(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164122
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】エレベーター管理システム及び方法
(51)【国際特許分類】
B66B 1/18 20060101AFI20231102BHJP
B66B 3/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B66B1/18 F
B66B3/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075470
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002365
【氏名又は名称】弁理士法人サンネクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 学
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 啓
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英明
(72)【発明者】
【氏名】仲田 真大
(72)【発明者】
【氏名】飯村 知倫
(72)【発明者】
【氏名】石野 直希
(72)【発明者】
【氏名】上林 雅美
(72)【発明者】
【氏名】奥野 僚介
(72)【発明者】
【氏名】松村 慎介
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 太地
【テーマコード(参考)】
3F303
3F502
【Fターム(参考)】
3F303CA07
3F303CA10
3F303CB24
3F303DA08
3F303DB11
3F303DC05
3F502HB14
3F502JA06
3F502JA15
3F502JA19
3F502JA21
3F502KA15
(57)【要約】
【課題】防犯目的やVIPに限らない占有運転を実現する。
【解決手段】エレベーター管理システムは、建物に設けられた一つ又は複数のエレベーターの占有運転についての予約の状況を表すデータである予約管理データを基に、第1のユーザの予約を特定し、当該予約に従い占有運転の対象エレベーターのかごを第1のユーザの搭乗階に到着させる。当該システムは、当該搭乗階に到着したかごの中と外のうちの少なくとも一方において当該かごを有するエレベーターが占有運転対象であることを明示的に又は暗示的に案内する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に設けられた一つ又は複数のエレベーターの占有運転についての予約の状況を表すデータである予約管理データを基に、第1のユーザの予約を特定し、当該予約に従い占有運転の対象エレベーターのかごを第1のユーザの搭乗階に到着させる制御部と、
前記搭乗階に到着した前記かごの中と外のうちの少なくとも一方において当該かごを有するエレベーターが占有運転対象であることを明示的に又は暗示的に案内する案内部と
を備えるエレベーター管理システム。
【請求項2】
前記予約管理データは、予約毎に当該予約の予約IDを含み、
承認された予約の予約IDが前記第1のユーザに提供されており、
前記案内部は、前記占有運転の対象エレベーターについて、前記第1のユーザの占有運転の予約IDを案内する、
請求項1に記載のエレベーター管理システム。
【請求項3】
ユーザを検出し検出されたユーザが複数のユーザのうちのいずれのユーザであるかを識別するユーザ検出部を備え、
前記案内部は、前記識別されたユーザが第2のユーザの場合に、前記占有運転の対象エレベーターが前記第1のユーザの占有運転の対象であることを明示的に又は暗示的に案内する、
請求項1に記載のエレベーター管理システム。
【請求項4】
前記第2のユーザへの案内は、下記のうちの少なくとも一つである、
・前記搭乗階に到着した前記かごのドアを閉の状態に維持すること、
・前記搭乗階に到着した前記かご内の操作パネルに対する操作を無効とすること、
・前記搭乗階に到着した前記かごに乗った前記第2のユーザに対し前記かごから降りることの案内を表示又は音を通じて行うこと、
・前記第1のユーザが所定のエリアに入ったことが検知された場合に当該所定のエリアの少なくとも一部を遮蔽すること、
・前記第1のユーザが所定のエリアに入ったことが検知された場合に前記搭乗階に到着した前記かごのドアを開くこと、
請求項3に記載のエレベーター管理システム。
【請求項5】
前記案内部は、前記搭乗階に到着した前記かごに乗っている人の数が前記第1のユーザとしての人数と異なる場合、前記かごの停止の状態を維持する、
請求項1に記載のエレベーター管理システム。
【請求項6】
エレベーター管理システムにより行われる方法であって、
建物に設けられた一つ又は複数のエレベーターの占有運転についての予約の状況を表すデータである予約管理データを基に、第1のユーザの予約を特定し、当該予約に従い占有運転の対象エレベーターのかごを第1のユーザの搭乗階に到着させ、
前記搭乗階に到着した前記かごの中と外のうちの少なくとも一方において当該かごを有するエレベーターが占有運転対象であることを明示的に又は暗示的に案内する、
エレベーター管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、エレベーターの管理に関する。
【背景技術】
【0002】
エレベーターが占有される運転である占有運転が知られている。占有運転の種類として、防犯運転(例えば特許文献1)やVIP運転(例えば特許文献2)がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-290585号公報
【特許文献2】特開2019-11169号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
防犯目的やVIPに限らない占有運転の利用がニーズとしてあり得る。しかし、目的や人物が限定されていない場合、どのようにして占有運転を実現するか(例えば、他人のエレベーターかごへの乗り込みをどのようにして避けるか)が一つの課題である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
エレベーター管理システムは、建物に設けられた一つ又は複数のエレベーターの占有運転についての予約の状況を表すデータである予約管理データを基に、第1のユーザの予約を特定し、当該予約に従い占有運転の対象エレベーターのかごを第1のユーザの搭乗階に到着させる。当該システムは、当該搭乗階に到着したかごの中と外のうちの少なくとも一方において当該かごを有するエレベーターが占有運転対象であることを明示的に又は暗示的に案内する。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、防犯目的やVIPに限らない占有運転を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係るエレベーター管理システムを含むシステム全体の構成例を示す。
【
図2A】第1の実施形態に係る画面遷移の一例を示す。
【
図2B】第1の実施形態に係る画面遷移の一例を示す。
【
図3】第1の実施形態に係る予約制御処理の流れの一例を示す。
【
図4】第1の実施形態に係る運行管理処理の流れの一例を示す。
【
図5】第2の実施形態に係る予約サーバが有するデータの例を示す。
【
図6】第2の実施形態に係る予約制御処理の一部の例を示す。
【
図7】第2の実施形態に係る運行管理処理の一部の例を示す。
【
図8】第3の実施形態に係るエレベーター管理システムにおけるコンテンツ提供サーバの構成例を示す。
【
図9】第3の実施形態に係るコンテンツ関連処理の流れの一例を示す。
【
図10】第3の実施形態に係る画面遷移の例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の説明では、「通信インターフェース装置」は、一つ以上の通信インターフェースデバイスでよい。一つ以上の通信インターフェースデバイスは、一つ以上の同種の通信インターフェースデバイスであってもよいし二つ以上の異種の通信インターフェースデバイスであってもよい。
