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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164244
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】サージ保護装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/00 20060101AFI20231102BHJP
   H02H 3/20 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H02H7/00 A
H02H3/20
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022147148
(22)【出願日】2022-09-15
(31)【優先権主張番号】17/731669
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596039187
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊 善淳
(72)【発明者】
【氏名】張 睦舶
(72)【発明者】
【氏名】呉 冠龍
【テーマコード(参考)】
5G004
5G053
【Fターム(参考)】
5G004AB02
5G004CA01
5G004CA02
5G053AA10
5G053DA01
5G053DA03
5G053FA07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】サージプロテクタの損傷を短時間、かつ、有効に監視するサージ保護装置を提供する。
【解決手段】サージ保護システムにおいて、サージ保護装置50は、シャーシ52、サージ回路遮断器60A~60I及びサージ保護モジュール100A~100Iを含む。シャーシは、収容スペースAS及び開口54を有する。開口は、収容スペースと連通している。サージ回路遮断器は、収容スペース内に配置されている。サージ保護モジュールは、シャーシ中の第2のコネクターに電気接続するように構成されている。第2のコネクターは、サージ回路遮断器に電気接続する。サージ保護モジュールは、第1の軸AX1の方向に延伸し、かつ、第1の軸の方向に沿って開口からシャーシに差し込まれ、シャーシから抜き出される。サージ保護モジュールは、第2のコネクターに着脱自在に接続される第1のコネクターを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容スペースおよび前記収容スペースと連通する開口を有するシャーシと、
前記収容スペース内に配置されたサージ回路遮断器と、
前記サージ回路遮断器に電気接続されている前記シャーシ中の第2のコネクターと電気接続するように構成されたサージ保護モジュールと、
を含むサージ保護装置であって、
前記サージ保護モジュールは第1の軸の方向に延伸しており、前記サージ保護モジュールは、前記第1の軸の方向に沿って前記開口から前記シャーシに差し込まれる、または前記シャーシより抜き出され、
前記サージ保護モジュールは、前記第2のコネクターに着脱自在に接続する第1のコネクターを含み、
前記サージ保護モジュールは長い帯状の構造を有しており、前記サージ保護モジュールはサージ保護デバイスを含み、前記サージ保護モジュールが前記開口から抜き出されると、前記サージ保護デバイスを交換できるようになる、サージ保護装置。
【請求項2】
前記サージ保護モジュールはケーシングおよび前記ケーシング内に配置された第1の警報素子を有し、前記ケーシングには貫通孔が形成されており、前記サージ保護デバイスが壊れたときに、前記第1の警報素子を前記貫通孔から観察できるようになっており、
前記サージ保護モジュールは第2の警報素子をさらに有し、前記サージ保護デバイスが壊れて前記シャーシ中から抜き出されると、前記第2の警報素子が観察できるようになり、
前記サージ保護モジュールが前記シャーシに差し込まれると、前記貫通孔が前記開口から露出する、請求項1に記載のサージ保護装置。
【請求項3】
前記サージ保護装置は監視デバイスをさらに含み、前記サージ保護モジュールは、監視信号を前記監視デバイスへ送るように構成された監視端子を有し、前記監視デバイスは、前記監視信号に基づいて前記サージ保護モジュールが壊れたか否かを判断するように構成されており、
