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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164233
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】光学システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 27/02 20060101AFI20231102BHJP
   G02B 5/30 20060101ALI20231102BHJP
   G02B 5/18 20060101ALI20231102BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
G02B27/02 Z
G02B5/30
G02B5/18
G09F9/00 357
G09F9/00 313
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022108865
(22)【出願日】2022-07-06
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-10-26
(31)【優先権主張番号】17/732,329
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】507296388
【氏名又は名称】采▲ぎょく▼科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】VisEra Technologies Company Limited
【住所又は居所原語表記】No.12,Dusing Rd.1, Hsinchu Science Park,Hsin-Chu City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100102532
【弁理士】
【氏名又は名称】好宮 幹夫
(74)【代理人】
【識別番号】100194881
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 俊弘
(74)【代理人】
【識別番号】100215142
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 徹
(72)【発明者】
【氏名】謝馨儀
(72)【発明者】
【氏名】傅柏翰
(72)【発明者】
【氏名】毛新惟
(72)【発明者】
【氏名】王唯科
(72)【発明者】
【氏名】謝錦全
【テーマコード(参考)】
2H149
2H199
2H249
5G435
【Fターム(参考)】
2H149AA17
2H199CA02
2H199CA25
2H199CA42
2H199CA53
2H199CA62
2H199CA66
2H199CA67
2H199CA69
2H249AA04
2H249AA14
2H249AA60
2H249AA62
2H249AA63
2H249AA64
2H249AA66
5G435AA01
5G435BB05
5G435DD11
5G435FF01
5G435FF05
5G435FF08
5G435GG04
5G435HH20
5G435LL07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】波長の異なるカラー画像が同じ導光レンズ内で結合すると、最初の回折角度が異なり、RGB光の光路が異なる可能性が高くなり、格子結合器外の領域での画像化を引き起こす。
【解決手段】光学システムは、プロジェクタ、偏向器、偏光子、第1の格子結合器構造及び第2の格子結合器構造を含み、プロジェクタは波長の異なる3種のビームを放射し、偏向器はプロジェクタの下方に配置され、3種のビームの入射角を変化させ、第1の格子結合器構造の同一領域に3種のビームを集光させ、第1の格子結合器構造は偏向器の下方にあり、3種のビームが導光レンズ内の同じ光路を走行するように、3種のビームを導光レンズ内に結合させ、導光レンズは第1の格子結合器構造に接続され、3種のビームを伝送し、偏光子はプロジェクタと偏向器との間に配置され、3種のビームの横電界(TE)モードまたは横磁界(TM)モードをフィルタで除外する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長の異なる3種のビームを放射するプロジェクタと、
前記プロジェクタの下方に配置され、前記3種のビームの入射角を変更し、第1の格子結合器構造の同じ領域に前記3種のビームを集光させるように構成された偏向器であって、
前記第1の格子結合器構造は、前記偏向器の下方にあり、前記3種のビームが導光レンズ内の同じ光路を移動するように前記3種のビームを前記導光レンズ内で結合するように構成され、
前記導光レンズは、前記第1の格子結合器構造に接続され、前記3種のビームを伝送するように構成される、偏向器と、
前記プロジェクタと前記偏向器との間に配置され、前記3種のビームの横電界(TE)モードまたは横磁界(TM)モードをフィルタで除外するように構成された偏光子と、
前記導光レンズ上に配置され、前記3種のビームが前記同じ光路を移動した後に、前記3種のビームが前記導光レンズから離れることを可能にするように構成された第2の格子結合器構造と、
を備えることを特徴とする光学システム。
【請求項2】
前記偏向器は、
青色領域、緑色領域、および赤色領域を有し、前記青色領域および前記赤色領域が前記緑色領域によって分離されている、基板と、
前記基板の前記青色領域上に配置された第1の格子偏向器構造と、
前記基板の前記赤色領域上に配置された第2の格子偏向器構造と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記青色領域と前記緑色領域との間隔が100nm~2mmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造の各々が、ブレーズド格子構造、nステップ格子構造、傾斜格子構造、又はこれらの組み合わせを含み、前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造の各々の屈折率が1.7~3.5の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項5】
前記第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、
前記第1のメタ格子構造は、第1の幅W1を有する第1の縦長ユニットと、第2の幅W2を有する第2の縦長ユニットと、第3の幅W3を有する第3の縦長ユニットとを備えるとともに、W1≦W2≦W3であり、
前記第1の縦長ユニット、前記第2の縦長ユニット、及び前記第3の縦長ユニットは、前記基板の前記青色領域の外側表面から前記基板の前記青色領域の内側表面に向けて順次配置されることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第1のメタ格子構造は、さらに、第4の幅W4を有する第4の縦長ユニットと、第5の幅W5を有する第5の縦長ユニットとを備えるとともに、W3≧W4≧W5であり、
前記第4の縦長ユニットは前記第3の縦長ユニットに隣接し、前記第5の縦長ユニットは前記第4の縦長ユニットに隣接することを特徴とする請求項5に記載の光学システム。
【請求項7】
前記第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、
前記第2のメタ格子構造は、第4の幅W4を有する第4の縦長ユニットと、第5の幅W5を有する第5の縦長ユニットと、第6の幅W6を有する第6の縦長ユニットとを備えるとともに、W4≦W5≦W6であり、
前記第4の縦長ユニット、前記第5の縦長ユニット、及び前記第6の縦長ユニットは、前記基板の前記赤色領域の外側表面から前記基板の前記赤色領域の内側表面に向けて順次配置されることを特徴とする請求項5に記載の光学システム。
【請求項8】
前記第2のメタ格子構造は、さらに、第7の幅W7を有する第7の縦長ユニットと、第8の幅W8を有する第8の縦長ユニットとを備えるとともに、W6≧W7≧W8であり、
前記第7の縦長ユニットは前記第6の縦長ユニットに隣接し、前記第8の縦長ユニットは前記第7の縦長ユニットに隣接することを特徴とする請求項7に記載の光学システム。
【請求項9】
前記第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、
前記第1のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、
