(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164254
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】車両、特に単車のコンポーネントにおいて位置固定するための位置固定装置を備えた通信ユニット
(51)【国際特許分類】
B60R 11/02 20060101AFI20231102BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20231102BHJP
F16B 5/06 20060101ALI20231102BHJP
F16B 5/07 20060101ALI20231102BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B60R11/02 W
B60R11/02 A
F16B5/02 E
F16B5/06 B
F16B5/07 H
F16B5/10 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172960
(22)【出願日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】20 2022 102 323.9
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100161908
【弁理士】
【氏名又は名称】藤木 依子
(72)【発明者】
【氏名】マッツ-アケ・エクブラード
【テーマコード(参考)】
3D020
3J001
【Fターム(参考)】
3D020BA06
3D020BB01
3D020BB02
3D020BB03
3D020BC24
3D020BD02
3D020BD03
3J001FA02
3J001GA01
3J001GB01
3J001HA04
3J001HA07
3J001HA10
3J001JA00
3J001JC00
3J001JD21
3J001JD37
3J001KA19
3J001KB01
3J001KB06
(57)【要約】
【課題】車両において通信ユニットの送信/受信機構が位置固定されること。
【解決手段】電磁的な送信および/または受信機構(25)と、この電磁的な送信および/または受信機構(25)用の、車両(20)、好ましくはeバイクのような単車のコンポーネント(6、9)、好ましくは駆動ユニット(6)および/またはフレーム(9)において位置固定するための位置固定装置(1)とを備えた通信ユニット(100)であって、とりわけ実質的に向かい合う2つの面(5、5’)を有し、送信および/または受信機構(25)が配置されている、とりわけ平らで実質的に長方形の支持体(2)ならびに、少なくとも1つの第1の保持要素(3)を含み、この第1の保持要素(3)が、支持体(2)をコンポーネント(6、9)に位置安定性に固定するために形成されている通信ユニット(100)。
【選択図】
図1b
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁的な送信および/または受信機構(25)と、前記電磁的な送信および/または受信機構(25)用の、車両(20)、好ましくはeバイクのような単車のコンポーネント(6、9)、好ましくは駆動ユニット(6)および/またはフレーム(9)において位置固定するための位置固定装置(1)とを備えた通信ユニット(100)であって、
とりわけ実質的に向かい合う2つの面(5、5’)を有し、前記送信および/または受信機構(25)が配置されている、とりわけ平らで実質的に長方形の支持体(2)ならびに、
少なくとも1つの第1の保持要素(3)を含み、前記第1の保持要素(3)が、前記支持体(2)を前記コンポーネント(6、9)に位置安定性に固定するために形成されている通信ユニット(100)。
【請求項2】
前記第1の保持要素(3)が固定平面を定義し、前記支持体(2)が支持体平面を定義し、前記支持体平面が、前記固定平面に対して-60°~90°、好ましくは-10°~90°、とりわけ0°~90°の間の角度(7)を有する、請求項1に記載の通信ユニット(100)。
【請求項3】
前記車両の前記コンポーネント(6、9)において前記支持体(2)を位置固定するための第2の保持要素(4)が配置されている、請求項1または2に記載の通信ユニット(100)。
【請求項4】
前記第2の保持要素(4)が、連接部(10)、保持用通し穴として、および/または前記支持体(2)の突出部として形成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項5】
前記第1の保持要素(3)が前記支持体(2)に、形状結合式および/または力結合式に、とりわけ取り外し可能に配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項6】
前記第1の保持要素(3)が、前記支持体(2)にとりわけ取り外し可能に配置されている支持板(303)および/または前記コンポーネント(6、9)において取り外し可能に位置固定可能な結合要素(302)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項7】
