(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164071
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理システム、プログラム及び照明装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/08 20120101AFI20231102BHJP
G06Q 10/06 20230101ALI20231102BHJP
G06Q 50/16 20120101ALI20231102BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20231102BHJP
G16Y 10/30 20200101ALI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/08
G06Q10/06
G06Q50/16 300
H04M11/00 301
G16Y10/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075383
(22)【出願日】2022-04-28
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】平間 美香
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
【テーマコード(参考)】
5K201
5L049
【Fターム(参考)】
5K201CB10
5K201CB13
5K201CB16
5K201CC01
5K201CC04
5K201CC10
5K201EB07
5K201EC06
5K201ED04
5L049AA20
5L049CC07
5L049CC29
(57)【要約】
【課題】各ユーザの施設内の位置、及びユーザの当該施設外への退出を含む情報を出力することが可能となる情報処理方法等を提供すること。
【解決手段】一つの側面に係る情報処理方法は、施設に分散配置され、ユーザの無線タグ4と通信する中継ユニット3を通じて、前記無線タグ4を特定するタグID及び中継ユニット3を特定する中継ユニットIDを取得し、取得したタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザの中継ユニットIDに対応する前記施設内の位置、及び前記ユーザの前記施設外への退出を含む情報を記憶する処理を実行させることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設に分散配置され、ユーザの無線タグと通信する中継ユニットを通じて、前記無線タグを特定するタグID及び中継ユニットを特定する中継ユニットIDを取得し、
取得したタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザの中継ユニットIDに対応する前記施設内の位置、及び前記ユーザの前記施設外への退出を含む情報を記憶する
処理をコンピュータに実行させる情報処理方法。
【請求項2】
前記施設の退出口近傍に第1中継ユニット、及び、該第1中継ユニットに隣接して第2中継ユニットが設けられており、
前記第2中継ユニットの中継ユニットIDを時系列で取得し、
前記中継ユニットIDを時系列で取得した後に、前記第1中継ユニットの中継ユニットIDを取得した場合に、前記ユーザが施設外へ退出したと判断する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
所定の基準時刻を取得し、
取得した基準時刻に基づき、各中継ユニットの時刻を同期し、
前記無線タグから取得したタグID、該タグID取得時の前記時刻及び中継ユニットIDを取得し、
取得したタグID、該タグID取得時の前記時刻及び中継ユニットIDを送信する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記中継ユニットは照明装置であり、
前記ユーザが施設外へ退出したと判断した場合に、前記照明装置への消灯または減光の指示を出力する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項5】
各ユーザの現在位置が重畳された前記施設のマップ、及び、前記ユーザの施設外への退出を含む情報を表示するためのデータを出力する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記ユーザの入室時刻から退出時刻までの前記ユーザの動線を前記施設のマップに重畳し、
前記動線を重畳した施設のマップ、各ユーザの入室時刻または退出時刻を表示するためのデータを出力する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項7】
各ユーザの現在位置が重畳された前記施設のマップ、及び、前記ユーザの施設外への退出を含む情報を表示するためのデータと、前記ユーザの入室時刻から退出時刻までの前記ユーザの動線を重畳した前記施設のマップ、各ユーザの入室時刻または退出時刻を含むデータとを切り替えて表示するためのデータを出力する
請求項1又は2に記載の情報処理方法。
【請求項8】
施設に分散配置され、ユーザの無線タグと通信する複数の中継ユニットと、前記中継ユニットと通信する制御装置と、前記制御装置と連携するクラウドサーバとを備える情報処理システムであって、
前記中継ユニットは、
前記無線タグから送信された、前記無線タグを特定するタグIDを受信する第1受信部と、
前記第1受信部が受信したタグID、及び前記中継ユニットを特定する中継ユニットIDを前記制御装置に送信する第1送信部とを備え、
前記制御装置は、
前記第1送信部が送信したタグID及び中継ユニットIDを受信する第2受信部と、
前記第2受信部が受信したタグID及び中継ユニットIDを前記クラウドサーバに送信する第2送信部とを備え、
前記クラウドサーバは、
前記第2送信部が送信したタグID及び中継ユニットIDを受信する第3受信部と、
前記第3受信部が受信したタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザの中継ユニットIDに対応する前記施設内の位置、及び前記ユーザの前記施設外への退出を含む情報を記憶する記憶部と
を備える情報処理システム。
【請求項9】
施設に分散配置され、ユーザの無線タグと通信する中継ユニットを通じて、前記無線タグを特定するタグID及び中継ユニットを特定する中継ユニットIDを取得し、
取得したタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザの中継ユニットIDに対応する前記施設内の位置、及び前記ユーザの前記施設外への退出を含む情報を記憶する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項10】
各ユーザの現在位置が重畳された施設のマップ、及び、前記ユーザの前記施設外への退出を含む情報を取得し、
取得した情報を表示する
処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項11】
施設に分散配置される照明装置であって、
ユーザの無線タグと通信する無線通信部を備え、
前記無線通信部は、前記無線タグを特定するタグID及び前記照明装置を特定する照明装置IDを制御装置に送信する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項12】
施設の退出口の近傍に設置された第1照明装置に隣接して設けられており、
制御部を備え、
該制御部は、
送信された前記照明装置ID及び前記タグIDを受信した後に、前記第1照明装置の照明装置ID及び前記無線タグIDを受信したことを条件にコンピュータから送信された消灯または減光命令を取得し、
消灯または減光命令に応じて照明を消灯または減光する
請求項11に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理システム、プログラム及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、現場作業員の工事現場内での位置を検出する技術の開発が盛んに進められている。例えば特許文献1には、現場作業員及び現場資機材に取り付けられる無線タグから発信された電波を解析し、電波の到達角度につき基準方位を基準にして無線タグの位置を検出する現場管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る発明は、ユーザ(作業員)の施設(工事現場等)外への退出情報を得ることができないという問題がある。
【0005】
一つの側面では、各ユーザの施設内の位置、及びユーザの当該施設外への退出を含む情報を出力することが可能となる情報処理方法等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの側面に係る情報処理方法は、施設に分散配置され、ユーザの無線タグと通信する中継ユニットを通じて、前記無線タグを特定するタグID及び中継ユニットを特定する中継ユニットIDを取得し、取得したタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザの中継ユニットIDに対応する前記施設内の位置、及び前記ユーザの前記施設外への退出を含む情報を記憶する処理を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
