(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164041
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】再生インキ管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075344
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000105947
【氏名又は名称】サカタインクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】臣 直毅
(72)【発明者】
【氏名】八島 隆
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】企業の事業活動から生じた使用済油脂を企業自身及びアライアンス企業が利活用する。
【解決手段】再生インキ管理サーバーのCPU11は、企業の施設から回収した使用済油脂について、少なくとも使用済油脂の回収時の酸化の度合いを含む回収時油脂物性情報と関連づけて企業にかかる第1油脂マーキングを施す使用済油脂マーキング部31と、第1油脂マーキングを施した使用済油脂について、回収時油脂物性情報が要件を満たすことを確認して処理を施して配合して製造した再生インキについて、少なくとも再生インキの製造時の品質を含むインキ物性情報と関連づけて企業にかかる第1インキマーキングを施す再生インキマーキング部32と、企業の印刷物及び/又は印刷物を含有する包材について、インキ物性情報が要件を満たすことを確認して第1インキマーキングを施した再生インキを使用した量を出力する再生インキ使用量出力部33と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の企業の施設から回収した所定の使用済油脂について、少なくとも前記使用済油脂の回収時の酸化の度合いを含む回収時油脂物性情報と関連づけて前記所定の企業にかかる第1油脂マーキングを施す使用済油脂マーキング手段と、
前記第1油脂マーキングを施した前記所定の使用済油脂について、前記回収時油脂物性情報が所定の要件を満たすことを確認して所定の処理を施して配合して製造した所定の再生インキについて、少なくとも前記再生インキの製造時の品質を含むインキ物性情報と関連づけて前記所定の企業にかかる第1インキマーキングを施す再生インキマーキング手段と、
前記所定の企業の印刷物及び/又は前記印刷物を含有する包材について、前記インキ物性情報が所定の要件を満たすことを確認して前記第1インキマーキングを施した前記所定の再生インキを使用した量を出力する再生インキ使用量出力手段と、を備える再生インキ管理システム。
【請求項2】
前記使用済油脂マーキング手段は、前記使用済油脂の回収時期を示す情報をさらに関連づけ、
前記再生インキ管理システムは、
前記回収時期を示す情報及び/又は前記回収時油脂物性情報に基づいて、前記再生インキの製造時の前記使用済油脂の処理及び配合を制御する配合制御手段をさらに備える、請求項1に記載の再生インキ管理システム。
【請求項3】
前記再生インキの製造の際に、少なくとも前記使用済油脂の製造時の酸化の度合いを含む製造時油脂物性情報を確認する製造時物性確認手段をさらに備え、
前記配合制御手段は、前記製造時油脂物性情報に基づいて、前記再生インキの製造時の前記使用済油脂の処理及び配合を制御する、請求項2に記載の再生インキ管理システム。
【請求項4】
前記配合制御手段は、前記回収時油脂物性情報又は前記製造時油脂物性情報、及び、目標とする前記再生インキの製造時の品質を含む目標インキ物性情報に基づいて、前記使用済油脂の中和処理の要否を制御する、請求項3に記載の再生インキ管理システム。
【請求項5】
前記所定の企業以外の別企業の意向に基づいて、前記再生インキマーキング手段は、前記第1油脂マーキングを施した前記所定の使用済油脂から製造した前記所定の再生インキについて、前記別企業にかかる第2インキマーキングを施す、請求項1に記載の再生インキ管理システム。
【請求項6】
前記別企業の意向の表明があった場合に、前記再生インキマーキング手段は、前記所定の企業及び前記別企業の入札により、前記第1インキマーキング及び前記第2インキマーキングのいずれを施すか決定する、請求項5に記載の再生インキ管理システム。
【請求項7】
前記所定の企業以外の別企業の意向に基づいて、前記使用済油脂マーキング手段は、前記所定の企業の施設から回収した所定の使用済油脂について、前記別企業にかかる第2油脂マーキングを施す、請求項1に記載の再生インキ管理システム。
【請求項8】
前記別企業の意向の表明があった場合に、前記使用済油脂マーキング手段は、前記所定の企業及び前記別企業の入札により、前記第1油脂マーキング及び前記第2油脂マーキングのいずれを施すか決定する、請求項7に記載の再生インキ管理システム。
【請求項9】