前記結合要素(302)がL字形に形成されている、請求項6に記載の通信ユニット(100)。
【請求項8】
前記第1の保持要素(3)が前記コンポーネント(6、9)に、ネジ結合、クリップ結合、スナップフィット結合、バヨネット式結合、および/または面ファスナー結合によって配置可能である、請求項1から7のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項9】
前記支持体(2)が位置固定されている状態では前記車両(20)の方に向いている前記支持体平面と、前記第1の保持要素(3)の固定平面との間の前記角度が、0°超、とりわけ10°超、好ましくは20°超である、請求項1から8のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項10】
前記第1の保持要素(3)を前記コンポーネント(6、9)において位置固定するための固定要素(30)が設けられている、請求項1から9のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項11】
前記固定要素(30)が、固定プレート、固定アングル、またはその類似物として形成されている、請求項10に記載の通信ユニット(100)。
【請求項12】
前記固定要素(30)が前記コンポーネント(6、9)に、ネジ結合、クリップ結合、スナップフィット結合、バヨネット式結合、および/または面ファスナー結合によって配置可能である、請求項10または11に記載の通信ユニット(100)。
【請求項13】
前記第1の保持要素(3)が前記固定要素(30)に、ネジ結合、クリップ結合、スナップフィット結合、バヨネット式結合、および/または面ファスナー結合によって配置可能である、請求項10から12のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項14】
前記第2の保持要素(4)を前記コンポーネント(6、9)において位置固定するための支持要素(40、40’)が設けられている、請求項1から13のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)。
【請求項15】
前記支持要素(40、40’)が、前記第2の保持要素(4)を収容するための開口部(11)および/または凹部(8)を有する、請求項14に記載の通信ユニット(100)。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)を含む車両(20)、特に単車。
【請求項17】
請求項1から15のいずれか一項に記載の通信ユニット(100)を含む、車両(20)用、特に単車用の駆動ユニット(6)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の通信ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、電磁的な送信および/または受信機構と、この電磁的な送信および/または受信機構用の、特に単車、とりわけeバイク、ペデレック、またはその類似物のコンポーネント、好ましくは駆動ユニットまたはフレームにおいて位置固定するための位置固定装置とを備えた通信ユニットに関する。
【0003】
本発明はさらに、通信ユニットを含む特に単車に関する。
本発明はそのうえ、通信ユニットを含む、車両用、特に単車用の駆動ユニットに関する。
【0004】
本発明は任意の車両に全般的に適用可能ではあるが、eバイクまたはペデレックの形態での自転車に関連して本発明は説明される。
本発明は任意の電磁的な送信および/または受信機構に全般的に適用可能ではあるが、送信および/または受信機構としてのアンテナに関連して本発明は説明される。
【0005】
eバイクにはしばしば、例えばGPSデータの送信および受信に使用されるアンテナが取り付けられる。これにより、eバイクの速度または位置が決定され得る。先行技術からは、アンテナが増備のためにEバイクの駆動ユニットに格納される解決策が知られており、これによりアンテナは、eバイクのコントロール機構と簡単に接続でき、かつ外部の影響、例えば雨から保護される。この場合、アンテナは、駆動ユニットのハウジング内に、しっかり固定されずに挿入されている。
【0006】
従来のeバイクでは、一般的に、送信出力に影響を与え得る金属部品に近すぎるところにアンテナが取り付けられているので、アンテナの送信および受信品質が悪影響を受ける。それだけでなくアンテナが地面の方向を指しており、これによっても送信出力が悪影響を受ける。
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では本発明は、電磁的な送信および/または受信機構と、この電磁的な送信および/または受信機構用の、車両、好ましくはeバイクのような単車のコンポーネント、好ましくは駆動ユニットおよび/またはフレームにおいて位置固定するための位置固定装置とを備えた通信ユニットであって、とりわけ実質的に向かい合う2つの面を有し、送信および/または受信機構を配置可能な、とりわけ平らで実質的に長方形の支持体ならびに、少なくとも1つの第1の保持要素を含み、この第1の保持要素が、支持体をコンポーネントに位置安定性に固定するために形成されている通信ユニットを提供する。