一つの側面では、各ユーザの施設内の位置、及びユーザの当該施設外への退出を含む情報を出力することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】位置検出システムの概要を示す説明図である。
【
図2】クラウドサーバの構成例を示すブロック図である。
【
図3】無線タグDB及び中継ユニットDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図4】退出情報DB及びログデータDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図5】制御装置及び中継ユニットの構成例を示すブロック図である。
【
図6】無線タグ及び端末の構成例を示すブロック図である。
【
図7】施設外への退出判定処理を説明する説明図である。
【
図8】施設のマップ上にユーザの現在位置を表示する表示画面の一例を示す説明図である。
【
図9】タグID及び中継ユニットIDを送信する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】現在位置と退出とを含む情報を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図11】位置情報の確認処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。
【
図12】実施形態2における照明装置の構成例を示すブロック図である。
【
図13】退出情報に応じて照明装置への消灯指示を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図14】実施形態3における無線タグの構成例を示すブロック図である。
【
図15】実施形態3における中継ユニットDB及びログデータDBのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
【
図16】ユーザの動線を表示する表示画面の一例を示す説明図である。
【
図17】動線が重畳された施設のマップを出力する際の処理手順を示すフローチャートである。
【
図18】現在位置と動線とを切り替えて表示する画面の一例を示す説明図である。
【
図19】各中継ユニットの時刻を同期する際の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明をその実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
【0010】
(実施形態1)
実施形態1は、各ユーザの施設内の位置、及びユーザの当該施設外への退出を含む情報を出力する形態に関する。
図1は、位置検出システムの概要を示す説明図である。本実施形態のシステムは、情報処理装置1、制御装置2、中継ユニット3、無線タグ4及び情報処理端末5を含む。情報処理装置1、制御装置2及び情報処理端末5はインターネット等のネットワークNを介して情報の送受信を行う。制御装置2及び中継ユニット3は、制御装置2、中継ユニット3及び無線タグ4から構成された無線通信ネットワークを介して情報の送受信を行う。
【0011】
情報処理装置1は、種々の情報に対する処理、記憶及び送受信を行う情報処理装置である。情報処理装置1は、例えばネットワークNに接続されるクラウドサーバ等のサーバ装置、パーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC(パソコン)等である。本実施形態において情報処理装置1はクラウドサーバであるものとし、以下では簡潔のためクラウドサーバ1と読み替える。
【0012】
制御装置2は、クラウドサーバ1または中継ユニット3との間の通信を行う情報処理装置である。また、制御装置2は、クラウドサーバ1から送信された情報に応じて、中継ユニット3への制御信号等を出力する。制御装置2は、例えばパーソナルコンピュータまたは汎用のタブレットPC(パソコン)等である。
【0013】
中継ユニット3は、施設に分散配置され、無線通信ネットワークを介して中継ユニット3同士で信号のやり取りを行う中継器(機器)である。中継ユニット3は、例えば、無線LAN(Local Area Network)ルータ、無線信号を中継する機能を有する照明装置、空調機器、テレビジョンまたはレコーダー等である。また、中継ユニット3は、ユーザに配布した無線タグ4と通信する。
【0014】
無線タグ4は、無線信号(電波)等により無線で通信する機能を有する装置である。無線タグ4は、例えば、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ、または低消費電力の通信モードであるBLE(Bluetooth Low Energy)を利用するBLEビーコンであっても良い。なお、無線タグ4は、スマートフォン、携帯電話、アップルウォッチ(Apple Watch:登録商標)等のウェアラブルデバイスまたはタブレットに搭載されても良い。なお、無線タグ4は、交通系のICカード(ICC ; Integrated Circuit Card)、または作業員が所有するIDカード(Identification Card)等に内蔵されても良い。
【0015】
情報処理端末5は、各ユーザの施設内の位置と、ユーザの当該施設外への退出とを含む情報の受信及び表示等を行う端末装置である。情報処理端末5は、例えばスマートフォン、携帯電話、アップルウォッチ等のウェアラブルデバイス、タブレット、またはパーソナルコンピュータ端末等の情報処理機器である。以下では簡潔のため、情報処理端末5を端末5と読み替える。
【0016】
なお、本実施形態のシステムの構成については、
図1に示すものに限定されない。例えば、クラウドサーバ1及び制御装置2の機能を有する一体型の情報処理装置を利用しても良い。
【0017】
図示のように、施設には複数のエリア(例えば、エリア1、エリア2及びエリア3)が含まれる。例えば、ユーザ1の作業エリアがエリア1であり、ユーザ2の作業エリアがエリア2であり、ユーザ3の作業エリアがエリア3である。施設内に複数の中継ユニット3(中継ユニットa、中継ユニットb及び中継ユニットc)が分散配置される。
【0018】
図示のように、エリア1に中継ユニットaが設置され、エリア2に中継ユニットbが設置され、施設の退出口が設けられたエリア3に中継ユニットcが設置される。退出口の近傍に設置された中継ユニットc、及び当該中継ユニットcに隣接して設置された中継ユニットbは、ユーザの施設外への退出判定のために利用される。
【0019】
施設内に設置された各中継ユニット3は、各ユーザに配布した無線タグ4から送信された無線信号を受信する。各中継ユニット3は、受信した無線信号から当該無線タグ4を特定するタグIDを取得する。中継ユニット3は、取得したタグID、及び当該中継ユニット3を特定する中継ユニットIDを制御装置2に送信する。制御装置2は、中継ユニット3から送信されたタグID及び中継ユニットIDを取得してクラウドサーバ1に送信する。クラウドサーバ1は、制御装置2から送信されたタグID及び中継ユニットIDを受信する。
【0020】
クラウドサーバ1は、受信したタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザの中継ユニットIDに対応する施設内の位置(エリア)を判定する。クラウドサーバ1は、受信したタグID、中継ユニットbの中継ユニットID及び中継ユニットcの中継ユニットIDに基づき、ユーザが施設外へ退出したか否かを判定する。クラウドサーバ1は、判定した各ユーザの施設内の位置、及びユーザが当該施設外へ退出したか否かを示す情報を記憶する。
【0021】
クラウドサーバ1は、各ユーザの施設内の位置、及びユーザの当該施設外への退出を含む情報を端末5に送信する。端末5は、クラウドサーバ1から送信された各ユーザの施設内の位置、及びユーザの当該施設外への退出を含む情報を受信して表示する。図示のように、ユーザ1の現在存在する位置がエリア1であり、ユーザ2の現在存在する位置がエリア2であり、ユーザ3が施設外へ退出したことを示す情報が端末5の画面に表示される。なお、位置検出システムの動作処理の詳細説明を後述する。
【0022】
図2は、クラウドサーバ1の構成例を示すブロック図である。クラウドサーバ1は、制御部11、記憶部12、通信部13、読取部14及び大容量記憶部15を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0023】
制御部11はCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、DSP(Digital Signal Processor)、または量子プロセッサ等の演算処理装置を含む。制御部11は、記憶部12に記憶された制御プログラム1P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、クラウドサーバ1に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。
【0024】
なお、制御プログラム1Pは、単一のコンピュータ上で、または1つのサイトにおいて配置されるか、もしくは複数のサイトにわたって分散され、通信ネットワークによって相互接続された複数のコンピュータ上で実行されるように展開することができる。なお、
図2では制御部11を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0025】
記憶部12はRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等のメモリ素子を含み、制御部11が処理を実行するために必要な制御プログラム1P又はデータ等を記憶している。また、記憶部12は、制御部11が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。通信部13は通信に関する処理を行うための通信モジュールである。
