(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164334
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】抽出機及び抽出方法
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20231102BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
A47J31/06 130
A47J31/44 180
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023068908
(22)【出願日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】111116480
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523076427
【氏名又は名称】曾沂濱
【氏名又は名称原語表記】TSENG YI-PIN
【住所又は居所原語表記】19F No.180,Section 2,Dunhua S Rd,Da’an District,Taipei City,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】曾沂濱
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA10
4B104BA35
4B104BA79
4B104EA20
4B104EA28
(57)【要約】
【課題】抽出機及び抽出方法を提供する。
【解決手段】
抽出機は、抽出バッグの抽出に適用され、前記抽出バッグは、本体を有する。前記抽出機は、筐体及び抽出機構を含む。前記抽出機構は、前記筐体に対して出入り可能に前記筐体に設置され、ベース及び作動モジュールを含む。前記作動モジュールは、前記ベースに設置され、前記抽出バッグを前記本体が下向きに前記ベースから落ちた吊り掛け状態にさせ、且つ前記抽出バッグの本体を上向きに前記ベースに近接するように引き上げることができる。抽出機構の設計を介して、抽出バッグを放出して抽出を行うこと及び抽出バッグを回収する機能を達成することができる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抽出バッグの抽出に適用される抽出機であって、前記抽出バッグは、本体を有し、前記抽出機は、
筐体と、
前記筐体に対して出入り可能に前記筐体に設置される抽出機構と、
を備え、
前記抽出機構は、
前記抽出バッグを収納させるベースと、
前記ベースに設置され、前記抽出バッグを前記本体が下向きに前記ベースから落ちた吊り掛け状態にさせ、且つ前記抽出バッグの本体を上向きに前記ベースに近接するように引き上げることができる作動モジュールと、
を含む抽出機。
【請求項2】
前記ベースは、下開口を有し、前記抽出機構は、前記ベースに設置され、前記下開口を可動式に塞ぐことができる下係止部材を含み、前記下係止部材が移動して前記下開口を開放させた時、前記抽出バッグの本体が前記ベースから落ちて前記吊り掛け状態になる請求項1に記載の抽出機。
【請求項3】
前記ベースは、上開口を有し、前記抽出機構は、前記ベースに設置され、前記上開口を可動式に塞ぐことができる上係止部材を含み、前記上係止部材が移動して前記上開口を開放させた時、前記抽出バッグを入れさせ、前記上係止部材が移動して前記上開口を塞いだ時、前記抽出バッグの係止部材が前記上係止部材に係止される請求項1に記載の抽出機。
【請求項4】
前記作動モジュールは、前記ベースに移動可能に設置されたシフトセットを含み、前記係止部材が前記上開口を塞ぎ、前記抽出バッグの係止部材を前記上係止部材に係止させる時、前記シフトセットが駆動を受けて前記係止部材を押し動かし、前記係止部材及び前記本体に繋がれた紐体を引き動かし、前記抽出バッグの本体を上向きに前記ベースに近接するように移動させ、前記ベース内に収納させる請求項3に記載の抽出機。
【請求項5】