【0008】
一実施形態では本発明は、請求項1から15のいずれか一項に基づく電磁的な送信および/または受信機構と位置固定装置とを備えた通信ユニットを含む特に単車を提供する。
一実施形態では本発明は、請求項1から15のいずれか一項に基づく電磁的な送信および/または受信機構と位置固定装置とを備えた通信ユニットを含む、車両用、特に単車用の駆動ユニットを提供する。
【0009】
これによって獲得される利点の1つは、通信ユニットの送信および/または受信機構が、特に単車のコンポーネントにおいて、簡単に、しかし正確な位置および角度で、したがって再現可能に位置固定され得ることである。さらなる利点は、送信および/または受信機構の位置および角度が、車両の妨害的なコンポーネントから離れるように適合または最適化され得ることであり、これにより送信および/または受信出力が改善される。
【0010】
通信ユニットは、電磁的な送信および/または受信機構と、この送信および/または受信機構を特に単車の1つのコンポーネントにおいて位置固定するための位置固定装置とを有する。位置固定装置は支持体を含む。このとりわけ平らで実質的に長方形の支持体は、とりわけ送信および/または受信機構のための保持手段、ハウジング、またはその類似物として理解されるべきである。支持体は様々な幾何形状をとり得る。支持体は、とりわけ支持体の長さおよび幅に比べて小さな高さを有する。これに関し、支持体の長さおよび幅の方向での断面は、実質的に長方形であり得る。したがって支持体は、向かい合って配置された2つの実質的に長方形の面(上面および下面)ならびに4つの細長い側面を有し得る。その代わりに、支持体の断面が円形またはオーバル形であってもよい。位置固定されている状態、つまり支持体が単車、例えばeバイクの1つのコンポーネントに配置されている状態では、両方の面の一方がコンポーネントまたは特に単車の方に向いており、かつもう一方の面がコンポーネントまたは特に単車とは逆の方に向いていることができる。以下では、コンポーネントまたは車両、とりわけeバイクの方に向いている面を「下面」、逆の方に向いている面を「上面」という。
【0011】
位置固定装置は、少なくとも1つの第1の保持要素をさらに含み、この第1の保持要素は、支持体を1つのコンポーネントに位置安定性におよび取り外し可能に固定するために形成されている。特に単車のコンポーネントとしては、とりわけ駆動ユニットおよび/またはフレームが設けられている。第1の保持要素は、支持体をコンポーネントと、取り外し可能に、好ましくはネジ結合によって固定するよう形成されている。本発明の枠内で「位置安定性に」とは、第1の保持要素が、特に単車の1つのコンポーネントに、とりわけ取り外し可能に固定可能であり、これにより支持体が、位置および/または角度に関し、安定した、および正確な、したがって再現可能なまたは正確に繰り返し可能な取付姿勢をとることを意味するものとする。支持体の位置安定性のある固定は、とりわけ、コンポーネントにおける通信ユニットの確実な固定を可能にする。一実施形態では、第1の保持要素がコンポーネントに、ネジ結合によって位置安定性で取り外し可能に固定可能である。これとは違い、通信ユニットを駆動ユニットのハウジング内へと例えばしっかり固定せずに挿入することによる緩い固定は、位置安定性のある固定を可能にしない。
【0012】
本発明のさらなる特徴、利点、およびさらなる実施形態を以下に説明し、またはそれによって開示する。
一形態によれば、第1の保持要素が固定平面を、および支持体が支持体平面を定義し、支持体平面は、固定平面に対して-60°~90°の間、好ましくは-10°~90°の間、とりわけ0°~90°の間の角度を有する。
【0013】
固定平面は、第1の保持要素が位置固定されている状態では車両の1つのコンポーネントに直接的に配置されている第1の保持要素の一部を通る平面、とりわけ第1の保持要素を車両のコンポーネントに固定するネジの例えばねじ込み方向に垂直な平面と定義される。支持体平面は、支持体と第1の保持要素の間の接触面を通る平面と定義される。固定平面と支持体平面の間の角度は、固定平面が、支持体平面に平行であるために支持体の方向に回転しなければならない角度と定義され、これに関し、支持体の表面が地面の方向を指す場合はこの角度は負であり、支持体の表面が地面から離れる方を指す場合は正である。これに関しては、特に単車のコンポーネントにおける支持体または通信ユニットの通常の取付姿勢が出発点とされる。
【0014】
送信および/または受信機構は、アンテナ、例えばGPSアンテナおよび/または広帯域移動無線アンテナを含み得る。
