(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164242
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】ボトル吊り下げ用ストラップおよびリール式ホルダ装置
(51)【国際特許分類】
B65D 23/00 20060101AFI20231102BHJP
B65D 25/22 20060101ALI20231102BHJP
A45C 13/30 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B65D23/00 P
B65D25/22 C
A45C13/30 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022135025
(22)【出願日】2022-08-26
(31)【優先権主張番号】P 2022075429
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504066427
【氏名又は名称】株式会社サニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 雅章
【テーマコード(参考)】
3B045
3E062
【Fターム(参考)】
3B045FC04
3B045FC06
3B045GA04
3B045GB03
3B045GB04
3B045GD02
3B045GD03
3B045LA10
3E062AA09
3E062AB01
3E062AC02
3E062AC03
3E062AC06
3E062BA20
3E062BB10
3E062GA02
3E062GB06
3E062GB09
3E062GC03
(57)【要約】
【課題】吊り下げられた状態のボトルを略鉛直姿勢に保つことが可能なボトル吊り下げ用ストラップを提供する。被吊り下げ部材を装着部材から容易に取り外し可能な構成としながら、装着部材からのリール式ホルダの脱落を抑制または防止できるリール式ホルダ装置を提供する。
【解決手段】ボトル吊り下げ用ストラップ1は、紐体2と、締め具3とを備えている。紐体2は、互いに重ねられた第1紐体部21および第2紐体部22を備えている。紐体2は、一端2aおよび他端2bを有し、一端2a側と他端2b側とが結合されて環状部8が形成されている。環状部8には、締め具3が移動可能に配置されている。そして、第1紐体部21における締め具3よりも一端2a側の部分21aおよび第1紐体部21における締め具3よりも他端2b側の部分21bによって区画される開口8が、ボトルに係合する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボトルを吊り下げるためのストラップであって、
互いに重ねられた第1紐体部および第2紐体部を含む紐体であって、一端および他端を有し、一端側と他端側とが結合されて環状部が形成された紐体と、
第1挿通穴を有する締め具であって、前記第1紐体部および前記第2紐体部を前記第1挿通穴に挿通させることにより前記環状部に移動可能に配置され、前記第1挿通穴を挿通する前記第1紐体部および前記第2紐体部を締め付けることにより前記環状部に対する移動が規制される締め具とを含み、
前記第1紐体部における前記締め具よりも一端側の部分および前記第2紐体部における前記締め具よりも一端側の部分によって区画される開口が、前記ボトルに係合する、ボトル吊り下げ用ストラップ。
【請求項2】
前記第1紐体部における前記締め具よりも一端側の部分または前記第2紐体部における前記締め具よりも一端側の部分を包囲するように配置された第1筒状具をさらに含む、請求項1に記載のボトル吊り下げ用ストラップ。
【請求項3】
前記紐体における前記締め具と前記開口との間の部分に配置され、前記第1紐体部および前記第2紐体部を包囲する第2筒状具をさらに含む、請求項1または2に記載のボトル吊り下げ用ストラップ。
【請求項4】
前記紐体の前記一端および前記他端の一方に設けられたリング部をさらに含み、
前記紐体の前記一端および前記他端の他方が前記リング部を通ってループすることにより前記紐体に前記環状部が形成され、
前記紐体における前記一端および前記他端の他方側に配置され、前記リング部に通過不能な抜止部であって、前記リング部に係合可能な抜止部をさらに含む、請求項1または2記載のボトル吊り下げ用ストラップ。
【請求項5】
前記リング部が、前記紐体の前記一端および前記他端の一方が結合されたリング部材を含む、請求項4記載のボトル吊り下げ用ストラップ。
【請求項6】
吊り下げ対象に装着され、被吊り下げ部材を引き出し可能に吊り下げるためのリール式ホルダ装置であって、
筒状のホルダ本体と、前記ホルダ本体の外周から径方向外方に突出する係合突起とを有し、前記被吊り下げ部材が巻紐に接続されたリール式ホルダと、
前記リール式ホルダを着脱可能に支持するホルダ支持部を有し、前記吊り下げ対象に装着される装着部材とを含み、
前記ホルダ支持部が、
支持面と、
前記支持面に形成された溝であって前記ホルダ本体の一主面および前記係合突起を収容して、前記リール式ホルダを下方から支持する収容溝と、
前記収容溝に収容されている前記係合突起と係合して、前記収容溝の溝底面に対し離反する方向への前記リール式ホルダの移動を規制する規制壁とを含む、リール式ホルダ装置。
【請求項7】
前記収容溝の前記溝底面および前記ホルダ本体の前記一主面の少なくとも一方に、磁石が配置されており、前記収容溝に前記一主面が収容されている状態で、前記溝底面と前記一主面とが磁力結合している、請求項6記載のリール式ホルダ装置。
【請求項8】
前記係合突起が、前記ホルダ本体の外周に沿う円弧状をなし、
前記規制壁が、前記ホルダ本体の少なくとも下半分から突出する前記係合突起と係合する、請求項7に記載のリール式ホルダ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボトル吊り下げ用ストラップおよびリール式ホルダ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ボトル等の容器を吊り下げるためのボトル吊り下げ用ストラップの一例として、下記特許文献1は、吊り下げ紐を開示している。このような吊り下げ紐は、環状の紐と、環状の紐に取り付けられた締め具とを備えている。
【0003】
また、ボトル等の被吊り下げ部材を引き出し可能に吊り下げるためのリール式ホルダが知られている。このようなリール式ホルダは、下記特許文献2,3に示すように、被吊り下げ部材(たとえばカードケース)が先端に取り付けられたコード(巻紐)が巻回されたリール本体と、リール本体を使用者の被服に装着するための装着部材(たとえば回転クリップ、安全ピン)とを備えている。下記特許文献2,3では、リール本体が装着部材に分離不能に取り付けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-6974号公報
【特許文献2】特開2003-52442号公報
【特許文献3】特開2008-264296号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示すような吊り下げ紐によってボトル(飲料水容器)を吊り下げた状態のまま、ボトルの操作を行う場合がある。たとえば、被吊り下げ部材が、ノズルを押し込むことで噴霧口から内容物が噴霧される噴霧型のボトルである場合、ノズルの押し込み操作を良好に行うためには吊り下げ状態においてボトルが略鉛直姿勢をなしている必要がある。
【0006】
しかし、特許文献1に記載の吊り下げ紐では、ボトルが傾くおそれがある。特許文献1に記載の吊り下げ紐を用いてボトル(消毒液)を吊り下げた場合、ボトルが傾斜姿勢をなすおそれがある。ボトルが傾いているとノズルの押し込み操作を良好に行えない。そのため、ストラップ(吊り下げ紐)によって吊り下げられた状態のボトルを略鉛直姿勢に保つことが求められている。
【0007】
