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特開2023-164370バヨネットマウントを有する力センサを備えたバスケットカテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164370
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】バヨネットマウントを有する力センサを備えたバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073100
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/336,094
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/336,023
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/055,481
(32)【優先日】2022-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/192,332
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】アタナシオス・パパイオアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ジョージ・リヒター
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK17
4C160KK35
4C160KK54
4C160KK63
4C160KK70
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】開示される技術は、チューブ状シャフトと、接触力センサアセンブリと、スパイン保持ハブと、拡張可能バスケットアセンブリと、を含む、医療用プローブを含む。接触力センサは、第1のバヨネットマウント部分を含むことができ、スパイン保持ハブは、第1のバヨネットマウント部分と連結することによってスパイン保持ハブを接触力センサに結合するための第2のバヨネットマウント部分を含むことができる。拡張可能バスケットアセンブリは、複数のスパインと、複数のスパインの各々に結合された少なくとも1つの電極と、を含むことができる。複数のスパインの各々は、拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するときに、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成され得る。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、前記チューブ状シャフトが、前記医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置され、かつ前記医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、前記接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、
それぞれのスパイン部材を受容するための複数のスロットを含む、スパイン保持ハブであって、前記スパイン保持ハブが、前記接触力センサアセンブリに結合され、前記スパイン保持ハブが、前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記スパイン保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、スパイン保持ハブと、
前記スパイン保持ハブに結合された拡張可能バスケットアセンブリであって、前記拡張可能バスケットアセンブリが、前記スパイン保持ハブのそれぞれの複数のスロット内に配置された複数のスパインと、前記複数のスパインの各々に結合された少なくとも1つの電極と、を含み、前記複数のスパインが、前記長手方向軸に沿って延在し、かつ前記拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するときに、前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成されている、拡張可能バスケットアセンブリと、を含む、医療用プローブ。
【請求項2】
前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサ内に形成されたスロットを含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記スパイン保持ハブから延在する突出部を含み、前記スロットが、前記突出部を受容するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記スロットが、略L字状の凹部を含み、
前記突出部が、略L字状の部材を含む、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記スロットが、前記接触力センサアセンブリの遠位端から前記接触力センサアセンブリ内に略長手方向に延在する第1のスロット部分と、前記第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を含み、
前記突出部が、前記スパイン保持ハブから離れるように略長手方向に延在する第1の突出部分と、前記第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含む、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサ内に形成された少なくとも2つのスロットを含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記スパイン保持ハブから延在する少なくとも2つの突出部を含み、前記少なくとも2つのスロットが、前記少なくとも2つの突出部を受容するように構成されている、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサアセンブリから延在する突出部を含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記スパイン保持ハブ内に形成されたスロットを含み、前記スロットが、前記突出部を受容するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記スロットが、略L字状の凹部を含み、
前記突出部が、略L字状の部材を含む、請求項6に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
前記突出部が、前記接触力センサアセンブリから略長手方向に延在する第1の突出部分と、前記第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含み、
前記スロットが、前記スパイン保持ハブの近位端から略長手方向に延在する第1のスロット部分と、前記第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を含む、請求項6に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記接触力センサアセンブリが、
略円筒形形状を有する本体と、
磁場を発生させるように構成されたコイルと、
前記コイルによって発生した前記磁場を検出するように構成されたセンサと、
前記接触力センサアセンブリに力が加えられたときに、前記本体が撓むことを可能にするように構成された撓み部分と、を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記撓み部分が、螺旋ばねを含む、請求項9に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記螺旋ばねが、前記接触力センサの前記本体内に螺旋状の切り込みを形成することによって、前記接触力センサの前記本体内に形成されている、請求項10に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記スパイン保持ハブが、前記少なくとも1つの電極に向かって流体を方向付けるように構成されたスプレーポートを含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記複数のスパインが各々、前記スパインに対して略横方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含み、前記複数のスパインが、
単一の断面を含む第1のスパインであって、前記単一の断面が、前記第1のスパインの近位部分からほぼ中間点まで延在し、その後、前記第1のスパインの遠位部分まで少なくとも2つの別個の断面に分割されている、第1のスパインと、
