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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164154
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】装身具
(51)【国際特許分類】
   A44C 7/00 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A44C7/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075506
(22)【出願日】2022-04-28
(71)【出願人】
【識別番号】520204065
【氏名又は名称】VLV株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125265
【弁理士】
【氏名又は名称】貝塚 亮平
(72)【発明者】
【氏名】黒川 園子
(72)【発明者】
【氏名】黒川 雄太
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA02
3B114AA03
3B114EA02
(57)【要約】
【課題】ボディピアスなど装身具の形状や構造の最適化を図ることで、装着が容易であり、かつ、使用時の快適性や安全性を向上させることができる装身具を提供する。
【解決手段】身体に装着する装身具(100)であって、全体が略ハート型の環状に形成された本体部(10)は第一の部分(11)と第二の部分(12)とを有し、第一の部分(11)の一端(11a)と第二の部分(12)の一端(12a)とを回動可能に連結する回動連結機構(7)と、第一の部分(11)の他端(11b)と第二の部分(12)の他端(12b)とを離脱可能に係合する係脱機構(8)と、を有し、第一の部分(11)の他端(11b)には、身体の貫通穴(P)に挿入される挿入部(13)を有し、挿入部(13)の直径は1.0mm以上であり、回動連結機構(7)の支点(7a)が左上端部(5)から右上端部(6)の間の範囲以外の位置に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着する装身具であって、
最も下側に位置する下端部と、
横方向の一方の側(左側)において最も外側に位置する第一横端部と、
横方向の他方の側(右側)において最も外側に位置する第二横端部と、
前記下端部よりも前記横方向の一方の側において最も上側に位置する第一上端部と、
前記下端部よりも前記横方向の他方の側において最も上側に位置する第二上端部と、
前記横方向において前記第一上端部と前記第二上端部との間に配置された上中央部と、を有して全体が略ハート型の環状に形成された本体部を備え、
前記本体部は、第一の部分と、前記第一の部分とは別体として設けられた第二の部分と、を有し、
前記第一の部分の一端と前記第二の部分の一端とを支点を中心に回動可能に連結する回動連結機構と、
前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とを離脱可能に係合する係脱機構と、を有し、
前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とのいずれか一方は、当該装身具を身体に形成された貫通穴に装着する際に当該貫通穴に挿入される挿入部の一部であり、
前記挿入部の直径は1.0mm以上であり、
前記回動連結機構の前記支点が前記第一上端部から前記第二上端部の間の範囲以外の位置に配置される
ことを特徴とする装身具。
【請求項2】
前記回動連結機構の前記支点が前記第一上端部と前記下端部との間であって、かつ、前記下端部よりも前記第一横端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記回動連結機構の前記支点は、前記下端部及び前記上中央部よりも前記横方向の一方の側に配置され、
前記係脱機構は、前記下端部及び前記上中央部よりも前記横方向の他方の側に設けられ、
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とのいずれか一方は、前記第二横端部よりも前記下端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項4】
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とのいずれか一方は、前記下端部と前記第二横端部との間であって、かつ、前記第二横端部よりも前記下端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項5】
前記挿入部は、前記本体部における前記第二横端部と前記下端部との間に設けられ、かつ少なくともその一部が略直線状である
ことを特徴とする請求項4に記載の装身具。
【請求項6】
前記第一の部分の前記他端の径と前記第二の部分の前記他端の径とが同径である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項7】
前記係脱機構が係合した状態において、前記第一の部分の前記他端の外側面と前記第二の部分の前記他端の外側面とが一致している
ことを特徴とする請求項6に記載の装身具。
【請求項8】
前記係脱機構は、前記第二の部分の前記他端と前記第一の部分の前記他端とのいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられて前記凸部が嵌合する凹部とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、身体に装着する装身具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、身体の装飾に使用される身飾品(いわゆるアクセサリ)として、例えば特許文献1に示すように、耳垂(耳朶)などに装着するピアスなどの装身具がある。ピアスは、専用の穿穴器によって耳垂などに小穴(以下、「ピアスホール」という。)を穿設し、このピアスホールにピンやリングを挿通して装飾部を固定する。こうしたピアスは、耳垂への装着に限らず、近年では、耳の他の部位や身体の耳以外の部位に穿設したピアスホールに装着するものが増えている。一例として、例えば、耳の軟骨部にピアスホールを穿設して装着するピアス(ボディピアス)が知られている。ボディピアスは、一般的に耳たぶに形成するピアスホールよりも大きな、穴径1.0mm以上のピアスホールに挿通するように、挿入部分の軸径が太くなっている。また、特にハート型のボディピアスとして非特許文献1に示すようなものが知られている。