IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイス ウンベルトテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツングの特許一覧

<>
  • 特開-試験チャンバおよび方法 図1
  • 特開-試験チャンバおよび方法 図2
  • 特開-試験チャンバおよび方法 図3
  • 特開-試験チャンバおよび方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164358
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】試験チャンバおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B01L 1/00 20060101AFI20231102BHJP
   B01L 7/00 20060101ALI20231102BHJP
   G01N 35/00 20060101ALI20231102BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20231102BHJP
【FI】
B01L1/00 C
B01L1/00 E
B01L7/00
G01N35/00 B
F25B49/02 520M
【審査請求】有
【請求項の数】22
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023072145
(22)【出願日】2023-04-26
(31)【優先権主張番号】10 2022 110 340.4
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517381603
【氏名又は名称】バイス テヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ヤンニク ツァールト
(72)【発明者】
【氏名】フェリクス ディール
【テーマコード(参考)】
2G058
4G057
【Fターム(参考)】
2G058BB02
2G058BB18
4G057AA07
4G057AD01
4G057AD04
4G057AD07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】防爆環境下において単純な手段によって試験空間の空気を排気できるようにする試験チャンバ、および該試験チャンバを使用した換気方法の提供。
【解決手段】試験チャンバは、断熱された試験空間(12)であって、環境(33)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12)と、該試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備える。該温度制御デバイスは、摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するために構成されており、加熱装置ならびに冷却装置を備えている。該試験チャンバは、試験空間内で冷媒を検出するためのガスセンサを少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(23)を備える。該換気システムは、ファン(24)と排気ダクト(25)を含んでいる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調のための、特に温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(10、34)であって、
前記試験チャンバ(10、34)は、断熱された試験空間(12、35)であって、環境(33、45)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12、35)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備え、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器(14)、圧縮機(18)、凝縮器(17)、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有し、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(13、36)を備え、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されている、試験チャンバにおいて、
前記試験チャンバが、前記試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサ(22、42)を少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(23、37)を備えており、前記換気システムはファン(24、51)および排気ダクト(25、38)を含み、前記排気ダクトは、前記ファンが前記試験空間から前記排気ダクトの中へと空気を輸送できるように前記試験空間に接続しており、前記ファンは、ファンモータ(26)およびファンインペラ(27)を備えており、前記ファンモータは、気密性のエンクロージャ(28、53)内に配置されていることを特徴とする、試験チャンバ(10、34)。
【請求項2】
前記エンクロージャ(28、53)が金属または板金から形成されており、かつ、前記エンクロージャ(28、53)が、前記ファンモータ(26)を、少なくとも前記排気ダクト(25、38)、前記試験空間(12、35)、および/または前記機械室(13、36)から気密を保って分離していることを特徴とする、請求項1記載の試験チャンバ。
【請求項3】
前記排気ダクト(25、38)内の排気空気の温度が、前記試験空間(12、35)内の室温とほぼ一致することを特徴とする、請求項1または2に記載の試験チャンバ。
【請求項4】
前記排気ダクト(25、38)が、第1ダクト区画(39)を通じて前記試験空間に、第2ダクト区画(40)を通じて前記機械室(13、36)に接続しており、かつ、前記ファン(24、51)が前記第1ダクト区画内に配置されており、かつ、前記換気システム(23、37)の他のファン(29、52)が他方のダクト区画内に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項5】
前記第1ダクト区画(39)および前記第2ダクト区画(40)が、前記排気ダクト(25、38)の共通ダクト区画(32、41)に繋がっていることを特徴とする、請求項4記載の試験チャンバ。
【請求項6】
前記他のファン(29、52)が、爆発性雰囲気内で使用されるように、特に、ATEX製品指令(ATEX equipment directive)および/またはATEX職場指令(ATEX workplace directive)に準拠して構成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の試験チャンバ。
【請求項7】
空調のための、特に温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(54)であって、
前記試験チャンバ(54)は、断熱された試験空間(55)であって、環境(71)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(55)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備え、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有し、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(56)を備え、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されている、試験チャンバにおいて、
前記試験チャンバが、前記試験空間内において冷媒を検出するための単一のガスセンサ(63)を少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(57)を備えており、前記換気システムは、ファン(70)および排気ダクト(58)を含み、前記排気ダクトは、前記ファンが前記機械室および前記試験空間から前記排気ダクト内へと空気を輸送できるように前記機械室および前記試験空間に接続していることを特徴とする、試験チャンバ(54)。
【請求項8】
前記ファン(70)が、爆発性雰囲気内で使用されるように、特にATEX製品指令および/またはATEX職場指令に準拠して、構成されていることを特徴とする、請求項7記載の試験チャンバ。
【請求項9】
前記排気ダクト(58)が、第1ダクト区画(59)を通じて前記試験空間(55)に、第2ダクト区画(60)を通じて前記機械室(56)に接続しており、かつ、前記第1ダクト区画および前記第2ダクト区画が前記排気ダクトの共通ダクト区画(62)に繋がっており、かつ、前記ファン(70)が前記共通ダクト区画内に配置されていることを特徴とする、請求項7または8に記載の試験チャンバ。
【請求項10】
前記換気システム(57)が、前記第1ダクト区画(59)内に調節バルブ(72)を有することを特徴とする、請求項7ないし9のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項11】
前記換気システム(57)が、前記第1ダクト区画(59)、前記第2ダクト区画(60)、および/または前記換気システムの送気ダクト(61)内に配置された少なくとも1つのセンサ(65、66、67)を有しており、かつ、前記送気ダクトが前記試験空間(55)に接続しており、かつ、前記センサがフローセンサおよび/または温度センサであることを特徴とする、請求項7ないし10のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項12】