前記サージ保護装置は複数のサージ保護モジュールを含み、前記サージ保護モジュールの前記監視端子は直列に接続されている、請求項1に記載のサージ保護装置。
【請求項4】
前記第1のコネクターは前記第1の軸の方向に沿って延伸しているとともに、2つの入力端子を有しており、前記入力端子は柱状構造、銃弾状構造または板状構造を有して、前記第2のコネクターの2つの対応するメス型ヘッドに差し込まれるように構成されており、前記2つのメス型ヘッドは前記サージ回路遮断器と電気接続し、
前記サージ保護モジュールは、ローディングデバイスと電気接続する2つの出力端子を有し、前記2つの出力端子は前記ローディングデバイスとプラグ可能な方式(pluggable manner)で接続する、請求項1に記載のサージ保護装置。
【請求項5】
前記サージ保護モジュールは絶縁ベースをさらに含み、前記絶縁ベースは、前記第1の軸の方向と垂直な第2の軸の方向に沿って前記2つの入力端子を隔てるように構成されており、
前記サージ保護装置は、前記第2の軸の方向に沿い分離して配列する複数のサージ保護モジュールを含む、請求項4に記載のサージ保護装置。
【請求項6】
収容スペースおよび前記収容スペースと連通する開口を有するシャーシと、
前記収容スペース内に配置されたサージ回路遮断器と、
前記サージ回路遮断器に電気接続されている前記シャーシ中の第2のコネクターに電気接続するように構成されたサージ保護モジュールと、
を含むサージ保護装置であって、
前記サージ保護モジュールは第1の軸の方向に延伸しており、前記サージ保護モジュールは、前記第1の軸の方向に沿って前記開口から前記シャーシに差し込まれる、または前記シャーシより抜き出され、
前記サージ保護モジュールは、前記第2のコネクターに着脱自在に接続される第1のコネクターを含み、
前記サージ保護モジュールは、ケーシングおよび前記ケーシング内に配置された第1の警報素子を有し、前記ケーシングには貫通孔が形成されており、前記第1の警報素子は、前記貫通孔から警報メッセージを発するように構成されている、サージ保護装置。
【請求項7】
前記サージ保護モジュールは第2の警報素子をさらに有し、前記サージ保護デバイスが壊れて前記シャーシから抜き出されると、前記第2の警報素子が観察できるようになる、請求項6に記載のサージ保護装置。
【請求項8】
前記サージ保護モジュールが前記シャーシ中に差し込まれると、前記貫通孔が前記開口から露出する、請求項6に記載のサージ保護装置。
【請求項9】
前記サージ保護装置が監視デバイスをさらに含み、前記サージ保護モジュールは、監視信号を前記監視デバイスへ送るように構成された監視端子を有し、前記監視デバイスは、前記監視信号に基づいて前記サージ保護モジュールが壊れたか否かを判断するように構成されており、
前記サージ保護装置は複数のサージ保護モジュールを含み、前記サージ保護モジュールの前記監視端子は直列に接続されている、請求項6に記載のサージ保護装置。
【請求項10】
前記第1のコネクターは前記第1の軸の方向に沿って延伸しているとともに、2つの入力端子を有しており、前記入力端子は柱状構造、銃弾状構造または板状構造を有して、前記第2のコネクターの2つの対応するメス型ヘッドに差し込まれるように構成されており、前記2つのメス型ヘッドは前記サージ回路遮断器と電気接続し、
前記サージ保護モジュールは、ローディングデバイスと電気接続する2つの出力端子を有し、前記2つの出力端子は前記ローディングデバイスとプラグ可能な方式(pluggable manner)で接続する、請求項6に記載のサージ保護装置。
【請求項11】
前記サージ保護モジュールは絶縁ベースをさらに含み、前記絶縁ベースは、前記第1の軸の方向と垂直な第2の軸の方向に沿って前記2つの入力端子を隔てるように構成されており、
前記サージ保護装置は、前記第2の軸の方向に沿い分離して配列する複数のサージ保護モジュールを含む、請求項10に記載のサージ保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はサージ保護装置に関し、詳細には、警報素子を有するプラグ可能な(pluggable)サージ保護モジュールを備えたサージ保護装置に関する。
【背景技術】
【0002】
技術の発展に伴い、電源システムは普及が進み、かつ非常に重要なものとなっている。電源システムにより電力を電子デバイスに供給するプロセスで、異常な過電圧が生じてしまう可能性がある。電子デバイスがこのような過電圧サージを受けると、電子デバイス中の部品が損傷する恐れがある。
