(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164251
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】表示装置及び入力装置
(51)【国際特許分類】
H01H 9/18 20060101AFI20231102BHJP
H01H 13/02 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
H01H9/18 B
H01H13/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022170883
(22)【出願日】2022-10-25
(31)【優先権主張番号】P 2022074482
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】紺谷 雅樹
(72)【発明者】
【氏名】増谷 武
【テーマコード(参考)】
5G052
5G206
【Fターム(参考)】
5G052AA23
5G052AA35
5G052BB01
5G052JA02
5G052JA09
5G052JB05
5G052JC04
5G206AS33H
5G206AS33J
5G206AS35H
5G206AS35Q
5G206AS46H
5G206AS46Q
5G206CS01H
5G206DS11H
5G206DS11Q
5G206GS11
5G206GS18
5G206NS04
5G206QS02
5G206QS09
5G206RS04
5G206RS24
5G206RS32
(57)【要約】
【課題】触感に対する違和感が低減された表示装置等を提供する。
【解決手段】表示装置は、光透過性を有する表皮11と、光透過性を有し、表皮11の表面側又は裏面側に配置される意匠シート12と、光透過性を有し、表皮11の裏面側に配置されるクッション層13と、クッション層13の裏面側に配置される光源33と、を備える。クッション層13は、表皮11及び意匠シート12の積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、積層方向と直交する基準線に対して積層方向における第1向きに凸形状であり凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部13aと、第1凹部13aと接続され、基準線に対して積層方向における第1向きと反対側の第2向きに凸形状であり、凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部13bとを複数有する。第1凹部13aと第2凹部13bとは、第1方向に沿って、交互に配置される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光透過性を有する表皮と、
光透過性を有し、前記表皮の表面側又は裏面側に配置される意匠部と、
光透過性を有し、前記表皮の前記裏面側に配置されるクッション層と、
前記クッション層の裏面側に配置される光源と、を備え、
前記クッション層は、前記表皮及び前記意匠部の積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記積層方向に凸形状であり前記凸形状の裏側が凹形状となる複数の凹部を有し、
前記複数の凹部は、前記積層方向と交差する第1方向と平行な基準線に対して前記積層方向における第1向きに凸形状であり前記第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部と、前記第1凹部と接続され、前記基準線に対して前記積層方向における前記第1向きと反対側の第2向きに凸形状であり前記第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部と、を含み、
前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記第1方向に沿って、交互に配置される、
表示装置。
【請求項2】
交互に配置された前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、波状に形成される
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記クッション層は、前記第1方向に沿って配置された複数の前記第1凹部及び前記第2凹部が、前記表示装置の平面視における前記第1方向と交差する第2方向に延在する第1波状部材を有する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記クッション層は、さらに、前記第2方向に沿って、前記第1凹部と前記第2凹部とが交互に配置されるように形成され、前記第2方向に沿って配置された複数の前記第1凹部及び前記第2凹部が、前記表示装置の平面視における前記第2方向と交差する第3方向に延在し、前記第1波状部材と重なるように配置される第2波状部材を備える
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第1方向と前記第2方向とは、前記表示装置の平面視において、直交し、
前記第2方向と前記第3方向とは、前記表示装置の平面視において、直交し、
前記第1方向と前記第3方向とは、同じ方向である
請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1波状部材における隣り合う前記第1凹部又は隣り合う前記第2凹部のピッチをp1とすると、前記第1波状部材における、前記第1凹部の頂部と前記第2凹部の頂部との前記積層方向の長さは前記p1未満であり、
前記第2波状部材における隣り合う前記第1凹部又は隣り合う前記第2凹部のピッチをp2とすると、前記第2波状部材における、前記第1凹部の頂部と前記第2凹部の頂部との前記積層方向の長さは前記p2未満である
請求項4に記載の表示装置。
【請求項7】
前記クッション層は、前記表示装置の平面視において、それぞれが2次元状に配置された複数の前記第1凹部及び複数の前記第2凹部を有する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項8】
前記クッション層は、前記積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記第1方向に沿って、前記第1凹部と前記第2凹部とが交互に配置されるとともに、前記表示装置の平面視における前記第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置される前記第1凹部と前記第2凹部とをさらに有し、
前記第2方向に沿って配置される前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記第1方向に沿う前記第1凹部及び前記第2凹部と前記基準線の前記積層方向の位置が異なっており、
前記第1方向に沿って配置される前記第1凹部と、前記第2方向に沿って配置される前記第2凹部とが接続されている
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第2向きは、前記クッション層から前記表皮側に向かう向きであり、
前記第2凹部の頂部は平面である
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項10】
前記クッション層は、前記表示装置の平面視において、前記意匠部に形成された意匠と重畳する第一部分と、前記第一部分の周囲の第二部分とを有し、
前記第一部分の光透過率は、前記第二部分の光透過率より高い
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第一部分は、透明、又は光透過のある着色をされており、
前記第二部分は、遮光性を有する
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
隣り合う前記第1凹部の間に、遮光性のあるシートが配置される
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項13】
前記意匠部は、前記積層方向から見て、2以上の前記第1凹部及び前記第2凹部と重畳するように配置される
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項14】
前記クッション層は、光透過性を有するシリコンゴムで形成される
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項15】
前記クッション層は、前記シリコンゴムと屈折率が異なる光拡散粒子を含む
請求項14に記載の表示装置。
【請求項16】
前記意匠部は、光透過性を有するシリコンゴムと、前記シリコンゴムと屈折率が異なる光拡散粒子とを含む
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項17】
前記意匠部は、意匠を形成する印刷層を有する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項18】
前記意匠部は、意匠を形成する意匠シートを有する
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項19】
前記第1凹部又は前記第2凹部は、前記表示装置の平面視において、四角形、六角形、又は、円形である
請求項1又は2に記載の表示装置。
【請求項20】
請求項1又は2に記載の表示装置と、
前記クッション層の裏面側に配置され、ユーザからの操作を検知する検知部と、を備える
入力装置。
【請求項21】
前記クッション層は、前記表皮への押圧により圧縮変形する
請求項20に記載の入力装置。
【請求項22】
前記検知部は、前記クッション層が圧縮変形した状態で、さらに、前記表皮への押圧がなされた場合に前記ユーザからの操作を検知する
請求項20に記載の入力装置。
【請求項23】
前記検知部は、前記クッション層の前記表皮が配置される面とは反対側の面に、操作位置を検出する光透過性のセンサフィルムを有し、
前記入力装置は、さらに、
前記センサフィルムと前記光源との間に配置され、前記意匠部に形成された意匠に対応する位置に貫通孔を有する板状のフレームと、
前記センサフィルムと前記フレームとの間に配置され、光透過性の保護層とを備える
請求項20に記載の入力装置。
【請求項24】
前記保護層は、光拡散粒子を含む
請求項23に記載の入力装置。
【請求項25】
前記クッション層に振動を伝達する振動デバイスをさらに備え、
前記振動デバイスは、前記クッション層の少なくとも面方向に振動する
請求項20に記載の入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示装置及び入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等の車両には、所望の表示を行う表示装置、運転者等のユーザからの入力を受け付ける入力装置等が搭載される。例えば、特許文献1には、ユーザが操作した際に柔らかい操作感覚を感じさせることができるスイッチ装置(入力装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示装置及び入力装置は、ユーザが触れた際の触感に対する違和感をユーザに与えないことが望まれる場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、触感に対する違和感が低減された表示装置及び入力装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る表示装置は、光透過性を有する表皮と、光透過性を有し、前記表皮の表面側又は裏面側に配置される意匠部と、光透過性を有し、前記表皮の前記裏面側に配置されるクッション層と、前記クッション層の裏面側に配置される光源と、を備え、前記クッション層は、前記表皮及び前記意匠部の積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記積層方向に凸形状であり前記凸形状の裏側が凹形状となる複数の凹部を有し、前記複数の凹部は、前記積層方向と交差する第1方向と平行な基準線に対して前記積層方向における第1向きに凸形状であり前記第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部と、前記第1凹部と接続され、前記基準線に対して前記積層方向における前記第1向きと反対側の第2向きに凸形状であり前記第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部と、を含み、前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記第1方向に沿って、交互に配置される。
【0007】
本開示の一態様に係る入力装置は、上記の表示装置と、前記クッション層の裏面側に配置され、ユーザからの操作を検知する検知部と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本開示の一態様によれば、触感に対する違和感が低減された表示装置等を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る入力装置の外観の一例を示す斜視図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る入力装置を示す分解斜視図である。
【
図3】
図3は、実施の形態に係る表皮部を示す分解斜視図である。
【
図4】
図4は、実施の形態に係るフレーム部を示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る入力装置を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施の形態に係るクッション層を示す断面斜視図である。
【
図7】
図7は、実施の形態に係るクッション層を示す斜視図である。
【
図8】
図8は、実施の形態に係る入力装置の機能構成を示すブロック図である。
【
図9】
図9は、実施の形態の変形例1に係るクッション層を示す斜視図である。
【
図10A】
図10Aは、
図9に示すXa-Xa切断線で切断した、実施の形態の変形例1に係るクッション層を示す断面図である。
