(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164245
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】光カメラ通信のフレーム補正方法及び電子デバイス
(51)【国際特許分類】
H04N 23/60 20230101AFI20231102BHJP
【FI】
H04N5/232 300
H04N5/232 290
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022148683
(22)【出願日】2022-09-20
(31)【優先権主張番号】111116268
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】504429600
【氏名又は名称】緯創資通股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】WISTRON CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100226263
【弁理士】
【氏名又は名称】中田 未来生
(72)【発明者】
【氏名】丁 筱▲ウェン▼
【テーマコード(参考)】
5C122
【Fターム(参考)】
5C122DA03
5C122FH09
5C122FH11
5C122FH18
5C122GA01
5C122GA23
5C122GC13
5C122GC37
5C122HA35
5C122HA48
5C122HB01
5C122HB10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】カメラのサンプリングフレームレートが浮くことに起因する通信非同期を解決し得る、光カメラ通信のフレーム補正方法及び電子デバイスを提供する。
【解決手段】光カメラ通信(OCC)のフレーム補正方法は、光信号を捉えS601、光信号を、第1の機械学習(ML)モデルに入力して、欠損タイムスタンプを取得しS602。光信号及び欠損タイムスタンプを第2のMLモデルに入力して、欠損タイムスタンプに対応する第1の補完フレームを取得しS603、第1の補完フレームを出力するS604。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光カメラ通信のフレームを補正する電子デバイスであって、該電子デバイスは:
トランシーバと;
光信号を捉えるように構成された撮像デバイスと;
第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含む複数の機械学習モデルを格納するように構成された記憶媒体と;
前記記憶媒体、前記トランシーバ、及び前記撮像デバイスに結合されるプロセッサと;
を備え、ここで前記プロセッサは:
前記光信号を前記第1の機械学習モデルに入力して、欠損タイムスタンプを取得し;
前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを前記第2の機械学習モデルに入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する第1の補完フレームを取得し;
前記第1の補完フレームを、前記トランシーバを通じて出力する;
ように構成される、電子デバイス。
【請求項2】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記複数の機械学習モデルは、第3の機械学習モデルを更に含み、前記プロセッサは:
前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを前記第3の機械学習モデルに入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する第2の補完フレームを取得し;
前記第1の補完フレームと前記第2の補完フレームとの間の第1の類似度に従って、前記第1の補完フレームを出力することを決定し;
前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを前記第2の機械学習モデルに再度入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する第3の補完フレームを取得し;
