(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164235
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】アンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/06 20060101AFI20231102BHJP
H01Q 19/02 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01Q7/06
H01Q19/02
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022118580
(22)【出願日】2022-07-26
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-06-12
(31)【優先権主張番号】P 2022074955
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000134257
【氏名又は名称】株式会社トーキン
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(74)【代理人】
【識別番号】100148840
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 健志
(74)【代理人】
【識別番号】100191673
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 久典
(72)【発明者】
【氏名】玉城 克彰
(72)【発明者】
【氏名】星 則光
(72)【発明者】
【氏名】岡 利昭
【テーマコード(参考)】
5J020
【Fターム(参考)】
5J020AA00
5J020BC10
5J020DA02
(57)【要約】
【課題】アンテナ特性の更なる向上が図られたアンテナ装置を提供する。
【解決手段】アンテナ装置10は、基板500と、コイルアンテナ100とを備えている。基板500は、平面状の導体部510を有している。導体部510には、開口部512と、スリットとが形成されている。コイルアンテナ100は、基板500と直交する上下方向に沿って見た場合に開口部512と少なくとも部分的に重複するように、基板500上に搭載されている。コイルアンテナ100は、コイル200と、磁気コア300とを備えている。コイル200は、上下方向に延びる巻軸AXを有している。磁気コア300は、コイル200の磁路を部分的に構成している。磁気コア300は、コイル200の直下の特定領域SRを除く領域に位置している。磁気コア300は、中芯310を少なくとも有している。中芯310は、少なくとも部分的にコイル200の内側に位置している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、コイルアンテナとを備えるアンテナ装置であって、
前記基板は、平面状の導体部を有しており、
前記導体部には、開口部と、スリットとが形成されており、
前記導体部における前記開口部及び前記スリットの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記基板と直交する上下方向に沿って見た場合に前記開口部と少なくとも部分的に重複するように、前記基板上に搭載されており、
前記コイルアンテナは、コイルと、磁気コアとを備えており、
前記コイルは、前記上下方向に延びる巻軸を有しており、
前記磁気コアは、前記コイルの磁路を部分的に構成しており、
前記磁気コアは、前記コイルの直下の特定領域を除く領域に位置しており、
前記磁気コアは、中芯を少なくとも有しており、
前記中芯は、少なくとも部分的に前記コイルの内側に位置している
アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、前記エッジに向かって延びている
アンテナ装置。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記導体部には、付加的開口部が更に形成されており、
前記導体部における前記付加的開口部の周囲を周回する経路は、前記共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部及び前記付加的開口部の両方と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記上下方向に沿って見た場合に前記付加的開口部と重複しないように、前記基板上に搭載されている
アンテナ装置。
【請求項4】
請求項3記載のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記導体部には、付加的スリットが更に形成されており、
前記付加的スリットは、前記エッジに向かって延びており、
前記アンテナ装置は、前記共振回路の一部を構成するコンデンサを更に有しており、
前記コンデンサは、前記付加的スリットを跨ぐように前記基板上に搭載されている
アンテナ装置。
【請求項5】
請求項4記載のアンテナ装置であって、
前記開口部、前記スリット、前記付加的開口部及び前記付加的スリットの全ては、互いに連結されている
アンテナ装置。
【請求項6】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記中芯は、前記上下方向において前記コイルの下端よりも下方まで延びている
アンテナ装置。
【請求項7】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記中芯は、前記上下方向において前記コイルの上端よりも上方まで延びている
アンテナ装置。
【請求項8】
請求項7記載のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、上部を更に有しており、
前記上部は、前記中芯から前記コイルの外周に向かって延びており、
前記上部は、前記上下方向から見て前記コイルと重複している
アンテナ装置。
【請求項9】
請求項8記載のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、側部を更に有している
前記側部は、前記上下方向と直交する面内において前記コイルの外側に位置しており、
前記側部は、前記上部から前記上下方向における下方に延びている
アンテナ装置。
【請求項10】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、所定部位を有しており、
前記所定部位は、前記エッジの近傍において前記エッジに沿って延びている
アンテナ装置。
【請求項11】
請求項10記載のアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置は、前記共振回路の一部を構成するコンデンサを更に有しており、
前記コンデンサは、前記基板上の前記エッジと前記スリットとの間の領域に搭載されている
アンテナ装置。
【請求項12】
請求項10記載のアンテナ装置であって、
前記スリットは、第1部位と、第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記開口部から前記エッジに向かって延びており、
前記第2部位は、前記第1部位から前記第1部位と交差する方向に延びており、
前記第2部位は、前記所定部位である
アンテナ装置。
【請求項13】
請求項12記載のアンテナ装置であって、
前記スリットは、第3部位を更に備えており、
前記第3部位は、前記第2部位から前記第2部位と交差する方向に延びている
アンテナ装置。
【請求項14】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記コイルの内周の断面積をS1、前記開口部の面積をS2としたとき、1≦S2/S1≦2を満たしている
アンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板と、コイルアンテナとを備えるアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図31に示されるように、特許文献1には、この種のアンテナ装置900が開示されている。アンテナ装置900は、NFC(Near field communication)やRFID(radio frequency identifier)等の通信に利用可能なものである。アンテナ装置900は、基板910と、第1コイルアンテナ(コイルアンテナ)930と、第2コイルアンテナ(コイルアンテナ)940とを備えている。