【
図10B】
図10Bは、
図9に示すXb-Xb切断線で切断した、実施の形態の変形例1に係るクッション層を示す断面図である。
【
図11】
図11は、実施の形態の変形例2に係るクッション層を示す斜視図である。
【
図12】
図12は、実施の形態の変形例3に係るクッション層を示す断面斜視図である。
【
図13】
図13は、実施の形態の変形例4に係るクッション層の構成を示す平面図である。
【
図14】
図14は、実施の形態の変形例5に係るクッション層の空間に配置される遮光シートを示す断面図である。
【
図15】
図15は、実施の形態の変形例6に係るクッション層を示す断面図である。
【
図16】
図16は、実施の形態の変形例7に係る入力装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示の一態様に係る表示装置は、光透過性を有する表皮と、光透過性を有し、前記表皮の表面側又は裏面側に配置される意匠部と、光透過性を有し、前記表皮の前記裏面側に配置されるクッション層と、前記クッション層の裏面側に配置される光源と、を備え、前記クッション層は、前記表皮及び前記意匠部の積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記積層方向に凸形状であり前記凸形状の裏側が凹形状となる複数の凹部を有し、前記複数の凹部は、前記積層方向と交差する第1方向と平行な基準線に対して前記積層方向における第1向きに凸形状であり前記第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部と、前記第1凹部と接続され、前記基準線に対して前記積層方向における前記第1向きと反対側の第2向きに凸形状であり前記第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部と、を含み、前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記第1方向に沿って、交互に配置される。
【0011】
これにより、クッション層には積層方向に凹凸形状を有しているので、表皮が押圧されたときに当該クッション層が圧縮変形しやすくなり、ユーザに柔らかい触感を与えることができる。また、複数の第1凹部及び第2凹部が形成されることで、当該第1凹部及び第2凹部が形成されている部分の触感を同様にすることができる。つまり、触感に対する違和感が低減された表示装置を実現することができる。
【0012】
また、例えば、交互に配置された前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、波状に形成されてもよい。
【0013】
これにより、波状のクッション層を用いるので、クッション層を透過した光における、クッション層の形状に起因する輝度ムラ(意匠ムラ)が発生することを抑制することができる。よって、輝度ムラの発生を抑制しつつ、触感に対する違和感が低減された表示装置等を実現できる。
【0014】
また、例えば、前記クッション層は、前記第1方向に沿って配置された複数の前記第1凹部及び前記第2凹部が、前記表示装置の平面視における前記第1方向と交差する第2方向に延在する第1波状部材を有してもよい。
【0015】
これにより、クッション層として波状の板状部材を用いて、触感に対する違和感が低減された表示装置等を実現できる。
【0016】
また、例えば、前記クッション層は、さらに、前記第2方向に沿って、前記第1凹部と前記第2凹部とが交互に配置されるように形成され、前記第2方向に沿って配置された複数の前記第1凹部及び前記第2凹部が、前記表示装置の平面視における前記第2方向と交差する第3方向に延在し、前記第1波状部材と重なるように配置される第2波状部材を備えてもよい。
【0017】
これにより、触感に対する違和感が低減された表示装置を実現できる。
【0018】
また、例えば、前記第1方向と前記第2方向とは、前記表示装置の平面視において、直交し、前記第2方向と前記第3方向とは、前記表示装置の平面視において、直交し、前記第1方向と前記第3方向とは、同じ方向であってもよい。
【0019】
これにより、触感に対する違和感が低減された表示装置を実現できる。
【0020】
また、例えば、前記第1波状部材における隣り合う前記第1凹部又は隣り合う前記第2凹部のピッチをp1とすると、前記第1波状部材における、前記第1凹部の頂部と前記第2凹部の頂部との前記積層方向の長さは前記p1未満であり、前記第2波状部材における隣り合う前記第1凹部又は隣り合う前記第2凹部のピッチをp2とすると、前記第2波状部材における、前記第1凹部の頂部と前記第2凹部の頂部との前記積層方向の長さは前記p2未満であってもよい。
【0021】
これにより、1つの波状部材の高さが小さいので、成形がしやすい。つまり、生産性が向上する。
【0022】
また、例えば、前記クッション層は、前記表示装置の平面視において、それぞれが2次元状に配置された複数の前記第1凹部及び複数の前記第2凹部を有してもよい。
【0023】
これにより、触感に対する違和感をより低減することができる。
【0024】
また、例えば、前記クッション層は、前記積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記第1方向に沿って、前記第1凹部と前記第2凹部とが交互に配置されるとともに、前記表示装置の平面視における前記第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置される前記第1凹部と前記第2凹部とをさらに有し、前記第2方向に沿って配置される前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記第1方向に沿う前記第1凹部及び前記第2凹部と前記基準線の前記積層方向の位置が異なっており、前記第1方向に沿って配置される前記第1凹部と、前記第2方向に沿って配置される前記第2凹部とが接続されてもよい。
【0025】
これにより、触感に対する違和感をより低減することができる。
【0026】
また、例えば、前記第2向きは、前記クッション層から前記表皮側に向かう向きであり、前記第2凹部の頂部は平面であってもよい。
【0027】
これにより、第2凹部の部分と、隣り合う第2凹部の間の部分とにおける触感の違いを低減することができるので、触感に対する違和感をさらに低減することができる。
【0028】
また、例えば、前記クッション層は、前記表示装置の平面視において、前記意匠部に形成された意匠と重畳する第一部分と、前記第一部分の周囲の第二部分とを有し、前記第一部分の光透過率は、前記第二部分の光透過率より高くてもよい。
【0029】
これにより、意匠が明るく表示されるので、意匠の見栄えを改善することができる。
【0030】
また、例えば、前記第一部分は、透明、又は光透過のある着色をされており、前記第二部分は、遮光性を有してもよい。
【0031】
これにより、意匠を所望の色で表示することができる。
【0032】
また、例えば、隣り合う前記第1凹部の間に、遮光性のあるシートが配置されてもよい。
【0033】
これにより、隣り合う第1凹部のうち一方の第1凹部に入射した光が他方の凹部から漏れ出てしまうことを抑制することができるので、意匠の見栄えを改善することができる。
【0034】
また、例えば、前記意匠部は、前記積層方向から見て、2以上の前記第1凹部及び前記第2凹部と重畳するように配置されてもよい。
【0035】
これにより、第1凹部及び第2凹部のいずれの箇所が押圧されても同様の触感をユーザに与えることができる。よって、触感に対する違和感がさらに低減された表示装置を実現することができる。
【0036】
また、例えば、前記クッション層は、光透過性を有するシリコンゴムで形成されてもよい。
【0037】
これにより、シリコンゴムを成形等することで、容易にクッション層を作製することができる。
【0038】
また、例えば、前記クッション層は、前記シリコンゴムと屈折率が異なる光拡散粒子を含んでもよい。また、例えば、前記意匠部は、光透過性を有するシリコンゴムと、前記シリコンゴムと屈折率が異なる光拡散粒子とを含んでもよい。
【0039】
これにより、クッション層により生じる輝度ムラを抑制することができるので、意匠の見栄えをさらに改善することができる。
【0040】
また、例えば、前記意匠部は、意匠を形成する印刷層を有してもよい。
【0041】
これにより、意匠部を印刷といった簡易な方法で作製することができる。
【0042】
また、例えば、前記意匠部は、意匠を形成する意匠シートを有してもよい。
【0043】
これにより、車種等に応じて意匠を替える場合に、表皮を替えずに意匠シートを差し替えるだけで対応可能である。また、意匠シートがあることでクッション性を持たせることができる。よって、触感に対する違和感がさらに低減され、かつ、車種等に応じた意匠を容易に実現可能な表示装置を実現することができる。
【0044】
また、例えば、前記第1凹部又は前記第2凹部は、前記表示装置の平面視において、四角形、六角形、又は、円形であってもよい。
【0045】
これにより、四角形、六角形、又は、円形といった単純な形状の第1凹部又は第2凹部により、ユーザに柔らかい触感を与えることができる。
【0046】
また、本開示の一態様に係る入力装置は、上記の表示装置と、前記クッション層の裏面側に配置され、ユーザからの操作を検知する検知部と、を備える。
【0047】
これにより、上記の表示装置と同様の効果を奏する。
【0048】
また、例えば、前記クッション層は、前記表皮への押圧により圧縮変形してもよい。
【0049】
これにより、クッション層が押圧により圧縮変形するので、操作時にユーザに柔らかい触感を与えることができる入力装置を実現することができる。
【0050】
また、例えば、前記検知部は、前記クッション層が圧縮変形した状態で、さらに、前記表皮への押圧がなされた場合に前記ユーザからの操作を検知してもよい。
【0051】
これにより、クッション層が圧縮変形した場合に、ユーザの操作を検知することができるので、ユーザの操作を検知する前に、柔らかい触感を与えることができる。また、入力装置がユーザの表皮への操作中に、ユーザの触力覚に刺激を与える振動デバイスを備える場合、当該振動デバイスによる振動がクッション層により吸収されることを抑制することができる。
【0052】
また、例えば、前記検知部は、前記クッション層の前記表皮が配置される面とは反対側の面に、操作位置を検出する光透過性のセンサフィルムを有し、前記入力装置は、さらに、前記センサフィルムと前記光源との間に配置され、前記意匠部に形成された意匠に対応する位置に貫通孔を有する板状のフレームと、前記センサフィルムと前記フレームとの間に配置され、光透過性の保護層とを備えてもよい。
【0053】
これにより、検知部への押圧操作時の応力集中が保護層により緩和されるので、高信頼性を有する入力装置を実現することができる。
【0054】
また、例えば、前記保護層は、光拡散粒子を含んでもよい。
【0055】
これにより、あらかじめ拡散した光がクッション層に至るので、クッション層により生じる輝度ムラを抑制することができ、意匠の見栄えをさらに改善することができる。
【0056】
また、例えば、前記クッション層に振動を伝達する振動デバイスをさらに備え、前記振動デバイスは、前記クッション層の少なくとも面方向に振動してもよい。
【0057】
これにより、押圧操作に伴うクッション層の圧縮変形により、振動デバイスが発生する振動がクッション層の厚さ方向において吸収されても、クッション層の面(水平)方向の振動が伝わるので、クッション層で吸収される振動を抑制できる。つまり、ユーザの指に、より確実に振動を伝達することが可能になる。
【0058】
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的又は具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態等は、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。
【0059】
また、本明細書において、同じ、平行等の要素間の関係性を示す用語、及び、矩形状、円形状等の要素の形状を示す用語、並びに、数値は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度(例えば、10%程度)の差異をも含むことを意味する表現である。
【0060】
また、以下の実施の形態で説明に用いられる図面においては座標軸が示される場合がある。Z軸は入力装置の各構成要素が積層される積層方向を示す。また、X軸方向及びY軸方向は、Z軸方向に垂直な平面上において、互いに直交する方向である。また、以下の実施の形態等において、「平面視」とは、Z軸方向から見ることを意味し、「断面視」とは、積層方向(Z軸方向)と平行な面で切断した切断面を見ることを意味する。
【0061】
また、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞は、特に断りの無い限り、構成要素の数又は順序を意味するものではなく、同種の構成要素の混同を避け、区別する目的で用いられている。
【0062】
(実施の形態)
[1.入力装置の全体構成]
まず、本実施の形態に係る入力装置1の全体構成について、
図1及び
図2を参照しながら説明する。
図1は、本実施の形態に係る入力装置1の外観の一例を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る入力装置1を示す分解斜視図である。
【0063】
図1に示すように、入力装置1は、入力装置1が搭載された物体(例えば、自動車等の車両)が備える機器を制御するための操作の入力を受け付ける装置である。具体的には、入力装置1は、ユーザからの表皮部10の表面に対する押し込み操作(以降、単に操作とも記載する)を受け付ける。
【0064】
機器は、物体が車両である場合、車載機器であり、例えば、カーナビゲーションシステム、光ディスクを再生するためのオーディオ機器、映像再生機器、空調機器等であるが、これに限定されない。
【0065】
なお、入力装置1が搭載される物体は、車両であることに限定されない。入力装置1は、ユーザからの操作を受け付ける物体に搭載されていればよく、例えば、家電機器等に搭載されてもよい。
【0066】
図1及び
図2に示すように、入力装置1は、表皮部10と、本体部20と、フレーム部30と、振動デバイス40と、板バネ50と、シャーシ60と、メイン基板70と、上側カバー80と、下側カバー90とを備える。