【0003】
よって一般的には、電子デバイスを保護するべくサージプロテクタがよく用いられている。しかしながら、これらサージプロテクタもまた過電圧のサージによる損傷を受け得る。このとき、サージプロテクタが損傷したか、および修理または交換が必要かをユーザーが判断するのはおそらく困難である。
【0004】
故に、サージプロテクタが損傷したかどうかを如何に短時間かつ有効に監視するかが、検討かつ解決されるべき課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本開示の1つの目的は、上記した問題を解決するサージ保護装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
サージ保護装置は、シャーシ、サージ回路遮断器、およびサージ保護モジュールを含む。シャーシは収容スペースおよび開口を有し、開口は収容スペースと連通している。サージ回路遮断器は収容スペース内に配置されている。サージ保護モジュールは、シャーシ中の第2のコネクターに電気接続するように構成されており、かつ第2のコネクターはサージ回路遮断器に電気接続する。サージ保護モジュールは第1の軸の方向に延伸し、かつサージ保護モジュールは、第1の軸の方向に沿って開口からシャーシに差し込まれる、またはシャーシより抜き出される。サージ保護モジュールは、第2のコネクターに着脱自在に接続される第1のコネクターを含む。
【0007】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護モジュールは長い帯状の構造を有し、サージ保護モジュールはサージ保護デバイスを含み、サージ保護モジュールが開口から抜き出されると、サージ保護デバイスを交換できるようになる。
【0008】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護モジュールはケーシングおよび第1の警報素子を有し、第1の警報素子はケーシング内に配置され、かつケーシングには貫通孔が形成されており、サージ保護デバイスが壊れたときに、第1の警報素子を貫通孔から観察できるようになっている。
【0009】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護モジュールは第2の警報素子をさらに有し、サージ保護デバイスが壊れ、シャーシ中から抜き出されると、第2の警報素子を観察できるようになる。
【0010】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護モジュールがシャーシに差し込まれると、貫通孔が開口から露出する。
【0011】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護装置は監視デバイスをさらに含み、サージ保護モジュールは、監視信号を監視デバイスへ送るように構成された監視端子を有し、監視デバイスは、監視信号に基づいてサージ保護モジュールが壊れたか否かを判断するように構成されている。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護装置は複数のサージ保護モジュールを含み、サージ保護モジュールの監視端子は直列に接続されている。
【0013】
いくつかの実施形態によれば、第1のコネクターは第1の軸の方向に沿って延伸しているとともに、2つの入力端子を有しており、入力端子は柱状構造、銃弾状構造または板状構造を有して、第2のコネクターの2つの対応するメス型ヘッドに差し込まれるように構成されており、2つのメス型ヘッドはサージ回路遮断器に電気接続する。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護モジュールは絶縁ベースをさらに含み、絶縁ベースは、第1の軸の方向と垂直な第2の軸の方向に沿って2つの入力端子を隔てるように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護モジュールは、ローディングデバイスと電気接続する2つの出力端子を有し、2つの出力端子はローディングデバイスとプラグ可能な方式(pluggable manner)で接続する。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、サージ保護装置は、第2の軸の方向に沿い分離して配列する複数のサージ保護モジュールを含み、第2の軸の方向は第1の軸の方向に垂直である。