【0026】
読取部14は、CD(Compact Disc)-ROM又はDVD(Digital Versatile Disc)-ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。制御部11が読取部14を介して、制御プログラム1Pを可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶部15に記憶しても良い。また、ネットワークN等を介して他のコンピュータから制御部11が制御プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶部15に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム1Pを読み込んでも良い。
【0027】
大容量記憶部15は、例えばHDD(Hard disk drive:ハードディスク)、SSD(Solid State Drive:ソリッドステートドライブ)等の記録媒体を備える。大容量記憶部15は、無線タグDB(database)151、中継ユニットDB152、退出情報DB153及びログデータDB154を含む。
【0028】
無線タグDB151は、無線タグ4に関する情報、及び当該無線タグ4を配布したユーザ(作業員)に関する情報を記憶している。中継ユニットDB152は、中継ユニット3に関する情報を記憶している。退出情報DB153は、ユーザの施設外への退出情報を記憶している。ログデータDB154は、無線タグ4のタグID、中継ユニット3の中継ユニットID及びタグID取得時の日時等を含むログデータを記憶している。当該日時は、後述する時刻に基づいて設定される。
【0029】
なお、本実施形態において記憶部12及び大容量記憶部15は一体の記憶装置として構成されていても良い。また、大容量記憶部15は複数の記憶装置により構成されていても良い。更にまた、大容量記憶部15はクラウドサーバ1に接続された外部記憶装置であっても良い。
【0030】
クラウドサーバ1は、種々の情報処理及び制御処理等をコンピュータ単体で実行しても良いし、複数のコンピュータで分散して実行しても良い。また、クラウドサーバ1は、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されても良いし、通常のサーバを用いて実現されても良い。
【0031】
図3は、無線タグDB151及び中継ユニットDB152のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。
無線タグDB151は、日付列、タグID列、会社列、社員番号列及び氏名列を含む。日付列は、ユーザが作業する作業日を記憶している。タグID列は、各無線タグ4を識別するために、一意に特定される無線タグ4のIDを記憶している。会社列は、ユーザが属する会社のIDまたは名称を記憶している。社員番号列は、ユーザの社員番号を記憶している。氏名列は、ユーザの氏名を記憶している。
【0032】
中継ユニットDB152は、施設番号列、エリア番号列、エリア名称列、中継ユニットID列、種類列、退出口近傍列及び退出判別列を含む。施設番号列は、各施設を識別するために、一意に特定される施設の番号(ID)を記憶している。エリア番号列は、施設内のエリアを特定するエリア番号を記憶している。エリア名称列は、施設内のエリアの名称を記憶している。なお、本実施形態では、複数のエリアを含む施設の例を説明したが、単一のエリアを含む施設にも同様に適用することができる。
【0033】
中継ユニットID列は、各中継ユニット3を識別するために、一意に特定される中継ユニット3のIDを記憶している。種類列は、中継ユニット3の種類(中継器または照明装置等)を記憶している。なお、照明装置については実施形態2で後述する。
【0034】
退出口近傍列は、中継ユニット3が施設の退出口近傍に設置された第1中継ユニット3であるか否かを示す情報を記憶している。例えば、中継ユニット3が第1中継ユニット3である場合、退出口近傍列には「○」が記憶される。または、中継ユニット3が第1中継ユニット3でない場合、退出口近傍列には「-」または「×」が記憶される。
【0035】
退出判別列は、中継ユニット3が当該第1中継ユニット3に隣接して設置された第2中継ユニット3であるか否かを示す情報を記憶している。例えば、中継ユニット3が第2中継ユニット3である場合、退出判別列には「○」が記憶される。または、中継ユニット3が第2中継ユニット3でない場合、退出判別列には「-」または「×」が記憶される。
【0036】
図4は、退出情報DB153及びログデータDB154のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。退出情報DB153は、施設番号列、エリア番号列、エリア名称列、タグID列、日付列、時刻列及び退出情報列を含む。施設番号列は、施設を特定する施設番号を記憶している。エリア番号列は、施設内のエリアを特定するエリア番号を記憶している。エリア名称列は、施設内のエリアの名称を記憶している。タグID列は、無線タグ4を特定するタグIDを記憶している。日付列は、ユーザが作業した日付を記憶している。
【0037】
時刻列は、退出判別列及び退出口近傍列を含む。退出判別列は、退出口の近傍に設置された第1中継ユニット3の近傍に設置された第2中継ユニット3から検出された退出時刻を記憶している。退出口近傍列は、退出口の近傍に設置された第1中継ユニット3から検出された退出時刻を記憶している。退出口の近傍は、退出口の内側の位置の近い範囲であっても良く、または退出口の外側の位置の近い範囲であっても良い。
【0038】
退出情報列は、ユーザが施設外へ退出したか否かを示す情報を記憶している。例えば、ユーザが施設外へ退出した場合、退出情報列には「○」が記憶される。または、ユーザが施設外へ退出していない場合、退出情報列には「-」または「×」が記憶される。
【0039】
ログデータDB154は、中継ユニットID列、タグID列及び日時列を含む。中継ユニットID列は、中継ユニット3を特定する中継ユニットIDを記憶している。タグID列は、無線タグ4を特定するタグIDを記憶している。日時列は、タグID取得時の日時を記憶している。
【0040】
なお、上述した各DBの記憶形態は一例であり、データ間の関係が維持されていれば、他の記憶形態であっても良い。
【0041】
図5は、制御装置2及び中継ユニット3の構成例を示すブロック図である。
制御装置2は、制御部21、記憶部22、通信部23及び表示部24を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0042】
制御部21はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶された制御プログラム2P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、制御装置2に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、
図5では制御部21を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0043】
記憶部22はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部21が処理を実行するために必要な制御プログラム2P又はデータ等を記憶している。また、記憶部22は、制御部21が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0044】
通信部23は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、クラウドサーバ1等と情報の送受信を行う。また、通信部23は、制御装置2、中継ユニット3及び無線タグ4から構成された無線通信ネットワークを介して、中継ユニット3等と情報の送受信を行う。表示部24は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21の指示に従い各種情報を表示する。
【0045】
中継ユニット3は、制御部31、記憶部32、無線モジュール33及び電源部34を含む。制御部31はCPU等の演算処理装置を含み、記憶部32に記憶された制御プログラム3P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、中継ユニット3に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。記憶部32は、中継ユニット3を特定する中継ユニットIDまたは時間情報等を記憶する。なお、中継ユニットIDは、MAC(Media Access Control)アドレスであっても良い。また、記憶部32は、制御部31が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0046】
無線モジュール33は、通信に関する処理を行うための無線通信モジュールであり、無線タグ4、制御装置2または中継ユニット3同士等と情報の送受信を行う。無線通信は、無線周波数(RF)通信(例えば、無線自動識別(RFID))、Zigbee通信プロトコル、WiFi、赤外線、無線ユニバーサル・シリアル・バス(USB)、ウルトラワイドバンド(UWB)、Bluetooth(登録商標)通信プロトコルまたは移動体通信を含むがこれらに限定されない。
【0047】