図32に示されるように、基板910の第1主面920には、面状導体(導体部)922が形成されている。導体部922には、第1開口(開口部)9222と、第2開口(開口部)9224と、第1スリット(スリット)9223と、第2スリット(スリット)9225とが形成されている。スリット9223は、開口部9222と連結されている。スリット9225は、開口部9224と連結されている。
図31及び
図32を参照して、コイルアンテナ930は、基板910と直交する方向(Z方向)に沿って見た場合に、開口部9222と部分的に重複するように基板910上に搭載されている。コイルアンテナ940は、基板910と直交する方向(Z方向)に沿って見た場合に、開口部9224と部分的に重複するように基板910上に搭載されている。コイルアンテナ930,940の夫々は、第1主面920と直交する方向(Z方向)に巻軸を有するコイル(図示せず)と、磁性体フェライト等の絶縁基材層の積層体(図示せず)とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のアンテナ装置900のようなアンテナ装置において、アンテナ特性の更なる向上が求められている。
【0005】
よって本発明は、アンテナ特性の更なる向上が図られたアンテナ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
コイルが磁気コアに完全に埋め込まれたコイルアンテナにおいては、磁気コアで閉磁路が形成される。本発明の発明者は、このようなコイルアンテナでアンテナ装置900のようなアンテナ装置を構成した場合、コイルから発生する磁束は磁気コアによる閉磁路内を通ることになるため、基板のスリットの外周を流れる電流ループとコイルアンテナとの結合が弱くなることに気づいた。そこで、本発明の発明者は、コイルアンテナのコイルの直下に磁気コアが少なくとも位置しないようにして、コイルから発生する磁束が開磁路を形成するように、アンテナ装置を構成することを発案した。本発明の発明者は、この新たな構成により、基板のスリットの外周を流れる電流ループとコイルアンテナとの結合を強めることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
即ち、本発明は、第1のアンテナ装置として、
基板と、コイルアンテナとを備えるアンテナ装置であって、
前記基板は、平面状の導体部を有しており、
前記導体部には、開口部と、スリットとが形成されており、
前記導体部における前記開口部及び前記スリットの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記基板と直交する上下方向に沿って見た場合に前記開口部と少なくとも部分的に重複するように、前記基板上に搭載されており、
前記コイルアンテナは、コイルと、磁気コアとを備えており、
前記コイルは、前記上下方向に延びる巻軸を有しており、
前記磁気コアは、前記コイルの磁路を部分的に構成しており、
前記磁気コアは、前記コイルの直下の特定領域を除く領域に位置しており、
前記磁気コアは、中芯を少なくとも有しており、
前記中芯は、少なくとも部分的に前記コイルの内側に位置している
アンテナ装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、前記エッジに向かって延びている
アンテナ装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置であって、
前記導体部には、付加的開口部が更に形成されており、
前記導体部における前記付加的開口部の周囲を周回する経路は、前記共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部及び前記付加的開口部の両方と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記上下方向に沿って見た場合に前記付加的開口部と重複しないように、前記基板上に搭載されている
アンテナ装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4のアンテナ装置として、第3のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記導体部には、付加的スリットが更に形成されており、
前記付加的スリットは、前記エッジに向かって延びており、
前記アンテナ装置は、前記共振回路の一部を構成するコンデンサを更に有しており、
前記コンデンサは、前記付加的スリットを跨ぐように前記基板上に搭載されている
アンテナ装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5のアンテナ装置として、第4のアンテナ装置であって、
前記開口部、前記スリット、前記付加的開口部及び前記付加的スリットの全ては、互いに連結されている
アンテナ装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置であって、
前記中芯は、前記上下方向において前記コイルの下端よりも下方まで延びている
アンテナ装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置であって、
前記中芯は、前記上下方向において前記コイルの上端よりも上方まで延びている
アンテナ装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、第8のアンテナ装置として、第7のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、上部を更に有しており、
前記上部は、前記中芯から前記コイルの外周に向かって延びており、
前記上部は、前記上下方向から見て前記コイルと重複している
アンテナ装置を提供する。
【0015】
また、本発明は、第9のアンテナ装置として、第8のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、側部を更に有している
前記側部は、前記上下方向と直交する面内において前記コイルの外側に位置しており、
前記側部は、前記上部から前記上下方向における下方に延びている
アンテナ装置を提供する。
【0016】
また、本発明は、第10のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、所定部位を有しており、
前記所定部位は、前記エッジの近傍において前記エッジに沿って延びている
アンテナ装置を提供する。
【0017】
また、本発明は、第11のアンテナ装置として、第10のアンテナ装置であって、
前記アンテナ装置は、前記共振回路の一部を構成するコンデンサを更に有しており、
前記コンデンサは、前記基板上の前記エッジと前記スリットとの間の領域に搭載されている
アンテナ装置を提供する。
【0018】
また、本発明は、第12のアンテナ装置として、第10のアンテナ装置であって、
前記スリットは、第1部位と、第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記開口部から前記エッジに向かって延びており、
前記第2部位は、前記第1部位から前記第1部位と交差する方向に延びており、
前記第2部位は、前記所定部位である
アンテナ装置を提供する。
【0019】
また、本発明は、第13のアンテナ装置として、第12のアンテナ装置であって、
前記スリットは、第3部位を更に備えており、
前記第3部位は、前記第2部位から前記第2部位と交差する方向に延びている
アンテナ装置を提供する。
【0020】
また、本発明は、第14のアンテナ装置として、第1のアンテナ装置であって、
前記コイルの内周の断面積をS1、前記開口部の面積をS2としたとき、1≦S2/S1≦2を満たしている
アンテナ装置を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明のアンテナ装置は、以下のように構成されている:コイルアンテナは、基板と直交する上下方向に沿って見た場合に開口部と少なくとも部分的に重複するように、基板上に搭載されている;磁気コアは、コイルの直下の特定領域を除く領域に位置している;磁気コアは、中芯を少なくとも有している;中芯は、少なくとも部分的にコイルの内側に位置している。これにより、本発明のアンテナ装置においては、基板のスリットの外周を流れる電流ループとコイルアンテナとの結合が強化されている。即ち、本発明のアンテナ装置においては、アンテナ特性の更なる向上が図られている。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の第1の実施の形態によるアンテナ装置を示す斜視図である。