前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを前記第3の機械学習モデルに再度入力して、欠損タイムスタンプに対応する第4の補完フレームを取得し;
前記第3の補完フレームと前記第4の補完フレームとの間の第2の類似度よりも前記第1の類似度が高いことを受けて、前記第1の補完フレーム及び前記第3の補完フレームから前記第1の補完フレームを選択して出力する;
ように構成される、電子デバイス。
【請求項3】
請求項1に記載の電子デバイスであって、前記撮像デバイスは、外部デバイス及び第2の光信号を含む画像を捕らえ、前記第2の光信号は光学コードワードを含み、前記プロセッサは:
前記撮像デバイスによって前記第2の光信号を発する外部デバイスを識別し、オブジェクト検出アルゴリズムに基づき、前記光学コードワードに従って、又は前記画像に従って、識別結果を生成し;
前記識別結果に従って関心領域を生成し;
前記関心領域に従って、前記複数の機械学習モデルから前記外部デバイスに対応する前記第1の機械学習モデル及び前記第2の機械学習モデルを選択し、前記関心領域から来る前記光信号を受けて、前記光信号が前記外部デバイスに対応すると判定することによって、前記第1の補完フレームを生成する;
ように更に構成される、電子デバイス。
【請求項4】
光カメラ通信のフレーム補正方法であって、該方法は:
光信号を捉えるステップと;
前記光信号を第1の機械学習モデルに入力して、欠損タイムスタンプを取得するステップと;
前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを第2の機械学習モデルに入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する第1の補完フレームを取得するステップと;
前記第1の補完フレームを出力するステップと;
を備える、方法。
【請求項5】
請求項4に記載の方法であって、前記光信号は、第1のタイムスタンプに対応する第1のフレームを含み、前記方法は:
第1の履歴制御シグナリング及び第2の履歴制御シグナリングを受信するステップであって、前記第1の履歴制御シグナリングは、複数の第1の履歴タイムスタンプを含み、前記第2の履歴制御シグナリングは、複数の第2の履歴タイムスタンプを含む、ステップと、
前記複数の第1の履歴タイムスタンプに従って、前記第1の機械学習モデルを学習させるステップと;
前記第2の履歴制御シグナリングに対応する履歴光信号を捉えるステップであって、前記履歴光信号が、前記複数の第2の履歴タイムスタンプにそれぞれ対応する複数の履歴フレームを含む、ステップと;
前記複数の第2の履歴タイムスタンプ及び前記複数の履歴フレームに従って前記第2の機械学習モデルを学習させるステップと;を備え、ここで、前記光信号を前記第1の機械学習モデルに入力して前記欠損タイムスタンプを取得する前記ステップは:
前記光信号を前記第1の機械学習モデルに入力して、前記第1のフレームと次のフレームとの間の推定時間間隔を出力するステップ、並びに前記第1のタイムスタンプ及び前記推定時間間隔に従って、前記次のフレームに対応する推定タイムスタンプを計算するステップと;
前記推定タイムスタンプに従って前記光信号を検出し、前記次のフレームの画素値を取得するステップ、及び前記画素値に従って前記次のフレームが欠損フレームであるかを判定するステップと;
前記次のフレームが前記欠損フレームであると判定することを受けて、前記推定タイムスタンプが前記欠損タイムスタンプであると判定するステップと;
を更に備え、
前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを前記第2の機械学習モデルに入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する前記第1の補完フレームを取得する前記ステップは:
前記第1のタイムスタンプ、前記第1のフレーム、及び前記欠損タイムスタンプを前記第2の機械学習モデルに入力して、前記第1の補完フレームを出力するステップ;
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光通信技術に関し、より詳細には、光カメラ通信(OCC)のフレーム補正方法及び電子デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