【0067】
表皮部10は、所定の意匠が表示され、かつ、ユーザからの操作を受け付けるユーザインターフェースである。ユーザは、表皮部10に対して操作をすることで、車両が備える機器を制御することができる。表皮部10は、例えば、板状の部材であり、ユーザからの操作により押圧される。
【0068】
所定の意匠は、例えば、入力装置1が搭載される車両が備える各種機器を制御するための意匠である。
図1では、表皮部10が表示する意匠が複数ある例を示しているが、表示する意匠は1つであってもよい。また、表皮部10は、意匠が表示されている第一領域10a及び意匠が表示されていない第二領域10bを有する。
【0069】
第一領域10aは、入力装置1においてスイッチとして機能するスイッチ部である。つまり、入力装置1におけるスイッチ部は、意匠が表示されている部分である。ユーザは、制御したい機器に応じた第一領域10aを操作することで、当該機器を制御する。なお、
図1では、一例として1つの第一領域10aを破線の枠で示しているが、第一領域10aの形状はこれに限定されない。
【0070】
第二領域10bは、入力装置1においてスイッチとして機能しない非スイッチ部である。ユーザが第二領域10bを操作しても、機器は制御されない。第二領域10bは、第一領域10aの周囲の領域(意匠の周囲の領域)、又は、隣り合う第一領域10aの間の領域(意匠に挟まれた領域)である。第二領域10bは、ユーザが機器を制御する目的で操作しない領域であるとも言える。
【0071】
入力装置1は、アームレスト、コンソール等の、ユーザが意図せずに入力装置1に触れやすい場所に配置され得る。つまり、表皮部10は、ユーザが機器を操作するとき以外にも、ユーザに触れられ得る。例えば、ユーザが手をアームレスト等に置く場合にも、表皮部10はユーザに触れられ得る。
【0072】
表皮部10は、ユーザが機器を制御する目的以外で表皮部10に触れる場合、第一領域10aだけでなく、第二領域10bもユーザにより触れられ得る。例えば、第二領域10bは、ユーザにより第一領域10aと同時に触れられ得る。このとき、第一領域10aと第二領域10bとで触感(手触り)が異なると、ユーザは触感に対する違和感を感じることがある。そこで、本実施の形態に係る表皮部10は、第一領域10aと第二領域10bとで同様の触感を得られるように構成される。なお、表皮部10の構成は、後述する。
【0073】
表皮部10は、例えば、ネジ15等の締結部材により、本体部20に固定される。
【0074】
本体部20は、表皮部10を保持し、かつ、フレーム部30と、振動デバイス40と、板バネ50と、シャーシ60と、メイン基板70とを収容する枠状の部材である。本実施の形態では、本体部20は、表皮部10が操作されたときに、表皮部10(例えば、表皮11)とフレーム部30(例えば、
図4に示すフレーム32)とが積層する方向(Z軸方向)に可動するよう(移動可能)にフレーム部30(例えば、フレーム32)を保持する。本体部20は、枠部21と、一対の規制部22とを有する。
【0075】
枠部21は、枠状の部材であり、フレーム部30と、振動デバイス40と、板バネ50と、シャーシ60と、メイン基板70とを収容可能な大きさ及び厚み(Z軸方向の長さ)を有する。
【0076】
一対の規制部22は、枠部21の開口の一方側(本実施の形態では、Z軸プラス側)の端部それぞれに設けられる。一対の規制部22に挟まれた領域には開口23が形成される。開口23は、平面視において、枠部21と一対の規制部22とで囲まれる領域である。また、開口23は、例えば、平面視において、表皮部10の表皮11と等しい大きさであってもよい。開口23は、表皮部10が配置されるための開口である。
【0077】
本体部20は、一対の規制部22と一対の上側カバー80とにより表皮部10のX軸方向の両端を挟むことにより表皮部10を保持する。開口23は、例えば、表皮部10により塞がれる。
【0078】
本体部20は、樹脂、金属等により形成されるが、これに限定されない。また、枠部21と、一対の規制部22とは、例えば一体形成されているが、これに限定されない。
【0079】
フレーム部30は、ユーザにより表皮部10が操作されたときに表皮部10とフレーム部30とが積層する方向(Z軸方向)に可動可能に本体部20に保持され、ユーザの表皮部10への操作に伴いZ軸方向に移動する。フレーム部30は、第一領域10a及び第二領域10bのいずれが操作されても、Z軸マイナス方向に移動するように本体部20に保持される。フレーム部30は、例えば、フレーム部30を支持する板バネ50を押し込むことにより、振動デバイス40、シャーシ60及び後述する押込検知部(
図5に示す押込検知部100を参照)に対して相対的にZ軸マイナス方向に移動する。フレーム部30は、例えば、板状であり、表皮部10と平行な状態で本体部20に保持される。
【0080】
フレーム部30は、表皮部10と板バネ50との間に配置され、板バネ50によりZ軸プラス側に押される。また、フレーム部30は、フレーム部30のX軸方向の両端が本体部20の一対の規制部22と当接することで、Z軸プラス方向への動きが規制される。フレーム部30は、一対の規制部22及び板バネ50により、フレーム部30のZ軸方向における初期位置が決定される。初期位置は、表皮部10がユーザにより操作されていない状態でのZ軸方向の位置を示す。なお、フレーム部30の構成は、後述する。
【0081】
振動デバイス40は、ユーザの表皮部10への操作中に、ユーザの触力覚に刺激を与える触力覚提示部の一例である。振動デバイス40は、例えば、表皮部10を操作したユーザに振動により触力覚を与える。振動デバイス40は、フレーム部30(例えば、フレーム32)と機械的に接続されており、フレーム部30及び表皮部10を介して、表皮部10を操作したユーザに振動により触力覚を与える。ここでの機械的に接続されるとは、振動デバイス40の振動がフレーム部30に伝わり、当該フレーム部30が振動デバイス40の振動に応じて振動可能であることを意味する。本実施の形態では、振動デバイス40は、フレーム部30に直接固定されている。
【0082】
振動デバイス40は、振動を発生させる振動子を含んで構成される。振動子は、例えば、圧電体で構成された圧電素子であってもよいし、モータ、ソレノイド、ボイスコイル等、電磁的に動作する構成であってもよい。また、振動子は、リニアレゾナントアクチュエータ、人工筋肉、形状記憶アクチュエータ等であってもよい。
【0083】
振動デバイス40は、平面視においてフレーム部30と重なる位置であり、かつ、フレーム部30に対して表皮部10と反対側(フレーム部30のZ軸マイナス側)に配置される。振動デバイス40は、例えば、フレーム部30とシャーシ60との間に配置される。振動デバイス40は、例えば、平面視において、フレーム部30の中央付近に配置される。
【0084】
なお、ユーザに与える触力覚は、振動に限らず、他の力覚又は摩擦感等の触力覚であってもよいし、電流刺激等の感覚神経に与える触力覚であってもよい。感覚神経に触力覚を与える素子は、静電方式の摩擦感を発生する素子等であってもよい。また、ユーザに与える触力覚は、例えば、非接触で与えられる触力覚であってもよい。非接触で触力覚を与える素子は、超音波又は空気流を発生する素子等であってもよい。
【0085】
板バネ50は、フレーム部30の表皮部10とは反対側(Z軸マイナス側)に配置され、フレーム部30と当接し、当該フレーム部30を表皮部10側(Z軸プラス側)に押し上げるための弾性体である。また、板バネ50は、表皮部10が操作されることで撓み、フレーム部30のZ軸マイナス方向への移動を可能とする。板バネ50は、例えば、振動デバイス40によるフレーム部30の振動が遮られない程度の弾性力を有するが、弾性力はこれに限定されない。
【0086】
板バネ50は、例えば、枠状の部材であり、フレーム部30の周縁部と当接してもよい。また、板バネ50には、振動デバイス40を配置するための開口51が形成されている。
【0087】
板バネ50には、ネジ穴52が形成される。板バネ50は、例えば、ネジ53等の締結部材により、シャーシ60に固定される。さらに、板バネ50は、例えば、ネジ54等の締結部材によって、フレーム部30に固定される。
【0088】
シャーシ60は、板状の部材であり、板バネ50が固定される。シャーシ60には、振動デバイス40を配置するための開口61が形成されている。また、シャーシ60には、開口61を挟むように突出する凸部62が設けられる。また、シャーシ60には、ネジ穴63が形成される。シャーシ60は、例えば、ネジ64等の締結部材により本体部20に固定される。
【0089】
メイン基板70は、各種電子部品等が実装される基板である。メイン基板70は、例えば、入力装置1が備える各構成要素を制御するための制御部(例えば、
図8に示す制御部110)を実現するための制御回路等が実装される。メイン基板70は、例えば、シャーシ60の表皮部10と反対側(Z軸マイナス側)に配置される。メイン基板70は、板状の部材であるが、これに限定されない。
【0090】
上側カバー80は、平面視において、表皮部10のX軸方向の両端を覆う部材である。上側カバー80は、例えば、板状の部材であり、表皮部10及び上側カバー80が本体部20に取り付けられた状態で、表皮部10の表面と面一となる。上側カバー80の形状は、一対の規制部22の平面視形状に応じて、適宜決定される。上側カバー80は、例えば、ゴムにより形成されるが、樹脂材料により形成されてもよい。
【0091】
下側カバー90は、本体部20の枠部21の開口の他方側(本実施の形態では、Z軸マイナス側)の開口を塞ぐためのカバーである。下側カバー90は、樹脂、金属等により構成されるが、これに限定されない。下側カバー90は、本体部20と同じ材料で構成されていてもよい。なお、
図2では、下側カバー90の図示を省略している。
【0092】
このような入力装置1は、ユーザの表皮部10への操作によりフレーム部30がZ軸マイナス方向へ移動する。入力装置1は、フレーム部30のZ軸マイナス側に配置された押込検知部100が当該フレーム部30の移動を検出することにより、ユーザの表皮部10への操作を検出する。したがって、押込検知部100は、ユーザからの操作を検知する検知部の一部である。また、振動デバイス40は、フレーム部30(例えば、フレーム32)と機械的に接続されており、押込検知部100が当該フレーム部30の移動を検出した場合に振動することで、フレーム部30及び表皮部10を介してユーザに振動を与える。フレーム部30の移動を検出とは、表皮部10が操作されたことを検出することを意味する。
【0093】
なお、振動デバイス40及び上側カバー80は、必須の構成ではない。また、入力装置1は、後述するように押込検知部100としてタクトスイッチを用いているので、振動デバイス40を設けずにタクトスイッチのみを備えていてもよい。タクトスイッチは、例えば、メタルドームを有する。メタルドームは、ステンレス等で形成された皿バネであり、ユーザに触力覚を与えることができる。つまり、タクトスイッチは、メタルドームによりユーザに操作感を与えることができる。なお、タクトスイッチは、押込検知部100の一例である。また、本実施の形態では、押込検知部100としてタクトスイッチを用い、かつ、振動デバイス40を備える構成を説明する。この構成により、メタルドームでは表現できない触力覚をユーザに与えることができる。また、メタルドームを備えないタクトスイッチの場合、振動デバイス40を備える構成とすることで、ユーザに触力覚を与えることができる。
【0094】
なお、入力装置1は、押込検知部100を備えていなくてもよい。押込検知部100を備えていない入力装置1は、ユーザの操作を検知する機能(スイッチ機能)を有しておらず、所望の表示(例えば、アラート表示等)を行う表示装置として機能する。
【0095】
[2.表皮部の構成]
次に、表皮部10の構成について、さらに
図3を参照しながら説明する。
図3は、本実施の形態に係る表皮部10を示す分解斜視図である。
【0096】
図3に示すように、表皮部10は、表皮11と、意匠部と、クッション層13と、枠体14とを有する。意匠部は、意匠シート12を有する。本実施の形態では、表皮11と、意匠シート12と、クッション層13とがこの順に積層される。つまり、表皮部10は、表皮11とクッション層13とにより、意匠シート12を挟む構成を有する。また、表皮11と、意匠シート12と、クッション層13とにより加飾層が構成される。
【0097】
表皮11は、入力装置1の表面を構成し、ユーザが直接触れる部分である。本実施の形態では、表皮11は、ユーザが意匠を視認可能なように光透過性を有する。表皮11は、平面視において、意匠シート12において意匠が形成された部分(例えば、透過部12b1)と、意匠が形成されていない部分(例えば、遮光部12b2)との両方をシート部12aの表面(Z軸プラス側の面)側から覆う。表皮11は、例えば、平面視において、意匠シート12の全体を覆う。表皮11は、例えば、透過部12b1を覆う部分と遮光部12b2を覆う部分とが一体形成されている。また、表皮11のうちユーザが触れる部分は、例えば、板状に形成される。また、表皮11は、後述する複数の第1凹部13a及び第2凹部13b(
図5を参照)を一括して覆うように構成される。なお、本明細書において、光透過性を有するとは、後述する遮光性を有する部分より相対的に透過率が高いことを意味し、例えば、透過率が10%以上であることを意味してもよいし、透過率が30%以上であることを意味してもよいし、透過率が50%以上であることを意味してもよい。
【0098】
表皮11は、例えば、入力装置1が配置される部分の触感に応じた触感を再現可能な材質により構成される。表皮11は、例えば、入力装置1が配置される部分の材質(例えば、内装材の材質)に応じた材質により構成されるとよい。表皮11は、革調の材質(例えば、本革)で形成された部分に埋め込まれて配置される場合、例えば、光透過性を有する人工皮革等により構成される。表皮11は、例えば、不織布にウレタン樹脂を含侵して構成されてもよいし、ウレタン系の熱可塑性エラストマにより構成されてもよい。
【0099】
意匠シート12は、意匠部を構成するものであって、表皮11と、フレーム部30との間、より具体的には、表皮11とクッション層13との間に配置され、所定の意匠が形成される層である。本実施の形態では、意匠シート12は、シート部12aと、シート部12a上に形成される意匠層12bとを有する。