【
図3】
図2のアンテナ装置の一部をA-A線に沿って示す断面図である。図において、樹脂モールド、端子及びパッドは省略されている。
【
図4】
図1のアンテナ装置に含まれるコイルアンテナを示す斜視図である。
【
図8】
図4のコイルアンテナにおいて樹脂モールドを除去した状態を示す斜視図である。
【
図10】
図8のコイルアンテナを示す上面図である。
【
図11】
図8のコイルアンテナを示す正面図である。
【
図12】
図2のアンテナ装置に含まれる基板を示す上面図である。
【
図13】
図4のコイルアンテナの第1変形例を示す斜視図である。
【
図17】
図13のコイルアンテナにおいて樹脂モールドを除去した状態を示す斜視図である。
【
図20】
図19のコイルアンテナをB-B線に沿って示す断面図である。
【
図22】
図4のコイルアンテナの第2変形例を示す斜視図である。
【
図25】
図24のコイルアンテナをC-C線に沿って示す断面図である。図において、樹脂モールドは省略されている。
【
図27】本発明の第2の実施の形態によるアンテナ装置を示す上面図である。
【
図28】本発明の第3の実施の形態によるアンテナ装置を示す上面図である。
【
図29】本発明の第4の実施の形態によるアンテナ装置を示す上面図である。
【
図30】本発明の第5の実施の形態によるアンテナ装置を示す上面図である。
【
図31】特許文献1のアンテナ装置を示す上面図である。
【
図32】
図31のアンテナ装置に含まれる基板を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1の実施形態)
図1に示されるように、本発明の第1実施の形態によるアンテナ装置10は、基板500と、コイルアンテナ100とを備えている。
【0024】
図12に示されるように、本実施の形態の基板500は、平面状の導体部510を有している。より詳しくは、導体部510は、グランド導体である。具体的には、基板500は、ガラスエポキシ基板等の絶縁体基板上に導体部510としての導電体層が積層されている。
【0025】
図12に示されるように、導体部510には、開口部512と、スリット514とが形成されている。導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。
【0026】
図12を参照して、本実施の形態の開口部512は、基板500上において導電パターンを有さない部分である。開口部512は、基板500を上下方向における上方から見た場合に略円形状の外縁を有している。なお、本発明はこれに限定されず、開口部512は、略円形以外の形状の外縁を有していてもよい。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。また、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。
【0027】
図12に示されるように、本実施の形態のスリット514は、開口部512と同様に、基板500上において導電パターンを有さない部分である。スリット514は、開口部512と連結されている。スリット514は、開口部512から延びている。本実施の形態において、開口部512から延びるスリット514の数は、1つである。なお、本発明はこれに限定されず、開口部512から複数のスリット514が延びていてもよい。スリット514は、上下方向と直交する面内において導体部510の外部と連通していない。スリット514は、所定部位PPを有している。スリット514は、第1部位5142と、第2部位5144とを有している。
【0028】
図12に示されるように、スリット514の幅は、開口部512の口径よりも小さくなっている。なお、本発明はこれに限定されず、スリット514の幅と開口部512の口径とが同じであってもよく、スリット514の幅が開口部512の口径よりも大きくなっていてもよい。なお、スリット514の幅を大きくすると、スリット514の周りに形成される電流ループが大きくなることから、アンテナ装置10の通信距離が増大する。
【0029】
図12に示されるように、第1部位5142は、開口部512から左右方向における右方に延びている。本実施の形態において、左右方向はY方向である。ここで、右方は+Y方向であり、左方は-Y方向である。
【0030】
図12に示されるように、第2部位5144は、第1部位5142から第1部位5142と交差する方向に延びている。第2部位5144は、第1部位5142の右端から前後方向における後方に延びている。本実施の形態において、前後方向はX方向である。ここで、前方は+X方向であり、後方は-X方向である。第2部位5144は、所定部位PPである。
【0031】
図12に示されるように、スリット514は、第3部位5146を更に備えている。
【0032】
図12に示されるように、第3部位5146は、第2部位5144から第2部位5144と交差する方向に延びている。第3部位5146は、第2部位5144の後端から左右方向における左方に延びている。
【0033】
図12に示されるように、基板500は、エッジ520を有している。
【0034】
図12に示されるように、エッジ520は、基板500の外縁を規定している。即ち、エッジ520は、基板500の上下方向と直交する方向における外縁を規定している。スリット514は、開口部512からエッジ520に向かって延びた後、折れ曲がってエッジ520に沿って延び、更に折れ曲がってエッジ520から遠ざかるように延びている。スリット514は、エッジ520には到達していない。第1部位5142は、開口部512からエッジ520に向かって延びている。所定部位PPは、エッジ520の近傍においてエッジ520に沿って延びている。これにより、基板500上において電子部品を配置可能な領域を大きく確保することができると共に、スリット514の長さを増大させることができるため、スリット514の周りに形成される電流ループを大きくしてアンテナ装置10の通信距離を稼ぐことができる。
【0035】
上述のように、スリット514は、開口部512からエッジ520に向かって延びた後、折れ曲がってエッジ520に沿って延び、更に折れ曲がってエッジ520から遠ざかるように延びており、スリット514は、エッジ520には到達しておらず、スリット514は、上下方向と直交する面内において導体部510の外部と連通していない。なお、本発明はこれに限定されず、スリット514は、エッジ520に向かって延びていてもよく、エッジ520に到達していてもよい。即ち、スリット514は、上下方向と直交する面内において導体部510の外部と連通していてもよい。
【0036】
図2及び
図12を参照して、コイルアンテナ100は、基板500と直交する上下方向に沿って見た場合に開口部512と少なくとも部分的に重複するように、基板500上に搭載されている。コイルアンテナ100は、基板500上に面実装されている。即ち、コイルアンテナ100は、表面実装タイプのアンテナである。
【0037】
図3に示されるように、コイルアンテナ100は、コイル200と、磁気コア300とを備えている。
【0038】
図3に示されるように、本実施の形態のコイル200は、上下方向に延びる巻軸AXを有している。コイル200は、平角状の被覆電線をエッジワイズ巻きして形成されている。なお、本発明はこれに限定されず、コイル200は、被覆丸線を巻回したものであってもよく、導線の材質や断面形状、巻き方については本実施の形態に限定されない。コイル200は、上下方向に沿って見た場合、円形形状である。なお、本発明はこれに限定されず、コイル200は円形形状以外の形状を有していてもよい。
【0039】
図3及び
図12を参照して、コイル200の内周240の断面積をS1、開口部512の面積をS2としたとき、1≦S2/S1≦2を満たしている。これにより、コイルアンテナ100とスリット514との結合係数を極大化できるようになっており、導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する電流(電流ループ)にコイルアンテナ100がより磁界結合しやすくなっている。
【0040】