【0009】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0010】
また、以下の説明では、「永続記憶装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)でよく、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、又は、SCM(Storage Class Memory)でよい。
【0011】
また、以下の説明では、「記憶装置」は、メモリと永続記憶装置の少なくともメモリでよい。
【0012】
また、以下の説明では、「プロセッサ」は、一つ以上のプロセッサデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサデバイスでよいが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、プロセッサコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア記述言語によりゲートアレイの集合体である回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサデバイスでもよい。
【0013】
また、以下の説明では、同種の要素を区別しないで説明する場合には、参照符号のうちの共通符号を使用し、同種の要素を区別する場合は、参照符号を使用することがある。
【0014】
以下、幾つかの実施形態を説明する。なお、以下の説明では、占有運転以外の運転を、便宜上、「通常運転」と言う。
[第1の実施形態]
【0015】
図1は、第1の実施形態に係るエレベーター管理システムを含むシステム全体の構成例を示す。
【0016】
エレベーター管理システムは、予約サーバ110、管理サーバ120、通信装置191、制御装置192、IO装置193、ユーザ検出装置194、通信装置131及び制御装置132のうちの少なくとも一つを含んだシステムでよい。予約サーバ110及び管理サーバ120は、図示のように物理的に分離したサーバであってもよいし、同一の物理的な計算機システム(一つ以上の計算機)上に実現されてもよい。予約サーバ110及び管理サーバ120の少なくとも一つは、物理的な計算機システムでもよいし、物理的な計算機システムに基づく論理的なシステム(例えば、仮想計算機、又は、クラウドコンピューティングサービス)でもよい。
【0017】
建物130に、複数(又は一つ)のエレベーター133が設置されている。また、建物130に、エレベーター133毎に、エレベーター133の制御装置132及び通信装置131が設置されている。制御装置132及び通信装置131の少なくとも一つは、二つ以上のエレベーター133に共通でもよい。
【0018】
エレベーター133は、かご160を有する。かご160は、ドア61、センサセット62、かご内IO(Input/Output)装置63及び操作パネル64を有する。
【0019】
センサセット62は、一つ以上のセンサでよく、例えば、かご内を撮影するカメラ、かご160の全ユーザの重量を計測する重量センサ、及び、かご160の加速度を計測する加速度センサ等を含んでよい。
【0020】
かご内IO装置63は、かご160の内壁面に設けられたディスプレイやスピーカ等を含んでよい。また、かご内IO装置63は、かご160にいるユーザのユーザ端末100と近距離無線通信(例えば、Bluetooth通信)を行うデバイスを含んでよい(「Bluetooth」は登録商標)。ユーザ端末100は、典型的にはスマートフォンのようなモバイル型の情報処理端末である。占有運転の予約のために建物130に専用端末が設置されてもよく、占有運転の予約は、その専用端末からされてもよい。その場合、専用端末は、広義のユーザ端末の一例でよい。
【0021】
操作パネル64は、ドア61の開閉ボタンや行先階ボタンを含んでよい。
【0022】
また、少なくとも一つの階(例えば建物130の入口階)のエレベーターホールに、IO装置161が、エレベーター133の制御装置132と通信可能に備えられてよい。IO装置161は、ディスプレイやスピーカ等を含んでよい。また、IO装置161は、ユーザ端末100と近距離無線通信を行うデバイスを含んでよい。
【0023】
エレベーター133の制御装置132は、通信装置131を介してエレベーター133の管理サーバ120と通信する。
【0024】
建物130には、IO装置193、ユーザ検出装置194、制御装置192及び通信装置191が設けられていてよい。
【0025】
IO装置193は、ディスプレイ(例えばタッチパネル)やスピーカ等を含んでよい。ユーザ検出装置194は、ユーザを検出し識別する装置である。ユーザ検出装置194は、建物130の出入口(又はその他の箇所)のオートロックを行うセキュリティシステムを含んだ装置でよい。セキュリティシステムは、認証用情報の入力を受け付け、入力された認証用情報がいずれかのユーザの認証用情報と一致した場合に、建物130への進入(又は、建物130内の所定エリアへの進入)を許可するシステムでよい。認証用情報は、非接触式のキーやカードとの通信により入力されてもよいし、タッチパネルやボタン操作により入力されてもよい。IO装置193及びユーザ検出装置194は、各階に備えられてもよい。
【0026】
制御装置192は、IO装置193やユーザ検出装置194を制御してよい。制御装置192は、通信装置191を介してエレベーター133の管理サーバ120と通信してよい。
【0027】
管理サーバ120は、通信インターフェース装置121、記憶装置122及びそれらに接続されたプロセッサ123を備える。
【0028】
通信インターフェース装置121を介して、通信装置191、131及び予約サーバ110との通信が行われる。
【0029】
記憶装置122は、エレベーター運行データ181といったデータを記憶する。エレベーター運行データ181は、エレベーター133の過去、現在及び将来の運行を表してよい。エレベーター運行データ181が表す運行は、例えば、エレベーター133毎に、時刻、かご160の位置(例えば停止階及び行先階)、かご内人数、及び運転種類(例えば、上り運転か下り運転か、及び、占有運転か通常運転か)といった要素を含んでよい。
【0030】
プロセッサ123が、記憶装置122が記憶するコンピュータプログラムを実行する。これにより、運行管理部151といった機能が実現される。運行管理部151は、通信装置131を介して制御装置132に制御指示を送ることで、エレベーター133を制御する。また、運行管理部151は、通信装置131を介して制御装置132に制御指示を送ることで、IO装置193におけるディスプレイの表示を制御してよい。また、運行管理部151は、ユーザ検出装置194により識別されたユーザの認証用情報(例えばユーザのID)を受けることができる。
【0031】
予約サーバ110は、通信インターフェース装置111、記憶装置112及びそれらに接続されたプロセッサ113を備える。
【0032】
通信インターフェース装置111を介して、管理サーバ120及びユーザ端末100との通信が行われる。通信インターフェース装置111を介して、通信装置191との通信が可能でもよい。
【0033】
記憶装置112は、ユーザデータ171、実績データ172及び予約管理データ173といったデータを記憶する。
【0034】
ユーザデータ171は、ユーザ毎にユーザの属性(例えば、氏名、住所、ID(例えば認証用情報)、性別、年齢、現在位置、移動履歴(位置変更履歴)、及び嗜好のうちの少なくとも一つ)を表すデータを含む。
【0035】
実績データ172は、占有運転の予約の実績とエレベーター133の利用の実績とのうちの少なくとも一つを複数のユーザの各々について表すデータである。例えば、実績データ172は、ユーザ毎に、ユーザのID、占有運転の予約の履歴(例えば、実施予約時間の履歴)、エレベーター133の利用の履歴(例えば、利用時刻、搭乗階、目的階及び占有運転か通常運転かを利用毎に含んだ履歴)を表す。
【0036】