無線モジュール33は、ビーコン受信部331及び無線通信部332を含む。ビーコン受信部331は、無線タグ4から出力されたビーコン信号を受信する。ビーコン信号は、例えば、低消費電力の通信モードであるBLEを利用する無線タグ4から出力(発信)された信号である。無線通信部332は、中継ユニット3同士間または制御装置2と通信を行うプロトコル(例えば、2.4GHz帯独自プロトコル)を利用した無線通信の受信及び送信を行う。なお、無線通信部332は、中継ユニット3同士を経由せずに、制御装置2との間の無線通信を直接行っても良い。
【0048】
電源部34は、制御部31または無線モジュール33等に電力を供給する。
【0049】
図6は、無線タグ4及び端末5の構成例を示すブロック図である。
無線タグ4は、制御部41、記憶部42、無線通信部43及び電源部44を含む。制御部41はCPU等の演算処理装置を含み、記憶部22に記憶された制御プログラム4P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、無線タグ4に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。
【0050】
記憶部42は、無線タグ4を特定する無線タグIDまたは時間情報等を記憶する。また、記憶部42は、制御部41が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。無線通信部43は、通信に関する処理を行うための無線通信モジュールである。電源部44は、制御部41または無線通信部43等に電力を供給する。
【0051】
端末5は、制御部51、記憶部52、通信部53、入力部54及び表示部55を含む。各構成はバスBで接続されている。
【0052】
制御部51はCPU、MPU等の演算処理装置を含み、記憶部52に記憶された制御プログラム5P(プログラム製品)を読み出して実行することにより、端末5に係る種々の情報処理、制御処理等を行う。なお、
図5では制御部51を単一のプロセッサであるものとして説明するが、マルチプロセッサであっても良い。
【0053】
記憶部52はRAM、ROM等のメモリ素子を含み、制御部51が処理を実行するために必要な制御プログラム5P又はデータ等を記憶している。また、記憶部52は、制御部51が演算処理を実行するために必要なデータ等を一時的に記憶する。
【0054】
通信部53は通信に関する処理を行うための通信モジュールであり、ネットワークNを介して、クラウドサーバ1等と情報の送受信を行う。入力部54は、キーボード、マウスまたは表示部55と一体化したタッチパネルでも良い。表示部55は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部51の指示に従い各種情報を表示する。
【0055】
続いて、
図1に戻り、位置検出システムの動作を詳しく説明する。工事現場または物流倉庫等の施設において、元請けまたはゼネコンの現場管理者、従業員の他に、施設に入場した協力会社またはサブコンの作業員(社員、契約社員、パートまたはアルバイト等)が日々入れ替わる場合が通常である。また、作業(工事)に係る工程計画または進捗状況に応じて、鳶、大工、左官、鉄筋工またはコンクリート打設工等の現場工事の職種が日替わりで変動する場合がある。日々変わる作業員(ユーザ)の安否確認を行うため、各ユーザの位置検出が必要である。そのため、各ユーザに配布する無線タグ4のタグIDは、予め各ユーザの作業日及びユーザ情報に対応付けて無線タグDB151に記憶される。
【0056】
具体的には、端末5は、作業日、ユーザに配布する無線タグ4のタグID及び当該ユーザに関する情報の入力を受け付ける。ユーザに関する情報は、ユーザが属する会社の名称、社員番号または氏名等を含む。端末5は、受け付けた作業日、無線タグ4のタグID及びユーザに関する情報をクラウドサーバ1に送信する。クラウドサーバ1は、端末5から送信された作業日、無線タグ4のタグID及びユーザに関する情報を受信する。クラウドサーバ1は、受信した作業日に対応付けて、無線タグ4のタグID、会社の名称、社員番号及び氏名を一つのレコードとして無線タグDB151に記憶する。
【0057】
なお、本実施形態では、作業日、無線タグ4のタグID及びユーザに関する情報を端末5からクラウドサーバ1に送信した例を説明したが、これに限るものではない。例えばクラウドサーバ1は、作業日、無線タグ4のタグID及びユーザに関する情報を直接受け付けても良い。
【0058】
各ユーザに配布した無線タグ4は、所定の時間間隔(例えば、100ms~10000msの範囲の値)ごとに、タグIDを含むビーコン信号を一定値(例えば、‐40dBm~+10dBmの範囲の値)の電波強度(RSSI)の無線信号を出力する。
【0059】
中継ユニット3は、無線タグ4から出力された無線信号を受信する。中継ユニット3は、受信した無線信号から無線タグ4のタグIDを取得する。中継ユニット3は、隣接する中継ユニット3同士の通信状態を評価することにより、通信状態が良い中継ユニット3を送信先中継ユニット3として特定(選択)する。通信状態評価について、例えばRSSI(Received Signal Strength Indicator)を利用しても良い。RSSIは、無線通信機器が受信する信号(電波)の強度を測定するための回路または信号である。例えば中継ユニット3は、RSSI強度値が所定の閾値(例えば、-35dBm)以上である隣接の中継ユニット3を送信先中継ユニット3として特定しても良い。または、中継ユニット3は、複数の隣接する中継ユニット3から、RSSI強度値の大きい中継ユニット3を送信先中継ユニット3として特定しても良い。
【0060】
中継ユニット3は、特定した送信先中継ユニット3に、所定の時間間隔ごとに、受信した無線タグ4のタグID、当該中継ユニット3を特定する中継ユニットID、及び当該タグID取得時の日時を送信する。所定の時間間隔は、例えば100ms(1秒間に10回程度)~500msの範囲の値に応じて設けられても良い。
【0061】
このように、複数の中継ユニット3同士を経由して、無線タグ4のタグID、中継ユニット3の中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時は、制御装置2と通信可能な中継ユニット3に送信される。制御装置2と通信可能な中継ユニット3は、タグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時を制御装置2に送信する。
【0062】
制御装置2は、中継ユニット3から送信されたタグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時を受信する。制御装置2は、受信したタグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時をクラウドサーバ1に送信する。クラウドサーバ1は、制御装置2から送信されたタグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時を受信する。
【0063】
クラウドサーバ1は、受信した中継ユニットIDに対応付けて、タグID及び当該タグID取得時の日時を一つのレコードとしてログデータDB154に記憶する。このように、無線タグ4のタグID及び中継ユニット3の中継ユニットIDを時系列で取得し、取得した時系列データを順次にログデータDB154に記憶することができる。
【0064】
クラウドサーバ1は、タグID、中継ユニットID及び日時を含む時系列データに基づき、ユーザ毎に現在存在する位置を判定(特定)する。具体的には、クラウドサーバ1は、受信した最新の時系列データから、ユーザに配布した無線タグ4のタグIDに対応する中継ユニットIDを取得する。クラウドサーバ1は、取得した中継ユニットIDに基づき、当該中継ユニット3に対応するエリア番号及びエリア名称を中継ユニットDB152から取得する。
【0065】
次に、クラウドサーバ1は、ユーザが施設外へ退出したか否かを判定する。なお、退出情報の取得処理に関しては後述する。退出情報は、施設内のエリア番号、エリア名称、無線タグ4のタグID、中継ユニット3の中継ユニットIDまたは退出日時等を含む。クラウドサーバ1は、ユーザ毎に現在存在する位置と、ユーザの施設外への退出と含む情報を端末5に送信する。端末5は、クラウドサーバ1から送信された情報を受信して画面に表示する。
【0066】
図7は、施設外への退出判定処理を説明する説明図である。なお、
図7は、
図1に示されているエリア3の詳細図である。図示のように、エリア3に複数の中継ユニット3が分散配置される。
【0067】
図7Aは、第1中継ユニット3が退出口内側の近傍に設置された場合の退出判定処理を説明する説明図である。図示のように、エリア3の退出口内の近傍に中継ユニット3a、当該中継ユニット3aに隣接して中継ユニット3b、及び当該中継ユニット3bに隣接して中継ユニット3cがエリア3に分散配置されている。以下では簡潔のため、中継ユニット3aを第1中継ユニット3と読み替え、中継ユニット3bを第2中継ユニット3と読み替える。
【0068】
各中継ユニット3は、ユーザに配布した無線タグ4から送信されたタグIDを受信した場合、制御装置2を経由して、受信した無線タグ4のタグID、当該タグID取得時の日時及び当該中継ユニット3の中継ユニットIDをクラウドサーバ1に送信する。クラウドサーバ1は、制御装置2を経由して、各中継ユニット3から送信されたタグID、当該タグID取得時の日時及び中継ユニットIDを含む時系列データを受信する。
【0069】