前記第2のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第1のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数は、前記第2のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数と同じであることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項10】
前記第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、
前記第1のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、
前記第2のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第1のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数は、前記第2のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数と異なることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項11】
前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造のそれぞれが、第1の直径D1を有する第1の円柱ユニットと、第2の直径D2を有する第2の円柱ユニットと、第3の直径D3を有する第3の円柱ユニットとを備えるとともに、D1≦D2≦D3であり、
前記第1の円柱ユニット、前記第2の円柱ユニット、及び前記第3の円柱ユニットは、前記基板の前記青色領域又は前記赤色領域の外側表面から前記基板の前記青色領域又は前記赤色領域の内側表面に向けて順次配置されることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項12】
前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造のそれぞれが、
第4の直径D4を有する第4の円柱ユニットと、第5の直径D5を有する第5の円柱ユニットとを備えるとともに、D3≧D4≧D5であり、
前記第4の円柱ユニットは前記第3の円柱ユニットに隣接し、前記第5の円柱ユニットは前記第4の円柱ユニットに隣接することを特徴とする請求項11に記載の光学システム。
【請求項13】
前記偏向器は、
第1の斜面と第1の底面とを有する第1の石英と、第2の斜面と第2の底面とを有する第2の石英と、第3の斜面と第3の底面とを有する第3の石英と、を備え、
前記第1の底面と、前記第2の底面と、前記第3の底面が互いに平行であり、
前記第1の石英は、前記第1の斜面と前記第1の底面との間に第1の角度θ1を有し、前記第2の石英は、前記第2の斜面と前記第2の底面との間に第2の角度θ2を有し、前記第3の石英は、前記第3の斜面と前記第3の底面との間に第3の角度θ3を有し、かつθ1<θ2<θ3であり、
前記第1の斜面上に第1のダイクロイックフィルタが配置され、前記第2の斜面上に第2のダイクロイックフィルタが配置され、前記第3の斜面上に第3のダイクロイックフィルタが配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学システム。
【請求項14】
前記第2の角度θ2が45度であることを特徴とする請求項13に記載の光学システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学システムに関する。より詳細には、この光学システムは、偏向器の変形構造を含む。
【背景技術】
【0002】
格子結合器(Grating couplers)は、光デバイス上の導光レンズに出入りする外部光を伝送することにより、画像の送信に用いることができる。ただし、カラー画像の場合、外部光は、RGB光のように異なる色となる複数の波長を含んでいる。波長の異なるカラー画像が同じ導光レンズ内で結合すると、それらの最初の回折角度が異なり、この結果RGB光の光路が異なる可能性が高くなり、格子結合器外の領域での画像化という問題を引き起こす。そのため、上記課題を解決する必要がある。
【発明の概要】
【0003】
本開示の一態様では、光学システムを提供する。この光学システムは、プロジェクタ、偏向器、偏光子、第1の格子結合器構造、及び第2の格子結合器構造を含む。プロジェクタは波長の異なる3種のビームを放射する。偏向器は、プロジェクタの下方に配置され、3種のビームの入射角を変化させ、第1の格子結合器構造の同一領域に3種のビームを集光させるように構成されている。第1の格子結合器構造は、偏向器の下方にあり、3種のビームが導光レンズ内の同じ光路を移動するように、3種のビームを導光レンズ内で結合するように構成されている。導光レンズは、第1の格子結合器構造に接続され、3種のビームを伝送するように構成されている。偏光子は、プロジェクタと前記偏向器との間に配置される。この偏光子は、3種のビームの横電界(TE)モードまたは横磁界(TM)モードをフィルタで除外するように構成されている。第2の格子結合器構造は、導光レンズ上に配置され、3種のビームが同じ光路を移動した後に導光レンズから3種のビームが離れることを可能とするように構成されている。
【0004】
本開示のいくつかの実施形態によれば、偏向器は、基板と、第1の格子偏向器構造と、第2の格子偏向器構造とを含む。基板は、青色領域と、緑色領域と、赤色領域とを有し、青色領域と赤色領域とが緑色領域で分離されており、各領域が1mm~8mmの範囲にある。第1の格子偏向器構造は、基板上の青色領域に配置される。第2の格子偏向器構造は、基板上の赤色領域に配置される。
【0005】
本開示のいくつかの実施形態によれば、青色領域と緑色領域(または緑色領域と赤色領域)との間隔は、100nm~2mmの範囲にある。
【0006】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造および第2の格子偏向器構造の各々は、ブレーズド格子構造、nステップ格子構造、傾斜格子構造、またはそれらの組み合わせを含み、ここで、第1の格子偏向器構造および第2の格子偏向器構造の各々の屈折率は、1.7~3.5の範囲である。
【0007】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、第1のメタ格子構造は、第1の幅W1を有する第1の縦長ユニットと、第2の幅W2を有する第2の縦長ユニットと、第3の幅W3を有する第3の縦長ユニットを備え、W1≦W2≦W3である。第1の縦長ユニット、第2の縦長ユニット、及び第3の縦長ユニットは、基板の青色領域の外側表面から基板の青色領域の内側表面に向けて順次配置される。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のメタ格子構造はさらに、第4の幅W4を有する第4の縦長ユニットと、第5の幅W5を有する第5の縦長ユニットとを備え、W3≧W4≧W5である。第4の縦長ユニットは第3の縦長ユニットに隣接し、第5の縦長ユニットは第4の縦長ユニットに隣接する。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、第2のメタ格子構造は、第4の幅W4を有する第4の縦長ユニットと、第5の幅W5を有する第5の縦長ユニットと、第6の幅W6を有する第6の縦長ユニットとを備え、W4≦W5≦W6である。第4の縦長ユニット、第5の縦長ユニット、及び第6の縦長ユニットは、基板の赤色領域の外側表面から基板の赤色領域の内側表面に向けて順次配置される。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2のメタ格子構造はさらに、第7の幅W7を有する第7の縦長ユニットと、第8の幅W8を有する第8の縦長ユニットとを備え、W6≧W7≧W8である。第7の縦長ユニットは第6の縦長ユニットに隣接し、第8の縦長ユニットは第7の縦長ユニットに隣接する。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の縦長ユニット、第2の縦長ユニット、および第3の縦長ユニットは、第1の高さを有する。第4の縦長ユニット、第5の縦長ユニット、及び第6の縦長ユニットは、第2の高さを有する。第1の高さは第2の高さと同じである。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の縦長ユニット、第2の縦長ユニット、および第3の縦長ユニットは、第1の高さを有する。第4の縦長ユニット、第5の縦長ユニット、及び第6の縦長ユニットは、第2の高さを有する。