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、本開示は、シャーシ、サージ回路遮断器、およびサージ保護モジュールを含むサージ保護装置を提供する。シャーシは収容スペースおよび開口を有し、開口は収容スペースと連通している。サージ回路遮断器は収容スペース内に配置されている。サージ保護モジュールは、サージ回路遮断器に電気接続するように構成されている。サージ保護モジュールは第1の軸の方向に延伸し、かつサージ保護モジュールは、第1の軸の方向に沿って開口からシャーシに差し込まれる、またはシャーシより抜き出される。サージ保護モジュールは、第1の軸の方向に沿って延伸する第1のコネクターを含み、第1のコネクターはシャーシ中の第2のコネクターに着脱自在に接続する。サージ保護モジュールはケーシングおよび第1の警報素子を有し、第1の警報素子はケーシング内に配置され、ケーシングには貫通孔が形成されており、第1の警報素子は貫通孔から警報メッセージを発するように構成されている。
【発明の効果】
【0018】
本開示は、シャーシおよび複数のサージ保護モジュールを含むサージ保護装置を提供する。サージ保護モジュールは、シャーシにプラグ可能に装着され、対応するローディングデバイスを保護するように構成されている。サージ保護モジュールのうちの1つが壊れたとき、ユーザーは、上蓋を取り除くことなく、壊れたサージ保護モジュールにおける第1の警報素子により発せられる警報メッセージを容易に見ることができ、かつユーザーは容易にサージ保護モジュールを引き抜いて、サージ保護モジュールにおける壊れたサージ保護デバイスを交換することができる。よって、本開示の設計は、メンテナンスの効率を有効に高めることができる。
【0019】
本開示のさらなる特徴および利点が以下の記載において示され、それらの一部は当該記載から容易に理解できる、または本明細書に開示された原理を実施することによって知得することができる。本開示の特徴および利点は、添付の特許請求の範囲において示された手段および組み合わせによって、理解および獲得することができる。本開示のこれらおよびその他の特徴は、以下の記載および添付の特許請求の範囲からより一層明らかとなる、または本明細書に開示された原理を実施することによって知得することができる。
【0020】
添付の図面と共に読むことで本開示の態様を最もよく理解できる。産業界における標準的な慣習にしたがい、各種特徴は正確な縮尺率で描かれていないという点に留意されたい。実際に、記載を明確にするため、各種特徴の寸法は任意に増減されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本開示の一実施形態によるサージ保護システム10の概略図である。
図2】本開示の一実施形態によるサージ保護装置50の概略図である。
図3】本開示の一実施形態による、サージ保護モジュール100Aがサージ保護装置50から分離されているところを説明する図である。
図4】本開示の一実施形態によるサージ保護モジュール100Aの概略図である。
図5】本開示の一実施形態による別の視点からのサージ保護モジュール100Aの概略図である。
図6】本開示の一実施形態によるサージ保護装置50の拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下の詳細な記載においては、説明の目的で、本開示を十分に理解できるよう、多数の詳細および実施形態が示される。以下の詳細な記載において記述される特定の構成要素および構成は、本開示を明瞭に説明するために示されたものである。しかしながら、ここに示される例示的な実施形態は、説明の目的で用いられているに過ぎず、本発明概念はそれら例示的な実施形態に限定されることなく、様々な形式で具体化され得るということは明らかであろう。加えて、本開示を明瞭に説明すべく、異なる実施形態の図では、類似および/または対応する構成要素を表すために類似および/または対応する数字を用いることがある。ただし、異なる実施形態の図における類似および/または対応する数字の使用は、異なる実施形態間のいかなる相関関係をも示唆するものではない。方向を示す用語、例えば「上方」、「下方」、「左」、「右」、「前方」、または「後方」は、添付の図面における基準の方向である。よって、これら方向を示す用語は、本開示を限定するのではなく、本開示を説明するために使用するものである。
【0023】
