(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164250
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】フォルダブル式ステアリングホイール
(51)【国際特許分類】
B62D 1/183 20060101AFI20231102BHJP
B62D 1/181 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B62D1/183
B62D1/181
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022169372
(22)【出願日】2022-10-21
(31)【優先権主張番号】10-2022-0052852
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【氏名又は名称原語表記】KIA CORPORATION
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】522414394
【氏名又は名称】ジョイソン、セーフティ、システムズ、コリア、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Joyson Safety Systems Korea Co., Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100198029
【弁理士】
【氏名又は名称】綿貫 力
(72)【発明者】
【氏名】ロー、キョンブ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ボムジュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ユジ
(72)【発明者】
【氏名】ノー、ビョンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヨンスン
(72)【発明者】
【氏名】キム、スンミン
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ソンウ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】キム、テウ
【テーマコード(参考)】
3D030
【Fターム(参考)】
3D030DD05
3D030DD12
(57)【要約】
【課題】ステアリングホイールの直線移動及び回転移動によって折り畳まれたり広げられたりするように作動して運転席の空間を確保するフォルダブル式ステアリングホイールを提供する。
【解決手段】本発明のフォルダブル式ステアリングホイールは、コラムに連結されるアマチュアボディと、アマチュアボディに連結され、コラムの操舵軸に対して半径方向に直線移動し、操舵軸と平行でない回転軸を中心に回転移動するステアリングホイールと、ステアリングホイールの直線移動経路及び回転移動経路を形成してアマチュアボディに対してステアリングホイールを移動させる移動機構と、を含んで構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コラムに連結されるアマチュアボディと、
ステアリングホイールに連結され、コラムの操舵軸に対して半径方向に直線移動し、操舵軸と平行でない回転軸を中心に回転移動するステアリングホイールと、
ステアリングホイールの直線移動経路及び回転移動経路を形成してアマチュアボディに対してステアリングホイールを移動させる移動機構と、を含む、フォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項2】
前記回転軸は操舵軸と直交することを特徴とする、請求項1に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項3】
前記ステアリングホイールは、下方に向かって直線移動し、ステアリングホイールの下端が、アマチュアボディの左右に備えられた回転軸を中心にコクピットの下部に向かって回転することを特徴とする、請求項1に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項4】
前記ステアリングホイールの直線移動後に回転移動してステアリングホイールが折り畳まれることを特徴とする、請求項1に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項5】
アマチュアボディにエアバッグモジュールが固定されてエアバッグモジュールの位置が固定された状態でステアリングホイールのみを移動させることを特徴とする、請求項1に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項6】
前記移動機構は、
アマチュアボディとステアリングホイールとの間にギヤ噛合構造で結合された複数のギヤ部材と、