【0100】
シート部12aは、意匠層12bが形成されるベースとなる部材であり、例えば、光透過性を有する板状の部材である。シート部12aは、光透過性を有する材質により形成される。シート部12aの材質は、クッション層13の材質と同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、シート部12aは、表皮11より柔軟性があり、かつ、印刷性がよい材質により形成されてもよい。また、シート部12aは、表皮11より反発力が小さい材質により形成されてもよい。シート部12aは、光透過性を有するゴムを含んで形成される。本実施の形態では、シート部12aは、透明なシリコンゴムにより形成されるシリコンゴムシートである。シート部12aがシリコンゴムシートであることにより、シート部12a上に印刷により意匠層12bを形成しやすい。なお、シート部12aは、印刷性の低下を抑制する観点から、空隙を有していないとよい。なお、本明細書において、透明とは、光透過性を有し、かつ、着色されていないことを意味する。また、透明とは、例えば、透過率が50%以上であることを意味してもよいし、透過率が70%以上であることを意味してもよい。
【0101】
シート部12aは、表皮部10が操作された際に、当該シート部12aを局部的に撓みやすくする観点から、厚み(Z軸方向の長さであり、シート部12aの肉厚に相当)が薄いとよい。シート部12aは、表皮11より薄くてもよい。シート部12aの厚みは、例えば、2.0mm以下であってもよく、より好ましくは1.0mm以下であってもよく、さらに好ましくは0.5mm以下であってもよい。また、入力装置1が本革で形成される部分に設けられる場合、シート部12aが薄いことで、ユーザが表皮部10を操作したときの触感を、本革を押したときの触感に近づけることができる。また、シート部12aが薄いことで、シート部12aの弾性力が働くことを抑制することができる。なお、シート部12aの厚みはこれに限定されず、材質等により適宜決定されるとよい。
【0102】
シート部12aは、例えば、透過部12b1が形成される部分と遮光部12b2が形成される部分とが一体形成されている。
【0103】
意匠層12bは、シート部12a上に印刷により形成される、意匠を形成する印刷層を有する。意匠層12bは、シート部12aの表面に形成されるが、シート部12aの裏面(Z軸マイナス側の面)に形成されてもよい。
【0104】
意匠層12bは、フレーム部30が有する光源33(
図4に示す光源33を参照)からの光を透過する透過部12b1と、当該光源33からの光を遮光する遮光部12b2とを有する。意匠層12bのうち、透過部12b1を透過した光により、意匠が表示される。なお、
図3では、わかりやすくするために、透過部12b1を黒色で、遮光部12b2を白色で示しているが、実際には、透過部12b1は透明であり、透過部12b1以外を黒色に着色することで、遮光部12b2が形成される。
【0105】
透過部12b1は、第一領域10aを形成し、遮光部12b2は、第二領域10bを形成する。例えば、第一領域10aは、シート部12aに印刷により形成された、意匠を形成するための透過領域であり、第二領域10bは、シート部12aに印刷により形成された遮光領域であるとも言える。透過領域は、例えば、遮光領域を形成するための印刷材料が印刷されていない領域であってもよい。なお、透過部12b1は第一部分の一例であり、遮光部12b2は第二部分の一例である。
【0106】
なお、意匠層12bは、上記構成に限定されるものではなく、例えば、シート部12aを全面黒色印刷(塗装)し、透過部12b1に相当する形状にレーザーカットで黒色塗料を除去するようにして構成されてもよい。したがって、本実施の形態において、印刷とは、シート部12aへの遮光領域の印刷だけでなく、シート部12aの全面を黒色に塗装することも含む。
【0107】
なお、意匠シート12は、第1凹部13a及び第2凹部13bを覆う。例えば、意匠シート12は、複数の第1凹部13a及び複数の第2凹部13bを一括して覆う。例えば、平面視において、意匠シート12に形成される意匠はそれぞれ、2以上の第1凹部13a及び2以上の第2凹部13bと重畳するように配置される。
【0108】
なお、意匠シート12のZ軸マイナス側の表面(つまり、クッション層13の第2凹部13bと接触する表面)には、クッション層13との滑り性を向上させるためのコーティングが施されていてもよい。ここでの滑り性の向上とは、意匠シート12とクッション層13とを滑りにくくすることである。当該コーティングは、例えば、フッ素コートであるがこれに限定されない。
【0109】
なお、意匠シート12のクッション層13の第1凹部13aへのくい込みを抑制する観点から、意匠シート12(例えば、シリコンゴム)の硬度は、クッション層13の第1凹部13aへ、くい込まない程度の硬さがあるとよく、例えば、クッション層13より硬い。シリコンゴムの硬度は、例えば、40度以上であるとよい。
【0110】
クッション層13は、ユーザが表皮部10を操作した際に、ユーザに柔らかい触感を与えるために設けられる、クッション性を有する層である。クッション層13は、意匠シート12の表皮11の裏面側(Z軸マイナス側)に配置される。
【0111】
クッション層13は、平面視において、意匠シート12において意匠が形成された部分(例えば、透過部12b1)と、意匠が形成されていない部分(例えば、遮光部12b2)との両方をシート部12aの裏面側から覆う。そして、クッション層13は、透過部12b1に光を導くために、光透過性を有する。クッション層13は、例えば、平面視において、意匠シート12の全体を覆う。クッション層13は、例えば、板状に形成される。クッション層13は、例えば、透過部12b1を覆う部分と遮光部12b2を覆う部分とが一体形成されている。
【0112】
クッション層13は、シート部12aよりクッション性が高い層である。詳細は
図5を参照しながら説明するが、本実施の形態に係るクッション層13は、表皮11への押圧により圧縮変形可能な形状を有する。クッション層13は、光透過性を有する材料(例えば、シリコンゴム)で形成される。本実施の形態では、クッション層13は、透明なシリコンゴムで形成されている。これにより、シリコンゴムを成形等することで、クッション層13を容易に、かつ、一般的な材料を用いて作製することができる。また、クッション層13が透明であることで、光源33からの光を、色を変化させずに透過させることができる。なお、クッション層13は、ウレタン系熱可塑性エラストマ、ウレタンゴム等で形成されていてもよい。
【0113】
クッション層13は、シリコンゴムで形成されていても、圧縮変形可能な形状を有することで、表皮11への押圧により潰れやすくなる(部分的にクッション層13の厚みが薄くなる)ので、ユーザに柔らかい触感を与えやすくなる。また、ユーザにより柔らかい触感を与える観点から、シリコンゴムの硬度は、例えば、A40以下であるとよい。
【0114】
また、クッション層13は、ユーザが表皮部10を操作した際にユーザに柔らかい触感を与えやすくする観点から、高さ(Z軸方向の長さ)が厚いとよい。クッション層13は、例えば、意匠シート12(例えば、シート部12a)より高さが高くてもよい。また、クッション層13は、表皮11より高さが高くてもよい。なお、クッション層13と、表皮11及び意匠シート12との高さの関係はこれに限定されず、材質等により適宜決定されるとよい。
【0115】
なお、本実施の形態では、クッション層13は、発泡性の樹脂等では形成されていない。発泡性の樹脂を発泡させたクッション材は内部に大きさ、形状等が異なる空隙が存在する可能性があるため、面内での操作荷重を一定にすることが困難な場合がある。つまり、シリコンゴムと比べて、表皮11の操作位置ごとで操作性にバラつきが生じやすい。一方、本実施の形態では、クッション層13は、シリコンゴムで形成されているので、面内での操作荷重を容易に一定にすることができる。よって、発泡性の樹脂等でクッション層が形成されている場合に比べて、操作性が改善された入力装置1を実現することができる。
【0116】
上記のように、表皮11及びクッション層13のそれぞれは、平面視において、透過部12b1及び遮光部12b2に跨がって形成される。表皮11及びクッション層13のそれぞれは、平面視において、第一領域10a及び第二領域10bに跨がって形成されるとも言える。また、表皮11及びクッション層13のそれぞれは、平面視において、スイッチ部及び非スイッチ部に跨がって形成されるとも言える。
【0117】
本実施の形態では、表皮11及びクッション層13は、平面視において、意匠シート12の全体を覆う。例えば、平面視において、表皮11、意匠シート12及びクッション層13は、互いに大きさが等しくてもよい。表皮部10は、平面視において、ユーザが触れる可能性がある領域において、表皮11、意匠シート12及びクッション層13の3層構造を有する。例えば、表皮部10は、第一領域10aの断面構造及び第二領域10bの断面構造がともに、表皮11、意匠シート12及びクッション層13の3層構造を有し、かつ、それぞれの層において、第一領域10aの部分及び第二領域10bの部分の材質が等しい。
【0118】
また、表皮11、意匠シート12及びクッション層13は、例えば、互いに接触して積層される。また、表皮11、意匠シート12及びクッション層13は、例えば、板状部が互いに平行となるように本体部20に保持される。
【0119】
なお、表皮11、意匠シート12及びクッション層13の平面視形状は、矩形状であるが、正方形状、円形状、L字状等であってもよく、形状は特に限定されない。また、表皮11及びクッション層13は、平面視において、意匠シート12の全体を覆うことに限定されず、少なくとも1つの第一領域10aと第二領域10bとを覆っていればよい。
【0120】
なお、上記では、シート部12aに意匠層12bが形成される例について説明したが、これに限定されない。表皮11が印刷により意匠層12bを形成可能な材質で構成される場合、表皮11に直接印刷により意匠層12bが形成されてもよい。意匠層12bは、表皮11の表面(Z軸プラス側の面)に形成されてもよいし、表皮11が光透過性を有する場合は、その裏面(Z軸マイナス側の面)に形成されてもよい。
【0121】
なお、表皮11に意匠層12bが形成される場合、表皮部10は、シート部12aを有していなくてもよい。つまり、意匠部は、表皮11に形成された(例えば、印刷された)意匠層12bにより構成されてもよい。また、例えば、表皮11に意匠層12bが形成される場合、表皮11とクッション層13とが直接積層されてもよい。
【0122】
枠体14は、剛性を有する枠状の部材であり、表皮11、意匠シート12及びクッション層13の外縁部を支持する。
【0123】
なお、
図3では、各構成要素を固定するためのネジ15等の固定部材の図示を省略している。
【0124】
[3.フレーム部の構成]
次に、フレーム部30の構成について、さらに
図4を参照しながら説明する。
図4は、本実施の形態に係るフレーム部30を示す分解斜視図である。なお、
図4には、振動デバイス40も図示している。
【0125】
図4に示すように、フレーム部30は、センサフィルム31と、フレーム32と、光源33とを有する。フレーム部30は、表皮部10と対向して配置される。また、振動デバイス40は、光源33の表皮11と反対側(Z軸マイナス側)に配置される。
【0126】
センサフィルム31は、ユーザからの操作を検知する検知部の一部である。具体的には、センサフィルム31は、クッション層13の表皮11と反対側(Z軸マイナス側)に配置され、ユーザが表皮11を操作した(押圧した)位置を検出するためのセンサである。センサフィルム31は、クッション層13とフレーム32との間に配置される。本実施の形態では、センサフィルム31は、光透過性を有する静電容量式のセンサフィルム(静電センサフィルム)である。センサフィルム31は、平面視において、意匠シート12において意匠が形成された透過部12b1と、意匠が形成されていない遮光部12b2との両方をシート部12aの裏面(Z軸マイナス側の面)側から覆う。センサフィルム31は、平面視において、透過部12b1と遮光部12b2とに跨がって成されるとも言える。センサフィルム31は、例えば、平面視において、意匠シート12の全体を覆う。センサフィルム31は、例えば、透過部12b1を覆う部分と遮光部12b2を覆う部分とが一体形成されている。
【0127】
センサフィルム31は、板状の基材31aと、基材31a上に配置されるセンサ電極31bと、メイン基板70と接続するためのフレキシブル基板部31cとを有する。本実施の形態では、基材31a及びセンサ電極31bは、光透過性を有する。つまり、本実施の形態では、基材31aは透明基板であり、センサ電極31bは透明電極である。また、センサ電極31bは、静電センサ電極であるとも言える。
【0128】
基材31aは、センサ電極31bが形成されるフィルムである。フィルムは、例えば、PET(Polyethlene Terephthalate)フィルムであってもよい。なお、基材31aは、フィルムであることに限定されず、透明基板であってもよい。
【0129】
センサ電極31bは、意匠シート12に形成される意匠に対応して配置され、例えば、複数の意匠に対向する位置のそれぞれに配置される。センサ電極31bは、平面視において、意匠ごとに当該意匠と少なくとも一部が重なるように設けられる。センサ電極31bは、例えば、平面視において、意匠を内包するように設けられる。センサ電極31bは、例えば、意匠に対して一対一に設けられる。
【0130】
なお、センサ電極31bは複数配置されることに限定されず、例えば意匠が1つのみである場合、センサ電極31bは1つのみ配置されてもよい。
【0131】
なお、例えば、第一領域10aは、平面視において、センサ電極31bが設けられている領域であってもよい。また、例えば、第二領域10bは、平面視において、センサ電極31bが設けられていない領域であってもよい。
【0132】
なお、センサフィルム31は、静電容量式であることに限定されず、超音波式、電磁誘導式等その他の方式を用いてユーザが表皮部10を操作した位置を検出する構成でもよい。
【0133】
フレキシブル基板部31cは、各センサ電極31bの検出結果をメイン基板70に出力するための基板である。フレキシブル基板部31cの一端がメイン基板70のコネクタ等に接続されることで、センサフィルム31とメイン基板70とが電気的に接続される。
【0134】