第1の高さは第2の高さとは異なる。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造の第1の周期は、第2の格子偏向器構造の第2の周期と同じである。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造の第1の周期は、第2の格子偏向器構造の第2の周期とは異なる。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、第1のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備える。第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、第2のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備える。第1のメタ格子構造の縦長ユニットの数は、第2のメタ格子構造の縦長ユニットの数と同じである。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、第1のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備える。第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、第2のメタ格子構造は、幅方向にグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備える。第1のメタ格子構造の縦長ユニットの数は、第2のメタ格子構造の縦長ユニットの数とは異なる。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造および第2の格子偏向器構造のそれぞれが、第1の直径D1を有する第1の円柱ユニットと、第2の直径D2を有する第2の円柱ユニットと、第3の直径D3を有する第3の円柱ユニットを備えるとともに、D1≦D2≦D3である。第1の円柱ユニット、第2の円柱ユニット、及び第3の円柱ユニットは、基板の青色領域又は赤色領域の外側表面から基板の青色領域又は赤色領域の内側表面に向けて順次配置されている。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の格子偏向器構造および第2の格子偏向器構造のそれぞれが、第4の直径D4を有する第4の円柱ユニットと、第5の直径D5を有する第5の円柱ユニットを備えるとともに、D3≧D4≧D5である。第4の円柱ユニットは第3の円柱ユニットに隣接し、第5の円柱ユニットは第4の円柱ユニットに隣接する。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1の円柱ユニット、第2の円柱ユニット、および第3の円柱ユニットは、同じ高さを有する。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、偏向器は、第1の斜面と第1の底面とを有する第1の石英と、第2の斜面と第2の底面とを有する第2の石英と、第3の斜面と第3の底面とを有する第3の石英と、を備え、第1の底面と、第2の底面と、第3の底面は互いに平行である。第1の石英は、第1の斜面と第1の底面との間に第1の角度θ1を有し、第2の石英は、第2の斜面と第2の底面との間に第2の角度θ2を有し、第3の石英は、第3の斜面と第3の底面との間に第3の角度θ3を有し、かつθ1<θ2<θ3である。第1の斜面上に第1のダイクロイックフィルタが配置され、第2の斜面上に第2のダイクロイックフィルタが配置され、第3の斜面上に第3のダイクロイックフィルタが配置される。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2の角度θ2は45度である。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態によれば、光学システムは、偏向器の脇に配置された光吸収体をさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本開示の態様は、添付の図と共に読まれると以下の詳細な説明から最もよく理解される。業界の標準的な慣行に従って、様々な特徴が縮尺通りに描かれていないことに留意されたい。実際、様々な構成の寸法は、説明を明瞭にするために任意に拡大または縮小され得る。
図1】本開示のいくつかの実施形態による一つのスマートグラスの概略図である。
図2図1の一つのスマートグラスの一部分の上面図である。
図3】本開示のいくつかの実施形態による光学システムの概略図である。
図4】プロジェクタから放射される3種のビームの波帯の模式図で、図3で3種のビームがフィルタを透過した後の模式図である。
図5A】3種の分離されたビームのうちの一つによる元の画像の模式図である。
図5B】3種の分離されたビームのうちの一つによる元の画像の模式図である。
図5C】3種の分離されたビームのうちの一つによる元の画像の模式図である。
図5D】重なり合った着色画像の光学画像の模式図である。
図6図3の偏向器の拡大図である。
図7】本開示のいくつかの実施形態による図6における偏向器の上面図である。
図8】本開示のいくつかの実施形態による図6における偏向器の上面図である。
図9A図6の第1のメタ格子構造の拡大図である。
図9B図6の第2のメタ格子構造の拡大図である。
図10A図9Aにおける第1のメタ格子構造の変形構造の拡大図である。
図10B図9Bにおける第2のメタ格子構造の変形構造の拡大図である。
図11図8の偏向器の第1のメタ格子構造の変形構造の上面図である。
図12】本開示のいくつかの代替実施形態による偏向器の断面図である。
図13】本開示のいくつかの代替実施形態による偏向器の断面図である。
図14】本開示のいくつかの代替実施形態による偏向器の断面図である。
図15図3の格子結合器構造を有する導光レンズの断面図である。
図16】本開示のいくつかの実施形態による光学システムの概略図である。
図17A図16の第1の格子偏向器構造の拡大図である。
図17B図16の第1の格子偏向器構造における変形構造の拡大図である。
図17C図16の第1の格子偏向器構造における変形構造の拡大図である。
図18図1の一つのスマートグラスの一部分の上面図である。
図19】本開示のいくつかの実施形態による光学システムの概略図である。
図20図19における偏向器の一部分の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の開示は、提供された主題の異なる特徴を実施するための多くの異なる実施形態又は実施例を提供する。本開示を単純化するために構成要素および配置の具体例を以下に記載する。これらは、もちろん、単なる例であり、限定することを意図するものではない。例えば、以下の説明における第2の構成の上またはそれをまたぐ第1の構成の形成は、第1および第2の構成が直接接触して形成される実施形態を含むことができ、また、第1および第2の構成が直接接触しないように、第1の構成と第2の構成との間に追加の構成が形成され得る実施形態を含んでもよい。加えて、本開示は、種々の実施例において参照番号および/または文字を繰り返してもよい。この繰り返しは、単純化および明瞭化を目的としており、それ自体では、説明される様々な実施形態および/または構成間の関係を示すものではない。任意の要素/構成要素の数は単なる例示のためのものであり、本開示を限定する意図はないことを理解されたい。
【0025】
第1、第2などの用語は、様々な要素を記述するために本明細書で使用され得るが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないと理解されたい。これらの用語は、ある要素を別の要素と区別するためにのみ使用される。各実施形態の範囲から逸脱することなく、例えば、第1の要素を第2の要素と呼ぶことができ、同様に、第2の要素を第1の要素と呼ぶことができる。本明細書で使用される場合、用語「および/または」は、関連する列挙された項目の1つ以上のいずれか、およびすべての組み合わせを含むものである。
【0026】
さらに、上や下など(「下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」など)の空間的に相対的な用語は、図に例示されるように、ある要素または構成と別の要素または構成との関係を記述するためのものであり、説明を容易にするために本明細書で使用され得る。空間的に相対的な用語は、図に描かれた向きに加えて、使用中または動作中の装置の異なる向きを包含することを意図する。装置は、他の方向を向いていてもよく(90度または他の向きに回転してもよく)、本明細書で使用される空間的に相対的な記述子(descriptors)も同様に解されてもよい。