ステアリングホイールの直線移動及び回転移動する経路に沿ってステアリングホイールの移動動作をガイドするガイド機構と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項7】
前記アマチュアボディに結合されたギヤ部材に回転駆動力を提供する駆動部をさらに含むことを特徴とする、請求項6に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項8】
前記ギヤ部材は、
アマチュアボディの側部に回転可能に結合された回転ギヤ、及び
ステアリングホイールに構成されたリムアセンブリの側部に固定され、ステアリングホイールが直線移動する第1の方向と、これから一方側に折れ曲がる第2の方向に沿って連設されて回転ギヤに噛み合う移動ギヤを含むことを特徴とする、請求項6に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項9】
前記回転ギヤの円周の一部に回転歯形部が設けられ、前記回転歯形部に続く円周部分に回転マッチング部が設けられ、
前記回転ギヤと対向する移動ギヤの第1の方向の縁部に沿って、回転歯形部に噛み合う移動歯形部が設けられ、第1の方向から第2の方向に折れ曲がって続く部分には、回転マッチング部と対応する形状の移動マッチング部が設けられたことを特徴とする、請求項8に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項10】
移動歯形部が回転歯形部に沿って移動してステアリングホイールが直線移動し、
回転マッチング部と移動マッチング部とがマッチングされた状態で回転ギヤが回転して、回転ギヤの回転軸を中心にステアリングホイールが回転することを特徴とする、請求項9に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項11】
前記回転ギヤの円周に沿って回転歯形部が設けられ、
前記回転ギヤと対向する移動ギヤの第1の方向及び第2の方向の縁部に沿って、回転歯形部に噛み合う移動歯形部が設けられたことを特徴とする、請求項8に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項12】
前記ガイド機構は、
アマチュアボディの側部に固定されたガイド突起部と、
移動ギヤにステアリングホイールが直線移動及び回転移動する経路に沿って長孔の直線移動経路と回転移動経路が設けられ、ガイド突起部が挿入されるガイド溝部と、を含むことを特徴とする、請求項6に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項13】
前記直線移動経路と前記回転移動経路が連続的に続くことを特徴とする、請求項12に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項14】
ステアリングホイールを直線移動させた後、操舵軸と平行でない回転軸を中心にステアリングホイールを回転移動させるように構成したことを特徴とする、フォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項15】
前記ステアリングホイールの直線移動は、コラムの操舵軸を基準とする円の半径方向のうちの一方向に行われ、
前記ステアリングホイールの回転移動は、操舵軸と直交する回転軸を中心に行われることを特徴とする、請求項14に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項16】
前記ステアリングホイールは、下方に向かって直線移動し、ステアリングホイールの下端が回転軸を中心にコクピットの下部に向かって回転することを特徴とする、請求項15に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項17】
前記ステアリングホイールの回転後にステアリングホイールのリム部がシュラウドの下端に並んで位置し、ステアリングホイールがシュラウドに干渉しないように折り畳まれることを特徴とする、請求項14に記載のフォルダブル式ステアリングホイール。
【請求項18】
ステアリングホイールをいずれか一方向に直線移動させた後、コラムと平行でない軸を中心にステアリングホイールを回転移動させるように構成したことを特徴とする、フォルダブル式ステアリングホイール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ステアリングホイールの直線移動及び回転移動により折り畳まれたり広げられたりするように作動して運転席の空間を確保するフォルダブル式ステアリングホイールに関する。
【背景技術】
【0002】
ステアリングホイールは、車両の進行方向を調節する操舵装置であって、車両走行中に運転者が所望の方向に車両を走行し得るように、運転者はステアリングホイールを常に把持して運転を行う。
【0003】
ただし、車両の走行中ではない停車状況では、車両の操舵が不要であるが、ステアリングホイールが元々設置された位置のまま配置されており、運転者に余裕空間を提供することができないため、空間活用度が非常に劣るという問題がある。