なお、センサフィルム31は、さらに、ユーザが表皮11に接触することによる静電容量の変化に基づいて、ユーザの指が接触した位置を検出する処理部である静電IC(Integrated Circuit)(図示しない)を有していてもよい。静電ICは、例えば、ユーザの指が接触した位置を示す位置情報を制御部110に出力する。
【0135】
フレーム32は、ユーザにより表皮部10が操作され当該表皮部10からZ軸マイナス方向への押圧を受けることで、Z軸マイナス方向へ移動する。フレーム32は、クッション層13の表皮11と反対側(Z軸マイナス側)に配置される板状の部材である。本実施の形態では、フレーム32は、センサフィルム31と光源33との間に配置される。フレーム32は、剛性を有する。また、本実施の形態では、フレーム32は、光透過性を有する。
【0136】
フレーム32は、平面視において、表皮11、意匠シート12及びクッション層13を覆うように設けられる。フレーム32は、平面視において、第一領域10a及び第二領域10bに跨がって形成される。本実施の形態では、フレーム32は、平面視において、表皮11、意匠シート12及びクッション層13の板状部分(ユーザが触れる部分)の全体を覆う。これにより、フレーム32は、ユーザが第一領域10aを操作した場合であっても、第二領域10bを操作した場合であっても、同様にZ軸マイナス方向へ移動する。つまり、フレーム32は、ユーザが第二領域10bを操作した場合であっても移動する。なお、フレーム32は、例えば、クッション層13と平行となるように本体部20に保持される。
【0137】
フレーム32には、光源33からの光を透過するための空間である貫通孔32aが形成されている。貫通孔32aは、例えば、光源33が有する複数の発光素子33bのそれぞれに対応して設けられる。貫通孔32aは、例えば、意匠シート12の意匠に対応して設けられるとも言える。また、貫通孔32aを介して光が透過するため、フレーム32は光透過性を有するとも言える。
【0138】
なお、本実施の形態では、意匠シート12の意匠が指先よりも小さいため、貫通孔32aの大きさも意匠の大きさに合わせて指先よりも小さい。したがって、押圧操作時に表皮部10が撓んで押圧し難いということはない。しかし、意匠が指先よりも大きく、それに伴って貫通孔32aも大きくなることにより、押圧操作時に表皮部10が撓んでしまう場合は、貫通孔32aに、発光素子33bからの光を導光するための導光体(図示しない)が設けられてもよい。つまり、フレーム32は、フレーム32の、意匠及び光源33(例えば、発光素子33b)と対向する部分に導光体を有していてもよい。なお、導光体は、上記構成に限定されるものではなく、意匠が指先より小さい構成に用いてもよい。
【0139】
また、フレーム32に貫通孔32aが形成されていることに限定されず、貫通孔32aは形成されていなくてもよい。この場合、例えば、フレーム32は光透過性樹脂及び遮光性樹脂からなる2色成形により構成される。
【0140】
また、フレーム32は、X軸マイナス側に突出する凸部である端部32b及びX軸プラス側に突出する凸部である端部32cを有する。端部32b及び32cは、例えば、板バネ50と当接する部分である。
【0141】
センサフィルム31及び光源33は、例えば、ネジ等の締結部材によりフレーム32に固定される。
【0142】
光源33は、フレーム32のクッション層13と反対側(Z軸マイナス側)に配置され、意匠を照明する。光源33は、基板33aと複数の発光素子33bとを有する。
【0143】
基板33aは、複数の発光素子33bが配置される板状の部材である。基板33aは、リジッド基板であるが、フレキシブル基板であってもよい。
【0144】
発光素子33bは、意匠を表示するための光を出射する。発光素子33bは、複数の意匠それぞれに設けられる。発光素子33bは、例えば、基板33aにおける、複数の意匠と対向する位置のそれぞれに配置される。発光素子33bは、例えば、LED(Light Emitting Diode)であるが、これに限定されない。
【0145】
複数の発光素子33bは、互いに異なる色(例えば、意匠に応じた色)の光を出射してもよいし、1つの色(例えば、白色)の光を出射してもよい。
【0146】
ネジ34は、基板33aをフレーム32に固定するための締結部材である。
【0147】
本実施の形態では、振動デバイス40は、フレーム部30に基板33aとともに固定される。したがって、基板33aと振動デバイス40は、フレーム部30のZ軸マイナス方向への移動の有無にかかわらず、フレーム部30に直接接触するように設けられる。
【0148】
このようなフレーム部30は、ユーザにより表皮部10が操作されると、例えば、上記のセンサフィルム31とフレーム32と光源33とが一体となってZ軸方向に移動する。
【0149】
なお、センサフィルム31は、必須の構成ではない。
【0150】
[4.入力装置の断面構造]
次に、入力装置1の断面構造について、さらに
図5を参照しながら説明する。
図5は、本実施の形態に係る入力装置1を示す断面図である。なお、
図5は、ユーザにより表皮部10が操作されていない状態、つまり初期状態における入力装置1の断面図を示す。
図5は、入力装置1をZ軸方向と平行なYZ平面で切断したときの断面図を示す。
【0151】
図5に示すように、入力装置1は、表面側(Z軸プラス側)から表皮部10(例えば、
図3を参照)、フレーム32、光源33、板バネ50、及び、シャーシ60がこの順に、互いに平行に保持される。表皮部10は、X軸プラス側の端部からX軸マイナス側の端部に亘って一体形成されている。つまり、第一領域10a及び第二領域10b(例えば、
図1を参照)のそれぞれにおいて、表皮部10は、同一構造、同一材質により構成される。
【0152】
光源33の発光素子33bが発する光は、貫通孔32a及び表皮部10を透過し、入力装置1の外部に出射される。これにより、入力装置1は、意匠シート12に形成された意匠に応じた表示をユーザに視認させることができる。
【0153】
また、入力装置1は、さらにフレーム部30の表皮部10と反対側(Z軸マイナス側)に、ユーザが表皮部10を操作したことを検出するための押込検知部100を備えてもよい。押込検知部100は、例えばタクトスイッチで構成される。押込検知部100は、例えば、基板33aのX軸方向の端部に配置されるが、これに限定されない。押込検知部100は、フレーム32と機械的に接続される。ここでの機械的に接続されるとは、押込検知部100がフレーム32のZ軸マイナス方向の移動を検出可能であることを意味する。
【0154】
押込検知部100は、クッション層13の裏面側(Z軸マイナス側)に配置され、ユーザからの操作(例えば、押圧)を検知する。押込検知部100は、例えば、クッション層13が圧縮変形した状態で、さらに、表皮11への押圧がなされた場合に、ユーザからの操作を検知するように構成される。押込検知部100は、例えば、表皮11に一定以上の荷重が加わっているときにユーザからの操作を検知するように構成される。例えば、押込検知部100は、クッション層13が圧縮変形した状態で、さらに、表皮11への押圧がなされた場合に、押圧を検知するように構成される。クッション層13が圧縮変形した状態とは、クッション層13が所定以上圧縮変形した状態を意味し、例えば、それ以上圧縮変形しない状態、又は、初期状態より圧縮変形しにくい状態であってもよい。
【0155】
押込検知部100は、表皮部10が操作されることによるフレーム32のZ軸マイナス方向の移動に基づいて、表皮部10に加わる荷重を検出する荷重センサであってもよい。荷重センサは、表皮部10に加わる荷重を検出できれば特に限定されないが、例えば、圧電センサである。当該荷重センサは、例えば、圧電素子を有する。なお、押込検知部100は、例えば、表皮部10に加わる荷重をフレーム部30(例えば、フレーム32)の変位量として検出するストロークセンサであってもよい。当該ストロークセンサは、例えば、光学式センサ、電波センサ、音波センサ等により、フレーム部30の変位量をストローク量として検出する。当該ストロークセンサは、例えば、0.1mm程度の小さなストローク量を検出可能である。当該ストロークセンサは、例えば、0.1mm程度のストローク量を検出することで、ユーザが表皮部10を操作したことを検出してもよい。なお、本実施の形態で用いるタクトスイッチも0.1mmから0.2mm程度のストローク量を検出できる。押込検知部100は、検出結果を後述する制御部110に出力する。
【0156】
なお、押込検知部100は、接触式であってもよいし、非接触式であってもよい。また、押込検知部100は、静電容量式であってもよいし、機械式であってもよい。また、入力装置1がタクトスイッチ等のスイッチを備える場合、上記した荷重センサ等のセンサ類は備えられなくてもよい。押込検知部100は、検知部の一例である。
【0157】
また、クッション層13は、表皮11及び意匠シート12の積層方向(Z軸方向)と平行な面で切断したときの断面視において、積層方向に凸形状であり凸形状の裏側が凹形状となる複数の凹部を有するように形成される。具体的には、クッション層13は、表皮11及び意匠シート12の積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、積層方向と直交する中心線(
図6参照)に対して積層方向における第1向き(Z軸プラス側からZ軸マイナス側の向き)に凸形状であり当該第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部13aと、第1凹部13aと接続され、中心線に対して積層方向における第1向きと反対側の第2向き(Z軸マイナス側からZ軸プラス側の向き)に凸形状であり当該第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部13bとを複数有するように形成される。また、クッション層13は、例えば、枠体14の上方(Z軸プラス側)においても、第1凹部13a及び第2凹部13bの少なくとも一方を有する。
【0158】
なお、中心線は、クッション層13の高さA(
図6参照)の中心を通りY軸方向に平行な仮想線であり、基準線の一例である。なお、基準線は、高さAの中心を通ることに限定されず、高さAの任意の位置を通りY軸方向に平行な仮想線であればよい。また、基準線は、積層方向と直交することに限定されず、断面視において、積層方向と交差する方向と平行であればよい。
【0159】
クッション層13は、中心線より第1向き側においては、第1凹部13aが間隔を空けて複数配列されており、中心線より第2向き側においては、第2凹部13bが間隔を空けて複数配列されている。クッション層13は、YZ平面における断面視において、第1凹部13a及び第2凹部13bが交互に連続して形成されている。つまり、第1凹部13a及び第2凹部13bは、Y軸方向(第1方向の一例)に沿って交互に配置されている。例えば、複数の第1凹部13a及び第2凹部13bは、YZ平面における断面視において、波状(波板状)に形成される。例えば、1つの第2凹部13bと、当該第2凹部13bと接続される1つの第1凹部13aとのYZ平面における断面視が、基準線を中心とした1つの周期のサインカーブ状に形成される。波状とは、サインカーブ状であるが、例えば、三角波状(ジグザグ状)などであってもよい。
【0160】
クッション層13の肉厚は、例えば、ユーザに柔らかい触感を与える観点から薄いとよく、例えば、意匠シート12(例えば、シート部12a)より薄いがこれに限定されない。
【0161】
上記のように構成されるクッション層13には、意匠シート12との間に空間13cが形成され、センサフィルム31との間に空間13dが形成される。このように空間13c及び13dが形成されることで、クッション層13は、表皮11への押圧により容易に圧縮変形可能である。これにより、入力装置1は、ユーザに柔らかい触感を与えやすくなる。
【0162】
なお、クッション層13に形成されている複数の空間13cの全ては、意匠シート12により一括して覆われており、クッション層13に形成されている複数の空間13dの全ては、センサフィルム31により一括して覆われている。
【0163】
なお、クッション層13(第1凹部13a及び第2凹部13b)は、例えば、一体形成されている。クッション層13は、例えば、透明なシリコンゴムを成形することで作製される。このように、本実施の形態におけるクッション層13は、断面形状が凹凸形状であるゴム成形品である。なお、クッション層13の作製方法は、これに限定されない。
【0164】
ここで、クッション層13の構成について、さらに
図6及び
図7を参照しながら説明する。
図6は、本実施の形態に係るクッション層13を示す断面斜視図である。
図7は、本実施の形態に係るクッション層13を示す斜視図である。
図6は、YZ平面で切断されたクッション層13を、X軸方向からZ軸プラス側に移動した視点から見た斜視図である。
【0165】
図6及び
図7に示すように、クッション層13は、複数の第1凹部13a及び複数の第2凹部13bが、入力装置1の平面視におけるX軸方向に延在する。クッション層13は、Y軸方向に沿って、第1凹部13aと第2凹部13bとが交互に(例えば、連続して)配置され、Y軸方向に沿って配置された複数の第1凹部13a及び第2凹部13bが、入力装置1の平面視におけるY軸方向と交差する方向(第2方向の一例)に延在するとも言える。Y軸方向と交差する方向は、例えば、Y軸方向と直交するX軸方向であるがこれに限定されない。
【0166】
複数の第1凹部13a及び複数の第2凹部13bは、互いに平行な方向に延在する。言い換えると、クッション層13では、複数の空間13c及び複数の空間13dが互いに平行な方向に延在する。クッション層13は、波状部材(例えば、波状に形成されたゴム部材)である。
【0167】
クッション層13は、例えば、意匠シート12と第2凹部13bの頂部13b1とが線接触し、センサフィルム31と第1凹部13aの頂部13a1とが線接触する。なお、ここでの線接触とは、平面視において長尺状に接触することを意味しており、線状に接触することに加えて、頂部13a1及び13b1が弾性変形し平面となっている部分と接触することも含む意図である。
【0168】
なお、頂部13a1及び13b1は、断面視において湾曲している。
【0169】