【0027】
さらに、数値または数値の範囲が「約」、「およそ」などと共に記載されている場合、この用語は、記載された数を含む合理的な範囲内にある数であり、例えば記載された数の+/-10%以内や、または当業者によって理解される他の値の範囲内にある数を包含することを意図する。例えば、「約5nm」という用語は、4.5nmから5.5nmまでの寸法範囲を包含するものと理解されたい。
【0028】
以下、本発明のいくつかの実施形態を、添付の図面とともに開示する。明確な説明のために、以下に多くの実用的な詳細を説明する。しかしながら、これらの実用的な詳細は、本発明を限定するために使用されるべきではないと理解されたい。すなわち、本発明のいくつかの実施形態において、これらの実用的な詳細は不要である。加えて、図面を単純化するために、いくつかの従来の構造および要素は、簡単な概略様式で図面に示され得る。
【0029】
ビームが様々な光学素子を通って導光レンズまたはガラスに入るとき、RGB光は異なる光路を有することとなる。したがって、観察者の目から見ればRGB光の伝送がシフトする。異なる光路を有するRGB光によって引き起こされる伝送画像の問題を解決するため、複数の格子結合器および/または複数の光学素子を用いて、画像化のための同じ一つの光路を実現させていた。例えば、外光の3波長(光のRGB波長など)を別々に多重化するために、3つの別々の高屈折率ガラスを使用し、各ガラスは少なくとも1つの格子結合器を有し、それによってRGB波長を同じ光路に伝送させていた。しかし、3種の別々の高屈折率ガラスは、光学デバイスの厚さを増加させ、また、光学デバイスの製造コストも増加させるであろう。
【0030】
本開示の光学システムは、異なる位置から放出される3種の分離されたRGB画像の入射角を調整し、次いでRGB画像を1つの偏向器、1つの格子結合器、および1つの導光レンズを用いて結合する。加えて、本開示は、偏向器の変形構造を含む光学システムを提供する。偏向器としては、複数の縦長ユニットを有するメタ格子構造、複数の円柱ユニットを有するメタ格子構造、nステップ格子構造、ブレーズド格子構造、傾斜格子構造を挙げることができる。偏向器には、青色ダイクロイックフィルタ、緑色ダイクロイックフィルタ、赤色ダイクロイックフィルタを備えた3種の石英キューブ体を含めることもできる。本開示の光学システムは、光学デバイスの厚さを薄くし、RGB光(画像)の高効率化を実現することができる。本開示は、拡張現実(AR)および仮想現実(VR)などのスマートグラスに適用され得る。
【0031】
図1は、本開示のいくつかの実施形態による一つのスマートグラス100の概略図である。一つのスマートグラス100は、アーム110と、光学デバイス120と、格子結合器構造130と、導光レンズ140とを備える。アーム110及び光学デバイス120は、方向Yに沿って延びており、光学デバイス120は、アーム110内に配置されている。格子結合器構造130は、アーム110の端部の周囲に配置されている。導光レンズ140は、方向Xに沿って延びている。
【0032】
図2は、図1の一つのスマートグラス100の部分上面図である。光学デバイス120は、いくつかの要素を含む。図2は、明確化のために、格子構造1212および基板1214を含む偏向器121を単に図示しているにすぎない。光学デバイス120の詳細な図面は、以下の図3で詳述される。格子結合器構造130は、アーム110の端部と導光レンズ140の端部との交点に配置されている。具体的には、格子結合器構造130は、導光レンズ140の一つの表面上に配置されている。
【0033】
図3は、本開示のいくつかの実施形態による光学システム300の概略図である。光学システム300は、プロジェクタ122と、偏光子123と、コリメータ124と、フィルタ125と、偏向器121と、格子結合器構造130と、導光レンズ140と、光吸収体150とを含む。プロジェクタ122は、波長の異なる3種のビームを放射することができる。具体的には、3種のビームは方向Yに沿って延びている。プロジェクタ122から放射されるビームは、3種のビームに限定されず、多色光を発することもできる。3種のビームは、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RLであってもよい。なお、以下の「3種のビーム」は、青色光BL、緑色光GL、赤色光RLを指す。プロジェクタ122は、重なり合ったカラー画像500(図5D参照)を3つの分けられたRGB画像(図5A図5C参照)に分離するように構成されている。いくつかの実施形態では、プロジェクタ122は、青色光BL、緑色光GL、および赤色光RLが広帯域光であり得るように、有機発光ダイオード(OLED)プロジェクタであってもよい。偏光子123は、プロジェクタ122の下方に配置されている。具体的には、偏光子123は、プロジェクタ122と偏向器121との間に配置されている。偏光子123は、プロジェクタ122から放射する3種のビームの横電界(TE)モードまたは横磁界(TM)モードをフィルタで除外するように構成されている。コリメータ124は、偏光子123の下方に配置され、プロジェクタ122から放射される3種のビームの入射角を制限するように構成されている。フィルタ125は、コリメータ124の下方に配置され、プロジェクタ122から放射される3種のビームの波帯を狭くするように構成されている。いくつかの実施形態では、フィルタ125は、青色光BL用の青色ナローバンドパスフィルタと、緑色光GL用の緑色ナローバンドパスフィルタと、赤色光RL用の赤色ナローバンドパスフィルタとを含む。いくつかの実施形態では、偏光子123、コリメータ124、およびフィルタ125の配置は、交換可能としてもよい。
【0034】
図4は、プロジェクタ122から放射される3種のビームの波帯の模式図であり、3種のビームが図3のフィルタ125を透過したあとの図である。具体的には、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RLがフィルタ125を透過した後、青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RLの波帯が狭くなる。いくつかの実施形態では、青色光BLがフィルタ125を透過した後、青色光BLの波長は、約440、446、457、465、473、または488nmなどの430nm~491nmの範囲で有り得る。いくつかの実施形態では、緑色光GLがフィルタ125を透過した後、緑色光GLの波長は、約515、520、532、543、または560nmなどの510nm~581nmの範囲で有り得る。いくつかの実施形態では、赤色光RLがフィルタ125を透過した後、赤色光RLの波長は、約630、633、637、または658nmなどの590nm~671nmの範囲で有り得る。なお、図3に示す青色光BL、緑色光GL、及び赤色光RLも、他の色の光を含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、青色光BL、緑色光GL、および赤色光RLは、3つの分離されたRGB画像を含む。
【0035】
もう一度図3を参照されたい。偏向器121は、フィルタ125の下方に配置されている。偏向器121は、格子構造1212と基板1214とを含む。格子構造1212は、基板1214上に配置されている。基板1214は、青色領域BRと、緑色領域GRと、赤色領域RRとを含む。青色領域BRと赤色領域RRとは、図3に示すように緑色領域GRで区切られている。格子構造1212は、基板1214の青色領域BR上に配置された第1の格子偏向器構造1212aと、基板1214の赤色領域RR上に配置された第2の格子偏向器構造1212bとを有する。つまり、基板1214の緑色領域GR上に配置される格子構造は存在しない。図2および図3に示された格子構造1212は、単に分かり易くするために図示されていることを理解されたい。格子構造1212の詳細な配置については図6図14で、格子構造1212の変形構造については図17A図17Cで説明する。いくつかの実施形態では、第1の格子偏向器構造1212aおよび第2の格子偏向器構造1212bの各々の屈折率は、例えば1.8、2.2、2.6、3.0、または3.4などの1.7~3.5の範囲である。いくつかの実施形態では、第1の格子偏向器構造1212aおよび第2の格子偏向器構造1212bの各々は、Al、TiO、Nb、Si、またはTaによって作製され得る。いくつかの実施形態では、基板1214は、透明基板であってもよく、ガラス、溶融シリカ、サファイア、セラミック、高分子樹脂、またはプラスチックからなっていてもよい。いくつかの実施形態では、基板1214の屈折率は、1.4、1.5、1.7、または1.9などの1.3~2.0の範囲で有り得る。
