(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164285
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 50/50 20210101AFI20231102BHJP
H01M 50/557 20210101ALI20231102BHJP
H01M 50/548 20210101ALN20231102BHJP
【FI】
H01M50/50 201Z
H01M50/557
H01M50/548 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018326
(22)【出願日】2023-02-09
(31)【優先権主張番号】P 2022074725
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】507357232
【氏名又は名称】株式会社AESCジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(74)【代理人】
【識別番号】100127236
【弁理士】
【氏名又は名称】天城 聡
(72)【発明者】
【氏名】木村 仁昭
(72)【発明者】
【氏名】関野 桂三
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA19
5H043CA08
5H043DA02
5H043FA22
5H043FA26
5H043FA40
5H043HA17F
5H043JA13D
5H043LA21F
(57)【要約】
【課題】電池モジュールの生産性を向上させる。
【解決手段】電池モジュール10は、正極タブ112及び負極タブ114を備えている。正極タブ112及び負極タブ114は、重なり部OL及び接合部JCを有している。重なり部OLでは、正極タブ112及び負極タブ114が重なり合っている。接合部JCは、重なり部OLに位置している。接合部JCにおいて、正極タブ112及び負極タブ114は接合されている。接合部JCは、重なり部OLの中心からずれて配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの正極タブと、
前記少なくとも1つの正極タブと重なる重なり部と、前記重なり部に位置し前記少なくとも1つの正極タブと接合された接合部と、を有する少なくとも1つの負極タブと、
を備え、
前記接合部が前記重なり部の中心からずれて配置されている、電池モジュール。
【請求項2】
前記接合部がウォブリング溶接によって形成されている、請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記少なくとも1つの正極タブ及び前記少なくとも1つの負極タブは、前記接合部からずれて配置された他の接合部を有する、請求項1又は2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
少なくとも1つの正極タブと、
前記少なくとも1つの正極タブと重なる重なり部と、前記重なり部に位置し前記少なくとも1つの正極タブと接合され互いにずれて配置された複数の接合部と、を有する少なくとも1つの負極タブと、
を備える電池モジュール。
【請求項5】
前記少なくとも1つの正極タブ及び前記少なくとも1つの負極タブの界面において前記複数の接合部のいずれの部分も互いに重なっていない、請求項4に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記少なくとも1つの正極タブ及び前記少なくとも1つの負極タブの前記界面と異なる領域において前記複数の接合部の少なくとも一部分同士が互いに重なっている、請求項5に記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数の電池セルを備える様々な電池モジュールが開発されている。各電池セルは、電池要素と、電池要素を封止する外装材と、外装材から引き出された正極タブ及び負極タブと、を備えている。
【0003】
特許文献1には、電池モジュールの一例について記載されている。この電池モジュールでは、単一の又は並列に接続された複数の電池セルの正極タブと、単一の又は並列に接続された複数の他の電池セルの負極タブと、がレーザ溶接によって接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献1に記載されているように、少なくとも1つの電池セルの正極タブと他の少なくとも1つの電池セルの負極タブとを接合させることがある。しかしながら、当該正極タブ及び当該負極タブを単に接合するだけでは、正極タブ及び負極タブの接合部が形成される領域の面積のロバスト性の向上が難しいことがある。このため、当該正極タブ及び当該負極タブを単に接合するだけでは、電池モジュールの生産性の向上が難しいことがある。