これは、ヒンジの支点周りにピアスを開閉し、ヒンジと反対側の端部同士の係合機構により身体に着脱できるようにしたものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6583976号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ボディピアス専門店ROQUE楽天市場店ウェブサイト(ボディピアス 18G 16G 14G ハート ワンタッチ セグメントクリッカー)[2022年4月27日検索]、インターネット、<URL:https://item.rakuten.co.jp/auc-roque/tsa-bcr001-j9/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記非特許文献1に示すような耳垂以外のピアスホールに装着するハート型のボディピアスでは、ヒンジの支点がハートの上中央部の窪み近傍に設けられているため、開く際にハートの左右の上端部分同士が干渉する。そのため、装着のための十分な隙間を空けて開くことができなかった。あるいは、十分な隙間を空けて開くことができるようにするためにハートの左右の形状を歪ませて逃がし部分を設ける必要があり、ハートのシェープが崩れることなどで良好なデザイン性を阻害されるおそれがあった。
【0006】
本発明は上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ボディピアスなど装身具の形状や構造の最適化を図ることで、高いデザイン性を確保できるようにしながらも、装着が容易であり、かつ、使用時の快適性や安全性を向上させることができる装身具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明にかかる装身具は、身体に装着する装身具(100)であって、最も下側に位置する下端部(1)と、横方向の一方の側(後述する実施形態における左側)において最も外側に位置する第一横端部(3)と、横方向の他方(反対)の側(後述する実施形態における右側)において最も外側に位置する第二横端部(4)と、前記下端部(1)よりも前記横方向の一方の側において最も上側に位置する第一上端部(5)と、前記下端部(1)よりも前記横方向の他方の側において最も上側に位置する第二上端部(6)と、前記横方向において前記第一上端部(5)と前記第二上端部(6)との間に配置された上中央部(2)と、を有して全体が略ハート型の環状に形成された本体部(10)を備え、前記本体部(10)は、第一の部分(11)と、前記第一の部分(11)とは別体として設けられた第二の部分(12)と、を有し、前記第一の部分(11)の一端(11a)と前記第二の部分(12)の一端(12a)とを支点(7a)を中心に回動可能に連結する回動連結機構(7)と、前記第一の部分(11)の他端(11b)と前記第二の部分(12)の他端(12b)とを離脱可能に係合する係脱機構(8)と、を有し、前記第一の部分(11)の他端(11b)と前記第二の部分(12)の他端(12b)とのいずれか一方は、当該装身具を身体に装着する際に当該身体に形成された貫通穴(P)に挿入される挿入部(13)を含み、前記挿入部(13)の直径(挿入方向に対して直交する断面の直径)は1.0mm以上であり、前記回動連結機構(7)の前記支点(7a)が前記第一上端部(5)から前記第二上端部(6)の間の範囲以外の位置に配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明にかかる装身具によれば、回動連結機構の支点が本体部における第一上端部から第二上端部の間の範囲以外の位置に配置されることで、第一の部分に対して第二の部分を開いたとき(係脱機構を離脱させたとき)に、当該第二の部分が第一の部分(特に、第一の部分の第一上端部又は第二上端部)と干渉する(接触する)ことを抑制できる。したがって、本体部が略ハート型の形状でありながら、第一の部分に対する第二の部分の離間間隔(開く大きさ)を大きくすることが可能な開閉式の装身具を提供できる。このように、第一の部分に対して第二の部分を大きく開くことができるので、本発明の装身具が身体の耳などに形成した穴(ピアスホール)に装着するピアスの場合、身体の被装着部(穴)への装着が容易となる。特に、耳の軟骨部分や身体の耳以外の部位に形成した貫通穴に装着するボディピアスの場合、貫通穴の位置によっては装身具の装着が非常に行い難い可能性があるところ、本発明の装身具によれば、そのようなボディピアスであっても良好な装着性を確保でき、使用感を効果的に向上させることが可能となる。
【0009】
また、本発明の装身具では、前記回動連結機構(7)の前記支点(7a)が前記第一上端部(5)と前記下端部(1)との間であって、かつ、前記下端部(1)よりも前記第一横端部(3)に近い位置に配置されてもよく、より好ましくは、前記第一横端部(3)と前記下端部(1)との間であって、かつ、前記下端部(1)よりも前記第一横端部(3)に近い位置に配置されるとよい。
【0010】
この構成によれば、回動連結機構の支点を第一上端部又は第一横端部と下端部との間に配置しながらも、第二の部分における下端部と回動連結機構の支点との間の部分の長さをより長い寸法にすることができるので、回動連結機構を支点とする第二の部分の回動範囲をより広く(大きく)することができる。したがって、第一の部分に対して第二の部分をより大きく開くことができるようになるので、装身具の良好な装着性を更に高めることができる。
【0011】
また、この構成によれば、ハート型の本体部における湾曲が緩やかな部分(実質的に湾曲していない略直線状の部分)に回動連結機構を配置することで、第一の部分に対して第二の部分を開いた際に、第一の部分と第二の部分が干渉することをより確実に抑制できる。また、この構成により、第一の部分に対して第二の部分を開く際の干渉を避けるための逃がし部分を減らすことができるので、本体部の外形として、逃がし部分のための窪みなどの余計な形状を極力少なく抑えたシームレスなハート形状を実現することができる。
【0012】
また、本発明の装身具では、前記回動連結機構(7)の前記支点(7a)は、前記下端部(1)及び前記上中央部(2)よりも前記横方向の一方の側に配置され、前記係脱機構(8)は、前記下端部(1)及び前記上中央部(2)よりも前記横方向の他方の側に設けられ、前記挿入部(13)の一部である前記第一の部分(11)の他端(11b)と前記第二の部分(12)の他端(12b)とのいずれか一方は、前記第二横端部(4)よりも前記下端部(1)に近い位置に配置されてもよい。
【0013】
この構成によれば、第一の部分に対して回動する第二の部分の長さをより長くすることができるので、第一の部分に対して第二の部分が開く大きさをより大きくすることができる。また、装身具を身体に装着する際に身体に形成された穴(ピアスホール)に挿入される挿入部の先端を第一の部分の下端部に配置することができるので、身体に形成された穴(ピアスホール)に対する挿入部の挿入の容易化を図ることができる。
【0014】