【0036】
図3において、格子結合器構造130及び導光レンズ140は、偏向器121の下方に配置されている。格子結合器構造130は、第1の格子結合器構造130aと第2の格子結合器構造130bとを含む。第1の格子結合器構造130aおよび第2の格子結合器構造130bは、導光レンズ140に接続されている。第1の格子結合器構造130aは、偏向器121の下方にあり、3種のビーム(青色光BL、緑色光GL、赤色光RLなど)を導光レンズ140内で結合して、3種のビームが導光レンズ140内の同じ光路を移動するように構成されている。導光レンズ140は、3種のビームを伝送するように構成されている。偏向器121は、3種のビームの入射角を変更し、格子結合器構造130の第1の格子結合器構造130aの同一領域に3種のビームを集光させるように構成されている。具体的には、青色光BLが偏向器121を通過した後、第1の格子結合器構造130aに対する青色光BLの青色偏向角θが形成される。同様に、赤色光RLが偏向器121を通過した後、第1の格子結合器構造130aに対する赤色光RLの赤色偏向角θが形成される。格子結合器構造130の第2の格子結合器構造130bは、導光レンズ140上に配置され、3種のビームが同じ光路を移動した後に導光レンズ140から3種のビームが出るのを可能とする構成である。いくつかの実施形態では、第1の格子結合器構造130aの構造および材料は、第2の格子結合器構造130bと同じである。いくつかの実施形態では、光吸収体150が、格子結合器構造130の下方に配置される。いくつかの実施形態では、光吸収体150は任意に選択可能である。光吸収体150は、1次回折光以外の0次光や(青色光BL、緑色光GL、赤色光RLの)高次回折光などの非理想光を吸収するように構成されている。
【0037】
図5A図5B図5Cは、分離された3種のビーム(青色光BL、緑色光GL、赤色光RL)の元の画像の模式図である。図5Dは、重なり合ったカラー画像500の光学画像の模式図である。具体的には、図3を参照されたい。3種のビームが偏向器121を通過した後、3種のビームは進行方向を変え、その後、3種のビームが格子結合器構造130の第1の格子結合器構造130aの同一領域上に集光することになる。したがって、3種のビームは結合して導光レンズ140内に入射する。次に、3種のビームは、方向Xに沿って導光レンズ140内の同じ光路を移動する。最後に、3種のビームは格子結合器構造130の第2の格子結合器構造130bを介して結合が外れ、図5Dに示す重なり合った着色画像500を形成するために3種のビームが分離する。
【0038】
図6は、図3の偏向器121の拡大図である。図6に示す格子構造1212の第1の格子偏向器構造1212aおよび第2の格子偏向器構造1212bはいずれもメタ格子構造である。つまり、図3の第1の格子偏向器構造1212aは、図6の第1のメタ格子構造1212amとして、図3の第2の格子偏向器構造1212bは、図6の第2のメタ格子構造1212bmとして理解され得る。本明細書において「メタ格子構造」とは、格子構造中のユニットが異なり、かつ、ユニットの幅が規則的に増減していることを意味するものと理解されたい。図6に示すように、複数の第1のメタ格子構造1212amは、基板1214の青色領域BR上に配置されている。いくつかの実施形態では、第1のメタ格子構造1212amの数は、125~8000の範囲で、例えば約200~4000である。いくつかの実施形態では、第1のメタ格子構造1212amの周期Pは、1000~8000nmの範囲で、例えば約2000~5000nmである。いくつかの実施形態では、第1のメタ格子構造1212amの高さHは、20~2000nmの範囲で、例えば約100~1000nmである。同様に、複数の第2のメタ格子構造1212bmが基板1214の赤色領域RR上に配置されている。いくつかの実施形態では、第2のメタ格子構造1212bmの数は、125~8000の範囲で、例えば、約200~4000である。いくつかの実施形態では、第2のメタ格子構造1212bmの周期Pは、1000~8000nmの範囲で、例えば約2000~5000nmである。いくつかの実施形態では、第2のメタ格子構造1212bmの高さHは、20~2000nmの範囲で、例えば約100~1000nmである。いくつかの実施形態では、基板1214の青色領域BRの幅WBR、緑色領域GRの幅WGR、および赤色領域RRの幅WRRの各々は、1~8mmの範囲である。いくつかの実施形態では、青色領域BRと緑色領域GRとの間の間隔S、および緑色領域GRと赤色領域RRとの間の間隔Sは、100nm~2mmの範囲で、例えば約10~200μmである。
【0039】
図7および図8は、本開示のいくつかの実施形態における図6の偏向器121、121Aの上面図である。具体的には、図7の偏向器121の線L1-L1’に沿った図は図6であり、図8の偏向器121Aの線L2-L2’に沿った図も図6である。図7を参照すると、格子構造1212の第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの形状は、縦長である。図8を参照すると、格子構造1212の第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの形状は円柱である。図7の偏向器121も、図8の偏向器121Aも、断面図は、図6に示すものと同じである。
【0040】
図9A及び図9Bは、それぞれ、図6の第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの拡大図である。図9Aを参照されたい、第1のメタ格子構造1212amは、第1の幅W1を有する第1の縦長ユニットU1と、第2の幅W2を有する第2の縦長ユニットU2と、第3の幅W3を有する第3の縦長ユニットU3と、第t-1番目の幅Wt-1を有する第t-1番目の縦長ユニットUt-1と、第t番目の幅Wtを有する第t番目の縦長ユニットUtを備えるとともに、W1≦W2≦W3≦Wt-1≦Wtである。つまり、第1のメタ格子構造1212amの複数の縦長ユニットは、幅方向にグラデーションを有する。第1のメタ格子構造1212amは、t個の縦長ユニットを備え、tはt≧4であって、例えば5、6、8、または10で有り得る。具体的には、図9Aに示すように、第1のメタ格子構造1212amの周期Pと数tによりピッチをP/tと定義する。図6及び図9Aを参照して、第1の縦長ユニットU1、第2の縦長ユニットU2、及び第3の縦長ユニットU3は、基板1214の青色領域BRの外側表面から基板1214の青色領域BRの内側表面に向けて順次配置されている。
【0041】
図9Bを参照されたい。第2のメタ格子構造1212bmは、第1の幅W1を有する第1の縦長ユニットU1と、第2の幅W2を有する第2の縦長ユニットU2と、第3の幅W3を有する第3の縦長ユニットU3と、第m-1番目の幅Wm-1を有する第m-1番目の縦長ユニットUm-1と、第m番目の幅Wmを有する第m番目の縦長ユニットUmを備えるとともに、W1≦W2≦W3≦Wm-1≦Wmである。つまり、第2のメタ格子構造1212bmの複数の縦長ユニットは、幅方向にグラデーションを有する。第2のメタ格子構造1212bmは、m個の縦長ユニットを備え、mはm≧4であって、例えば5、6、8、または10で有り得る。具体的には、図9Bに示すように、第2のメタ格子構造1212bmの周期Pと数mによりピッチをP/mと定義する。図6及び図9Bを参照して、第1の縦長ユニットU1、第2の縦長ユニットU2、及び第3の縦長ユニットU3は、基板1214の赤色領域RRの外側表面から基板1214の赤色領域RRの内側表面に向けて順次配置されている。
【0042】
図10A及び図10Bは、それぞれ、図9A及び図9Bの第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの変形構造の拡大図である。同じ構成は、同じ参照符号でラベル付けされ、同じ構成の説明は、以下の図では繰り返さない。図9A図10Aとの相違点は、図10Aの第1のメタ格子構造1212amが、第t+1番目の幅Wt+1を有する第t+1番目の縦長ユニットUt+1と、第t+2番目の幅Wt+2を有する第t+2番目の縦長ユニットUt+2とをさらに備えるとともに、Wt≧Wt+1≧Wt+2である。第t+1番目の縦長ユニットUt+1は第t番目の縦長ユニットUtに隣接し、第t+2番目の縦長ユニットUt+2は第t+1番目の縦長ユニットUt+1に隣接する。
【0043】