前記シフトセットは、プッシュブロック及び前記プッシュブロックの両端にそれぞれ接続する伝動ブロックを含み、前記作動モジュールは、2対の駆動部材及び2つの伝動ベルトを含み、各1対の駆動部材は、前後に間隔をおいて設置され、前記伝動ベルトを被せさせ、前記駆動部材を回転させて前記伝動ベルトの回転を駆動し、前記シフトセットの移動を駆動することができる請求項4に記載の抽出機。
【請求項6】
前記抽出機構は、前記下係止部材を駆動して移動させる駆動モジュールを更に含み、前記駆動モジュールは、駆動部材及びラックを含み、前記駆動部材は、前記下係止部材に接続し且つ前記ラックと噛み合う請求項2に記載の抽出機。
【請求項7】
抽出機を用いて実行し、
抽出バッグを前記抽出機の抽出機構に入れるステップと、
前記抽出機構を駆動して前記抽出バッグと共に前記抽出機の筐体内に収納するステップと、
前記抽出バッグを前記抽出機構によってティーカップ内まで放出して吊り掛け状態にして抽出を行うステップと、
前記抽出バッグを前記抽出機構によって前記ティーカップ内から引き上げて前記抽出機構に収納するステップと、
を含む抽出方法。
【請求項8】
前記抽出バッグを前記ティーカップから引き出して前記抽出機構に収納する時、前記抽出バッグの本体を前記抽出機構の上係止部材に係止させ、前記抽出バッグを引き上げる過程で抽出バッグに残った抽出液を絞り出させる請求項7に記載の抽出方法。
【請求項9】
前記抽出バッグを前記抽出機構に入れる時、前記抽出バッグを前記抽出機構の下係止部材に運ばせ、前記下係止部材を移動させて一定の空間を開放させ、前記抽出バッグを前記ティーカップ内まで放出して吊り掛け状態で抽出を行う請求項7に記載の抽出方法。
【請求項10】
前記抽出バッグは、上カバーと、下カバーと、圧縮及び伸張可能な折り畳み体と、一端が前記上蓋体を通って係止部材に接続し、他端が前記抽出バッグの下蓋体に繋げられて固定される紐体と、を有し、前記抽出バッグが引き上げられる過程で前記抽出バッグの上蓋体を前記上係止部材に当接させ、この時に前記紐体を引き上げ続けることで前記下蓋体を引き動かして上昇させ、前記抽出バッグの前記折り畳み体を圧縮させ、前記抽出バッグ内に残った抽出液を絞り出せる請求項8に記載の抽出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抽出機及び抽出方法、特に、抽出バッグを抽出することができる抽出機及び抽出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的にユーザがお湯を入れたカップに抽出バッグを入れて抽出する時、誤って抽出バッグの吊り紐の頭又は紐の頭が結び付けられた紙をカップに落としてしまった場合、お湯の中から手で抽出バッグを取り出すのは、不便且つ不衛生である。また、抽出後に抽出バッグを取り出す際に液が滴るため、使用上不便である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の1つの目的は、上記の問題の少なくとも1つを解決できる抽出機を提供することである。
【0004】
本発明のもう1つの目的は、上記の問題の少なくとも1つを解決できる抽出方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明の抽出機は、抽出バッグの抽出に適用され、前記抽出バッグは、本体を有し、前記抽出機は、筐体と、前記筐体に対して出入り可能に前記筐体に設置される抽出機構と、を備え、前記抽出機構は、前記抽出バッグを収納させるベースと、前記ベースに設置され、前記抽出バッグを前記本体が下向きに前記ベースから落ちた吊り掛け状態にさせ、且つ前記抽出バッグの本体を上向きに前記ベースに近接するように引き上げることができる作動モジュールと、を含む。
【0006】
幾つかの実施形態において、前記ベースは、下開口を有し、前記抽出機構は、前記ベースに設置され、前記下開口を可動式に塞ぐことができる下係止部材を含み、前記下係止部材が移動して前記下開口を開放させた時、前記抽出バッグの本体が前記ベースから落ちて前記吊り掛け状態になる。
【0007】
幾つかの実施形態において、前記ベースは、上開口を有し、前記抽出機構は、前記ベースに設置され、前記上開口を可動式に塞ぐことができる上係止部材を含み、前記上係止部材が移動して前記上開口を開放させた時、前記抽出バッグを入れさせ、前記上係止部材が移動して前記上開口を塞いだ時、前記抽出バッグの係止部材が前記上係止部材に係止される。