また、本発明の装身具では、前記挿入部(13)の一部である前記第一の部分(11)の他端(11b)と前記第二の部分(12)の他端(12b)とのいずれか一方は、前記下端部(1)と前記第二横端部(4)との間であって、かつ、前記第二横端部(4)よりも前記下端部(1)に近い位置に配置されてもよい。
【0015】
また、本発明の装身具では、前記挿入部(13)は、前記本体部(10)における前記第二横端部(4)と前記下端部(1)との間に設けられ、かつ少なくともその一部が略直線状であってもよい。
【0016】
この構成によれば、挿入部を第二横端部と下端部との間に配置することで縦に貫通したピアスホールに対して上から下方向に挿入して装着することができ、装着作業がし易くなる。また、挿入部の少なくとも一部を略直線状にすることでピアスホールに対してスムーズに挿入することができ、ピアスホール内で挿入部の先端が引っかかることを防止できる。
【0017】
また、本発明の装身具では、前記第一の部分(11)の前記他端(11b)の径(第一の部分の長手方向に直交する断面の径)と前記第二の部分(12)の前記他端(12b)の径(第二の部分の長手方向に直交する断面の径)とが同径であってもよい。
【0018】
この構成によれば、第一の部分の他端の径と第二の部分の他端の径とが同径であることで、閉じた係脱機構の外側面に段差がない状態となる。したがって、装身具を装着しているときに、身体に形成されたピアスホールの内面に装身具(係脱機構の外側面)が引っかかるおそれがなく、装着による痛みや不快感を無くすことができ、装着感を向上させることができる。
【0019】
また、本発明の装身具では、前記係脱機構(8)が係合した状態において、前記第一の部分(11)の前記他端(11b)の外側面と前記第二の部分(12)の前記他端(12b)の外側面とが一致していてもよい。
【0020】
この構成によれば、係脱機構における第一の部分と第二の部分とのつなぎ目の外側面が一致していることで、外観上、当該つなぎ目が目立たずに済むので、装身具の外観デザインを良好にすることができる。また、つなぎ目の外側面が一致していることで、装身具を身体に形成した貫通穴に装着する際につなぎ目(段差)がひっかかるおそれが無く、装着性に優れた装身具となる。また、装着中も身体の穴やその内部にある軟骨などにつなぎ目がひっかからないので、良好な装着感を得ることができる。
【0021】
また、本発明の装身具では、前記本体部(10)は、前記第一の部分(11)における前記他端(11b)及び該他端(11b)を含む一部が前記身体に形成した貫通穴に挿入される挿入部(13)であってもよい。
【0022】
また、本発明の装身具では、前記係脱機構(8)は、前記第二の部分(12)の前記他端(12b)と前記第一の部分(11)の前記他端(11b)とのいずれか一方に設けた凸部(8a)がいずれか他方に設けた凹部(8b)に嵌合する構成であってよい。またその場合、前記凸部(8a)は、前記第二の部分(12)の前記他端(12b)の端面、又は前記第一の部分(12)の前記他端(12b)の端面に設けられて前記第二の部分(12)又は前記第一の部分(11)の長手方向に延びる軸であり、前記凹部(8b)は、前記第一の部分(12)の前記他端(12b)の端面、又は前記第二の部分(12)の前記他端(12b)の端面に設けられて前記第一の部分(11)又は前記第二の部分(12)の長手方向に延びる穴であってもよい。
【0023】
この構成によれば、凸部が凹部に対して軸方向に差し込まれて嵌合するので、係脱機構が係合した状態(第二の部分が閉じた状態)で、凸部と凹部が係脱機構の内部に埋没し、これらが外観に現れない(完全に隠れる)状態となる。したがって、係脱機構を有する装身具の外観のデザイン性を向上させることができる。また、係脱機構の外側面をつなぎ目や段差のないシームレスなものとすることが可能となるので、装身具の装着感も向上させることができる。
なお、上記の括弧内の符号は、後述する実施形態の対応する構成要素の符号を本発明の一例として示したものである。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる装身具によれば、ボディピアスなど装身具の形状や構造の最適化を図ることで、装着の容易化を図ることができ、また、使用時の快適性や安全性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明にかかる装身具の第一実施形態であるハート型のボディピアスの正面図(係脱機構を閉じた状態の図)である。
図2】ハート型のボディピアスの正面図(係脱機構を開いた状態の図)である。
図3】ハート型のボディピアスの斜視図(係脱機構を開いた状態の図)である。
図4図1のX-X矢視断面図である。
図5】ハート型のボディピアスを耳に装着する手順を説明するための図である。
図6】本発明にかかる装身具の第二実施形態であるハート型のボディピアスの正面図(係脱機構を閉じた状態の図)である。
図7】本発明にかかる装身具の第三実施形態であるハート型のボディピアスの正面図(係脱機構を閉じた状態の図)である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔第一実施形態〕
図1乃至図4は、本発明にかかる装身具の第一実施形態であるハート型のボディピアスを示す図で、図1は後述する係脱機構を閉じた状態(係合させた状態)の正面図、図2は係脱機構を開いた状態(離脱した状態)の正面図、図3は、係脱機構を開いた状態の斜視図、図4図1のX-X矢視断面図である。これらの図に示すように、本実施形態のボディピアス100は、ステンレスやシルバー(銀)、プラチナ、金などの金属の鋳造品で、略ハート型の環状に形成された本体部10を備えて構成されている。このボディピアス100は、後述するように、本体部10を身体に形成されたピアスホールに直接挿通して装着するものである。なお、以下の説明で上、下というときは、図1に示すようにボディピアス100を正面から見たとき(正面視)の上、下を指すものとし、左、右というときは、同じく図1に示すようにボディピアス100を正面から見たときの左、右(正面から見て向かって左、右)を指すものとする。より詳細には、後述の下端部1から上中央部2に向かう方向を上、上中央部2から下端部1に向かう方向を下、左端部3から右端部4に向かう方向を右、右端部4から左端部3に向かう方向を左とする。
【0027】