前記所定の再生インキについて前記所定の企業が所定期間内に使用する予定の量と、前記再生インキの製造時に使用する前記使用済油脂の量及び製造する前記所定の再生インキの量の比率と、に基づいて、回収すべき前記所定の使用済油脂の量を推定する回収ニーズ推定手段をさらに備える、請求項1に記載の再生インキ管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、再生インキ管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ブランドオーナーである企業は、CSV(Creating Shared Value:共通価値の創造)活動の一環として、廃棄物削減やCO2削減などの環境配慮活動を企業の使命として掲げている。ブランドオーナーの廃棄物の一つとして廃食用油がある。あらゆるブランドオーナーから排出された廃食用油は有価物として区別なく回収され、その処理及び運用は廃油業者に委ねられる。廃食用油の処理及び運用の手段は、その全体の70%が家畜の飼料、20%がバイオ燃料、10%がその他となっている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】ホーム>組織・政策>審議会>食料・農業・農村政策審議会>食料産業部会(旧食品産業部会)>第3回(中環審専門委員会 合同会合 第1回平成25年3月28日)>資料2 食品リサイクル法の施行状況>分割版2>油脂・油脂製品化(廃食用油のリサイクル)の現状、[online]、「農林水産省」、[令和4年3月31日検索]、インターネット(URL:https://www.maff.go.jp/j/council/seisaku/syokusan/recycle/h24_01/pdf/doc2_2_rev.pdf)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現状のブランドオーナーによるCSV活動においては、廃食用油そのものを削減するか、外部の廃油業者に頼るかしかない。今後、ブランドオーナーが、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)における目標12(つくる責任つかう責任)の視点で企業活動を行うとき、事業活動によって『企業自身及びアライアンス企業の事業活動から生じた廃食用油(使用済油脂)のみ』を『企業自身及びアライアンス企業の事業活動にのみ』利活用できる新たな仕組みを提供することは、ブランドオーナーのCSV活動にとって価値がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、企業の事業活動から生じた使用済油脂を企業自身及びアライアンス企業が利活用する仕組みを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、所定の企業の施設から回収した所定の使用済油脂について、少なくとも前記使用済油脂の回収時の酸化の度合いを含む回収時油脂物性情報と関連づけて前記所定の企業にかかる第1油脂マーキングを施す使用済油脂マーキング手段(例えば、後述する使用済油脂マーキング部31)と、前記第1油脂マーキングを施した前記所定の使用済油脂について、前記回収時油脂物性情報が所定の要件を満たすことを確認して所定の処理を施して配合して製造した所定の再生インキについて、少なくとも前記再生インキの製造時の品質を含むインキ物性情報と関連づけて前記所定の企業にかかる第1インキマーキングを施す再生インキマーキング手段(例えば、後述する再生インキマーキング部32)と、前記所定の企業の印刷物及び/又は前記印刷物を含有する包材について、前記インキ物性情報が所定の要件を満たすことを確認して前記第1インキマーキングを施した前記所定の再生インキを使用した量を出力する再生インキ使用量出力手段(例えば、後述する再生インキ使用量出力部33)と、を備える再生インキ管理システム(例えば、後述する再生インキ管理システム1)である。
【0007】
(2)本発明はまた、前記使用済油脂マーキング手段は、前記使用済油脂の回収時期を示す情報をさらに関連づけ、前記再生インキ管理システムは、前記回収時期を示す情報及び/又は前記回収時油脂物性情報に基づいて、前記再生インキの製造時の前記使用済油脂の処理及び配合を制御する配合制御手段(例えば、後述する配合制御部34)をさらに備える、上記(1)に記載の再生インキ管理システムである。
【0008】
(3)本発明はまた、前記再生インキの製造の際に、少なくとも前記使用済油脂の製造時の酸化の度合いを含む製造時油脂物性情報を確認する製造時物性確認手段(例えば、後述する製造時油脂物性確認部35)をさらに備え、前記配合制御手段は、前記製造時油脂物性情報に基づいて、前記再生インキの製造時の前記使用済油脂の処理及び配合を制御する、上記(2)に記載の再生インキ管理システムである。
【0009】
(4)本発明はまた、前記配合制御手段は、前記回収時油脂物性情報又は前記製造時油脂物性情報、及び、目標とする前記再生インキの製造時の品質を含む目標インキ物性情報に基づいて、前記使用済油脂の中和処理の要否を制御する、上記(3)に記載の再生インキ管理システムである。
【0010】