【0008】
幾つかの実施形態において、前記作動モジュールは、前記ベースに移動可能に設置されたシフトセットを含み、前記係止部材が前記上開口を塞ぎ、前記抽出バッグの係止部材を前記上係止部材に係止させる時、前記シフトセットが駆動を受けて前記係止部材を押し動かし、前記係止部材及び前記本体に繋がれた紐体を引き動かし、前記抽出バッグの本体を上向きに前記ベースに近接するように移動させ、前記ベース内に収納させる。
【0009】
幾つかの実施形態において、前記シフトセットは、プッシュブロック及び前記プッシュブロックの両端にそれぞれ接続する伝動ブロックを含み、前記作動モジュールは、2対の駆動部材及び2つの伝動ベルトを含み、各1対の駆動部材は、前後に間隔をおいて設置され、前記伝動ベルトを被せさせ、前記駆動部材を回転させて前記伝動ベルトの回転を駆動し、前記シフトセットの移動を駆動することができる。
【0010】
幾つかの実施形態において、前記抽出機構は、前記下係止部材を駆動して移動させる駆動モジュールを更に含み、前記駆動モジュールは、駆動部材及びラックを含み、前記駆動部材は、前記下係止部材に接続し且つ前記ラックと噛み合う。
【0011】
本発明の抽出方法は、抽出機を用いて実行し、抽出バッグを前記抽出機の抽出機構に入れるステップと、前記抽出機構を駆動して前記抽出バッグと共に前記抽出機の筐体内に収納するステップと、前記抽出バッグを前記抽出機構によってティーカップ内まで放出して吊り掛け状態にして抽出を行うステップと、前記抽出バッグを前記抽出機構によって前記ティーカップ内から引き上げて前記抽出機構に収納するステップと、を含む。
【0012】
幾つかの実施形態において、前記抽出バッグを前記ティーカップから引き出して前記抽出機構に収納する時、前記抽出バッグの本体を前記抽出機構の上係止部材に係止させ、前記抽出バッグを引き上げる過程で抽出バッグに残った抽出液を絞り出させる。
【0013】
幾つかの実施形態において、前記抽出バッグを前記抽出機構に入れる時、前記抽出バッグを前記抽出機構の下係止部材に運ばせ、前記下係止部材を移動させて一定の空間を開放させ、前記抽出バッグを前記ティーカップ内まで放出して吊り掛け状態で抽出を行う。
【0014】
幾つかの実施形態において、前記抽出バッグは、上カバーと、下カバーと、圧縮及び伸張可能な折り畳み体と、一端が前記上蓋体を通って係止部材に接続し、他端が前記抽出バッグの下蓋体に繋げられて固定される紐体と、を有し、前記抽出バッグが引き上げられる過程で前記抽出バッグの上蓋体を前記上係止部材に当接させ、この時に前記紐体を引き上げ続けることで前記下蓋体を引き動かして上昇させ、前記抽出バッグの前記折り畳み体を圧縮させ、前記抽出バッグ内に残った抽出液を絞り出せる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、少なくとも次の効果を有する。抽出機構の設計により、抽出バッグを前記抽出機構外のティーカップ内に放出して抽出し、抽出完了時にティーカップ内から抽出バッグを前記抽出機構内まで戻す機能を達成することができる。また、前記抽出機構の前記上係止部材及び前記下係止部材を互いに組み合わせることで、前記上係止部材が前記抽出バッグに前記ベースを入れた後に前記上開口を塞ぎ、前記上係止部材を前記抽出バッグの係止部材に係止させ、次に前記下係止部材が前記下開口を開放し、前記抽出バッグを前記下開口からティーカップ内に落として抽出を行わせ、従って、本発明の目的を確実に達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の抽出機の一実施形態の立体説明図である。
【
図2】前記実施形態の抽出機構が筐体から前に引き出された状態の斜視説明図である。
【
図3】前記実施形態の抽出機構が筐体から前に引き出された状態の別の角度の斜視説明図である。
【
図5】前記実施形態の抽出機構の立体分解図である。
【
図6】前記実施形態の前記抽出機構の底面図である。
【
図8】
図6の切断線VI-VIによる断面斜視図である。
【
図9】本発明の抽出方法の一実施形態のフローチャートである。
【
図10】抽出バッグが前記抽出機構の収容室内に入れられ、且つ一対の上係止板は、互いに向かって移動して位置合わせられる、前記実施形態の斜視説明図である。
【