隣り合う第2凹部13bの幅W(ピッチ)は、ユーザに違和感を与えることを抑制する観点から、狭いとよい。幅Wは、例えば、4mm以下であってもよく、好ましくは3mm以下であってもよく、より好ましくは2mm以下であってもよい。また、クッション層13の高さAは、ユーザが表皮部10を操作した際にユーザに柔らかい触感を与えやすくする観点から、高いとよい。高さAは、例えば、2mm以上であってもよく、好ましくは3mm以上であってもよく、より好ましくは4mm以上であってもよい。また、幅Wと、高さAとは同じ長さであってもよい。
【0170】
このような表皮部10は、ユーザにより操作されると、表皮11及び意匠シート12がZ軸マイナス側に撓み、かつ、クッション層13は、Z軸マイナス側に圧縮される。つまり、表皮部10は、ユーザにより操作されると局部的に変形する。表皮部10は、クッション層13が圧縮することで、ユーザに柔らかい触感を感じさせることができる。表皮部10は、第一領域10a及び第二領域10bに亘って一体形成されたクッション層13を有するので、ユーザが第一領域10a及び第二領域10bのいずれを操作(例えば、接触)しても、ユーザに同様の柔らかい触感を感じさせることができる。
【0171】
また、クッション層13は、表皮11が押圧されると、押圧された部分の頂部13a1及び13b1の間の部分(傾斜部)が平面視で外へ広がるように撓み、その結果、クッション層13の厚みが薄くなるように圧縮変形する。クッション層13は、座屈変形するとも言える。クッション層13の厚みが部分的に薄くなる(高さが低くなる)ので、クッション層13の全体の厚みが薄くなる場合に比べて、ユーザはより少ない力で表皮11の押圧を行うことができる。つまり、クッション層13を備えることで、ユーザに柔らかい触感を感じさせることに加えて、操作性を向上させることができる。
【0172】
また、フレーム部30は、第一領域10a及び第二領域10bに亘って一体形成されており、かつ、剛性を有しているので、ユーザが第一領域10a及び第二領域10bのいずれを操作(例えば、接触)しても、変形せずにZ軸マイナス方向に移動する。よって、フレーム部30は、例えば、第二領域10bを操作してもフレーム部30が移動しない場合に比べて、フレーム部30の移動の有無による触感の違いをユーザに感じさせにくい。
【0173】
これらにより、入力装置1は、ユーザが表皮部10のどこを触っても(押圧しても)同様の柔らかい触感を与えることができるので、触感に違和感を与えることを抑制することができる。例えば、入力装置1がアームレスト等のユーザが触れやすい位置に配置される場合に、ユーザに触感に関する違和感を与えることを抑制することができる。例えば、入力装置1は、光源33が非点灯である場合にユーザが表皮部10のどこに触れても、ユーザに同様の触感を与えることができるので、ユーザに触感に対する違和感を与えることを抑制することができる。つまり、ユーザは、機器を操作する意図がなく表皮部10に触れた場合に表皮部10のどこに触れても、同様の触感を感じることができる。
【0174】
また、例えば、ユーザの表皮部10への操作によりクッション層13が圧縮変形される。つまり、振動デバイス40が振動を発生させるときには、クッション層13は圧縮されている。よって、入力装置1は、クッション層13により振動が吸収されにくく、ユーザに(ユーザの指に)振動デバイス40の触感を有効に伝えることができる。また、入力装置1がタクトスイッチを備える場合、タクトスイッチのクリック感がクッション層13に吸収されにくいので、入力装置1はユーザにクリック感を有効に伝えることができる。つまり、入力装置1は、ユーザに与える触力覚を損なうことなく、ユーザに与える触感に対する違和感を低減することができる。
【0175】
また、クッション層13は、YZ平面における断面視において、上記の第1凹部13a及び第2凹部13bを複数有するように形成され、例えば、複数の第1凹部13a及び第2凹部13bが波状に形成されるので、クッション層13の頂部13a1及び13b1の間の部分(傾斜部)の中心線(基準線)に対する傾斜角度を小さく(緩やかに)することができ、クッション層13の頂部13a1及び13b1を通過する光と、クッション層13の頂部13a1及び13b1の間の部分(傾斜部)を通過する光との明るさの差が生じにくい。よって、クッション層13によれば、クッション層13の形状に起因する輝度ムラが発生することを抑止することができる。
【0176】
[5.入力装置の機能構成]
次に、入力装置1の機能構成について、
図8を参照しながら説明する。
図8は、本実施の形態に係る入力装置1の機能構成を示すブロック図である。
【0177】
図8に示すように、入力装置1は、機能構成として、センサフィルム31と、光源33と、振動デバイス40と、押込検知部100と、制御部110とを備える。
【0178】
制御部110は、入力装置1の各構成要素を制御する制御装置である。制御部110は、光源33を制御し発光させることで、意匠を表示させる。また、制御部110は、センサフィルム31からの位置情報に基づいて、ユーザがどの意匠を操作したか否かを判定し、操作された意匠に応じた制御に関する処理を行う。なお、制御部110は、上記の静電ICが行う処理を実行してもよい。
【0179】
また、制御部110は、ユーザが表皮部10を操作したことを示す検出結果を押込検知部100から取得すると、振動デバイス40を振動させるための制御情報を出力する。制御部110は、例えば、ユーザが表皮部10を操作したことを押込検知部100の検出結果から取得し、ユーザが操作した位置(どの意匠を操作したか)をセンサフィルム31からの位置情報に基づいて取得する。そして、制御部110は、ユーザが操作した意匠に応じた制御信号を外部に出力する。さらに、制御部110は、ユーザが操作した意匠に応じた態様(例えば、周波数、振動強度等)で振動デバイス40を振動させてもよい。
【0180】
なお、制御部110は、ユーザにより第二領域10bが操作された場合、押込検知部100からの検出結果を取得するが、センサフィルム31からの位置情報を取得しない。この場合、制御部110は、振動デバイス40を振動させるための制御情報を出力しない。つまり、制御部110は、振動デバイス40を振動させない。制御部110は、例えば、センサフィルム31からの位置情報及び押込検知部100からの検出結果の両方を取得した場合に、振動デバイス40を振動させるための制御情報を出力する。
【0181】
制御部110は、例えば、各構成要素を制御するためのプログラムを実行するプロセッサと、当該プログラムを記憶しているメモリとにより実現されてもよいし、専用回路により実現されてもよい。制御部110は、例えば、ECU(Electronic Control Unit)により実現されてもよい。
【0182】
(実施の形態の各変形例)
以下では、実施の形態の入力装置1の各変形例について、
図9~
図15を参照しながら説明する。なお、各変形例では、実施の形態との相違点を中心に説明し、実施の形態と同一又は類似の内容については説明を省略又は簡略化する。各変形例では、クッション層の構成が実施の形態と異なる。
【0183】
(実施の形態の変形例1)
上記の実施の形態では、クッション層は、1枚の波状部材により構成される例について説明したがこれに限定されず、凹凸が2次元状に形成された部材により構成されてもよい。本変形例に係る入力装置1について、
図9~
図10Bを参照しながら説明する。
図9は、本変形例に係るクッション層113を示す斜視図である。
図10Aは、
図9に示すXa-Xa切断線で切断した、本変形例に係るクッション層113を示す断面図である。
図10Bは、
図9に示すXb-Xb切断線で切断した、本変形例に係るクッション層113を示す断面図である。
図10Aは、第2波状部113bの第1凹部113b1及び第2凹部113b2が並ぶ第2列に沿って切断したクッション層113の断面図であり、
図10Bは、第1波状部113aの第1凹部113a1及び第2凹部113a2が並ぶ第1列に沿って切断したクッション層113の断面図である。
【0184】
図9~
図10Bに示すように、クッション層113では、それぞれが2次元状に配置された複数の第1凹部113a1及び第2凹部113a2、並びに、複数の第1凹部113b1及び第2凹部113b2を有する。本変形例では、第1波状部113aにおける第1凹部113a1及び第2凹部113a2(
図10Bを参照)が連続して配列される第1列と、第2波状部113bにおける第1凹部113b1及び第2凹部113b2(
図10Aを参照)が連続して配列される第2列とが、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて互いに交互に並んで配置される。例えば、平面視において、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにおいて、第1波状部113aにおける第1凹部113a1と第2波状部113bにおける第2凹部113b2とがジグザグ状に配置されるように、第1波状部113a及び第2波状部113bが配列される。クッション層113は、X軸方向から見ても、Y軸方向から見ても波状である。第1凹部113a1及び113b1、並びに、第2凹部113a2及び113b2は、複数の凹部の一例である。
【0185】
第1凹部113a1及び113b1、並びに、第2凹部113a2及び113b2それぞれの平面における形状は、円形状であるが、例えば、四角形、六角形等の多角形であってもよいし、その他の形状であってもよい。
【0186】
図10Aに示すように、第2波状部113bは、積層方向と平行な面(例えば、YZ平面)で切断したときの断面視において、積層方向と直交する第2中心線に対して積層方向における第1向き(Z軸プラス側からZ軸マイナス側の向き)に凸形状であり当該第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部113b1と、第1凹部113b1と接続され、第2中心線に対して積層方向における第1向きと反対側の第2向き(Z軸マイナス側からZ軸プラス側の向き)に凸形状であり当該第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部113b2とを有する。
【0187】
クッション層113は、第2中心線より第1向き側においては、第1凹部113b1が間隔を空けて複数配列されており、第2中心線より第2向き側においては、第2凹部113b2が間隔を空けて複数配列されている。クッション層113は、YZ平面における断面視において、第1凹部113b1及び第2凹部113b2が交互に連続して形成されている。つまり、第1凹部113b1及び第2凹部113b2は、Y軸方向(第1方向の一例)に沿って交互に配置される。例えば、交互に配置された第1凹部113b1及び第2凹部113b2は、YZ平面における断面視において、波状(波板状)に形成される。
【0188】
なお、第2中心線は、クッション層113の第2波状部113bのZ軸方向の中心を通りY軸方向に平行な仮想線であり、基準線の一例である。
【0189】
なお、頂部113b11及び113b22の間の部分は、傾斜部の一例である。頂部113b11及び113b22のZ軸方向の長さは、例えば、A/2であるがこれに限定されない。
【0190】
なお、
図10Aに示す破線は、第1凹部113b1の上面側の底部を結ぶ直線又は平面である。
【0191】
なお、
図10AはY軸方向に沿う切断線で切断した断面を示しているが、X軸方向に沿う切断線で切断した断面も同様の形状を有する。
【0192】
図10Bに示すように、第1波状部113aは、積層方向と平行な面(例えば、XZ平面)で切断したときの断面視において、積層方向と直交する第1中心線に対して積層方向における第1向き(Z軸プラス側からZ軸マイナス側の向き)に凸形状であり当該第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部113a1と、第1凹部113a1と接続され、第1中心線に対して積層方向における第1向きと反対側の第2向き(Z軸マイナス側からZ軸プラス側の向き)に凸形状であり当該第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部113a2とを有する。
【0193】
クッション層113は、第1中心線より第1向き側においては、第1凹部113a1が間隔を空けて複数配列されており、第1中心線より第2向き側においては、第2凹部113a2が間隔を空けて複数配列されている。クッション層113は、XZ平面における断面視において、第1凹部113a1及び第2凹部113a2が交互に連続して形成されている。つまり、第1凹部113a1及び第2凹部113a2は、X軸方向(第2方向の一例)に沿って交互に配置される。例えば、交互に配置された第1凹部113a1及び第2凹部113a2は、XZ平面における断面視において、波状(波板状)に形成される。
【0194】
なお、第1中心線は、クッション層113の第1波状部113aのZ軸方向の中心を通りX軸方向に平行な仮想線であり、基準線の一例である。第1中心線は、第2中心線と平行な直線である。また、第1中心線は、第2中心線と積層方向の位置が異なっており、第2中心線より第1向き側(Z軸マイナス側)に位置する。
【0195】
なお、頂部113a11及び113b22の間の部分は、傾斜部の一例である。頂部113a11及び113a22のZ軸方向の長さは、例えば、A/2であるがこれに限定されない。
【0196】
なお、
図10Bに示す破線は、第2凹部113a2の下面側の底部を結ぶ直線又は平面である。
【0197】
なお、
図10BはX軸方向に沿う切断線で切断した断面を示しているが、Y軸方向に沿う切断線で切断した断面も同様の形状を有する。
【0198】
図10Aに示す頂部113b11を含む第1部分(例えば、第1凹部113b1において破線よりZ軸マイナス側の部分)と、
図10Bに示す頂部113a22を含む第2部分(例えば、第2凹部113a2において破線よりZ軸プラス側の部分)とは、クッション層113における共通の部分である。例えば、
図9に示す2つの切断線の交点における、第1部分及び第2部分は共通の部分である。つまり、第1凹部113a1と第2凹部113b2とは、第1凹部113b1及び第2凹部113a2を介して接続されている。
【0199】
クッション層113は、表皮11への押圧により容易に圧縮変形可能である。また、表皮11が押圧されると、X軸方向においても、頂部113a22及び113a11の間の部分(傾斜部)が平面視で外へ広がるように撓みやすくなる。これにより、入力装置1は、ユーザに柔らかい触感を与えやすくなる。
【0200】