(5)本発明はまた、前記所定の企業以外の別企業の意向に基づいて、前記再生インキマーキング手段は、前記第1油脂マーキングを施した前記所定の使用済油脂から製造した前記所定の再生インキについて、前記別企業にかかる第2インキマーキングを施す、上記
(1)に記載の再生インキ管理システムである。
【0011】
(6)本発明はまた、前記別企業の意向の表明があった場合に、前記再生インキマーキング手段は、前記所定の企業及び前記別企業の入札により、前記第1インキマーキング及び前記第2インキマーキングのいずれを施すか決定する、上記(5)に記載の再生インキ管理システムである。
【0012】
(7)本発明はまた、前記所定の企業以外の別企業の意向に基づいて、前記使用済油脂マーキング手段は、前記所定の企業の施設から回収した所定の使用済油脂について、前記別企業にかかる第2油脂マーキングを施す、上記(1)に記載の再生インキ管理システムである。
【0013】
(8)本発明はまた、前記別企業の意向の表明があった場合に、前記使用済油脂マーキング手段は、前記所定の企業及び前記別企業の入札により、前記第1油脂マーキング及び前記第2油脂マーキングのいずれを施すか決定する、上記(7)に記載の再生インキ管理システムである。
【0014】
(9)本発明はまた、前記所定の再生インキについて前記所定の企業が所定期間内に使用する予定の量と、前記再生インキの製造時に使用する前記使用済油脂の量及び製造する前記所定の再生インキの量の比率と、に基づいて、回収すべき前記所定の使用済油脂の量を推定する回収ニーズ推定手段(例えば、後述する回収ニーズ推定部36)をさらに備える、上記(1)に記載の再生インキ管理システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、企業の事業活動から生じた使用済油脂を企業自身及びアライアンス企業が利活用できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態に係る再生インキ管理システムを用いた仕組みを示す概略図である。
【
図2】再生インキ管理システムの構成を示す概略図である。
【
図3】再生インキ管理サーバーのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】再生インキ管理サーバーの機能的構成を示すブロック図である。
【
図5】再生インキ管理システムを用いた仕組みにおける作業の流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る再生インキ管理システム1(
図2参照)について詳細に説明する。
【0018】
まず、
図1を用いて、再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みについて説明する。
図1は、再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みを示す概略図である。
【0019】
図1に示すように、再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みには、複数のステークホルダーが関与する。複数のステークホルダーとしては、ブランドオーナー(所定の企業、所定の企業以外の別企業)と、廃油業者(回収業者を兼ねる。)と、インキメーカー(例えば、本出願人)と、印刷会社と、これらの者のエージェント会社や委託業者と、等が挙げられる。ブランドオーナーとしては、食品工場、コンビニエンスストア(CVS)、総合スーパー(GMS)等が想定され、生産から流通を一貫して行っている垂直統合型の企業であることが好ましい。
【0020】
再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みにおいては、サーキュラーコンセプトの下、以下の(1)~(6)の流れを繰り返す。
【0021】
(1)廃油業者は、ブランドオーナーの店舗等の施設から廃食用油(使用済油脂)を回収し、回収した廃食用油に対し、必要に応じて濾過、中和処理などを実施する。施設から回収する廃食用油は、店舗で使用した食用油であることが好ましく、また、サーキュラーコンセプトと相違するが、消費者から回収した使用済の家庭用油であっても構わない。廃油業者に処理を施された廃食用油は、ブランドオーナー固有のものとして管理される。
【0022】
(2)インキメーカーは、ブランドオーナー固有の上記廃食用油から得られる変性油脂を利用してインキを製造する。製造したインキは、ブランドオーナー固有のものとして管理される。
【0023】
(3)ブランドオーナー固有の上記廃食用油から得られる変性油脂を含有するインキは、ブランドオーナー限定で使用するサーキュラーインキ(登録商標)とする。ここで「変性油脂」とは、エポキシ化、アクリレート化、水添化、エステル交換によるモノエステル化などされた油脂をいう。
【0024】
(4)印刷会社は、サーキュラーインキ(登録商標)を利用して、ブランドオーナー向けの印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材(パッケージ)を印刷し、加工する。
【0025】