図11】下係止板が下開口から離れるように移動し、前記抽出バッグを下向きにティーカップまで落とす、前記実施形態の部分斜視図である。
【
図12】前記抽出機構のシフトセットが前記抽出バッグの係止部材を紐孔から離れるように押し、前記抽出バッグを上向きに前記ティーカップから離れるように移動させる、前記実施形態の部分斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の他の特徴及び効果について、図面を参照した実施形態をもって明確に示す。
【0018】
図1~
図4を参照し、本発明の抽出機の実施形態は、抽出バッグ1を抽出することに適用され、前記抽出バッグ1は、ティーバッグであってよい。抽出バッグ1は、茶葉又は他の抽出物を入れるための本体11と、本体11に繋がれる吊り紐12と、吊り紐12の一端に繋がれる係止部材13と、を有し、本実施形態では、例示する抽出バッグ1は、提灯型のティーバッグであり、その本体11は、上蓋体112及び下蓋体111と、
提灯のように折り畳んで軸方向に圧縮又は伸張可能な折り畳み体113と、を有し、ここで、吊り紐12の下端は、上蓋体112を通って、下蓋体111に繋がり、吊り紐12が上向きに引き動かされる時、下蓋体111を駆動して上向きに移動させ、本体11の折り畳み体113を上向きに軸方向に圧縮させる。抽出機の機構の設計によって、抽出バッグ1を抽出機に入れるだけで、抽出機が作動して抽出の繰り返し、水分の絞り出し等の機能を行うことができ、抽出の利便性が向上する。
【0019】
本実施形態では、抽出機は、筐体2、抽出機構3、及び制御モジュール(図示せず)を含む。抽出機構3は、
図2に示すように筐体2から前方に移動し、
図1に示すように後方に筐体2内に移動するように駆動することができる。
【0020】
筐体2は、主に抽出機構3を担持し、抽出機構3の下方にティーカップ5を配置させることができ、抽出機構3内に配置された抽出バッグ1を抽出機構3の作動によってティーカップ5内に落として抽出すること、及びティーカップ5から引き上げることができる。
【0021】
本実施形態では、筐体2は、台座21と、台座21の上方に位置する水タンク23とを含む。上述した抽出機構3は、水タンク23と台座21との間に配置され、台座21の上方に間隔を空けて配置され、抽出機構3と台座21との間にティーカップ5を載置するための空間20が形成され、筐体2は、抽出機構3と台座21との間に前記空間20に連通する前方開口20aが佐礼谷形成される。台座21は、ティーカップ5をその上に配置させ、空間20内に位置させる。水タンク23は、抽出用の水を貯留し、ガイド管4によって水をティーカップ5に注入することができる。
【0022】
抽出機構3の動作は、抽出バッグ1を載置させ、抽出バッグ1を吊り掛け状態にし(
図11参照)、抽出バッグ1の本体11をティーカップ5に浸すこと、及び抽出バッグ1をティーカップ5から引き出した状態にする(
図12参照)ことができる。
【0023】
図2~
図5、
図8を参照し、抽出機構3は、作動モジュール30によってその基本動作を達成する。ここで、作動モジュール30は、抽出バッグ1を吊り掛け状態にするために使用されるだけでなく、抽出バッグ1の本体11を引き上げてティーカップ5から引き出すためにも使用される。
【0024】
本実施形態では、抽出機構3は、ベース31と、ベース31に設置された下係止部材32と、前述の作動モジュール30と、駆動モジュール30cと、蓋板35とを含み、以下では、説明の便宜上、作動モジュール30を吊り掛けユニット30aと引き上げユニット30bとを含むものとして分ける。抽出機構3を駆動して移動させる機構は、ベース31と筐体2との間でガイドレールに、例えば、モータ、ギア、ベルト等の構造を組み合わせることで達成することができる。
【0025】