【0006】
本発明の目的の一例は、電池モジュールの生産性を向上させることにある。本発明の他の目的は、本明細書の記載から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、以下のとおりである。
[1]
少なくとも1つの正極タブと、
前記少なくとも1つの正極タブと重なる重なり部と、前記重なり部に位置し前記少なくとも1つの正極タブと接合された接合部と、を有する少なくとも1つの負極タブと、
を備え、
前記接合部が前記重なり部の中心からずれて配置されている、電池モジュール。
[2]
前記接合部がウォブリング溶接によって形成されている、[1]に記載の電池モジュール。
[3]
前記少なくとも1つの正極タブ及び前記少なくとも1つの負極タブは、前記接合部からずれて配置された他の接合部を有する、[1]又は[2]に記載の電池モジュール。
[4]
少なくとも1つの正極タブと、
前記少なくとも1つの正極タブと重なる重なり部と、前記重なり部に位置し前記少なくとも1つの正極タブと接合され互いにずれて配置された複数の接合部と、を有する少なくとも1つの負極タブと、
を備える電池モジュール。
[5]
前記少なくとも1つの正極タブ及び前記少なくとも1つの負極タブの界面において前記複数の接合部のいずれの部分も互いに重なっていない、[4]に記載の電池モジュール。
[6]
前記少なくとも1つの正極タブ及び前記少なくとも1つの負極タブの前記界面と異なる領域において前記複数の接合部の少なくとも一部分同士が互いに重なっている、[5]に記載の電池モジュール。
【発明の効果】
【0008】
本発明の上記態様によれば、電池モジュールの生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態に係る電池モジュールの斜視図である。
【
図2】実施形態に係る電池モジュールの一部分の前方部分の上面図である。
【
図3】実施形態に係る正極タブの先端部及び負極タブの先端部の前面図である。
【
図5】実施形態に係る接合部及び他の接合部を説明するための図である。
【
図6】変形例に係る電池モジュールの一部分の前方部分の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態及び変形例について、図面を用いて説明する。すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0011】
図1は、実施形態に係る電池モジュール10の斜視図である。
【0012】
各図では、説明のため、X方向、Y方向及びZ方向を示す矢印が示されている。X方向は、電池モジュール10の前後方向を示している。以下、特に断りがない限り、X方向を示す矢印の先端側を電池モジュール10の後側とする。以下、特に断りがない限り、X方向を示す矢印の基端側を電池モジュール10の前側とする。Y方向は、X方向に直交している。Y方向は、電池モジュール10の左右方向を示している。以下、特に断りがない限り、Y方向を示す矢印の先端側を電池モジュール10の左側とする。以下、特に断りがない限り、Y方向を示す矢印の基端側を電池モジュール10の右側とする。Z方向は、X方向及びY方向の双方に直交している。Z方向は、電池モジュール10の上下方向を示している。以下、特に断りがない限り、Z方向を示す矢印の先端側を電池モジュール10の上側とする。以下、特に断りがない限り、Z方向を示す矢印の基端側を電池モジュール10の下側とする。ただし、X方向、Y方向及びZ方向と、電池モジュール10の前後方向、左右方向及び上下方向との関係は上述した例に限定されない。これらの関係は、電池モジュール10の実際の配置に応じて異なる。
【0013】
図1を参照して、電池モジュール10について説明する。
【0014】
電池モジュール10は、複数の並列セル群100Gを備えている。複数の並列セル群100Gは、Y方向に積層されている。各並列セル群100Gは、並列に接続された複数の電池セル100を有している。
図1に示す例では、各並列セル群100Gは、並列に接続された2つの電池セル100を有している。ただし、各並列セル群100Gは、3つ以上の並列に接続された電池セル100を有していてもよい。各並列セル群100Gに含まれる複数の電池セル100は、Y方向に積層されている。各電池セル100の長手方向は、X方向に略平行となっている。各電池セル100の短手方向は、Z方向に略平行となっている。各電池セル100の厚み方向は、Y方向に略平行となっている。ただし、各電池セル100の構造は、この例に限定されない。各電池セル100は、外装材102、正極タブ112及び負極タブ114を含んでいる。