なお、第1凹部113a1及び113b1の形状は互いに同じであるが、互いに異なっていてもよい。また、第2凹部113a2及び113b2の形状は互いに同じであるが、互いに異なっていてもよい。また、複数の第1凹部113a1及び第2凹部113b2のそれぞれの並び間隔は等間隔であるが、異なっていてもよい。また、複数の第1凹部113b1及び第2凹部113a2のそれぞれの並び間隔は等間隔であるが、異なっていてもよい。
【0201】
(実施の形態の変形例2)
上記の実施の形態では、クッション層13は1枚の波状部材により構成される例について説明したがこれに限定されず、2枚以上の波状部材により構成されてもよい。本変形例に係る入力装置1について、
図11を参照しながら説明する。
図11は、本変形例に係るクッション層213を示す斜視図である。
【0202】
図11に示すように、クッション層213は、第1波状部材213aと第2波状部材213bとを有する。第1波状部材213aは、実施の形態1に係るクッション層13と高さA以外は同じ構成を有する。第2波状部材213bは、第1波状部材213aを、Z軸を中心(回転軸)として回転させたものである。
【0203】
第1波状部材213aは、実施の形態に係るクッション層13の高さAより低い。第1波状部材213aの高さは、例えば、A/2であるが、これに限定されない。第1波状部材213aにおける隣り合う第1凹部13a又は隣り合う第2凹部13bのピッチをp1(幅W)とすると、第1波状部材213aにおける、第1凹部13aの頂部13a1と第2凹部13bの頂部13b1との積層方向(Z軸方向)の長さはp1未満である。
【0204】
第2波状部材213bは、実施の形態に係るクッション層13の高さAより低い。第2波状部材213bの高さは、例えば、A/2であるが、これに限定されない。第2波状部材213bにおける隣り合う第1凹部13a又は隣り合う第2凹部13bのピッチをp2(幅W)とすると、第2波状部材213bにおける、第1凹部13aの頂部13a1と第2凹部13bの頂部13b1との積層方向の長さはp2未満である。
【0205】
また、第2波状部材213bは、X軸方向(第2方向の一例)に沿って、第1凹部13aと第2凹部13bとが交互に(例えば、連続して)配置され、X軸方向に沿って配置された複数の第1凹部13a及び第2凹部13bが、入力装置1の平面視におけるX軸方向と交差する方向(第3方向の一例)に延在する。X軸方向と交差する方向は、例えば、X軸方向と直交するY軸方向であるがこれに限定されない。
【0206】
平面視において、第1波状部材213aの第1凹部13a及び第2凹部13bが延在する方向(X軸方向であり、第2方向の一例)と、第2波状部材213bの第1凹部13a及び第2凹部13bが延在する方向(Y軸方向であり、第1方向の一例)とは交差しており、本変形例では、直交している。つまり、本変形例では、第1方向と第3方向とは、平面視において平行な方向である。
【0207】
なお、第1波状部材213a及び第2波状部材213bは、重ねて配置される。第1波状部材213a及び第2波状部材213bを重ねて配置するとは、第1波状部材213aの第2凹部13bの頂部13b1と、第2波状部材213bの第1凹部13aの頂部13a1とが接触して配置されること、及び、第1波状部材213aと第1波状部材213aとの間に他の部材(例えば、板状の部材)が設けられ、当該他の部材を介して第1波状部材213aと第1波状部材213aとが配置されることを含む。第1波状部材213a及び第2波状部材213bは、固定部材により固定されていてもよいし、第1波状部材213a上に第2波状部材213bに置いただけであってもよい。
【0208】
なお、第1波状部材213aと意匠シート12との間、及び、第2波状部材213bとセンサフィルム31との間のいずれかに、他の部材(例えば、板状の部材)が設けられてもよい。
【0209】
(実施の形態の変形例3)
上記の実施の形態では、クッション層13の頂部13a1及び13b1は、断面視において湾曲している例について説明したがこれに限定されず、平面を有していてもよい。本変形例に係る入力装置1について、
図12を参照しながら説明する。
図12は、本変形例に係るクッション層313を示す断面斜視図である。
図12は、YZ平面で切断されたクッション層313を、X軸方向からZ軸マイナス側に移動した視点から見た斜視図である。
【0210】
図12に示すように、クッション層313は、応力が加えられていない状態で、第2凹部313bの頂部に平面313b1を有していてもよい。平面313b1は、平面視において、例えば、X軸方向に延在する矩形状である。クッション層313は、平面313b1により意匠シート12と面接触する。面接触とは、クッション層313が圧縮変形していない状態で、クッション層313と意匠シート12とが面状(例えば、X軸方向に延在する矩形状)に接触することを意味する。
【0211】
なお、第2凹部313bに平面313b1が形成されることに替えて、又は、平面313b1とともに、第1凹部13aの頂部13a1に平面が形成されていてもよい。
【0212】
(実施の形態の変形例4)
上記の実施の形態では、クッション層13は、1つの構造体で実現される例について説明したがこれに限定されず、1以上のブロック体が嵌合して形成されていてもよい。1以上のブロック体を含むクッション層の構成について、
図13を参照しながら説明する。
図13は、本変形例に係るクッション層413の構成を示す平面図である。
【0213】
図13に示すように、クッション層413は、本体部413aと、ブロック体413bとを有する。
図13の例ではブロック体413bは3つ設けられているが、ブロック体413bの数は特に限定されず、1つ又は2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。
【0214】
本体部413aは、厚み方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔(図示しない)を有し、当該貫通孔にブロック体413bが嵌め込まれる板状の部分である。本体部413aは、平面視において、クッション層413のうち意匠が形成されていない領域と重畳する部分(第二部分)である。本体部413aは、例えば、平面視において、第二領域10bと重畳する部分である。
【0215】
本体部413aの光透過率は、ブロック体413bの光透過率より低く、例えば、遮光性を有していてもよい。遮光性を有するとは、光透過性を有する部分より相対的に透過率が低いことを意味し、例えば、透過率が10%未満であることを意味してもよいし、光を完全に遮断する(透過率が実質的にゼロである)ことを意味してもよい。なお、本体部413aは、透明であってもよい。
【0216】
本体部413aは、例えば、シリコンゴムを成形することで作製されるが、これに限定されない。
【0217】
ブロック体413bは、本体部413aに形成された貫通孔に嵌め込まれる。ブロック体413bは、例えば、本体部413aに着脱自在に嵌め込まれる。ブロック体413bは、平面視において、クッション層413のうち意匠が形成されている領域と重畳する部分(第一部分)を構成する。ブロック体413bは、例えば、平面視において、第一領域10aと重畳する部分である。
【0218】
ブロック体413bの光透過率は、本体部413aの光透過率より高くてもよい。また、ブロック体413bは、例えば、透明、又は光透過のある着色がされていてもよい。例えば、ブロック体413bには、透明であってもよいし、光透過性を有する着色が施されていてもよい。
【0219】
ブロック体413bは、例えば、シリコンゴムを成形することで作製されるが、これに限定されない。また、ブロック体413bの平面視形状は、矩形状であることに限定されない。
【0220】
ここで、本体部413a及びブロック体413bの断面形状は、同じである。つまり、本体部413a及びブロック体413bのそれぞれにおいて、第1凹部13a及び第2凹部13bが形成されている。本体部413aに形成される第1凹部13a及び第2凹部13bと、ブロック体413bに形成される第1凹部13a及び第2凹部13bとは、例えば、大きさ、形状及び密度が同じである。これにより、クッション層413は、ユーザが本体部413a及びブロック体413bのいずれに対応する表皮11の部分を押圧しても、ユーザに同様の触感を与えることができる。
【0221】
なお、本体部413aは貫通孔を有することに限定されず、例えば、有底筒状の凹みであってもよい。例えば、凹みを形成する底面部の上面(Z軸プラス側の面)と、ブロック体413bの底面(Z軸マイナス側の面)とが当接することで、ブロック体413bのZ軸マイナス方向への移動が規制されてもよい。これにより、車両の振動等により、ブロック体413bがZ軸方向に移動することを抑制することができる。なお、この場合、少なくとも本体部413aの底面部は、光透過性を有する。
【0222】
(実施の形態の変形例5)
上記の実施の形態では、クッション層13の空間13dには他の部材が配置されない例について説明したがこれに限定されず、複数の空間13dのうち少なくとも一部の空間13dに他の部材が配置されていてもよい。空間13dに他の部材(例えば、遮光シート)が配置されるクッション層の構成について、
図14を参照しながら説明する。
図14は、本変形例に係るクッション層13の空間13dに配置される遮光シート513を示す断面図である。
【0223】
図14に示すように、入力装置1は、クッション層13の空間13dに、さらに遮光シート513を備える。
【0224】
遮光シート513は、隣り合う第1凹部13aの間に配置され、隣り合う第1凹部13aの一方の第1凹部13aを通過する光が、他方の第1凹部13aへ入射することを抑制する(漏れ光を抑制する)ために設けられる薄肉のシート状の部材である。遮光シート513は、例えば、空間13dに差し込まれる。遮光シート513の光透過率は、クッション層13の光透過率より低い。遮光シート513は、遮光性を有しており、例えば、黒色であってもよい。また、遮光シート513の断面視形状は、矩形状であるがこれに限定されない。
【0225】
遮光シート513は、遮光シート513が配置されている部分と配置されていない部分とに対応する表皮11の位置を押圧したときに、ユーザに同様の触感を与えることができるように構成される。また、例えば、遮光シート513の厚みは、クッション層13の厚みより薄くてもよい。また、例えば、遮光シート513は、シリコンゴムを成形することで作製されてもよい。
【0226】
(実施の形態の変形例6)
上記の実施の形態では、クッション層13は、光を拡散する機能を有する光拡散粒子を含まない例について説明したがこれに限定されず、光拡散粒子を含んでいてもよい。光拡散粒子を含むクッション層の構成について、
図15を参照しながら説明する。
図15は、本変形例に係るクッション層613を示す断面図である。
【0227】
図15に示すように、表皮部10は、実施の形態のクッション層13に替えてクッション層613を有する。
【0228】
クッション層613は、内部に光拡散粒子613aを含有する。光拡散粒子613aは、クッション層613を構成する材料と異なる屈折率を有する。本実施の形態では、光拡散粒子613aは、シリコンゴムと異なる屈折率を有する。光拡散粒子613aは、シリカ、ガラスビーズ等の無機微粒子であるが、樹脂粒子であってもよい。
【0229】
光拡散粒子613aは、第1凹部13a及び第2凹部13bのそれぞれに含有される。光拡散粒子613aは、クッション層613内部に均一に分散して配置されるが、これに限定されない。また、光拡散粒子613aを含有するクッション層613の製造方法は、既知のいかなる方法が用いられてもよい。
【0230】
なお、光拡散粒子613aは、クッション層613に含有されることに限定されず、意匠シート12(例えば、シート部12a)に含有されていてもよい。シート部12aが光透過性を有するシリコンゴムで形成される場合、光拡散粒子613aは当該シリコンゴムと屈折率が異なる。
【0231】
上記のように、意匠シート12及びクッション層613の少なくとも一方に光拡散粒子613aが含有されることで、クッション層613が第1凹部13a及び第2凹部13bを複数配列して構成される場合であっても、輝度ムラが生じることを抑制することができる。
【0232】
(実施の形態の変形例7)
上記の実施の形態では、
図5に示すように、フレーム32の貫通孔32aの部分において、クッション層13がセンサフィルム31によってのみ保持されている例について説明したが、これに限定されず、クッション層13の表皮11が配置される面とは反対側の面に、センサフィルム31、及び、光透過性の保護層35がこの順に備えられてもよい。保護層35を備える入力装置の構成について、
図16を参照しながら説明する。
図16は、本変形例に係る入力装置を示す断面図である。
【0233】
図16に示すように、本変形例に係る入力装置において、クッション層13とフレーム32との間には、クッション層13側から順にセンサフィルム31、及び、保護層35がこの順に配置されている。
【0234】
フレーム32は、センサフィルム31と光源33との間に配置され、意匠シート12に形成された意匠に対応する位置に貫通孔32aを有する。
【0235】
保護層35は、ユーザが押圧操作を行った際に、押圧力により貫通孔32aの部分に配されるセンサフィルム31に印加される応力を緩和する。例えば、
図5の構成では、フレーム32の貫通孔32aの部分で、クッション層13はセンサフィルム31によってのみ保持されている。そのため、意匠表示部分に相当する貫通孔32aの上部(表皮11)を指で押すごとに、圧縮変形したクッション層13を介して押圧力がセンサフィルム31に直接印加される。その結果、センサフィルム31において、特に貫通孔32aのエッジ部分で応力が集中する可能性がある。
【0236】
そこで、本変形例に係る入力装置では、センサフィルム31とフレーム32との間に保護層35を配置する。これにより、特に貫通孔32aのエッジ部分の応力を保護層35が受けることになるので、センサフィルム31への応力集中が緩和され、高信頼性が得られる。
【0237】
保護層35は、センサフィルム31への応力集中を緩和するために、センサフィルム31より硬質である。保護層35は、例えば、光透過性を有する樹脂板(例えば、ポリカ板)、PET(Polyethlene Terephthalate)フィルムなどであるこれに限定されない。保護層35は、例えば、光透過性を有するシリコンゴムにより構成されてもよい。また、保護層35は、センサフィルム31と同じ材質(例えば、PETフィルム)で構成されてもよい。この場合、保護層35は、センサフィルム31より厚みが厚い。
