(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164089
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ビデオ面談支援システム、ビデオ面談支援プログラムおよびビデオ面談支援方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0601 20230101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q30/06 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075420
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】520465404
【氏名又は名称】株式会社アルファ・ゴリラ
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山路 司義
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB47
(57)【要約】
【課題】要求者側のリクエストにもとづき、ビデオ面談を簡易、迅速に開始できるビデオ面談支援システムを提供する。
【解決手段】ビデオ面談支援システム1は、通信ネットワーク3を通じて通信端末12、14間でなされる、オンライン会議サイト16でのビデオ面談を、面談支援コンピュータ10を用いてセッティングする支援システム1であって、面談支援コンピュータ10は、要求者が通信端末12より非オンライン会議サイト18を通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末14に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末12、14を介してオンライン会議サイト16で引き合わせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークを通じて通信端末間でなされる、オンライン会議サイトでのビデオ面談を、面談支援コンピュータを用いてセッティングするビデオ面談支援システムであって、
前記面談支援コンピュータは、要求者が通信端末より非オンライン会議サイトを通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末を介して前記オンライン会議サイトで引き合わせることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記非オンライン会議サイトは応答者が商品等を提供するための応答者サイトであり、
要求者側の通信端末は、ビデオ面談用の要求ボタンを有する前記応答者サイトの商品等提供画面の表示を可能とされ、前記要求ボタンの操作がされたのちに、前記面談支援コンピュータとの通信により前記呼出通知をするための受付画面に切り替わることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項3】
請求項2において、
応答者の通信端末は、面談用端末とIP電話端末とを含んでおり、
前記呼出通知は、前記IP電話端末による自動音声通知と、前記面談用端末への前記オンライン会議サイトへの誘導とによることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項において、
前記面談支援コンピュータは、応答者が所定時間内に応答しなかった場合に、要求者側の通信端末に、連絡先入力を誘導する表示をさせることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項5】
請求項2または3において、
前記受付画面は、要求者がビデオ面談に際して自身のカメラ画像に代えて表示されるアバターを選択可能としていることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項6】
請求項2または3において、
前記オンライン会議サイトにおいて要求者と応答者とが引き合わされたときに、すくなくとも要求者側の通信端末には、メイン画面の初期表示として、前記要求ボタンが操作された前記応答者サイトの商品等提供画面が表示されることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項7】
請求項2または3において、