本発明の有利な一変形形態によれば、特に単車のコンポーネントにおいて支持体を位置固定するための第2の保持要素が配置されている。とりわけ、支持体は第2の保持要素によって車両のコンポーネントに配置され得、かつ第1の保持要素によって動かないように固定され得る。これによる利点は、支持体が簡単かつ確実に車両のコンポーネントにおいて位置固定され得ることである。とりわけ、走行中に振動によって発生し得る支持体の変位が低減される。
【0015】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、第2の保持要素は、連接部、保持用通し穴として、および/または支持体の突出部として形成されている。これによる利点は、第2の保持要素が、特に単車のコンポーネントの支持要素に簡単に配置され得ることである。とりわけ、支持体が支持要素に差し込まれ、クリップ留めされ、かつ/またはスナップフィットされ得る。支持要素はこのために、第2の保持要素を収容するために形成されている対応する開口部および/または凹部を有し得る。とりわけ、連接部、保持用通し穴、および/または支持体の突出部が、支持要素の開口部に差し込まれ、クリップ留めされ、かつ/またはスナップフィットされ得る。その代わりにまたはそれに加えて、支持要素が第2の保持要素を収容するために形成された凹部を有してもよい。第2の保持要素が、とりわけ支持要素の凹部に差し込まれ、クリップ留めされ、かつ/またはスナップフィットされ得る。
【0016】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、第1の保持要素は支持体に、形状結合式および/または力結合式に、とりわけ取り外し可能に配置されている。これによる利点は、確実かつ柔軟な位置固定が可能にされることであり、これに関し第1の保持要素は、とりわけ交換可能にまたは取り外し可能に支持体に配置されており、したがって様々な第1の保持要素が支持体に配置され得る。これにより、支持体は様々な寸法のコンポーネントまたは単車に連結され得る。
【0017】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、第1の保持要素が支持板を含み、この支持板が、支持体にとりわけ取り外し可能に配置されており、とりわけ支持体にネジ留めされ、クリップ留めされ、またはスナップフィットされ得る。その代わりにまたはそれに加えて、第1の保持要素が結合要素を有し、この結合要素は、車両のコンポーネントにおいて取り外し可能に位置固定可能である。結合要素は、とりわけコンポーネントにネジ留めされ得る。このために結合要素は貫通口を有する。結合要素は、例えば通し穴として形成されていてもよい。このような結合要素の利点は、第1の保持要素が簡単に、支持体ならびに車両のコンポーネント、とりわけ車両の駆動ユニットおよび/またはフレームにおいて取り外し可能に位置固定可能なことである。支持板と結合要素は、とりわけ一体的に形成されていてもよい。結合要素は、とりわけ角度をつけて支持板に配置されている。結合要素は、とりわけ支持体平面と固定平面が互いに対して規定の角度で配置されているように、角度をつけて支持板に配置されている。支持体平面と固定平面の間の規定の角度は、とりわけ-60°~90°、好ましくは-10°~90°、とりわけ0°~90°の間であり得る。第1の保持要素が支持板を含む実施形態では、支持体平面は、とりわけ支持板の主広がり平面に平行であり、ことに支持板の主広がり平面内にある。
【0018】
第1の保持要素の一形態では、結合要素がL字形に形成されていてもよく、この場合、L字形の結合要素の一方の脚部は支持体に配置されており、かつ一方の脚部は、コンポーネントに取り外し可能に固定するために設けられている。
【0019】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、第1の保持要素は特に単車のコンポーネントに、ネジ結合、クリップ結合、スナップフィット結合、バヨネット式結合、および/または面ファスナー結合によって配置可能である。これにより、第1の保持要素が簡単にコンポーネントにおいて位置固定され得る。第1の保持要素が、例えばeバイクの形態での車両のコンポーネントと、とりわけ取り外し可能に結合され得ることが有利であり、これにより保持要素は、修理および/または整備の目的で車両から取り除かれ得る。
【0020】
本発明の有利な一変形形態によれば、支持体が位置固定されている状態では車両の方に向いている支持体の支持体平面と、第1の保持要素の固定平面との間の角度は、0°超、とりわけ10°超、好ましくは20°超である。これに関し、第1の保持要素の固定平面は、とりわけ、支持体のうち、特に単車の駆動ユニットおよび/またはフレームと結合している結合要素を通る平面と定義されている。したがってこの固定平面は、駆動ユニットまたはフレームの面に平行であり、このフレームに第1の保持要素が配置されている。湾曲した面の場合、固定平面は、保持要素の中心点での面の接平面に平行である。支持体の下面が、駆動ユニットに対して角度をつけて配置されることにより、支持体を車両の妨害的なコンポーネントからより良く離れるように方向づけることができ、これによりアンテナがより良好な送信出力を有する。