ボディピアス100の形状をより詳細に説明すると、本体部10は、断面が略円形の軸状(棒状)で全体が略ハート型の環状に形成されており、図1などに示す正面視において、最も下側に位置する下端部1(正面視のハート形状において外側に凸の頂端部)と、左側(横方向の一方の側)において最も外側に位置する左端部(第一横端部)3と、右側(横方向の他方の側)において最も外側に位置する右端部(第二横端部)4と、下端部1よりも左側(横方向の一方の側)において最も上側に位置する左上端部(第一上端部)5と、下端部1よりも右側(横方向の他方の側)において最も上側に位置する右上端部(第二上端部)6と、横方向において左上端部5と右上端部6との間に配置された上中央部2とを有する。上中央部2は、正面視のハート形状において左上端部5と右上端部6に対して下端部1の方向に凹んだ凹部の中央部分である。なお、上中央部2は、下端部1から上方(真上方向)に離間する位置に配置されている。そして、この本体部10は、下端部1から左端部3、左上端部5をこの順に通って上中央部2に至る経路(左側の経路)L1と、下端部1から右端部4、右上端部6をこの順に通って上中央部2に至る経路(右側の経路)L2とを備えている。また、本実施形態では、本体部10における下端部1から左端部3に向かって(左斜め上方向へ)延びる部分、及び下端部1から右端部4に向かって(右斜め上方向へ)延びる部分は、いずれも略直線状である。これらによって、本体部10はその全体が略ハート型の環状に形成されている。
【0028】
また、本体部10は、当該本体部10の一部である第一の部分11と、同じく本体部10の一部であって第一の部分11とは別体として設けられた第二の部分12とを備えている。ここで、第二の部分12は、本体部10における下端部1から左端部3に向けて延びる略直線状の部分の一部と、下端部1から右端部4に向けて延びる略直線状の部分の一部とで構成されている。別言すると、第二の部分12は、下端部1を含む略L字型の部分である。第一の部分11は、本体部10における第二の部分12を除いた残りの部分で構成されている。
【0029】
そして、第一の部分11の一端(左側の下端)11aと第二の部分12の一端(左側の上端)12aとを支点7aを中心に回動可能に連結する回動連結機構7と、第一の部分11の他端(右側の下端)11bと第二の部分12の他端12b(右側の上端)とを離脱可能に係合する係脱機構8とを有している。支点7aはハート形状の上下方向および左右方向に交差する方向(略直交する方向)に延びる回転中心軸を含む。また、本実施形態では、下端部1から第二の部分12の一端12aまでの距離は、下端部1から第二の部分12の他端12bまでの距離よりも長い。
【0030】
回動連結機構7は、図4に示すように、第一の部分11の一端11aに設けた二つの突出片15A,15Bと、第二の部分12の一端12aに設けた一つの突出片16とを備える。突出片15A,15Bは、第一の部分11の一端11aにおいて本体部10の幅方向(支点7aの回転軸方向)に所定間隔を空けて設けられており、突出片16は、第二の部分12の一端12aにおいて本体部10の幅方向(支点7aの回転中心軸方向)の中央に設けられており、突出片15A,15Bの間(隙間)に突出片16が介在している。そして、突出片15A,15Bそれぞれに設けた貫通穴15a,15bと突出片16に設けた貫通穴16aとに円柱状のピン17が挿通されていることで、このピン17(中心軸)を支点7aとして突出片15A,15Bと突出片16とが相対的に回動するように構成されている。これにより、第二の部分12が第一の部分11に対して支点7aを中心に回動するようになっている。なお、ピン17は突出片15A,15Bの貫通穴15a,15bに溶接で固定されている。
【0031】
なお、本実施形態では、回動連結機構7の支点7aの構成として、突出片15A,15Bの貫通穴15a,15bと突出片16の貫通穴16aとにこれらとは別部材のピン17を挿通する構成を示したが、これ以外にも、図示は省略するが、例えば、互いに対向する突出片15A,15Bそれぞれの内側面と突出片16の外側面のいずれか一方と一体に設けたられた小突起がいずれか他方に設けた貫通穴または凹部(溝部)に挿入されて、第一の部分11の一端11aと第2の部分12の一端12aが支点を中心に回転するように係合する構成にすることなども可能である。また、回動連結機構7の2つの突出片15A,15Bを第2の部分12の一端12a側に設け、それらの間に配置される突出片16は第1の部分11の一端11aに設けても良い。なお、本発明における回動連結機構の具体的な構成は本実施形態に限定されず、第1の部分11の一端11aと第2の部分12の一端12aに各1つずつの突出片を設け、それらを回転可能に連結する構成等であってもよい。
【0032】
また、本実施形態では、図1などに示すように、回動連結機構7の支点7aが本体部10における左端部3と下端部1との間であって、かつ、下端部1よりも左端部3に近い位置に配置されている。また、本実施形態では、回動連結機構7の支点7aは、本体部10における下端部1及び上中央部2よりも左側(横方向の一方の側)に配置されており、かつ下端部1よりも左端部3に近い位置に配置されている。また、本実施形態の回動連結機構7の支点7aは、本体部10における上中央部2と第一上端部5の間又は上中央部2と第二上端部6の間の範囲(第一上端部5から第二上端部6の間の範囲)(図1に示す範囲S)以外の位置に配置されている。
【0033】
係脱機構8は、第二の部分12の他端12bに設けた凸部8aが第一の部分11の他端11bに設けた凹部8bに嵌合する構成である。凸部8aは、第二の部分12の他端12bの端面(本体部10の長手方向に交差する面)に設けられて第二の部分12の長手方向に延びる略円柱状の小突起からなる。凸部8aは他端12bの端面の中央に設けられる。一方、凹部8bは、第一の部分11の他端11bの端面(本体部10の長手方向に交差する面)に設けられて第一の部分11の長手方向に延びる略円筒状の小穴である。凹部8bは他端11bの端面の中央に設けられる。この係脱機構8では、凸部8aが凹部8bに嵌合することで、第二の部分12の他端12bが第一の部分11の他端11bに係合して係脱機構8が閉じた(係合した)状態となる一方、凹部8bに対する凸部8aの嵌合が外れる(凸部8aが凹部8bから抜け出る)ことで、第二の部分12の他端12bと第一の部分11の他端11bとの係合が解除されて係脱機構8が開いた状態となる。
【0034】
なお、本実施形態では、第二の部分12の他端12bに凸部8aを設け、第一の部分11の他端11bに凹部8bを設けた場合を示したが、これとは逆に、図示は省略するが、第一の部分11の他端11bに凸部8aを設け、第二の部分12の他端12bに凹部8bを設けてもよい。その場合、凸部8aは、第一の部分12の他端12bの端面に設けられて第一の部分11の長手方向に突出するように設けられ、凹部8bは、第二の部分12の他端12bの端面に設けられて第二の部分12の長手方向に凹むように設けられる。
【0035】
また、本実施形態では、係脱機構8は、本体部10における下端部1と右端部4との間であって、かつ、右端部4よりも下端部1に近い位置に配置されている。また、挿入部13の一部である、第一の部分11の他端11bと第2の部分12の他端12bのいずれか一方(本実施形態においては他端11b)は、(係脱機構8の係合状態において)右端部4よりも下端部1に近い位置に配置される。
【0036】