前記オンライン会議サイトにおいて要求者と応答者とが引き合わされたときに、すくなくとも要求者側の通信端末には、前記要求ボタンが操作された前記応答者サイトの商品等提供画面をワンタッチ操作で表示可能とした基準画面呼出ボタンが表示されることを特徴とするビデオ面談支援システム。
【請求項8】
請求項1~3のいずれか1項に記載された前記面談支援コンピュータの動作を前記面談支援コンピュータにおいて実行可能としたことを特徴とするビデオ面談支援プログラム。
【請求項9】
通信ネットワークを通じて通信端末間でなされる、オンライン会議サイトでのビデオ面談を、面談支援コンピュータを用いてセッティングするビデオ面談支援方法であって、
前記面談支援コンピュータは、要求者が通信端末より非オンライン会議サイトを通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末を介して前記オンライン会議サイトで引き合わせることを特徴とするビデオ面談支援方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オンライン会議サイトにおいて、要求者と応答者によるビデオ面談をセッティングするビデオ面談支援システム、ビデオ面談支援プログラムおよびビデオ面談支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のリモートワークの普及により、企業間や企業内において、オンライン会議サイトを活用したビデオ会議が常態化しており、オンライン会議に関する技術が多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この種のオンライン会議サイトは、会議のホスト参加者がゲスト参加者に対し、そのサイトにおける共通のURLをリンク情報として事前にメールなどで配布しておき、約束の時間に参加者たちがリンク情報をクリックすることでオンライン会議に参加できる仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前述した従来システムにおける会議開始までの流れは、BtoBには特に問題なく実施され得るものの、BtoCの商取引などにはかならずしも使い勝手のよい流れとはなっていない。
【0006】
例えば、消費者(C)が、ある販売者(B)の電子商取引における商品等提供画面に表示された商品を自身のパソコンなどの通信端末の表示部で見て、その商品の詳細情報をいち早く入手しようとする場合に、手っ取り早い方法として、その販売者から直接情報を入手する方法、例えば商品販売担当者とのビデオ面談が考えられる。
【0007】
しかし、従来の方法で消費者がビデオ面談に参加するためには、まず前記のようなリンク情報を得るために、自身のメールアドレスの販売者への通知などの事前の約束をしなければならず、面談にこぎつけるまでに時間を要するおそれがある。また、消費者側にとって気軽な問い合わせ面談を希望しているのにもかかわらず、自身の個人情報を先方に知られてしまうというデメリットもある。
【0008】
したがって、面倒な手続を嫌う消費者は、前記従来のビデオ面談方法を用いれば購買意欲がそがれ、そのため面談にこぎつける可能性は低くなりがちである。また、販売者にとってもビジネスチャンスを逃してしまうという欠点がある。
【0009】
このような事情から、消費者、販売者のいずれにとっても、簡易に迅速に開始され得るビデオ面談が望まれていたが、従来にはそのようなビデオ面談システムは提案されていない。
【0010】
本発明は、このような事情を考慮して提案されたもので、その目的は、要求者側のリクエストにもとづき、ビデオ面談を簡易、迅速に開始できるビデオ面談支援システム、ビデオ面談支援プログラムおよびビデオ面談支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記目的を達成するために、本発明のビデオ面談支援システムは、通信ネットワークを通じて通信端末間でなされる、オンライン会議サイトでのビデオ面談を、面談支援コンピュータを用いてセッティングするビデオ面談支援システムであって、前記面談支援コンピュータは、要求者が通信端末より非オンライン会議サイトを通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末を介してオンライン会議サイトで引き合わせることを特徴とする。
【0012】
本発明のビデオ面談支援プログラムは、前記ビデオ面談支援システムにおける前記面談支援コンピュータの動作を前記面談支援コンピュータにおいて実行可能としたことを特徴とする。