(5)上記(4)の印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材には、サーキュラーインキ(登録商標)の利用を表示するマークを印刷することで、ブランドオーナー固有の廃食用油を利用した証を示す。
【0026】
(6)ブランドオーナーは、上記(5)のマークが印刷された印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材を利用した製品を製造し、流通させ、消費者に販売する。
【0027】
(7)上記(1)~(6)のプロセス全体における廃食用油から印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材の状況を、再生インキ管理システム1(
図2参照)によって、プロセス毎に集計し、管理し、資源循環の見える化を行う。
【0028】
(8)廃食用油を出したブランドオーナー自身が、自身の印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材に、自身の廃食用油を生かし還元する活動を行う手段を提供することは、大量生産及び大量消費に対し自身で考え、その責任を全うする証を社会に示すことができる利点である。印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材に使われるはずであったバージンの石油由来の原材料を使う必要はなくなり、固有化したバイオマス素材(廃食用油)を材料とするため、原料の調達を内製化でき、調達に掛かるCO2をキャンセルできる。このため、サーキュラーインキ(登録商標)の印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材は、廃食用油を利活用できるメリットと、CO2の削減に貢献できるメリットと、がある。
【0029】
(9)このように、再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みによれば、環境配慮活動に貢献するサービス事業を提供できる。
【0030】
このような再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みは、「単独のブランドオーナー及びアライアンス企業の事業活動から生じた廃食用油のみ」を「単独のブランドオーナー自身及びアライアンス企業の事業活動にのみ」利活用するものであることが好ましい。すなわち、当該仕組みは、ブランドオーナー固有の廃食用油に関するものであることが好ましい。
【0031】
ただし、当該仕組みは、「複数のブランドオーナーの事業活動から生じた廃食用油」を「複数のブランドオーナーの事業活動に」利活用するものとしてもよい。
【0032】
まず、異業種の複数のブランドオーナーの場合、特に「廃食用油を有するブランドオーナー」及び「廃食用油を有しないブランドオーナー」の場合、当該仕組みは、社会的意義のみならずビジネスとしての意義がある。すなわち、「廃食用油を有しないブランドオーナー」が「廃食用油を有するブランドオーナー」のCSV活動の概念に共感し賛同することで、両者は環境配慮活動を後押しする価値を共有できる。このことにより、「廃食用油を有するブランドオーナー」は、活動をより意義の高いものとすることができ、「廃食用油を有しないブランドオーナー」は、廃食用油を持たずして活動に参加し貢献できるメリットがある。
【0033】
固有化された廃食用油の利用は、消費者に対して広報活動を強めることができる。結果として、消費者がブランドオーナーのつながりをイメージしやすくなる。例えば、アパレルA社の包材がコンビニB社の廃食用油を用いている場合、消費者は、A社とB社のつながりをイメージすることが容易である。
【0034】
ところで、カーボンニュートラルへの貢献度は、複数のブランドオーナーが関与して、印刷物及び/又は包材の量が多くなることで高まる。関与する複数のブランドオーナーが「廃食用油を有するブランドオーナー」及び「廃食用油を有しないブランドオーナー」の場合、異業種であるため、利害障壁が低く、新たなビジネス創造のきっかけを作り出せる可能性もある。すなわち、廃食用油を有する大手ブランドオーナーを中心とした企業連合(コーポレート・アライアンス)を作ることで、様々な企業間連携が生まれる可能性もあり、付加価値の創造になる。
【0035】
例えば、コーポレート・アライアンスXは、「廃食用油を有するブランドオーナー」として、純粋持株会社X1社、及びその傘下のコンビニX2社が中心となり、「廃食用油を有しないブランドオーナー」として、アパレルX3社、インテリアX4社、マスコミX5社、エアラインX6社、鉄道X7社、及び印刷会社X8社が協賛企業として参画することで構成される。印刷会社X8社は、コーポレート・アライアンスXを構成する全てのブランドオーナーの印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材を請け負う。
【0036】