【0021】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、第1の保持要素をコンポーネントにおいて位置固定するための固定要素が配置されている。これによる利点は、支持体が簡単に、車両のコンポーネント、例えば車両の駆動ユニットおよび/またはフレームと結合され得ることである。それに応じて第1の保持要素は、直接的にコンポーネントと、または固定要素を使って間接的にコンポーネントと結合され得る。固定要素は、とりわけ、一方では駆動ユニットと、他方ではフレームと、とりわけ取り外し可能に結合可能であるように形成されている。この場合、固定要素はフレーム結合要素として働いており、例えば公差補正要素として作用し得る。第1の保持要素が固定要素と結合している実施形態では、第1の保持要素は、少なくとも駆動ユニットおよび/または少なくともフレームと、固定要素によって結合している。
【0022】
固定要素は、とりわけ固定プレート、固定アングル、またはその類似物として形成されていてもよい。固定要素が金属から作製されることが好ましい。固定要素はコンポーネントに、つまり駆動ユニットおよび/またはフレームに、ネジ結合、クリップ結合、スナップフィット結合、バヨネット式結合、および/または面ファスナー結合によって配置可能であり得る。さらに第1の保持要素が固定要素に、ネジ結合、クリップ結合、スナップフィット結合、バヨネット式結合、および/または面ファスナー結合によって配置可能であり得る。
【0023】
本発明のさらなる有利な一変形形態によれば、第2の保持要素をコンポーネントにおいて位置固定するための支持要素が配置されている。支持要素は、合成樹脂から、とりわけプラスチックから、および/またはゴムから製造され得る。例えば、支持要素は圧入により、特に単車のコンポーネント、とりわけ駆動ユニットにおいて位置固定され得る。その代わりにまたはそれに加えて、支持要素は固定要素においても、例えば圧入によって位置固定され得る。
【0024】
一形態では支持要素が、第2の保持要素を収容するための開口部および/または凹部を有する。第2の保持要素は、開口部および/または凹部にとりわけ差し込まれ、クリップ留めされ、および/またはスナップフィットされていてもよい。
【0025】
本発明のさらなる重要な特徴および利点は、従属請求項から、図面から、およびそれに帰属する図の説明から明らかである。
上で挙げた特徴および以下でさらに解説する特徴が、それぞれ提示した組合せだけでなく、他の組合せでまたは単独でも、本発明の範囲を逸脱することなく使用可能であることは自明である。
【0026】
本発明の好ましい実施および実施形態を図面に示しており、以下の説明においてより詳しく解説しており、その際、同じまたは類似のまたは同じ機能の部品または要素には同じ符号を適用している。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1a】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す図である。
【
図1b】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す図である。
【
図2a】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す図である。
【
図2b】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置の支持体の分解図を概略的な形態で示す図である。
【
図4】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置の支持体を概略的な形態で示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態に基づく位置固定装置の断面図を概略的な形態で示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態に基づく単車および支持体を概略的な形態で示す図である。
【
図7】本発明の一実施形態に基づく単車を概略的な形態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1aは、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示している。
図1aでは、駆動ユニット6における通信ユニット100が示されている。さらに、支持体2と、第1の保持要素3と、第2の保持要素4とを含む位置固定装置1が示されている。支持体2は、丸みのある角をもつ実質的に長方形の上面5を有し、第2の保持要素4の領域内の2つの角は、実質的に完全に丸められており、上から見ると半円になっている。第1の保持要素3は、結合要素302および支持板303を含む。第1の保持要素3は固定要素30により、駆動ユニット6において位置固定されており、この固定要素30は任意選択であり、他の固定要素または固定方法と取り換えるかまたはなくすことができる。図示した実施形態での固定要素30は、駆動ユニット6および結合要素302にネジ留めによって固定されている。固定要素30は固定プレートとして実施されている。