また、本実施形態では、係脱機構8における第一の部分11の他端11bと第二の部分12の他端12bの対向面(ハート形状の長手方向に直交する断面)は互いに同じ形状(いずれも略円形)であり、かつ、第一の部分11の他端11bの径と第二の部分12の他端12bの径が同径である。これにより、係脱機構8が閉じた状態(他端11bと他端12bが対向した状態)で、第一の部分11の他端11bの外側面と第二の部分12の他端12bの外側面とが一致する(互いの面が段差無く同一面上で繋がった状態となる)。
【0037】
また、本実施形態では、既述のように、回動連結機構7の支点7aは、下端部1と左端部3との間における左端部3に近い位置に設けられており、挿入部13の一部である、第一の部分11の他端11bと第2の部分12の他端12bのいずれか一方(本実施形態においては他端11b)は、係脱機構8の係合状態において下端部1と右端部4との間における下端部1に近い位置に設けられている。これらにより、第二の部分12は、その下端部1から係脱機構8が設けられた他端12bまでの長さよりも下端部1から回動連結機構7の支点7aまでの長さの方が長くなっている。
【0038】
次に、上記構成のボディピアス100を身体(耳)に装着する手順を説明する。図5は、ボディピアスを身体(耳)に装着する手順を説明するための図である。同図に示すように、本実施形態のボディピアス100は、耳Mの耳輪脚と呼ばれる軟骨部分M1に開けたピアスホールPに挿通して装着する。先の図1乃至図3に示すように、本体部10における第一の部分11の他端11b及び該他端11bから右端部4に向かって延びる略直線状の部分の一部は、ボディピアス100を身体のピアスホールP(図5参照)に挿通して装着する際に当該ピアスホールPに挿入される挿入部13になっている。
【0039】
ボディピアス100を耳Mの軟骨部分M1に装着するには、ボディピアス100の第二の部分12を第一の部分11に対して図5の矢印A方向へ回動させることで係脱機構8を開いた状態とする。その状態で、第一の部分11の挿入部13をピアスホールPに上端P1から挿入し、当該ピアスホールPに挿通する。これにより、挿入部13の先端部(下端部)である第一の部分11の他端11bがピアスホールPの下端P2から下方に突出(露出)する。その状態で、第二の部分12を係脱機構8が閉じた状態となる方向(矢印B方向)へ回動させることで、係脱機構8の凸部8aが凹部8bに嵌合し、第二の部分12の他端12bが第一の部分11の他端11bに係合する(係脱機構8が閉じた状態となる)。こうして、ボディピアス100の耳Mへの装着が完了する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態のボディピアス(装身具)100は、環状の本体部10を備え、この本体部10は、図1に示す正面視において、最も下側に位置する下端部1と、左側(横方向の一方の側)において最も外側に位置する左端部(第一横端部)3と、右側(横方向の他方の側)において最も外側に位置する右端部(第二横端部)4と、下端部1よりも左側(横方向の一方の側)において最も上側に位置する左上端部(第一上端部)5と、下端部1よりも右側(横方向の他方の側)において最も上側に位置する右上端部(第二上端部)6と、横方向において左上端部5と右上端部6との間に配置された上中央部2とを有して全体が略ハート型の環状に形成されている。
【0041】
また、本体部10は、第一の部分11と、当該第一の部分11とは別体として設けられた第二の部分12とからなる。そして、第一の部分11の一端11aと第二の部分12の一端12aとを支点7aを中心に回動可能に連結する回動連結機構7と、第一の部分11の他端11bと第二の部分12の他端12bとを離脱可能に係合する係脱機構8とを有し、第一の部分11の他端11bは、ボディピアス100を身体のピアスホールPに装着する際に当該ピアスホールPに挿入される挿入部13の一部であり、回動連結機構7の支点7aは、本体部10における第一上端部5から第二上端部6の間の範囲(図1に示す範囲S)以外の位置に配置されている。本実施形態では、支点7aは第一横端部3と下端部1との間であって、かつ、下端部1よりも第一横端部3に近い位置に配置されている。支点7aの位置はこれに限定されず、第一上端部5から第一横端部3の間の範囲に配置されていても良い。なお、本体部10の第一の部分11は、上中央部2、左上端部5、右上端部6、左端部3、右端部4を含み、第二の部分12は、下端部1を含んでいる。
【0042】
そして、本実施形態のボディピアス100では、挿入部13が耳Mの軟骨部分M1に形成したピアスホールPに挿入するものであるため、通常の耳垂のピアスホールに挿入するピアスの挿入部よりも太い径であることが望ましい。そのため、一例として、本実施形態では、挿入部13の直径(他端11bの直径)は約1.2mmである。なお、挿入部13の直径(他端11bの直径)は約1.2mmには限定されずそれ以外の径寸法でもよいが、1.0mm以上の寸法であることが望ましい。
【0043】
上記構成を備える本実施形態のボディピアス100によれば、回動連結機構7が第一上端部5から第二上端部6の間の範囲以外の位置に配置されることで、第一の部分11に対して第二の部分12を開いたとき(係脱機構8を離脱させたとき)に、当該第二の部分12が第一の部分11(特に、第一の部分11の左上端部5又は右上端部6)と干渉する(接触する)ことを抑制できる。したがって、本体部10が略ハート型の形状でありながら、第一の部分11に対する第二の部分12の離間間隔(開く大きさ)を大きくすることが可能な開閉式のボディピアス100を提供できる。そして、第一の部分11に対して第二の部分12を大きく開くことができるので、ピアスホールPへの装着が容易となる。特に、本実施形態のボディピアス100は、耳Mの軟骨部分M1に形成したピアスホールPに装着するものであるため、その装着が行い難いおそれがあるところ、本実施形態のボディピアス100は、上記構成を備えることで良好な装着性を確保でき、使用感を効果的に向上させることが可能となる。また、ボディピアス100を開いた際の第一の部分11と第二の部分12との干渉を防ぐための逃がし部分を設ける必要がないため、ハートの形状を崩すことなくハート型ボディピアスのデザイン性を保つことができる。
【0044】
また、本実施形態のボディピアス100は、回動連結機構7の支点7aが左上端部5と下端部1との間であって、かつ、下端部1よりも左端部3に近い位置に配置されている。
【0045】
この構成によれば、第二の部分12における下端部1と回動連結機構7の支点7aとの間の部分の長さを十分に長い寸法にすることができるので、回動連結機構7を支点とする第二の部分12の回動範囲をピアスホールに対して容易に装着できる程度に広く(大きく)することができる。したがって、第一の部分11に対して第二の部分12をより大きく開くことができるようになるので、ボディピアス100の良好な装着性を更に高めることができる。
【0046】