【0004】
このため、運転者の乗車・降車時にステアリングホイールが上方に上がるか、シートが後方に押されるイージーエクサスモードが適用されている。
【0005】
しかし、ステアリングホイールのリムが依然として運転席で多くの空間を占め、特に電気自動車の充電又は車両の自律走行の際に運転席でステアリングホイールのリムにより運転者の空間活用性が劣るという問題がある。
【0006】
上記の背景技術として説明された事項は、本発明の背景に対する理解を増進させるためのものであり、当該技術分野における通常の知識を有する者には公知の従来技術に該当することを認めるものと受け入れられてはならないだろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10-2183411号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、その目的は、ステアリングホイールの直線移動及び回転移動によって折り畳まれたり広げられたりするように作動して運転席の空間を確保するフォルダブル式ステアリングホイールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するための本発明のフォルダブル式ステアリングホイールの構成は、コラムに連結されるアマチュアボディと、アマチュアボディに連結され、コラムの操舵軸に対して半径方向に直線移動し、操舵軸と平行でない回転軸を中心に回転移動するステアリングホイールと、ステアリングホイールの直線移動経路及び回転移動経路を形成してアマチュアボディに対してステアリングホイールを移動させる移動機構と、を含むことを特徴とすることができる。
【0010】
前記回転軸は、操舵軸と直交することができる。
【0011】
前記ステアリングホイールは、下方に向かって直線移動し、ステアリングホイールの下端が、アマチュアボディの左右に備えられた回転軸を中心にコクピット(cockpit)の下部に向かって回転することができる。
【0012】
前記ステアリングホイールの直線移動後に回転移動してステアリングホイールが折り畳まれることができる。
【0013】
アマチュアボディにエアバッグモジュールが固定されてエアバッグモジュールの位置が固定された状態でステアリングホイールのみを移動させることができる。
【0014】
前記移動機構は、アマチュアボディとステアリングホイールとの間にギヤ噛合構造で結合された複数のギヤ部材と、ステアリングホイールの直線移動及び回転移動する経路に沿ってステアリングホイールの移動動作をガイドするガイド機構と、を含むことができる。
【0015】
前記アマチュアボディに結合されたギヤ部材に回転駆動力を提供する駆動部をさらに含むことができる。
【0016】
前記ギヤ部材は、アマチュアボディの側部に回転可能に結合された回転ギヤ、及びステアリングホイールに構成されたリムアセンブリの側部に固定され、ステアリングホイールが直線移動する第1の方向と、これから一方側に折れ曲がる第2の方向に沿って連設されて回転ギヤに噛み合う移動ギヤを含むことができる。
【0017】
前記回転ギヤの円周の一部に回転歯形部が設けられ、前記回転歯形部に続く円周部分に回転マッチング部が設けられ、前記回転ギヤと対向する移動ギヤの第1の方向の縁部に沿って、回転歯形部に噛み合う移動歯形部が設けられ、第1の方向から第2の方向に折れ曲がって続く部分には、回転マッチング部と対応する形状の移動マッチング部が設けられることができる。
【0018】
移動歯形部が回転歯形部に沿って移動してステアリングホイールが直線移動し、回転マッチング部と移動マッチング部とがマッチングされた状態で回転ギヤが回転して、回転ギヤの回転軸を中心にステアリングホイールが回転することができる。
【0019】
前記回転ギヤの円周に沿って回転歯形部が設けられ、前記回転ギヤと対向する移動ギヤの第1の方向及び第2の方向の縁部に沿って、回転歯形部に噛み合う移動歯形部が設けられることができる。
【0020】
前記ガイド機構は、アマチュアボディの側部に固定されたガイド突起部と、移動ギヤにステアリングホイールが直線移動及び回転移動する経路に沿って長孔の直線移動経路と回転移動経路が設けられ、ガイド突起部が挿入されるガイド溝部と、を含むことができる。
【0021】
前記直線移動経路と回転移動経路が連続的に続くことができる。
【0022】
本発明のフォルダブル式ステアリングホイールは、コラムの操舵軸に対してステアリングホイールを直線移動させた後、操舵軸と平行でない回転軸を中心にステアリングホイールを回転移動させるように構成したことを特徴とすることができる。
【0023】
前記ステアリングホイールの直線移動は、コラムの操舵軸を基準とする円の半径方向のうちの一方向に行われ、前記ステアリングホイールの回転移動は、操舵軸と直交する回転軸を中心に行われることができる。
【0024】
前記ステアリングホイールは、下方に向かって直線移動し、ステアリングホイールの下端が回転軸を中心にコクピットの下部に向かって回転することができる。
【0025】