IoT(Internet of Things)デバイスは、通信に様々な無線通信技術を採用し、かつこれらの技術は異なる長所と短所、及び適用シナリオを有する。IoTデバイスの急増に伴い、広帯域の光通信技術がIoTデバイス通信の実現可能なソリューションとなってきている。OCC技術は、市販のカメラ又は照明機器などのような既存のインフラとの親和性が極めて高い完全にソフトウェアベースのソリューションである。それ故に、OCC技術はIoTデバイス通信のソリューションとして非常に可能性を秘めている。OCCシステムの受信機は、送信機(例えば、IoTデバイス)が発する光信号を捉えるためにカメラを利用し、送信機によって送信されるべきデータを取得することができる。
【0003】
データ伝送の効率を向上させるために、OCCシステムの送信機は、より高い周波数で光信号を送信する場合がある。しかしながら、カメラのサンプリングフレームレートが時間的に浮いたり、又は歪んだりする場合がある。カメラのサンプリングフレームレートが変化し、カメラと送信機との間で非同期が発生すると、受信機は完全な光信号を受信することができなくなる。その結果として、受信した光信号に欠損フレームが存在することになる。それ故に、OCCシステムで、しばしば発生する欠損フレームの問題をどのように解決するかは、当該分野の実務者が解決すべき課題の1つである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、カメラのサンプリングフレームレートが浮くことに起因する通信非同期を解決し得る、光カメラ通信のフレーム補正方法及び電子デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一実施形態は、プロセッサと、記憶媒体と、トランシーバと、撮像デバイスとを含む、光カメラ通信のフレーム補正の電子デバイスを開示する。この撮像デバイスは、光信号を捉えるように構成される。前記記憶媒体は、第1の機械学習モデル及び第2の機械学習モデルを含む複数の機械学習モデルを格納するように構成される。前記プロセッサは、前記記憶媒体、前記トランシーバ、及び前記撮像デバイスに結合され、かつ前記プロセッサは:光信号を前記第1の機械学習モデルに入力して、欠損タイムスタンプを取得し;前記光信号及び欠損タイムスタンプを第2の機械学習モデルに入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する第1の補完フレームを取得し;前記第1の補完フレームを、トランシーバを通じて出力する;ように構成される。
【0006】
本開示の一実施態様は、光カメラ通信のフレーム補正方法を開示する。このフレーム補正方法は:光信号を捉えるステップと;前記光信号を第1の機械学習モデルに入力して、欠損タイムスタンプを取得するステップと;前記光信号及び前記欠損タイムスタンプを第2の機械学習モデルに入力して、前記欠損タイムスタンプに対応する第1の補完フレームを取得するステップと;前記第1の補完フレームを出力するステップと;を含む。
【発明の効果】
【0007】
上記に基づき、本開示の電子デバイスは、機械学習アルゴリズムに基づいて、IoTデバイスの光信号に欠損フレームがあるかを予測し、光信号に欠損フレームがあるときに光信号のフレームを補完することができる。このようにすれば、カメラとIoTデバイスとの間の非同期性に起因する光信号の不具合を回避し得る。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態による光カメラ通信のフレーム補正の電子デバイスの概略図である。
【
図2】本開示の一実施形態による機械学習モデルを学習させるための学習データの取得を示す概略図である。
【
図3】本開示の一実施形態による補完フレームを生成するフローチャートである。
【
図4】本開示の一実施形態による関心領域を図示する概略図である。
【
図5】本開示の一実施形態による欠落タイムスタンプ及び欠損フレームを図示する概略図である。
【
図6】本開示の一実施形態による光カメラ通信のフレーム補正方法を図示するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示の内容をより理解しやすくするために、本開示を実際に実施することができる例として、以下の具体的な実施形態が示される。さらに、可能な限り、図面及び実施形態では、同じ参照数字を使用する要素/コンポーネント/ステップは、同じ又は類似の部品を表す。