固定要素30は駆動ユニット6と結合しており、とりわけネジ留めされている。固定要素30はフレーム9(不図示)とも結合しており、とりわけネジ留めされている。それに応じて固定要素30は、駆動ユニット6とフレーム9の間に配置されており、かつ駆動ユニット6およびフレーム9の両方と取り外し可能に結合しており、とりわけネジ留めされている。言い換えれば、駆動ユニット6は固定要素30によって間接的にフレーム9と結合しており、とりわけネジ留めされている。この場合、固定要素30はフレーム結合要素として働いており、例えば公差補正要素として働き得る。結合要素302は支持板303と結合しており、この支持板303は支持体2に配置されており、かつ支持体2を支えている。図示した実施形態では、結合要素302が支持板303と一体的に結合している(
図4を参照)。結合要素302は、角度をつけて支持板303に配置されている。結合要素302はL字形に形成されており、かつ支持板303に配置されている脚部と、駆動ユニット6、ここでは固定要素30に固定するために設けられている脚部とを含む。この結合要素302により、通信ユニット100が駆動ユニット6に規定の位置および/または規定の角度で、確実かつ再現可能に固定され得る。
【0029】
結合要素302により、ここではフレーム結合要素の形態での固定要素30と支持板303は角度7で互いから離隔している。つまり、支持板303に沿った平面と固定要素30に沿った平面が角度7で向き合っている。これにより支持体2、したがって通信ユニット100は、駆動ユニット6に対して任意の、ただし規定の角度で配置されていてもよい。角度7は、
図1では約-40°である。特に単車の駆動ユニット6における通信ユニット100を使う通常の使用では、支持体2は固定要素30を出発点として地面(不図示)の方向に回転しているので、角度は負である。
【0030】
第2の保持要素4は、支持要素40に差し込まれており、この支持要素40はゴムから製造されていてもよい。支持体2は第2の保持要素4で支持要素40に載り、かつ支持要素40によって支えられる。このために支持要素40は凸部または凹部8を有する。支持要素40もまた駆動ユニット6に例えば圧入によって固定されている。駆動ユニット6に通信ユニット100を据え付ける際、支持体2は、第2の保持要素4により、支持要素40上で位置決めすることができ、かつ第1の保持要素3により、例えば第1の保持要素3と固定要素30のネジ留めによって位置固定され得る。
【0031】
図1bは、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す。
図1bでは、位置固定装置1のさらなる可能な配置が示されている。第1の保持要素3の結合要素302がフレーム9と直接的に結合している。
図1aのように、支持体2は第2の保持要素4によって支持要素40内で位置決めされている。しかしながら
図1aとは異なり結合要素302が、固定要素30によって駆動ユニット6に配置されているのではなく、特に単車(不図示)のフレーム9において直接的に位置固定されている。駆動ユニット6もフレーム9と結合しており、とりわけネジ留めされている。示した
図1bに基づく実施形態では、駆動ユニット6がフレーム9と直接的に結合しており、とりわけネジ留めされており、
図1aに基づく実施形態でのように固定プレートの形態での固定要素30を介して間接的に結合してはいない。
図1aに倣って、
図1bではフレーム9と支持板303が、結合要素302によって規定の角度(不図示)で互いから離隔している。つまり、支持板303に沿った平面とフレーム9に沿った平面がある角度のもと向き合っている。
【0032】
図2aは、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す。
図2aでは、位置固定装置1を使った、駆動ユニット6における通信ユニット100のさらなる可能な配置が示されている。支持体2は、支持要素40’において位置決めするため、連接部10の形態での第2の保持要素4を有し、この連接部10が、支持要素40’内の対応する開口部11に差し込まれている。支持要素40’は、
図2に基づく実施形態では固定要素30に例えば圧入によって配置されている。駆動ユニット6に通信ユニット100を据え付ける際、支持体2は、連接部10を開口部11に押し込まれ、かつ第1の保持要素3、とりわけ結合要素302によって固定要素30とネジ留めされ、したがって支持体2は固定要素30によってフレーム9または駆動ユニット6において位置固定されている。固定要素30は、ネジ留め、圧入、または形状結合により、フレーム9において位置固定され得る。固定要素30はさらに駆動ユニット6に、とりわけネジ留めによって固定されている。固定要素30は固定プレートとして実施されている。固定要素30は駆動ユニット6と結合しており、とりわけネジ留めされている。固定要素30はフレーム9とも結合しており、とりわけネジ留めされている。それに応じて、