一方、リール式ホルダの使い勝手の向上を図るために、本願発明者は、リール式ホルダを、使用者の胸部や腰部に装着された装着部材に対し着脱可能に設けることを検討している。しかし、リール式ホルダを、装着部材に対し着脱可能に設ける場合、リール式ホルダが装着部材に取り付けられた状態において、リール式ホルダが装着部材から簡単に脱落する構成であると、被吊り下げ部材も装着部材から容易に脱落してしまう。一方で、被吊り下げ部材の脱落を防止するために、リール式ホルダを装着部材に強固に接合させると、装着部材からリール式ホルダを容易に取り外すことができず、却ってリール式ホルダの使い勝手が悪くなるおそれがある。そのため、リール式ホルダを、装着部材に対し容易に取り外し可能な構成としながら、取り付け状態におけるリール式ホルダの装着部材からの脱落を確実に防止することが求められている。
【0008】
この発明の一の目的は、吊り下げられた状態のボトルを略鉛直姿勢に保つことが可能なボトル吊り下げ用ストラップを提供することである。
【0009】
また、この発明の他の目的は、リール式ホルダを、装着部材に対し容易に取り外し可能な構成としながら、取り付け状態におけるリール式ホルダの装着部材からの脱落を確実に防止できるリール式ホルダ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明の一実施形態は、ボトルを吊り下げるための環状のボトル吊り下げ用ストラップを提供する。前記ボトル吊り下げ用ストラップは、互いに重ねられた第1紐体部および第2紐体部を含む紐体であって、一端および他端を有し、一端側と他端側とが結合されて環状部が形成された紐体と、第1挿通穴を有する締め具であって、前記第1紐体部および前記第2紐体部を前記第1挿通穴に挿通させることにより前記環状部に移動可能に配置され、前記第1挿通穴を挿通する前記第1紐体部および前記第2紐体部を締め付けることにより前記環状部に対する移動が規制される締め具とを含む。そして、前記第1紐体部における前記締め具よりも一端側の部分および前記第2紐体部における前記締め具よりも一端側の部分によって区画される開口が、前記ボトルに係合する。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記ボトル吊り下げ用ストラップが、前記第1紐体部における前記締め具よりも一端側の部分または前記第2紐体部における前記締め具よりも一端側の部分を包囲するように配置された第1筒状具をさらに含む。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記ボトル吊り下げ用ストラップが、前記紐体における前記締め具と前記開口との間の部分に配置され、前記第1紐体部および前記第2紐体部を包囲する第2筒状具をさらに含む。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記ボトル吊り下げ用ストラップが、前記紐体の前記一端および前記他端の一方に設けられたリング部をさらに含む。そして、前記紐体の前記一端および前記他端の他方が前記リング部を通ってループすることにより前記紐体に前記環状部が形成される。そして、前記ボトル吊り下げ用ストラップが、前記紐体の前記他端側に配置され、前記リング部に通過不能な抜止部であって、前記リング部に係合可能な抜止部をさらに含む。
【0014】
この発明の一実施形態では、前記リング部が、前記紐体の前記一端および前記他端の一方が結合されたリング部材を含む。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記抜止部が、第2挿通穴を有する抜止具を含む。そして、前記第1紐体部および前記第2紐体部を前記第2挿通穴に挿通させることにより、前記抜止具が、前記紐体の前記他端と前記リング部との間の部分に移動可能に配置されている。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記第1紐体部および前記第2紐体部が、1本の紐を折り返すことによって形成されている。そして、前記紐の途中部が前記リング部に結合され、前記途中部において前記紐が折り返されている。
【0017】
また、この発明の一実施形態は、吊り下げ対象に装着され、被吊り下げ部材を引き出し可能に吊り下げるためのリール式ホルダ装置を提供する。前記リール式ホルダ装置は、筒状のホルダ本体と、前記ホルダ本体の外周から径方向外方に突出する係合突起とを有し、前記被吊り下げ部材が巻紐に接続されたリール式ホルダと、前記リール式ホルダを着脱可能に支持するホルダ支持部を有し、前記吊り下げ対象に装着される装着部材とを含む。そして、前記ホルダ支持部が、支持面と、前記支持面に形成された溝であって前記ホルダ本体の一主面および前記係合突起を収容して、前記リール式ホルダを下方から支持する収容溝と、前記収容溝に収容されている前記係合突起と係合して、前記収容溝の溝底面に対し離反する方向への前記リール式ホルダの移動を規制する規制壁とを含む。そして、前記収容溝の前記溝底面および前記ホルダ本体の前記一主面の少なくとも一方に、磁石が配置されていてもよい。そして、前記収容溝に前記一主面が収容されている状態で、前記溝底面と前記一主面とが磁力結合していてもよい。
【0018】
前記係合突起が、前記ホルダ本体の外周に沿う円弧状をなし、前記規制壁が、ホルダ本体の少なくとも下半分から突出する前記係合突起と係合してもよい。
【0019】
前記支持面が、鉛直方向に対し、下方に向かうに従って横方に向かうように傾斜していてもよい。前記支持面が、鉛直方向に沿っていてもよい。
【0020】
また、前記被吊り下げ部材が、ボトルであってもよい。この場合、前記ボトルは、前記ボトル吊り下げ用ストラップを介して、前記リール式ホルダの巻紐に接続されていてもよい。
【0021】
また、前記被吊り下げ部材が、カードケースであってもよい。
【発明の効果】
【0022】
この発明の一実施形態によれば、吊り下げられた状態のボトルを略鉛直姿勢に保つことが可能なボトル吊り下げ用ストラップを提供できる。
【0023】
また、この発明の一実施形態によれば、リール式ホルダを、装着部材に対し容易に取り外し可能な構成としながら、取り付け状態におけるリール式ホルダの装着部材からの脱落を確実に防止できるリール式ホルダ装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るボトル吊り下げ用ストラップの斜視図である。
【
図2】前記ボトル吊り下げ用ストラップの斜視図である。
【
図5】
図1に示す第1筒状具および第2筒状具の断面図である。
【
図6】前記ボトル吊り下げ用ストラップを含むボトル吊り下げ装置によってボトルを吊り下げている状態を示す図である。
【
図7】前記ボトル吊り下げ装置によってボトルを吊り下げている状態を示す図である。
【
図8】
図6を切断面線VIII-VIIIから見た模式的な断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態の第1変形例を説明するための斜視図である。
【
図10】本発明の第1実施形態の第2変形例を説明するための模式的な要部断面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態の第3変形例を説明するための模式的な要部断面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態に係るリール式ホルダ装置の斜視図である。
図12では、リール式ホルダを装着部材に対して上方に離脱させた状態を示している。
【
図13】
図12を切断面線XIII-XIIIから見た模式的な断面図である。
【
図14】
図12を切断面線XIV-XIVから見た模式的な断面図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係るリール式ホルダ装置の模式的な縦断面図である。
【
図16】前記リール式ホルダ装置に、被吊り下げ部材としてのカードケースを吊り下げた使用状態を示す斜視図である。
【
図17】