前記試験チャンバ(54)が、前記共通ダクト区画(62)内の排気空気の温度が摂氏マイナス20度ないし摂氏60度の温度範囲に制御されるように構成されたコントローラを有することを特徴とする、請求項7ないし11のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項13】
前記ファン(24、51、70)が、前記機械室(13、36、56)内に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項14】
前記換気システム(23、37、57)が前記試験空間(12、35、55)に接続した送気ダクト(44、61)を有し、かつ、少なくとも1つのバルブが、前記送気ダクトおよび前記排気ダクト(25、38、58)内に、好ましくは前記試験空間の直上流および直下流に配置されることを特徴とする、請求項1ないし13のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項15】
前記バルブが、圧力差による操作が可能な少なくとも1つのフラップ(49、50、68、69)であることを特徴とする、請求項14に記載の試験チャンバ。
【請求項16】
前記検出器が、前記機械室(13、36、56)内に少なくとも1つの他のガスセンサ(43、64)を備え、かつ、前記他のガスセンサは前記試験空間(12、35、55)から気密を保って分離されていることを特徴とする、請求項1ないし15のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項17】
前記冷媒が、フッ素化炭化水素不使用であり、可燃性であり、および/または単一の物質から成る冷媒であることを特徴とする、請求項1ないし16のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項18】
前記温度制御デバイスが、摂氏マイナス80度ないし摂氏180度、好ましくは摂氏マイナス100度ないし摂氏200度の温度範囲の室温を前記試験空間(12、35、55)内で実現するように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし17のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項19】
空調のための、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(10、34)を操作する方法であって、前記試験チャンバは、断熱された試験空間(12、35)であって、環境(33、45)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12、35)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備えており、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器(14)、圧縮機(18)、凝縮器(17)、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有しており、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(13、36)を備えており、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されており、
前記試験空間内の冷媒が、前記試験チャンバの換気システム(23、37)の検出器の少なくとも1つのガスセンサ(22、42)を使用して検出されるのであって、前記換気システムのファン(24、51)は、前記試験空間内の空気を前記換気システムの排気ダクト(25、38)へと輸送するために使用されており、前記排気ダクトは前記試験空間に接続しており、前記ファンはファンモータ(26)およびファンインペラ(27)を備えており、前記ファンモータは気密性のエンクロージャ(28、53)内に配置されていることを特徴とする、方法。
【請求項20】
空調のための、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(54)を操作する方法であって、前記試験チャンバは、断熱された試験空間(55)であって、環境(21)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(55)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備えており、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有しており、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(56)を備えており、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されており、
前記試験空間内の冷媒が、前記試験チャンバの換気システム(57)の検出器の少なくとも1つのガスセンサ(63)を使用して検出されるのであって、前記換気システムのファン(70)は、前記機械室および前記試験空間内の空気を前記換気システムの排気ダクト(58)へと輸送するために使用され、前記排気ダクトは前記機械室および前記試験空間に接続していることを特徴とする、方法。
【請求項21】
前記試験チャンバ(10、34、54)のコントローラが、前記検出器が冷媒を検出したとき、前記換気システム(23、37、57)を操作するために使用されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記試験チャンバ(10、34、54)の制御デバイスが、前記温度制御デバイスの運転に先立って、前記換気システム(23、37、57)の機能を試験するために使用されることを特徴とする、請求項19ないし21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空調のための方法および試験チャンバ、特に温度制御チャンバ、気候チャンバまたはそれに類するものに関する。該試験チャンバは、断熱された試験空間であって、環境から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間、および該試験空間の室温を制御するための温度制御デバイスを備えている。該温度制御デバイスは、試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、加熱装置ならびに冷却装置を有する。該冷却装置は、冷媒、試験空間内に配置された熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含んでおり、該冷媒は単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物である。該試験チャンバは、試験空間から物理的に分離された機械室を備えており、圧縮機を備えた該冷却回路は、少なくとも部分的には該機械室内に配置されている。
【背景技術】
【0002】
この種の試験チャンバは、特にデバイスといった対象の物理的および/または化学的性質を試験するために使用されるのが典型である。例としては、内部の室温を摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の範囲に設定できる温度試験キャビネットまたは気候試験キャビネットが知られている。気候試験キャビネットは、追加的に所望の気候条件を設定することを許容するものであり、デバイスまたは試験材料が該条件に所定の時間晒されることとなる。試験の対象となる試験材料を保持する試験空間の室温は、典型的には試験空間内に設置された空気循環ダクトで制御される。該空気循環ダクトは、試験空間内に、空気処理空間であって、該空気循環ダクトまたは試験空間を通って流れる空気を加熱または冷却するための熱交換器が内部に配置されている空気処理空間を形成する。ファンまたはベンチレータが、空間内に存在する空気を吸引し、空気循環ダクト内の各熱交換器へと導くのである。このようにすることで、試験材料の温度を制御すること、または試験材料を所定の温度変化に晒すことが可能になる。例としては、試験の間、室温は、試験チャンバの最高室温と最低室温の間で変化することができる。そのような試験チャンバは、特許文献1から知られている。
【0003】
冷却回路内で使用される冷媒は比較的低いCO2換算値を有するべきであり、すなわち、該冷媒が排出された際の環境への間接ダメージを回避するため、相対地球温暖化係数(GWP)は可能な限り低くあるべきである。法規制の通り、冷媒はオゾン層破壊または地球温暖化に大きく寄与するものではあってはならない。このことが意味することは、本質的には、いかなるフッ素化物または塩素化物も冷媒として使用されてはならないということであり、これが理由で二酸化炭素(CO2)のような自然冷媒が選択肢となる。低GWPの冷媒は、比較的高GWPの冷媒に比べ、冷却回路に関する温度範囲の点で顕著に低い冷却能力しか有さない傾向があるという点において不利である。炭化水素が冷媒として使用できることが知られている一方、炭化水素は可燃性が高いという点において不利である。可燃性は、熱の放出によって周囲の酸素と反応するという冷媒の性質を参照する。冷媒は、特に本出願の優先日における最新版の欧州標準EN2の防火クラスC、DIN378クラスA2、A2LおよびA3に分類される場合、可燃性である。安全規制を遵守しなければならない場合があるため、可燃性冷媒の使用は、冷却回路および試験チャンバの充填、輸送および操作を複雑なものとする。試験空間内で冷却回路に漏出が発生し得ることは重要な問題であり、というのも電気抵抗ヒーターおよび他の電気操作デバイスが、試験材料として試験空間内に位置している場合があるからである。そのため、漏出発生時には、爆発が起こる可能性がある。
【0004】