【0010】
図1は、本開示の一実施形態による光学カメラ通信のフレーム補正の電子デバイス100の概略図である。電子デバイス100は、プロセッサ110と、記憶媒体120と、トランシーバ130と、撮像デバイス140とを含んでもよい。電子デバイス100は、セットトップボックス、リモートコントローラ、又は無線アクセスポイントなどのような光源を有するIoTデバイスなどのような外部デバイスによって発せられる光信号を受信し、かつ光信号に対する欠損フレームを補正することができる。
【0011】
プロセッサ110は、例えば、中央処理装置(CPU)、若しくは他のプログラム可能な汎用又は特殊用途のマイクロ制御装置(MCU)、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、グラフィック処理装置(GPU)、画像信号プロセッサ(ISP)、画像処理装置(IPU)、演算論理装置(ALU)、複合プログラム可能論理装置(CPLD)、フィールドプログラム可能ゲート配列(FPGA)、若しくは類似要素若しくは上記の要素の組合せなどである。プロセッサ110は、記憶媒体120、トランシーバ130、及び撮像デバイス140に結合され、かつ記憶媒体120に格納された複数のモジュール及び各種アプリケーションプログラムにアクセスし、実行することができる。
【0012】
記憶媒体120は、例えば、プロセッサ110によって実行可能な複数のモジュール又は各種アプリケーションプログラムを記憶するための固定又は取り外し可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスクドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)、若しくは任意の種類の構成要素若しくは上記構成要素の組合せである。記憶媒体120は、異なる種類の外部デバイスのフレームを補正するための複数の機械学習モデルセットをそれぞれ格納してもよい。
【0013】
一実施形態では、記憶媒体120は、機械学習モデル11、機械学習モデル12及び機械学習モデル13を含む機械学習モデルセット10と、機械学習モデル21、機械学習モデル22及び機械学習モデル23を含む機械学習モデルセット20とを格納することができるが、本開示は、記憶媒体120の機械学習モデルセットの数を限定しない。例えば、記憶媒体120は、N個の機械学習モデルセットを格納してもよく、Nは、任意の正の整数である。機械学習モデルセット10及び機械学習モデルセット20は、それぞれ、異なる種類の外部デバイスの光信号に対するフレームを補正するように構成される。例えば、機械学習モデルセット10がセットトップボックスによって発せられる光信号のフレームを補正するように構成されている場合、機械学習モデルセット20は、セットトップボックスとは異なる他の外部デバイス(例えば、リモートコントローラ)によって発せられる光信号のフレームを補正するように構成される。
【0014】
トランシーバ130は、無線又は有線方式で信号を送受信する。トランシーバ130は、低ノイズ増幅、インピーダンス整合、周波数混合、上下周波数変換、フィルタリング、増幅及びそのようなものなどの動作を更に行ってもよい。
【0015】
撮像デバイス140は、画像(例えば、光信号のフレーム)を捕らえるためのカメラ又は写真デバイスであってもよい。撮像デバイス140は、相補性金属酸化膜半導体(CMOS)センサ又は電荷結合素子(CCD)センサなどのようなイメージセンサを含んでいてもよい。
【0016】
図2は、本開示の一実施形態による機械学習モデルを学習させるための学習データの取得を示す概略図である。外部デバイス200は、コントローラ300によって制御され、光信号を発すると仮定する。外部デバイス200の光信号に対してフレームを補正するための機械学習モデルセット10を学習させるために、電子デバイス100のプロセッサ110は、コントローラ300からトランシーバ130を通じて複数の履歴タイムスタンプを含む履歴制御シグナリングxを受信し、かつ外部デバイス200から撮像デバイス140を通じて履歴制御シグナリングxに対応する履歴光信号yを捉えてもよい。履歴光信号yは、複数の履歴タイムスタンプにそれぞれ対応する複数の履歴フレームを含んでもよい。
【0017】