予約管理データ173は、占有運転の承認された予約の状況を表すデータである。例えば、予約管理データ173は、承認された予約毎に、予約ID、ユーザID、実施予約時間、搭乗階及び行先階を含んでよい。予約管理データ173は、承認された予約毎に、占有運転の対象エレベーターの号機を表すデータを含んでよい。予約の承認時点で占有運転の対象エレベーターの号機が未定の場合には、未定を表す値が含まれてよい。また、予約IDは(及び他のIDも)、数字やアルファベットの組合せでもよいし、それに代えて又は加えて、☆や〇などの記号や動物のイラストといった要素を含んでもよい。
【0037】
プロセッサ113が、記憶装置112が記憶するコンピュータプログラムを実行する。これにより、予約制御部141及びUI(User Interface)部142といった機能が実現される。予約制御部141は、占有運転の承認された予約を表すデータを予約管理データ173に登録する。予約制御部141は、記憶装置112に記憶されているデータの少なくとも一部を運行管理部151に送信することができる。UI部142は、ユーザ端末100から占有運転の予約を受け付ける。
【0038】
予約制御部141は、UI部142を通じて、UI(典型的にはGUI(Graphical User Interface))をユーザ端末100に提供する。提供されたUIは、ユーザ端末100に表示される。UIとしては、占有運転の予約を受け付けるUIである予約UIや、予約UIを通じて受け付けた予約の承認の可否を表すUIである結果UIがある。
【0039】
図2Aに例示するように、予約UI21Aは、比較的長い時間(例えば30分単位の時間帯)の選択を受け付けるUIでよい。選択された時間の予約が予約制御部141により承認された場合、予約完了を表す結果UI22Aが提供され表示される。なお、選択された時間の予約が予約制御部141により承認されなかった場合、後述の
図2Bと同様、予約失敗を表す結果UI22Bが提供され表示される。
【0040】
図2Bに例示するように、予約UI21Bは、比較的短い時間(例えば1分単位の時間)の選択を受け付けるUIでよい。選択された時間の予約が予約制御部141により承認されなかった場合、予約失敗を表す結果UI22Bが提供され表示される。なお、選択された時間の予約が予約制御部141により承認された場合、
図2Aと同様、予約完了を表す結果UI22Aが提供され表示される。
【0041】
以下、本実施形態で行われる処理の例を説明する。なお、本実施形態では、サーバ110及び120間で互いにデータが共有可能である。例えば、管理サーバ120が予約サーバ110におけるデータ171~173の少なくとも一部を取得したり参照したりすることができ、同様に、予約サーバ110が管理サーバ120におけるデータ181の少なくとも一部を取得したり参照したりすることができる。
【0042】
【0043】
予約制御部141は、占有運転のレコメンドを行う条件である予約レコメンド条件が満たされているか否かを判定する(S301)。予約レコメンド条件は、例えば、下記の全てを含んでよい。下記の第1の時間、第2の時間及び重複時間のいずれの時間も、時間帯でよい。また、少なくとも第2の時間は、占有運転の実施開始時刻でもよい。
・少なくとも一つの第1の時間が、実績データ172から特定される。第1の時間は、過去一定期間において占有運転の予約又は利用の頻度の高い時間である。
・少なくとも一つの第2の時間が、予約管理データ173から特定される。第2の時間は、占有運転実施の時間として予約可能な時間である第2の時間。
・少なくとも一つの重複時間がある。重複時間は、第1の時間と第2の時間の重複した時間である。
【0044】
S301の判定結果が真の場合(S301:YES)、占有運転の予約レコメンドが実施される(S302)。具体的には、予約制御部141により特定された少なくとも一つの予約選択肢を有する予約UI21が、UI部142によりユーザ端末100に提供される。予約選択肢は、重複時間の少なくとも一部を有する時間(時間帯)を表す情報を占有運転の予約時間を表す情報として含む。
【0045】
S301の判定結果が偽の場合(S301:NO)、又は、S302の後、予約制御部141は、UI部142を通じて占有運転の予約を受け付けたか否か判定する(S303)。占有運転の予約は、S302で提供された予約UI21を介してユーザから行われてもよいし、当該予約UI21とは別のUI(例えば、予約管理データ173が表す予約状況が反映されたカレンダーのUI)を介してユーザから行われてもよい。予約UI21経由で予約がされても、予約UI21が提供されてからの経過時間が長く他のユーザから同じ予約が先に受け付けられると、その予約は不可となり得る。
【0046】
S303の判定結果が真の場合(S303:YES)、予約制御部141は、受け付けた予約を承認する(S305)。予約制御部141は、承認された予約を表すデータを、予約管理データ173に登録する。
【0047】
S304の判定結果が偽の場合(S303:NO)、予約制御部141は、占有運転の実施時間として予約可能な時間(時間帯)を予約管理データ173から特定し、特定された時間を表す情報を、UI部142を通じて、予約元のユーザに通知する(S306)。特定された全ての時間が通知対象とされてもよいし、特定された時間のうち、当該ユーザについて実績データ172から特定される第1の時間との関係が所定の関係にある時間(例えば、少なくとも一部が第1の時間の少なくとも一部と重複する時間)が通知対象とされてもよい。
【0048】
予約制御部141は、S306の通知から一定時間内にユーザから承諾の応答があるか否かを判定する(S307)。S307の判定結果が真の場合(S307:YES)、予約制御部141は、承諾がされた予約を承認する(S305)。
【0049】
【0050】
運行管理部151は、検出され識別されたユーザが予約ユーザ(承認された予約を行ったユーザ)であるか否かを、予約管理データ173を基に判定する(S401)。ユーザの検出及び識別は、ユーザ検出装置194によりされてよい。また、ユーザの検出は、ユーザ検出装置194によりされ、ユーザの識別は運行管理部151によりされてもよい。
【0051】
S401の判定結果が真の場合(S401:YES)、運行管理部151は、占有運転の利用可の案内を、エレベーターホールにおけるIO装置161を通じて行うことを、制御装置132に実施させる(S402)。なお、予約制御部141は、同一時間帯に属する複数の予約を承認可能でよい。同一搭乗階について、同一時間帯に属する複数の予約があり、識別された予約ユーザの前に既に別の予約ユーザが識別されている場合、運行管理部151は、識別された予約ユーザの順番を決定し(例えば、いわゆる先着順のルールに従い、別の予約ユーザの順番の次の順番とし)、決定された順番と予約IDとを、エレベーターホールにおけるIO装置161を通じて案内してよい。IO装置161を通じての案内は、ディスプレイ上の案内表示でもよいし、スピーカ通じての音声案内でもよい。また、S402での案内は、予約ユーザの予約IDや順番の他に、占有運転の対象エレベーターの号機を表す情報を含んでよい。また、S402での案内は、占有運転対象エレベーターのかご160のドア61を搭乗階にて開状態とすることを含んでよい。
【0052】
S401の判定結果が偽の場合(S401:NO)、運行管理部151は、占有運転の利用不可の案内を、エレベーターホールにおけるIO装置161を通じて行うことを、制御装置132に実施させる(S403)。例えば、S403での案内は、占有運転の対象エレベーターの号機を表す情報と、占有運転は予約ユーザについてのみ行われることを表す情報とを含んでよい。また、S403での案内は、占有運転対象エレベーターのかご160のドア61を搭乗階にて閉状態とすることを含んでよい。
【0053】
S402又はS403の後、運行管理部151は、対象予約(例えば、1番目の予約)の予約時間に、占有運転の対象エレベーター133についてユーザの乗車が検出されたか否かを判定する(S404)。当該判定は、センサセット62からのデータ(例えば、重量センサ又はカメラからのデータ)を基に行われてよい。
【0054】