非可燃性冷媒に対する可燃性冷媒の利点を利用するためには、漏出発生時の試験空間における爆発の発生を防止することが必要である。他の比較可能な設備において見られる通り、このことは、換気システムであって、試験空間から漏出冷媒を吸引するために使用できる換気システムによって実現され得る。しかしながら、この目的のためには、該換気システムが爆発性雰囲気内での使用に適合している必要がある。EUのATEX指令に、特に、本出願の優先日における最新版のATEX製品指令(ATEX equipment directive)2014/34/EUおよび/またはATEX職場指令(ATEX workplace directive)1999/92/EGに準拠するデバイスおよび防護システムは、その点においては適合している。しかしながら、試験サイクル次第では試験空間を摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度の空気が満たす可能性がある一方、ATEX準拠のファンであって、上記のような換気システムにとって不可欠なファンは、このような温度における使用には適合していないという問題がある。一方、特にこの用途のために構成されたファンは、ユニット製造数が少ないために、製造、開発および必要なATEX認証において経済的ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0344397号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、防爆環境下において単純な手段によって試験空間内から空気を吸引できるようにする試験チャンバ、および該試験チャンバを使用した換気方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1または7に記載の特徴を有する試験チャンバ、ならびに請求項19または20に記載の特徴を有する方法によって達成される。
【0008】
本発明に係る空調のための試験チャンバ、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバは、断熱された試験空間であって、環境から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間、および該試験空間の室温を制御するための温度制御デバイスを含んでいる。該温度制御デバイスは、試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、加熱装置、ならびに冷媒、試験空間内の熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を備える冷却装置を含む。ここで、冷媒は単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物である。試験チャンバは、試験空間から物理的に分離された機械室を含んでおり、圧縮機を備えた冷却回路が少なくとも部分的には該機械室内に配置されている。試験チャンバは、試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサを少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システムを備えており、該換気システムはファンおよび排気ダクトを含んでいる。該排気ダクトは、該ファンが試験空間内の空気を排気ダクトへと輸送することができるように試験空間に接続している。該ファンはファンモータおよびファンインペラを備えており、該ファンモータは気密性のエンクロージャ内に配置されている。
【0009】
本発明に係る試験チャンバは、単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物を冷却回路における冷媒として安全に使用することを可能にし、この種の冷媒の有利な点を利用できるようにする。試験サイクルの過程では、試験空間内でより高い室温が実現され、加熱装置が試験空間の空気の加熱もする。同時に、熱交換器に格納されている冷媒も加熱され、熱交換器内における冷媒の熱的膨張が引き起こされる。漏出発生時には、特に試験空間内の熱交換器に漏出口がある際には、この熱的膨張は、冷媒が試験空間内に容易に漏出し得るということを意味する。試験空間内には典型的に空気が存在するので、容易に爆発性雰囲気が形成する。この爆発性雰囲気は、たとえば操作可能な加熱装置の電気抵抗加熱素子に関連して爆発を引き起こすおそれがある。これを防止するため、該試験空間には、換気システムであって、試験空間の空気を吸引する換気システムが提供される。該換気システムは、冷却回路内で使用されている冷媒を検出するためのガスセンサを備えている。該ガスセンサは、試験空間内に漏出した冷媒を迅速に検出できるように、直接試験空間内に、試験空間に接して、試験空間に接続して、または試験空間に隣接して、配置される。さらに、排気ダクトが試験空間に接続しているので、ファンは空気を試験空間から排気ダクトへ、そして試験空間外へと輸送することができる。環境からの補充空気は、圧力補償デバイスまたは送気ダクトといった開口を通じて試験空間内へと流入し得るのであって、該圧力補償デバイスおよび送気ダクトは、まさにこの目的のために試験空間内に備え付けられる。前記のファン自体は、ファンモータおよびファンインペラから成っており、該ファンモータは気密性のエンクロージャ内に配置される。このことにより、ATEXに準拠していないファンモータの使用が可能になる。概して、このような単純な手段による爆発性環境下における使用のために、該換気システムを備え付けることができるのである。
【0010】
前記のエンクロージャは、金属または板金から形成されてよく、かつ、ファンモータを、少なくとも排気ダクト、試験空間、および/または試験空間から、気密を保ちつつ分離し得るものである。従って、ファンは、試験空間または機械室内に配置され得るものの、機械室内に配置されるのが好ましい。というのも、ファンを機械室内に配置することは、ファンが試験空間内の試験環境に晒されずに済むことを意味するからである。加えて、このことは、潜在的に試験空間内に漏出し得る冷媒がファンモータに到達することを防ぎもする。
【0011】
排気ダクト内の排気空気の温度は、試験空間内の室温とほぼ一致することがある。ファンモータは、ファンが、たとえば摂氏180度の空気であっても輸送できるように構成されるのがよい。ファンモータの気密性のエンクロージャは、ファンモータを、排気ダクト内に運ばれてきた空気またはファンモータの周囲に位置する空気のホットプルームから遮断することができる。一方、ATEX認証されたファンモータまたはファンは、この例において用いることはできない。というのも、これらのデバイスは、摂氏マイナス20度ないし摂氏60度という温度の輸送媒体に対して保証されているのが典型的であって、該試験空間内で実現される摂氏マイナス50度ないし摂氏180度という温度範囲の室温の包含には該当しないからである。
【0012】
排気ダクトは、第1ダクト区画を通じて試験空間に接続し、かつ、第2ダクト区画を通じて機械室に接続することがある。なお、ここでは、前記ファンが第1ダクト区画内に配置され、換気システムの他のファンが他方のダクト区画内に配置されている。例としては、排気ダクトは、他のガスセンサであって、機械室内に配置され、機械室における冷媒を検出するように構成されたガスセンサを提供されることもある。この例においては、他のファンが、機械室の空気を吸引することができる。この目的のために、他のダクト区画であって、その内部に他のファンが配置されているという他のダクト区画が提供されることがあるのである。このようにすると、漏出発生時における爆発性雰囲気の形成を防ぐために試験空間と機械室からそれぞれ独立に空気を吸引することが、または試験空間および機械室から同時に空気を吸引することが可能になるのである。
【0013】
第1ダクト区画および第2ダクト区画は、排気ダクトの共通ダクト区画に繋がっていることがある。この例において、該共通ダクト区画は、試験チャンバの外部を、または試験チャンバまたは機械室のハウジングの外部を走っていてもよい。このようにすると、いかなる加圧された排気ダクトも機械室の内側には配置されていないようにすることができるのである。この例においては、爆発可能性がある空気と冷媒の混合物は、試験チャンバの外部にある共通ダクト区画内に位置することとなる。
【0014】
前記の他方のファンは、爆発性雰囲気内で使用するように、特に、ATEX製品指令および/またはATEX職場指令に準拠して、構成されていることがある。機械室の室温は、環境の気温と本質的に一致しているか、またはそれよりもわずかに高い程度であるので、ATEX認証されたファンまたはファンモータであれば、機械室の換気にも使用されることができるのである。
【0015】
代替的に、本発明に係る空調のための試験チャンバ、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバは、断熱された試験空間であって、環境から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間、および該試験空間の室温を制御するための温度制御デバイスを含んでいる。該温度制御デバイスは、試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、加熱装置ならびに冷媒、試験空間内の熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置を含む。ここで、冷媒は単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物である。試験チャンバは、試験空間から物理的に分離された機械室を備えており、圧縮機を備えた冷却回路が少なくとも部分的には該機械室内に配置されている。試験チャンバは、試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサを少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システムを備えており、該換気システムはファンおよび排気ダクトを含んでいる。該排気ダクトは、単一のファンが機械室および試験空間内の空気を排気ダクトへと輸送することができるように試験空間に接続している。
【0016】