前記ステアリングホイールの回転後にステアリングホイールのリム部がシュラウドの下端に並んで位置し、ステアリングホイールがシュラウドに干渉しないように折り畳まれることができる。
【0026】
本発明のフォルダブル式ステアリングホイールの他の構成は、コラムに対してステアリングホイールをいずれか一方向に直線移動させた後、コラムと平行でない軸を中心にステアリングホイールを回転移動させるように構成したことを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0027】
上述した課題解決手段によって、本発明は、ステアリングホイールのリムがコクピットの内側に進入しながら折り畳まれることにより、運転席の空間確保が可能となる。よって、運転者の乗り降り時、車両の停車中又は自律走行中に運転席内の余裕空間を確保し、これにより車室内部の空間活用性と利便性を増大させるという効果がある。
【0028】
さらに、ステアリングホイールの直線移動及び回転移動が行われても、エアバッグモジュールは固定された状態を維持することにより、ステアリングホイールが折り畳まれた状態でも運転席エアバッグの展開性能をそのまま維持して運転席乗客の安全性を確保するという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明によるステアリングホイールを示す図である。
【
図2】
図1のステアリングホイールが直線移動した状態を示す図である。
【
図3】
図2のステアリングホイールが回転移動した状態を示す図である。
【
図4】ステアリングホイールの直線移動を排除し、回転移動させた場合に車体の干渉が発生する状況を説明するための図である。
【
図5】本発明においてステアリングホイールの直線移動後に回転移動させた場合に車体の干渉なしにステアリングホイールが折り畳まれる状態を説明するための図である。
【
図6】本発明によるステアリングホイールの分離斜視図である。
【
図7】本発明によるアマチュアボディとリムアセンブリを分離して示す図である。
【
図8】本発明による回転ギヤと移動ギヤの第1実施形態を拡大して示す図である。
【
図9】本発明による駆動部の結合関係を示す図である。
【
図10】本発明によってステアリングホイールが直線移動及び回転移動する過程における回転ギヤと移動ギヤとの作動関係を説明するための図である。
【
図11】本発明によってステアリングホイールが直線移動及び回転移動する過程における回転ギヤと移動ギヤとの作動関係を説明するための図である。
【
図12】本発明によってステアリングホイールが直線移動及び回転移動する過程における回転ギヤと移動ギヤとの作動関係を説明するための図である。
【
図13】本発明による回転ギヤと移動ギヤの第2実施形態を拡大して示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書又は出願に開示されている本発明の実施形態に対して、特定の構造的又は機能的説明は単に本発明による実施形態を説明するために例示されたものに過ぎず、本発明による実施形態は、様々な形態で実施でき、本明細書又は出願に説明された実施形態に限定されるものと解釈されてはならない。
【0031】
本発明による実施形態は、多様な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるので、特定の実施形態を図面に例示し、本明細書又は出願に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明の概念による実施形態を特定の開示形態に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物又は代替物を含むものと理解されるべきである。
【0032】
「第1」、「第2」等の用語は多様な構成要素の説明に使用できるが、これらの構成要素はこのような用語によって限定されてはならない。前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使われる。例えば、本発明の概念による権利範囲から逸脱することなく、第1構成要素は第2構成要素と命名でき、同様に第2構成要素も第1構成要素とも命名できる。
【0033】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いる或いは「接続されて」いると言及された場合には、該他の構成要素に直接連結又は接続されていることも意味するが、それらの間に別の構成要素が介在する場合も含むと理解されるべきである。一方、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いる或いは「直接接続されて」いると言及された場合には、それらの間に別の構成要素が介在しないと理解されるべきである。構成要素間の関係を説明する他の表現、すなわち「~間に」と「すぐに~間に」又は「~に隣り合う」と「~に直接隣り合う」等も同様に解釈されるべきである。
【0034】