S404の判定結果が真の場合(S404:YES)、運行管理部151は、占有運転の案内を、かご内IO装置63を通じて行うことを、制御装置132に実施させる(S405)。S405での案内は、当該かご内IO装置63のあるエレベーター133が占有運転の対象エレベーターであることの案内と、対象予約の予約IDとを含んでよい。また、S405では、運行管理部151は、乗車したユーザが対象予約の予約ユーザであるか否かを判定する。当該判定は、かご内IO装置63が、乗車したユーザのユーザ端末100と近距離無線通信を行い、当該通信により得られた情報を基に、行われてよい。或いは、当該判定は、センサセット62からのデータ(例えば、カメラからのデータ)を基に行われてよい。
【0055】
S405の後、S406が行われる。すなわち、乗車したユーザが対象予約の予約ユーザである場合、運行管理部151は、かご160のドア61を閉じ、占有運転を開始する(対象予約において指定されている行先階にかご160を直行させる)。一方、乗車したユーザが対象予約の予約ユーザでない場合、運行管理部151は、かご160のドア61の開状態を維持する等でかご160の停止を維持する。かご160の停止の維持は、暗示的な降車案内(降車を促す案内)の一例でよく、この案内は、更に、占有運転の予約ユーザとは異なるユーザであることの音声案内や、ブザー等での警告を含んでよい。
【0056】
S404の判定結果が偽の場合(S404:NO)、運行管理部151は、所定時間待機してから(S407)、S404と同じ判定を行う(S408)。S408の判定結果が真の場合(S408:YES)、S405が行われる。
【0057】
S408の判定結果が偽の場合(S408:NO)、運行管理部151は、対象予約を解除する(S409)。例えば、運行管理部151は、対象予約の解除を予約制御部141に実行させる。予約制御部141は、対象予約に対応の予約ユーザを予約管理データ173から識別し、当該予約ユーザに対し、対象予約の解除を通知する(S410)。すなわち、
図4によれば、一旦は予約ユーザが識別されても(例えば、セキュリティシステムを通じて予約ユーザが識別されても)、予約時間にその予約ユーザの乗車が検知されない場合に、対象予約が自動解除される。
【0058】
以上が、第1の実施形態である。第1の実施形態を、例えば下記のように総括することができる。なお、下記の総括は、第1の実施形態の補足説明及び変形例の説明を含んでよい。
【0059】
防犯目的やVIPに限らない占有運転は、感染防止やストレス軽減等のメリットをユーザに与え得る。このため、そのような占有運転は多くのユーザに望まれるといったことが考えられる。
【0060】
そこで、エレベーター管理システムは、占有運転の予約を可能とする。これにより、エレベーターの適切な運行管理を維持しつつ、防犯目的やVIPに限らない占有運転を実施することができる。例えば、エレベーター管理システムは、UI部142と予約制御部141とを備える。UI部142は、建物130に設けられた一つ又は複数のエレベーター133の占有運転の予約をユーザから受け付ける予約UI21を提供する。予約制御部141は、占有運転の承認された予約の状況を表す予約管理データ173を基に、受け付けられた予約を承認するか否かを判断する。
【0061】
エレベーター133は、通常、予約無しに利用することができる。故に、占有運転の予約が負担であると、占有運転の利用がユーザにとって面倒となる。また、ユーザは、一定期間においてエレベーター133を繰り返し利用し得る(例えば、建物130が、ユーザの住まい或いはオフィスがある建物であると、ユーザは毎日エレベーター133を利用し得る)。そこで、予約制御部141は、予約管理データ173と、実績データ172(占有運転の予約の実績とエレベーターの利用の実績とのうちの少なくとも一つを複数のユーザの各々について表すデータ)とを基に、ユーザについて予約レコメンドを決定してよい。UI部142が、決定された予約レコメンドをユーザに提供してよい。「予約レコメンド」は、ユーザのための占有運転の推奨の実施タイミングを表す情報を含み占有運転予約のレコメンドである。これにより、ユーザにとって占有運転の予約負担は低い。例えば、予約UI21は、推奨の実施タイミングをユーザから受け付けるUI部品(例えば、ボタン)を含んでよい。この場合、UI部品操作(例えばボタン押下)で予約を済ますことができる。また、「実施タイミング」は、占有運転の実施時間(例えば時間帯)でもよいし実施開始時刻でもよい。
【0062】
予約制御部141は、ユーザの現在位置を基に、予約レコメンドの提供のタイミングと推奨の実施タイミングとのうちの少なくとも一つを決定してよい。これにより、ユーザの現在位置に適切なタイミングで、占有運転の予約又は利用がされることが期待される。なお、ユーザの現在位置は、ユーザ端末100が受信する位置測定信号(例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)信号)から特定された位置でもよいし、ユーザ端末100と通信する建物内端末(図示せず)の位置から推定された位置でもよい。例えば、ユーザ端末100に所定のアプリケーションプログラムがインストールされていて、当該アプリケーションプログラムが、ユーザ端末100が受信した位置測定信号から位置を特定してよい。当該アプリケーションプログラムは、特定された位置を所定の通知先(例えば予約制御部141)に通知してもよい。ユーザの現在位置に基づく予約レコメンドは、ユーザが建物130に到着するまで一回以上行われてよい。例えば、ユーザの現在位置が建物130の最寄り駅(所定位置の一例)の場合、第1の予約レコメンドが実施され、ユーザの現在位置が最寄り駅と建物130の間であり建物130から一定距離以内になった場合、第2の予約レコメンドが実施されてよい。
【0063】
予約制御部141は、実績データ172とユーザの現在位置とを基に、ユーザがエレベーター133を利用するタイミング(例えば、時間帯又は時刻)を推定し、推定されたタイミングでの占有運転を予約してよい。すなわち、予約UI21を介して受け付けた予約が承認され、且つ、その予約の通りに占有運転が実施された後、実績データ172を基に、占有運転の自動予約が行われてよい。なお、実績データ172には、各ユーザについて、予約や利用の実績に加えて、ユーザの占有運転利用までの移動の履歴(例えば、位置及び時刻を含んだデータセット又はそのデータセットの時系列)が含まれていてもよい。そのような実績データ172から、予約制御部141が、ユーザの現在位置に基づき占有運転の実施タイミングを推定することができる。
【0064】
予約制御部141は、ユーザの現在位置(及び、ユーザデータ171において当該ユーザに対応したデータ(例えば、ユーザの住まい又はオフィスの住所))を基に、占有運転の推奨の搭乗階及び行先階を決定し、決定した搭乗階及び行先階を、予約レコメンドに含めてよい。例えば、推奨の搭乗階及び行先階は、下記の通りでよい。
・ユーザの現在位置が建物130の外である場合、搭乗階は、建物130の入口がある階とされ、行先階は、ユーザの住まい又はオフィスがある階とされる。
・ユーザの現在位置が建物130の中である場合、搭乗階は、ユーザの現在位置の階(例えば、ユーザの住まい又はオフィスがある階)とされ、行先階は、建物130の出口がある階とされる。
【0065】
運行管理部151が、承認された予約に従い、当該予約に対応したユーザのために、いずれかのエレベーター133(例えば、予約に割り当てられたエレベーター133)の占有運転を実施する。しかし、同じ時間帯について複数の予約が承認され、占有運転の利用時間が競合することがあり得る。また、占有運転の予約をしていないユーザが他ユーザの予約された占有運転を意図的に利用しようとし得る。また、予約ユーザとは別のユーザが誤って占有運転の対象エレベーター133を利用し得る(なお、予約は、ユーザにより行われることに代えて又は加えて(例えば、ユーザ端末100からユーザ端末100のアプリケーション又は所定のWebサイトを通じて行われることに代えて又は加えて)、管理者により行われてもよい)。
【0066】
そこで、エレベーター管理システムは、制御部と案内部とを備える。制御部は、予約管理データ173を基に、第1のユーザ(予約ユーザの一例)の予約を特定し、当該予約に従い占有運転の対象エレベーター133のかご160を第1のユーザの搭乗階に到着させる。案内部は、当該搭乗階に到着したかご160の中と外のうちの少なくとも一方において当該かご160を有するエレベーター133が占有運転対象であることを明示的に又は暗示的に案内する。これにより、防犯目的やVIPに限らない占有運転を実現することができる。制御部及び案内部は、運行管理部151の機能と、制御装置132の機能と、IO装置161の機能と、かご内IO装置163の機能とのうちの少なくとも一つに基づく機能として実現されてよい。「明示的な案内」は、表示又は音声出力のような直接的な案内でよい。「暗示的な案内」は、ドア61の開閉のような間接的な案内でよい。