同様に、コーポレート・アライアンスYは、「廃食用油を有するブランドオーナー」として、純粋持株会社Y1社、及びその傘下のコンビニY2社が中心となり、「廃食用油を有しないブランドオーナー」として、専門小売Y3、マスコミY4社、エアラインY5社、鉄道Y6社、教育Y7社、及び印刷会社Y8社が協賛企業として参画することで構成される。印刷会社Y8社は、コーポレート・アライアンスYを構成する全てのブランドオーナーの印刷物及び/又は当該印刷物を含有する包材を請け負う。
【0037】
なお、廃食用油は争奪戦になっており、廃食用油の価格は今後高騰するものと予想され、廃食用油を有するブランドオーナーにはアドバンテージがある。
【0038】
一方、同業(例えば、コンビニ小売業界)の廃食用油を有する複数のブランドオーナーの場合、当該仕組みは、ブランドオーナー固有の廃食用油に関するものから、業界(例えば、コンビニ小売業企業体)固有の廃食用油に関するものと拡大解釈できる。この場合、社会的意義はあるが、ビジネス競争的な意義の観点から、スタート時に参画したブランドオーナーのインセンティブをどのように確保するかが課題となる。
【0039】
この課題が解決し、相互の利害が一致し、協定の締結等がある場合には、実現し得る。ただし、複数のブランドオーナーの各々が排出する廃食用油を区別なく利用することになるので、各々の廃食用油の酸化の度合い(品質)が同等であることが条件となる。廃食用油の配合率等のトレーサビリティは、インキメーカーのみが把握することになるので、インキメーカーがブランドオーナーに報告することになる。複数のブランドオーナーは、それぞれ、対外的には、ブランドオーナー固有のサーキュラーインキ(登録商標)として発表できる。
【0040】
また、複数のブランドオーナーの各々が排出する廃食用油は、個別に回収され、その後の配合量も把握できるので、インキメーカーは、複数のブランドオーナーに対し、個別にCO2の削減量を説明することができる。インキメーカーは、複数のブランドオーナーの各々が排出する廃食用油を区別なく利用することで、1ロットで大量生産でき効率的で、製造に掛かるエネルギーを削減でき、製造により生じるCO2の削減効果が高まる。
【0041】
ところで、再生インキ管理システム1(
図2参照)を用いた仕組みは、廃食用油について、バージンの石油由来の原材料と同等の品質を担保できることが求められる。品質を担保するための手法として、以下の3つのゲートがある。
【0042】
(第1ゲート)回収する廃食用油のスペックを予め設定しておき、著しく品質の悪いもの(例えば、明らかに廃食用油でないもの、ゴミや異物が多数浮遊しているもの)は排除する。
【0043】
(第2ゲート)廃食用油の分析データを利用する。酸価が著しく高いものは、酸価が低いものと混合して、酸価が、予め設定された範囲内に収まるように平均化させる。
【0044】
(第3ゲート)廃食用油を中和し、酸価を下げる。表1には、中和処理及びエポキシ化処理を行った廃食用油の分析結果を、処理前の廃食用油についての分析結果と共に示す。表1に示すように、中和処理を行って酸価を下げた場合には、塩が析出するので、処理収率が悪くなる。このため、低グレードの廃食用油(例えば、消費者から回収した廃食用油)を活用する場合に採用される可能性がある。
【0045】
【0046】
酸化の度合いでもある「酸価」とは、油脂の精製及び変質の指標となる数値の一つであり、「油脂1グラム中に存在する遊離脂肪酸を中和するのに必要な水酸化カリウム(KOH)のミリグラム数」と定義される。なお、食品メーカーは、安全性の次に食品の風味を重視するが、食用油の品質が食品の風味に直結するため、大手食品メーカーが排出する廃食用油は、酸価が低い。
【0047】
次に、
図2を用いて、再生インキ管理システム1の構成について説明する。
図2は、再生インキ管理システム1の構成を示す概略図である。
【0048】
図2に示すように、再生インキ管理システム1は、再生インキ管理サーバー2と、ブランドオーナー端末3と、廃油業者端末4と、インキメーカー端末5と、印刷会社端末6と、を備える。
【0049】
再生インキ管理サーバー2は、再生インキ管理システム1の管理者又はその委託業者が管理するものである。この再生インキ管理サーバー2は、各種情報の入出力を可能とし、また、各種情報を蓄積することで、各種情報のトラッキング(追跡)を可能にする。また、再生インキ管理サーバー2は、インターネットに接続されており、ブランドオーナー端末3、廃油業者端末4、インキメーカー端末5、及び印刷会社端末6との間で通信を行う。
【0050】
ブランドオーナー端末3は、ブランドオーナー(所定の企業及び/又は所定の企業以外の別企業)が使用する端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末、又は専用の端末である。このブランドオーナー端末3は、インターネットに接続されており、再生インキ管理サーバー2との間で通信を行う。これにより、ブランドオーナー端末3は、再生インキ管理サーバー2への入力、及び再生インキ管理サーバー2が出力した情報を受信することが可能となる。
【0051】
