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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164206
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】発電装置
(51)【国際特許分類】
   F03D 9/35 20160101AFI20231102BHJP
【FI】
F03D9/35
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022075617
(22)【出願日】2022-04-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-04-06
(71)【出願人】
【識別番号】521109534
【氏名又は名称】江村 良昭
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】江村 良昭
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA02
3H178AA40
3H178AA43
3H178BB31
3H178CC01
3H178DD12Z
3H178DD26Z
(57)【要約】
【課題】発電効率を高めることが可能な電力増幅器を提供する。
【解決手段】下部から空気を取り込み上部から排気することにより電力を増幅する電力増幅器100であって、筐体110と、筐体110の下部から空気を取り込み、上方に送風する送風機120と、送風機120からの風により回転し電力を増幅する内部回転管130と、筐体110の上部に設けられる第1発電機140と、を備える。内部回転管130は、内側が螺旋又は二重螺旋構造であり、第1発電機140から吊された状態で設置される。かかる構成によれば、送風機120が送り出す送風面積と内部回転管130が受ける螺旋部面積により、発電効率を高めることが可能である。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部から空気を取り込み上部から排気することにより電力を増幅する電力増幅器であって、
筐体と、
前記筐体の下部から空気を取り込み、上方に送風する送風機と、
前記送風機からの風により回転し電力を増幅する内部回転管と、
前記筐体の上部に設けられる第1発電機と、
を備え、
前記内部回転管は、内側が螺旋又は二重螺旋構造であり、前記第1発電機から吊された状態で設置されることを特徴とする、電力増幅器。
【請求項2】
前記内部回転管の外周には錘となるギアレーンが設けられており、前記ギアレーンとの接触により発電する第2発電機を備えることを特徴とする、請求項1に記載の電力増幅器。
【請求項3】
前記筐体には、前記ギアレーンを引き付ける複数の磁石が等間隔に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の電力増幅器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力増幅器としては、韓国公開特許第10-2015-0024879号公報(特許文献1)に示されるものがある。同文献に示される電力増幅器は、円筒内部に固定羽根を装着して構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国公開特許第10-2015-0024879号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される電力増幅器によれば、発電効率を高めるために、円筒内部に設置する羽個数と高さ及び移動角度などを調整して製作する必要がある。このため、送風機が使用する電力を上回る電力を作り出せないことはもちろん、発電効率を高めることも容易ではないという問題があった。
【0005】
そこで本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、発電効率を高めることが可能な電力増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、下部から空気を取り込み上部から排気することにより電力を増幅する電力増幅器であって、筐体と、前記筐体の下部から空気を取り込み、上方に送風する送風機と、前記送風機からの風により回転し電力を増幅する内部回転管と、前記筐体の上部に設けられる第1発電機と、を備え、前記内部回転管は、内側が螺旋又は二重螺旋構造であり、前記第1発電機から吊された状態で設置されることを特徴とする、電力増幅器が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、送風機が送り出す送風面積と内部回転管が受ける螺旋部面積により、発電効率を高めることが可能である。さらには、送風機が使用する電力を上回る電力を作り出せる可能性もある。
【0008】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は、適宜組み合わせて実施できる。例えば、前記内部回転管の外周には錘となるギアレーンが設けられており、前記ギアレーンとの接触により発電する第2発電機を備えるようにしてもよい。かかる構成によれば、発電量をさらに向上させることができる。
【0009】
また、前記筐体には、前記ギアレーンを引き付ける複数の磁石が等間隔に設けられていてもよい。かかる構成によれば、内部回転管を吊下げている第1発電機の内部回転管の重量による摩擦を低減することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、発電効率を高めることが可能な電力増幅器が提供される。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態の電力増幅器100の全体の構成を模式的に示す図である。
図2】電力増幅器100の外観を示す図である。
図3】送風機120を説明するための図である。