図1aに基づく実施形態でも示されるように、固定要素30は駆動ユニット6とフレーム9の間に配置されており、かつ駆動ユニット6およびフレーム9の両方と取り外し可能に結合しており、とりわけネジ留めされている。言い換えれば、駆動ユニット6は固定要素30によってフレーム9と結合しており、とりわけネジ留めされている。この場合、固定要素30はフレーム結合要素として働いており、例えば公差補正要素として働き得る。
【0033】
図2に基づく実施形態では、支持体平面、つまり支持板(不図示)を通る、したがって支持体2に平行な平面が、固定平面、つまり結合要素302を通る平面に対して実質的に平行である。つまり、両方の平面の間の角度(不図示)は実質的に0°である。支持体2が空(不図示)の方向に、つまりフレーム9の方向に傾いている場合、角度は正である。これに対し支持体2が駆動ユニット6の方向に、つまり地面(不図示)の方向に傾いている場合、角度は負である。この「空の方向に」または「地面の方向に」は、特に単車の駆動ユニットにとって通常の使用に関係する。アンテナの送信および/または受信出力が悪影響を受けるのを防止するため、角度は-60°未満であってはならない。例えば-90°の角度の場合は、つまり支持体2の上面が駆動ユニット6の方向、とりわけ地面の方向を指しており、かつ支持体2の上面が、固定要素30を通る平面に垂直である場合は、支持体2が完全に地面の方向を指している。したがって送信および/または受信機構(不図示)が、例えばGPS衛星(不図示)の方向に発信できず、よって送信および/または受信出力が不十分である。
【0034】
図2bは、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置を備えた駆動ユニットを概略的な形態で示す。
図2bは、位置固定装置1の可能な配置を分解図において示す。フレーム9に固定要素30が取り外し可能に結合しており、固定要素30は駆動ユニット6とも取り外し可能に結合しており、とりわけネジ留めされている。固定要素30において支持要素40’が位置固定されている。支持要素40’は、支持体2のための保持具として働く。支持体2はこのために、連接部10の形態での第2の保持要素4を有する。支持体2を駆動ユニット6またはフレーム9において位置決めするために、支持体2の第2の保持要素4が支持要素40’の開口部11に差し込まれる。位置固定装置1は第1の保持要素3を介して固定要素30において位置固定されている。位置固定装置1はカバー50によって液体および汚れから保護される。
【0035】
図3は、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置の支持体の分解図を例示的に概略的な形態で示す。
図3では、位置固定装置1の支持体2を備えた通信ユニット100の分解図が示されている。支持体2は、蓋12、バッテリー13、アンテナ支持体14、PCBプリント基板15、2つのシールド要素16、および底部17を含む。バッテリー13およびPCBプリント基板15は、アンテナ支持体14内で位置固定されている。バッテリー13により、PCBプリント基板15上の電気コンポーネント(不図示)がエネルギーを供給される。PCBプリント基板15は電気コンポーネントおよびアンテナ(不図示)と共に、送信および/または受信機構25の一部である。PCBプリント基板15上の電気コンポーネントの幾つかは、PCBプリント基板15に配置されたシールド要素16によって電磁放射線からシールドされる。PCBプリント基板15は、電流供給のためならびに/またはデータの送信および/もしくは受信のために、案内口18を介して外部機構(不図示)と有線でつながれ得る。
【0036】
支持体2は、底部17に配置された連接部10の形態での第2の保持要素4により、支持要素(不図示)において位置決めされ得、とりわけ支持要素に差し込まれ得る。支持要素40、40’の例は
図1および
図2に示されている。
【0037】
支持体2が位置固定されている状態では、蓋12が上面5を有し、底部17が下面5’を有する。
モジュール式の構造形式により、アンテナ支持体14はPCBプリント基板15と共に、支持体2から取り除かれ得、別のエレクトロニクス機構と取り換えられ得る。
【0038】
図4は、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置の支持体を概略的な形態で示す。
図4に示した支持体2の下面5’において、第1の保持要素3の支持板303がネジによって位置固定されている。支持板303はネジによって取り外し可能に支持体2と結合しており、したがって支持板303および結合要素302を含む第1の保持要素3は交換され得る。これにより支持体2は様々な駆動ユニットまたは特に単車に取り付けられ得る。とりわけ、支持体2と駆動ユニットまたは特に単車との間の角度は、適切に形成された第1の保持要素3によって適合され得る。
【0039】
支持板303は、支持体2の下面5’の少なくとも50%を包みまたは覆い被さり、これによりPCBプリント基板15内のアンテナの基準平面と支持板303の間の電気的カップリングが提供される。
【0040】
図5は、本発明の一実施形態に基づく位置固定装置の断面図を概略的な形態で示す。