また、本実施形態のボディピアス100は、回動連結機構7の支点7aが下端部1と左端部3との間であって、かつ、下端部1よりも左端部3に近い位置に配置されている。
【0047】
この構成によれば、ハート型の本体部10における湾曲が緩やかな部分(実質的に湾曲していない略直線状の部分)に回動連結機構7の支点7aを配置することで、第一の部分11に対して第二の部分12を開いた際に、第一の部分11と第二の部分12が干渉することをより確実に抑制できる。また、この構成により、第一の部分11に対して第二の部分12を開く際の干渉を避けるための逃がし部分を減らすことができるので、本体部10の外形として、逃がし部分のための窪みなどの余計な形状を極力少なく抑えたシームレスなハート形状を実現することができる。
【0048】
また、本発明では回転連結機構7の支点7aを左上端部5と左端部3の間に配置することも可能であるが、この構成に比べ、本実施形態の支点7aの配置にする方が支点7aから下端部1までの距離を短くすることができる。本発明のボディピアスの如く係脱機構のスナップ嵌合による開閉機構を採用している場合、第二部分の全長が短いほどバネ性を高めてスナップ嵌合による保持力を強くすることができ、ボディピアスが簡単に外れないようにすることができる。したがって、本実施形態の支点7aの位置によれば、前述した回動範囲(ピアスホールへの装着の為に必要十分な隙間)を広くとりながらも保持力も確保でき、より好ましい形態となる。
【0049】
また、本実施形態のボディピアス100では、回動連結機構7の支点7aは、下端部1及び上中央部2よりも左側(横方向の一方の側)に配置され、挿入部13の一部である第一の部分11の他端11bと第二の部分12の他端12bとのいずれか一方(本実施形態では他端11b)は、下端部1及び上中央部2よりも右側(横方向の他方の側)であって、かつ、右端部4よりも下端部1に近い位置に配置されている。
【0050】
この構成によれば、支点7aと他端11bの間に下端部1を介在させることができ、第一の部分11に対して回動する第二の部分12の長さを十分に長く取れるので、第一の部分11に対して第二の部分12が開く大きさをより大きくすることができる。また、ボディピアス100を身体に装着する際に身体のピアスホールに挿入される挿入部13の先端を第一の部分11の他端11b(下端部)に配置することができるので、図4に示すように、耳Mの軟骨部分M1に形成したピアスホールPに対して挿入部13を上方から(ピアスホールPの上端P1から)差し込んで挿入することができる。これにより、ボディピアス100の装着が非常に行い易いという利点がある。したがって、いわゆるダイス(Daith)に装着することができるボディピアス100において、ピアスホールPに対する挿入部13の挿入の容易化を図ることができる。
【0051】
また、本実施形態のボディピアス100では、挿入部13の一部である第一の部分11の他端11bと第二の部分12の他端12bとのいずれか一方(本実施形態では他端11b)が、下端部1と右端部4との間に配置されており、より詳細には、下端部1と右端部4との間であって、かつ、右端部4よりも下端部1に近い位置に配置されている。
【0052】
また、本実施形態のボディピアス100では、挿入部13が、本体部10における第二横端部4(右端部4)と下端部1との間に設けられ、かつ少なくともその一部が略直線状である。
【0053】
この構成によれば、挿入部13を右端部4と下端部1との間に配置することで縦に貫通したピアスホールに対して上から下方向に挿入して装着することができ、装着作業がし易くなる。また、挿入部13の少なくとも一部を直線状にすることでピアスホールに対してスムーズに挿入することができ、ピアスホールP内で挿入部13の先端が引っかかることを防止できる。
【0054】
また、本実施形態のボディピアス100では、第一の部分11の他端11bの径と第二の部分12の他端12bの径とが同径である。
【0055】
この構成によれば、第一の部分11の他端11bの径と第二の部分12の他端12bの径とが同径であることで、閉じた係脱機構8の外側面に段差がない状態となる。したがって、ボディピアス100を装着しているときに、ピアスホールPの内面に係脱機構8の外側面が引っかかるおそれがなく、装着による痛みや不快感を無くすことができ、装着感を向上させることができる。
【0056】
また、本実施形態のボディピアス100では、第一の部分11の他端11bの外側面と第二の部分12の他端12bの外側面とが一致している。
【0057】
この構成によれば、係脱機構8における第一の部分11と第二の部分12とのつなぎ目の外側面が一致していることで、外観上、当該つなぎ目が目立たずに済むので、ボディピアス100の外観デザインを良好にすることができる。また、つなぎ目の外側面が一致していることで、ボディピアス100をピアスホールPに装着する際につなぎ目(段差)がひっかかるおそれが無く、装着性に優れたボディピアス100となる。また、ボディピアス100の装着中もピアスホールPやその内部にある軟骨などにつなぎ目が引っ掛からないので、良好な装着感を得ることができる。
【0058】
また、本実施形態のボディピアス100は、身体における耳垂以外の部位に形成したピアスホールPに挿通して装着可能な装身具である。
【0059】
また、本実施形態のボディピアス100では、本体部10は、第一の部分11における他端11b及び該他端11bを含む一部がピアスホールPに挿入される挿入部13となっている。
【0060】
また、本実施形態のボディピアス100では、挿入部13の径は、第一の部分11におけるその他の部分の径と同一の径である。すなわち、第一の部分11における挿入部13とそれ以外の部分とが互いに同一の径となっている。
【0061】
また、本実施形態のボディピアス100では、係脱機構8は、第二の部分12の他端12bに設けた凸部8aが第一の部分11の他端11bに設けた凹部8bに嵌合する構成であり、凸部8aは、第二の部分12の他端12bの端面の中心から第二の部分12の長手方向に延びる(突出する)略円柱状の軸であり、凹部8bは、第一の部分12の他端12bの端面から第一の部分11の長手方向に延びる(窪む)略円筒状の穴である。
【0062】
この構成によれば、凸部8aが凹部8bに対して軸方向に差し込まれて嵌合するので、係脱機構8が係合した状態(第一の部分11に対して第二の部分12が閉じた状態)で、凸部8aと凹部8bが係脱機構8の内部に埋没し、これらが外観に現れない(完全に隠れる)状態となる。したがって、係脱機構8を含むボディピアス100の外観のデザイン性を向上させることができる。また、係脱機構8の外側面をつなぎ目や段差のないシームレスなものとすることが可能となるので、ボディピアス100の装着感も向上させることができる。
【0063】