図1および図2を参照されたい。図1は、本開示の一実施形態によるサージ保護システム10の概略図であり、図2は、本開示の一実施形態によるサージ保護装置50の概略図である。サージ保護システム10は電源20、ローディング群40およびサージ保護装置50を含む。電源20がサージ保護装置50に電力を供給すると、次いでサージ保護装置50はその電力をローディング群40に送る。
【0024】
ローディング群40は複数のローディングデバイス40Aから40Iを含む。ローディングデバイスは電子デバイス、コンピュータ、サーバー、または類似のものであり得る。サージ保護装置50は、過渡サージおよびインパルスによる損傷からローディングデバイス40Aから40Iを保護するように構成されている。サージ保護装置50は、ローディングデバイス40Aから40Iにそれぞれ対応する複数のサージ保護モジュール100Aから100Iを含む。例えば、サージ保護モジュール100Aはローディングデバイス40Aを保護するように構成され、サージ保護モジュール100Bはローディングデバイス40Bを保護するように構成されており、以下同様である。
【0025】
本実施形態では、サージ保護装置50は、シャーシ52、導電部材71から74、サージ保護アセンブリ60およびサージ保護モジュール100Aから100Iを含む。シャーシ52は収容スペースASを有し、導電部材71から74、サージ保護アセンブリ60およびサージ保護モジュール100Aから100Iは収容スペースAS内に配置されている。導電部材71から74は板状構造を有し、かつサージ保護アセンブリ60および電源20に電気接続するように構成されている。
【0026】
サージ保護アセンブリ60は複数のサージ回路遮断器60Aから60Iを含み、導電部材71、72は電源20からの電力をサージ回路遮断器60Aから60Dに伝送するように構成されており、導電部材73、74は電源20からの電力をサージ回路遮断器60Eから60Iに伝送するように構成されている。
【0027】
詳細には、サージ回路遮断器60Aから60Iはサージ保護モジュール100Aから100Iにそれぞれ並列に電気接続し、サージ回路遮断器60Aから60Iはローディングデバイス40Aから40Iにそれぞれ直列に電気接続し、かつサージ保護モジュール100Aから100Iはローディングデバイス40Aから40Iに並列に電気接続している。
【0028】
サージ回路遮断器60Aから60Iは、ローディングデバイス40Aから40Iによって電源20から引き込む電流を制御するように構成されている。例えば、電源20からの出力電流が大きすぎるとき、サージ回路遮断器60Aから60Iは出力電流を制限する、または出力電流を遮断する。なお、サージ回路遮断器60Aから60Iの数は本実施形態に限定されないという点に留意すべきである。例えば、サージ保護アセンブリ60は、電源20に電気接続する1つだけのサージ回路遮断器、ローディングデバイス40Aから40Iおよびサージ保護モジュール100Aから100Iを有するものであってよい。
【0029】
サージ保護モジュール100Aから100Iはローディングデバイス40Aから40Iをそれぞれ保護する。例えば、電源20がローディングデバイス40Aに電流を供給している過程でサージが発生したとき、サージ保護モジュール100Aはサージを吸収し、ローディングデバイス40Aにサージが侵入してローディングデバイス40Aに損傷を与えるのを防ぐことができる。サージ吸収後、サージ保護モジュール100Aは損傷を受けるかもしれないが、サージ回路遮断器60Aは引き続きローディングデバイス40Aに電流を伝送する。
【0030】
図1から図5を参照されたい。図3は、本開示の一実施形態による、サージ保護モジュール100Aがサージ保護装置50から分離されているところを説明する図であり、図4は、本開示の一実施形態によるサージ保護モジュール100Aの概略図であり、図5は、本開示の一実施形態による別の視点からのサージ保護モジュール100Aの概略図である。サージ保護装置50の内部構造を明瞭に示すため図3ではシャーシ52の上蓋521は省いているが、サージ保護装置50が動作するときに上蓋521は取り除かれないという点に留意すべできである。
【0031】
本実施形態において、開口54はシャーシ52の後部に形成され、開口54は収容スペースASと連通しており、サージ保護モジュールは開口54を通過することができる。図3から図5に示されるように、サージ保護モジュール100Aは第1の軸AX1の方向に延伸する長い帯状の構造を有し、かつサージ保護モジュール100Aは、第1の軸AX1の方向に沿って開口54からシャーシ52に差し込まれる、またはシャーシ52より抜き出されることが可能である。