【0015】
外装材102は、不図示の電池要素及び電解液を封止している。電池要素は、例えば、Y方向に交互に積層された複数の正極及び複数の負極と、Y方向に隣り合う正極及び負極の間に位置するセパレータと、を含んでいる。ただし、電池要素の構造は、この例に限定されない。
【0016】
正極タブ112及び負極タブ114は、外装材102のX方向の互いに反対側の辺から引き出されている。正極タブ112は、外装材102によって封止された領域内において、上述の正極に電気的に接続されている。正極タブ112は、例えば、アルミニウムからなっている。負極タブ114は、例えば、銅からなっている。負極タブ114は、外装材102によって封止された領域内において、上述の負極に電気的に接続されている。
【0017】
図1に示す例では、複数の並列セル群100Gが直列に接続されている。具体的には、各並列セル群100Gに含まれる複数の電池セル100から引き出された複数の正極タブ112は、X方向の同じ側に向けられている。同様にして、各並列セル群100Gに含まれる複数の電池セル100から引き出された複数の負極タブ114は、X方向の同じ側に向けられている。Y方向に隣り合う並列セル群100Gの一方から引き出された複数の正極タブ112及び複数の負極タブ114と、Y方向に隣り合う並列セル群100Gの他方から引き出された複数の正極タブ112及び複数の負極タブ114と、はX方向において互いに反対側に向けられている。Y方向に隣り合う並列セル群100Gは、タブ群110を有している。タブ群110は、Y方向に隣り合う並列セル群100Gの前方又は後方に位置している。タブ群110は、Y方向に隣り合う並列セル群100Gの一方から引き出された複数の正極タブ112と、Y方向に隣り合う並列セル群100Gの他方から引き出された複数の負極タブ114と、を含んでいる。タブ群110において、当該複数の正極タブ112及び当該複数の負極タブ114は互いに接合されている。
【0018】
電池モジュール10の前方に位置する複数のタブ群110と、電池モジュール10の後方に位置する複数のタブ群110と、はY方向において互い違いに配置されている。例えば、
図1に示す例では、最も左側に位置する並列セル群100Gと左から2番目に位置する並列セル群100Gとは、これらの並列セル群100Gの前方に位置するタブ群110を有している。また、左から2番目に位置する並列セル群100Gと左から3番目に位置する並列セル群100Gとは、これらの並列セル群100Gの後方に位置するタブ群110を有している。
【0019】
図2は、実施形態に係る電池モジュール10の一部分の前方部分の上面図である。
図3は、実施形態に係る正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部の前面図である。
図4は、
図3のA-A´断面図である。
図2及び
図4において、Z方向を示す黒点付き白丸は、紙面の奥から手前に向けて電池モジュール10の上側であり、紙面の手前から奥に向けて電池モジュール10の下側であることを示している。
図3において、X方向を示すX付き白丸は、紙面の手前から奥に向けて電池モジュール10の後側であり、紙面の奥から手前に向けて電池モジュール10の前側であることを示している。
【0020】
図2を参照して、正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部について説明する。
【0021】
図2には、Y方向に隣り合う2つの並列セル群100Gが例示的に示されている。右側の並列セル群100Gに含まれる2つの電池セル100からは、前方に向けて2つの正極タブ112が引き出されている。上方から見て、当該2つの正極タブ112の先端部は、左方向に向けて折り曲げられている。左側の並列セル群100Gに含まれる2つの電池セル100からは、前方に向けて2つの負極タブ114が引き出されている。上方から見て、当該2つの負極タブ114の先端部は、右方向に向けて折り曲げられている。
【0022】
図2に示す2つの正極タブ112の先端部と、
図2に示す2つの負極タブ114の先端部と、は重なり部OLを有している。重なり部OLにおいて、当該2つの正極タブ112の先端部と、当該2つの負極タブ114の先端部と、はX方向に重なり合っている。
図2に示す例では、負極タブ114の先端部が正極タブ112の先端部の前方に位置している。ただし、正極タブ112の先端部が負極タブ114の先端部の前方に位置してもよい。