一実施形態では、プロセッサ110は、履歴制御シグナリングx中の外部デバイス200に関連する情報に従って、履歴制御シグナリングxが外部デバイス200及び外部デバイス200によって送信された履歴光信号yに一致すると判定してもよい。例えば、履歴制御シグナリングxは、製品ID(PID)、製造者ID(MID)、固有識別子(UID)又は汎用固有ID(UUID)、及び外部デバイス200に紐づく他の情報を含んでもよい。プロセッサ110は、捉えた履歴光信号yが情報に従って外部デバイス200に対応することを判定してもよい。
【0018】
複数の履歴タイムスタンプを含む履歴制御シグナリングx、及び複数の履歴フレームを含む履歴光信号yを取得した後、プロセッサ110は、履歴制御シグナリングx及び履歴光信号yに従って機械学習モデルセット10を学習させてもよい。具体的には、プロセッサ110は、履歴制御シグナリングx中の複数の履歴タイムスタンプに従って機械学習モデル11を学習させてもよく、機械学習モデル11は、例えば、分類モデル又はクラスタモデルであるが、本開示は、機械学習モデル11を学習させるために構成される機械学習アルゴリズムを限定しない。学習済み機械学習モデル11は、光信号中の異なるタイムスタンプ(又は異なるフレーム)間の時間間隔を予測するように構成されてもよい。
【0019】
一方、プロセッサ110は、履歴制御シグナリングx中の複数の履歴タイムスタンプ及び履歴光信号y中の複数の履歴フレームに従って、機械学習モデル12又は機械学習モデル13を学習させてもよい。機械学習モデル12又は機械学習モデル13は、例えば、再帰型ニューラルネットワークモデル(RNN)又は生成モデルであるが、本開示は、機械学習モデル12又は機械学習モデル13を学習させるように構成される機械学習アルゴリズムを限定しない。学習済み機械学習モデル12又は機械学習モデル13は、1つ以上の以前にサンプリングされたフレームに基づいて、生成されるフレームを予測してもよい。
【0020】
機械学習モデルセット10の学習を完了した後、プロセッサ110は、撮像デバイス140の浮動サンプリングフレームレート又は撮像デバイス140と外部デバイス200との間の非同期によって生じる光信号歪みを回避するように、機械学習モデルセット10に従って外部デバイス200によって放射される光信号に対する補完フレームを生成してもよい。
図3は、本開示の一実施形態による補完フレームを生成するフローチャートである。
図3の処理は、
図1に示す電子デバイス100によって実施してもよい。
【0021】
ステップS301において、プロセッサ110は、撮像デバイス140を通じて、外部デバイス200によって発せられた光信号を捉えてもよい。光信号は、複数のタイムスタンプ、及び複数のタイムスタンプにそれぞれ対応する複数のフレームを含んでもよい。撮像デバイス140によって捉えた光信号は、何らかの情報が欠落していてもよい。
【0022】
ステップS302において、プロセッサ110は、記憶媒体120内の複数の機械学習モデルセットから、光信号を処理するための機械学習モデルセット10を選択してもよい。
【0023】
一実施形態では、プロセッサ110は、撮像デバイス140を通じて光信号を発する外部デバイス200の画像を捕らえ、かつオブジェクト検出アルゴリズムに基づく画像識別外部デバイス200に従って識別結果を生成してもよい。例えば、識別結果は、外部デバイス200の位置及び/又は大きさに基づいて生成されてもよいが、これに限定されるものではない。この態様では、プロセッサ110は、識別結果に従って、外部デバイス200がセットトップボックスであると判定してもよい。プロセッサ110は、識別結果に従って、外部デバイス200に対応する関心領域(ROI)を更に生成してもよい。
図4は、本開示の一実施形態による関心領域ROIを図示する概略図である。プロセッサ110が外部デバイス200を含む画像400を捕らえた後、プロセッサ110は、画像400に対してオブジェクト認識を行い、外部デバイス200に対応する関心領域ROIを生成してもよい。このように、関心領域ROIからの光信号を受信すると、プロセッサ110は、光信号が外部デバイス200から来たと判断してもよい。したがって、プロセッサ110は、記憶媒体120内の複数の機械学習モデルセットから、1つ以上の外部デバイス200(例えば、セットトップボックス、リモートコントローラ、モデム)の光信号を処理するための機械学習モデルセット10を選択してもよい。
【0024】