本明細書で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈上明白に異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」などの用語は説示された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部分品又はこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするもので、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合わせの存在又は付加の可能性を予め排除しないものと理解されるべきである。
【0035】
また、別に定義しない限り、技術的或いは科学的用語を含んで、ここで使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般に使用される辞典に定義されている用語は、関連技術の文脈上において有する意味と一致する意味であると解釈されるべきであり、本明細書において明白に定義しない限りは、理想的又は過度に形式的な意味で解釈されない。
【0036】
また、本発明の例示的な実施形態による制御器は、車両の様々な構成要素の動作を制御するように構成されたアルゴリズム、又は前記アルゴリズムを再生するソフトウェア命令に関するデータを記憶するように構成された不揮発性メモリ(図示せず)、及び当該メモリに記憶されたデータを用いて以下に説明される動作を実行するように構成されたプロセッサ(図示せず)を介して実現できる。ここで、メモリ及びプロセッサは個別チップで実現できる。代案的には、メモリ及びプロセッサは、互いに統合された単一のチップで実現されてもよい。プロセッサは、一つ以上のプロセッサの形態を取ることができる。
【0037】
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面によって詳細に説明する。
【0038】
図1は本発明によるステアリングホイール10を示す図であり、
図2は
図1のステアリングホイール10が直線移動した状態を示す図であり、
図3は
図2のステアリングホイール10が回転移動した状態を示す図である。
【0039】
図面を参照すると、本発明のフォルダブル式ステアリングホイール10は、コラム21に連結されるアマチュアボディ20と、アマチュアボディ20に連結され、コラム21の操舵軸S1に対して半径方向に直線移動し、操舵軸S1と平行でない回転軸S2を中心に回転移動するステアリングホイール10と、ステアリングホイール10の直線移動経路及び回転移動経路を形成してアマチュアボディ20に対してステアリングホイール10を移動させる移動機構と、を含んで構成される。
【0040】
好ましくは、前記回転軸S2は、操舵軸S1と直交する方向に形成されることができる。
【0041】
例えば、アマチュアボディ20の中央下端にコラム21が結合されて車両に装着される。操舵軸S1は、ステアリングホイール10の操舵回転が行われる中心軸であって、コラム21の軸となる。
【0042】
また、操舵軸S1と直交する回転軸S2は、アマチュアボディ20の左右に設けられる軸となる。
【0043】
移動機構は、アマチュアボディ20とステアリングホイール10との間に設けられたもので、ステアリングホイール10が直線移動及び回転移動する経路を形成するように、アマチュアボディ20とステアリングホイール10とが機構的に連結される。
【0044】
つまり、コラム21の操舵軸S1を基準とする円の半径方向のうちのいずれか一方向にステアリングホイール10を直線移動させた後、左右の回転軸S2を中心にステアリングホイール10を一方向に回転移動させる。
【0045】
好ましくは、前記ステアリングホイール10は、下方に向かって直線移動し、ステアリングホイール10の下端が、アマチュアボディ20の左右に備えられた回転軸S2を中心にコクピット50の下部に向かって回転する。
【0046】
つまり、
図1の状態で操舵軸S1を中心にステアリングホイール10を下方に直線移動させることにより、
図2のようにステアリングホイール10が下方に直線移動する。
【0047】
また、回転軸S2を中心にステアリングホイール10の下端を車両の下部に向かって回転させることにより、
図3及び
図5のようにステアリングホイール10のリム部12がコクピット50の内側に進入しながら折り畳まれる。
【0048】
さらに、本発明は、ステアリングホイール10の直線移動後に回転移動してステアリングホイール10が折り畳まれる。もちろん、ステアリングホイール10を広げる場合には、上記の作動と逆に、ステアリングホイール10の回転移動後に直線移動する。
【0049】
図4は、ステアリングホイール10の直線移動を排除し、回転移動させた場合に車体の干渉が発生する状況を説明するための図であり、
図5は、本発明におけるステアリングホイール10の直線移動後に回転移動させた場合に車体の干渉なしにステアリングホイール10が折り畳まれる状態を説明するための図である。
【0050】
図面を参照すると、本発明は、コラム21の操舵軸S1に対してステアリングホイール10をいずれか一方向に直線移動させた後、操舵軸S1と平行でない左右の回転軸S2を中心にステアリングホイール10を一方向に回転移動させるように構成される。