具体的に、ブランドオーナー端末3は、所定の情報(回収する廃食用油に関する情報(店舗名、日時指定量、指定容器情報、ロット番号など)、別企業の意向に関する情報、所定の企業及び別企業の入札に関する情報、所定の再生インキについて所定の企業が所定期間内に使用する予定の量に関する情報など)を再生インキ管理サーバー2へ入力する。また、ブランドオーナー端末3は、再生インキ管理サーバー2に蓄積されている所定の情報(回収すべき所定の廃食用油の量に関する情報など)を取得して、当該所定の情報を出力する。
【0052】
廃油業者端末4は、廃油業者が使用する端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末、又は専用の端末である。この廃油業者端末4は、インターネットに接続されており、再生インキ管理サーバー2との間で通信を行う。これにより、廃油業者端末4は、再生インキ管理サーバー2への入力、及び再生インキ管理サーバー2が出力した情報を受信することが可能となる。
【0053】
具体的に、廃油業者端末4は、所定の情報(廃食用油を回収した日時情報(廃食用油の回収時期を示す情報)、回収した廃食用油の分析情報(少なくとも廃食用油の回収時の酸化の度合いを含む回収時油脂物性情報)、インキメーカーへの配送情報(トラッキング番号、配送日など)など)を再生インキ管理サーバー2へ入力する。また、廃油業者端末4は、再生インキ管理サーバー2に蓄積されている所定の情報(回収する廃食用油に関する情報など)を取得して、当該所定の情報を出力する。
【0054】
インキメーカー端末5は、インキメーカーが使用する端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末、又は専用の端末である。このインキメーカー端末5は、インターネットに接続されており、再生インキ管理サーバー2との間で通信を行う。これにより、インキメーカー端末5は、再生インキ管理サーバー2への入力、及び再生インキ管理サーバー2が出力した情報を受信することが可能となる。
【0055】
具体的に、インキメーカー端末5は、所定の情報(製造時油脂物性情報(少なくとも製造時の酸化の度合いを含む。)、インキの製造情報(製造日情報、数量、廃油量情報など)、インキ物性情報(少なくとも製造時の品質を含む。)、再生インキの製造時に使用する廃食用油の量及び製造する所定の再生インキの量の比率に関する情報など)を再生インキ管理サーバー2へ入力する。また、インキメーカー端末5は、再生インキ管理サーバー2に蓄積されている所定の情報(回収時油脂物性情報(第1油脂マーキング情報、第2油脂マーキング情報)、再生インキの製造時の廃食用油の処理及び配合に関する情報、廃食用油の中和処理の要否に関する情報など)を取得して、当該所定の情報を出力する。インキメーカーは、再生インキの製造時の廃食用油の処理及び配合に関する情報、並びに廃食用油の中和処理の要否に関する情報を用い、所定の廃食用油について、回収時油脂物性情報が所定の要件を満たすことを確認して所定の処理を施して配合して所定の再生インキを製造する。
【0056】
印刷会社端末6は、印刷会社が使用する端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末、又は専用の端末である。この印刷会社端末6は、インターネットに接続されており、再生インキ管理サーバー2との間で通信を行う。これにより、印刷会社端末6は、再生インキ管理サーバー2への入力、及び再生インキ管理サーバー2が出力した情報を受信することが可能となる。
【0057】
具体的に、印刷会社端末6は、所定の情報(印刷情報(印刷物量、インキ消費数量情報(再生インキを使用した量)など)など)を再生インキ管理サーバー2へ入力する。また、印刷会社端末6は、再生インキ管理サーバー2に蓄積されている所定の情報(インキ物性情報(第1インキマーキング情報、第2インキマーキング情報)など)を取得して、当該所定の情報を出力する。印刷会社は、所定の企業の印刷物及び/又は印刷物を含有する包材について、インキ物性情報が所定の要件を満たすことを確認して第1インキマーキング及び/又は第2インキマーキングを施した所定の再生インキを使用する。
【0058】
次に、
図3を用いて、再生インキ管理サーバー2のハードウェア構成について説明する。
図3は、再生インキ管理サーバー2のハードウェア構成をしめすブロック図である。
【0059】
図3に示すように、再生インキ管理サーバー2は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0060】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上で必要なデータ等が適宜記憶される。CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
【0061】
入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。出力部16は、ディスプレイやスピーカ、プリンタ等で構成され、音声データ及びテキストデータ等の出力情報を出力する。出力部16が例えばプリンタ等であれば、出力情報を印刷することもできる。入力部17は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