図4】受部132の構成を説明するための図である。
図5】内部回転管130を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の電力増幅器100について、図1及び図2を参照しながら説明する。図1は、本実施形態の電力増幅器100の全体の構成を模式的に示す図である。図2は、電力増幅器100の外観を示す図である。
【0014】
電力増幅器100は、図1に示したように、下部から空気を取り込み上部から排気することにより電力を増幅するものであって、筐体110と、筐体110の下部から空気を取り込み、上方に送風する送風機120と、送風機120からの風により回転し電力を増幅する内部回転管130と、筐体110の上部に設けられる第1発電機140と、を備える。内部回転管130は、内側が螺旋又は二重螺旋構造であり、第1発電機140から吊された状態で設置されて構成される。そして、内部回転管130の外周には錘となるギアレーン150が設けられており、ギアレーン150との接触により発電する第2発電機160を備える。以下、各構成要素について順に説明する。
【0015】
(筐体110)
筐体110は、各構成要素を収容するとともに、内部で風を流通させるものである。筐体110は、図1及び図2に示したように、円筒状部110aと、円筒状部110aの上端から上方に向かって円錐台状に先細る先細り部110bと、円筒状部110aの下端から下方に向かって円錐台状に広がる末広がり部110cと、を備えて構成される。
【0016】
円筒状部110aの内周面には、図1に示したように、複数の上部磁石112と下部磁石113が等間隔に設けられている。上部磁石112は、後述するギアレーン150の上方に対応する位置に設けられている。上部磁石112は、ギアレーン150を引き上げる、すなわち、重力から浮かせる目的で配置されている。よって、上部磁石112により第1発電機140の摩擦上昇を相殺することができる。下部磁石113は、内部回転管130の下端部近傍に設けられている。下部磁石113は、後述する内部回転管130の下端部134を引き上げる、すなわち、重力から浮かせる目的で配置されている。よって、上部磁石112に加えて下部磁石113によっても第1発電機140の摩擦上昇を相殺することができる。
【0017】
また、円筒状部110aの内周面には、内部回転管130の下端部134に近接するよう略ハ字状に突出する突出部114が設けられている。突出部114は、内部回転管130と円筒状部110aを流れる流体のロスを減らすためにミリ単位で内部回転管130の下端部134に接近している。円筒状部110aには、ギアレーン150と接触して発電する第2発電機160が設けられている。ギアレーン150及び第2発電機160についてはさらに後述する。
【0018】
先細り部110bは、図2に示したように、円筒状部110aの上部から第1発電機140を支える複数本の柱で構成されており、流体の排出を邪魔する面は設けられていない。先細り部110bは、図2の矢印aに示したように、下端から吸引された空気が、矢印bに示したように上昇し、後述する内部回転管130の排気口135で横方向に方向を変えられて、矢印cに示したように排出される。
【0019】
末広がり部110cの側面には、図2に示したように、空気を取り込むための吸気口111が設けられている。末広がり部110cの下端は開口を有しており、矢印aに示したように、外部から空気を取り込むことができる。
【0020】
(送風機120)
送風機120は、下部から空気を取り込み、上方に送風するものである。送風機120の構成について、図1及び図2に加え図3を参照しながら説明する。図3は、送風機120を説明するための図である。送風機120は、図1に示したように、筐体110の下部の内部に設けられており、上下2段に構成されている。下の送風機120-1は、筐体110の送風機120は、図3に示したように、筐体110の下端の開口と略平行に配置される。送風機120は、筐体110より若干小さく構成されている。
【0021】
(内部回転管130)
内部回転管130は、送風機120からの風により回転し電力を増幅するものである。内部回転管130は、軽量で磁性を持たない材質で構成されている。例えば、アルミなどである。内部回転管130は、図1に示したように、筐体110の円筒状部110aと先細り部110bとに沿った形状の壁部131を有している。壁部131の内周面には、図4に示したように、二重螺旋構造のスロープによって構成される受部132が回転中心方向に突出して形成されている。受部132は、送風機120からの風を受ける部分である。受部132よりも内部回転管130の内側は空洞である。受部132は、パスカルの原理を応用するものであるため、できるだけ大きく構成される。質量が等しければ円の外周に比重が大きくなることで慣性力(回転力)が増すため、内部回転管130を二重螺旋構造とすることにより慣性力が増している。
【0022】
受部132が壁部131から突出して形成されており、受部132よりも内部回転管130の内側は空洞であるため、内部回転管130の重量比は円周側にある。このため、内部回転管130は、安定して回転することができる。内部回転管130の上端は第1発電機140に回転可能に吊り下げられている。
【0023】
内部回転管130の下端部134は、筐体110の円筒状部110a方向に略ハ字状に突出している。下端部134は、磁性を持つ材質で構成されている。下端部134は、前述のように円筒状部110aの突出部114と近接配置されて内部回転管130と円筒状部110aを流れる流体のロスを減らす。
【0024】
また、内部回転管130の上部には、排気口135が設けられている。排気口135は、扇風機の羽根のように流体の流れを横向きに変える構成である。よって、内部回転管130内を螺旋状に流れてきた流体は、最終的に一般の風力発電のように横向きに流れを変えることによりエネルギーを使い切ることができる。排気口135から排出された内部回転管130内の空気は、筐体110先細り部110bから排出される。