図5では、支持体2を備えた通信ユニット100が断面で示されている。バッテリー13と、PCBプリント基板15を含む送信および/または受信機構25とが、支持体2内で位置決めされている。PCBプリント基板15は、駆動ユニット6の方向では、シールド要素16によってシールドされる。支持体2の下面5’の少なくとも50%を包む支持板303により、シールドが追加的に改善される。第1の保持要素3が金属から製造されており、かつ直接的に駆動ユニット6において位置固定されているので、これらはガルバニック接続している。シールド要素16から支持板303の間隔が小さいことにより、PCBプリント基板15は支持板303に容量性カップリングしている。したがって駆動ユニット6およびとりわけ支持板303が、PCBプリント基板15のための基準グラウンドとして作用し、つまりPCBプリント基板15の接地の一部である。
【0041】
支持板303とシールド要素16の間隔19は2mm以下である。
下面5’は駆動ユニット6の方に向いており、上面5は駆動ユニット6から離れる方を指す。こうすることで、金属の物体が送信または受信出力に影響を与えることなく、PCBプリント基板15上のアンテナは上面5を通してデータを送信および受信し得る。同時にアンテナは、下からの駆動ユニット6による妨害に対し、支持板303によって保護される。
【0042】
案内口18を介し、PCBプリント基板15は駆動ユニット6または特に単車の外部機構(不図示)と接続している。外部機構は、例えば制御機構および/またはエネルギー供給機構を含み得る。
【0043】
図6は、本発明の一実施形態に基づく単車および支持体を概略的な形態で示す。
図6では、単車20と、支持体2を備えた通信ユニットとが示されている。支持体2には、それぞれX軸、Y軸、およびZ軸21、21’、21”が描き込まれており、これらの軸に基づいて支持体2の向きも表され得る。単車20には、対応するx軸、y軸、およびz軸22、22’、22”が示されている。これに関し、支持体2のX軸、Y軸、およびZ軸21、21’、21”の方向は、単車20のx軸、y軸、およびz軸22、22’、22”の方向と対応し、したがって支持体2のこの向きは、単車20における支持体2の向きと対応する。
【0044】
アンテナの十分に良好な送信および/または受信出力を保証するため、支持体2の上面5は、できるだけ単車のコンポーネントから離れる方を、とりわけ駆動ユニット6から離れる方を、および地面から離れる方を、すなわち正のz軸22”の方向を指す。つまり、X軸21およびY軸21’を中心とする支持体2の回転は最大130°であってよい。これに関し、
図6に示した姿勢を0°と定義し、この姿勢では表面5がZ軸21”に垂直である。
図6ではx軸22とz軸22”に沿った固定平面に対し、
図6ではX軸21とY軸21’に沿った支持体平面は最大で-60°~220°の間の角度で回転している。例えば、
図6に示した支持体2は固定平面に対して90°回転している。支持体2はZ軸21”を中心として任意に回転でき、なぜならこれによって上面5のうちの地面の方向を指す割合は変化を見せないからである。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態に基づく単車を概略的な形態で示す。
図7は、駆動ユニット6と、電磁的な送信および/または受信機構25を駆動ユニット6またはフレーム9において位置固定するための位置固定装置1を具備する通信ユニット100とを備えた単車20を示す。この位置固定装置1は、例えば
図2の実施形態での第1の保持要素3、第2の保持要素4、および支持体2を含む。支持体2は、位置固定装置1により、駆動ユニット6またはフレーム9において位置固定されている。
【0046】
まとめると、本発明の少なくとも1つの実施形態は、以下の特徴の少なくとも1つを有し、かつ/または以下の利点の少なくとも1つを提供する。
- 特に単車、例えばeバイクにおける送信および/または受信機構の確実な位置固定
- 特に単車、例えばeバイクにおける送信および/または受信機構の角度および位置に関する送信および/または受信機構の柔軟な配置
- 送信および/または受信機構の高い送信および/または受信出力
本発明を好ましい例示的実施形態に基づいて説明してきたのではあるが、本発明はこれらに限定されるのではなく、多種多様に改変可能である。
【符号の説明】
【0047】
1 位置固定装置
2 支持体
3 第1の保持要素
4 第2の保持要素
5 面(特許請求の範囲)、上面(特許請求の範囲以外)
5’ 面(特許請求の範囲)、下面(特許請求の範囲以外)
6 駆動ユニット
7 角度
8 凹部
9 フレーム
10 連接部
11 開口部
12 蓋
13 バッテリー
14 アンテナ支持体
15 PCBプリント基板
16 シールド要素
17 底部
18 案内口
19 間隔
20 車両(特許請求の範囲)、単車(特許請求の範囲以外)
21 X軸
21’ Y軸
21” Z軸
22 x軸
22’ y軸
22” z軸
25 電磁的な送信および/または受信機構
30 固定要素
40 支持要素
40’ 支持要素
50 カバー
100 通信ユニット
302 結合要素
303 支持板
【外国語明細書】