図16に示す状態から前記カードケースを前方に引き出した状態を示す斜視図である。
【
図18】
図16に示す状態から使用者が前屈みになった状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1および
図2は、本発明の第1実施形態に係るボトル吊り下げ用ストラップ1の斜視図である。
図2は、
図1に比べ、紐体2に形成される環状部8を大径にしている。ボトル吊り下げ用ストラップ1は、被吊り下げ部材としてのボトルB(
図6参照)を吊り下げるための環状のストラップである。ボトル吊り下げ用ストラップ1は、紐体2と、締め具3と、リング部の一例としてのリング部材4と、抜止部の一例としての抜止具5と、第1筒状具6と、第2筒状具7とを備えている。
【0026】
図1および
図2に示すように、紐体2は、互いに重ねられた第1紐体部21および第2紐体部22を備えた二重紐である。紐体2は、一端2aおよび他端2bを有している。有端状の1本の紐20を折り返すことによって、第1紐体部21および第2紐体部22を含む、二重紐からなる紐体2が構成されている。紐20を折り返した折返部によって、紐体2の一端2aが構成されている。紐20の両端が互いに結び付けられて、紐体2の他端2bが構成されている。すなわち、紐体2の他端2bには、紐20の両端が互いに結び付けられることによって結び目23が形成されている。結び目23は、紐体2の他端2bに設けられている必要はなく、他端2bに対して一端2a側に入り込むように位置していてもよい。このように結び目23の位置を変えることによって、紐体2の有効長さを調整できる。紐20の繊維の材料は、合成樹脂材料を採用できる。合成樹脂材料は、ナイロンやポリプロピレンを例示できる。紐20(紐体2)の繊維の材料として、合成樹脂材料の他、木綿、麻、絹、紙等を用いてもよい。ゴム繊維を含むことで、紐20(紐体2)が弾力性を有していてもよい。このように紐20(紐体2)の材質に特段の制約はないが、ボトルBの吊り下げに充分耐え得る強度を有している必要がある。
【0027】
紐体2の一端2aにリング部材4が結合されている。紐体2の他端2bがリング部材4を通ってループすることにより、紐体2に環状部8が形成されている。紐体2の他端2bとリング部材4との間に抜止具5が配置されている。他端2bを構成する結び目23との干渉によって、紐体2における抜止具5の移動(他端2b側への移動)が規制され、かつ紐体2からの抜止具5の抜けが防止されている。抜止具5はリング部材4を通過不能であり、これにより、紐体2が、環状部8を形成した状態に保たれる。環状部8を構成する第1紐体部21のうち締め具3よりも一端2a側の部分(以下、単に「第1一端側部分」という場合がある。)21a、および環状部8を構成する第2紐体部22のうち締め具3よりも一端2a側の部分(以下、単に「第2一端側部分」という場合がある。)22aによって、
図2に示す環状の開口80が形成される。
【0028】
図3は、締め具3の縦断面図である。
図3に示すように、締め具3は、第1挿通穴30を有している。第1紐体部21および第2紐体部22を第1挿通穴30に挿通させる。そして、第1挿通穴30を挿通する第1紐体部21および第2紐体部22を締め付けることにより、環状部8に対する締め具3の移動が阻止される。締め具3の状態が切り換えられて、第1挿通穴30を挿通する第1紐体部21および第2紐体部22への締め付けを緩めることにより、環状部8に対する締め具3の移動が許容される。
【0029】
具体的には、締め具3は、有底円筒状の円筒31と、先端部32aを除く部分が円筒31に内嵌されたピストン32と、円筒31内に収容され、ピストン32の基端部32bを円筒31の開口端31a側に向けて弾力付勢するコイルばね33とを備えている。第1挿通穴30は、円筒31の周壁の内外を貫通する挿通穴31cと、ピストン32の円柱部の周壁を貫通する挿通穴32cとを有している。円筒31の2つの挿通穴31cと、ピストン32の挿通穴32cを合致させ、その状態で第1紐体部21および第2紐体部22をこれらの挿通穴31c,32cに挿通させる。締め具3は、硬質の合成樹脂材料(たとえばポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)等)を用いて形成されている。
【0030】
ピストン32の先端部32aを押し込んでいない状態では、ピストン32はコイルばね33の弾性付勢力により円筒31の開口端31a側に移動する。このとき、ピストン32の挿通穴32cが円筒31の挿通穴31cに対して離れるように移動することにより、第1紐体部21および第2紐体部22が挿通穴32cによって締め付けられる。これにより、第1紐体部21および第2紐体部22の移動が阻止される。
【0031】
一方、ピストン32の先端部32aを押し込んだ状態では、ピストン32はコイルばね33の弾性付勢力に抗って円筒31の底部31b側に移動する。このとき、ピストン32の挿通穴32cが円筒31の挿通穴31cに略一致した状態では、第1紐体部21および第2紐体部22に対する挿通穴32cの締め付けが緩み(この状態では、締め付けがほとんどなくなる)、そのため、締め具3を紐体2に沿ってスムーズに移動させることができる。
【0032】
なお、締め具3は、
図3に示す構成に限られない。締め具3は、第1挿通穴30を有し、第1挿通穴30を挿通する第1紐体部21および第2紐体部22を締め付けることにより、環状部8に対する締め具3の移動が阻止され、かつ、第1紐体部21および第2紐体部22の締め付けを緩めることにより、環状部8に対する締め具3の移動が許容されるものであれば足りる。
【0033】
リング部材4は、円環状である。リング部材4は、たとえば鉄製(鋼鉄製)の二重リングであるが、鉄以外の材料(たとえば合成樹脂等)を用いて形成してもよいし、一重または三重以上のリング部材であってもよい。紐体2の一端2aをリング部材4に結合する手法として、この実施形態では、紐体2の一端2aをリング部材4に結び付ける手法を採用している。より具体的には、この実施形態では、折返部によって構成される二重紐の紐体2の一端2aをリング部材4に差し込み、紐体2の他端2bを、リング部材4から突出した一端2aに形成される環状の部分に挿通して引き締めることにより、紐体2の一端2aをリング部材4に結び付けている。しかし、この手法は一例に過ぎず、紐体2の一端2aを他の手法によってリング部材4に結び付けてもよい。
【0034】
図4は、抜止具5の断面図である。
図1、
図2および
図4に示すように、抜止具5は、たとえば球状である。抜止具5は、第2挿通穴50を有している。第1紐体部21および第2紐体部22を第2挿通穴50に挿通させることにより、抜止具5が、紐体2の他端2bとリング部材4との間の部分に移動可能に配置されている。球状をなす抜止具5の直径D1(
図5参照)は、リング部材4の内径D2(
図2参照)よりも大きい。そのため、抜止具5は、リング部材4に通過不能である。環状部8を拡径させるに従ってリング部材4が抜止具5に接近し、やがて抜止具5がリング部材4に係合するようになる。抜止具5は、合成樹脂材料(たとえばポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE))を用いて形成されている。この合成樹脂材料は、硬質の樹脂材料であってもよいし、硬質でない樹脂材料(軟質の樹脂材料)であってもよい。
【0035】
図5は、第1筒状具6および第2筒状具7の断面図である。
図1、
図2および
図5に示すように、第1筒状具6は、円筒状である。第1筒状具6は、第1一端側部分21aまたは第2一端側部分22aが挿通する第2挿通穴60を有している。この実施形態では、第1筒状具6は、第1一端側部分21aまたは第2一端側部分22aに1つのみ取り付けられている(
図1、
図2および
図5の例では、第1一端側部分21aに取り付けられている)。第1筒状具6は、軟質の合成樹脂材料(たとえばシリコン樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC))を用いて形成されている。
【0036】