本発明に係る試験チャンバは、ガスセンサが試験空間において冷媒または冷却システムで使用されている冷媒を検出したとき、換気システムによって試験空間を換気することをも可能にする。排気ダクトは試験空間および機械室に接続しているため、空気はファンの操作によって機械室および試験空間から排気ダクトへと輸送される。従って、試験空間および機械室からの空気は、互いに混合する。機械室においては、空気は、環境の気温とほぼ一致するか、またはそれよりもわずかに高い程度の温度を有している。機械室から来る空気と試験空間から来る空気の混合によって、試験空間から来る空気が、これは例としては摂氏マイナス50度ないし摂氏180度といった非常に多様な温度を有する空気だが、機械室から来る空気と混合され、空気が排気ダクトにおいて極端な温度のために構成されたファンを必要としない温度に達するということが可能である。排気ダクトが試験空間および機械室に接続しており、かつ、共通のファンが試験空間および機械室のために使用されているため、単純な手段によって防爆環境下で空気を吸引することが可能になるのである。
【0017】
例としては、ファンは、爆発性雰囲気内での使用のために、特に、ATEX製品指令および/またはATEX職場指令に準拠して、構成されることがある。試験空間の空気と機械室の空気を混合することにより、排気ダクト内で中温帯の温度を実現することができるので、摂氏マイナス20度ないし摂氏60度の温度で使用可能であるATEX認証されたファンを使用し得るのである。このことは、該換気システムを、特に費用対効果が高く製造しやすいものにする。
【0018】
排気ダクトは、第1ダクト区画を通じて試験空間に、第2ダクト区画を通じて機械室に接続することがあり、かつ、該第1ダクト区画および第2ダクト区画が排気ダクトの共通ダクト区画に繋がっているということがある。なお、そのような例においては、ファンは該共通ダクト区画内に配置される。例としては、第1ダクト区画および第2ダクト区画が、共通ダクト区画においてファンの上流で合流することがあり得る。共通ダクト区画は、試験チャンバのハウジングまたは機械室をファンの直下流に置くこともでき、結果としては、爆発可能性がある空気と冷媒の混合物は、試験チャンバの外部にある共通ダクト区画に位置することになる。
【0019】
該換気システムは、第1ダクト区画内に配置された調節バルブを有していてもよい。該調節バルブは、ファンを操作しているとき、試験空間から吸引された幾らかの量の空気を、機械室から吸引された幾らかの量の空気に、制御されたやり方で混合することができる。これらの量は、ファンにおいて摂氏60度よりも高い温度および摂氏マイナス20度より低い温度には達せられないように混合され得るのである。調節バルブは、第1ダクト区画内に配置される単純なフラップまたはゲートであってよい。該調節バルブは、好ましくは、第1ダクト区画内の体積流量を必要に応じて変化させられるように構成されているとよい。
【0020】
該換気システムは少なくとも1つのセンサを有していることがあり、該センサは第1ダクト区画、第2ダクト区画、および/または換気システムの送気ダクト内に配置され得る。なお、該送気ダクトは試験空間に接続しており、該センサはフローセンサおよび/または温度センサであり得る。結果としては、問題になっているダクト区画内の空気の体積流量および/または温度を測定することができる。その体積流量および温度に基づいて、試験空間および機械室の空気が、共通ダクト区画内および排気ダクト内において目的の温度を達成するために必要に応じて混合され得るのである。該換気システムは、基本的には、試験空間または試験空間のための温度制御デバイスの操作からは独立したものでもあり、というのも該換気システムはそれ自身でセンサを有しているからである。しかしながら、換気システムを温度制御デバイスに接続し、温度制御デバイスで測定された試験空間の空気の温度を換気システムが処理するようにすることもまた可能である。
【0021】
該試験チャンバは、コントローラであって、それを用いることで共通ダクト区画における排気空気の温度を摂氏マイナス20度ないし摂氏60度の温度範囲に制御することができるコントローラを備えていてもよい。該コントローラは、試験空間から来る空気と機械室から来る空気が混合されてそのような効果を持つように構成され得る。該混合は、該コントローラによる制御が可能な調節バルブによって制御され得るのであって、それぞれの量の空気の温度および/または体積流量はセンサを用いて測定され得る。
【0022】
有利には、該ファンは機械室内に配置されているとよい。ATEX準拠のファンを用いることができ、該ファンを機械室内に配置することができる。その場合は、換気システムを試験チャンバ内で大きく形成することができる。しかしながら、原理的には、該ファンを機械室の外部に配置することも可能である。
【0023】
該換気システムは送気ダクトを有していてもよく、該送気ダクトは試験空間に接続し得るものである。少なくとも1つのバルブが送気ダクトの内部および排気ダクトの内部の両方に配置され得るが、試験空間の直上流および直下流への配置が望ましい。該送気ダクトは、試験空間を環境に接続することができるものである。この例においては、ファンが空気を試験空間から吸引するとき、環境から来るフレッシュエアが送気ダクトを通じて試験空間に流入することができる。ファンが作動していないときに空気が試験空間を自由に貫流してしまうことを防ぐため、送気ダクト、および、存在している場合には排気ダクトの第1ダクト区画の内部に、それぞれバルブを配置することができる。
【0024】
該バルブは、圧力差による操作が可能な少なくとも1つのフラップであることがある。各バルブは単純なフラップによって形成されていてもよい。該フラップは、振り子フラップ(pendulum flap)として参照されるものであって、たとえばファンによって圧力傾斜が形成されたときに自動で開くというものであってもよい。
【0025】
該検出器は、機械室の内部に、または機械室に接して配置されている他のガスセンサを少なくとも1つ備えていることがあり、他のガスセンサは試験空間からは気密を保って分離されている。他のガスセンサは、機械室内における冷却回路の漏出発生時に、機械室内の漏出冷媒を検出することができる。また、この例においては、換気システムが、機械室のみから、または同時に試験空間および機械室から空気を吸引するために使用され得る。冷却装置または冷却回路のバルブが内部で統合されているバルブボックスが、機械室内に配置されてもよい。該バルブボックスは、機械室に向かって開口しており、この場所に漏出がある場合に冷媒がバルブボックスを出ることができるようにしてもよい。この漏出を、他のガスセンサが検出することもまた可能である。他のガスセンサ、すなわち機械室内に配置されたガスセンサは、機械室の底部に配置されるのが好ましい。このようにすると、漏出している冷媒は、すなわち、炭化水素であって、空気よりも重い炭化水素は、底部に沈み込み得るので、同所で確実に検出され得るのである。機械室または試験チャンバのハウジング内の潜在的な開口は、機械室の底部よりも上に、例としては10cm上に配置されることがあるが、このようにすると、漏出冷媒が未検出のまま機械室を出ることはできなくなるのである。
【0026】
該冷媒は、フッ素化炭化水素不使用であってよく、可燃性であってよく、および/または単一の物質から成る冷媒であってよい。例としては、該冷媒は、プロパン、エタン、エチレン、プロプレン、イソブタン、ブタン、またはそれに類するものであり得る。該冷媒は、複数の炭化水素から、すなわち上記の構成要素から成る冷媒混合物であってよく、または主として炭化水素の冷媒混合物であってもよい。さらに、該冷媒はフッ素化炭化水素でないものであってもよい。このことは、冷媒に対して将来的に課されると思われる規制要件に準拠すること、およびフッ素化炭化水素の不利な点を回避することを可能にする。また、該冷媒は、摂氏マイナス40度ないし摂氏180度、好ましくは摂氏マイナス70度ないし摂氏180度、特に好ましくは摂氏マイナス85度ないし摂氏200度までの温度範囲の室温を試験空間内で実現することにも適合し得るのである。
【0027】
該温度制御デバイスは、摂氏マイナス80度ないし摂氏180度、好ましくは摂氏マイナス100度ないし摂氏200度の温度範囲の室温を、試験空間内で実現するように構成されることができる。
【0028】
空調のための試験チャンバ、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバを操作するための、本発明に係る方法において、該試験チャンバは、断熱された試験空間であって、環境から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間、および該試験空間の室温を制御するための温度制御デバイスを備え、該温度制御デバイスは、試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、加熱装置ならびに冷媒、試験空間内の熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置を有し、該冷媒は単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、該試験チャンバは、試験空間から物理的に分離された機械室を備え、該機械室内には圧縮機を備えた該冷却回路が少なくとも部分的に配置され、該試験チャンバは、試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサを少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システムを備え、該換気システムはファンおよび排気ダクトを含み、該排気ダクトは、ファンが試験空間内の空気を排気ダクトへと輸送することができるように試験空間に接続し、該ファンはファンモータおよびファンインペラを備え、該ファンモータは気密性のエンクロージャ内に配置されている。本発明に係る方法の有利な効果に関しては、本発明の請求項1に係る試験チャンバの有利な点の記述が参照される。
【0029】