【0013】
本発明のビデオ面談支援方法は、通信ネットワークを通じて通信端末間でなされる、オンライン会議サイトでのビデオ面談を、面談支援コンピュータを用いてセッティングするビデオ面談支援方法であって、前記面談支援コンピュータは、要求者が通信端末を通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末を介してオンライン会議サイトで引き合わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は前述した構成、手順とされているため、要求者側のリクエストにもとづき、ビデオ面談を簡易、迅速に開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るビデオ面談支援システムのシステム系統図である。
【
図2】同ビデオ面談支援システムの概略基本動作を示すフローチャート(要求者、面談支援コンピュータ、応答者の3者の流れを示すもの)である。
【
図3】要求者の通信端末における画面遷移(1/3)を示す図であり、
【
図4】要求者の通信端末における画面遷移(2/3)を示す図である。
【
図5】要求者の通信端末における画面遷移(3/3)を示す図である。
【
図6】(a)~(c)は、オンライン会議サイトが応答者側に提供する会議画面の表示例を示す図である。
【
図7】(a)~(c)は、オンライン会議サイトが要求者側に提供する会議画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
まず、本実施形態に係るビデオ面談支援システム1(以下、支援システム1という)の基本構成について説明する。
【0017】
本実施形態に係る支援システム1は、通信ネットワーク3を通じて通信端末12、14間でなされる、オンライン会議サイト16でのビデオ面談を、面談支援コンピュータ10を用いてセッティングするシステムである。面談支援コンピュータ10は、要求者が通信端末12より非オンライン会議サイト18を通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末14に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末12、14を介してオンライン会議サイト16で引き合わせる。
ついで、本実施形態に係る支援システム1の詳細について説明する。
【0018】
支援システム1は例えば、消費者が電子商取引において、その電子商取引を運営する販売者(企業等)に所属する担当者と面談を行うために構築された汎用のオンライン会議サイト16を利用してビデオ面談をすることを想定したシステムである。
【0019】
具体的には、販売者は商品等提供サイトを運営しており、そのサイトは商品等の購入を希望する消費者のパソコン、スマホなどの表示部付きの通信端末12にダウンロードおよび表示を可能とした商品等提供画面50を有している。この商品等提供画面50は、消費者はその画面を参照、操作しながら商品等を注文できる画面である。
【0020】
このような消費者/販売者間の電子商取引において、消費者がビデオ面談の要求者とされ、販売者がビデオ面談の応答者とされる。また、本支援システム1において非オンライン会議サイトは商品等提供サイト、つまり応答者サイト18とされる。
【0021】
ようするにこの支援システム1は、要求者が、商品等提供画面50に表示される商品等の説明を販売者よりビデオ面談を通じて受けたいときに、オンライン会議サイト16の種類やアクセス方法などを意識することなく受けることができるようにしたシステムである。そして、そのリクエストは、オンライン会議サイト16ではなく、応答者サイト18からなされるのである。
【0022】
システム構成としては、
図1に示すようにインターネットなどの通信ネットワーク3を通じて、面談支援コンピュータ10と、要求者側の通信端末12と、応答者サイト18と、応答者側の通信端末14と、オンライン会議サイト16とが接続可能とされている。
【0023】
本支援システム1は、要求者と応答者とをオンライン会議サイト16の仮想会議室で引き合わせる仲介的な役割をすくなくとも担う汎用的なシステムであってもよいし、さらにオンライン会議サイト16を含む汎用的なシステムであってもよい。
【0024】
この支援システム1で中枢的な役割を担う面談支援コンピュータ10は、仮想会議室(会議画面70)(
図6、
図7参照)に誘導するまでの待合室(受付画面60)(