ベース31は、実質的に箱状構造であり、上壁311、上壁311と間隔をおいた底壁312、上壁311と底壁312とを接続するフロントパネル313、及び上壁311と底壁312の間にある収容室314を有する。上壁311は、溝311bと、上開口311aと、2つの上ガイド溝311cとを形成し、溝311bは、上壁311の上面から下向きに凹んで形成され、フロントパネル313に近接し、上開口311aは、溝311bの領域内から更に下向きに凹んで貫通し、収容室314に連通し、上開口311aは、抽出バッグ1を収容室314に入れさせ、溝311bは、吊り掛けユニット30aを設置させる。2つの上ガイド溝311cは、左右方向に延伸し、それぞれ上開口311aの左右両側に位置し、その作用は、後述する。ベース31の底壁312には、収容室314に連通する下開口312a及び底壁312を貫通する下ガイド溝312bが形成される。下開口312aの位置と上開口311aの位置は、上下に互いに揃えられ、下開口312aは、収容室314内に位置する抽出バッグ1を下向きにベース31外に落とさせることができる。下ガイド溝312bは、前後方向に沿って延伸して一端が下開口312aに面する。
【0026】
図5~
図8を参照し、吊り掛けユニット30aは、ベース31に設置され、吊り紐12及び係止部材13の一方を挟持させ、抽出バッグ1を本体11が下向きに下開口312aを介して抽出機構3から落ちた吊り掛け状態にさせる(
図11参照)。具体的には、吊り掛けユニット30aは、上係止部材、1対の第1駆動部材36及び1対の駆動ギア37を含む。本実施形態では、上係止部材は、1対の上係止板33であり、前記1対の上係止板33は、ベース31の上壁311の溝311b内に左右に並べて配置され、且つ互いに向かって又は互いから離れるような移動が駆動され、上開口311aを塞ぐ又は開放する。各上係止板33は、平板部331及び平板部331の後縁に接続する歯部332を含み、且つ平板部331の底面は、下向きに延伸して左右に横方向に延伸して上ガイド溝311c内に入って滑動する凸部331bが突出して形成され、2つの上係止板33の平板部331は、対向する板縁中央箇所に溝331aが形成され、前記1対の上係止板33が対向して互いに当接するまで移動する時、前記溝331aが共同で抽出バッグ1の吊り紐12を通過させるための紐孔333bを定義する(
図10参照)。本実施形態の前記1対の第1駆動部材36は、モータであり、ベース31の内部に設置され、前記1対の駆動ギア37がベース31の上壁311の底面に設置され且つ前記1対の上係止板33の歯部332と互いに噛み合い(
図7、
図8は、そのうち1組の第1駆動部材36、駆動ギア37のみを示す)、従って、前記1対の第1駆動部材36によって前記1対の駆動ギア37を駆動して回転させ、前記1対の上係止板33の溝311b内の左右方向の互いに向かう又は互いに離れる移動を駆動して上開口311aを塞ぐ又は開放することができる。上開口311aが開放された時、抽出バッグ1を収容室314に入れさせることができ、且つ抽出バッグ1が収容室314に入れられる時、抽出バッグ1の本体11は、下係止部材32に位置する。抽出バッグ1が収容室314に入れられて上開口311aが上係止板33によって塞がれる時、抽出バッグ1の吊り紐12が紐孔333bを通過した状態になり、係止部材13は、上係止板33の上方に位置し、外に露出し(
図11参照)、言い換えれば、上係止板33によって吊り紐12を挟み、抽出バッグ1を円滑に吊り掛け状態にさせることができる。下係止部材32が駆動されて後ろに移動して下開口312aに一定の空間を開放させる時、抽出バッグ1の本体11が下係止部材32の支持から離脱して自身の重さの関係で、下向きに下開口312aを介して係止部材13が上係止板33に係止されるまで抽出機構3から落ち、抽出バッグが吊り掛け状態になる。
【0027】
引き上げユニット30bは、ベース31に設置され、ティーカップ5から抽出バッグ1を引き出して抽出機構3に入れることに用いられ、引き上げユニット30bは、吊り紐12を下に放出する長さを制御し、更に抽出バッグ1の本体11の昇降を制御することができる。具体的には、引き上げユニット30bは、シフトセット34と、2対の第2駆動部材38と、前記2対の第2駆動部材38をそれぞれ囲う2つの伝動ベルト39を含む。シフトセット34は、プッシュブロック341及びプッシュブロック341の両端にそれぞれ接続する伝動ブロック342を含み、プッシュブロック341の中央箇所に切欠き341aが形成され、且つシフトセット34の位置は、フロントパネル313に近接し且つ上係止板33の溝331aの前方に位置し、プッシュブロック341の高さは、ほぼ係止部材13に揃えられる。