空調のための試験チャンバ、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバを操作するための代替的な方法において、該試験チャンバは、断熱された試験空間であって、環境から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間、および該試験空間の室温を制御するための温度制御デバイスを備え、該温度制御デバイスは、試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、加熱装置ならびに冷媒、試験空間内の熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置を有し、該冷媒は単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、該試験チャンバは、試験空間から物理的に分離された機械室を備え、該機械室内には圧縮機を備えた冷却回路が少なくとも部分的に配置され、該試験チャンバは、試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサを少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システムを備え、該換気システムはファンおよび排気ダクトを備え、該排気ダクトは、単一のファンが機械室および試験空間内の空気を排気ダクトへと輸送することができるように試験空間に接続している。本発明に係る方法の有利な効果に関しては、本発明の請求項7に係る試験チャンバの有利な点の記述が参照される。
【0030】
さらに、該換気システムが、検出器が冷媒を検出したときに、試験チャンバの制御デバイスによって操作されることがある。試験チャンバは、試験チャンバのモジュールの開ループ制御および閉ループ制御のための制御デバイスを有し得るのであって、該モジュールの例としては、温度制御デバイスつまり加熱装置および冷却装置等が挙げられる。例としては、該換気システムがこの制御デバイスを使用して制御されることもできる。検出器がガスセンサによって冷媒を検出したとき、該制御デバイスが冷媒検出後ただちに換気システムの電源を入れ、試験空間および/または機械室の空気を吸引させることが可能なのである。任意選択的には、該ガスセンサは空気中の冷媒の量を検出するためにも使用され得る。この例においては、換気システムは、爆発性雰囲気の形成という危険が生じるまでは電源を入れられる必要はない。さらに、該制御デバイスは、冷媒が検出されたときに加熱装置及び冷却装置を備える温度制御デバイスの電源を切るためにも使用され得る。このようにすると、冷却回路からの冷媒漏出の継続、および/または加熱装置に伴う試験空間内での冷媒の発火を防止することができるのである。また、制御デバイスは、冷媒が検出されたときに誤操作を知らせるようにも構成され得る。例としては、オペレータは、音信号および/または光信号による誤操作の警告を受けることができるのである。
【0031】
上述した試験チャンバの制御デバイスは、温度制御デバイスの運転に先立って換気システムの機能を試験するために使用されることもできる。例としては、試験空間および/または機械室が換気されるように換気システムのファンをまず運転させることによって、換気システムの機能を試験することができる。このようにすると、温度制御デバイスの電源を入れたとき、試験空間または機械室の内部には試験チャンバの環境から来た空気が存在しているようにすることができる。同所に存在していたあらゆる気体またはそれに類するものが換気システムの使用によって除去され得るのである。その後に、オペレータは、たとえば試験材料に関する作業のために、または試験空間に試験材料を置くために、安全に試験空間に入ることができる。
【0032】
さらに、排気ダクト内の空気の動きの検出に用いることができるセンサが、排気ダクト内に、または第1ダクト区画内、第2ダクト区画内、および/または排気ダクトの他のダクト区画内に少なくとも1つ備えられることがある。例としては、該センサが単純なパドル式スイッチであることがある。このセンサは、少なくとも、換気システムの単純な機能試験の実施を可能にする。試験チャンバに電源が入れられたとき、メインスイッチまたはリレーが試験空間の他のモジュールまたは温度制御デバイスに対して電力を供給するのに先立って、まず換気システムの機能を試験することができる。同様にして、ガスセンサが冷媒を検出して換気システムが運転開始したときには、制御デバイスは、試験チャンバおよび他のモジュールの緊急シャットダウンを実行することができる。
【0033】
該方法の他の有利な実施形態は、請求項1および7に関する従属クレームの特徴の記述からも明らかである。
【0034】
以降は、本発明の好ましい実施例を、添付図を参照しつつより詳細に論じる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、試験チャンバの概略的断面図である。
図2図2は、試験チャンバの概略的部分斜視図である。
図3図3は、試験チャンバの1つの実施形態の概略図である。
図4図4は、試験チャンバの他の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1および2は、ハウジング11を備える試験チャンバ10の概略図を示すものであり、該ハウジング11の内部においては、試験空間12および機械室13が形成されている。試験チャンバ10の温度制御デバイスの(図示されていない)冷却回路の熱交換器14が、試験空間12内に配置されている。ファン15は、熱交換器14を通過したばかりの空気を試験空間12内で循環させるために使用され得る。バルブボックス16であって、その内部で冷却回路の(図示されていない)バルブが統合されているバルブボックス16が、機械室13内に配置されている。バルブボックス16は、機械室13に向かって開口している。さらに、該冷却回路の凝縮器17および圧縮機18が、機械室13内に配置されている。機械室13を換気するための開口19および20が、機械室13内に形成されている。(図示していない)検出器のガスセンサ22が、機械室13の底部21に配置されている。さらに、換気システム23が、機械室13内に配置されている。換気システム23は、ファン24および排気ダクト25を含んでおり、該排気ダクト25は試験空間12に接続している。冷媒が、特に、単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物が、試験空間12の内部または試験空間12に接して配置されている(図示していない)ガスセンサ、またはガスセンサ22によって試験空間12内または機械室13内で検出されたとき、ファン24は、試験空間12から排気ダクト25へと空気を輸送することができる。
【0037】
ファン24はファンモータ26およびファンインペラ27を備えており、ファンモータ26は気密性のエンクロージャ28内に配置されている。エンクロージャ28は板金から形成されており、機械室13内に配置されている。図2に示されていることによれば、換気システム23は、他のファン29であって、ファンモータ30およびファンインペラ33から成る他のファン29を備えていてもよい。ファン29は機械室13の換気を可能にする。ファンモータ26は、従来型のファンモータであってよく、爆発性雰囲気内で作動するために構成されている必要はない。一方、ファン29は、爆発性雰囲気内で使用されるためのものである。ファン24およびファン29は、排気ダクト25の共通ダクト区画32に接続している。本例においては、共通ダクト区画32は、環境33内にあるハウジング11の外部を走っている。結果としては、爆発可能性があるの冷媒と空気の混合物が、ハウジング11の外部に位置していることになる。
【0038】
図3は、試験チャンバ34であって、試験空間35および機械室36を有する試験チャンバ34を示している。試験チャンバ34は、換気システム37を備えており、換気システム37は、第1ダクト区画39、第2ダクト区画40、および共通ダクト区画41を含む排気ダクト38を有している。さらに、ガスセンサ42が試験空間35内に配置されており、他のガスセンサ43は機械室36内に配置されている。例としては、ガスセンサ42は、試験空間35の外部に配置されつつ、ダクトを通じて試験空間35に接続していてもよい。さらに、送気ダクト44であって、環境45から来た空気がそれを通じて試験空間35内へ導かれるという送気ダクト44が提供されている。センサ46、47、および48が、それぞれ第1ダクト区画39、第2ダクト区画40、および送気ダクト44の内部に配置されている。センサ46、47、48はフローセンサおよび/または温度センサであって、体積流量および/または同所の空気の温度を計測することができる。フラップ49であって、圧力の差による操作が可能なフラップ49が第1ダクト区画39内に配置されており、フラップ50であって、同様に操作可能なフラップ50が送気ダクト44内に配置されている。ファン51が第1ダクト区画39内に配置されており、他のファン52が第2ダクト区画40内に配置されている。ファン51は、エンクロージャ53であって、(図示されていない)ファンモータを気密を保って遮断するエンクロージャ53を有する。
【0039】
試験空間35または機械室36において、(図示されていない)冷却回路に漏出が発生し、冷媒であって、単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物である冷媒が漏出しているというときには、ガスセンサ42および43がこの冷媒を検出することができる。この例において、試験チャンバ34の(図示されていない)制御デバイスは、換気システム37を、またはファン51およびファン52をアクティベートする。該制御デバイスの(図示されていない)コントローラは、センサ46、47、および/または48を通じてファン51および52の機能をモニターすることができる。この種の機能試験が、特に試験チャンバ34の温度管理デバイスが作動する前に実施されることがある。ファン51およびファン52は、独立に操作されてもよい。いかなる例においても、第1ダクト区画39および第2ダクト区画40は、共通ダクト区画41に繋がっている。共通ダクト区画41は、同様にして、環境45に繋がっている。フラップ49および50は、シリコンから形成されてよく、かつ圧力差による操作が可能であってもよい。試験空間35は、ファン51が作動していないときには、フラップ49および50によって密閉されている。ファン51は、明確に爆発性雰囲気内での使用のために構成されているわけではない従来型のファンであってよい。ファン52は、爆発性雰囲気内での使用のために構成されたものである。