図3参照)による仲介的な役割のみを担うものとしてもよいし、オンライン会議サイト16における機能をさらに担うものとしてもよい。
【0025】
すくなくとも面談支援コンピュータ10は、オンライン会議サイト16と連携しながら、オンライン会議サイト16のいずれの仮想会議室で要求者と応答者とを引き合わせるかなどを管理できるようにする必要があることはいうまでもない。
【0026】
以下に説明する実施形態は、面談支援コンピュータ10が、受付画面60と会議画面70を含むオンライン会議サイト16全体を担うものである。
【0027】
要求者側の通信端末12としては、パソコンやタブレット端末、スマホなどの、表示部を有する端末が想定される。応答者側の通信端末14としては、本例ではIP電話端末14bと、パソコンやタブレット端末、スマホなどの面談用端末14aとが想定されるが、面談用端末14aだけであってもよい。
【0028】
つぎに、要求者によるビデオ面談のリクエストから、要求者と応答者とがビデオ面談を実施するまでの基本動作の流れについて、
図2~
図7を参照しながら説明する。
【0029】
図2は、支援システム1の概略基本動作を示すフローチャートであり、要求者、支援システム1、応答者の3者に分けて図示してある。また、要求者欄および応答者欄には、通信端末12、14に対する人の操作と、通信端末12、14の動作とを区別して図示してある。
図3~
図5は、要求者側の通信端末12における画面遷移を示す図である。
図6および
図7はオンライン会議サイト16が提供する画面例を示す図である。
【0030】
要求者によるビデオ面談のリクエストは、要求者側の通信端末12に表示された応答者サイト18の商品等提供画面50に配されたビデオ面談用の要求ボタン51を操作することでなされる(
図2のS100、
図3のS200)。
【0031】
図3に示した商品等提供画面50には、商品等の画像52や価格等説明欄53、問い合わせボタン54に加え、リモート来店ボタンが配されており、このリモート来店ボタンが要求ボタン51とされる。
【0032】
商品等提供画面50の要求ボタン51が操作されると、通信端末12はリモート来店が要求されたことを面談支援コンピュータ10に通知する(
図3のS200および
図2のS100からS101への矢印)。通知を受けた面談支援コンピュータ10は、オンライン会議サイト16の受付画面60を要求者側の通信端末12に送信する(
図2のS101)。受付画面60を受信した通信端末12はその受付画面60を表示する(
図2のS102および
図4のS201)。
【0033】
受付画面60は、要求者が応答者(販売者側の担当者)とビデオ面談するための仮想待合室に対応した画面であり、かつ最終的にビデオ面談を要請するための画面であり、本図例ではアバター選択画面60A(
図4のS201)と、入店受付画面60B(
図4のS202、S203、S204)とよりなる。
【0034】
アバター選択画面60Aは、要求者がビデオ面談をする際に、画面上に映し出される人や動物のキャラクター画像である。個人消費者が販売者と初めて面談することを想定すれば、このようにキャラクター画像で消費者の実画像を代替することを選択できることで、要求者側にとって、初めて応答者にコンタクトする際の抵抗感を低減できる。また要求者側のプライバシー保護の観点から望ましい。一方で、アバター選択画面60Aで、要求者(消費者)の実画像を許容する選択ができるものであってももちろんよい。
【0035】
また、アバター選択はリモート来店直後に行われなくてもよく、その後のタイミング、例えばビデオ面談の実施が確定したタイミング(
図2のS111、
図3のS204の直後)などでアバター選択ができるものであってもよい。なお、アバター選択画面60Aを設けずに、受付画面60が入店受付画面60Bのみで構成されたものであってもよい。
【0036】
アバターが決定されると要求者側の通信端末12には入店受付画面60Bが表示され、要求者が入店ボタン60B1を操作すると、通信端末12には呼出中表示60B2に切り替わるとともに(
図2のS103および
図4のS202、S203)、入店の旨を面談支援コンピュータ10に通知する(
図2のS103からS105への矢印)。
【0037】
通知を受けた面談支援コンピュータ10は、応答者側の面談用端末14aに対し、オンライン会議サイト16の会議画面用のURLを送信し(
図2のS105)、それと同時にIP電話端末14bで担当者を呼び出す(