クラウドサーバ1は、受信した時系列データから第2中継ユニット3を検出したか否かを判定する。具体的には、クラウドサーバ1は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3が第2中継ユニット3であるか否かを示す情報を中継ユニットDB152の退出判別列から取得する。クラウドサーバ1は、退出判別列から「○」を取得した場合、第2中継ユニット3を検出したと判定する。クラウドサーバ1は、退出判別列から「-」または「×」を取得した場合、第2中継ユニット3を検出していないと判定する。
【0070】
クラウドサーバ1は第2中継ユニット3を検出した場合、当該第2中継ユニット3に対応するタグIDに対し、当該第2中継ユニット3の検出時刻の後に第1中継ユニット3を時系列データから検出したか否かを判定する。
【0071】
具体的には、クラウドサーバ1は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3が第1中継ユニット3であるか否かを示す情報を中継ユニットDB152の退出口近傍列から取得する。クラウドサーバ1は、退出口近傍列から「○」を取得した場合、第1中継ユニット3を検出したと判定する。クラウドサーバ1は、退出口近傍列から「-」または「×」を取得した場合、第1中継ユニット3を検出していないと判定する。
【0072】
クラウドサーバ1は、第2中継ユニット3の中継ユニットIDを時系列で取得した後に、所定の時間間隔(例えば、3分)内にさらに第1中継ユニット3の中継ユニットIDを取得した場合に、当該タグIDに対応する無線タグ4を配布したユーザが施設外へ退出したと判断する。
【0073】
クラウドサーバ1は、第1中継ユニット3または第2中継ユニット3の中継ユニットIDに基づき、該当する施設番号、エリア番号及びエリア名称を中継ユニットDB152から取得する。クラウドサーバ1は、取得した施設番号、エリア番号及びエリア名称と、無線タグ4のタグID及び退出日時とを含む退出情報を作成する。
【0074】
クラウドサーバ1は、作成した退出情報を退出情報DB153に記憶する。具体的には、クラウドサーバ1は、施設番号、エリア番号、エリア名称、無線タグ4のタグID、日付、第2中継ユニット3の検出時刻(退出判別)、第1中継ユニット3の検出時刻(退出口近傍)、及びユーザが施設外へ退出したことを示す情報(例えば、「退出」または「○」)を一つのレコードとして退出情報DB153に記憶する。
【0075】
上述した処理によって、各ユーザに配布した無線タグ4のタグID、及び当該タグIDに対応する中継ユニット3の中継ユニットIDに基づき、各ユーザが施設外へ退出したか否かを判定することができる。
【0076】
なお、上述した退出判定処理に限るものではない。例えば、ユーザが一旦退出し、所定の時間間隔(例えば、5分)内に再入室した場合、当該ユーザが施設外へ退出していないと判断しても良い。
【0077】
具体的には、クラウドサーバ1は制御装置2を経由して、第2中継ユニット3の中継ユニットIDを時系列で取得した後に、所定の第1時間間隔(例えば、3分)内に第1中継ユニット3の中継ユニットIDを取得した場合に、所定の第2時間間隔(例えば、5分)内に当該第2中継ユニット3の中継ユニットIDを再度取得できたか否かを判定する。クラウドサーバ1は、所定の第2時間間隔内に第2中継ユニット3の中継ユニットIDを再度取得できない場合、当該ユーザが施設外へ退出したと判断する。
【0078】
クラウドサーバ1は、所定の第2時間間隔内に当該第2中継ユニット3の中継ユニットIDを再度取得できた場合、当該ユーザが施設外へ退出していないと判断する。この場合、クラウドサーバ1は、退出情報DB153に記憶された退出情報を更新する。具体的には、クラウドサーバ1は、施設番号、エリア番号及び無線タグ4のタグIDに対応付けて、エリア名称、日付、第2中継ユニット3の検出時刻(退出判別)、及びユーザが施設外へ退出していないことを示す情報(例えば、「未退出」または「-」)を退出情報DB153に更新する。
【0079】
なお、
図7で第1中継ユニット3及び第2中継ユニット3を用いてユーザの退出判定処理を説明したが、これに限るものではない。例えば、クラウドサーバ1は制御装置2を経由して、退出口の近傍に設置された第1中継ユニット3の中継ユニットIDを取得した後に、所定の時間間隔(例えば、5分)内に、当該施設内に設置された全ての中継ユニット3の中継ユニットIDを取得できない場合、当該ユーザが施設外へ退出したと判断しても良い。
【0080】
図7Bは、第1中継ユニット3が退出口外側の近傍に設置された場合の退出判定処理を説明する説明図である。図示のように、エリア3の退出口外の近傍に第1中継ユニット3(中継ユニット3a)、当該第1中継ユニット3に隣接して第2中継ユニット3(中継ユニット3b)、及び当該第2中継ユニット3に隣接して中継ユニット3がエリア3に分散配置されている。なお、退出判定処理に関しては、
図7Aでの退出判定処理と同様であるため、説明を省略する。
【0081】
図8は、施設のマップ上にユーザの現在位置を表示する表示画面の一例を示す説明図である。表示画面は、マップ表示欄11a、位置表示アイコン11b及び位置情報表示欄11cを含む。マップ表示欄11aは、施設のマップを表示する表示欄である。位置表示アイコン11bは、施設のマップ上に各ユーザの位置を示すアイコンである。位置情報表示欄11cは、各ユーザの位置情報を表示する表示欄である。
【0082】
クラウドサーバ1は、予め大容量記憶部15に記憶された施設のマップを取得する。なお、クラウドサーバ1は、外部装置から施設のマップを取得しても良い。クラウドサーバ1は、制御装置2を経由して、各中継ユニット3から送信されたタグID及び中継ユニットIDを含む時系列データを受信する。
【0083】
クラウドサーバ1は、作業日及びタグIDに基づき、無線タグ4を配布した各ユーザの氏名を無線タグDB151から取得する。クラウドサーバ1は、受信した時系列データから、各タグIDに対応する最新の中継ユニットIDを取得する。クラウドサーバ1は、取得した各タグIDに対応する最新の中継ユニットIDに基づき、各中継ユニット3に対応する施設内のエリア名称を中継ユニットDB152から取得する。クラウドサーバ1は、作業日及びタグIDに基づき、各ユーザが施設外へ退出したか否かを示す情報を退出情報DB153から取得する。
【0084】
クラウドサーバ1は、取得した施設のマップ、ユーザの氏名、無線タグ4のタグID、最新の中継ユニットIDに対応するエリア名称、及びユーザが施設外へ退出したか否かを示す情報を端末5に送信する。端末5は、クラウドサーバ1から送信された施設のマップ、ユーザの氏名、無線タグ4のタグID、エリア名称、及びユーザが施設外へ退出したか否かを示す情報を受信して画面に表示する。
【0085】
具体的には、端末5は、各ユーザが現在存在する位置を示すアイコンを取得する。なお、アイコンが予め端末5の記憶部52に記憶されても良い。端末5は、各ユーザが現在存在する位置に基づき、ユーザ毎に現在存在する位置を示すアイコンを施設のマップに重畳してマップ表示欄11aに表示する。端末5は、ユーザ毎にユーザの氏名、無線タグ4のタグID、エリア名称、及びユーザが施設外へ退出したか否かを示す情報を位置情報表示欄11cに表示する。なお、上述した情報の他に、ユーザが施設外へ退出した退出日時が位置情報表示欄11cに表示されても良い。
【0086】
なお、当日に施設外へ退出した全てのユーザ(退出者)の氏名、タグIDまたは退出日時を、時系列で列挙して位置情報表示欄11cに表示しても良い。
【0087】
図9は、タグID及び中継ユニットIDを送信する際の処理手順を示すフローチャートである。制御装置2と通信可能な中継ユニット3の制御部31は、無線モジュール33のビーコン受信部331を介して、無線タグ4から送信された当該無線タグ4のタグIDを受信する(ステップS301)。制御部31は、無線モジュール33の無線通信部332を介して、受信した無線タグ4のタグID、中継ユニット3を特定する中継ユニットID、及び当該タグID取得(受信)時の日時を制御装置2に送信する(ステップS302)。
【0088】
制御装置2の制御部21は、中継ユニット3から送信されたタグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時を通信部23により受信する(ステップS201)。制御部21は、受信したタグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時を通信部23によりクラウドサーバ1に送信する(ステップS202)。
【0089】
クラウドサーバ1の制御部11は、制御装置2から送信されたタグID、中継ユニットID及び当該タグID取得時の日時を通信部13により受信する(ステップS101)。制御部11は、受信した中継ユニットIDに対応付けて、タグID及び当該タグID取得時の日時を一つのレコードとしてログデータDB154に記憶する(ステップS102)。制御部11は、ステップS101の処理に戻る。
【0090】
図10は、現在位置と退出とを含む情報を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。端末5の制御部51は、位置情報の確認要求を入力部54により受け付ける(ステップS511)。位置情報の確認要求には、例えば、確認対象となる施設番号等が含まれる。制御部51は、受け付けた位置情報の確認要求を通信部53によりクラウドサーバ1に送信する(ステップS512)。
【0091】
クラウドサーバ1の制御部11は、端末5から送信された位置情報の確認要求を通信部13により受信する(ステップS111)。制御部11は、受信した位置情報の確認要求に応じて、位置情報の確認処理のサブルーチンを実行する(ステップS112)。なお、位置情報の確認処理のサブルーチンに関しては後述する。