【0032】
同様に、他のサージ保護モジュールもそれぞれ独立に開口54からシャーシ52に差し込まれる、またはシャーシ52より抜き出され得るものとなっている。サージ保護モジュール100A~100Iは、第2の軸AX2の方向に沿ってそれぞれ分離して配列していてよい。第2の軸AX2の方向は第1の軸AX1の方向に対して垂直である。
【0033】
サージ保護モジュール100Aは少なくとも1つのサージ保護デバイス150を含む。サージ保護デバイス150は消耗品である。サージ保護モジュール100Aが開口54から抜き出されると、サージ保護デバイス150を交換可能となる。つまり、上蓋521を取り除く必要なく、サージ保護デバイス150を交換することができ、メンテナンスの効率が上がる。
【0034】
サージ保護モジュール100Aはケーシング102および第1の警報素子110を有し、第1の警報素子110はケーシング102内に配置され、ケーシング102には貫通孔1021が形成されている。サージ保護デバイス150が壊れたときに、第1の警報素子110を貫通孔1021から観察することができる。例えば、第1の警報素子110は発光ダイオード(LED)であるが、これに限定されることはない。第1の警報素子110は、貫通孔1021から警報メッセージ(例えば光)を発するように構成されている。
【0035】
図2に示されるように、サージ保護モジュール100Aがシャーシ52中に差し込まれると、貫通孔1021が開口54から露出する。つまり、第1の警報素子110は観察可能であり、シャーシ52の上蓋521を取り除かなくとも容易に観察することができる。
【0036】
また、サージ保護モジュール100Aは少なくとも1つの第2の警報素子120をさらに有し、サージ保護デバイス150が壊れ、シャーシ52から抜き出されたとき、第2の警報素子120は観察可能となって、観察することができる。第2の警報素子120は赤いバー(red bar)であってよく、サージ保護デバイス150が壊れたときに示される。
【0037】
図3および図4に示されるように、サージ保護モジュール100Aは第1の軸AX1の方向に沿って延伸する第1のコネクター104を含み、第1のコネクター104は、シャーシ52中のサージ回路遮断器60Aの第2のコネクター56に着脱可能に接続する。詳細には、第1のコネクター104は2つの入力端子1041を有し、それら入力端子1041は柱状構造、銃弾状構造または片状(piece-shaped)構造を有していてよく、第2のコネクター56の2つの対応するメス型ヘッド(female heads)561に差し込まれよう構成されたオス型ヘッド(male heads)となる。本実施形態では、2つのメス型ヘッド561は対応するサージ回路遮断器60Aに電気接続する。つまり、本実施形態では、1つのサージ回路遮断器が1つの第2のコネクター56に対応しているが、これに限定されることはない。
【0038】
他の実施形態では、1つのサージ回路遮断器が2つ以上の第2のコネクター56に対応していてよい。例として、サージ保護アセンブリ60が1つのサージ回路遮断器(例えばサージ回路遮断器60A)のみを含む場合、すべての第2のコネクター56はサージ回路遮断器60Aに電気接続する。
【0039】
本実施形態では、サージ保護モジュール100Aが第1の軸AX1の方向に沿って図2における第1の位置に移動すると、第1のコネクター104が第2のコネクター56と接続し、またサージ保護モジュール100Aが第1の軸AX1の方向に沿って図3における第2の位置まで引き出されると、第1のコネクター104は第2のコネクター56から分離する。入力端子1041およびメス型ヘッド561の設計により、サージ保護モジュール100Aを容易に装着または取り外すことができる。
【0040】
本実施形態では、サージ保護モジュール100Aは絶縁ベース112をさらに含み、絶縁ベース112は、第2の軸AX2の方向に沿って2つの入力端子1041を隔てるように構成されており、これにより2つの入力端子1041が確実に互いに接触しないようになる。
【0041】
また、図4および図5に示されるように、サージ保護モジュール100Aは、対応するローディングデバイス40Aに電気接続する2つの出力端子106をさらに有する。2つの出力端子106はローディングデバイス40Aにプラグ可能な方式で接続され、これによりメンテナンスの効率が高まる。
【0042】