図3を参照して、本実施の形態の磁気コア300は、注型コアである。より詳しくは、磁気コア300は、硬化した結合剤の内部に鉄系合金やフェライト等からなる軟磁性合金粉末が分散配置された複合磁性体である。即ち、磁気コア300は、軟磁性合金粉末及び結合剤等を含むスラリーを硬化させたものである。なお、磁気コア300は、これに限らず、任意の製造方法により製造することができる。磁気コア300は、コイル200の磁路を部分的に構成している。磁気コア300は、コイル200の直下の特定領域SRを除く領域に位置している。即ち、磁気コア300は、コイル200の直下に位置する部分を有してない。なお、特定領域SRは、上方からコイル200単体を見た場合にコイル200の下に隠れる領域である。特定領域SRは、上下方向においてコイル200の下端220の下方に位置している。特定領域SRは、巻軸AXと直交する径方向においてコイル200の内周240の外側に位置している。特定領域SRは、巻軸AXと直交する径方向においてコイル200の外周230の内側に位置している。磁気コア300は、中芯310を少なくとも有している。
【0041】
図3を参照して、本実施の形態の中芯310は、上下方向に延びる円筒形状を有している。中芯310は、少なくとも部分的にコイル200の内側に位置している。中芯310の円筒形状の中心軸は、コイル200の巻軸AXと一致している。中芯310の上下方向と直交する断面積は、開口部512の口径よりも小さい。中芯310の上下方向における基板500への投影像は、開口部512内に位置している。
【0042】
上述のように、コイルアンテナ100は、基板500と直交する上下方向に沿って見た場合に開口部512と少なくとも部分的に重複するように、基板500上に搭載されており、磁気コア300は、コイル200の直下の特定領域SRを除く領域に位置しており、磁気コア300は、中芯310を少なくとも有しており、中芯310は、少なくとも部分的にコイル200の内側に位置している。これにより、本実施の形態のアンテナ装置10においては、コイル200の磁束の一部が基板500の開口部512に向かうようになっており、導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する電流(電流ループ)にコイルアンテナ100が磁界結合しやすくなっている。即ち、本実施の形態のアンテナ装置10においては、基板500のスリット514の外周を流れる電流ループとコイルアンテナ100との結合が強化されており、アンテナ特性の更なる向上が図られている。
【0043】
図3に示されるように、中芯310は、上下方向においてコイル200の下端220よりも下方まで延びている。これにより、本実施の形態のアンテナ装置10においては、コイル200の磁束の一部が基板500の開口部512により向かうようになっており、導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する電流(電流ループ)にコイルアンテナ100がより磁界結合しやすくなっている。即ち、本実施の形態のアンテナ装置10においては、基板500のスリット514(
図12参照)の外周を流れる電流ループとコイルアンテナ100との結合が更に強化されており、アンテナ特性の更なる向上がより図られている。
【0044】
図3に示されるように、中芯310は、上下方向においてコイル200の上端210よりも上方まで延びている。
【0045】
図3に示されるように、磁気コア300は、上部320を更に有している。
【0046】
図3に示されるように、上部320は、中芯310からコイル200の外周230に向かって延びている。中芯310の円筒形状の中心軸と直交する径方向において、上部320の外端は、コイル200外周230よりも外側に位置している。上部320は、上下方向から見てコイル200と重複している。これにより、中芯310を通って磁気コア300の上側に流れてきたコイル200の磁束を、コイル200の外周230に向けて効率的に流すことができるようになっている。
【0047】
図7に示されるように、コイルアンテナ100は、2つの端子400を更に有している。
【0048】
図8を参照して、本実施の形態の端子400は、コイル200の端部に夫々取り付けられている。なお、本発明はこれに限定されず、端子400は、コイル200の端部を延長したもので構成されていてもよい。端子400は、コイルアンテナ100の下端を規定している。端子400は、基板500のパッド(図示せず)を介して通信回路(図示せず)に接続される。
【0049】
図4に示されるように、コイルアンテナ100は、樹脂モールド700を備えている。
【0050】
図5及び
図9を参照して、樹脂モールド700は、コイル200を覆っている。
図3、
図5及び
図7を参照して、特定領域SRは樹脂モールド700で満たされている。即ち、コイル200の直下には樹脂モールド700が位置している。
【0051】
図2に示されるように、アンテナ装置10は、共振回路の一部を構成するコンデンサ600を更に有している。
【0052】
図12を参照して、コンデンサ600は、導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する経路と共に、電流ループ経路を構成する。即ち、コンデンサ600は、導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する経路と共に、共振回路を構成する。この共振回路の共振周波数は、アンテナ装置10の通信周波数帯である。コンデンサ600は、基板500上のエッジ520とスリット514との間の領域に搭載されている。より詳しくは、コンデンサ600は、基板500上のエッジ520と第2部位5144との間の領域に搭載されている。なお、コンデンサ600の配置は上述の箇所に限定されず、コンデンサ600と導体部510における開口部512及びスリット514の周囲を周回する経路とが電流ループ経路を構成する限り、導体部510のいずれの箇所に配置されていてもよい。
【0053】
コイルアンテナ100の構成は、上述したものには限定されず、例えば、以下のような変形が可能である。
【0054】
(第1変形例)
図13及び
図20を参照して、本発明の第1の変形例によるコイルアンテナ100Aは、コイル200と、磁気コア300Aとを備えている。本変形例のコイル200は、上述の実施の形態のコイル200と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0055】
図20を参照して、本実施の形態の磁気コア300Aは、上述の磁気コア300と同様に、注型コアである。磁気コア300Aは、コイル200の磁路を部分的に構成している。磁気コア300Aは、コイル200の直下の特定領域SRを除く領域に位置している。なお、特定領域SRは、上方からコイル200を見た場合にコイル200の下に隠れる領域である。特定領域SRは、上下方向においてコイル200の下端220の下方に位置している。特定領域SRは、巻軸AXと直交する径方向においてコイル200の内周240の外側に位置している。特定領域SRは、巻軸AXと直交する径方向においてコイル200の外周230の内側に位置している。磁気コア300Aは、中芯310を有している。
【0056】
図17及び
図20を参照して、本実施の形態の中芯310は、上下方向に延びる円筒形状を有している。中芯310は、部分的にコイル200の内側に位置している。
【0057】
図20に示されるように、中芯310は、上下方向においてコイル200の下端220よりも下方まで延びている。中芯310は、上下方向においてコイル200の上端210よりも上方まで延びている。
【0058】
図10及び
図20を参照して、磁気コア300Aは、磁気コア300と異なり、上部320を有していない。
【0059】
図13に示されるように、コイルアンテナ100Aは、樹脂モールド700Aを備えている。
【0060】
図14及び
図18を参照して、樹脂モールド700Aは、コイル200を覆っている。
図20を参照して、特定領域SRは、樹脂モールド700Aで満たされている。即ち、コイル200の直下には樹脂モールド700Aが位置している。なお、
図15を参照して、中芯310の上端は樹脂モールド700Aで覆われていない。
【0061】
本変形例のコイルアンテナ100Aを基板500に搭載したアンテナ装置(図示せず)においても、上述の実施の形態と同様の効果を享受できる。
【0062】
(第2変形例)
図22及び
図25を参照して、本発明の第2の変形例によるコイルアンテナ100Bは、コイル200と、磁気コア300Bとを備えている。本変形例のコイル200は、上述の実施の形態のコイル200と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0063】