【0051】
このとき、前記ステアリングホイール10の直線移動は、コラム21の操舵軸S1を基準とする円の半径方向における下方に行われる。
【0052】
また、前記ステアリングホイール10の回転移動は、操舵軸S1と直交する回転軸S2を中心にステアリングホイール10の下端がコクピット50の下部に向かって回転することにより行われる。
【0053】
このような構成によって、前記ステアリングホイール10の回転後にステアリングホイール10のリム部12がシュラウド40の下端に並んで位置することにより、ステアリングホイール10がシュラウド40に干渉しないように折り畳まれる。
【0054】
ステアリングホイール10の回転移動前にステアリングホイール10を下方に直線移動させる理由について説明すると、コクピット50に取り付けられたシュラウド40は、コラム21の下部を覆うカバーであって、
図4のようにステアリングホイール10を下方に直線移動させることなく回転のみを行わせると、ステアリングホイール10の下端のリム部12がシュラウド40に干渉する。
【0055】
ところが、
図5のようにステアリングホイール10を下方に所定距離直線移動させた後に回転させる場合には、ステアリングホイール10の下端のリム部12がシュラウド40に干渉しないため、ステアリングホイール10が安定的に折り畳まれる。
【0056】
したがって、ステアリングホイール10が折り畳まれながら運転席の空間確保が可能であることにより、運転者の乗り降り時又は車両の停車中に運転席内の余裕空間を確保し、これにより車室内部の空間活用性と利便性を増大させる。
【0057】
また、本発明は、エアバッグモジュール30がアマチュアボディ20に固定され、エアバッグモジュール30の位置が固定された状態でステアリングホイール10のみを移動させることができる。
【0058】
図6は本発明によるステアリングホイール10の分離斜視図であり、
図7は本発明によるアマチュアボディ20とリムアセンブリ11を分離して示す図である。
【0059】
図面を参照すると、アマチュアボディ20は、中間部分に板状の支持部20aが設けられ、支持部20aの両側に連結部20bが設けられてアマチュアボディ20が断面「U」字形の形状を成すことにより、支持部20aの上面にエアバッグモジュール30が固定される。
【0060】
支持部20aとエアバッグモジュール30との間にはホーンプレート31が組み立てられることにより、エアバッグモジュール30の押下操作時に警笛を鳴らし、ばね32によってエアバッグモジュール30の押下操作前にエアバッグモジュール30を復帰させる。
【0061】
また、移動機構によってアマチュアボディ20とステアリングホイール10とが連結されることにより、ステアリングホイール10がアマチュアボディ20に対して直線移動及び回転移動する。
【0062】
したがって、ステアリングホイール10の直線移動及び回転移動が行われても、エアバッグモジュール30はアマチュアボディ20に固定されることにより、エアバッグモジュール30の位置が変化しなくなる。このため、ステアリングホイール10が折り畳まれた状態でも、運転席のエアバッグの展開性能をそのまま維持して運転席乗客の安全性を確保する。
【0063】
一方、
図8は本発明による回転ギヤ100と移動ギヤ200の第1実施形態を拡大して示す図である。
【0064】
図面を参照すると、前記移動機構は、アマチュアボディ20とステアリングホイール10との間にギヤ噛合構造で結合された複数のギヤ部材と、ステアリングホイール10の直線移動及び回転移動する経路に沿ってステアリングホイール10の移動動作をガイドするガイド機構と、を含んで構成される。
【0065】
また、
図9は本発明による駆動部130の結合関係を示す図であって、前記アマチュアボディ20に設けられるギヤ部材に回転駆動力を提供する駆動部130をさらに含んで構成される。
【0066】
例えば、駆動部130は、モータであってもよく、ギヤボックスの形態で備えられてアマチュアボディ20の側部に組み立てられる。
【0067】
アマチュアボディ20には回転ギヤ100が設けられ、リムアセンブリ11には移動ギヤ200が備えられる。回転ギヤ100及び移動ギヤ200の構成については、再び詳細に後述する。
【0068】
これにより、前記モータが回転ギヤ100に組み立てられ、モータの回転軸S2が回転ギヤ100の回転軸S2となる。このとき、モータの回転軸S2がベアリング131によってアマチュアボディ20に挿入支持されて回転ギヤ100の揺れを防止する。
【0069】
また、前記モータは、アマチュアボディ20の両側にそれぞれ組み立てられることができるが、アマチュアボディ20の中央に一つのモータのみを設置して回転ギヤ100に組み立ててもよい。
【0070】
また、モータの作動は、制御器によって制御が行われる。
【0071】
すなわち、モータの回転駆動力が回転ギヤ100に提供されて回転ギヤ100が回転し、回転ギヤ100が回転するにつれて、回転ギヤ100に噛み合っている移動ギヤ200に回転駆動力が伝達されることにより、移動ギヤ200を移動させる。よって、モータの作動に応じてステアリングホイール10を折り畳んだり広げたりする作動を実現する。