【0023】
図2に示す2つの正極タブ112の先端部と、
図2に示す2つの負極タブ114の先端部と、は接合部JCを有している。接合部JCは、重なり部OLに位置している。接合部JCにおいて、当該2つの正極タブ112の先端部と、当該2つの負極タブ114の先端部と、は互いに接合されている。
【0024】
図2では、仮想中心線CLが図示されている。上方から見て、仮想中心線CLは、重なり部OLのY方向の中心をX方向に平行に通過している。
図2に示す例において、上方から見て、接合部JCは、仮想中心線CLから右側にずれて配置されている。正極タブ112及び負極タブ114の接合強度を高めたい場合、重なり部OLの接合部JCからY方向にずれた部分に他の接合部が形成されることがある。
図2に示す例では、上方から見て、当該他の接合部は、重なり部OLの接合部JCの左側部分に形成することができる。
図2に示す例において、接合部JCの左側とは、上方から見て接合部JCの仮想中心線CLからのずれ方向の反対側となっている。したがって、
図2に示す例では、接合部JCが重なり部OLのY方向の中心に位置する場合と比較して、重なり部OLの当該他の接合部が形成される部分のY方向の幅を広くすることができる。このため、実施形態では、重なり部OLの当該他の接合部が形成される部分の面積のロバスト性を向上させることができる。したがって、実施形態では、電池モジュール10の生産性を向上させることができる。
【0025】
なお、上方から見て、接合部JCは、仮想中心線CLから左側にずれて配置されていてもよい。この場合においても、上述したように、接合部JCが重なり部OLのY方向の中心に位置する場合と比較して、重なり部OLの上述の他の接合部が形成される部分のY方向の幅を広くすることができる。したがって、当該例においても、電池モジュール10の生産性を向上させることができる。
【0026】
上方から見て、接合部JCと仮想中心線CLとの間のY方向の間の距離は、例えば、重なり部OLのY方向の幅の1/4倍以上にすることができる。この場合、当該距離が当該値未満である場合と比較して、重なり部OLの上述の他の接合部が形成される部分のY方向の幅を広くすることができる。したがって、上述の他の接合部を重なり部OLの当該部分に形成しやすくすることができる。
【0027】
上方から見て、接合部JCと仮想中心線CLとの間のY方向の間の距離の上限は、接合部JCの全体が重なり部OLに位置する限り、特に限定されない。例えば、上方から見て、接合部JCが仮想中心線CLの右側に位置する場合、接合部JCの右側端部が重なり部OLの右側端部より右側に位置しない限り、接合部JCを仮想中心線CLから右側へずらすことができる。すなわち、この例において、上方から見て、接合部JCの右側端部は、重なり部OLの右側端部と揃っているか、又は重なり部OLの右側端部より左側に位置している。上方から見て、接合部JCが仮想中心線CLの左側に位置する場合、接合部JCの左側端部が重なり部OLの左側端部より左側に位置しない限り、接合部JCを仮想中心線CLから左側へずらすことができる。すなわち、この例において、上方から見て、接合部JCの左側端部は、重なり部OLの左側端部と揃っているか、又は重なり部OLの左側端部より右側に位置している。
【0028】
図3を参照して、正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部について説明する。
【0029】
図3に示すように、接合部JCは、ウォブリング溶接によって形成されている。
図3に示す例では、前方から見て、Z方向に略平行な方向の運動に略円状又は略楕円状の共振運動を重ねてレーザを移動させることで接合部JCが形成されている。ただし、接合部JCのウォブリング溶接の形状は、この例に限定されない。接合部JCがウォブリング溶接によって形成されている場合、前方から見て接合部JCが単にZ方向に略平行に延在する線形状である場合と比較して、正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部の接合の信頼性を向上させることができる。ただし、前方から見て、接合部JCは、単にZ方向に略平行に延在する線形状であってもよい。
【0030】
図4を参照して、正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部について説明する。
【0031】