図25を参照して、本実施の形態の磁気コア300Bは、上述の磁気コア300と同様に、注型コアである。磁気コア300Bは、コイル200の磁路を部分的に構成している。磁気コア300Bは、コイル200の直下の特定領域SRを除く領域に位置している。なお、特定領域SRは、上方からコイル200を見た場合にコイル200の下に隠れる領域である。特定領域SRは、上下方向においてコイル200の下端220の下方に位置している。特定領域SRは、巻軸AXと直交する径方向においてコイル200の内周240の外側に位置している。特定領域SRは、巻軸AXと直交する径方向においてコイル200の外周230の内側に位置している。磁気コア300Bは、中芯310を少なくとも有している。
【0064】
図25を参照して、本実施の形態の中芯310は、上下方向に延びる円筒形状を有している。中芯310は、少なくとも部分的にコイル200の内側に位置している。
【0065】
図25に示されるように、中芯310は、上下方向においてコイル200の下端220よりも下方まで延びている。中芯310は、上下方向においてコイル200の上端210よりも上方まで延びている。
【0066】
図25に示されるように、磁気コア300Bは、上部320Bを更に有している。本変形例の上部320Bは、上述の実施の形態の上部320と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0067】
図25に示されるように、磁気コア300Bは、側部340を更に有している。
【0068】
図25に示されるように、本実施の形態の側部340は、上下方向と直交する面内においてコイル200の外側に位置している。側部340は、上部320Bから上下方向における下方に延びている。これにより、上部320Bを通過してきたコイル200の磁束を、コイル200の下方に向けて効率的に流すことができるようになっている。側部340は、コイル200の外周230全体を覆っている。なお、本発明はこれに限定されず、側部340がコイル200の外周230の一部のみを覆うように構成されていてもよい。
【0069】
図25を参照して、コイルアンテナ100Bは、樹脂モールド(図示せず)を備えている。
【0070】
図25を参照して、本変形例の樹脂モールドは、コイル200を覆っている。特定領域SRは、樹脂モールドで満たされている。即ち、コイル200の直下には樹脂モールドが位置している。
【0071】
本変形例のコイルアンテナ100Bを基板500に搭載したアンテナ装置(図示せず)においても、上述の実施の形態と同様の効果を享受できる。
【0072】
(第2の実施形態)
図27に示されるように、本発明の第2実施の形態によるアンテナ装置10Cは、基板500Cと、コイルアンテナ100とを備えている。本実施の形態のコイルアンテナ100は、第1の実施の形態のコイルアンテナ100と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0073】
図27に示されるように、本実施の形態の基板500Cは、平面状の導体部510Cを有している。より詳しくは、導体部510Cは、グランド導体である。具体的には、基板500Cは、ガラスエポキシ基板等の絶縁体基板上に導体部510Cとしての導電体層が積層されている。
【0074】
図27に示されるように、導体部510Cには、開口部512と、スリット514Cとが形成されている。本実施の形態の開口部512は、第1の実施の形態の開口部512と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。導体部510Cにおける開口部512及びスリット514Cの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。
【0075】
図27に示されるように、本実施の形態のスリット514Cは、開口部512と同様に、基板500C上において導電パターンを有さない部分である。スリット514Cは、開口部512と連結されている。スリット514Cは、開口部512から延びている。スリット514Cは、上下方向と直交する面内において導体部510Cの外部と連通していない。スリット514Cは、所定部位PPを有している。スリット514Cは、第1部位5142と、第2部位5144とを有している。
【0076】
図27に示されるように、スリット514Cの幅は、開口部512の口径よりも小さくなっている。なお、本発明はこれに限定されず、スリット514Cの幅と開口部512の口径とが同じであってもよく、スリット514Cの幅が開口部512の口径よりも大きくなっていてもよい。なお、スリット514Cの幅を大きくすると、スリット514Cの周りに形成される電流ループが大きくなることから、アンテナ装置10Cの通信距離が増大する。
【0077】
図27に示されるように、第1部位5142は、開口部512から左右方向における右方に延びている。
【0078】
図27に示されるように、第2部位5144は、第1部位5142から第1部位5142と交差する方向に延びている。第2部位5144は、第1部位5142の右端から前後方向における後方に延びている。第2部位5144は、所定部位PPである。
【0079】
図2及び
図27を参照して、スリット514Cは、第1の実施形態のスリット514と異なり、第3部位5146を備えていない。
【0080】
図27に示されるように、基板500Cは、エッジ520を有している。
【0081】
図27に示されるように、本実施の形態のエッジ520は、基板500Cの外縁を規定している。即ち、エッジ520は、基板500Cの上下方向と直交する方向における外縁を規定している。第1部位5142は、開口部512からエッジ520に向かって延びている。所定部位PPは、エッジ520の近傍においてエッジ520に沿って延びている。これにより、基板500C上において電子部品を配置可能な領域を大きく確保することができると共に、スリット514Cの長さを増大させることができるため、スリット514Cの周りに形成される電流ループを大きくしてアンテナ装置10Cの通信距離を稼ぐことができる。
【0082】
図27に示されるように、アンテナ装置10Cは、共振回路の一部を構成するコンデンサ600を更に有している。
【0083】
図27を参照して、コンデンサ600は、導体部510Cにおける開口部512及びスリット514Cの周囲を周回する経路と共に、電流ループ経路を構成する。即ち、コンデンサ600は、導体部510Cにおける開口部512及びスリット514Cの周囲を周回する経路と共に、共振回路を構成する。この共振回路の共振周波数は、アンテナ装置10Cの通信周波数帯である。
図27に示されるように、コンデンサ600は、基板500C上のエッジ520とスリット514Cとの間の領域に搭載されている。より詳しくは、コンデンサ600は、基板500C上のエッジ520と第2部位5144との間の領域に搭載されている。なお、コンデンサ600の配置は上述の箇所に限定されず、コンデンサ600と導体部510Cにおける開口部512及びスリット514Cの周囲を周回する経路とが電流ループ経路を構成する限り、導体部510Cのいずれの箇所に配置されていてもよい。
【0084】
(第3の実施形態)
図28に示されるように、本発明の第3実施の形態によるアンテナ装置10Dは、基板500Dと、コイルアンテナ100とを備えている。本実施の形態のコイルアンテナ100は、第1の実施の形態のコイルアンテナ100と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0085】
図28に示されるように、本実施の形態の基板500Dは、平面状の導体部510Dを有している。より詳しくは、導体部510Dは、グランド導体である。具体的には、基板500Dは、ガラスエポキシ基板等の絶縁体基板上に導体部510Dとしての導電体層が積層されている。
【0086】
図28に示されるように、導体部510Dには、開口部512と、スリット514Dとが形成されている。導体部510Dにおける開口部512及びスリット514Dの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。本実施の形態の開口部512は、第1の実施の形態の開口部512と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。
【0087】