【0067】
予約管理データ173は、予約毎に当該予約の予約IDを含んでいてよく、承認された予約の予約IDが、第1のユーザに提供されてよい(例えば、結果UI22Aに、承認された予約の予約IDが表示されてよい)。案内部は、占有運転の対象エレベーターについて、第1のユーザの占有運転の予約IDを案内してよい。これにより、占有運転の対象エレベーターを第1のユーザとは別のユーザが誤って利用する可能性を低減できる。当該案内は、例えば、IO装置161及びかご内IO装置63の少なくとも一つを通じてされてよい。また、IO装置161を通じてされる案内は、占有運転の対象エレベーターの号機を含んでよい。
【0068】
エレベーター管理システムが、ユーザ検出部を含んでよい。ユーザ検出部は、ユーザを検出し検出されたユーザが複数のユーザのうちのいずれのユーザであるかを識別してよい。ユーザ検出部は、ユーザ検出装置194の機能と、制御装置192の機能と、運行管理部151の機能と、IO装置161の機能と、かご内IO装置63の機能とのうちの少なくとも一つに基づく機能として実現されてよい。案内部は、識別されたユーザが第2のユーザの場合に、占有運転の対象エレベーターが第1のユーザの占有運転の対象であることを明示的に又は暗示的に案内してよい。これにより、占有運転の対象エレベーターを第2のユーザが利用する可能性を低減できる。
【0069】
第2のユーザへの案内は、下記のうちの少なくとも一つでよい。これにより、占有運転の対象エレベーターを第2のユーザが利用する可能性を低減できる。
・搭乗階に到着したかご160のドア61を閉の状態に維持すること。
・搭乗階に到着したかご160内の操作パネル64に対する操作を無効とすること(例えば、案内部が、操作パネル64に対して行先階のボタンの押下を受けても有効としないこと)。
・搭乗階に到着したかご160に乗った第2のユーザに対しかご160から降りることの案内を表示又は音を通じて(かご内IO装置63を通じて)行うこと。
・第1のユーザが所定のエリアに入ったことが検知された場合に(例えば、ユーザ検出装置194を通じて当該検知がされた場合に)当該所定のエリアの少なくとも一部を遮蔽すること(例えば、ゲートを閉じること)。
・第1のユーザが所定のエリアに入ったことが検知された場合に搭乗階に到着したかご160のドア61を開くこと。
【0070】
案内部は、搭乗階に到着したかご160に乗っている人の数が第1のユーザとしての人数と異なる場合、かご160の停止の状態を維持してよい(例えば、かご160を開状態に維持してよい)。これにより、第1のユーザ以外のユーザの降車が促される。なお、「ユーザ」は、典型的には個人ユーザであるが、グループユーザでもよい。また、かご160における人の数の計測方法は、任意の計測方法が採用されてよい。例えば、かご160における人の数は、かご160内の荷重の検出に基づき推定されてもよいし、かご160内のカメラの映像を基に計測されてもよいし、かご160の中(又は外)において当該かご160に関し通信されるユーザ端末100の数に基づき推定されてもよいし、それらの組合せに基づき計測されてもよい。
【0071】
ユーザが常に占有運転の実施予約時間通りにエレベーター133に到着するとは限らない。このため、そのユーザのために実施予約時間通りにエレベーター133のかご160を搭乗階に到着させることが無駄になることがある。また、エレベーターの乗車時間長は、建物の高さやエレベーターの種類に依存するが、一般に、数十秒程度と短く、占有運転の実施予約時間を正確に指定することは困難である。
【0072】
そこで、エレベーター管理システムは、予約受付部、予約制御部141及び運行管理部151を有する。予約受付部は、例えばUI部142であり、占有運転の予約を受け付ける。予約制御部141が当該予約を承認し、予約完了の結果UI22Aに、「同一時間帯に複数の予約がある場合は先着順となります」といったメッセージが表示されてよい。運行管理部151は、一つ又は複数のエレベーター133の運行状況(例えば、エレベーター運行データ181が表す状況)と、占有運転の予約に対応したユーザの順序とを基に、同時間帯における複数の承認された予約の各々について、当該予約に対応した占有運転の実施順位の決定と当該予約をいずれのエレベーターに割り当てるかの決定とのうちの少なくとも一つを実施する。これにより、防犯目的やVIPに限らない占有運転の効率的な予約及び実施が可能となる。具体的には、ユーザが予約時間通りに来るとは限らないため、同時間帯に属する複数の予約が承認される。このため、その時間帯において、仮に一の予約ユーザが遅れても別の予約ユーザが時間通りに来れば、その別の予約ユーザの予約に従い占有運転が実施される。また、複数の予約ユーザがほぼ同時刻に来てしまっても、予約の順序の調整や、占有運転の対象エレベーターの割り当て制御により、複数の予約を効率的に処理することができる。例えば、同時間帯における複数の予約は、予約ユーザの先着順に処理されてよい。
【0073】
運行管理部151は、一つ又は複数のエレベーター133のうちの一つ以上のエレベーター133の各々について上り運転か下り運転であるかと、一つ以上の乗場階の各々についてユーザの識別された順序(ユーザ検出部により識別されたユーザ順序)とを基に、同時間帯における複数の予約の各々について、当該予約に対応した占有運転の実施順位の決定と当該予約をいずれのエレベーターに割り当てるかの決定とのうちの少なくとも一つを実施してよい(「占有運転の予約に対応したユーザの順序」の例が、ユーザの識別された順序である)。これにより、同時間帯における複数の予約を効率的なに処理することが可能である。例えば、
図4のS402において、下記のうちの少なくとも一つが行われてよい。
・複数の予約ユーザの予約について、搭乗階が同じ且つ運転種類が同一(例えば全てが上り運転又は全てが下り運転)の場合、それらの予約は、予約ユーザの先着順に処理されてよい。或いは、複数のエレベーター133がある場合、占有運転の対象エレベーターの数が、運行状況を基に(例えば全ての又は一部のエレベーター133の乗車率を基に)、制御されてよい。例えば、全エレベーター133の乗車率が一定値未満の場合、占有運転の対象エレベーターの数が運行管理部151により増やされてもよい。二つ以上の予約が並行して処理されてもよい(二つ以上のエレベーター133の占有運転が並行して実施されてもよい)。
・第1の予約の行先階が第2の予約の搭乗階である二つの予約がある場合、第1の予約に対応のユーザと第2の予約に対応のユーザの間に別ユーザが識別されても、先着順(ユーザの識別順)での占有運転実施の例外として、運行管理部151は、第1の予約の次に第2の予約を処理してよい。
【0074】
運行管理部151は、ユーザの現在位置を基にして、同時間帯における複数の予約の各々について、当該予約に対応した占有運転の実施順位の決定と当該予約をいずれのエレベーターに割り当てるかの決定とのうちの少なくとも一つを実施してよい(「占有運転の予約に対応したユーザの順序」の例が、複数のユーザの現在位置から定まるユーザ順序である)。例えば、ユーザ検出部が備えられていないエレベーター管理システムにおいて、運行管理部151は、複数のユーザの各々の現在位置を定期的に特定し、それら複数のユーザの現在位置の取得の都度に、予約の順序を更新してよい(例えば、建物130に近いユーザの順としてよい)。これにより、予約された占有運転の効率的な実施が可能である。
【0075】
ユーザ検出部は、建物130に設けられているセキュリティシステムを含んでよい。セキュリティシステムにより進入が許可されたユーザに対応の予約があり、且つ、当該予約に対応の実施予約時間が現在の時間帯に属している場合、運行管理部151は、当該ユーザに占有運転のためにエレベーターを割り当ててよい。これにより、セキュリティシステムでの検出を契機に占有運転のためにかご160をユーザの搭乗階に配車しておくといったことが可能である。