【0062】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種情報(目標とする再生インキの製造時の品質を含む目標インキ物性情報、再生インキ管理サーバー2に入力された情報など)を記憶する。
【0063】
通信部19は、インターネットを介して他の対象(例えば
図2のブランドオーナー端末3、廃油業者端末4、インキメーカー端末5、印刷会社端末6等)との間で相互に通信を行う。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、あるいは半導体メモリ等によりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種情報も、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0064】
次に、
図4を用いて、CPU11の機能的構成について説明する。
図4は、CPU11の機能的構成を示すブロック図である。
【0065】
図4に示すように、再生インキ管理サーバー2(
図3参照)が備えるCPU11は、各種プログラムを実行することによって、使用済油脂マーキング部(使用済油脂マーキング手段)31と、再生インキマーキング部(再生インキマーキング手段)32と、再生インキ使用量出力部(再生インキ使用量出力手段)33と、配合制御部(配合制御手段)34と、製造時油脂物性確認部(製造時油脂物性確認手段)35と、回収ニーズ推定部(回収ニーズ推定手段)36と、等の各種機能を実現して、再生インキ管理サーバー2を統括的に制御する。
【0066】
使用済油脂マーキング部31は、所定の企業の施設から回収した所定の使用済油脂について、少なくとも廃食用油の回収時の酸化の度合いを含む回収時油脂物性情報と関連づけて所定の企業にかかる第1油脂マーキングを施す。具体的に、使用済油脂マーキング部31は、廃油業者端末4から入力された回収時油脂物性情報を第1油脂マーキング情報として記憶部18に記憶する。
【0067】
また、所定の企業以外の別企業の意向に基づいて、使用済油脂マーキング部31は、所定の企業の施設から回収した所定の使用済油脂について、少なくとも廃食用油の回収時の酸化の度合いを含む回収時油脂物性情報と関連づけて別企業にかかる第2油脂マーキングを施す。具体的に、使用済油脂マーキング部31は、ブランドオーナー端末3から別企業の意向に関する情報が入力された場合に、廃油業者端末4から入力された回収時油脂物性情報を第2油脂マーキング情報として記憶部18に記憶する。
【0068】
また、別企業の意向の表明があった場合に、使用済油脂マーキング部31は、所定の企業及び別企業の入札により、第1油脂マーキング及び第2油脂マーキングのいずれを施すか決定する。具体的に、使用済油脂マーキング部31は、ブランドオーナー端末3から別企業の意向に関する情報、並びに所定の企業及び別企業の入札に関する情報が入力された場合に、第1油脂マーキング及び第2油脂マーキングのいずれを施すか決定すると共に、第1油脂マーキング及び第2油脂マーキングのうち、決定したマーキングを施す。
【0069】
また、使用済油脂マーキング部31は、廃食用油の回収時期を示す情報をさらに関連づける。具体的に、使用済油脂マーキング部31は、廃油業者端末4から入力された廃食用油の回収時期を示す情報を、廃油業者端末4から入力された回収時油脂物性情報に関連づけて、第1油脂マーキング情報として記憶部18に記憶する。
【0070】
再生インキマーキング部32は、所定の再生インキについて、少なくとも再生インキの製造時の品質を含むインキ物性情報と関連づけて所定の企業にかかる第1インキマーキングを施す。具体的に、再生インキマーキング部32は、インキメーカー端末5から入力されたインキ物性情報を第1インキマーキング情報として記憶部18に記憶する。
【0071】
また、所定の企業以外の別企業の意向に基づいて、再生インキマーキング部32は、所定の再生インキについて、少なくとも再生インキの製造時の品質を含むインキ物性情報と関連づけて別企業にかかる第2インキマーキングを施す。具体的に、再生インキマーキング部32は、インキメーカー端末5から入力されたインキ物性情報を第2インキマーキング情報として記憶部18に記憶する。
【0072】
また、別企業の意向の表明があった場合に、再生インキマーキング部32は、所定の企業及び別企業の入札により、第1インキマーキング及び第2インキマーキングのいずれを施すか決定する。具体的に、再生インキマーキング部32は、ブランドオーナー端末3から別企業の意向に関する情報、並びに所定の企業及び別企業の入札に関する情報が入力された場合に、第1インキマーキング及び第2インキマーキングのいずれを施すか決定すると共に、第1インキマーキング及び第2インキマーキングのうち、決定したマーキングを施す。
【0073】
再生インキ使用量出力部33は、所定の企業の印刷物及び/又は印刷物を含有する包材について、第1インキマーキングを施した所定の再生インキを使用した量を出力する。具体的に、再生インキ使用量出力部33は、印刷会社端末6から入力されたインキ消費数量情報を、記憶部18に記憶すると共にブランドオーナー端末3等に出力する。