図9B図10Bとの相違点は、図10Bの第2のメタ格子構造1212bmが、第m+1番目の幅Wm+1を有する第m+1番目の縦長ユニットUm+1と、第m+2番目の幅Wm+2を有する第m+2番目の縦長ユニットUm+2とをさらに備えるとともに、Wm≧Wm+1≧Wm+2である。第m+1番目の縦長ユニットUm+1は第m番目の縦長ユニットUmに隣接し、第m+2番目の縦長ユニットUm+2は第m+1番目の縦長ユニットUm+1に隣接する。
【0044】
図11は、図8の偏向器121Aの第1のメタ格子構造1212amの変形構造の上面図である。具体的には、図11の第1のメタ格子構造1212amの断面図として、図10Aを参照し得る。図11の第1のメタ格子構造1212amは円柱状であり、X-Z断面から見ると複数の円形状を有している。図11に示すように、第1のメタ格子構造1212amは、第1の直径D1を有する第1の円柱ユニットU1と、第2の直径D2を有する第2の円柱ユニットU2と、第3の直径D3を有する第3の円柱ユニットU3と、第t-1番目の直径Dt-1を有する第t-1番目の円柱ユニットUt-1と、第t番目の直径Dtを有する第t番目の円柱ユニットUtとを備えるとともに、D1≦D2≦D3≦Dt-1≦Dtである。図11の第1のメタ格子構造1212amは、さらに、第t+1番目の直径Dt+1を有する第t+1番目の円柱ユニットUt+1と、第t+2番目の直径Dt+2を有する第t+2番目の円柱ユニットUt+2とを備えるとともに、Dt≧Dt+1≧Dt+2である。第t+1番目の円柱ユニットUt+1は第t番目の円柱ユニットUtに隣接し、第t+2番目の円柱ユニットUt+2は第t+1番目の円柱ユニットUt+1に隣接する。図11の第1のメタ格子構造1212amの配置位置は、図8の第1のメタ格子構造1212amの配置位置と類似することがわかり得る。その詳細は繰り返し説明しない。なお、第2のメタ格子構造1212bmの変形構造は、図11に示す第1のメタ格子構造1212amの左右対称のミラー構造とすることができる。
【0045】
図6図9A図9Bを再度参照されたい。縦方向/円柱ユニットU1、U2、U3、Ut-1、Utはすべて同じ高さHを有する。縦方向/円柱ユニットU1、U2、U3、Um-1、Umはすべて同じ高さHを有する。いくつかの実施形態では、図6に示すように、第1のメタ格子構造1212amの高さHは、第2のメタ格子構造1212bmの高さHと同じである。いくつかの実施形態では、図6に示すように、第1のメタ格子構造1212amの周期Pは、第2のメタ格子構造1212bmの周期Pと同じである。
【0046】
図12図13、および図14は、本開示のいくつかの代替実施形態による偏向器121B、121C、121Dの断面図である。いくつかの実施形態では、図12の偏向器121Bに示すように、第1のメタ格子構造1212amの高さHは、第2のメタ格子構造1212bmの高さHとは異なる。いくつかの実施形態では、図13の偏向器121Cおよび図14の偏向器121Dに示すように、第1のメタ格子構造1212amの周期Pは、第2のメタ格子構造1212bmの周期Pとは異なる。具体的には、図13において、第1のメタ格子構造1212amの縦長ユニットの数は、第2のメタ格子構造1212bmの縦長ユニットの数よりも多い。図14において、第1のメタ格子構造1212amの縦長ユニット間のピッチP/tは、第2のメタ格子構造1212bmの縦長ユニット間のピッチP/mよりも小さい。
【0047】
図15は、図3の格子結合器構造130を有する導光レンズ140の断面図である。格子結合器構造130は、第1格子結合器構造130a及び第2格子結合器構造130bを含む。図15に示す格子結合器構造130は、傾斜格子結合器構造である。具体的には、格子結合器構造130は、左下点BL、右下点BR、左上点UL、及び右上点URの位置によって定義される。いくつかの実施形態では、格子結合器構造130の周期PGCは、300nmから500nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、格子結合器構造130の高さHGCは、100nm~600nmの範囲にある。いくつかの実施形態では、格子結合器構造130の屈折率は、1.7~3.5の範囲であり、1.8、2.5、2.9、または3.4などである。いくつかの実施形態では、導光レンズ140の屈折率は、格子結合器構造130の屈折率と同じかまたは類似したものである。
【0048】
以下の表1~3、図3図7図15を参照されたい。これは実験例1を示し、格子構造1212の第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの形状が縦長であり、フィルタ125がTMモードの条件下での実験例を示すものである。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
実験例1では、表3から、青色光BLの総合効率が62.02%、緑色光GLの総合効率が95.59%、赤色光RLの総合効率が62.02%であることが分かる。この例は、RGB光の効率が良かったと考えられる。
【0053】
以下の表4~6、図3図7図15を参照されたい。これは実験例2を示し、格子構造1212の第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの形状が縦長であり、フィルタ125がTEモードの条件下での実験例を示すものである。
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
実験例2では、表6から、青色光BLの総合効率が47.10%、緑色光GLの総合効率が86.42%、赤色光RLの総合効率が44.88%であることが分かる。この例は、RGB光の効率が良かったと考えられる。
【0058】
以下の表7~9、図3図8図15を参照されたい。これは実験例3を示し、格子構造1212の第1のメタ格子構造1212am及び第2のメタ格子構造1212bmの形状が円柱であり、フィルタ125がTEモードの条件下での実験例を示すものである。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
【0062】
実験例3では、表9から、青色光BLの総合効率が67.44%、緑色光GLの総合効率が88.80%、赤色光RLの総合効率が67.44%であることが分かる。この例は、RGB光の効率が良かったと考えられる。
【0063】
図16は、本開示のいくつかの実施形態による光学システム1600の概略図である。図17Aは、図16の第1の格子偏向器構造1212aの拡大図である。図17B及び図17Cは、図16の第1の格子偏向器構造1212aに対する変形構造の拡大図である。図16の格子構造1212の第1格子偏向器構造1212aは、図17Aに示す3ステップ格子構造1212a1、図17Bに示すブレーズド格子構造1212a2、図17Cに示す傾斜格子構造1212a3、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0064】
図16の光学システム1600と図3の光学システム300との相違点は格子構造1212である。具体的には、図3の格子構造1212の第1の格子偏向器構造1212aおよび第2の格子偏向器構造1212bはメタ格子構造である。いくつかの実施形態では、図16の格子構造1212の第1の格子偏向器構造1212aおよび第2の格子偏向器構造1212bは、3ステップ格子構造1212a1である(図17Aを参照されたい)。図16の3ステップ格子構造の数は単に例示であり、本開示を限定するものではないことが理解され得る。
【0065】
図17Aを参照されたい。3ステップ格子構造1212a1は、複数の垂直側壁173,175及び複数の水平面172,174を含む。水平面174は、垂直側壁173,175に隣接している。なお、図17Aに示す格子構造1212a1は、3ステップ格子構造であるが、n≧3のnステップ格子構造であってもよい。図17Bを参照されたい。ブレーズド格子構造1212a2は、傾斜側壁176を備えている。傾斜側壁176は、ブレーズド格子構造1212a2の上部からブレーズド格子構造1212a2の底部まで延びており、ブレーズド格子構造1212a2の幅は、ブレーズド格子構造1212a2の上部からブレーズド格子構造1212a2の底部にかけて徐々に大きくなる構成である。図17Cを参照されたい。傾斜格子構造1212a3は、傾斜側壁177,178及び上面179を備えている。上面179は、傾斜側壁177,178に隣接している。傾斜格子構造1212a3の傾斜側壁177,178の各々は、第1の斜面と第2の斜面とを有する。いくつかの実施形態では、第1の斜面は、第2の斜面と同じである。いくつかの実施形態では、第1の斜面は、第2の斜面よりも小さい。なお、第2格子偏向器構造1212bの変形構造は、図17A図17Cに示す第1の格子偏向器構造1212aの左右対称のミラー構造とすることができる。.