図1、
図2および
図5に示すように、第2筒状具7は、円筒状である。第2筒状具7は、第1紐体部21および第2紐体部22が挿通する第3挿通穴70を有している。第2筒状具7は、第1紐体部21および第2紐体部22における締め具3と開口80との間の部分に移動可能に配置されている。第2筒状具7は、第1紐体部21および第2紐体部22を包囲している。第2筒状具7は、軟質の合成樹脂材料(たとえばシリコン樹脂、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC))を用いて形成されている。
【0037】
第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aによって環状の開口80(
図2参照)が形成される。ボトル吊り下げ用ストラップ1によってボトルB(
図6等参照)を吊り下げる際には、この開口80がボトルBの首部Ba(
図6等参照)に係合させられる。その手順としては、まず、締め具3のピストン32の先端部32aを押し込んで、第1紐体部21および第2紐体部22に対する挿通穴32cの締め付けを緩める。そして、締め具3を、締め具3と紐体2の一端2aとの間が適当な長さになるような位置まで移動させ、その位置において先端部32aの押し込みを止める。次いで、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aを互いに離反するように移動させ、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aの間に開口80を形成し、この開口80にボトルBの首部Baを挿入する。挿入した状態において、締め具3のピストン32の先端部32aを押し込み、締め具3を紐体2の一端2a側に移動させて、開口80を縮径する。そして、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aによってボトルBの首部Baを締め付けた状態で先端部32aの押し込みを止め、締め具3をその位置に位置決めする。これにより、ボトル吊り下げ用ストラップ1とボトルBの首部Baとの結合を強固に保つことができる。
【0038】
図6および
図7は、ボトル吊り下げ用ストラップ1を含むボトル吊り下げ装置100によってボトルBを吊り下げている状態を示す図である。
図6には、ベルト(吊り下げ対象)BEにボトルBを吊り下げている状態を示し、
図7には、ベルトBEからボトルBを引き離した状態を示す。
図8は、
図6を切断面線VIII-VIIIから見た模式的な断面図である。
図8では、リール式ホルダ103について、ホルダ本体120についての図示を省略している。
【0039】
ボトル吊り下げ装置100は、使用者のたとえば腰部に巻回されたベルトBEにボトルBを吊り下げるための装置である。ボトル吊り下げ装置100は、リール式ホルダ装置101と、ボトル吊り下げ用ストラップ1とを備えている。リール式ホルダ装置101は、ベルトBEに装着される装着部材102と、装着部材102に対して着脱可能に設けられたリール式ホルダ103とを備えている。リール式ホルダ103にはボトル吊り下げ用ストラップ1が連結可能であり、リール式ホルダ103は、当該リール式ホルダ103に接続されたボトル吊り下げ用ストラップ1を上方から保持する。
【0040】
ボトルBは、たとえば、プッシュ式の噴霧ボトルである。ボトルBは、ボトル本体B1と、ボトル本体B1の上部にねじ結合されるキャップB2とを備えている。ボトル本体B1の材質は特に問わないが、硬質の合成樹脂材料を用いて形成されていてもよいし、金属材料やガラス材料を用いて形成されていてもよい。キャップB2は、ノズル本体150と、ノズル本体150に対して上下に進退可能なプッシュヘッド151とを備えている。プッシュヘッド151は、ばね部材等によって上位置に弾力付勢されており、プッシュヘッド151が弾力に抗って下方に押し込まれることにより、プッシュヘッド151に形成された噴霧口152から内容物が噴霧される。キャップB2は、たとえば硬質の合成樹脂材料を用いて形成されている。
【0041】
装着部材102は、支持面111を備えている。装着部材102には、ベルトBEが挿通する挿通凹所116(
図8参照)が横方向(左右方向)に延びるように形成されている。
図6および
図7の例では、装着部材102は、挿通凹所116を有する内側本体110Aと、支持面111を有する外側本体110Cと、内側本体110Aと外側本体110Cとを接続する中本体110Bとを備えている。
【0042】
内側本体110Aは、可撓性を有する材料(合成樹脂材料、皮革材料、布)を用いて形成されている。
図6~
図8の例では、挿通凹所116は挿通穴である。挿通凹所116をベルトBEが挿通することにより、装着部材102がベルトBEに装着される。
【0043】
内側本体110Aの前側の板状部110Aaの下端部には、連結用の連結金具124Aが設けられている。また、内側本体110Aの後ろ側の板状部110Abの下端部には、連結用の連結金具124Bが設けられている。後ろ側の板状部110Abは湾曲可能であり、連結金具124Bが連結金具124Aに前側から対向可能である。
【0044】
外側本体110Cは、板状であり、合成樹脂材料、皮革材料、布等を用いて形成されている。支持面111には、リール式ホルダ103のホルダ本体120の裏面120aを収容するための収容溝113が形成されている。収容溝113の底部には、支持面111と平行な溝底面113aが形成されている。支持面111および溝底面113aは、平坦面である。
【0045】
装着部材102がベルトBEに装着された状態で、支持面111および溝底面113aは、鉛直方向に対し下方に向かうに従って横方(前方)に向かう傾斜面をなしている。収容溝113は、ホルダ本体120の正面形状に整合する略円形状である。溝底面113aは、第1磁石114Aによって形成された第1磁石面114である。
【0046】
中本体110Bは、側面視で略L字形状をなしている。中本体110Bは、内側本体110Aよりも剛性の高い材料(合成樹脂材料、皮革材料、布)を用いて形成されている。中本体110Bの下端部には、通過穴124Cが形成されている。
【0047】
前側の板状部110Aaと後ろ側の板状部110Abとの間には、挿通凹所116が区画されている。内側本体110Aの下方が開放して、挿通凹所116にベルトBEが挿通した状態で、連結金具124Aに通過穴124Cが嵌るように、中本体110Bが前側の板状部110Aaの下端部に取り付けられる。そして、後ろ側の板状部110Abの下端部を湾曲させ、連結金具124Bを連結金具124Aに前側から対向させた後、連結金具124Bを連結金具124Aに締結させる。これにより、内側本体110AをベルトBEに装着させる(巻き付ける)ことができると共に、中本体110Bを内側本体110Aに取り付けることができる。
【0048】
なお、中本体110Bは、剛性の高いものでなくてもよい。具体的には、中本体110Bが、複数連接された板状部材によって折り曲げ可能に構成されていてもよい。
【0049】
リール式ホルダ103は、略円筒状(筒状)のホルダ本体120と、ホルダ本体120の内部に巻き取り収納された巻紐121とを備えた公知の構成である(実登第3206706号公報、特開2003-52442号公報(上記の特許文献2)等参照)。巻紐121の一端121aがホルダ本体120に対し離反する方向に引っ張られると、ホルダ本体120から巻紐121が繰り出される。そして、巻紐121の一端121aに作用していた力が解除されると、ホルダ本体120に設けられたばね部材等のばね力により、ホルダ本体120内に巻紐121が巻き取られる。
【0050】
巻紐121の一端121aに固定された上係合部122が、内側本体110Aの上端部に結合されている。上係合部122は、
図6および
図7の例では、第1リング123を備えている。上係合部122が他の構成であってもよいのは言うまでもない。
【0051】