【0076】
運行管理部151は、同時間帯における複数の予約の複数のユーザの各々の現在位置を基にして、当該複数のユーザのうちの少なくとも一のユーザに、当該ユーザの占有運転に関する通知を送信してよい。例えば、運行管理部151は、当該複数のユーザの現在位置を基に、各ユーザについて、そのユーザが他のユーザと占有運転の時間又はエレベーター号機の競合が生じるかと、そのユーザの占有運転待ち時間との少なくとも一方を予測し、その予約の結果を表す情報を含んだ通知を、例えば電子メールやプッシュ通知(ユーザ端末100のアプリケーションを通じた通知)により、そのユーザに通知してよい。
[第2の実施形態]
【0077】
第2の実施形態を説明する。その際、第1の実施形態との相違点を主に説明し、第1の実施形態との共通点については説明を省略又は簡略する。
【0078】
図5は、第2の実施形態に係る予約サーバが有するデータの例を示す。
【0079】
予約サーバ110の記憶装置112が、データ171~173に加えて、予約条件データ174を記憶する。予約条件データ174は、占有運転について承認又は否認される予約の条件を表すデータである。
【0080】
図6は、第2の実施形態に係る予約制御処理の一部の例を示す。
【0081】
予約制御部141は、予約条件データ174から承認又は否認される予約条件を特定する(S601)。その後、
図3のS301以降が行われる。S301において、予約レコメンド条件は、特定された承認用の予約条件を満たすこと(又は、特定された否認用の予約条件を満たさないこと)を含む。
【0082】
図7は、第2の実施形態に係る運行管理処理の一部の例を示す。
【0083】
図4のS401:YESの後、運行管理部151は、対象予約の予約時間帯のエレベーター運行状況がビジーか否かを判定する(S701)。このエレベーター運行状況は、エレベーター運行データ181(例えば、過去のエレベーター運行状況の履歴)を基に予測された状況でよい。また、「ビジー」の定義は、任意の定義(例えば、予約時間帯のうち、乗車率がX%以上である時間の割合がY%以上である)でよい。
【0084】
S701の判定結果が真の場合(S701:YES)、運行管理部151は、対象予約を解除し(S702)、対象予約に対応のユーザに対し、対象予約の解除を通知する(S703)。
【0085】
第2の実施形態を、例えば下記のように総括することができる。なお、下記の総括は、第2の実施形態の補足説明及び変形例の説明を含んでよい。また、第2の実施形態において、占有運転の予約を行う者は、第1の実施形態で説明した例の通りユーザでもよいし、ユーザ以外の者でもよい。
【0086】
一般に、一回の運転で運べる乗客の数が多い程エレベーターの運行効率が高い。従って、いずれのユーザも占有運転の利用が可能となると、エレベーターの運行効率が低下することになる。
【0087】
そこで、エレベーター管理システムにおいて、予約制御部114は、占有運転について承認される予約の条件を表すデータである予約条件データ174を基に、受け付けられた予約を承認するか否かを判断する。これにより、承認用の予約条件を満たさない予約(又は、否認用の予約条件を満たす予約)は予約制御部114により否認されるので、エレベーターの運行効率の低下を抑えることができる。
【0088】
予約条件データ174が表す条件は、下記のうちの少なくとも一つでよい。これにより、エレベーターの運行効率の低下を抑えることができる。
・占有運転の実施が承認又は否認される時間帯。
・同時間帯に占有運転の対象とされるエレベーターの最大数。
・同時間帯に属する承認された予約の最大数。
【0089】
例えば、朝又は夕方の時間帯が否認用の時間帯とされることで、エレベーター133が混雑する時間帯に占有運転が利用されることを避け、以って、エレベーターの運行効率の低下を抑えることができる。また、例えば、時間帯によって占有運転の対象とされるエレベーターの最大数が異なれば(例えば、エレベーター133がやや混雑する時間帯について、占有運転の対象とされるエレベーターの最大数が少なければ)、占有運転を実施しつつエレベーターの運行効率の低下を抑えることができる。また、例えば、時間帯によって占有運転の対象とされるエレベーターの最大数が異なれば(例えば、エレベーター133がやや混雑する時間帯について、占有運転の対象とされるエレベーターの最大数が少なければ)、占有運転を実施しつつエレベーターの運行効率の低下を抑えることができる。
【0090】
予約制御部114は、予約管理データ173が表す予約の時間帯に、通常運転の頻度が一定頻度を超えている場合、当該予約を解除してよい。これにより、運行効率の低下を動的に抑えることができる。また、予約制御部114は、予約管理データ173が表す予約の時間帯に、当該予約に対応したユーザが検出されない場合、当該予約を解除してよい。これにより、無駄に占有運転が実施されて運行効率が低下することを避けることができる。また、エレベーター管理システムにおいて、通知部(例えば、UI部142)が、解除された予約に対応のユーザに予約の解除を通知してよい。これにより、予約ユーザは、予約が解除されたことを知り、再度の占有運転予約を行うか否かを決めるといったアクションをとることができる。
【0091】
なお、予約時間は、時刻ではなく時間帯とされることで、一般に乗車時間長が比較的短い乗り物であるエレベーターについて、防犯目的やVIPに限らない占有運転の実施と、運行効率低下の低減とを、例えばエレベーターの運行状況を基に行うことが期待できる。
【0092】
また、予約が解除された場合、解除された予約の次の予約に対応の占有運転が運行管理部151により実施されてもよいし、解除された予約に対応の占有運転に代えて通常運転が運行管理部151により実施されてもよい。
【0093】
また、UI部142が、予約解除用のUI(例えば、ユーザの承認された予約の一覧)をユーザに提供し、ユーザ端末100に表示された当該UIを介して、解除対象の予約の指定をユーザから受け付け、指定された予約を解除してもよい。
【0094】
また、予約制御部114は、実績データ172を基に(すなわち、ユーザの予約又は利用の実績を基に)、承認用又は否認用の予約条件を決定し、予約条件データ174に登録してもよい。例えば、ユーザの予約の頻度又はエレベーターの利用の頻度の高い時間帯が、承認用の条件として決定されてよい。
【0095】
また、予約制御部114は、エレベーターの運行状況を基に、予約条件データ174が表す少なくとも一つの条件(承認用又は否認用の条件)を更新してよい。これにより、運行状況に応じた予約の承認及び否認が可能となる。
【0096】
また、予約制御部114は、エレベーターの運行状況を基に、予約を承認するか否か、又は、同時間帯における複数の予約の順序を決めてよい。これにより、或る搭乗階から或る行先階への上り運転(占有運転又は通常運転)の次に、当該或る行先階より低い階が搭乗階の占有運転を実施するといった非効率な運行(占有運転の開始のために乗客の無いかご160の昇降を必要とした運行)の発生率を低減することが期待できる。
【0097】
また、予約制御部114は、予約条件データ174が表す条件をユーザに案内してよい。例えば、予約失敗を表す結果UI22Bに、承認用の予約条件が表示されてもよい。また、予約制御部114は、予約の自動解除があり得ることをユーザに案内してよい。例えば、予約完了を表す結果UI22Aに、「予約時間にご利用が無い場合、又は、運行状況によっては、予約を取り消す場合があります」といったメッセージが表示されてよい。
[第3の実施形態]
【0098】
第3の実施形態を説明する。その際、第1又は第2の実施形態との相違点を主に説明し、第1又は第2の実施形態との共通点については説明を省略又は簡略する。
【0099】
図8は、第3の実施形態に係るエレベーター管理システムにおけるコンテンツ提供サーバの構成例を示す。
【0100】
コンテンツ提供サーバ810は、予約サーバ110や管理サーバ120から物理的に分離したサーバであってもよいし、それらサーバ110及び120のうちの少なくとも一つと同一の物理的な計算機システム(一つ以上の計算機)上に実現されてもよい。コンテンツ提供サーバ810は、物理的な計算機システムでもよいし、物理的な計算機システムに基づく論理的なシステム(例えば、仮想計算機、又は、クラウドコンピューティングサービス)でもよい。コンテンツ提供サーバ810は、予約サーバ110におけるデータ171~173の少なくとも一部や、管理サーバ120におけるデータ181の少なくとも一部を取得したり参照したりすることができる。
