置1は、予約の申請時に搬入者によって提示される氏名または名称と居所とに基づいて当該搬入者を特定し、特定した当該搬入者を非受付搬入者として管理している場合、当該搬入者による予約情報を受け付けない。
【0135】
具体的には、受付装置1の情報管理部15は、搬入履歴を搬入者ごとに搬入履歴データベースとして記憶装置14または外部装置において管理している。搬入履歴データベースには、各搬入者が過去に廃棄物を搬入した履歴として、搬入者の氏名または名称、搬入者の居所、搬入した廃棄物の種類、廃棄物の重量のような一般的な情報だけでなく、搬入者に関する留意情報も含まれている。留意情報としては、搬入者の人物に関する情報、特に、理不尽な苦情が多い、ルールを順守しない、迷惑行為をするというような、予約を拒否するに値する行動をしたことに関する情報が挙げられる。
【0136】
上述した管理者は、情報管理部15にアクセスして、搬入履歴データベースの留意情報を参照して予約の申請を受け付けない搬入者を特定し、当該搬入者を搬入履歴データベースにおいて非受付搬入者として登録する操作を行う。情報管理部15は、当該操作を受けて、搬入履歴データベースに当該搬入者を非受付搬入者として登録する。これにより、搬入履歴データベースにおいて、非受付搬入者の登録情報が設定されて管理される。
【0137】
予約受付部12は、予約の申請時に搬入者によって提示された搬入者情報から当該搬入者の氏名または名称と居所とを抽出して情報管理部15に与える。情報管理部15は、搬入履歴データベースにおいて、与えられた氏名または名称と居所とを検索キーとして、当該搬入者を検索し、当該搬入者を特定すると、当該搬入者についての登録情報の有無を確認し、確認結果を予約受付部12に通知する。そして、予約受付部12は、当該搬入者が非受付搬入者として登録されていなければ、当該搬入者によって提示された予約情報を受け付け、当該搬入者が非受付搬入者として登録されていれば、予約情報を受け付けない。
【0138】
上記の構成によれば、過去の搬入において上記のような問題となる行動をした搬入者に対して予約を拒否することができる。これにより、当該搬入者によるトラブルの発生を未然に防ぐことができる。
【0139】
〈予約情報〉
受付装置1の記憶装置14において記憶される予約情報は、清掃工場へ搬入する廃棄物に関する搬入廃棄物情報を含んでいる。搬入廃棄物情報は、上述した廃棄物の種類であるが、廃棄物に関していれば、それ以外の情報を含んでいてもよい。
【0140】
〈集計装置〉
集計装置5は、各区域すなわちA区域、B区域およびC区域についての廃棄物に関する廃棄物情報を集計する装置である。また、集計装置5は、受付装置1が区域内に居所を有する予約搬入者に予約番号を発行する場合、予約搬入者が居所を有する区域の廃棄物情報を搬入廃棄物情報と関連付ける。集計装置5は、通信部51と、集計部52と、関連付け部53と、記憶装置54とを有している。
【0141】
通信部61は、インターネット100を介して受付装置1との通信を行う。また、通信部61は、LANを介して計量装置2との通信を行う。
【0142】
集計部52は、各区域の計量装置2(重量管理部26)から、計測された廃棄物の重量を取得して集計する。集計部52が取得する重量は、予約搬入者により搬入された廃棄物の重量だけでなく、各区域に搬入された全ての廃棄物の重量である。また、計量装置2は、重量管理部26において、廃棄物の種類などの情報を重量と併せて管理している。集計部52は、これらの情報も計量装置2から取得して集計する。集計部52は、集計結果を集計情報として区域ごとに記憶装置54に記憶させる。
【0143】
関連付け部53は、受付装置1の予約受付部12によって予約番号が発行された予約搬入者について、記憶装置14に記憶されている予約情報を情報管理部15から取得する。関連付け部53は、取得した予約情報に含まれる予約搬入者の居所を含む区域についての、記憶装置54に記憶されている廃棄物情報を、取得した予約情報に含まれる廃棄物情報と関連付ける。
【0144】
集計部52は、予約搬入者の廃棄物が計量された場合、記憶装置54に記憶されている廃棄物情報の搬入廃棄物情報との関連付けにより、新たに計量された重量を該当する区域の計量装置2から取得して、関連付けられた廃棄物情報に反映することができる。
【0145】
〔SDGsへの貢献〕
上述の各実施形態の構成によれば、廃棄物の搬入を円滑に行うことができる。これにより、清掃工場を効率的に運用することができる。したがって、持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう(インフラ、システム整備等)」の達成に貢献できる。
【0146】
〔ソフトウェアによる実現例〕
受付装置1、計量装置2、決済装置3、登録装置4および集計装置5(以下、「装置」と呼ぶ)の機能は、当該装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。当該機能は、当該装置の各制御ブロック(特に受付装置1、計量装置2、決済装置3、登録装置4および集計装置5に含まれる各部)としてコンピュータを機能させるためのプログラムにより実現することができる。
【0147】
この場合、上記装置は、上記プログラムを実行するためのハードウェアとして、少なくとも1つの制御装置(例えばプロセッサ)と少なくとも1つの記憶装置(例えばメモリ)を有するコンピュータを備えている。この制御装置と記憶装置により上記プログラムを実行することにより、上記各実施形態で説明した各機能が実現される。
【0148】
上記プログラムは、一時的ではなく、コンピュータ読み取り可能な、1または複数の記録媒体に記録されていてもよい。この記録媒体は、上記装置が備えていてもよいし、備えていなくてもよい。後者の場合、上記プログラムは、有線または無線の任意の伝送媒体を介して上記装置に供給されてもよい。
【0149】
また、上記各制御ブロックの機能の一部または全部は、論理回路により実現することも可能である。例えば、上記各制御ブロックとして機能する論理回路が形成された集積回路も本発明の範疇に含まれる。この他にも、例えば量子コンピュータにより上記各制御ブロックの機能を実現することも可能である。
【0150】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0151】
1 受付装置(発行装置)
2 計量装置(管理装置)
3 決済装置
4 登録装置
5 集計装置
26 重量管理部
101~102 廃棄物搬入管理システム