ホルダ本体120には、下係合部125を介して、ボトル吊り下げ用ストラップ1が接続されている。この実施形態では、下係合部125は、第2リング126、第3リング127および環状紐128を備えている。環状紐128は、ボタン等を含む接合部128aによって、紐状と環状との間で、状態が変更可能である。下係合部125が他の構成であってもよいのは言うまでもない。ホルダ本体120の裏面(一主面)120a(
図8参照)は、第2磁石129Aによって形成された第2磁石面129(
図8参照)である。第2磁石面129は、第1磁石面114と異なる磁極方向を有している。そのため、第1磁石面114および第2磁石面129が、互いに対向した状態で接近した場合、第1磁石面114と第2磁石面129との間に吸引力が発生し、両者が磁力結合する。
【0052】
ホルダ本体120が収容溝113に嵌合した状態で、ホルダ本体120が支持面111によって支持される。そして、この嵌合状態において、ホルダ本体120の第1磁石面114とホルダ本体120の第2磁石面129とが磁力結合する。装着状態においてボトルBを吊り下げた状態では、ボトルBやその内容物(消毒液等)等の重さにより、ホルダ本体120に下向きの荷重が作用している。ホルダ本体120が収容溝113に嵌合し、かつ溝底面113aが、下方に向かうに従って横方(前方)に向かうように傾斜しているので、ホルダ本体120と収容溝113との結合を強固に実現できる。加えて、収容溝113の溝底面113a(第1磁石面114)とホルダ本体120の裏面120a(第2磁石面129)とが磁力結合し、ホルダ本体120を収容溝113に、より一層強固に結合できる。
【0053】
図6に示す状態(ベルトBEにボトルBを吊り下げている状態)では、ホルダ本体120が収容溝113に結合している。そして、ボトルBは、ボトル吊り下げ用ストラップ1を介して、ホルダ本体120に吊り下げられている。ボトル吊り下げ用ストラップ1の第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aがボトルBの首部Baに係合することによりボトルBが吊り下げられる。この状態では、
図6に示すように、環状をなすボトル吊り下げ用ストラップ1は、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aを共に支持する締め具3および一端2aが、同じ高さ位置に揃うような姿勢に保たれ、その結果、ボトルBが鉛直姿勢に保たれる。ゆえに、吊り下げられた状態のボトルBを略鉛直姿勢に保つことが可能である。
【0054】
ボトルBが、消毒液を内容物とする消毒液ボトルである場合、ボトルBの使用の態様として、次に述べる第1使用態様と第2使用態様との2態様が考えられる。
【0055】
ボトルBの第1使用態様は、ボトルBをベルトBEから引き離して使用する態様である。第1使用態様では、使用者がボトルBを掴んでボトルBおよびボトル吊り下げ用ストラップ1を、自身が装着しているベルトBEに装着された装着部材102から、ホルダ本体120ごと収容溝113から引き離す。
図7に示すように、ホルダ本体120が収容溝113から取り外されるホルダ本体120の移動に伴って、ホルダ本体120から巻紐121が繰り出される。そして、適量長さの巻紐121が引き出された状態で、ボトルBのプッシュヘッド151が押し込まれて噴霧口152から消毒液が噴霧されることにより、ボトルBが使用される。このとき、ボトルBの首部Baに第1筒状具6が嵌るために、第1筒状具6とボトルBの首部Baとの間の摩擦係合により、環状部8に対するボトルBの回り止めが実現される。ゆえに、使用による噴霧操作を良好に行える。
【0056】
ボトルBの使用後は、ボトルBがベルトBEに再び吊り下げられる。具体的には、使用者がボトルBを離すと、巻紐121がホルダ本体120に巻き取られ、ホルダ本体120およびボトルBが支持面111に接近する。そして、ホルダ本体120が収容溝113に嵌合することにより、ホルダ本体120が支持面111(溝底面113a)によって支持される。
【0057】
一方、ボトルBの第2使用態様は、ボトルBをベルトBEに吊り下げた状態のまま使用する態様である。第2使用態様では、ホルダ本体120が支持面111(溝底面113a)によって支持された状態のまま、ボトルBのプッシュヘッド151が押し込まれて噴霧口152から消毒液が噴霧される。このとき、ボトルBの首部Baに第1筒状具6が嵌るために、第1筒状具6とボトルBの首部Baとの間の摩擦係合により、環状部8に対するボトルBの回り止めが実現される。ゆえに、使用による噴霧操作を良好に行える。
【0058】
以上によりこの実施形態によれば、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aがボトルBの首部Baに係合してボトルBが吊り下げられる。紐体2が環状をなしているので、ボトル吊り下げ用ストラップ1を、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aを共に支持する締め具3および一端2aが同じ高さ位置に揃うような姿勢に保つことが可能である。これにより、ボトルBを鉛直姿勢に保つことができる。ゆえに、吊り下げられた状態のボトルBを略鉛直姿勢に保つことが可能である。
【0059】
第1筒状具6により、環状部8にボトルBの回り止めが実現されている。これにより、吊り下げ状態においてボトルBが回動することを抑制できる。そのため、ボトルBをボトル吊り下げ用ストラップ1に吊り下げた状態のままボトルBを操作することが可能である。
【0060】
また、リング部材4に一端2aが結合された紐体2の他端2bがリング部材4を通ってループすることにより環状部8が形成されるので、環状部8の大きさが可変である。そのため、非使用時には、環状部8を縮径することにより、ボトル吊り下げ用ストラップ1を直線状の紐体として扱うことができる。これにより、ボトル吊り下げ用ストラップ1の収容や持ち運びが簡便になる。
【0061】
第2筒状具7によって、環状部8における2本の紐(第1紐体部21および第2紐体部22)を纏めることができる。締め具3への負荷荷重を抑制するためには、環状部8における2本の紐(第1紐体部21および第2紐体部22)が纏っている(ばらけていない)必要がある。開口80とボトルBの首部Baとが係合している状態において、開口80と締め具3との間の2本の紐(第1紐体部21および第2紐体部22)が第2筒状具7によって纏められている(ばらけない)ので、締め具3に過度に負荷がかかるのを抑制できる。これにより、締め具3が簡単に移動することを抑制できる。したがって、開口80が簡単に拡大するのを抑制または防止でき、その結果、開口80からのボトルBの脱落を抑制または防止できる。
【0062】
また、1本の紐20を折り返すことによって第1紐体部21および第2紐体部22が形成されているので、第1紐体部21および第2紐体部22のそれぞれを別部材によって設ける場合と比較して扱い易い。
【0063】
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、他の形態で実施することもできる。
【0064】
図9に示す第1変形例では、結び目23の他に、一端2a側に結び目23Bが設けられている。結び目23Bは、紐体2(第1紐体部21および第2紐体部22)を片結びにすることにより設けられていてもよい。抜止具5と結び目23Bとの干渉によって、紐体2における抜止具5の移動(他端2b側への移動)が規制されている。結び目23Bを設けることによって、紐体2の有効長さを短くできる。そして、その結び目23Bの位置を変えることによって、紐体2の有効長さを調整できる。
【0065】
たとえば、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aの一方に第1筒状具6を設けるとして説明したが、第1一端側部分21aおよび第2一端側部分22aの双方に第1筒状具6が設けられていてもよい。これらの場合において、個々の一端側部分21a,22aに、1つでなく複数の第1筒状具6が設けられていてもよい。
【0066】