【0066】
図18は、図1の一つのスマートグラス100の部分上面図である。図2のスマートグラス100と図18のスマートグラス100Aとの相違点は、光学デバイス120、120aである。光学デバイス120aの詳細な図面については、後述の図19で説明する。同じ構成は、同じ参照符号でラベル付けされ、同じ構成の説明は、以下の図では繰り返さない。
【0067】
図19は、本開示のいくつかの実施形態による光学システム1900の概略図である。光学システム1900は、プロジェクタ122、偏光子123、コリメータ124、フィルタ125、偏向器121E、光吸収体1910、格子結合器構造130、導光レンズ140、および光吸収体150を含む。偏向器121Eは、青色光BL用の青色ダイクロイックフィルタ1922と、緑色光GL用の緑色ダイクロイックフィルタ1924と、赤色光RL用の赤色ダイクロイックフィルタ1926とを備えている。青色ダイクロイックフィルタ1922、緑色ダイクロイックフィルタ1924、赤色ダイクロイックフィルタ1926は、光を反射するためのフィルタコーティングと理解され得る。
【0068】
図20は、図19の偏向器121Eの一部分の図である。偏向器121Eは、第1の斜面OSと第1の底面BSとを有する石英1932と、第2の斜面OSと第2の底面BSとを有する石英1934と、第3の斜面OSと第3の底面BSとを有する石英1936とを備える。石英1932の第1の底面BS、石英1934の第2の底面BS、及び石英1936の第3の底面BSは互いに平行である。石英1932は、石英1932の第1の斜面OSと第1の底面BSとの間に第1の角度θ1を有する。石英1934は、石英1934の第2の斜面OSと第2の底面BSとの間に第2の角度θ2を有する。石英1936は、石英1936の第3の斜面OSと第3の底面BSとの間に第3の角度θ3を有する。いくつかの実施形態では、第2の角度θ2は45度であり、図20に示すようにθ1<θ2<θ3と成り得る。
【0069】
なお、図20を参照されたい。青色ダイクロイックフィルタ1922は第1の斜面OS上に配置され、緑色ダイクロイックフィルタ1924は第2の斜面OS上に配置され、赤色ダイクロイックフィルタ1926は第3の斜面OS上に配置される。青色ダイクロイックフィルタ1922は、石英1932と石英1933との間に位置合わせされ、青色偏向器キューブ体として組み立てられているものと理解され得る。緑色ダイクロイックフィルタ1924は、石英1934と石英1935との間に位置合わせされ、緑色偏向器キューブ体として組み立てられている。赤色ダイクロイックフィルタ1926は、石英1936と石英1937との間に位置合わせされ、赤色偏向器キューブ体として組み立てられている。いくつかの実施形態では、青色偏向器キューブ体、緑色偏向器キューブ体、および赤色偏向器キューブ体のそれぞれの厚さは、1~10mmの範囲にある。いくつかの実施形態では、青色偏向器キューブ体に対して波長が400nmより小さい光の透過率は90%より大きく、青色偏向器キューブ体に対して波長が400nmより大きい光の反射率は90%より大きい。いくつかの実施形態では、緑色偏向器キューブ体に対して波長が500nmより小さい光の透過率は90%より大きく、緑色偏向器キューブ体に対して波長が500nmより大きい光の反射率は90%より大きい。いくつかの実施形態では、赤色偏向器キューブ体に対して波長が585nmより小さい光の透過率は90%より大きく、赤色偏向器キューブ体に対して波長が585nmより大きい光の反射率は90%より大きい。青色偏向器キューブ体、緑色偏向器キューブ体、赤色偏向器キューブ体は、3種のビーム(3つの分けられたRGB画像、図5A図5C参照)の入射角を調整し、第1の格子結合器構造130a(図19参照)の同一の領域上に当該ビームを結合されたカラー画像(図5D参照)として晒されるように構成されている。
【0070】
再度図19を参照されたい。光吸収体1910は、偏向器121Eの脇(図19では右側)に配置されている。光吸収体1910は、光学デバイス120a(図18参照)の青色ダイクロイックフィルタ1922、緑色ダイクロイックフィルタ1924、赤色ダイクロイックフィルタ1926で反射されないビームを吸収するように構成されている。格子結合器構造130、導光レンズ140、及び光吸収体150は、偏向器121Eの下方(図19の下側)に配置されている。プロジェクタ122から出射された3種のビーム(青色光BL、緑色光GL、赤色光RL)は、青色ダイクロイックフィルタ1922、緑色ダイクロイックフィルタ1924、赤色ダイクロイックフィルタ1926で反射され、その後、3種のビームは入射角を変えて格子結合器構造130の第1の格子結合器構造130aの同一領域に集光する。
【0071】
本開示の光学システムは、異なる位置から放射される3種の分離したRGB画像の入射角を調整し、次いで、RGB画像を1つの偏向器、1つの格子結合器、および1つの導光レンズで結合する。加えて、本開示は、偏向器の変形構造を含む光学システムを提供する。偏向器としては、複数の縦長ユニットを有するメタ格子構造、複数の円柱ユニットを有するメタ格子構造、nステップ格子構造、ブレーズド格子構造、傾斜格子構造を挙げることができる。偏向器には、青色ダイクロイックフィルタ、緑色ダイクロイックフィルタ、赤色ダイクロイックフィルタを備えた3つの石英キューブ体を含めることもできる。本開示の光学システムは、光学デバイスの厚みを削減でき、RGB光(画像)の高効率化を実現することができる。
【0072】
上記は、当業者が本開示の態様をよりよく理解し得るように、いくつかの実施形態の特徴を概説している。当業者は、本明細書で紹介した実施形態の同じ目的を実行し、かつ/または同じ利点を達成するために、他のプロセスおよび構造を設計または修正するための基礎として、本開示を容易に使用し得ることを理解すべきである。当業者はまた、そのような同等の構成が本開示の精神および範囲から逸脱しないこと、および同業者が本開示の精神および範囲から逸脱することなく、様々な変更、置換、および変更を行い得ることを認識すべきである。
【符号の説明】
【0073】
121、121A、121B、121C、121D、121E 偏向器
122 プロジェクタ
123 偏光子
125 フィルタ
130 格子結合器構造
130a 第1の格子結合器構造
130b 第2の格子結合器構造
140 導光レンズ
300、1600、1900 光学システム
1212a 第1の格子偏向器構造
1212b 第2の格子偏向器構造
1212am 第1のメタ格子構造
1212bm 第2のメタ格子構造
1212a1 3ステップ格子構造
1212a2 ブレーズド格子構造
1212a3 傾斜格子構造
1214 基板
1922 青色ダイクロイックフィルタ
1924 緑色ダイクロイックフィルタ
1926 赤色ダイクロイックフィルタ
1932、1934、1936 石英
BR 青色領域
GR 緑色領域
RR 赤色領域
BS 第1の底面
BS 第2の底面
BS 第3の底面
D1 第1の直径
D2 第2の直径
D3 第3の直径
OS 第1の斜面
OS 第2の斜面
OS 第3の斜面
U1 第1の縦長ユニット、第1の円柱ユニット
U1 第1の縦長ユニット
U2 第2の縦長ユニット、第2の円柱ユニット
U2 第2の縦長ユニット
U3 第3の縦長ユニット、第3の円柱ユニット
U3 第3の縦長ユニット
W1、W1 第1の幅
W2、W2 第2の幅
W3、W3 第3の幅
θ1 第1の角度
θ2 第2の角度
θ3 第3の角度
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図5D
図6
図7
図8
図9A
図9B
図10A
図10B
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17A
図17B
図17C
図18
図19
図20
【手続補正書】