図6を参照されたい。図6は、本開示の一実施形態によるサージ保護装置50の拡大正面図である。本実施形態において、サージ保護装置50は、サージ保護モジュール100Aから100Iを監視するように構成された監視デバイス80をさらに含む。そして、サージ保護モジュール100Aから100Iの各々は、監視デバイス80に監視信号を送るように構成された2つの監視端子108を有し、サージ保護モジュール100Aから100Iの監視端子108は直列接続されている。
【0043】
監視デバイス80は、監視信号に基づいてサージ保護モジュール100Aから100Iが壊れたか否かを判断するよう構成されている。例えば、監視デバイス80は監視コンピュータであってよい。サージ保護モジュール100Aから100Iのうちの少なくとも1つが壊れたとき、監視デバイス80は、監視信号に基づき、ディスプレイスクリーンに警報メッセージを表示して、サージ保護モジュール100Aから100Iのうちの少なくとも1つが壊れたことをユーザーに知らせる。
【0044】
そして、ユーザーは、貫通孔1021を観察することによって、どのサージ保護モジュールが壊れたかを確認することができる。例えば、サージ保護モジュール100Aが壊れたとき、サージ保護モジュール100Aの第1の警報素子110が貫通孔1021から光を発し、ユーザーは上蓋521およびサージ保護モジュール100Aを取り外すことなく、サージ保護モジュール100Aが壊れたことを容易に発見することができる。次いで、ユーザーは容易にサージ保護モジュール100Aを抜き出して、壊れたサージ保護デバイス150を新しいものに交換することが可能となる。
【0045】
まとめると、本開示は、シャーシ52および複数のサージ保護モジュール100Aから100Iを含むサージ保護装置50を提供する。サージ保護モジュール100Aから100Iは、シャーシ52中にプラグ可能に装着され、対応するローディングデバイスを保護するように構成されている。サージ保護モジュールのうちの1つが壊れたとき、ユーザーは、上蓋521を取り除くことなく、壊れたサージ保護モジュールにおける第1の警報素子110より発せられる警報メッセージを容易に見ることができ、そしてユーザーは容易にサージ保護モジュールを抜き出して、サージ保護モジュールにおける壊れたサージ保護デバイス150を交換することができる。よって、本開示の設計は、メンテナンスの効率を有効に高めることができる。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態およびそれらの利点を詳細に述べたが、添付の特許請求の範囲により定義される実施形態の精神および範囲を逸脱することなく、様々な変化、置換および変更をここに加え得るということが理解されなければならない。また、本出願の範囲は、本明細書に記載したプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップの特定の実施形態に限定されるよう意図されていない。当業者であれば、本開示から、本明細書に記載された対応する実施形態と実質的に同じ機能を果たす、または実質的に同じ結果に達する既存のまたは後に開発されるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップが、本開示に基づいて使用可能であるということを容易に理解するであろう。したがって、添付の特許請求の範囲は、かかるプロセス、機械、製造、組成物、手段、方法およびステップを含むように意図されている。さらに、各請求項はそれぞれ独立の実施形態を構成し、各種請求項および実施形態の組合わせは本開示の範囲に入る。
【符号の説明】
【0047】
10…サージ保護システム
100Aから100I…サージ保護モジュール
102…ケーシング
1021…貫通孔
104…第1のコネクター
1041…入力端子
106…出力端子
108…監視端子
110…第1の警報素子
112…絶縁ベース
120…第2の警報素子
150…サージ保護デバイス
20…電源
40…ローディング群
40Aから40I…ローディングデバイス
50…サージ保護装置
52…シャーシ
521…上蓋
54…開口
56…第2のコネクター
561…メス型ヘッド
AS…収容スペース
60…サージ保護アセンブリ
60Aから60I…サージ回路遮断器
71から74…導電部材
80…監視デバイス
AX1…第1の軸
AX2…第2の軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6