【0101】
コンテンツ提供サーバ810は、コンテンツ提供システムの少なくとも一部の一例である。コンテンツ提供サーバ810は、通信インターフェース装置811、記憶装置812及びそれらに接続されたプロセッサ813を備える。
【0102】
通信インターフェース装置811を介して、通信装置131、予約制御部141、運行管理部151及びユーザ端末100の少なくとも一つとの通信が行われる。例えば、通信装置131との通信は、運行管理部151のみが可能であって、IO装置161やかご内IO装置63から出力されるコンテンツは運行管理部151に提供され、運行管理部151から通信装置131及び制御装置132を通じて出力されてよい。
【0103】
記憶装置812は、環境データ871、コンテンツデータ872及びコンテンツ履歴データ873といったデータを記憶する。
【0104】
環境データ871は、天候や気温といった環境を表すデータである。環境データ871は、天候や気温の予報データを含んでよい。
【0105】
コンテンツデータ872は、複数のコンテンツを表すデータである。例えば、コンテンツデータ872は、コンテンツそれ自体を含んでもよいし、コンテンツへのリンクを含んでもよい。「コンテンツ」は、典型的には、映像や音声等のデジタルコンテンツである。デジタルコンテンツは、一方向のコンテンツでもよいし双方向のコンテンツでもよい。
【0106】
コンテンツ履歴データ873は、コンテンツ提供及びフィードバックの履歴を表すデータである。例えば、コンテンツ履歴データ873は、コンテンツ提供毎に、提供日時、提供されたコンテンツのID、提供先のユーザのID、及び、当該コンテンツに対しユーザから得られたフィードバックを表す。
【0107】
プロセッサ813が、記憶装置812が記憶するコンピュータプログラムを実行する。これにより、コンテンツレコメンド部840といった機能が実現される。コンテンツレコメンド部840は、コンテンツの決定及び提供を行う。コンテンツレコメンド部840は、ユーザ識別部81、コンテンツ決定部82及びコンテンツ提供部83といった機能を含む。ユーザ識別部81は、ユーザを識別する。コンテンツ決定部82は、ユーザの嗜好等の属性(例えばユーザデータ171から特定)、占有運転が上り運転であるか下り運転であるか(例えば、予約管理データ173、又は、ユーザの現在位置から特定)、現在の又は占有運転の実施予約時間での天候、現在の又は占有運転の実施予約時間での気温、占有運転の実施予約時間、及び現在時刻のうちの少なくとも一つを基に、コンテンツデータ872からコンテンツを決定する。コンテンツ提供部83は、決定されたコンテンツを提供し、コンテンツ提供の履歴やコンテンツに対するフィードバックを、コンテンツ履歴データ873に登録する。
【0108】
図10は、コンテンツ関連処理の流れの一例を示す。なお、
図10を参照した説明における「ユーザ」は、説明を簡単にするために、占有運転の一予約ユーザとする。
【0109】
ユーザ識別部81は、ユーザのユーザ端末100の現在位置を取得する(S901)。コンテンツ決定部82は、取得された現在位置が条件を満たすか否かを判定する(S902)。この条件は、例えば、現在位置が建物130内であること、又は、現在位置が建物130の外の場合には現在位置が建物130から一定距離範囲内にあること、でよい。
【0110】
S902の判定結果が真の場合(S902:YES)、コンテンツ決定部82がコンテンツデータ872からコンテンツを決定し、コンテンツ提供部83がそのコンテンツをユーザ端末100に提供する(S903)。ここで決定され提供されるコンテンツは、ユーザ端末100を通じて出力されるコンテンツである。
【0111】
ユーザ識別部81は、例えばユーザ検出装置194から運行管理部151を通じて、ユーザがエレベーターホールに到着したこと或いは一定時間内に到着することを検出する(S904)。
【0112】
やがて、ユーザ識別部81は、例えばかご160におけるセンサセット62又はかご内IO装置63から運行管理部151を通じて、ユーザがかご160に乗車したことを検出する(S905)。
【0113】
S904又はS905の時点で、占有運転がされるかご160のかご内IO装置63を通じて出力されるユーザ向けコンテンツがコンテンツ決定部82により決定される。コンテンツ提供部83は、その決定されたコンテンツを、運行管理部151を通じて、かご内IO装置63に提供する(S906)。
【0114】
ユーザ識別部81は、例えばかご160におけるセンサセット62から運行管理部151を通じて、ユーザがかご160から降車したこと(又は、かご160が占有運転の行先階に到着したこと)を検出する(S907)。
【0115】
その後、ユーザ識別部81が、S903やS906で提供されたコンテンツのフィードバックの入力要求を、ユーザ端末100に送信する(S908)。例えば、ユーザ識別部81が、フィードバックの入力UIを提供する。入力UI(入力要求)には、提供されたコンテンツのIDが関連付けられていてよい。
【0116】
フィードバックが入力された場合(S909:YES)、S910が行われる。すなわち、コンテンツ決定部82は、入力されたフィードバックがどのコンテンツに対するフィードバックであるかを特定し、特定されたコンテンツについて、入力されたフィードバックを、コンテンツ履歴データ873に登録する。つまり、コンテンツ履歴データ873が更新される。また、コンテンツ決定は、ルールベースで行われてもよいし機械学習モデル(例えば、ニューラルネットワーク)を用いて行われてもよく、入力されたフィードバックを基に、コンテンツ決定のためのルールや機械学習モデルの学習が、例えばコンテンツ決定部82により行われてよい。
【0117】
第3の実施形態を、例えば下記のように総括することができる。なお、下記の総括は、第3の実施形態の補足説明及び変形例の説明を含んでよい。また、第3の実施形態において、占有運転の予約を行う者は、第1の実施形態で説明した例の通りユーザでもよいし、ユーザ以外の者でもよい。
【0118】
コンテンツ提供システムは、ユーザ識別部81、コンテンツ決定部82及びコンテンツ提供部83を含む。ユーザ識別部81は、占有運転のサービスを受け得る複数のユーザのうち占有運転のサービスを実際に受けるユーザを識別する(例えば、ユーザ検出装置194、IO装置161、センサセット62及びかご内IO装置63のうちの少なくとも一つを用いて検出されたユーザを識別する)。コンテンツ決定部82は、識別されたユーザに提供するコンテンツを決定する。コンテンツ提供部83は、占有運転の搭乗階のエレベーターホールに設けられている第1の出力装置(例えば、IO装置161の少なくとも一部)と当該占有運転の対象エレベーター133のかご160に設けられている第2の出力装置(例えば、かご内IO装置63の少なくとも一部)とのうちの少なくとも一つを通じて上記決定されたコンテンツが出力されるよう当該コンテンツを提供する(例えば、制御装置132にコンテンツを提供し、コンテンツが制御装置132によりIO装置161又はかご内IO装置63を通じて出力される)。これにより、ユーザ向けのコンテンツを、別ユーザを不快にさせ得ること無しに提供することができる。
【0119】
コンテンツ決定部82は、上記識別されたユーザが受ける占有運転が上り運転であるか下り運転であるかを識別し(例えば、予約管理データ173又はエレベーター運行データ181を基に識別し)、識別された運転が上り運転であるか下り運転であるかを基にコンテンツを決定してよい。これにより、ユーザ向けのコンテンツ(例えば、ユーザの属性に適したコンテンツ)のうち当該ユーザの推定される行動に適したコンテンツの提供が期待される。例えば、上りの占有運転については、ユーザの好みのテレビ番組の紹介コンテンツやユーザのオフィスでの業務スケジュールに適したコンテンツが決定されてよい。下りの占有運転については、ユーザの利用頻度の高いスーパーマーケットのセールス情報が決定されてよい。
【0120】