一実施形態では、外部デバイス200によって発せられる光信号は、光学コードワードを含んでもよい。プロセッサ110は、光学コードワードに従って外部デバイス200を識別してもよい。光信号は、特定の光信号を包含してもよく、例えば、光信号の色は、赤、青、緑、又は黄色であってもよく、若しくは、速い点滅光を2回、又は遅い点滅光を3回などのようなリズムでオンオフする点滅光信号であってもよく、かつ本開示はこれに限定されるものではない。プロセッサ110は、特定の光信号に従って、1つ以上の外部デバイスがセットトップボックス、リモートコントローラ、及び/又はモデムなどであると判定してもよい。
【0025】
ステップS303において、プロセッサ110は、光信号を機械学習モデル11に入力して、推定タイムスタンプを取得してもよい。
図5は、本開示の実施形態による欠落タイムスタンプ及び欠損フレームを図示する概略図である。光信号は、タイムスタンプt1に対応するフレームc(t1)、タイムスタンプt2に対応するフレームc(t2)、及びタイムスタンプt3に対応するフレームc(t3)を含むと仮定する。プロセッサ110は、光信号中の1つ以上のタイムスタンプを機械学習モデル11に入力してもよく、かつ1つ以上のタイムスタンプは、タイムスタンプt2及び/又はタイムスタンプt2より前のタイムスタンプ(例えば、タイムスタンプt1)を含んでもよい。機械学習モデル11は、入力情報に従って、フレームc(t2)と次のフレームc(t2+ΔT)との間の推定時間間隔ΔTを生成してもよい。1秒あたりのフレーム数は、1000FPS(Frames per second)であってもよく、かつ本開示はこれに限定されるものではない。プロセッサ110は、推定時間間隔ΔTに従って、次のフレームc(t2+ΔT)に対応する推定タイムスタンプ(t2+ΔT)を算出してもよい。
【0026】
ステップS304において、プロセッサ110は、推定タイムスタンプ(t2+ΔT)に従って、次のフレームc(t2+ΔT)が欠損フレームc(tm)であるかを判定してもよい。次のフレームc(t2+ΔT)が欠損フレームc(tm)である場合、ステップS305に進む。次のフレームc(t2+ΔT)が欠損フレームc(tm)でない場合は、ステップS301に進む。次のフレームc(t2+ΔT)が欠損フレームc(tm)であることに応じて、プロセッサ110は、次のフレームc(t2+ΔT)に対応する推定タイムスタンプ(t2+ΔT)が欠損タイムスタンプtmであると判定してもよい。
【0027】
一実施形態では、プロセッサ110は、推定タイムスタンプ(t2+ΔT)に従って光信号を検出して次のフレームc(t2+ΔT)の画素値を取得し、かつ画素値に従って次のフレームc(t2+ΔT)が欠損フレームc(tm)であるかを判定してもよい。数式1は、次のフレームc(t2+ΔT)が欠損フレームc(tm)であるかを判定する方法の一例であり、かつF[c(t2+ΔT)]は、次のフレームc(t2+ΔT)の画素値である。F[c(t2+ΔT)]が閾値H1以上の場合、次のフレームc(t2+ΔT)が「1」を表す光信号を明確に表示していることを意味するので、プロセッサ110は次のフレームc(t2+ΔT)が信号「1」に対応すると判定し得る。F[c(t2+ΔT)]が閾値H2以下である場合(H2<H1)、次のフレームc(t2+ΔT)が「0」を表す光信号を明確に表示していることを意味するので、プロセッサ110は次のフレームc(t2+ΔT)を信号「0」に対応するものと判定し得る。F[c(t2+ΔT)]が閾値H1より小さく、かつ閾値H2より大きい場合、次のフレームc(t2+ΔT)が光信号を明確に表示していないことを意味するので、プロセッサ110は、次のフレームc(t2+ΔT) )が欠損フレームc(tm)であると判定し得る。
【数1】
【0028】
プロセッサ110は、実行回数が予め設定された反復回数Kに達するまで、ステップS305を繰り返し実行してもよく、ここでKは任意の正整数である。ステップS305において、プロセッサ110は、機械学習モデル12に光信号及び欠損タイムスタンプtmを入力して、欠損タイムスタンプtmに対応する補完フレームc(tm)12,kを取得してもよく、かつ機械学習モデル13に光信号及び欠損タイムスタンプtmを入力して、欠損タイムスタンプtmに対応する補完フレームc(tm)13,kを取得してもよく、ここでkは反復インデックスを表す。すなわち、プロセッサ110は、2つの補完フレームを取得してもよい。例えば、プロセッサ110がステップS305を初めて実行する場合、機械学習モデル12及び機械学習モデル13によって生成される2つの補完フレームは、それぞれ補完フレームc(tm)12,1及び補完フレームc(tm)13,1であってもよい。プロセッサ110がステップS305を最後に実行する場合、機械学習モデル12及び機械学習モデル13によって生成される2つの補完フレームは、それぞれ補完フレームc(tm)12,k及び補完フレームc(tm)13,kであってもよい。