【0092】
制御部11は、施設のマップを大容量記憶部15または外部装置から取得する(ステップS113)。制御部11は、位置情報の確認処理のサブルーチンから得られた各ユーザが現在存在する位置を、取得した施設のマップに重畳する(ステップS114)。制御部11は、各ユーザの現在位置が重畳された施設のマップ、及び位置情報の確認処理のサブルーチンから得られたユーザの施設外への退出情報を通信部13により端末5に送信する(ステップS115)。
【0093】
端末5の制御部51は、クラウドサーバ1から送信された各ユーザの現在位置が重畳された施設のマップ、及びユーザの施設外への退出情報を通信部53により受信する(ステップS513)。制御部51は、受信した施設のマップ、及びユーザの施設外への退出情報を表示部55により表示し(ステップS514)、処理を終了する。例えば制御部51は、各ユーザの現在位置(エリア)が重畳された施設のマップと、施設外へ退出したユーザ(退出者)の氏名、タグIDまたは退出日時を時系列で列挙した情報とを表示部55により表示しても良い。
【0094】
なお、本実施形態では、管理者等の位置情報の確認要求に応じて、各ユーザの位置情報の確認処理を行った例を説明したが、これに限るものではない。例えば端末5は、所定の時間間隔(例えば、10分)ごとに位置情報の確認要求をクラウドサーバ1に自動送信しても良い。なお、位置情報の確認要求の送信処理は必須ではなく、例えばクラウドサーバ1は、所定の時間間隔(例えば、10分)ごとに位置情報を自動確認し、確認した位置情報を端末5に送信しても良い。
【0095】
図11は、位置情報の確認処理のサブルーチンの処理手順を示すフローチャートである。クラウドサーバ1の制御部11は、所定期間(例えば、5分)内の中継ユニットID、タグID及びタグID取得時の日時を含む時系列データを大容量記憶部15のログデータDB154から取得する(ステップS01)。制御部11は、取得した時系列データに対し、タグID毎にグループ化処理を行う(ステップS02)。制御部11は、複数のタグIDから1つのタグIDを取得する(ステップS03)。
【0096】
制御部11は、取得したタグIDに対応する時系列データから、第2中継ユニット3を検出したか否かを判定する(ステップS04)。具体的には、制御部11は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3が第2中継ユニット3であるか否かを示す情報を大容量記憶部15の中継ユニットDB152の退出判別列から取得する。制御部11は、退出判別列から「○」を取得した場合、第2中継ユニット3を検出したと判定する。制御部11は、退出判別列から「-」または「×」を取得した場合、第2中継ユニット3を検出していないと判定する。
【0097】
制御部11は、第2中継ユニット3を検出していないと判定した場合(ステップS04でNO)、ユーザが現在存在する施設内の位置を取得する(ステップS05)。具体的には、制御部11は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3に対応する施設番号、エリア番号及びエリア名称を大容量記憶部15の中継ユニットDB152から取得する。
【0098】
制御部11は、後述するステップS08の処理に遷移し、ユーザが施設外へ退出していないことを示す情報を大容量記憶部15の退出情報DB153に記憶する(ステップS08)。具体的には、制御部11は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3に対応する施設番号、エリア番号及びエリア名称を大容量記憶部15の中継ユニットDB152から取得する。制御部11は、施設番号、エリア番号、エリア名称、無線タグ4のタグID、日付、第2中継ユニット3の検出時刻、及びユーザが施設外へ退出していないことを示す情報(例えば、「未退出」または「-」)を一つのレコードとして大容量記憶部15の退出情報DB153に記憶する。
【0099】
制御部11は、第2中継ユニット3を検出したと判定した場合(ステップS04でYES)、当該第2中継ユニット3の検出時刻の後に第1中継ユニット3を時系列データから検出したか否かを判定する(ステップS06)。具体的には、制御部11は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3が第1中継ユニット3であるか否かを示す情報を大容量記憶部15の中継ユニットDB152の退出口近傍列から取得する。制御部11は、退出口近傍列から「○」を取得した場合、第1中継ユニット3を検出したと判定する。制御部11は、退出口近傍列から「-」または「×」を取得した場合、第1中継ユニット3を検出していないと判定する。
【0100】
制御部11は、第1中継ユニット3を検出していないと判定した場合(ステップS06でNO)、ステップS05の処理に遷移する。制御部11は、第1中継ユニット3を検出したと判定した場合(ステップS06でYES)、施設番号、エリア番号、エリア名称、無線タグ4のタグIDまたは退出日時等を含む退出情報を生成する(ステップS07)。
【0101】
制御部11は、生成した退出情報を大容量記憶部15の退出情報DB153に記憶する(ステップS08)。具体的には、制御部11は中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3に対応する施設番号、エリア番号及びエリア名称を大容量記憶部15の中継ユニットDB152から取得する。制御部11は、施設番号、エリア番号、エリア名称、無線タグ4のタグID、日付、第2中継ユニット3の検出時刻、第1中継ユニットの検出時刻及びユーザが施設外へ退出したことを示す情報(例えば、「退出」または「○」)を一つのレコードとして退出情報DB153に記憶する。
【0102】
制御部11は、当該タグIDが最後のタグIDであるか否かを判定する(ステップS09)。制御部11は、当該タグIDが最後でないと判定した場合(ステップS09でNO)、ステップS03の処理に戻る。制御部11は、当該タグIDが最後であると判定した場合(ステップS09でYES)、ユーザ毎に現在存在する位置と、ユーザの施設外への退出とを含む情報を出力する(ステップS10)。制御部11は、位置情報の確認処理のサブルーチンを終了してリターンする。
【0103】
本実施形態によると、ユーザ毎に現在存在する位置と、ユーザの施設外への退出とを含む情報を出力することにより、ユーザの在不在を随時確認することが可能となる。
【0104】
本実施形態によると、各ユーザの現在位置を施設のマップに重畳して表示することにより、ユーザ毎に現在存在する位置を一目瞭然に容易に把握できる。
【0105】
(実施形態2)
実施形態2は、中継ユニット3が照明装置である形態に関する。なお、実施形態1と重複する内容については説明を省略する。なお、本実施形態では、簡潔のために中継ユニット3を照明装置3と読み替え、中継ユニットIDを照明装置IDと読み替える。照明装置3は、室内灯、室外灯または門灯等を含む。実施形態1の
図7Aで示されているように、例えば、施設の退出口内側の近傍に設置された照明装置3aが室内灯であっても良い。また、実施形態1の
図7Bで示されているように、施設の退出口外側の近傍に設置された照明装置3aが室外灯であっても良い。
【0106】
図12は、実施形態2における照明装置3の構成例を示すブロック図である。なお、
図5と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。照明装置3は、光源部35を含む。光源部35は、基板及び基板に実装されたLED(Light Emitting Diode)等の光源を有する。電源部34は、光源部35にLEDの点灯に必要な電力を供給する。制御部31は、点灯、消灯または減光指示(命令)に応じて、電源部34が光源部35に供給する電力を制御する。
【0107】
図13は、退出情報に応じて照明装置3への消灯指示を出力する際の処理手順を示すフローチャートである。クラウドサーバ1の制御部11は、所定の時間間隔(例えば、5分)が経過したか否かを判定する。制御部11は、所定の時間間隔が経過していないと判定した場合(ステップS121でNO)、待機する。
【0108】
制御部11は、所定の時間間隔が経過したと判定した場合(ステップS121でYES)、位置情報の確認処理のサブルーチンを実行する(ステップS122)。制御部11は、位置情報の確認処理のサブルーチンから得られた結果に基づき、ユーザが施設外へ退出したか否かを判定する(ステップS123)。制御部11は、ユーザが施設外へ退出していないと判定した場合(ステップS123でNO)、ステップS121の処理に戻る。
【0109】
制御部11は、ユーザが施設外へ退出したと判定した場合(ステップS123でYES)、制御部11は、ユーザの施設外への退出情報を通信部13により制御装置2に送信する(ステップS124)。退出情報には、施設の施設番号、無線タグ4のタグID、照明装置3の照明装置IDまたは退出日時等が含まれる。制御装置2の制御部21は、クラウドサーバ1から送信された退出情報を通信部23により受信する(ステップS221)。
【0110】
制御部21は、受信した退出情報に含まれる照明装置IDに応じて、該当する照明装置3への消灯指示を送信する(ステップS222)。該当する照明装置3の制御部31は、無線モジュール33の無線通信部332を介して、制御装置2から送信された消灯指示を受信する(ステップS321)。制御部31は、受信した消灯指示に応じて、電源部34が光源部35に供給する電力を制御することにより、消灯を制御する(ステップS322)。なお、