図28に示されるように、本実施の形態のスリット514Dは、開口部512と同様に、基板500D上において導電パターンを有さない部分である。スリット514Dは、開口部512と連結されている。スリット514Dは、開口部512から延びている。スリット514Dは、開口部512から前後方向に延びている。スリット514Dは、上下方向と直交する面内において導体部510Dの外部と連通していない。
【0088】
図28に示されるように、スリット514Dの幅は、開口部512の口径よりも小さくなっている。なお、本発明はこれに限定されず、スリット514Dの幅と開口部512の口径とが同じであってもよく、スリット514Dの幅が開口部512の口径よりも大きくなっていてもよい。なお、スリット514Dの幅を大きくすると、スリット514Dの周りに形成される電流ループが大きくなることから、アンテナ装置10Dの通信距離が増大する。
【0089】
図28に示されるように、導体部510Dには、付加的開口部516が更に形成されている。
【0090】
図28に示されるように、本実施の形態の付加的開口部516は、基板500Dを貫通する孔である。即ち、付加的開口部516は、上下方向において基板500Dを貫通している。なお、本発明はこれに限定されず、付加的開口部516は、開口部512と同様に、基板500D上において導電パターンを有さない部分であってもよい。付加的開口部516は、前後方向において開口部512の前方に位置している。上下方向と直交する面内において、付加的開口部516は、開口部512よりも大きい。導体部510Dにおける付加的開口部516の周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。スリット514Dは、開口部512及び付加的開口部516の両方と連結されている。
【0091】
図28に示されるように、導体部510Dには、付加的スリット518が更に形成されている。
【0092】
図28に示されるように、本実施の形態の付加的スリット518は、開口部512と同様に、基板500D上において導電パターンを有さない部分である。付加的スリット518は、開口部512と連結されている。付加的スリット518は、開口部512から延びている。付加的スリット518は、左右方向に延びている。付加的スリット518は、上下方向と直交する面内において導体部510Dの外部と連通している。開口部512、スリット514D、付加的開口部516及び付加的スリット518の全ては、互いに連結されている。
【0093】
図28に示されるように、付加的スリット518の幅は、開口部512の口径よりも小さくなっている。なお、本発明はこれに限定されず、付加的スリット518の幅と開口部512の口径とが同じであってもよく、付加的スリット518の幅が開口部512の口径よりも大きくなっていてもよい。
【0094】
図28に示されるように、基板500Dは、エッジ520を有している。
【0095】
図28に示されるように、エッジ520は、基板500Dの外縁を規定している。即ち、エッジ520は、基板500Dの上下方向と直交する方向における外縁を規定している。スリット514Dは、エッジ520には到達していない。付加的スリット518は、エッジ520に向かって延びている。即ち、付加的スリット518は、開口部512からエッジ520に向かって延びている。付加的スリット518は、エッジ520に達している。
【0096】
図28を参照して、コイルアンテナ100は、基板500Dと直交する上下方向に沿って見た場合に開口部512と少なくとも部分的に重複するように、基板500D上に搭載されている。コイルアンテナ100は、上下方向に沿って見た場合に付加的開口部516と重複しないように、基板500D上に搭載されている。コイルアンテナ100は、基板500D上に面実装されている。
【0097】
図28に示されるように、アンテナ装置10Dは、共振回路の一部を構成するコンデンサ600Dを更に有している。
【0098】
図28を参照して、コンデンサ600Dは、導体部510Dにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514D及び付加的スリット518の周囲を周回する経路と共に、電流ループ経路を構成する。即ち、コンデンサ600Dは、導体部510Dにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514D及び付加的スリット518の周囲を周回する経路と共に、共振回路を構成する。この共振回路の共振周波数は、アンテナ装置10Dの通信周波数帯である。コンデンサ600Dは、付加的スリット518を跨ぐように基板500D上に搭載されている。なお、コンデンサ600Dの配置は上述の箇所に限定されず、コンデンサ600Dと導体部510Dにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514D及び付加的スリット518の周囲を周回する経路とが電流ループ経路を構成する限り、導体部510Dのいずれの箇所に配置されていてもよい。
【0099】
(第4の実施形態)
図29に示されるように、本発明の第4実施の形態によるアンテナ装置10Eは、基板500Eと、コイルアンテナ100とを備えている。本実施の形態のコイルアンテナ100は、第1の実施の形態のコイルアンテナ100と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0100】
図29に示されるように、本実施の形態の基板500Eは、平面状の導体部510Eを有している。より詳しくは、導体部510Eは、グランド導体である。具体的には、基板500Eは、ガラスエポキシ基板等の絶縁体基板上に導体部510Eとしての導電体層が積層されている。
【0101】
図29に示されるように、導体部510Eには、開口部512と、スリット514Eとが形成されている。導体部510Eにおける開口部512及びスリット514Eの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。本実施の形態の開口部512は、第1の実施の形態の開口部512と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。
【0102】
図29に示されるように、本実施の形態のスリット514Eは、開口部512と同様に、基板500E上において導電パターンを有さない部分である。スリット514Eは、開口部512と連結されている。スリット514Eは、開口部512から左右方向における左方に延びた後、前後方向における後方に延びている。スリット514Eは、開口部512から延びている。スリット514Eは、上下方向と直交する面内において導体部510Eの外部と連通していない。
【0103】
図29に示されるように、スリット514Eの幅は、開口部512の口径よりも小さくなっている。なお、本発明はこれに限定されず、スリット514Eの幅と開口部512の口径とが同じであってもよく、スリット514Eの幅が開口部512の口径よりも大きくなっていてもよい。なお、スリット514Eの幅を大きくすると、スリット514Eの周りに形成される電流ループが大きくなることから、アンテナ装置10Eの通信距離が増大する。
【0104】
図29に示されるように、導体部510Eには、付加的開口部516が更に形成されている。
【0105】
図29に示されるように、本実施の形態の付加的開口部516は、基板500Eを貫通する孔である。即ち、付加的開口部516は、上下方向において基板500Eを貫通している。なお、本発明はこれに限定されず、付加的開口部516は、開口部512と同様に、基板500E上において導電パターンを有さない部分であってもよい。付加的開口部516は、前後方向において開口部512の後方に位置している。上下方向と直交する面内において、付加的開口部516は、開口部512よりも大きい。導体部510Eにおける付加的開口部516の周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。スリット514Eは、開口部512及び付加的開口部516の両方と連結されている。
【0106】
図29に示されるように、導体部510Eには、付加的スリット518が更に形成されている。
【0107】
図29に示されるように、本実施の形態の付加的スリット518は、開口部512と同様に、基板500E上において導電パターンを有さない部分である。付加的スリット518は、付加的開口部516と連結されている。付加的スリット518は、付加的開口部516から延びている。付加的スリット518は、左右方向に延びている。付加的スリット518は、上下方向と直交する面内において導体部510Eの外部と連通している。開口部512、スリット514E、付加的開口部516及び付加的スリット518の全ては、互いに連結されている。