【0074】
配合制御部34は、廃食用油の回収時期を示す情報又は回収時油脂物性情報に基づいて、再生インキの製造時の廃食用油の処理及び配合を制御する。具体的に、配合制御部34は、廃油業者端末4から入力された廃食用油の回収時期を示す情報又は回収時油脂物性情報に基づいて、再生インキの製造時の廃食用油の処理及び配合を決定し、その決定した情報(再生インキの製造時の廃食用油の処理及び配合に関する情報)を、記憶部18に記憶すると共にインキメーカー端末5に出力する。
【0075】
また、配合制御部34は、回収時油脂物性情報又は製造時油脂物性情報、及び、目標とする再生インキの製造時の品質を含む目標インキ物性情報に基づいて、廃食用油の中和処理の要否を制御する。具体的に、配合制御部34は、廃油業者端末4から入力された回収時油脂物性情報又はインキメーカー端末5から入力された製造時油脂物性情報、及び、記憶部18に記憶されている目標とする再生インキの製造時の品質を含む目標インキ物性情報に基づいて、廃食用油の中和処理の要否を決定し、その決定した情報(廃食用油の中和処理の要否に関する情報)を、記憶部18に記憶すると共にインキメーカー端末5に出力する。
【0076】
製造時油脂物性確認部35は、再生インキの製造の際に、少なくとも廃食用油の製造時の酸化の度合いを含む製造時油脂物性情報を確認する。具体的に、製造時油脂物性確認部35は、インキメーカー端末5から入力された製造時油脂物性情報を、記憶部18に記憶すると共に配合制御部34に出力する。
【0077】
回収ニーズ推定部36は、所定の再生インキについて所定の企業が所定期間内に使用する予定の量と、再生インキの製造時に使用する廃食用油の量及び製造する所定の再生インキの量の比率と、に基づいて、回収すべき所定の廃食用油の量を推定する。この回収ニーズ推定部36は、推定した回収すべき所定の廃食用油の量に関する情報を、記憶部18に記憶すると共にブランドオーナー端末3に出力する。
【0078】
次に、
図5を用いて、再生インキ管理システム1を用いた仕組みにおける作業の流れについて説明する。
図5は、再生インキ管理システム1を用いた仕組みにおける作業の流れを説明するフローチャートである。
【0079】
図5に示すように、再生インキ管理システム1を用いた仕組みにおける作業は、回収指示ステップS1と、回収ステップS2と、分析ステップS3と、配送ステップS4と、製造ステップS5と、印刷ステップS6と、を備える。
【0080】
回収指示ステップS1は、ブランドオーナーが廃食用油の回収を指示するステップである。回収指示ステップS1では、ブランドオーナー端末3が、回収する廃食用油に関する情報などを再生インキ管理サーバー2へ入力する。
【0081】
回収ステップS2は、廃油業者が廃食用油を回収するステップである。回収ステップS2では、廃油業者端末4が、廃食用油を回収した日時情報などを再生インキ管理サーバー2へ入力する。
【0082】
分析ステップS3は、廃油業者が廃食用油を分析するステップである。分析ステップS3では、廃油業者端末4が、回収した廃食用油の分析情報などを再生インキ管理サーバー2へ入力する。
【0083】
配送ステップS4は、廃油業者が廃食用油をインキメーカーに配送するステップである。配送ステップS4では、廃油業者端末4が、インキメーカーへの配送情報などを再生インキ管理サーバー2へ入力する。
【0084】
製造ステップS5は、インキメーカーが再生インキを製造するステップである。製造ステップS5では、インキメーカー端末5が、インキの製造情報などを再生インキ管理サーバー2へ入力する。
【0085】
印刷ステップS6は、印刷会社が印刷物及び/又は印刷物を含有する包材を印刷するステップである。印刷ステップS6では、印刷情報などを再生インキ管理サーバー2へ入力する。
【0086】
このように、再生インキ管理システム1によれば、企業の事業活動から生じた使用済油脂を企業自身及びアライアンス企業が利活用できる。
【0087】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が可能である。
【符号の説明】
【0088】
1 再生インキ管理システム
2 再生インキ管理サーバー
3 ブランドオーナー端末
4 廃油業者端末
5 インキメーカー端末
6 印刷会社端末
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 バス
15 入出力インターフェース
16 出力部
17 入力部
18 記憶部
19 通信部
20 ドライブ
21 リムーバブルメディア
31 使用済油脂マーキング部(使用済油脂マーキング手段)
32 再生インキマーキング部(再生インキマーキング手段)
33 再生インキ使用量出力部(再生インキ使用量出力手段)
34 配合制御部(配合制御手段)
35 製造時油脂物性確認部(製造時油脂物性確認手段)
36 回収ニーズ推定部(回収ニーズ推定手段)
S1 回収指示ステップ
S2 回収ステップ
S3 分析ステップ
S4 配送ステップ
S5 製造ステップ
S6 印刷ステップ