【0040】
図4は、試験空間55、機械室56、および換気システム57を有する試験チャンバ54を示す。換気システム57は、第1ダクト区画59、第2ダクト区画60、および送気ダクト61を備えた排気ダクト58を含む。第1ダクト区画59および送気ダクト61は、試験空間55に接続している。第2ダクト区画60は、機械室56に接続している。第1ダクト区画59および第2ダクト区画60は、排気ダクト58の共通ダクト区画62に繋がっている。ガスセンサ63が試験空間55内に、他のガスセンサ64が機械室56内に配置されており、かつ、該ガスセンサ63および64は、冷媒の、特に、単一の炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物の、検出のためである。さらに、センサ65、66、および67が、第1ダクト区画59内、第2ダクト区画60内、および送気ダクト61内に配置されており、該センサ65、66、および67は、ダクト区画59、60、および送気ダクト61の内部における温度、および/または空気の流れすなわち体積流量の検出のためである。さらに、フラップ68および69であって、たとえばシリコンから形成され、試験空間55を密閉することに用いられ得るフラップ68および69が、それぞれ第1ダクト区画59および送気ダクト61内に配置されている。フラップ68および69は、圧力傾斜の結果として自動的に開くように構成され得る。
【0041】
ファン70であって、試験空間55および機械室56の外部への空気の輸送または吸引に用いられ得るファン70が、共通ダクト区画62内に配置されている。特に、環境71から来る補充空気が送気ダクト61を通じて流入することができる。吸引された空気は、ファン70によって、共通ダクト区画62を通って環境71へと排出される。試験空間55から、および機械室56から吸引される空気の割合は、調節バルブ72によって設定または制御されるのであり、該調節バルブ72は第1ダクト区画内に配置されている。調節バルブ79は、試験チャンバ54の(図示されていない)制御デバイスの(図示されていない)コントローラによって制御されている。この制御は、少なくともセンサ65および66を利用して行われる。輸送されている大気の温度および任意選択的には体積流量が、第1ダクト区画59および第2ダクト区画60において計測され、ファン70における温度が、ファン70が構成されている温度範囲を上回る、または下回ることがないように、ファン70の上流に位置する調節バルブ72を用いて混合される。ファン70は、爆発性雰囲気内で使用されるように構成されており、例としては摂氏60度ないし摂氏マイナス20度の温度範囲のために構成されている。示してきたような換気システム57の構成が、ファン70の使用を可能にするのである。
図1
図2
図3
図4
【手続補正書】
【提出日】2023-10-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
ファン24はファンモータ26およびファンインペラ27を備えており、ファンモータ26は気密性のエンクロージャ28内に配置されている。エンクロージャ28は板金から形成されており、機械室13内に配置されている。図2に示されていることによれば、換気システム23は、他のファン29であって、ファンモータ30およびファンインペラ31から成る他のファン29を備えていてもよい。ファン29は機械室13の換気を可能にする。ファンモータ26は、従来型のファンモータであってよく、爆発性雰囲気内で作動するために構成されている必要はない。一方、ファン29は、爆発性雰囲気内で使用されるためのものである。ファン24およびファン29は、排気ダクト25の共通ダクト区画32に接続している。本例においては、共通ダクト区画32は、環境33内にあるハウジング11の外部を走っている。結果としては、爆発可能性がある冷媒と空気の混合物が、ハウジング11の外部に位置していることになる。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0041】
ファン70であって、試験空間55および機械室56の外部への空気の輸送または吸引に用いられ得るファン70が、共通ダクト区画62内に配置されている。特に、環境71から来る補充空気が送気ダクト61を通じて流入することができる。吸引された空気は、ファン70によって、共通ダクト区画62を通って環境71へと排出される。試験空間55から、および機械室56から吸引される空気の割合は、調節バルブ72によって設定または制御されるのであり、該調節バルブ72は第1ダクト区画内に配置されている。調節バルブ72は、試験チャンバ54の(図示されていない)制御デバイスの(図示されていない)コントローラによって制御されている。この制御は、少なくともセンサ65および66を利用して行われる。輸送されている大気の温度および任意選択的には体積流量が、第1ダクト区画59および第2ダクト区画60において計測され、ファン70における温度が、ファン70が構成されている温度範囲を上回る、または下回ることがないように、ファン70の上流に位置する調節バルブ72を用いて混合される。ファン70は、爆発性雰囲気内で使用されるように構成されており、例としては摂氏60度ないし摂氏マイナス20度の温度範囲のために構成されている。示してきたような換気システム57の構成が、ファン70の使用を可能にするのである。
なお、本開示には、以下の態様も含まれる。
〔態様1〕
空調のための、特に温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(10、34)であって、
前記試験チャンバ(10、34)は、断熱された試験空間(12、35)であって、環境(33、45)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12、35)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備え、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器(14)、圧縮機(18)、凝縮器(17)、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有し、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(13、36)を備え、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されている、試験チャンバにおいて、
前記試験チャンバが、前記試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサ(22、42)を少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(23、37)を備えており、前記換気システムはファン(24、51)および排気ダクト(25、38)を含み、前記排気ダクトは、前記ファンが前記試験空間から前記排気ダクトの中へと空気を輸送できるように前記試験空間に接続しており、前記ファンは、ファンモータ(26)およびファンインペラ(27)を備えており、前記ファンモータは、気密性のエンクロージャ(28、53)内に配置されていることを特徴とする、試験チャンバ(10、34)。
〔態様2〕
前記エンクロージャ(28、53)が金属または板金から形成されており、かつ、前記エンクロージャ(28、53)が、前記ファンモータ(26)を、少なくとも前記排気ダクト(25、38)、前記試験空間(12、35)、および/または前記機械室(13、36)から気密を保って分離していることを特徴とする、態様1記載の試験チャンバ。
〔態様3〕
前記排気ダクト(25、38)内の排気空気の温度が、前記試験空間(12、35)内の室温とほぼ一致することを特徴とする、態様1または2に記載の試験チャンバ。
〔態様4〕
前記排気ダクト(25、38)が、第1ダクト区画(39)を通じて前記試験空間に、第2ダクト区画(40)を通じて前記機械室(13、36)に接続しており、かつ、前記ファン(24、51)が前記第1ダクト区画内に配置されており、かつ、前記換気システム(23、37)の他のファン(29、52)が他方のダクト区画内に配置されていることを特徴とする、態様1ないし3のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様5〕
前記第1ダクト区画(39)および前記第2ダクト区画(40)が、前記排気ダクト(25、38)の共通ダクト区画(32、41)に繋がっていることを特徴とする、態様4記載の試験チャンバ。
〔態様6〕
前記他のファン(29、52)が、爆発性雰囲気内で使用されるように、特に、ATEX製品指令(ATEX equipment directive)および/またはATEX職場指令(ATEX workplace directive)に準拠して構成されていることを特徴とする、態様4または5に記載の試験チャンバ。
〔態様7〕
空調のための、特に温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(54)であって、
前記試験チャンバ(54)は、断熱された試験空間(55)であって、環境(71)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(55)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備え、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有し、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(56)を備え、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されている、試験チャンバにおいて、