図2のS106)。URLは応答者側の担当者が操作できる表示用のリンク情報であればよく、メール本文などにクリック可能に配されればよい。また、IP電話端末14bに対しては、面談用端末14aへのメールを気づかせるような音声メッセージが出力されればよい。
【0038】
なお、スマホなど常時携帯している通信機器を面談用端末14aとして利用する場合は、IP電話端末14bに代えて、面談用端末14aであるスマホに直接通知する構成としてもよい。例えば、URLを含むメールの受信で音出力や通知表示がなされるようにしておけばよい。
【0039】
メール本文などに示されるURLは、オンライン会議サイト16における当該要求者と当該応答者の専用の会議用にユニークに割り当てられた仮想会議室へのリンク情報を表したものである。この仮想会議室の決定方法については後述する。
【0040】
応答者側の面談用端末14aがメールを受信し(
図2のS107)、応答者側の担当者がIP電話端末14bにより要求者の入店に気づき(
図2のS108)、面談用端末14aでURLをクリックする(
図2のS109)と、応答者側の通信端末14(面談用端末14a)は要求者の入店を受け付けたことを面談支援コンピュータ10に通知する(
図2のS109の矢印)。
【0041】
この通知を受けた面談支援コンピュータ10は、要求者側の通信端末12および応答者側の面談用端末14aのそれぞれにオンライン会議サイト16の会議画面70を送信する(
図2のS110)。
【0042】
要求者側の通信端末12では、いったんスタンバイ表示がなされ(
図2のS111、
図4のS204)、その後自動的にオンライン会議サイト16の会議画面70に切り替わり(
図2のS112、
図4のS205)、一方、応答者側の面談用端末14aではオンライン会議サイト16の会議画面70が表示される(
図2のS113)。
【0043】
その後、要求者と応答者は、オンライン会議サイト16が提供する画面(
図6(a)~(c)および
図7(a)~(c)参照)を通じて面談を行うことができる(
図2のS112、S113、
図4のS205)。
【0044】
また、
図2のS105において、面談支援コンピュータ10は応答者の面談用端末14aに対しオンライン会議サイト16の会議画面70用のURLを送信するとともにタイマーを起動している。面談支援コンピュータ10は、このタイマーがタイムアップとなるまでに応答者による面談用端末14aでのURLのクリックを判断できなかった場合には、要求者に対し要求者側の通信端末12を通じて担当者による対応ができない旨を伝え、要求者に氏名・連絡先60B3の入力を促し、入力と送信操作がなされれば、それらの情報を受信する(
図5のS203、S206)。なお、要求者に氏名・連絡先60B3の入力を促す等の条件は、タイムアウトに限定されず、入店受付画面60B(
図4のS202、S203、S204)内で折り返し連絡可能な場合、氏名・連絡先60B3の入力を促すようにしてもよい。また要求者が呼出表示中になかなか繋がらず不安感を与えないように広告表示や応答者側の紹介画面を映し出すようにしてもよい。
【0045】
その後、面談支援コンピュータ10は、受け取った要求者に関する情報を担当者にメールなどで伝えればよい。要求者が氏名・連絡先60B3を入力することなく受付画面60を終了させた場合、リモート来店はキャンセルとなる。つまりこの場合、要求者の個人情報は入力されないまま処理は終了する。
【0046】
要求者と応答者とによるビデオ面談は例えば、
図6および
図7のような表示形態で進行する。
図6(a)~(c)は応答者側の面談用端末14aの表示例であり、
図7(a)~(c)は要求者側の通信端末12の表示例である。
【0047】
いずれの通信端末12、14での画面構成は、特に限定されないが、ここではメイン画面72とサブ画面71とが同じレイアウトで表示され、メイン画面72には、要求者または応答者の実映像(あるいはアバター)が表示される例を説明する。なお、通信端末12、14での画面構成は、このほか、例えば発言した(声を発した)側がわかりやすいように、発言した側の実映像(あるいはアバター)を大きく表示したり、メイン画面72の縁が点滅するように表示してもよい。またビデオ面談中は、データ共有できる構成してもよい。
【0048】
図例のサブ画面71には、自身と相手のそれぞれの識別画像が上下に表示される。つまり、要求者側の通信端末12では、サブ画面71の上段に要求者の識別画像が表示され、下段には応答者側の担当者の識別画像が表示される一方、応答者側の面談用端末14aには、サブ画面71の上段に応答者側の担当者の識別画像が表示され、下段には要求者の識別画像が表示される。