図13で消灯の例を説明したが、これに限らず、減光にも同様に適用することができる。
【0111】
なお、施設内で作業しているユーザが複数である場合、クラウドサーバ1は、ユーザごとに施設外へ退出したか否かを判定する。クラウドサーバ1は、全てのユーザの施設外への退出情報を制御装置2に送信する。制御装置2は、クラウドサーバ1から送信された全てのユーザの施設外への退出情報に応じて、該当する照明装置3への消灯または減光指示を送信しても良い。
【0112】
また、施設には複数のエリア(例えば、エリア1、エリア2及びエリア3)が含まれる場合、先ず、クラウドサーバ1は、エリアごとに各ユーザがエリア外へ退出したか否かを判定する。クラウドサーバ1は、エリアで作業する全てのユーザが当該エリア外へ退出した場合、当該エリアでの全てのユーザの退出情報を制御装置2に送信する。制御装置2は、クラウドサーバ1から送信された退出情報に応じて、当該エリア内の照明装置3への減光指示を送信する。
【0113】
例えば、クラウドサーバ1は、エリア1で作業する全てのユーザが当該エリア1外へ退出した場合、エリア1で作業する全てのユーザの退出情報を制御装置2に送信する。制御装置2は、クラウドサーバ1から送信された退出情報に応じて、エリア1内の照明装置3への減光指示を送信する。
【0114】
次に、クラウドサーバ1は、施設内の全てのエリアに対し、各エリアで作業する全てのユーザが各エリア外へ退出したと判定した場合、全てのユーザの施設外への退出情報を制御装置2に送信する。制御装置2は、クラウドサーバ1から送信された全てのユーザの施設外への退出情報に応じて、各エリア内の照明装置3への消灯指示を送信する。
【0115】
上述した処理によって、ユーザが作業終了したエリアに対して減光制御を行い、施設内の全てのエリアにおいて、全てのユーザが施設外へ退出した場合、各エリアに対して消灯制御を行うことができる。これに従って、施設内のユーザの安全と電気代の削減との両方を考慮することができる。
【0116】
なお、本実施形態では、中継ユニット3が照明装置である例を説明したが、中継ユニット3が空調機器である場合、消灯または減光の制御の代わりに、制御装置2は、電源オフ指示または省エネモードへの切り替え指示を空調機器へ送信しても良い。
【0117】
本実施形態によると、ユーザの施設外への退出情報に応じて、照明装置3の消灯または減光を自動制御することが可能となる。
【0118】
本実施形態によると、照明装置3の消灯または減光を自動制御することで省エネを図ることが可能となる。
【0119】
(実施形態3)
実施形態3は、ユーザの動線を施設のマップに重畳して表示する形態に関する。なお、実施形態1~2と重複する内容については説明を省略する。
【0120】
なお、施設内に設置された各中継ユニット3の中継ユニットIDに対応する位置情報に基づき、動線を生成することができる。具体的には、制御装置2は、無線タグ4のタグID及び中継ユニット3の中継ユニットIDを含む時系列データをクラウドサーバ1に送信する。クラウドサーバ1は、制御装置2から送信された時系列データから、タグIDに対応するユーザ毎に各時点での中継ユニットIDを取得する。クラウドサーバ1は、取得した各時点での中継ユニットIDに対応するエリア名称を中継ユニットDB152から取得する。クラウドサーバ1は、取得したエリア名称に基づき、ユーザ毎に動線を生成する。
【0121】
なお、より精度の高い動線を生成するために、以下では、GPSにより取得された位置情報を利用して動線を生成する例を説明する。なお、これに限るものではない。例えば、無線タグ4が受信した複数の中継ユニット3のRSSIを利用し、無線タグ4の位置を三点測量方式等で検出しても良い。または、中継ユニット3に位置情報が予め記憶されても良い。
【0122】
図14は、実施形態3における無線タグ4の構成例を示すブロック図である。なお、
図6と重複する内容については同一の符号を付して説明を省略する。無線タグ4は、GPS(Global Positioning System)モジュール45を含む。GPSモジュール45は、GPS衛星を利用して無線タグ4の位置情報を取得するためのモジュールである。
【0123】
図15は、実施形態3における中継ユニットDB152及びログデータDB154のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。なお、
図3及び
図4と重複する内容については説明を省略する。
【0124】
本実施形態では、施設に複数のエリア(例えば、エリア1、エリア2及びエリア3)が含まれる。また、施設内の各エリアの退出口近傍に第1中継ユニット3、及び、当該第1中継ユニット3に隣接して第2中継ユニット3が設けられている。ユーザに配布した無線タグ4のタグID、各エリア内に設置された第1中継ユニット3の中継ユニットID及び第2中継ユニット3の中継ユニットIDに基づき、エリア毎に各ユーザの入室時刻及び退出時刻を取得することができる。
【0125】
これに従って、中継ユニットDB152の退出口近傍列には、中継ユニット3がエリアの退出口近傍に設置された第1中継ユニット3であるか否かを示す情報を記憶している。中継ユニットDB152の退出判別列には、中継ユニット3が当該第1中継ユニット3に隣接して設置された第2中継ユニット3であるか否かを示す情報を記憶している。
【0126】
ログデータDB154には位置列が含まれる。位置列は、無線タグ4の位置情報(例えば、緯度及び経度等)を記憶している。
【0127】
各ユーザに配布した無線タグ4は、所定の時間間隔ごとに、タグID及び位置情報を含むビーコン信号を一定値の電波強度の無線信号を出力する。中継ユニット3は、無線タグ4から出力された無線信号を受信する。中継ユニット3は、受信した無線信号から無線タグ4のタグID及び位置情報を取得する。
【0128】
中継ユニット3は、通信状態が良い隣接の中継ユニット3を送信先中継ユニット3として特定する。なお、送信先中継ユニット3の特定処理に関しては、実施形態1と同様であるため、説明を省略する。中継ユニット3は、特定した送信先中継ユニット3に、所定の時間間隔(例えば、20秒)ごとに、受信した無線タグ4のタグID、位置情報、当該タグID取得時の日時、及び当該中継ユニット3を特定する中継ユニットIDを送信する。
【0129】
制御装置2は中継ユニット3を経由して、無線タグ4のタグID、位置情報、日時及び中継ユニットIDを取得する。制御装置2は、取得したタグID、位置情報、日時及び中継ユニットIDをクラウドサーバ1に送信する。クラウドサーバ1は、制御装置2から送信されたタグID、位置情報、日時及び中継ユニットIDを受信する。クラウドサーバ1は、受信した中継ユニットIDに対応付けて、タグID、当該タグID取得時の日時及び位置情報を一つのレコードとしてログデータDB154に記憶する。
【0130】
クラウドサーバ1は、制御装置2から送信されたタグID及び中継ユニットIDに基づき、各ユーザがエリア外へ退出したか否かを判定する。クラウドサーバ1は、各ユーザのエリア外への退出情報を退出情報DB153に記憶する。なお、エリア外への退出判定処理及び退出情報の記憶処理に関しては、実施形態1での施設外への退出判定処理及び退出情報の記憶処理と同様であるため、説明を省略する。
【0131】
図16は、ユーザの動線を表示する表示画面の一例を示す説明図である。当該画面は、マップ表示欄12a、タグID表示欄12b、動線12c及び入退室情報表示欄12dを含む。
【0132】
マップ表示欄12aは、施設のマップを表示する表示欄である。タグID表示欄12bは、動線12cに対応するユーザに配布した無線タグ4のタグIDを表示する表示欄である。動線12cは、ユーザの入室時刻から退出時刻までの動線を示すラインである。入退室情報表示欄12dは、各ユーザの入室時刻及び退出時刻を表示する表示欄である。
【0133】
クラウドサーバ1は、管理者等により指定された対象日に応じて、中継ユニット3の中継ユニットID、タグID、当該タグID取得時の日時、または当該タグIDに対応位置情報等を含む時系列データをログデータDB154から取得する。クラウドサーバ1は、取得した時系列データに含まれるタグID及び中継ユニットIDに基づき、無線タグ4を配布した各ユーザが作業した施設内のエリアを特定する。具体的には、クラウドサーバ1は、中継ユニットIDに対応する施設番号及びエリア番号を中継ユニットDB152から取得する。
【0134】
クラウドサーバ1は、特定した施設内のエリアにおける各ユーザの入室時刻を時系列データから抽出する。具体的には、クラウドサーバ1は、特定したエリア番号に基づき、該当するエリアの退出口近傍に設置された中継ユニット3の中継ユニットIDを中継ユニットDB152から取得する。クラウドサーバ1は、取得した中継ユニットID、及び当該中継ユニットIDに対応するタグIDに基づき、対象日における最初に検出された時刻をエリアの入室時刻として時系列データから抽出する。
【0135】
クラウドサーバ1は、施設番号、エリア番号、タグID及び対象日に基づき、各ユーザのエリアの退出時刻を退出情報DB153から取得する。クラウドサーバ1は、取得した各ユーザの入室時刻及び退出時刻と、各ユーザに配布した無線タグ4のタグIDに対応する位置情報とに基づき、各ユーザの入室時刻から退出時刻までの動線を生成する。クラウドサーバ1は、予め大容量記憶部15に記憶された施設のマップを取得する。クラウドサーバ1は、生成した各ユーザの動線を施設マップに重畳する。
【0136】
クラウドサーバ1は、各ユーザの動線を重畳した施設のマップ、各ユーザの入室時刻及び退出時刻を表示するためのデータを端末5に送信する。端末5は、クラウドサーバ1から送信されたデータを受信して画面に表示する。
【0137】
なお、