図4に示す例では、正極タブ112から負極タブ114に向けてレーザが照射されて、接合部JCが形成されている。接合部JCは、レーザ接合の溶融によって形成されている。接合部JCの正極タブ112及び負極タブ114の界面及びその近傍部分では、正極タブ112に含まれる成分と、負極タブ114に含まれる成分と、の金属間化合物が生成されていないことが好ましい。
【0032】
図5は、実施形態に係る接合部JC及び他の接合部JC´を説明するための図である。
【0033】
図5に示す例では、
図2に示す例と同様にして、上方から見て、接合部JCは、
図2に示した仮想中心線CLの右側にずれて配置されている。様々な要因によって正極タブ112及び負極タブ114の接合強度を高めたいことがある。この場合、正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部を再度接合する必要がある。
図5に示す例では、他の接合部JC´を形成することで、正極タブ112の先端部及び負極タブ114の先端部を再度接合している。上方から見て、他の接合部JC´は、接合部JCの左側にずれて配置されている。すなわち、他の接合部JC´は、上方から見て接合部JCの仮想中心線CLからのずれ方向の反対側に位置している。
【0034】
図5に示す例において、接合部JC及び他の接合部JC´は、Y方向において比較的近接している。接合部JC及び他の接合部JC´は、例えば、正極タブ112及び負極タブ114の界面において接合部JC及び他の接合部JC´のいずれの部分も重ならない限り、近接させることができる。すなわち、正極タブ112及び負極タブ114の界面において接合部JC及び他の接合部JC´のいずれの部分も重ならない限り、正極タブ112及び負極タブ114の界面と異なる領域において、接合部JC及び他の接合部JC´の一部分同士は重なっていてもよい。
図5に示す例では、最も後方に位置する正極タブ112において、接合部JCの左端部分と他の接合部JC´の右端部分とが互いに重なっている。一方、
図5に示す例では、正極タブ112及び負極タブ114の界面において接合部JC及び他の接合部JC´のいずれの部分も互いに重なっていない。したがって、接合部JC及び他の接合部JC´の正極タブ112及び負極タブ114の界面及びその近傍部分における金属間化合物の生成を抑制することができる。
【0035】
図5に示す例では、重なり部OLに接合部JC及び他の接合部JC´の2つの接合部が設けられている。しかしながら、重なり部OLに設けられる接合部の数は、2つに限定されず、3つ以上であってもよい。また、複数の接合部のうちの1つの接合部は、重なり部OLのY方向の中心に位置していてもよい。
【0036】
図6は、変形例に係る電池モジュール10Aの一部分の前方部分の上面図である。変形例に係る電池モジュール10Aは、以下の点を除いて、実施形態に係る電池モジュール10と同様である。
【0037】
図6に示す例では、単一の電池セル100と、他の単一の電池セル100と、が直列に接続されている。具体的には、
図6に示す右側の電池セル100からは、正極タブ112が前方に向けて引き出されている。
図6に示す左側の電池セル100からは、負極タブ114が前方に向けて引き出されている。上方から見て、
図6に示す正極タブ112の先端部は、左方向に向けて折り曲げられている。上方から見て、
図6に示す負極タブ114の先端部は、左方向に向けて折り曲げられている。
【0038】
図6に示す正極タブ112の先端部と、
図6に示す負極タブ114の先端部と、は重なり部OL及び接合部JCを有している。重なり部OLにおいて、当該正極タブ112の先端部と、当該負極タブ114の先端部と、はX方向に重なり合っている。接合部JCは、重なり部OLに位置している。接合部JCにおいて、当該正極タブ112の先端部と、当該負極タブ114の先端部と、は互いに接合されている。
【0039】
上方から見て、接合部JCは、仮想中心線CLから右側にずれて配置されている。したがって、実施形態と同様にして、上方から見て、接合部JCが重なり部OLの中心に位置する場合と比較して、他の接合部を接合部JCの左側に形成しやすくすることができる。したがって、変形例においても、実施形態と同様にして、電池モジュール10Aの生産性を向上させることができる。なお、上方から見て、接合部JCは、仮想中心線CLから左側にずれて配置されていてもよい。
【0040】
以上、図面を参照して本発明の実施形態及び変形例について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
【符号の説明】
【0041】
10,10A 電池モジュール
100 電池セル
100G 並列セル群
102 外装材
110 タブ群
112 正極タブ
114 負極タブ
CL 仮想中心線
JC 接合部
JC´ 他の接合部
OL 重なり部