2対の第2駆動部材38は、上開口311aの左右両側にそれぞれ位置し、各1対の第2駆動部材38は、前後に間隔をおいて設置され且つ伝動ベルト39を被せさせ、各1対の第2駆動部材38のうちの一方は、モータであってよく、伝動ベルト39は、その前後方向に設置される皮ベルトであってよい。第2駆動部材38が回転駆動して伝動ベルト39を回転させ、これによりシフトセット34を駆動して移動させることができる。2つの伝動ブロック342は、左右に間隔をおいて2つの伝動ベルト39にそれぞれ当接し、これにより、第2駆動部材38の回転時、伝動ベルト39及び伝動ブロック342によってシフトセット34の全体を前後に移動させることができ、抽出バッグ1が吊り掛け状態にあり且つ抽出バッグ1をティーカップから引き上げる必要がある時、第2駆動部材38の作動を駆動することによって、シフトセット34を後方に移動させ、係止部材13を押して後方に移動させ、この時、係止部材13の後方への移動を受けて、吊り紐12を引き動かして本体11をティーカップから上向きに引き出すことができる(
図12参照)。蓋板35は、上壁311に設置され、上壁311と共同で前記1対の上係止板33及びシフトセット34を限位し、且つ位置が収容室314に対応したスロット351を形成する。
【0028】
図6及び
図8を参照し、下係止部材32は、ベース31の底壁312に設置された略板状であり、前後に可動式に下開口312aを塞ぐことができる。駆動モジュール30cは、下係止部材32を駆動して移動させ、本実施形態では、駆動モジュール30cは、駆動部材301及びラック302を含み、ラック302は、下ガイド溝312bの方向に沿って底壁312の上面に設置され、下ガイド溝312bに隣接し、本実施形態の駆動部材301がモータであり、収容室314内に位置し且つ下ガイド溝312bを介して下係止部材32に接続し、且つ駆動部材301とラック302との間にギア(図示せず)を介して噛み合い、駆動部材301が作動する時、下係止部材32を下ガイド溝312bに沿って前後に移動させて下開口312aを開閉することができる。
【0029】
制御モジュールは、信号を送受信して抽出バッグ1の移動、及び吊り掛けユニット30a、引き上げユニット30b、駆動モジュール30cの作動を制御する。
【0030】
補足説明として、別の変形形態では、ベース31は、前部及び後部の分離可能な2つの部材が組み立てられる部材であってもよく、前部の部材は、収容室314の前半部分を構成し、且つ抽出バッグ1を収納させ且つ上開口311aと下開口312aとの間の部位、上係止部材、下係止部材32及び吊り掛けユニット30aを含み、後部の部材は、独立して取り外して洗浄し、使用上の利便性を向上させることができる。
【0031】
図9を参照し、本発明の抽出方法は、前述の抽出機を使用して実行し、以下のステップを含む。
【0032】
ステップS1:
図2及び
図8を参照し、抽出を行う時、先ず抽出バッグ1を抽出機の抽出機構3に入れる。具体的には、
図2に示すように、先ず抽出機構3を駆動して筐体2から出し、次に前記1対の係止板33を駆動して互いに離れる方向に移動させ、上開口311aを開放し、このように、ユーザに抽出バッグ1を下向きに抽出機構3のベース31の収容室314内に入れ、抽出バッグ1が入れられた後、前記1対の上係止板33を駆動して互いに向かって移動させて上開口311aを遮蔽させる(
図8参照)。
【0033】
ステップS2:次に、抽出機構3を駆動して抽出バッグ1と共に抽出機の筐体2内に収納させ、抽出バッグ1を筐体2内に入れさせ、
図1に示す状態にさせる。
【0034】
ステップS3:
図11を参照し、抽出バッグ1を抽出機構3によってティーカップ5内まで放出させる。具体的には、抽出機構3の下係止部材32が駆動されて後方に移動し、下開口312aを開放させて抽出バッグ1の本体11が下開口312aを経由してベース31の収容室314から落ちて吊り掛け状態となり且つティーカップ5内で抽出を行い、この時、係止部材13は、上係止板33に係止され、抽出バッグ1は、ティーカップ5内に完全に落ちるのではなく、吊り紐12によって垂れ下がって一定の高さに維持される。
【0035】
ステップS4:
図12を参照して、抽出バッグ1をティーカップ5から引き出して抽出機構3に入れる。抽出バッグ1がティーカップ5に一定時間浸され、抽出バッグ1をティーカップから取り出す必要がある場合、引き上げユニット30bの前記1対の第2駆動部38を駆動して回転させ、前記伝動ベルト39をそれぞれ駆動して回転させ、シフトセット34を駆動して後方に移動させ、同時に係止部材13を後方に押し動かし、押し動かす過程で切欠き341aは、吊り紐12を限位し、抽出バッグ1に係止部材13及び吊り紐12の引っ張り力を受けさせて上向きに移動させてティーカップ5から離し、抽出機構3の収容室314に収納させる。再度抽出する必要がある場合、シフトセット34を駆動して前方に移動し、フロントパネル313に近接する位置に戻し、抽出バッグ1に自身の重さにより係止部材がシフセット34から受けている推力を消失させ、抽出バッグ1を吊り掛け状態に戻すことができる。このほか、抽出バッグ1の構造によって、抽出バッグ1が上向きに抽出機構3の収容室314に引き込まれる場合、引き上げ可能な高さを抽出バッグ1の本体11を上係止板33に当接させることで本体11内に含まれた水分を押し出させるように設けてもよい。
【0036】
上記は、抽出方法のステップフローであり、ユーザが抽出バッグ1で2回又は複数回抽出したい場合、抽出が終了するまで、ステップS3及びステップS4を直接繰り返してもよく、抽出バッグ1を交換すべき時に、上係止板33を駆動して互いに離れるように移動させることで係止部材13が上係止板33に係止されなくなり、抽出バッグ1は、自身の重さによって下向きに抽出機構3から落ちるか、又は、抽出機構3を駆動して抽出バッグ1と共に筐体2から退出させることができ、前記1対の上係止板33が互いに離れる方向に移動して上開口311aを開放し、ユーザに抽出バッグ1の交換動作を行わせることもできる。新たな抽出バッグ1を入れた後、上記のステップS1~S4に基づいて抽出を行い、抽出バッグ1を抽出するフローを簡易且つ便利にさせることができる。
【0037】
このほか、前記抽出機は、抽出時間設定等の機能を提供する制御モジュールを更に含んでもよく、抽出時間は、抽出機構3が抽出バッグ1の本体11をティーカップ5内に落としてからティーカップ5から引き上げて離すまでの時間に対応し、抽出時間を効果的に制御し、茶と水の分離を便利に完了させ、ユーザが好む抽出の味と濃度を提供する。
【0038】
要約すると、本発明の抽出機は、抽出機構3の設計により、抽出バッグ1を放出して抽出する及び抽出バッグ1を回収する機能を達成することができ、また、前記上係止板33及び下係止部材32を介して互いに組み合わせることで、前記上係止板33は、抽出バッグ1が収容室314に入った後に互いに向かって移動して上開口311aを塞ぎ、前記1対の上係止板33の上面に係止部材13を係止させ、次に下係止部材32に下開口312aを開放させ、抽出バッグ1を下開口312aからティーカップ5内に落として抽出を行わせることができ、使用上非常に便利である。また、引き上げユニット30bによって抽出バッグ1をティーカップ5から引き出して抽出機構3に入れると同時に、抽出バッグ1の水分を絞り出すことができるため、本発明の目的を確実に達成することができる。
【0039】
但し、上記は本発明の実施形態のみであり、本発明の実施の範囲を限定するものではなく、本発明の特許請求の範囲及び特許明細書の内容に従って行われる簡単な均等の変更及び修飾は、何れも依然として本発明の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1 抽出バッグ
11 本体
111 下蓋体
112 上蓋体
113 折り畳み体
12 吊り紐
13 係止部材
2 筐体
20 空間
20a 前方開口
21 台座
23 水タンク
3 抽出機構
30 作動モジュール
30a 吊り掛けユニット
30b 引き上げユニット
30c 駆動モジュール
301 駆動部材
302 ラック
31 ベース
311 上壁
311a 上開口
311b 溝
311c 上ガイド溝
312 底壁
312a 下開口
312b 下ガイド溝
313 フロントパネル
314 収容室
32 下係止部材
33 上係止板
331 平板部
331a 溝
331b 凸部
333b 紐孔
332 歯部
34 シフトセット
341 プッシュブロック
341a 切欠き
342 伝動ブロック
35 蓋板
351 スロット
36 第1駆動部材
37 駆動ギア
38 第2駆動部材
39 伝動ベルト
4 ガイド管
5 ティーカップ