前記試験チャンバが、前記試験空間内において冷媒を検出するための単一のガスセンサ(63)を少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(57)を備えており、前記換気システムは、ファン(70)および排気ダクト(58)を含み、前記排気ダクトは、前記ファンが前記機械室および前記試験空間から前記排気ダクト内へと空気を輸送できるように前記機械室および前記試験空間に接続していることを特徴とする、試験チャンバ(54)。
〔態様8〕
前記ファン(70)が、爆発性雰囲気内で使用されるように、特にATEX製品指令および/またはATEX職場指令に準拠して、構成されていることを特徴とする、態様7記載の試験チャンバ。
〔態様9〕
前記排気ダクト(58)が、第1ダクト区画(59)を通じて前記試験空間(55)に、第2ダクト区画(60)を通じて前記機械室(56)に接続しており、かつ、前記第1ダクト区画および前記第2ダクト区画が前記排気ダクトの共通ダクト区画(62)に繋がっており、かつ、前記ファン(70)が前記共通ダクト区画内に配置されていることを特徴とする、態様7または8に記載の試験チャンバ。
〔態様10〕
前記換気システム(57)が、前記第1ダクト区画(59)内に調節バルブ(72)を有することを特徴とする、態様7ないし9のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様11〕
前記換気システム(57)が、前記第1ダクト区画(59)、前記第2ダクト区画(60)、および/または前記換気システムの送気ダクト(61)内に配置された少なくとも1つのセンサ(65、66、67)を有しており、かつ、前記送気ダクトが前記試験空間(55)に接続しており、かつ、前記センサがフローセンサおよび/または温度センサであることを特徴とする、態様7ないし10のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様12〕
前記試験チャンバ(54)が、前記共通ダクト区画(62)内の排気空気の温度が摂氏マイナス20度ないし摂氏60度の温度範囲に制御されるように構成されたコントローラを有することを特徴とする、態様7ないし11のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様13〕
前記ファン(24、51、70)が、前記機械室(13、36、56)内に配置されていることを特徴とする、態様1ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様14〕
前記換気システム(23、37、57)が前記試験空間(12、35、55)に接続した送気ダクト(44、61)を有し、かつ、少なくとも1つのバルブが、前記送気ダクトおよび前記排気ダクト(25、38、58)内に、好ましくは前記試験空間の直上流および直下流に配置されることを特徴とする、態様1ないし13のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様15〕
前記バルブが、圧力差による操作が可能な少なくとも1つのフラップ(49、50、68、69)であることを特徴とする、態様14に記載の試験チャンバ。
〔態様16〕
前記検出器が、前記機械室(13、36、56)内に少なくとも1つの他のガスセンサ(43、64)を備え、かつ、前記他のガスセンサは前記試験空間(12、35、55)から気密を保って分離されていることを特徴とする、態様1ないし15のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様17〕
前記冷媒が、フッ素化炭化水素不使用であり、可燃性であり、および/または単一の物質から成る冷媒であることを特徴とする、態様1ないし16のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様18〕
前記温度制御デバイスが、摂氏マイナス80度ないし摂氏180度、好ましくは摂氏マイナス100度ないし摂氏200度の温度範囲の室温を前記試験空間(12、35、55)内で実現するように構成されていることを特徴とする、態様1ないし17のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
〔態様19〕
空調のための、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(10、34)を操作する方法であって、前記試験チャンバは、断熱された試験空間(12、35)であって、環境(33、45)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12、35)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備えており、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器(14)、圧縮機(18)、凝縮器(17)、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有しており、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(13、36)を備えており、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されており、
前記試験空間内の冷媒が、前記試験チャンバの換気システム(23、37)の検出器の少なくとも1つのガスセンサ(22、42)を使用して検出されるのであって、前記換気システムのファン(24、51)は、前記試験空間内の空気を前記換気システムの排気ダクト(25、38)へと輸送するために使用されており、前記排気ダクトは前記試験空間に接続しており、前記ファンはファンモータ(26)およびファンインペラ(27)を備えており、前記ファンモータは気密性のエンクロージャ(28、53)内に配置されていることを特徴とする、方法。
〔態様20〕
空調のための、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(54)を操作する方法であって、前記試験チャンバは、断熱された試験空間(55)であって、環境(21)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(55)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備えており、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有しており、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(56)を備えており、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されており、
前記試験空間内の冷媒が、前記試験チャンバの換気システム(57)の検出器の少なくとも1つのガスセンサ(63)を使用して検出されるのであって、前記換気システムのファン(70)は、前記機械室および前記試験空間内の空気を前記換気システムの排気ダクト(58)へと輸送するために使用され、前記排気ダクトは前記機械室および前記試験空間に接続していることを特徴とする、方法。
〔態様21〕
前記試験チャンバ(10、34、54)のコントローラが、前記検出器が冷媒を検出したとき、前記換気システム(23、37、57)を操作するために使用されることを特徴とする、態様19または20に記載の方法。
〔態様22〕
前記試験チャンバ(10、34、54)の制御デバイスが、前記温度制御デバイスの運転に先立って、前記換気システム(23、37、57)の機能を試験するために使用されることを特徴とする、態様19ないし21のいずれか一項に記載の方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調のための、特に温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(10、34)であって、前記試験チャンバ(10、34)は、断熱された試験空間(12、35)であって、環境(33、45)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12、35)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備え、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器(14)、圧縮機(18)、凝縮器(17)、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有し、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(13、36)を備え、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されている、試験チャンバにおいて、前記試験チャンバが、前記試験空間内において冷媒を検出するためのガスセンサ(22、42)を少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(23、37)を備えており、前記換気システムはファン(24、51)および排気ダクト(25、38)を含み、前記排気ダクトは、前記ファンが前記試験空間から前記排気ダクトの中へと空気を輸送できるように前記試験空間に接続しており、前記ファンは、ファンモータ(26)およびファンインペラ(27)を備えており、前記ファンモータは、気密性のエンクロージャ(28、53)内に配置されていることを特徴とする、試験チャンバ(10、34)。
【請求項2】