そして、第1筒状具6を省略してもよい。この場合、第1筒状具6がなくてもボトルBの回動を抑制または防止できるように、第1紐体部21および第2紐体部22の材質や太さが選択されることが望ましい。具体的には、第1紐体部21および第2紐体部22の材質の一例として、たとえば、シリコン樹脂や、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエステル、ナイロンを例示できる。なお、第1紐体部21および第2紐体部22の外表面に、滑り止めコーティング等の滑り止め処理が施されていてもよい。第1紐体部21および第2紐体部22の太さとしては、1.5mm以下であることが望ましい。太さが1.5mmを超えると、ボトルBの首部Baに上手く係合できないおそれがある。
【0067】
また、締め具3による締結力が比較的高く、締め具3によってボトルBに係合している環状部8の径を第1筒状具6がなくても所定の径に保ち続けることができる場合には、第1筒状具6を廃止してもよい。
【0068】
また、抜止具5が、第1紐体部21および第2紐体部22に対して移動不能、すなわち固定されていてもよい。この場合、抜止具5は、紐体2の他端2bに固定されていてもよい。
【0069】
また、抜止具5に代えて、締め具3と同様の構成の抜止具が採用されていてもよい。この場合、抜止具(締め具3と同様)の形状や大きさを、リング部材4に対して通過不能になるような形状や大きさに設ける必要がある。
【0070】
また、抜止具5を廃止してもよい。この場合、結び目(結び目23Bや結び目23)を抜止部として機能させてもよい。抜止部として機能する場合、結び目23B,23の大きさを、リング部材4に対して通過不能になるような大きさに設ける必要がある。そして、結び目23B,23とリング部材4とが係合することによって環状部8が保たれる。
【0071】
また、紐体2の一端2aをリング部材4に結び付けるとして説明したが、紐体2の一端2aを結び付けるのではなく、接続具等を介してリング部材4に接続するようにしてもよい。また、紐20を折り返した折返部によって紐体2の一端2aを構成し、互いに結び付けられた紐20の両端によって紐体2の他端2bを構成するとしたが、逆であってもよい。すなわち、互いに結び付けられた紐20の両端によって紐体2の一端2aが構成され、紐20を折り返した折返部によって紐体2の他端2bが構成されていてもよい。
【0072】
また、第1紐体部21および第2紐体部22が、1本の紐20ではなく、個々に分離した別の紐によって構成されていてもよい。
【0073】
また、紐体2が二重紐ではなく、三重紐や四重紐であってもよいし、それ以上の本数の紐が重ねられて構成されていてもよい。
【0074】
紐体2の一端2aにリング部材4が結合され、紐体2の他端2bに抜止部(抜止具5)を設けるとしたが、逆であってもよい。すなわち、紐体2の一端2aに抜止部(抜止具5)を設け、紐体2の他端2bにリング部材4を設けてもよい。この場合、紐体2の一端2aが、他端2bに設けられたリング部材4を通ってループすることにより紐体2に環状部8が形成される。
【0075】
また、紐体2と別体のリング部材4(紐体2の一端2aが結び付けられるリング部材4)をリング部として用いるとして説明したが、紐体2の一部によってリング部が構成されていてもよい。たとえば、紐体2の一端2aおよび他端2bの一方が輪状に形成されてリング部を構成し、紐体2の一端2aおよび他端2bの他方が、上記のリング部を通ってループすることにより環状部8が形成されていてもよい。
【0076】
また、ボトル吊り下げ装置100において、溝底面113aおよびホルダ本体120の裏面120aの双方を磁石面114,129として説明したが、溝底面113aおよび裏面120aの一方のみを磁石面とし、他方を磁石面としなくてもよい。この場合、溝底面113aおよび裏面120aの他方を、強磁性体を有する金属で構成することが望ましい。強磁性体を有する金属として、このような金属として、鉄、ニッケル、コバルトおよびこれらを含む合金を挙げることができる。
【0077】
また、
図10に示す第2変形例のように、溝底面113aおよびホルダ本体120の裏面120aの双方が非磁石面であってもよい。この場合、支持面111に受け部111B(
図10参照)を設ける。受け部111Bは、支持面111と略垂直に延びている。これにより、リール式ホルダ103を傾斜姿勢に安定的に保持できる。
【0078】
また、ボトル吊り下げ装置100において、ボトル吊り下げ用ストラップ1およびボトルBを保持するリール式ホルダが、ホルダ本体120の内部に巻紐121を備えて(収納して)いなくてもよい。この場合のリール式ホルダの例としてリール式ホルダ103Bを
図11に示す。この場合、リール式ホルダ103Bと装着部材102との結合は、溝底面113aおよびホルダ本体120の裏面120aとの結合によって実現される。
【0079】
図11に示す第3変形例では、リール式ホルダ103Bが、リール式ホルダ100B(リール式ホルダ103と同等のホルダ)に吊り下げられている。リール式ホルダ100Bには、巻紐121Bが巻き取り収納されている。リール式ホルダ100Bは、装着部材102にたとえば固定されている。リール式ホルダ103Bは、リール式ホルダ100Bから引き出される巻紐121Bに接続されている。リール式ホルダ103Bは、装着部材102に対して着脱可能に、かつリール式ホルダ100Bに対して伸縮移動可能に設けられている。
【0080】
なお、
図11の例に
図10の例が組み合わされていてもよい。すなわち、溝底面113aおよびホルダ本体120の裏面120aの双方を非磁石面にする構成、および受け部111Bを支持面111に設ける構成が、
図11の例に組み合わされてもよい。
【0081】
また、ボトル吊り下げ装置100において、装着部材102が挿通凹所116によってベルトBEを挿通させる(巻き付ける)構成でなく、ベルトBEに係合可能な構成が設けられていてもよい。この場合も、装着部材102の横面に、支持面111が形成される。
【0082】
図12は、本発明の第2実施形態に係るリール式ホルダ装置201を含むボトル吊り下げ装置200の要部の斜視図である。
図12では、リール式ホルダ203を装着部材202に対して上方に離脱させた状態を示している。また、
図12では、装着部材202のうち装着本体210Aの図示を省略している。
図13は、
図12を切断面線XIII-XIIIから見た模式的な断面図である。
図14は、
図12を切断面線XIV-XIVから見た模式的な断面図である。
図12~
図14において、前述の
図1~
図11に示された構成と同等の構成については、
図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0083】
第2実施形態に係るボトル吊り下げ装置200が、第1実施形態に係るボトル吊り下げ装置100と相違する一の点は、吊り下げ対象を、ベルトBEではなく、使用者Hの着衣のポケットP(
図12~
図14では図示しない。
図16~
図18参照)とした点にある。ポケットPは、着衣の胸ポケットであってもよいが、着衣の腰ポケットであることが好ましい。腰ポケットは、上着に設けられていてもよいし、ズボン(パンツ)に設けられていてもよい。また、ボトル吊り下げ装置200がボトル吊り下げ装置100と相違する他の点は、装着部材202に規制壁214を設け、かつリール式ホルダ203に係合突起220を設け、規制壁214と係合突起220との係合により、リール式ホルダ203の収容溝213からの離脱を規制するようにした点である。以下、具体的に説明する。
【0084】
ボトル吊り下げ装置200は、使用者Hの着衣のポケットPにボトルBを吊り下げるための装置である。ボトル吊り下げ装置200は、リール式ホルダ装置201と、ボトル吊り下げ用ストラップ1(
図1等参照)とを備えている。リール式ホルダ装置201は、装着される装着部材202と、装着部材202に対して着脱可能に設けられたリール式ホルダ203とを備えている。リール式ホルダ203にはボトル吊り下げ用ストラップ1が連結可能であり、リール式ホルダ203は、当該リール式ホルダ203に接続されたボトル吊り下げ用ストラップ1を上方から保持する。