〔第二実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。なお、第二実施形態の説明及び対応する図面においては、第一実施形態と同一又は相当する構成部分には同一の符号を付し、以下ではその部分の詳細な説明は省略する。また、以下で説明する事項以外の事項、及び図示する以外の事項については、第一実施形態と同じである。この点は、後述する第三実施形態についても同様である。
【0064】
図6は、本発明にかかる装身具の第二実施形態であるハート型のボディピアスの正面図(係脱機構8を閉じた状態の正面図)である。第一実施形態のボディピアス100では、回動連結機構7の支点7aは、下端部1と左端部3との間における左端部3に近い位置に設けられており、係脱機構8(挿入部13の一部である第一の部分11の他端11b)は、下端部1と右端部4との間における下端部1に近い位置に設けられていたのに対して、本実施形態のボディピアス100-2では、回動連結機構7の支点7aは、下端部1と左端部3との間における下端部1に近い位置に設けられており、係脱機構8(後述する挿入部13-2の一部である第二の部分12の他端12b)は、下端部1と右端部4との間における右端部4に近い位置に設けられている。これにより、第二の部分12における下端部1から回動連結機構7の支点7aまでの長さよりも下端部1から係脱機構8(他端12b)までの長さの方が長くなっている。
【0065】
また、第一実施形態のボディピアス100では、第一の部分11における他端11b及び該他端11bを含む一部が身体のピアスホールPに挿入される挿入部13であったのに対して、本実施形態のボディピアス100-2では、第二の部分12における他端12b及び該他端12bを含む一部が身体のピアスホールPに挿入される挿入部13-2となっている。
【0066】
したがって、本実施形態のボディピアス100-2は、ピアスホールP(図5参照)に挿通して装着する際、第二の部分12の挿入部13-2をピアスホールPの下端P2から挿入してピアスホールPに挿通する。これにより、挿入部13-2の先端部(上端部)である第二の部分12の他端12bがピアスホールPの上端P1から上方に突出(露出)する。その状態で、係脱機構8の凸部8aが凹部8bに嵌合し、第二の部分12の他端12bが第一の部分11の他端11bに係合する(係脱機構8が閉じた状態となる)。
【0067】
〔第三実施形態〕
次に、本発明の第二実施形態について説明する。図7は、本発明にかかる装身具の第三実施形態であるハート型のボディピアスの正面図(係脱機構8を閉じた状態の正面図)である。本実施形態のボディピアス100-3では、回動連結機構7の支点7aは、下端部1と左端部3との間における左端部3に近い位置に設けられており、係脱機構8(後述する挿入部13-3の一部である第二の部分12の他端12b)は、下端部1と右端部4との間における右端部4に近い位置に設けられている。これにより、第二の部分12における下端部1から回動連結機構7の支点7aまでの長さと下端部1から係脱機構8(他端12b)までの長さとが同程度の長さになっている。
【0068】
また、本実施系形態のボディピアス100-3でも、第二実施形態のボディピアス100-2と同様、第二の部分12における他端12b及び該他端12bを含む一部がピアスホールPに挿入される挿入部13-3となっている。したがって、装着の手順は、実質的に第二実施形態のボディピアス100-2と同様である。
【0069】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲、及び明細書と図面に記載された技術的思想の範囲内において種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態に示す回動連結機構7の具体的な構成は一例であり、本発明の装身具が有する回動連結機構の具体的な構成は、第一の部分の一端と第二の部分の一端とを支点を中心に回動可能に連結する構成であれば、他の構成であってもよい。同様に、上記実施形態に示す係脱機構8の具体的な構成も一例であり、本発明の装身具が有する係脱機構の具体的な構造は、第一の部分の他端と第二の部分の他端とを離脱可能に係合する構成であれば、他の構成であってもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、本体部10の断面形状が円形または略円形である場合を示したが、本発明の装身具が備える本体部の断面形状は円形に限らず、楕円形や多角形など他の形状であってもよい。また、本体部の断面の面積、すなわち本体部の太さは、全体で均一でなくてもよく、装身具のデザインに応じて、本体部の断面の面積や形状が場所により適宜に変化する形状であってもよい。
【0071】
また、上記実施形態では、挿入部13(13-2,13-3)が略直線状である場合を示したが、挿入部13(13-2,13-3)は、本体部10のハート形の形状に沿って湾曲する湾曲線状など、他の形状であってもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、本体部10が左右対称のハート形状である場合を示したが、これ以外にも、本体部10が左右非対称のハート形状であってもよい。例えば、上中央部2から左端部3までと右端部4までの横方向の長さ(幅)が互いに異なっているものや、左上端部5と右上端部6の高さが互いに異なっているものなどであってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 下端部
2 上中央部
3 左端部(第一横端部)
4 右端部(第二横端部)
5 左上端部(第一上端部)
6 右上端部(第二上端部)
7 回動連結機構
7a 支点
8 係脱機構
8a 凸部
8b 凹部
10 本体部
11 第一の部分
11a (第一の部分の)一端
11b (第一の部分の)他端
12 第二の部分
12a (第二の部分の)一端
12b (第二の部分の)他端
13,13-2,13-3 挿入部
15A,15B 突出片
15a,15b 貫通穴
16 突出片
16a 貫通穴
17 ピン
100,100-2,100-3 (ハート型の)ボディピアス(装身具)
M 耳
M1 軟骨部分
P ピアスホール(身体の貫通穴)
S 左上端部と右上端部との間の範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2023-04-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着する装身具であって、
最も下側に位置する下端部と、
横方向の一方の側において最も外側に位置する第一横端部と、
横方向の他方の側において最も外側に位置する第二横端部と、
前記下端部よりも前記横方向の一方の側において最も上側に位置する第一上端部と、
前記下端部よりも前記横方向の他方の側において最も上側に位置する第二上端部と、
前記横方向において前記第一上端部と前記第二上端部との間に配置された上中央部と、を有して全体が略ハート型の環状に形成された本体部を備え、