前記エンクロージャ(28、53)が金属または板金から形成されており、かつ、前記エンクロージャ(28、53)が、前記ファンモータ(26)を、少なくとも前記排気ダクト(25、38)、前記試験空間(12、35)、および/または前記機械室(13、36)から気密を保って分離していることを特徴とする、請求項1記載の試験チャンバ。
【請求項3】
前記排気ダクト(25、38)内の排気空気の温度が、前記試験空間(12、35)内の室温とほぼ一致することを特徴とする、請求項1記載の試験チャンバ。
【請求項4】
前記排気ダクト(25、38)が、第1ダクト区画(39)を通じて前記試験空間に、第2ダクト区画(40)を通じて前記機械室(13、36)に接続しており、かつ、前記ファン(24、51)が前記第1ダクト区画内に配置されており、かつ、前記換気システム(23、37)の他のファン(29、52)が他方のダクト区画内に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の試験チャンバ。
【請求項5】
前記第1ダクト区画(39)および前記第2ダクト区画(40)が、前記排気ダクト(25、38)の共通ダクト区画(32、41)に繋がっていることを特徴とする、請求項4記載の試験チャンバ。
【請求項6】
前記他のファン(29、52)が、爆発性雰囲気内で使用されるように、特に、ATEX製品指令(ATEX equipment directive)および/またはATEX職場指令(ATEX workplace directive)に準拠して構成されていることを特徴とする、請求項4または5に記載の試験チャンバ。
【請求項7】
空調のための、特に温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(54)であって、前記試験チャンバ(54)は、断熱された試験空間(55)であって、環境(71)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(55)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備え、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成され、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有し、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(56)を備え、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されている、試験チャンバにおいて、前記試験チャンバが、前記試験空間内において冷媒を検出するための単一のガスセンサ(63)を少なくとも1つ備えた検出器を有する換気システム(57)を備えており、前記換気システムは、ファン(70)および排気ダクト(58)を含み、前記排気ダクトは、前記ファンが前記機械室および前記試験空間から前記排気ダクト内へと空気を輸送できるように前記機械室および前記試験空間に接続していることを特徴とする、試験チャンバ(54)。
【請求項8】
前記ファン(70)が、爆発性雰囲気内で使用されるように、特にATEX製品指令および/またはATEX職場指令に準拠して、構成されていることを特徴とする、請求項7記載の試験チャンバ。
【請求項9】
前記排気ダクト(58)が、第1ダクト区画(59)を通じて前記試験空間(55)に、第2ダクト区画(60)を通じて前記機械室(56)に接続しており、かつ、前記第1ダクト区画および前記第2ダクト区画が前記排気ダクトの共通ダクト区画(62)に繋がっており、かつ、前記ファン(70)が前記共通ダクト区画内に配置されていることを特徴とする、請求項7記載の試験チャンバ。
【請求項10】
前記換気システム(57)が、前記第1ダクト区画(59)内に調節バルブ(72)を有することを特徴とする、請求項9記載の試験チャンバ。
【請求項11】
前記換気システム(57)が、前記第1ダクト区画(59)、前記第2ダクト区画(60)、および/または前記換気システムの送気ダクト(61)内に配置された少なくとも1つのセンサ(65、66、67)を有しており、かつ、前記送気ダクトが前記試験空間(55)に接続しており、かつ、前記センサがフローセンサおよび/または温度センサであることを特徴とする、請求項9記載の試験チャンバ。
【請求項12】
前記試験チャンバ(54)が、前記共通ダクト区画(62)内の排気空気の温度が摂氏マイナス20度ないし摂氏60度の温度範囲に制御されるように構成されたコントローラを有することを特徴とする、請求項9記載の試験チャンバ。
【請求項13】
前記ファン(24、51、70)が、前記機械室(13、36、56)内に配置されていることを特徴とする、請求項1ないし5、および請求項7ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項14】
前記換気システム(23、37、57)が前記試験空間(12、35、55)に接続した送気ダクト(44、61)を有し、かつ、少なくとも1つのバルブが、前記送気ダクトおよび前記排気ダクト(25、38、58)内に、好ましくは前記試験空間の直上流および直下流に配置されることを特徴とする、請求項1ないし5、および請求項7ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項15】
前記バルブが、圧力差による操作が可能な少なくとも1つのフラップ(49、50、68、69)であることを特徴とする、請求項14に記載の試験チャンバ。
【請求項16】
前記検出器が、前記機械室(13、36、56)内に少なくとも1つの他のガスセンサ(43、64)を備え、かつ、前記他のガスセンサは前記試験空間(12、35、55)から気密を保って分離されていることを特徴とする、請求項1ないし5、および請求項7ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項17】
前記冷媒が、フッ素化炭化水素不使用であり、可燃性であり、および/または単一の物質から成る冷媒であることを特徴とする、請求項1ないし5、および請求項7ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項18】
前記温度制御デバイスが、摂氏マイナス80度ないし摂氏180度、好ましくは摂氏マイナス100度ないし摂氏200度の温度範囲の室温を前記試験空間(12、35、55)内で実現するように構成されていることを特徴とする、請求項1ないし5、および請求項7ないし12のいずれか一項に記載の試験チャンバ。
【請求項19】
空調のための、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(10、34)を操作する方法であって、前記試験チャンバは、断熱された試験空間(12、35)であって、環境(33、45)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(12、35)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備えており、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器(14)、圧縮機(18)、凝縮器(17)、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有しており、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(13、36)を備えており、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されており、前記試験空間内の冷媒が、前記試験チャンバの換気システム(23、37)の検出器の少なくとも1つのガスセンサ(22、42)を使用して検出されるのであって、前記換気システムのファン(24、51)は、前記試験空間内の空気を前記換気システムの排気ダクト(25、38)へと輸送するために使用されており、前記排気ダクトは前記試験空間に接続しており、前記ファンはファンモータ(26)およびファンインペラ(27)を備えており、前記ファンモータは気密性のエンクロージャ(28、53)内に配置されていることを特徴とする、方法。
【請求項20】
空調のための、特に、温度制御チャンバ、気候チャンバ、またはそれに類する、試験チャンバ(54)を操作する方法であって、前記試験チャンバは、断熱された試験空間(55)であって、環境(71)から密閉することができ、かつ試験材料を保持するための試験空間(55)と、前記試験空間の室温制御のための温度制御デバイスとを備えており、前記温度制御デバイスは、前記試験空間内に摂氏マイナス50度ないし摂氏180度の温度範囲の室温を実現するように構成されており、前記温度制御デバイスは、加熱装置と、冷却装置であって、冷媒、前記試験空間内に熱交換器、圧縮機、凝縮器、および膨張要素を備えた冷却回路を含む冷却装置とを有しており、前記冷媒は、1つの炭化水素または複数の炭化水素の冷媒混合物であり、前記試験チャンバは、前記試験空間から物理的に分離された機械室(56)を備えており、前記圧縮機を備えた前記冷却回路は、少なくとも部分的には前記機械室内に配置されており、前記試験空間内の冷媒が、前記試験チャンバの換気システム(57)の検出器の少なくとも1つのガスセンサ(63)を使用して検出されるのであって、前記換気システムのファン(70)は、前記機械室および前記試験空間内の空気を前記換気システムの排気ダクト(58)へと輸送するために使用され、前記排気ダクトは前記機械室および前記試験空間に接続していることを特徴とする、方法。
【請求項21】
前記試験チャンバ(10、34、54)のコントローラが、前記検出器が冷媒を検出したとき、前記換気システム(23、37、57)を操作するために使用されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【請求項22】
前記試験チャンバ(10、34、54)の制御デバイスが、前記温度制御デバイスの運転に先立って、前記換気システム(23、37、57)の機能を試験するために使用されることを特徴とする、請求項19または20に記載の方法。
【外国語明細書】