【0108】
図29に示されるように、基板500Eは、エッジ520を有している。
【0109】
図29に示されるように、エッジ520は、基板500Eの外縁を規定している。即ち、エッジ520は、基板500Eの上下方向と直交する方向における外縁を規定している。スリット514Eは、エッジ520には到達していない。付加的スリット518は、エッジ520に向かって延びている。即ち、付加的スリット518は、付加的開口部516からエッジ520に向かって延びている。付加的スリット518は、エッジ520に達している。
【0110】
図29を参照して、コイルアンテナ100は、基板500Eと直交する上下方向に沿って見た場合に開口部512と少なくとも部分的に重複するように、基板500E上に搭載されている。コイルアンテナ100は、上下方向に沿って見た場合に付加的開口部516と重複しないように、基板500E上に搭載されている。コイルアンテナ100は、基板500E上に面実装されている。
【0111】
図29に示されるように、アンテナ装置10Eは、共振回路の一部を構成するコンデンサ600Eを更に有している。
【0112】
図29を参照して、コンデンサ600Eは、導体部510Eにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514E及び付加的スリット518の周囲を周回する経路と共に、電流ループ経路を構成する。即ち、コンデンサ600Eは、導体部510Eにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514E及び付加的スリット518の周囲を周回する経路と共に、共振回路を構成する。この共振回路の共振周波数は、アンテナ装置10Eの通信周波数帯である。コンデンサ600Eは、付加的スリット518を跨ぐように基板500E上に搭載されている。なお、コンデンサ600Eの配置は上述の箇所に限定されず、コンデンサ600Eと導体部510Eにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514E及び付加的スリット518の周囲を周回する経路とが電流ループ経路を構成する限り、導体部510Eのいずれの箇所に配置されていてもよい。
【0113】
(第5の実施形態)
図30に示されるように、本発明の第5実施の形態によるアンテナ装置10Fは、基板500Fと、コイルアンテナ100とを備えている。本実施の形態のコイルアンテナ100は、第1の実施の形態のコイルアンテナ100と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。また、本実施の形態における方位及び方向は、第1の実施の形態のものと同じ表現を以下において使用する。
【0114】
図30に示されるように、本実施の形態の基板500Fは、平面状の導体部510Fを有している。より詳しくは、導体部510Fは、グランド導体である。具体的には、基板500Fは、ガラスエポキシ基板等の絶縁体基板上に導体部510Fとしての導電体層が積層されている。
【0115】
図30に示されるように、導体部510Fには、開口部512と、スリット514Fとが形成されている。導体部510Fにおける開口部512及びスリット514Fの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。本実施の形態の開口部512は、第1の実施の形態の開口部512と同じ構造を有するものであり、詳細な説明は省略する。
【0116】
図30に示されるように、本実施の形態のスリット514Fは、開口部512と同様に、基板500F上において導電パターンを有さない部分である。スリット514Fは、開口部512と連結されている。スリット514Fは、開口部512から延びている。
【0117】
図30に示されるように、スリット514Fの幅は、開口部512の口径よりも小さくなっている。なお、本発明はこれに限定されず、スリット514Fの幅と開口部512の口径とが同じであってもよく、スリット514Fの幅が開口部512の口径よりも大きくなっていてもよい。なお、スリット514Fの幅を大きくすると、スリット514Fの周りに形成される電流ループが大きくなることから、アンテナ装置10Fの通信距離が増大する。
【0118】
図30に示されるように、導体部510Fには、付加的開口部516が更に形成されている。
【0119】
図30に示されるように、本実施の形態の付加的開口部516は、基板500Fを貫通する孔である。即ち、付加的開口部516は、上下方向において基板500Fを貫通している。なお、本発明はこれに限定されず、付加的開口部516は、開口部512と同様に、基板500F上において導電パターンを有さない部分であってもよい。付加的開口部516は、前後方向において開口部512の後方に位置している。上下方向と直交する平面内において、付加的開口部516は、開口部512よりも大きい。導体部510Fにおける付加的開口部516の周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成する。スリット514Fは、開口部512及び付加的開口部516の両方と連結されている。
【0120】
図30に示されるように、導体部510Fには、付加的スリット518が更に形成されている。
【0121】
図30に示されるように、本実施の形態の付加的スリット518は、開口部512と同様に、基板500F上において導電パターンを有さない部分である。付加的スリット518は、スリット514Fと連結されている。付加的スリット518は、スリット514Fから左右方向に延びている。付加的スリット518は、上下方向と直交する面内において導体部510Fの外部と連通している。上下方向と直交する面内において、スリット514Fは、付加的スリット518を介して導体部510Fの外部と連通している。開口部512、スリット514F、付加的開口部516及び付加的スリット518の全ては、互いに連結されている。
【0122】
図30に示されるように、付加的スリット518の幅は、スリット514Fの幅と同じである。なお、本発明はこれに限定されず、付加的スリット518の幅は、スリット514Fの幅よりも小さくなっていてもよく、スリット514Fの幅よりも大きくなっていてもよい。
【0123】
図30に示されるように、基板500Fは、エッジ520を有している。
【0124】
図30に示されるように、エッジ520は、基板500Fの外縁を規定している。即ち、エッジ520は、基板500Fの上下方向と直交する方向における外縁を規定している。付加的スリット518は、エッジ520に向かって延びている。即ち、付加的スリット518は、スリット514Fからエッジ520に向かって延びている。付加的スリット518は、エッジ520に達している。
【0125】
図30を参照して、コイルアンテナ100は、基板500Fと直交する上下方向に沿って見た場合に開口部512と少なくとも部分的に重複するように、基板500F上に搭載されている。コイルアンテナ100は、上下方向に沿って見た場合に付加的開口部516と重複しないように、基板500F上に搭載されている。コイルアンテナ100は、基板500F上に面実装されている。
【0126】
図30に示されるように、アンテナ装置10Fは、共振回路の一部を構成するコンデンサ600Fを更に有している。
【0127】
図30を参照して、コンデンサ600Fは、導体部510Fにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514F及び付加的スリット518の周囲を周回する経路と共に、電流ループ経路を構成する。即ち、コンデンサ600Fは、導体部510Fにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514F及び付加的スリット518の周囲を周回する経路と共に、共振回路を構成する。この共振回路の共振周波数は、アンテナ装置10Fの通信周波数帯である。コンデンサ600Fは、付加的スリット518を跨ぐように基板500F上に搭載されている。なお、コンデンサ600Fの配置は上述の箇所に限定されず、コンデンサ600Fと導体部510Fにおける開口部512、付加的開口部516、スリット514F及び付加的スリット518の周囲を周回する経路とが電流ループ経路を構成する限り、導体部510Fのいずれの箇所に配置されていてもよい。