【0029】
ステップS306において、プロセッサ110は、ステップS305の実行回数が予め設定された反復回数Kに達したかを判定してもよい。実行回数が予め設定された反復回数Kに達している場合、ステップS307に進む。実行回数が予め設定された反復回数Kに達していない場合、ステップS305に進む。
【0030】
ステップS307において、プロセッサ110は、補完フレームc(tm)12,kと補完フレームc(tm)13,kとの間の類似度を計算し、それによって、K回の反復に対応するK個の類似度[s(1)s(2)・・・s(K)]を生成してもよい。プロセッサ110は、K個の類似性に従って、複数の補完フレームから最適な補完フレームを選択補完フレームとして選択してもよい。例えば、プロセッサ110は、類似度s(i)がK個の類似度[s(1)s(2)・・・s(K)]のうち最も高い類似度であることに応じて、補完フレームc(tm)12,i(又は補完フレームc(tm)13,i)を選択してもよい。補完フレームc(tm)12,iとc(tm)13,iとの間の類似度が高いほど、機械学習モデル12及び機械学習モデル13によって生成される補完フレームが類似していることを意味し、かつ従って信頼性が高いことを意味する。
【0031】
ステップS308において、プロセッサ110は、トランシーバ130を通じて選択補完フレームc(tm)12,i(又は補完フレームc(tm)13,i)を出力してもよい。選択補完フレームc(tm)12,iは、撮像デバイス140によって捉えた歪んだ光信号に付加される場合、歪んだ光信号は完全な光信号に復元することができる。
【0032】
図6は、本開示の一実施形態による光カメラ通信のフレーム補正方法を図示するフローチャートであり、かつ当該方法は、
図1に示す電子デバイス100によって実施されてもよい。ステップS601において、光信号を捉える。ステップS602において、光信号を第1の機械学習モデルに入力して、欠損タイムスタンプを取得する。ステップS603において、光信号及び欠損タイムスタンプを第2の機械学習モデルに入力して、欠損タイムスタンプに対応する第1の補完フレームを取得する。ステップS604において、第1の補完フレームを出力する。
【0033】
要約すると、本開示の電子デバイスは、IoTデバイスによって発せられる光信号を、撮像デバイスを通じて捉え、かつ機械学習技術を利用して、光信号がIoTデバイスとカメラとの間の非同期の影響を受け、特定のフレームを欠いているかを判定してもよい。電子デバイスは、光信号中に欠損フレームがあると判定した場合、電子デバイスは、機械学習技術を利用して、欠損フレームを補正するための補完フレームを生成してもよい。従来のフレーム補間技術(フレーム平均化、動き推定、又はオプティカルフロー法などのような)と比較して、本開示は、速い光信号の変化を伴うOCCシステムに適応し、非同期問題が原因による光信号の重要な情報の喪失を回避し得る。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明の光カメラ通信のフレーム補正方法及び電子デバイスは、IoT機器又は光カメラに適用され得る。
【符号の説明】
【0035】
10 機械学習モデルセット
20 機械学習モデルセット
100 電子デバイス
110 プロセッサ
11 機械学習モデル
12 機械学習モデル
13 機械学習モデル
21 機械学習モデル
22 機械学習モデル
23 機械学習モデル
120 記憶媒体
130 トランシーバ
140 撮像デバイス
150 プロセッサ
200 外部デバイス
300 コントローラ
400 画像
c(t1) フレーム
c(t2) フレーム
c(t3) フレーム
c(tm) 欠損フレーム
ROI 関心領域
S301~S308 ステップ
S601~S604 ステップ
t1~t3 タイムスタンプ
tm 欠落タイムスタンプ
x 履歴制御シグナリング
y 履歴光信号
ΔT 推定時間間隔
【外国語明細書】