図6、
図7のサブ画面71は、要求者がアバター選択画面60A(
図4参照)で「女性」を選択した場合の表示例である。なお識別画像としては、実映像やアバター、静止画、文字などの表示が挙げられる。
【0049】
図6(a)および
図7(a)は、要求者、応答者側の担当者がともにアバターを選択した場合の会議画面70の表示例であり、左側のサブ画面71には要求者、応答者のそれぞれが選択したアバターが表示され、メイン画面72の初期表示として、要求ボタン51が操作された応答者サイト18の商品等提供画面50が表示されている。このときは、カメラ撮影は禁止状態にある。
【0050】
この状態から、両者がともにカメラ撮影を許可すれば、
図6(b)および
図7(b)のように両者の実映像がサブ画面71に表示されるようにしてもよい。また、ビデオ面談中に共有表示を解除すれば、
図6(c)および
図7(c)のように、ビデオ面談の相手側の実映像がメイン画面72に映し出されるようにしてもよい。
【0051】
また、
図6および
図7の右下側に示すように、会議画面70にはビデオ面談中に必要に応じて商品等提供画面50をワンタッチで呼出表示できる基準画面呼出ボタン73を設けてもよい。
【0052】
商品等提供画面50は、要求者がビデオ面談を要求するきっかけとなった画面であり、ビデオ面談において必要とされる画面でもあるため、ビデオ面談が開始される初期表示がなされたり、共有データ表示とは別の簡単な操作で呼出表示ができたりすることが望ましい。要求者側からすれば、スタンバイ表示からビデオ面談の開始タイミングで商品等提供画面50が表示されることで、初めての操作であってもその操作に誤りがないことを直感的に確認でき、安心してビデオ面談を進めることができる。なお、ビデオ面談の初期表示は、商品等提供画面50に限定されず、
図6(c)や
図7(c)に示されるビデオ面談画面からスタートしてもよいし、入店受付画面60B(
図4のS202、S203、S204)に、初期表示の画面が選択できる構成としてもよい。
【0053】
ついで、仮想会議室の決定方法の一例について説明する。
面談支援コンピュータ10は、例えば要求者の要求ボタン51操作があったときに、URLを応答者側の通信端末14に送信する前に会議室を一意に識別するための会議室番号等を決定するようにしてもよい。会議室番号等はランダムな数値等を抽出して決定してもよいし、応答者ごとに割り当てられたものの中から選択決定してもよい。いずれの場合でも、入店のタイミングで使用されていないものが選ばれることはいうまでもない。
【0054】
また応答者ごとに複数の会議室番号等が割り当てられている場合、複数の商品等提供画面50のそれぞれに1対1に会議室番号等を対応させておき、要求ボタン51操作操作を通じて、会議室番号等を要求者側の通信端末12から支援コンピュータ10に通知し、受信した会議室番号等をもとにURLを生成すればよい。例えば、要求ボタン51に対応した非表示情報として会議室番号等を商品等提供画面に含ませておけばよい。
【0055】
もちろん、商品等提供画面50の識別番号と会議室番号等とを対応させた対応テーブルを面談支援コンピュータ10に保存させておいてもよい。応答者ごとに複数の会議室番号等が割り当てられる場合、対応テーブルを、商品等提供画面50の識別番号、会議室番号等にさらに担当者のメールアドレス、IP電話の電話番号を対応させたものとすることが望ましい。
【0056】
この対応テーブルの担当者のメールアドレス、IP電話の電話番号は、支援システム1(面談支援コンピュータ10)に応答者ごとにマイページ画面(不図示)を設け、その画面で登録、変更できるようにすればよい。
【0057】
以上に説明した支援システム1によれば、個人消費者などの要求者は応答者の商品等提供画面50を見ながら、商品説明を受けたいと思ったタイミングで、日時の決定やビデオ面談のURLなどの受け取りなどの事前約束を取り交わすことなく、すぐにビデオ面談を実施することができる。つまり、この支援システム1を用いれば、ビデオ面談に関して、従前は受け身であった要求者、すなわち顧客側が自身の都合のよいタイミングでビデオ面談を要求でき、ビデオ面談の開始の主導権をにぎることができる。
【0058】
また、上記支援システム1によれば、要求者は入店の段階において電話番号やメールアドレスなどの個人情報の入力が不要であるため、個人情報を明かすことなく安心してビデオ面談を実施できる。要求者はビデオ面談で対面している際に個人情報を提供すればよい。相手の顔を見ながらであるため、要求者にとって安心感が得られる。また応答者側にとっても、問い合わせがあった要求者(顧客)のすべてについて顧客情報の管理をする必要がないため手間が省け、個人情報管理のためのリソースを節約することもできる。