コンテンツ決定部82は、識別された運転が上り運転であるか下り運転であるかに加えて、占有運転時の時間、天候及び気温の少なくとも一つを基に、コンテンツを決定してよい。これにより、ユーザの推定される行動に一層適したコンテンツの提供が期待される。
【0121】
コンテンツ提供システムは、運行制御部を含んでよい。運行制御部は、運行管理部151の機能の少なくとも一部でよい。運行制御部は、占有運転の対象エレベーター133のかご160の昇降速度、当該かご160のドア61の開閉タイミング、当該かご160のドア61の開閉速度、当該かご160内の照明(かご内IO装置63の一部でよい)、及び、提供されたコンテンツの出力、のうちの少なくとも一つを、上記決定されたコンテンツと上記識別されたユーザの属性との少なくとも一つに応じて制御してよい。これにより、ユーザ向けのコンテンツをユーザ向けに出力することが期待でいる。例えば、コンテンツの全て又は所定の一部範囲の出力に要する時間や、コンテンツの出力されている部分に応じて、かご160の昇降速度、当該かご160のドア61の開閉タイミング、当該かご160内の照明、及び、当該かご160のドア61の開閉速度、の少なくとも一つが制御されてよい。
【0122】
例えば、運行制御部は、占有運転の搭乗階のエレベーターホールにおけるユーザのコンテンツ視聴状況(例えば、エレベーターホールに設けられたカメラ等からのデータを基に推定された状況)と、提供されたコンテンツとを基に、占有運転の対象エレベーター133のかご160の昇降速度、当該かご160のドア開の開始のタイミング、当該かご160のドア開速度、当該かご160内の照明、及び、提供されたコンテンツの第1の出力装置通じての出力、のうちの少なくとも一つを制御してよい。これにより、エレベーターホールにいるユーザに対し、当該ユーザ向けのコンテンツを当該ユーザ向けに適切に提供することが期待される。
【0123】
また、例えば、運行制御部は、占有運転対象のエレベーター133のかご160内におけるユーザのコンテンツ視聴状況(例えば、かご160内のカメラ等からのデータを基に推定された状況)と、提供されたコンテンツとを基に、当該かご160の昇降速度、当該かご160のドア開の開始のタイミング、当該かご160のドア開速度、当該かご160内の照明、及び、提供されたコンテンツの第2の出力装置通じての出力、のうちの少なくとも一つを制御してよい。これにより、かご160にいるユーザに対し、当該ユーザ向けのコンテンツを当該ユーザ向けに適切に提供することが期待される。
【0124】
ユーザのために提供されたコンテンツに関するフィードバックを基に(例えば、フィードバックを基に学習されたルール又は機械学習モデルを用いて)、コンテンツ決定部82は、当該ユーザについて、コンテンツを決定してよい。これにより、ユーザ向けに一層適切なコンテンツの提供が期待される。
【0125】
ユーザは、エレベーター外(かご160外)ではユーザ端末100でコンテンツを受信し視聴できる。しかし、エレベーター内では、電波が入りにくいといった理由により、エレベーター外から引続きユーザ端末100でコンテンツを受信し視聴することは困難である。すなわち、エレベーター外からエレベーター内への一連の移動において、コンテンツが出力されるデバイスが、ユーザ端末100とかご内IO装置63とに物理的に分離することになる。
【0126】
そこで、決定されたコンテンツは、エレベーター外向けの(例えば、占有運転の対象エレベーターのかごに乗る前に出力される)第1のコンテンツと、エレベーター内向けの(例えば、かご内で出力される)第2のコンテンツでよい。第1のコンテンツは、ユーザ端末100に提供されてよい。第1のコンテンツは、ユーザ端末100の専用アプリケーションにより出力されてもよいし汎用Webブラウザにより出力されてもよい。コンテンツ提供部83は、占有運転の予約済のユーザの現在位置に応じたコンテンツを当該ユーザに提供してよい。
【0127】
これにより、占有運転を利用することになっているユーザに対し、かご160内での第2のコンテンツの出力の前に、第2のコンテンツの視聴につながる第1のコンテンツの出力をかご160に当該ユーザが乗車する前に提供し、以って、全体として、ユーザ向けに一層適切にコンテンツを提供することができる。第1及び第2のコンテンツは同時に決定されてもよいし、第1のコンテンツの決定の後に第2のコンテンツが決定されてもよい。
【0128】
例えば、ユーザの属性として「好きな映画:ホラー映画」があるとする。また、ユーザの現在位置がエレベーター外であることが検出されたとする(例えば、ユーザ端末100からの現在位置を表す信号から検出)。この場合、
図10に例示するように、第1のコンテンツの一例として、近日上映のホラー映画の案内コンテンツ1110が、コンテンツ提供部83か提供され、ユーザ端末100に表示される。
【0129】
案内コンテンツ1110に対してYESボタンが押下されたとする。また、ユーザが占有運転の対象エレベーターのかご160に乗車したことが検出されたとする(例えば、この検出を表す情報が運行管理部151からコンテンツ提供部83に通知されたとする)。コンテンツ提供部83が、第2のコンテンツとして、近日上映のホラー映画に関するコンテンツ1120(例えば、宣伝用の映像)を提供し、制御装置132を通じて、コンテンツ1120が、かご内IO装置63に表示されてよい。また、運行制御部は、第2のコンテンツに応じて、かご160内の照明を制御してよい(例えば、点滅又は消灯させてよい)。また、コンテンツ1120を基に、かご160の昇降速度、ドア61の開閉タイミングや開閉速度が、運行制御部により制御されてよい。
【0130】
占有運転が終了しユーザがかご160から降車したことが検出されたとする(例えば、この検出を表す情報が運行管理部151からコンテンツ提供部83に通知されたとする)。ユーザ識別部81が、コンテンツ1110や1120のフィードバックの入力要求を、ユーザ端末100に送信する。例えば、当該入力要求に関連付けられている問合せが表示された入力UI1130がユーザ端末100に表示される。入力UI1130を介してフィードバックが入力された場合、メッセージのUI1140が表示され、コンテンツ決定部82が、フィードバックを基に上述のルールや機械学習モデルを学習してもよい。
【0131】
第1のコンテンツと第2のコンテンツの連携は、
図10が示した例に限られない。例えば、第1のコンテンツは、クイズでよく、第2のコンテンツは、クイズの回答でよい。また、第2のコンテンツには、第1のコンテントに関わらず、かご160から降車した後のユーザの行動に影響が生じる可能性が高いと判定されたトピック等(ユーザの属性から判定されたトピック等)のリストが含まれてもよい。
【0132】
以上、幾つかの実施形態を説明したが、これらは本発明の説明のための例示であって、本発明の範囲をこれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。本発明は、他の種々の形態でも実行することが可能である。例えば、第1乃至第3の実施形態の各々は、当該実施形態以外の実施形態の少なくとも一部の要素を含んでよい。また、建物130は、居住用スペース又はオフィススペースを含む建物(例えば、マンションやオフィスビル)でもよいし、そのような建物に限らず、商業施設としての建物でもよいし、宿泊施設としての建物でもよい。また、少なくとも一つの実施形態において、運行管理部151は、複数のエレベーター133のうちの占有運転の対象エレベーターの数を、複数のエレベーター133の通常運転の頻度(例えば、時間帯における通常運転の総時間長の割合)を基に変更してよい。例えば、通常運転の頻度が第1の頻度以上に(又は、所定の頻度増加量を超えて)高くなれば、占有運転の対象エレベーターの台数が減らされてよく、通常運転の頻度が、第2の頻度未満に(又は、所定の頻度減少量を超えて)低くなれば、占有運転の対象エレベーターの台数が増やされてもよい。占有運転の対象エレベーターの台数が減らされた場合、予約制御部141が、占有運転の対象エレベーターの変更後の台数の通知を運行管理部151から受け、変更後の台数に応じて、占有運転の一部の予約を自動キャンセルし、予約がキャンセルされたことの通知を、当該予約を行ったユーザに通知してよい。
【符号の説明】
【0133】
110:予約サーバ、120:管理サーバ、910:コンテンツ提供サーバ