【0072】
続いて、前記ギヤ部材は、アマチュアボディ20の側部に回転可能に結合された回転ギヤ100、及びステアリングホイール10に構成されたリムアセンブリ11の側部に固定され、ステアリングホイール10が直線移動する第1の方向a1と、これから一方側に折れ曲がる第2の方向a2に沿って連設されて回転ギヤ100に噛み合う移動ギヤ200を含んで構成される。
【0073】
図6~
図8を参照して具体的に見ると、回転ギヤ100は、円周に沿ってギヤ歯が設けられ、中央の回転軸S2を中心に回転する外接ギヤ形状に形成されている。
【0074】
このような回転ギヤ100は、アマチュアボディ20の両側部に設けられた連結部20bの側面に回転可能に備えられる。
【0075】
そして、リムアセンブリ11は、リム部12の内側面からアマチュアボディ20に向かってスポーク部13が固定されて構成される。リム部12は、皮革及びフォームによって製造された通常の円形形状に形成されることができるが、ヨークステアリングホイール形状に形成されることもでき、この他にも様々な形状に形成されることもできる。
【0076】
移動ギヤ200は、第1の方向a1と第2の方向a2に沿って「L」形状に形成され、一端がスポーク部13の先端にボルト締めされ、他端が回転ギヤ100に噛み合う。参考までに、移動ギヤ200は、スポーク部13とは別個に製造されてボルト締めされる構造で形成されてもよく、移動ギヤ200とスポーク部13とが一体的に形成されてもよい。
【0077】
これにより、移動ギヤ200が回転ギヤ100に噛み合った状態でガイド機構によって移動ギヤ200の直線移動及び回転移動する経路がガイドされる。
【0078】
すなわち、回転ギヤ100が駆動部130によって回転すると、移動ギヤ200がガイド機構を介して設けられた直線移動経路400a及び回転移動経路400bに沿って移動し、移動ギヤ200に固定されたステアリングホイール10が一緒に直線移動及び回転移動する。
【0079】
参考までに、スポーク部13にはスイッチアセンブリ14が組み立てられ、スイッチアセンブリ14の下部外観形状を保護するためにスイッチカバー15が組み立てられることができる。そして、アマチュアボディ20の外観形状を保護するために、アマチュアボディ20を包み込む形状にボディカバー23などが組み立てられることができる。
【0080】
図10乃至
図12は、本発明によるステアリングホイール10が直線移動及び回転移動する過程における回転ギヤ100と移動ギヤ200との作動関係を説明するための図である。
【0081】
図面を参照すると、前記回転ギヤ100の円周の一部に回転歯形部110が設けられ、前記回転歯形部110に続く円周部分に回転マッチング部120が設けられ、前記回転ギヤ100と対向する移動ギヤ200の第1の方向a1の縁部に沿って、回転歯形部110に噛み合う移動歯形部210が設けられ、第1の方向a1から第2の方向a2に折れ曲がって続く部分には、回転マッチング部120と対応する形状の移動マッチング部220が設けられることができる。
【0082】
具体的には、回転ギヤ100がセクタギヤ形状に形成されて回転ギヤ100の円周の一部に沿って回転歯形部110が設けられ、回転歯形部110と境界する回転ギヤ100の円周の一部に沿って突起形状の回転マッチング部120が設けられる。
【0083】
また、回転ギヤ100と対向する移動ギヤ200の第1の方向a1の一側面にラックギヤ形状の移動歯形部210が設けられ、第1の方向a1の一側面と境界する第2の方向a2の一側面には、前記回転マッチング部120と対応する溝状の移動マッチング部220が形成される。
【0084】
このため、移動歯形部210が回転歯形部110に沿って移動してステアリングホイール10が直線移動し、回転マッチング部120と移動マッチ部220とがマッチングされた状態で回転ギヤ100が回転して、回転ギヤ100の回転軸S2を中心にステアリングホイール10が回転する構造となる。
【0085】
つまり、
図10の状態でモータが一方向に作動すると、モータと連動して回転ギヤ100がその回転軸S2を中心に回転する。このとき、回転ギヤ100の回転歯形部110には、移動ギヤ200の移動歯形部210が噛み合っており、
図11に示すように、移動ギヤ200がリムアセンブリ11と共に下方に直線移動し、回転マッチング部120と移動マッチング部220とがマッチングされる状態になる。
【0086】
このように回転マッチング部120と移動マッチング部220とがマッチングされた状態でモータの作動力が印加され続けるにつれて、回転ギヤ100が移動ギヤ200を回転させることにより、
図12に示すように、リム部12の下端がコクピットの下端に進入する形態でリムアセンブリ11が回転する。
【0087】
一方、
図13は本発明による回転ギヤ100と移動ギヤ200の第2実施形態を拡大して示す図である。
【0088】