【0025】
(第1発電機140)
第1発電機140は、内部回転管130の回転によって発電するものである。第1発電機140は、筐体110の上部に設けられ、内部回転管130が吊るされて設置されている。
【0026】
(ギアレーン150)
ギアレーン150は、内部回転管130に設けられる錘である。ギアレーン150は、図5に示したように、内部回転管130の壁部131の外周に円周方向全周にわたって設けられている。ギアレーン150は、錘になりうる磁性を持つ材質で構成されている。例えば、鉄等である。このように、内部回転管130の外周にギアレーン150を設けるため、より比重が外側になる。よって、内部回転管130の回転力と第1発電機140の摩擦が上昇する。このような第1発電機140の摩擦上昇というデメリットは、前述のように、ギアレーン150の上部に設けた上部磁石112と、下端部134の上部に設けた下部磁石113とが内部回転管130を引き上げることによって解消される。
【0027】
ギアレーン150は、図1に示したように、第2発電機160のギア162に接触している。よって、ギアレーン150の回転により第2発電機160が発電する。
【0028】
(第2発電機160)
第2発電機160は、ギアレーン150の回転により発電するものである。第2発電機160は、図1に示したように、筐体110の内周面に設けられており、ギア162がギアレーン150と接触している。ギア162は、上部磁石112及び下部磁石113の磁力に影響されない素材で構成されている。また、第2発電機160は、第1発電機140の吊り下げのみでは衝撃が加わったときに破損する恐れあるため、耐震性能強化としての目的も有している。さらに、第2発電機160は、円筒状部110aの突出部114と内部回転管130の下端部134との近接状態を保つために、内部回転管130に精密な回転をさせるためのガイドとしての役割も有する。
【0029】
以上、本実施形態の電力増幅器100の構成について説明した。以下、電力増幅器100の作用について、再び図1及び図2を参照しながら説明する。
【0030】
送風機120を回転させると、筐体110の下端部及び吸気口111を介して外部から筐体110内に空気が吸気され、図2の矢印aに示したように、筐体110内を上昇する。上昇した空気を内部回転管130の受部132が受けて内部回転管130が回転する。内部回転管130の回転によって第1発電機140が発電する。また、ギアレーン150の回転によって第2発電機160も発電する。
【0031】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、送風機120が送り出す送風面積と内部回転管130が受ける受部132の螺旋部面積により、発電効率を高めることが可能である。さらには、送風機120が使用する電力を上回る電力を作り出せる可能性もある。
【0032】
また、ギアレーン150との接触により発電する第2発電機160を備えるため、発電量をさらに向上させることができる。
【0033】
また、筐体110には、ギアレーン150の上部に複数の上部磁石112が、下端部134の上部に複数の下部磁石113がそれぞれ等間隔に設けられているため、内部回転管130を引き上げ、重力から浮かせることができる。よって内部回転管130を吊下げている第1発電機140の内部回転管130の重量による摩擦を低減することができる。
【0034】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0035】
例えば、上記実施形態では、内部回転管130の外周には錘となるギアレーン150が設けられており、ギアレーン150との接触により発電する第2発電機160を備える構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ギアレーン150や第2発電機160のいずれか又は両方を備えない構成としてもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、筐体110には、ギアレーン150の上部に複数の上部磁石112が、下端部134の上部に複数の下部磁石113がそれぞれ等間隔に設けられている構成について説明したが、本発明はこれに限定されない。上部磁石112と下部磁石113は必ずしも等間隔に設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0037】
100 電力増幅器
110 筐体
110a 円筒状部
110b 先細り部
110c 末広がり部
111 吸気口
112 上部磁石
113 下部磁石
114 突出部
120 送風機
120-1 下の送風機
130 内部回転管
131 壁部
132 受部
134 下端部
135 排気口
140 第1発電機
150 ギアレーン
160 第2発電機
162 ギア
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2023-01-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体の下部から空気を取り込み、上方に送風する送風機と、
前記送風機からの風により回転し電力を増幅する内部回転管と、
前記筐体の上部に設けられ、内部回転管の回転によって発電する第1発電機と、
を備え、
前記内部回転管は、内側が螺旋又は二重螺旋構造のスロープによって構成される風を受けるための受部が回転中心方向に突出して形成されており、前記第1発電機から吊された状態で設置され、
下部から空気を取り込み上部から排気することにより前記内部回転管を回転させることにより前記第1発電機により電力を発生させることを特徴とする、発電装置
【請求項2】
前記内部回転管の外周には錘となるギアレーンが設けられており、前記ギアレーンとの接触により発電する第2発電機を備えることを特徴とする、請求項1に記載の発電装置
【請求項3】
前記筐体には、前記ギアレーンを引き付ける複数の磁石が等間隔に設けられていることを特徴とする、請求項2に記載の発電装置