図16では、ユーザの動線がクラウドサーバ1側で生成されたが、これに限るものではない。例えばクラウドサーバ1は、各ユーザの入室時刻、退出時刻及び位置情報を端末5に送信する。端末5は、クラウドサーバ1から送信された入室時刻、退出時刻及び位置情報に基づいて動線を生成しても良い。
【0138】
図示のように、端末5は、各ユーザの動線12cを重畳した施設のマップをマップ表示欄12aに表示する。端末5は、動線12cに対応するタグIDをタグID表示欄12bに表示する。端末5は、各ユーザの入室時刻及び退出時刻に基づき、施設の滞在時間を算出する。端末5は、ユーザ毎にユーザの氏名、無線タグ4のタグID、施設の名称、入室時刻、退出時刻、及び算出した滞在時間を入退室情報表示欄12dに表示する。
【0139】
図17は、動線が重畳された施設のマップを出力する際の処理手順を示すフローチャートである。端末5の制御部51は、管理者等による対象日の指定を入力部54により受け付ける(ステップS531)。制御部51は、受け付けた対象日を通信部53によりクラウドサーバ1に送信する(ステップS532)。
【0140】
クラウドサーバ1の制御部11は、端末5から送信された対象日を通信部13により受信する(ステップS131)。制御部11は、受信した対象日における時系列データを大容量記憶部15のログデータDB154から取得する(ステップS132)。時系列データには、中継ユニットID、タグID、当該タグID取得時の日時、または当該タグIDに対応位置情報等が含まれる。
【0141】
制御部11は、取得した時系列データに含まれるタグID及び中継ユニットIDに基づき、該当する中継ユニット3に対応する施設番号及びエリア番号を大容量記憶部15の中継ユニットDB152から取得することにより、各ユーザが作業した施設内のエリアを特定する(ステップS133)。
【0142】
制御部11は、各ユーザに配布した無線タグ4のタグIDに基づき、対象日における各ユーザのエリアの入室時刻を時系列データから取得する(ステップS134)。制御部11は、タグID、施設番号、エリア番号及び対象日に基づき、対象日における各ユーザのエリアの退出時刻を大容量記憶部15の退出情報DB153から取得する(ステップS135)。
【0143】
制御部11は、取得した各ユーザの入室時刻及び退出時刻と、各ユーザに配布した無線タグ4のタグIDに対応する位置情報とに基づき、各ユーザの入室時刻から退出時刻までの動線を生成する(ステップS136)。制御部11は、施設のマップを大容量記憶部15または外部装置から取得する(ステップS137)。制御部11は、生成した各ユーザの動線を、取得した施設のマップに重畳する(ステップS138)。
【0144】
制御部11は、各ユーザの動線を重畳した施設のマップ、各ユーザの入室時刻及び退出時刻を表示するためのデータを通信部13により端末5に送信する(ステップS139)。端末5の制御部51は、クラウドサーバ1から送信された施設のマップ、各ユーザの入室時刻及び退出時刻を通信部53により受信する(ステップS533)。制御部51は、受信した施設のマップ、各ユーザの入室時刻及び退出時刻を表示部55により表示し(ステップS534)、処理を終了する。
【0145】
また、各ユーザの現在位置が重畳された施設のマップ、及び、ユーザの施設外への退出を含む情報を表示するためのデータと、ユーザの入室時刻から退出時刻までのユーザの動線を重畳した施設のマップ、各ユーザの入室時刻または退出時刻を含むデータとを切り替えて表示することができる。
【0146】
図18は、現在位置と動線とを切り替えて表示する画面の一例を示す説明図である。当該画面は、現在位置タブ13a、動線タブ13b及び画面表示欄13cを含む。現在位置タブ13aは、施設のマップ上にユーザの現在位置を表示するためのタブである。動線タブ13bは、施設のマップ上にユーザの動線を表示するためのタブである。画面表示欄13cは、現在位置または動線の画面を表示する表示欄である。
【0147】
端末5は、現在位置タブ13aのタッチ(クリック)操作を受け付けた場合、施設のマップ上にユーザの現在位置を表示する画面(
図8)をクラウドサーバ1から取得し、取得した画面を画面表示欄13cに表示する。例えば端末5は、ユーザ毎に現在存在する位置を重畳した施設のマップと、ユーザ毎にユーザの氏名、無線タグ4のタグID、エリア名称、ユーザが施設外へ退出したか否かを示す情報、または退出日時とを画面表示欄13cに表示しても良い。なお、現在位置の表示処理に関しては、実施形態1と同様であるから、その説明を省略する。
【0148】
端末5は、動線タブ13bのタッチ操作を受け付けた場合、施設のマップ上にユーザの動線を表示する画面(
図16)をクラウドサーバ1から取得し、取得した画面を画面表示欄13cに表示する。なお、動線の表示処理に関しては、上述した処理と同様であるから、その説明を省略する。
【0149】
動線を分析して表示することにより、施設内での作業者の混雑具合、または移動しやすい作業エリアのレイアウト等の情報を収集することが可能となる。また、商業施設の利用において、当該商業施設の滞在時間の取得、時間による来店者数の比較、または当該商業施設のレイアウト等の情報を収集することが可能となる。
【0150】
更にまた、中継ユニット3を照明装置とすることにより、商業施設、倉庫またはオフィス等の各施設での照明装置が必須品として様々な場所に分散配置されている。照明装置が各施設の退出口にも配置されているので、施設外への退出を含む情報の記憶処理の実行が容易になる。その他、既存の設備を利用することができるため、新たに電源設置または配線工事等が不要となる。
【0151】
本実施形態によると、各ユーザの動線を施設のマップに重畳して表示することが可能となる。
【0152】
本実施形態によると、ユーザの動線を出力することにより、施設内の作業に移動が伴うユーザの動きを把握することが可能となる。
【0153】
(実施形態4)
実施形態4は、所定の基準時刻に基づき、各中継ユニット3の時刻を同期する形態に関する。なお、実施形態1~3と重複する内容については説明を省略する。実施形態4の位置検出システムは、時計ユニット6を含む。時計ユニット6は、FM(Frequency Modulation)電波を受信し、インターネット等のネットワークNを介して時刻情報を制御装置2に送信する。なお、時計ユニット6は、制御装置2の内部に集成され、制御装置2と一体化されても良い。
【0154】
図19は、各中継ユニット3の時刻を同期する際の処理手順を示すフローチャートである。制御装置2の制御部21は、通信部23を介して、所定の時間間隔(例えば、10分)ごとに時計ユニット6から送信された時刻情報を受信する(ステップS241)。制御部21は、当該制御装置2に隣接して設置された第1中継ユニット3に、受信した時刻情報を通信部23により送信する(ステップS242)。
【0155】
第1中継ユニット3の制御部31は、無線モジュール33の無線通信部332を介して、制御装置2から送信された時刻情報を受信する(ステップS341)。制御部31は、受信した時刻情報を記憶部32に記憶する(ステップS342)。制御部31は、無線モジュール33の無線通信部332を介して、当該第1中継ユニット3に隣接して設置された第2中継ユニット3に、受信した時刻情報を送信する(ステップS343)。
【0156】
第2中継ユニット3の制御部31は、無線モジュール33の無線通信部332を介して、第1中継ユニット3から送信された時刻情報を受信する(ステップS344)。制御部31は、受信した時刻情報を記憶部32に記憶する(ステップS345)。制御部31は、無線モジュール33の無線通信部332を介して、当該第2中継ユニット3に隣接して設置された第3中継ユニット3に、受信した時刻情報を送信する(ステップS346)。
【0157】
上述した処理によって、各中継ユニット3の時刻を同期することができる。各中継ユニット3は、ユーザに配布した無線タグ4のタグIDを受信した場合、同期された時刻情報をもとに、無線タグ4のタグID及び当該中継ユニット3の中継ユニットIDを含むデータにタイムスタンプを付与して制御装置2に送信する。タイプスタンプを付与したデータを利用することにより、たとえ通信エラーが発生しても時刻の正確性を確保することができる。
【0158】
本実施形態によると、所定の基準時刻に基づき、各中継ユニット3の時刻を同期することが可能となる。
【0159】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0160】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。
【符号の説明】
【0161】
1 情報処理装置(クラウドサーバ)
11 制御部
12 記憶部
13 通信部
14 読取部
15 大容量記憶部
151 無線タグDB
152 中継ユニットDB
153 退出情報DB
154 ログデータDB
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
1P 制御プログラム
2 制御装置
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 表示部
2P 制御プログラム
3 中継ユニット(照明装置)
31 制御部
32 記憶部
33 無線モジュール
331 ビーコン受信部
332 無線通信部
34 電源部
35 光源部
3P 制御プログラム
4 無線タグ
41 制御部
42 記憶部
43 無線通信部
44 電源部
45 GPSモジュール
4P 制御プログラム
5 情報処理端末(端末)
51 制御部
52 記憶部
53 通信部
54 入力部
55 表示部
5P 制御プログラム
6 時計ユニット