図12~
図14では、ボトル吊り下げ用ストラップ1および被吊り下げ部材の一例としてのボトルB(
図6,
図7等参照)の図示を省略している。
【0085】
リール式ホルダ203は、ホルダ本体120と、ホルダ本体120の内部に巻き取り収納された巻紐121と、ホルダ本体120の外周から径方向外方に突出する係合突起220とを備えている。係合突起220は、ホルダ本体120の外周に沿う環状(円弧状)である。具体的には、係合突起220は、ホルダ本体120の裏面120aの外周端の全周から径方向外方に向けて突出し、その突出量は、全周において同じである。リール式ホルダ203は、係合突起220を備える点で、第1実施形態のリール式ホルダ103と相違しており、その他の構成において、リール式ホルダ103と同じである。また、リール式ホルダ203では、ホルダ本体120の裏面120aの中央部には、第1磁石231(磁石。
図13,
図14参照)が埋設されている。
【0086】
図13に示すように、装着部材202は、装着本体210Aと、ホルダ支持部210Cと、装着本体210Aとホルダ支持部210Cとを連結する連結部210Bとを備えている。装着部材202は、
図12において、装着本体210Aの図示を省略している。
【0087】
この実施形態では、装着本体210Aが、外内一対の板状部210Aa,板状部210Abを備えている。装着本体210Aの上端部には、巻紐121の一端121aに固定された上係合部122が結合されている。一対の板状部210Aa,板状部210Abは、上端同士が互いに接続されており、内側の板状部210Abが、ポケットPの上方からポケットPの内部に挿し込まれることにより、装着本体210A(すなわち、装着部材202)がポケットPに装着される。このとき、ポケットPが、一対の板状部210Aa,板状部210Abによって前後方向(横方向)に挟まれる。これにより、装着部材102がポケットPに装着される。
【0088】
装着本体210Aを構成する板状部210Aaおよび板状部210Abの下端部には、ポケットPを挟んで互いに対向する対向部224A,224Bが設けられている。対向部224A,224Bには、それぞれ互いに対向する磁石225A,225Bが配置されている。これらの磁石225A,225Bは、互いに異なる磁極を有している。そのため、ポケットPを挟んで互いに対向する対向部224A,224B同士が磁力結合する。これにより、装着本体210AのポケットPへの装着された状態で、装着本体210AがポケットPに強固に結合される。
【0089】
ホルダ支持部210Cは、板状であり、合成樹脂材料、皮革材料、布等を用いて形成されている。ホルダ支持部210Cは、支持面111と、収容溝213と、規制壁214とを備えている。支持面111には、リール式ホルダ103Aのホルダ本体120の裏面120aおよび係合突起220を収容するための正面視で略U字状の収容溝213が形成されている。収容溝213の底部には、支持面111と平行な溝底面213aが形成されている。溝底面213aは、平坦面である。収容溝213は、U字状の周壁213bを備えている。
図12の例では、周壁213bは、円弧状の下壁213baと、下壁213baの両端から、支持面111に沿う上方に向けて延びる、左右一対の側壁213bb,213bcとを備えている。一対の側壁213bb,213bcは、互いに平行である。側壁213bb,213bcは、正面から見て鉛直方向に沿っている。
図12の例では、側壁213bbの上端213bdおよび側壁213bcの上端213beは、上方に向かうに従って互いに離反するような湾曲状(より具体的には円弧状)である。なお、ホルダ本体120の収容溝213への挿入を容易にすべく、左右一対の側壁213bb,213bcが、上方に向かうに従って互いに離反するように傾斜していてもよい。この傾斜状の一対の側壁213bb,213bcは、正面から見て鉛直方向に対し、互いに異なる向きに傾斜する。このように、一対の側壁213bb,213bcを傾斜とすることにより、ホルダ本体120を収容溝213に容易に誘い込むことができる。
【0090】
規制壁214は、収容溝213の周壁213bから収容溝213の内側に向けて突出している。
図12,
図14の例では、規制壁214は、収容溝213の周壁213bのうち、次に述べる小溝215の形成領域を除く領域の全域に形成されている。
【0091】
収容溝213の溝底面213aの中央部には、第2磁石232(磁石)が埋設されている。第2磁石232は、第1磁石231と異なる磁極を有している。収容溝213の最下端部には、下係合部125(たとえば第2リング126)を収容するための小溝215が形成されている。収容溝213の径に対する小溝215の左右幅の比率は、
図12に示す比率よりも大きくてもよい。
【0092】
具体的には、ホルダ支持部210Cは、第1板221と、第2板222と、第3板223とを順に重ね合わせた3層構造である。第1板221が最も基層であり、第1板221に、第2磁石232が埋設されている。収容溝213の溝底面213aは、第1板221の表面である。第1板221の前側に第2板222が積層されている。第2板222には、収容溝213の周壁213bを区画するU字状の第1切り欠き226が形成されている。第2板222の前側に第3板223が積層されている。第3板223には、規制壁214の内周を区画するU字状の第2切り欠き227が形成されている。第2切り欠き227は、第1切り欠き226と相似状であり、第1切り欠き226よりも一回り小さい。この実施形態では、第1切り欠き226と第2切り欠き227との間の段差によって、規制壁214が形成されている。前述のように、規制壁214は、周壁213b(のうち、次に述べる小溝215の形成領域を除く領域)の全域に形成されている。なお、
図13では、第2切り欠き227が、第1切り欠き226と相似状である例を示しているが、第2切り欠き227が、第1切り欠き226と相似でなくてもよい。また、規制壁214は、第1切り欠き226と第2切り欠き227との間の段差によって形成される構成に限られない。
【0093】
連結部210Bは、側面視で略L字形状をなしている。連結部210Bは、内側本体110Aよりも剛性の高い材料(合成樹脂材料、皮革材料、布)を用いて形成されている。連結部210Bが側面視で略L字形状であるので、装着部材102がポケットに装着された状態で、支持面111および溝底面213aは、装着本体210Aに対し下方に向かうに従って前方に向かう傾斜面をなしている。
図12,
図13の例では、支持面111および溝底面213aの装着本体210Aに対する傾斜角度αが10~15°である場合を例に挙げているが、この傾斜角度αは、1°~60°の範囲で適宜設定可能である。傾斜角度αが30~40°であってもよい。
【0094】
ホルダ本体120の裏面120aおよび係合突起220を収容溝213に収容させる場合、U字状の収容溝213に対し、上方から、裏面120aおよび係合突起220を嵌め入れる(
図12に示す矢印のように、上方から、支持面111および溝底面213aに沿って挿し入れる)。収容溝213がU字状であるので、裏面120aおよび係合突起220の進入が妨げられることはない。これにより、ホルダ本体120の裏面120aおよび係合突起220が収容溝213に収容され、リール式ホルダ203がホルダ支持部210Cに支持される。
【0095】
この状態で、リール式ホルダ203を前方(溝底面213aに対し離反する方向)へ移動させようとすると、収容溝213に収容されている係合突起220と規制壁214とが、係合する。係合突起220と規制壁214との係合によって、リール式ホルダ203の前方への移動(すなわち、前方への脱落)が規制される。規制壁214のうち収容溝213の下半分(下弦)に対応する部分(下壁213baに形成された規制壁214)が、主として係合突起220と係合する。
【0096】