前記本体部は、第一の部分と、前記第一の部分とは別体として設けられた第二の部分と、を有し、
前記第一の部分の一端と前記第二の部分の一端とを支点を中心に回動可能に連結する回動連結機構と、
前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とを離脱可能に係合する係脱機構と、を有し、
前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とのいずれか一方は、当該装身具を身体に形成された貫通穴に装着する際に当該貫通穴に挿入される挿入部の一部であり、
前記挿入部の直径は1.0mm以上であり、
前記回動連結機構の前記支点が前記第一上端部から前記第二上端部の間の範囲以外の位置に配置される
ことを特徴とする装身具。
【請求項2】
前記回動連結機構の前記支点が前記第一上端部と前記下端部との間であって、かつ、前記下端部よりも前記第一横端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記回動連結機構の前記支点は、前記下端部及び前記上中央部よりも前記横方向の一方の側に配置され、
前記係脱機構は、前記下端部及び前記上中央部よりも前記横方向の他方の側に設けられ、
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とのいずれか一方は、前記第二横端部よりも前記下端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項4】
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とのいずれか一方は、前記下端部と前記第二横端部との間であって、かつ、前記第二横端部よりも前記下端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項5】
前記挿入部は、前記本体部における前記第二横端部と前記下端部との間に設けられ、かつ少なくともその一部が略直線状である
ことを特徴とする請求項4に記載の装身具。
【請求項6】
前記第一の部分の前記他端の径と前記第二の部分の前記他端の径とが同径である
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項7】
前記係脱機構が係合した状態において、前記第一の部分の前記他端の外側面と前記第二の部分の前記他端の外側面とが一致している
ことを特徴とする請求項6に記載の装身具。
【請求項8】
前記係脱機構は、前記第二の部分の前記他端と前記第一の部分の前記他端とのいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられて前記凸部が嵌合する凹部とを有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【手続補正書】
【提出日】2023-08-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体に装着する装身具であって、
最も下側に位置する下端部と、
横方向の一方の側において最も外側に位置する第一横端部と、
横方向の他方の側において最も外側に位置する第二横端部と、
前記下端部よりも前記横方向の一方の側において最も上側に位置する第一上端部と、
前記下端部よりも前記横方向の他方の側において最も上側に位置する第二上端部と、
前記横方向において前記第一上端部と前記第二上端部との間に配置された上中央部と、
を有して全体が略ハート型の環状に形成された本体部を備え、
前記本体部は、第一の部分と、前記第一の部分とは別体として設けられた第二の部分と、を有し、
前記第一の部分の一端と前記第二の部分の一端とを支点を中心に回動可能に連結する回動連結機構と、
前記第一の部分の他端と前記第二の部分の他端とを離脱可能に係合する係脱機構と、を有し、
前記第一の部分の他端は、当該装身具を身体に形成された貫通穴に装着する際に当該貫通穴に挿入される挿入部の一部であり、
前記挿入部の直径は1.0mm以上であり、
前記回動連結機構の前記支点は、前記第一上端部から前記第二上端部の間の範囲以外の位置に配置され、かつ、前記下端部及び前記上中央部よりも前記横方向の一方の側に配置され、
前記係脱機構は、前記下端部及び前記上中央部よりも前記横方向の他方の側に設けられ、
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端は、前記下端部と前記第二横端部との間に配置され、
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端から、前記第二上端部までの範囲において、前記本体部の断面が同一径に形成されている
ことを特徴とする装身具。
【請求項2】
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端から、前記上中央部までの範囲において、前記本体部の断面が同一径に形成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の装身具。
【請求項3】
前記回動連結機構の前記支点が前記第一上端部と前記下端部との間であって、かつ、前記下端部よりも前記第一横端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項4】
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端は、前記第二横端部よりも前記下端部に近い位置に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項5】
前記挿入部は、前記本体部における前記第二横端部と前記下端部との間に設けられ、かつ少なくともその一部が略直線状である
ことを特徴とする請求項4に記載の装身具。
【請求項6】
前記挿入部の一部である前記第一の部分の他端は、前記第二横端部よりも前記下端部に近い位置であって、かつ前記第二上端部よりも前記横方向の一方の側に配置される
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項7】
前記第一の部分は、前記挿入部とそれ以外の部分とが互いに同一の径となっている
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【請求項8】
前記係脱機構は、前記第二の部分の前記他端と前記第一の部分の前記他端とのいずれか一方に設けられた凸部と、他方に設けられて前記凸部が嵌合する凹部とを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の装身具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図7
【補正方法】変更
【補正の内容】
図7