【0238】
保護層35は、実施の形態の変形例7で記載したような光拡散粒子(例えば、光拡散粒子613a)を内部に含有してもよい。光拡散粒子は、保護層35を構成する樹脂又はシリコンゴムとは異なる屈折率を有し、例えば、シリカ、ガラスビーズ等の無機微粒子、又は、樹脂粒子である。これにより、光源33からの光は、クッション層13に至る前に、あらかじめ拡散されるので、クッション層13により生じる輝度ムラを抑制することができ、意匠の見栄えをさらに改善することができる。
【0239】
また、実施の形態の変形例6で記載した、意匠シート12及びクッション層613の少なくとも一方に光拡散粒子613aが含有される構成と、本変形例の光拡散粒子を含有した保護層35とを組み合わせることにより、クッション層13により生じる輝度ムラを、より一層、抑制することができる。
【0240】
また、保護層35は、平面視において、フレーム32における、貫通孔32aが形成されている領域、及び、貫通孔32aが形成されていない領域のそれぞれを覆うように形成される。保護層35は、平面視において、第一領域10a(
図1を参照)及び第二領域10b(
図1を参照)に跨がって形成されるとも言える。また、保護層35は、平面視において、スイッチ部及び非スイッチ部に跨がって形成されるとも言える。
【0241】
なお、上記の実施の形態で述べたように、貫通孔32aに導光体を設け貫通孔32aを塞ぐ構成、あるいは、フレーム32を光透過性樹脂及び遮光性樹脂からなる2色成形により構成して貫通孔32aを形成しない構成の場合、ユーザの押圧操作に基づくセンサフィルム31への応力集中がほぼ発生しないので、保護層35を設けなくてもよい。
【0242】
(実施の形態の変形例8)
上記の実施の形態では、振動デバイス40は、フレーム部30のZ軸マイナス側に配置される例について説明した。これにより、入力装置は、ユーザがZ軸方向(クッション層13の厚さ方向)の振動を感知しやすい構成となる。しかし、この構成に限定されず、振動デバイス40の振動方向はXY軸面内、すなわち、クッション層13の面方向であってもよい。このように面方向にも振動させる具体例として、
図5において、Z軸方向に振動する振動デバイス40をフレーム部30に対して傾けて取り付けてもよい。
【0243】
このような構成とすることで、フレーム部30はZ軸方向だけでなく、X軸方向、Y軸方向又は両方向にも振動することとなる。ここで、ユーザの押圧操作によりクッション層13が圧縮変形すると、Z軸方向の振動は、少なくとも一部がクッション層により吸収されてしまう。しかし、振動デバイス40がX軸方向、Y軸方向又は両方向にも振動することにより、Z軸以外の方向の振動、すなわち、クッション層13の面方向の振動をユーザの指に伝えることができるので、クッション層13で吸収される振動を抑制することができる。
【0244】
なお、本変形例では振動デバイス40をフレーム部30に対して傾けて取り付ける構成について説明したが、その構成に限らず、入力装置は、例えばX軸方向、Y軸方向又は両方向に振動可能な振動デバイス40をフレーム部30に取り付けることにより、クッション層13の面方向のみが振動する構成であってもよいし、X軸、Y軸及びZ軸の全方向に振動可能な振動デバイス40をフレーム部30に取り付ける構成であってもよい。
【0245】
なお、振動デバイス40が面方向に振動する場合、フレーム部30(例えば、フレーム32)と枠体14との間に、面方向の振動量に応じた隙間が設けられてもよい。
【0246】
(その他の実施の形態)
以上、一つ又は複数の態様に係る入力装置1について、実施の形態等に基づいて説明したが、本開示は、この実施の形態等に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態等に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示に含まれてもよい。
【0247】
例えば、上記実施の形態等では、表皮11、意匠シート12及びクッション層13がこの順に直接接触して積層される例について説明したが、これに限定されない。表皮11及び意匠シート12の間、並びに、意匠シート12及びクッション層13の間の少なくとも一方に、他の板状の層が設けられてもよい。当該板状の層は、クッション性を有する層であるとよい。
【0248】
また、上記実施の形態等では、入力装置1が備える押込検知部100の数は特に限定されず、1つであってもよいし、2以上であってもよい。
【0249】
また、上記実施の形態等では、意匠シート12を透過した光により意匠が表示される例について説明したが、これに限定されず、入力装置1は、意匠シート12により遮光された光により意匠が表示される構成であってもよい。
【0250】
また、上記実施の形態等では、光源33が複数の発光素子33bを有する構成である例について説明したが、光源33は、例えば、1つの面光源であってもよい。
【0251】
また、上記実施の形態等における高さ、厚み等は、長さの平均値、中央値、最頻値、最大値、及び、最小値のいずれの値であってもよい。
【0252】
また、ブロック図における機能ブロックの分割は一例であり、複数の機能ブロックを1つの機能ブロックとして実現したり、1つの機能ブロックを複数に分割したり、一部の機能を他の機能ブロックに移してもよい。また、類似する機能を有する複数の機能ブロックの機能を単一のハードウェア又はソフトウェアが並列又は時分割に処理してもよい。
【0253】
また、上記実施の形態において、各構成要素(例えば、制御部)は、専用のハードウェアで構成されるか、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU又はプロセッサ等のプログラム実行部が、ハードディスク又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0254】
(付記)
以上の実施の形態等の記載により、下記の技術が開示される。
【0255】
(技術1)
光透過性を有する表皮と、
光透過性を有し、前記表皮の表面側又は裏面側に配置される意匠部と、
光透過性を有し、前記表皮の前記裏面側に配置されるクッション層と、
前記クッション層の裏面側に配置される光源と、を備え、
前記クッション層は、前記表皮及び前記意匠部の積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記積層方向に凸形状であり前記凸形状の裏側が凹形状となる複数の凹部を有し、
前記複数の凹部は、前記積層方向と交差する第1方向と平行な基準線に対して前記積層方向における第1向きに凸形状であり前記第1向きに凸形状の裏側が凹形状となる第1凹部と、前記第1凹部と接続され、前記基準線に対して前記積層方向における前記第1向きと反対側の第2向きに凸形状であり前記第2向きに凸形状の裏側が凹形状となる第2凹部と、を含み、
前記第1凹部と前記第2凹部とは、前記第1方向に沿って、交互に配置される、
表示装置。
【0256】
(技術2)
交互に配置された前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、波状に形成される
技術1に記載の表示装置。
【0257】
(技術3)
前記クッション層は、前記第1方向に沿って配置された複数の前記第1凹部及び前記第2凹部が、前記表示装置の平面視における前記第1方向と交差する第2方向に延在する第1波状部材を有する
技術1又は2に記載の表示装置。
【0258】
(技術4)
前記クッション層は、さらに、前記第2方向に沿って、前記第1凹部と前記第2凹部とが交互に配置されるように形成され、前記第2方向に沿って配置された複数の前記第1凹部及び前記第2凹部が、前記表示装置の平面視における前記第2方向と交差する第3方向に延在し、前記第1波状部材と重なるように配置される第2波状部材を備える
技術3に記載の表示装置。
【0259】
(技術5)
前記第1方向と前記第2方向とは、前記表示装置の平面視において、直交し、
前記第2方向と前記第3方向とは、前記表示装置の平面視において、直交し、
前記第1方向と前記第3方向とは、同じ方向である
技術4に記載の表示装置。
【0260】
(技術6)
前記第1波状部材における隣り合う前記第1凹部又は隣り合う前記第2凹部のピッチをp1とすると、前記第1波状部材における、前記第1凹部の頂部と前記第2凹部の頂部との前記積層方向の長さは前記p1未満であり、
前記第2波状部材における隣り合う前記第1凹部又は隣り合う前記第2凹部のピッチをp2とすると、前記第2波状部材における、前記第1凹部の頂部と前記第2凹部の頂部との前記積層方向の長さは前記p2未満である
技術4に記載の表示装置。
【0261】
(技術7)
前記クッション層は、前記表示装置の平面視において、それぞれが2次元状に配置された複数の前記第1凹部及び複数の前記第2凹部を有する
技術1~6のいずれかに記載の表示装置。
【0262】
(技術8)
前記クッション層は、前記積層方向と平行な面で切断したときの断面視において、前記第1方向に沿って、前記第1凹部と前記第2凹部とが交互に配置されるとともに、前記表示装置の平面視における前記第1方向と交差する第2方向に沿って交互に配置される前記第1凹部と前記第2凹部とをさらに有し、
前記第2方向に沿って配置される前記第1凹部及び前記第2凹部は、前記第1方向に沿う前記第1凹部及び前記第2凹部と前記基準線の前記積層方向の位置が異なっており、
前記第1方向に沿って配置される前記第1凹部と、前記第2方向に沿って配置される前記第2凹部とが接続されている
技術7に記載の表示装置。
【0263】
(技術9)
前記第2向きは、前記クッション層から前記表皮側に向かう向きであり、
前記第2凹部の頂部は平面である
技術1~8のいずれかに記載の表示装置。
【0264】
(技術10)
前記クッション層は、前記表示装置の平面視において、前記意匠部に形成された意匠と重畳する第一部分と、前記第一部分の周囲の第二部分とを有し、
前記第一部分の光透過率は、前記第二部分の光透過率より高い
技術1~9のいずれかに記載の表示装置。
【0265】
(技術11)
前記第一部分は、透明、又は光透過のある着色をされており、
前記第二部分は、遮光性を有する
技術10に記載の表示装置。
【0266】
(技術12)
隣り合う前記第1凹部の間に、遮光性のあるシートが配置される
技術1~11のいずれかに記載の表示装置。
【0267】
(技術13)
前記意匠部は、前記積層方向から見て、2以上の前記第1凹部及び前記第2凹部と重畳するように配置される
技術1~12のいずれかに記載の表示装置。
【0268】
(技術14)
前記クッション層は、光透過性を有するシリコンゴムで形成される
技術1~13のいずれかに記載の表示装置。
【0269】
(技術15)
前記クッション層は、前記シリコンゴムと屈折率が異なる光拡散粒子を含む
技術14に記載の表示装置。
【0270】
(技術16)
前記意匠部は、光透過性を有するシリコンゴムと、前記シリコンゴムと屈折率が異なる光拡散粒子とを含む
技術1~13のいずれかに記載の表示装置。
【0271】
(技術17)
前記意匠部は、意匠を形成する印刷層を有する
技術1~16のいずれかに記載の表示装置。
【0272】
(技術18)
前記意匠部は、意匠を形成する意匠シートを有する
技術1~16のいずれかに記載の表示装置。
【0273】
(技術19)
前記第1凹部又は前記第2凹部は、前記表示装置の平面視において、四角形、六角形、又は、円形である
技術1~18のいずれかに記載の表示装置。
【0274】
(技術20)
技術1~19のいずれかに記載の表示装置と、
前記クッション層の裏面側に配置され、ユーザからの操作を検知する検知部と、を備える
入力装置。
【0275】
(技術21)
前記クッション層は、前記表皮への押圧により圧縮変形する
技術20に記載の入力装置。
【0276】
(技術22)
前記検知部は、前記クッション層が圧縮変形した状態で、さらに、前記表皮への押圧がなされた場合に前記ユーザからの操作を検知する
技術20又は21に記載の入力装置。
【0277】
(技術23)
前記検知部は、前記クッション層の前記表皮が配置される面とは反対側の面に、操作位置を検出する光透過性のセンサフィルムを有し、
前記入力装置は、さらに、
前記センサフィルムと前記光源との間に配置され、前記意匠部に形成された意匠に対応する位置に貫通孔を有する板状のフレームと、
前記センサフィルムと前記フレームとの間に配置され、光透過性の保護層とを備える
技術20~22のいずれかに記載の入力装置。
【0278】
(技術24)
前記保護層は、光拡散粒子を含む
技術23に記載の入力装置。
【0279】
(技術25)
前記クッション層に振動を伝達する振動デバイスをさらに備え、
前記振動デバイスは、前記クッション層の少なくとも面方向に振動する
技術20~24のいずれかに記載の入力装置。
【産業上の利用可能性】
【0280】
本開示は、車両等に搭載される表示装置及び入力装置に有用である。
【符号の説明】
【0281】
1 入力装置
10 表皮部
10a 第一領域
10b 第二領域
11 表皮
12 意匠シート(意匠部)
12a シート部
12b 意匠層
12b1 透過部(第一部分)
12b2 遮光部(第二部分)
13、113、213、313、413、613 クッション層
13a、113a1、113b1 第1凹部
13a1、13b1、113a11、113a22、113b11、113b22 頂部
13b、113a2、113b2、313b 第2凹部
13c、13d 空間
14 枠体
15、34、53、54、64 ネジ
20、413a 本体部
21 枠部
22 規制部
23、51、61 開口
30 フレーム部
31 センサフィルム(検知部)
31a 基材
31b センサ電極
31c フレキシブル基板部
32 フレーム
32a 貫通孔
32b、32c 端部
33 光源
33a 基板
33b 発光素子
35 保護層
40 振動デバイス
50 板バネ
52、63 ネジ穴
60 シャーシ
62 凸部
70 メイン基板
80 上側カバー
90 下側カバー
100 押込検知部(検知部)
110 制御部
113a 第1波状部
113b 第2波状部
213a 第1波状部材
213b 第2波状部材
313b1 平面
413b ブロック体
513 遮光シート
613a 光拡散粒子
A 高さ
W 幅