図面を参照すると、回転ギヤ100の円周に沿って回転歯形部110が設けられ、前記回転ギヤ100と対向する移動ギヤ200の第1の方向a1及び第2の方向a2の縁部に沿って、回転歯形部110に噛み合う移動歯形部210が設けられることができる。
【0089】
具体的には、回転ギヤ100がピニオンギヤ形状に形成され、円周に沿って回転歯形部110が設けられる。
【0090】
また、回転ギヤ100と対向する移動ギヤ200の第1の方向a1の一側面と、前記第1の方向a1の一側面と境界する第2の方向a2の一側面にラックギヤ形状の移動歯形部210が設けられるのはもとより、第1の方向a1と第2の方向a2との間に境界するコーナー部分にも移動歯形部210が設けられる。
【0091】
一方、
図6~
図8に示すように、前記ガイド機構は、アマチュアボディ20の側部に固定されたガイド突起部300と、移動ギヤ200にステアリングホイール10が直線移動及び回転移動する経路に沿って長孔の直線移動経路400aと回転移動経路400bが設けられ、ガイド突起部300が挿入されるガイド溝部400と、を含んで構成される。
【0092】
また、前記直線移動経路400aと回転移動経路400bとが連続的に続いて構成される。
【0093】
具体的には、前記回転ギヤ100に隣接するアマチュアボディ20の側面にガイド突起部300が突出して固定される。
【0094】
また、「L」字状に形成された移動ギヤ200の中間には、その長手方向に沿って直線移動経路400aと回転移動経路400bとが連続的に続いている「L」字状のガイド溝部400が設けられ、前記ガイド溝部400内にガイド突起部300が挿入される。
【0095】
したがって、回転ギヤ100の回転による移動ギヤ200の移動時に、
図10及び
図12に示すように、ガイド突起部300がガイド溝部400の直線移動経路400aに沿って移動ギヤ200の直線移動をガイドして移動ギヤ200の直線移動を実現する。
【0096】
また、直線移動経路400aから回転移動経路400bに転換される部分では、ガイド突起部300がガイド溝部400の回転移動経路400bに沿って移動ギヤ200の回転移動をガイドして、移動ギヤ200の回転移動を実現する。
【0097】
以下、本発明によるフォルダブル式ステアリングホイール10の作動による作用及び効果について説明する。
【0098】
図1に示すように、ステアリングホイール10が運転者に向かって広げられている一般な運転状況において、自律走行モードのようにステアリングホイール10が折り畳まれるべき運転状況に転換されると、制御器がモータに作動信号を命令してモータを回転させる。
【0099】
モータが回転すると、
図10を基準に回転ギヤ100にモータの駆動力が伝達されて回転ギヤ100が反時計回りに回転する。
【0100】
すると、ガイド突起部300がガイド溝部400の直線移動経路400a内に挿入された状態にあるので、ガイド突起部300がガイド溝部400の直線移動経路400aに沿って移動ギヤ200の直線移動をガイドし、これにより移動ギヤ200と共にリムアセンブリ11が
図2及び
図11のように下方に直線移動される。
【0101】
この状態で、モータの駆動力が持続することにより、回転ギヤ100が反時計回りに回転し続ける。
【0102】
このため、ガイド突起部300がガイド溝部400の回転移動経路400b内に進入することにより、ガイド突起部300がガイド溝部400の回転移動経路400bに沿って移動ギヤ200の回転移動をガイドし、これにより移動ギヤ200と共にリムアセンブリ11が
図3及び
図12のように反時計回りに90°回転移動する。
【0103】
このため、ステアリングホイール10のリム部12がコクピット50の内側のシュラウド40の下端に進入しながら折り畳まれることにより、運転席の空間確保が可能となる。
【0104】
したがって、運転者の乗り降り時、車両の停車中又は自律走行中に運転席内の余裕空間を確保し、これにより車室内部の空間活用性と利便性を増大させる。
【0105】
さらに、ステアリングホイール10の直線移動及び回転移動が行われても、エアバッグモジュール30は固定された状態を維持することにより、ステアリングホイール10が折り畳まれた状態でも運転席のエアバッグの展開性能をそのまま維持して運転席乗客の安全性を確保する。
【0106】
一方、本発明は、上述した具体的な例についてのみ詳細に説明されたが、本発明の技術思想の範囲内で多様な変形及び修正が可能であるのは当業者にとって明白なことであり、それらの変形及び修正も特許請求の範囲に属するのは当たり前のことであろう。
【符号の説明】
【0107】
10 ステアリングホイール
11 リムアセンブリ
12 リム部
13 スポーク部
20 アマチュアボディ
20a 支持部
20b 連結部
21 コラム
30 エアバッグモジュール
40 シュラウド
50 コクピット
100 回転ギヤ
110 回転歯形部
120 回転マッチング部
130 駆動部
200 移動ギヤ
210 移動歯形部
220 移動マッチング部
300 ガイド突起部
400 ガイド溝部
400a 直線移動経路
400b 回転移動経路
S1 操舵軸
S2 回転軸
a1 第1の方向
a2 第2の方向