また、リール式ホルダ203がホルダ支持部210Cに支持された状態で、第1磁石231と第2磁石232とが対向する。すなわち、この状態で、収容溝213の溝底面213aとホルダ本体120の裏面120aとが磁力結合している。
【0097】
リール式ホルダ203をホルダ支持部210Cから離脱させる場合、リール式ホルダ203を溝底面213aおよび支持面111に沿って上方に移動させる(スライドさせる)。このとき、溝底面213aと裏面120aとの磁力結合を解除するのに十分な力をリール式ホルダ203に付与する必要がある。そして、リール式ホルダ203が溝底面213aおよび支持面111に沿って上方に移動することにより、係合突起220と規制壁214との係合が外れ、リール式ホルダ203が収容溝213から離脱する。これにより、リール式ホルダ203をホルダ支持部210Cから簡単に離脱させることができる。
【0098】
以上により、第2実施形態によれば、リール式ホルダ203をホルダ支持部210Cに支持されている状態で、規制壁214が係合突起220に係合することによって、リール式ホルダ203の前方への移動が規制される。また、この状態で、収容溝213の溝底面213aとホルダ本体120の裏面120aとが磁力結合している。そのため、リール式ホルダ203をホルダ支持部210Cによって強固に支持できる。その一方で、リール式ホルダ203を溝底面213aおよび支持面111に沿って上方に移動させることにより、リール式ホルダ203をホルダ支持部210Cから簡単に離脱させることができる。すなわち、リール式ホルダ203を、装着部材202に対し容易に取り外し可能な構成としながら、装着部材202に取り付けられた状態におけるリール式ホルダ203の装着部材202からの脱落を確実に防止できる。
【0099】
とくに規制壁214と係合突起220とが係合しているので、使用者Hの姿勢の変更によらずに、リール式ホルダ203がホルダ支持部210Cから簡単に脱落しない。加えて、溝底面213aと裏面120aとの磁力結合による結合力が作用するので、リール式ホルダ203からのホルダ支持部210Cの脱落をより効果的に抑制または防止できる。
【0100】
また、第2実施形態において、リール式ホルダ203の係合突起220を、ホルダ本体120の裏面120aの外周端の全周に設ける(すなわち円環状)としたが、円弧状の係合突起220を、裏面120aの外周端において1箇所または複数個所に設けるようにしてもよい。
【0101】
また、第2実施形態において、規制壁214は、収容溝213の周壁213bのうち、少なくとも収容溝213の下半分(下弦)に対応する部分(下壁213ba)に形成されていればよい。収容溝213の下壁213baの全域(のうち、次に述べる小溝215の形成領域を除く領域)に規制壁214が形成されている構成が好ましいが、その収容溝213の下壁213baの1箇所または複数個所に形成するようにしてもよい。
【0102】
図15は、本発明の第3実施形態に係るリール式ホルダ装置301の模式的な縦断面図である。
図16~
図18は、リール式ホルダ装置301に、被吊り下げ部材としてのカードケースCCを吊り下げた状態を示す斜視図である。
図15~
図18において、前述の
図12~
図14に示された構成と同等の構成については、
図12等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
【0103】
本発明の第3実施形態に係るリール式ホルダ装置301が、第2実施形態に係るリール式ホルダ装置201と相違する点は、被吊り下げ部材を、ボトルBではなく、カードケースCCとした点である。カードケースCCは、名札、名刺、カードキー等のカードを収容する。このカードは、ICカードであってもよい。リール式ホルダ装置201には、ストラップ類(ボトル吊り下げ用ストラップ1に相当)は接続されない。リール式ホルダ装置301が装着されるポケットPは、使用者Hの着衣のたとえば胸ポケットである。
【0104】
リール式ホルダ装置301がリール式ホルダ装置201と相違する他の点は、支持面111および溝底面213aが、装着本体210Aに対して傾斜していない点にある。リール式ホルダ装置301の装着部材202は、リール式ホルダ装置201の連結部210Bに相当する構成を備えていない。そのため、支持面111および溝底面213aが傾斜面でなく、鉛直面である構成が実現される。
【0105】
図16には、リール式ホルダ装置301にカードケースCCを吊り下げた状態を示す。
図16に示す状態では、着衣のポケットPに装着された装着部材202にリール式ホルダ203が取り付けられており、カードケースCCがリール式ホルダ203の直下に吊り下げられている。使用者Hが
図16に示す状態から、カードケースCCを手で掴み、リール式ホルダ203を装着部材202から取り外して前方へ引き出すと、
図17に示す状態になる。また、
図16に示す状態から使用者Hが前屈みになった状態を
図18に示すが、この状態において、リール式ホルダ203はポケットP(装着部材202)から脱落しない。そのため、カードケースCCもポケットPの付近から脱落しない。
【0106】
以上、この発明の3つの実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。
【0107】
たとえば、第1実施形態および第2実施形態において、ボトル吊り下げ用ストラップ1が、リール式ホルダ装置101,201とは別のホルダ装置を介して、ベルトBEやポケットPに取り付けられていてもよい。また、ホルダ装置を介することなく、ベルトBEやポケットPに取り付けられてもよい。また、ボトル吊り下げ用ストラップ1は、ベルトBEやポケットPに限られず、使用者の首や肩に直接取り付けてもよいし、リュック、鞄等に取り付けられてもよい。
【0108】
また、第1実施形態および第2実施形態において、ボトルBが、プッシュ式の噴霧ボトルでなく、操作レバーを備えたレバー式の噴霧ボトルであってもよい。ボトルBの内容物は、消毒液に限られず、飲料であってもよい。ボトルBの内容物が飲料である場合には、ボトルBは、噴霧ボトルである必要がないのは言うまでもない。ボトル吊り下げ用ストラップ1がボトルBの首部Ba(
図6参照)でなく、ボトルBのその他の部分に係合するものであってもよい。
【0109】
また、第2および第3実施形態において、溝底面213aおよび裏面120aの一方のみを磁石面とし、他方を磁石面としなくてもよい。この場合、溝底面213aおよび裏面120aの他方を、強磁性体を有する金属で構成することが望ましい。強磁性体を有する金属として、このような金属として、鉄、ニッケル、コバルトおよびこれらを含む合金を挙げることができる。また、溝底面213aおよび裏面120aの双方が非磁石面であってもよい。また、リール式ホルダ203が、ホルダ本体120の内部に巻紐121を備えて(収納して)いなくてもよい。この場合、第1実施形態の第3変形例(
図11)の構成を、第2実施形態や第3実施形態に適用してもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 :ボトル吊り下げ用ストラップ
2 :紐体
2a :他端
2a :一端
2b :他端
3 :締め具
4 :リング部材(リング部)
5 :抜止具(抜止部)
6 :第1筒状具
7 :第2筒状具
8 :環状部
20 :紐
21 :第1紐体部
21a :第1一端側部分(第1紐体部における締め具よりも一端側の部分)
22 :第2紐体部
22a :第2一端側部分(第2紐体部における締め具よりも一端側の部分)
30 :第1挿通穴
32c :挿通穴
50 :第2挿通穴
80 :開口
120 :ホルダ本体
120a:裏面(一主面)
201 :リール式ホルダ装置
202 :装着部材
203 :リール式ホルダ
210C:ホルダ支持部
213 :収容溝
213a:溝底面
214 :規制壁
220 :係合突起
231 :第1磁石(磁石)
232 :第2磁石(磁石)
301 :リール式ホルダ装置
B :ボトル(被吊り下げ部材)
BE :ベルト(吊り下げ対象)
CC :カードケース(被吊り下げ部材)
P :ポケット(吊り下げ対象)