【0059】
さらに、上記支援システム1によれば、一般的に電子商取引では、正規な商取引サイトが悪意のあるサイトに偽装されるおそれもあるが、ビデオ面談を前提とした商品等提供画面を要求者に提供するため、そのような偽装を防止することができ、要求者及び応答者の双方にメリットがある。
【0060】
このような支援システム1は、本実施形態の図例で示した自動車の販売システムに限定されず、BtoCにおける不動産選び、家具選び、電化製品選び、洋服選び、保険の加入相談、引っ越し見積、銀行のローン相談、その他種々商品・サービスを取り扱う販売者(応答者)が有効に利用することができる。BtoCの場合の消費者(要求者)にとっても、手軽な商談ツールとして有効利用できる。もちろん、BtoBの商取引や社内のビデオ会議に利用してもよい。
【0061】
また、商品購入後のカスタマーサービスやリモート診療にも本支援システム1を活用することができる。さらに、求人サイトやお見合いサイトで利用してもよい。これらの場合、サイトの登録者や登録希望者または登録サイトの運営者が先方に面談を求める場合に利用できるが、サイトへの登録者(例えば求人サイトの場合の学生と企業)同士でのビデオ面接やビデオお見合いに利用することもできる。
【0062】
さらに、通信端末12を有しない要求者やスマホしか持たない要求者のために、ビデオ面談を簡易に実施できるように、ブースで区切った臨時面談ルームを設置し、それを例えば複数企業が共同で運営するようにしてもよい。このような臨時面談ルームが住居の近辺にあれば、自宅でビデオ面談の環境が整わない要求者であっても、商品問い合わせ、商品に対するクレーム、リモート診療、お見合いなどをプライベート空間で気軽に実施することができる。
【0063】
以上に示した実施形態では、支援システム1がオンライン会議サイトに合体したかたちで実施されるようになっており、このように複数の応答者(販売者)に対応できる汎用的なシステムとして運用することが望ましい。また、本支援システム1を汎用ツールとして応答者サイト18に組み込むようにしてもよい。つまり、応答者側ごとに仮想待合室を準備するような実施態様であってもよい。
【0064】
本支援システム1は、面談支援コンピュータ10において実行可能とした1または複数のプログラムやデータなどで構成されればよい。
【0065】
以上のようにしてビデオ面談支援方法を実現できる。すなわち、ビデオ面談支援方法は、通信ネットワーク3を通じて通信端末12、14間でなされる、オンライン会議サイト16でのビデオ面談を、面談支援コンピュータ10を用いてセッティングする方法である。面談支援コンピュータ10は、要求者が通信端末12より非オンライン会議サイト18を通じて指定した応答者に対するビデオ面談のリクエストを受け付け、当該応答者の通信端末14に呼出通知をし、要求者と応答者とを、それぞれの通信端末12、14を介してオンライン会議サイト16で引き合わせる手順とされる。
【0066】
以上に説明した実施形態は支援システム1の一例であり、特許請求の範囲を逸脱しないかぎり、どのような装置構成、手順、画面であってもよいことはいうまでもない。
【0067】
また、以上に説明した実施形態は、要求者側の通信端末12と応答者側の通信端末14とが1対1の対応であるが、1台の要求者側の通信端末12と複数台の応答者側の通信端末14とがオンライン会議サイト16に接続されて、1人の要求者と複数人の応答者とがビデオ面談をできるようにしたものでもよい。例えば、1つの商品等について、販売者(企業)内の複数の担当者や、複数の販売者(企業)による説明が必要な場合に、通信端末12、14同士を1対Nで接続してビデオ面談をできるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0068】
1 ビデオ面談支援システム
3 通信ネットワーク
10 面談支援コンピュータ
12 要求者側の通信端末
14 応答者側の通信端末
14a 面談用端末
14b IP電話端末
16 オンライン会議サイト
18 応答者サイト(非オンライン会議サイト)
50 商品等提供画面
51 要求ボタン
52 商品等の画像
53 価格等説明欄
54 問い合わせボタン
60 受付画面
60A アバター選択画面
60B 入店受付画面
70 会議画面
71 メイン画面
72 サブ画面
73 基準画面呼出ボタン