【0128】
以上、本発明について実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可能である。
【0129】
上述の第1,2実施形態のアンテナ装置10,10Cにおいては、第3,4,5実施形態のアンテナ装置10D,10E,10Fの付加的開口部516に相当する部位は設けられていなかったが、本発明はこれに限定されない。即ち、アンテナ装置10,10Cにおいても、スリット514,514Cの一部を構成する付加的開口部516を設けてもよい。
【符号の説明】
【0130】
10,10C,10D,10E,10F アンテナ装置
100,100A,100B コイルアンテナ
200 コイル
210 上端
220 下端
230 外周
240 内周
300,300A,300B 磁気コア
310 中芯
320,320B 上部
340 側部
400 端子
500,500C,500D,500E,500F 基板
510,510C,510D,510E,510F 導体部
512 開口部
514,514C,514D,514E,514F スリット
5142 第1部位
5144 第2部位
5146 第3部位
516 付加的開口部
518 付加的スリット
520 エッジ
600,600D,600E,600F コンデンサ
700,700A 樹脂モールド
AX 巻軸
PP 所定部位
SR 特定領域
【手続補正書】
【提出日】2023-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、コイルアンテナとを備えるアンテナ装置であって、
前記基板は、平面状の導体部を有しており、
前記導体部には、開口部と、スリットとが形成されており、
前記導体部における前記開口部及び前記スリットの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記基板と直交する上下方向に沿って見た場合に前記開口部と少なくとも部分的に重複するように、前記基板上に搭載されており、
前記コイルアンテナは、コイルと、磁気コアとを備えており、
前記コイルは、前記上下方向に延びる巻軸を有しており、
前記磁気コアは、前記コイルの磁路を部分的に構成しており、
前記磁気コアは、前記コイルの直下の特定領域を除く領域に位置しており、
前記磁気コアは、中芯を少なくとも有しており、
前記中芯は、少なくとも部分的に前記コイルの内側に位置しており、
前記導体部には、付加的開口部が更に形成されており、
前記導体部における前記付加的開口部の周囲を周回する経路は、前記共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部及び前記付加的開口部の両方と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記上下方向に沿って見た場合に前記付加的開口部と重複しないように、前記基板上に搭載されている
アンテナ装置。
【請求項2】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、前記エッジに向かって延びている
アンテナ装置。
【請求項3】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記基板は、エッジを有しており、
前記導体部には、付加的スリットが更に形成されており、
前記付加的スリットは、前記エッジに向かって延びており、
前記アンテナ装置は、前記共振回路の一部を構成するコンデンサを更に有しており、
前記コンデンサは、前記付加的スリットを跨ぐように前記基板上に搭載されている
アンテナ装置。
【請求項4】
請求項3記載のアンテナ装置であって、
前記開口部、前記スリット、前記付加的開口部及び前記付加的スリットの全ては、互いに連結されている
アンテナ装置。
【請求項5】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記中芯は、前記上下方向において前記コイルの下端よりも下方まで延びている
アンテナ装置。
【請求項6】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記中芯は、前記上下方向において前記コイルの上端よりも上方まで延びている
アンテナ装置。
【請求項7】
請求項6記載のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、上部を更に有しており、
前記上部は、前記中芯から前記コイルの外周に向かって延びており、
前記上部は、前記上下方向から見て前記コイルと重複している
アンテナ装置。
【請求項8】
請求項7記載のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、側部を更に有しており、
前記側部は、前記上下方向と直交する面内において前記コイルの外側に位置しており、
前記側部は、前記上部から前記上下方向における下方に延びている
アンテナ装置。
【請求項9】
基板と、コイルアンテナとを備えるアンテナ装置であって、
前記基板は、平面状の導体部を有しており、
前記導体部には、開口部と、スリットとが形成されており、
前記導体部における前記開口部及び前記スリットの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記基板と直交する上下方向に沿って見た場合に前記開口部と少なくとも部分的に重複するように、前記基板上に搭載されており、
前記コイルアンテナは、コイルと、磁気コアとを備えており、
前記コイルは、前記上下方向に延びる巻軸を有しており、
前記磁気コアは、前記コイルの磁路を部分的に構成しており、
前記磁気コアは、前記コイルの直下の特定領域を除く領域に位置しており、
前記磁気コアは、中芯を少なくとも有しており、
前記中芯は、少なくとも部分的に前記コイルの内側に位置しており、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、所定部位を有しており、
前記所定部位は、前記エッジの近傍において前記エッジに沿って延びており、
前記アンテナ装置は、前記共振回路の一部を構成するコンデンサを更に有しており、
前記コンデンサは、前記基板上の前記エッジと前記スリットとの間の領域に搭載されている
アンテナ装置。
【請求項10】
基板と、コイルアンテナとを備えるアンテナ装置であって、
前記基板は、平面状の導体部を有しており、
前記導体部には、開口部と、スリットとが形成されており、
前記導体部における前記開口部及び前記スリットの周囲を周回する経路は、共振回路の一部を構成し、
前記スリットは、前記開口部と連結されており、
前記コイルアンテナは、前記基板と直交する上下方向に沿って見た場合に前記開口部と少なくとも部分的に重複するように、前記基板上に搭載されており、
前記コイルアンテナは、コイルと、磁気コアとを備えており、
前記コイルは、前記上下方向に延びる巻軸を有しており、
前記磁気コアは、前記コイルの磁路を部分的に構成しており、
前記磁気コアは、前記コイルの直下の特定領域を除く領域に位置しており、
前記磁気コアは、中芯を少なくとも有しており、
前記中芯は、少なくとも部分的に前記コイルの内側に位置しており、
前記基板は、エッジを有しており、
前記スリットは、所定部位を有しており、
前記所定部位は、前記エッジの近傍において前記エッジに沿って延びており、
前記スリットは、第1部位と、第2部位とを有しており、
前記第1部位は、前記開口部から前記エッジに向かって延びており、
前記第2部位は、前記第1部位から前記第1部位と交差する方向に延びており、
前記第2部位は、前記所定部位である
アンテナ装置。
【請求項11】
請求項10記載のアンテナ装置であって、
前記スリットは、第3部位を更に備えており、
前記第3部位は、前記第2部位から前記第2部位と交差する方向に延びている
アンテナ装置。
【請求項12】
請求項1記載のアンテナ装置であって、
前記コイルの内周の断面積をS1、前記開口部の面積をS2としたとき、1≦S2/S1≦2を満たしている
アンテナ装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
また、本発明は、第9のアンテナ装置として、第8のアンテナ装置であって、
前記磁気コアは、側部を更に有しており、
前記側部は、前記上下方向と直交する面内において前記コイルの外側に位置しており、
前記側部は、前記上部から前記上下方向における下方に延びている
アンテナ装置を提供する。