【提出日】2023-08-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
波長の異なる3種のビームを放射するプロジェクタと、
前記プロジェクタの下方に配置され、前記3種のビームの入射角を変更し、第1の格子結合器構造の同じ領域に前記3種のビームを集光させるように構成された偏向器であって、
前記第1の格子結合器構造は、前記偏向器の下方にあり、前記3種のビームが導光レンズ内の同じ光路を移動するように前記3種のビームを前記導光レンズ内で結合するように構成され、
前記導光レンズは、前記第1の格子結合器構造に接続され、前記3種のビームを伝送するように構成される、偏向器と、
前記プロジェクタと前記偏向器との間に配置され、前記3種のビームの横電界(TE)モードまたは横磁界(TM)モードをフィルタで除外するように構成された偏光子と、
前記導光レンズ上に配置され、前記3種のビームが前記同じ光路を移動した後に、前記3種のビームが前記導光レンズから離れることを可能にするように構成された第2の格子結合器構造と、
を備えることを特徴とする光学システム。
【請求項2】
前記偏向器は、
青色領域、緑色領域、および赤色領域を有し、前記青色領域および前記赤色領域が前記緑色領域によって分離されている、基板と、
前記基板の前記青色領域上に配置された第1の格子偏向器構造と、
前記基板の前記赤色領域上に配置された第2の格子偏向器構造と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記青色領域と前記緑色領域との間隔が100nm~2mmの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造の各々が、ブレーズド格子構造、nステップ格子構造、傾斜格子構造、又はこれらの組み合わせを含み、前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造の各々の屈折率が1.7~3.5の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項5】
前記第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、
前記第1のメタ格子構造は、第1の幅W1を有する第1の縦長ユニットと、第2の幅W2を有する第2の縦長ユニットと、第3の幅W3を有する第3の縦長ユニットとを備えるとともに、W1≦W2≦W3であり、
前記第1の縦長ユニット、前記第2の縦長ユニット、及び前記第3の縦長ユニットは、前記基板の前記青色領域の外側表面から前記基板の前記青色領域の内側表面に向けて順次配置されることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第1のメタ格子構造は、さらに、第4の幅W4を有する第4の縦長ユニットと、第5の幅W5を有する第5の縦長ユニットとを備えるとともに、W3≧W4≧W5であり、
前記第4の縦長ユニットは前記第3の縦長ユニットに隣接し、前記第5の縦長ユニットは前記第4の縦長ユニットに隣接することを特徴とする請求項5に記載の光学システム。
【請求項7】
前記第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、
前記第2のメタ格子構造は、第4の幅W4を有する第4の縦長ユニットと、第5の幅W5を有する第5の縦長ユニットと、第6の幅W6を有する第6の縦長ユニットとを備えるとともに、W4≦W5≦W6であり、
前記第4の縦長ユニット、前記第5の縦長ユニット、及び前記第6の縦長ユニットは、前記基板の前記赤色領域の外側表面から前記基板の前記赤色領域の内側表面に向けて順次配置されることを特徴とする請求項5に記載の光学システム。
【請求項8】
前記第2のメタ格子構造は、さらに、第7の幅W7を有する第7の縦長ユニットと、第8の幅W8を有する第8の縦長ユニットとを備えるとともに、W6≧W7≧W8であり、
前記第7の縦長ユニットは前記第6の縦長ユニットに隣接し、前記第8の縦長ユニットは前記第7の縦長ユニットに隣接することを特徴とする請求項7に記載の光学システム。
【請求項9】
前記第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、
前記第1のメタ格子構造は、幅の長さがグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、
前記第2のメタ格子構造は、幅の長さがグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第1のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数は、前記第2のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数と同じであることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項10】
前記第1の格子偏向器構造は、第1のメタ格子構造を含み、
前記第1のメタ格子構造は、幅の長さがグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第2の格子偏向器構造は、第2のメタ格子構造を含み、
前記第2のメタ格子構造は、幅の長さがグラデーションを有する複数の縦長ユニットを備え、
前記第1のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数は、前記第2のメタ格子構造の前記縦長ユニットの数と異なることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項11】
前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造のそれぞれが、第1の直径D1を有する第1の円柱ユニットと、第2の直径D2を有する第2の円柱ユニットと、第3の直径D3を有する第3の円柱ユニットとを備えるとともに、D1≦D2≦D3であり、
前記第1の円柱ユニット、前記第2の円柱ユニット、及び前記第3の円柱ユニットは、前記基板の前記青色領域又は前記赤色領域の外側表面から前記基板の前記青色領域又は前記赤色領域の内側表面に向けて順次配置されることを特徴とする請求項2に記載の光学システム。
【請求項12】
前記第1の格子偏向器構造及び前記第2の格子偏向器構造のそれぞれが、
第4の直径D4を有する第4の円柱ユニットと、第5の直径D5を有する第5の円柱ユニットとを備えるとともに、D3≧D4≧D5であり、
前記第4の円柱ユニットは前記第3の円柱ユニットに隣接し、前記第5の円柱ユニットは前記第4の円柱ユニットに隣接することを特徴とする請求項11に記載の光学システム。
【請求項13】
前記偏向器は、
第1の斜面と第1の底面とを有する第1の石英と、第2の斜面と第2の底面とを有する第2の石英と、第3の斜面と第3の底面とを有する第3の石英と、を備え、
前記第1の底面と、前記第2の底面と、前記第3の底面が互いに平行であり、
前記第1の石英は、前記第1の斜面と前記第1の底面との間に第1の角度θ1を有し、前記第2の石英は、前記第2の斜面と前記第2の底面との間に第2の角度θ2を有し、前記第3の石英は、前記第3の斜面と前記第3の底面との間に第3の角度θ3を有し、かつθ1<θ2<θ3であり、
前記第1の斜面上に第1のダイクロイックフィルタが配置され、前記第2の斜面上に第2のダイクロイックフィルタが配置され、前記第3の斜面上に第3のダイクロイックフィルタが配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学システム。
【請求項14】
前記第2の角度θ2が45度であることを特徴とする請求項13に記載の光学システム。