少なくとも2つの別個の断面を含む第2のスパインであって、前記少なくとも2つの別個の断面が、前記第2のスパインの近位部分からほぼ中間点まで延在し、その後、前記第2のスパインの遠位部分まで延在する単一の断面に組み合わせられている、第2のスパインと、を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記少なくとも1つの電極が、本体を含み、前記本体が、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、前記本体が、前記複数のスパインの各々を受容するように構成されており、前記電極が、前記少なくとも1つの保持部材によって保持されている、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
前記少なくとも1つの保持部材が、弓形部材を含む、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
医療用デバイスであって、
前記医療用デバイスのエンドエフェクタに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、前記接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、
エンドエフェクタ保持ハブであって、前記エンドエフェクタを前記エンドエフェクタ保持ハブに固定するために前記エンドエフェクタの少なくとも一部分を受容するように構成されており、前記エンドエフェクタ保持ハブが、前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記エンドエフェクタ保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、エンドエフェクタ保持ハブと、を含む、医療用デバイス。
【請求項17】
前記接触力センサアセンブリが、
略円筒形形状を有する本体と、
磁場を発生させるように構成されたコイルと、
前記コイルによって発生した前記磁場を検出するように構成されたセンサと、
前記本体内に形成され、かつ前記エンドエフェクタに力が加えられたときに、前記本体が撓むことを可能にするように構成された螺旋ばねと、を含む、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項18】
前記エンドエフェクタ保持ハブが、前記エンドエフェクタの電極に向かって流体を方向付けるように構成されたスプレーポートを含む、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項19】
前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサ内に形成されたスロットを含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記エンドエフェクタ保持ハブから延在する突出部を含み、前記スロットが、前記突出部を受容するように構成されている、請求項16に記載の医療用デバイス。
【請求項20】
医療用プローブであって、
前記医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置され、かつ前記医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、前記接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、
前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインであって、前記複数のスパインのうちの各スパインが、保持部材を含む、複数のスパインと、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が、前記複数のスパインのうちの1つのスパインに取り付けられ、かつ前記保持部材によって前記スパインに沿って近位又は遠位に摺動することが防止され、前記複数の電極が、前記複数のスパイン上にグループ分けして配置され、前記グループ分けが、隣接するスパインに沿って交互の近位位置及び遠位位置に配置されている、複数の電極と、
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインを受容するための複数のスロットを含む、スパイン保持ハブであって、前記スパイン保持ハブが、前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記スパイン保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、スパイン保持ハブと、を含む、医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2022年4月28日に出願された先行出願の米国仮特許出願第63/336,094号(代理人整理番号BIO6693USPSP1)、2022年4月28日に出願された先行出願の米国仮特許出願第63/336,023号(代理人整理番号BIO6675USPSP1)に対する米国特許法第119条の下での優先権の利益を主張し、かつ2022年11月15日に出願された米国特許出願第18/055,481号(代理人整理番号BIO6693USNP1)に対する米国特許法第120条の下での一部継続出願であり、これらの各々の全内容は、本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、医療デバイス、特に電極を有するカテーテルに関し、更に、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(IRE)を誘発するための使用に好適なカテーテルに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
心房細動(AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することがある。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向にある。RFアブレーションは、組織の炭化、焼損、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻の原因となり得る熱細胞損傷のリスクが高まるなど、操作者の技能に起因する、特定のまれな欠点を伴う可能性がある。冷凍アブレーションは、RFアブレーションの代替アプローチであり、RFアブレーションに関連する熱リスクを低減することができるが、かかるデバイスの超低温の性質に起因して、組織損傷を提示し得る。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気的アブレーションデバイスによって達成される可能性がある特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0005】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許公開第2021/0161592(A1)号、同第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、同第2021/0186604(A1)号、及び同第2021/0196372(A1)号に開示されており、その各々は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国仮特許出願第63/336,094号の付録に添付されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端をチューブ状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、一緒に組み立てられる。しかしながら、スパイン及び電極の小さいサイズに起因して、電極をスパインに接着し、次いで、複数の線形スパインから球形バスケットを形成することは、困難な作業であり、製造時間及びコスト、並びに不適切な結合又は不整合に起因して電極が故障する可能性を増加させ得る。したがって、バスケットアセンブリの製造に必要な時間、代替的なカテーテルの幾何形状、及び代替的な電極の形状及びサイズを全体的に低減するのに役立つことができる、改善されたバスケットアセンブリを形成するデバイス及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示される技術は、チューブ状シャフトと、接触力センサアセンブリと、スパイン保持ハブと、拡張可能バスケットアセンブリと、を有する、医療用プローブを含むことができる。チューブ状シャフトは、近位端及び遠位端を含み、かつ医療用プローブの長手方向軸に沿って延在することができる。接触力センサアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に配置され、かつ医療用プローブに加えられた力を検出するように構成され得る。接触力センサアセンブリは、第1のバヨネットマウント部分を含むことができる。
【0008】
スパイン保持ハブは、接触力センサアセンブリに結合され得る。スパイン保持ハブは、第1のバヨネットマウント部分と連結することによってスパイン保持ハブを接触力センサアセンブリに結合するように構成され得る、第2のバヨネットマウント部分を含むことができる。
【0009】
拡張可能バスケットアセンブリは、スパイン保持ハブに結合され得る。拡張可能バスケットアセンブリは、複数のスパインと、複数のスパインの各々に結合された少なくとも1つの電極と、を含むことができる。複数のスパインの各々は、長手方向軸に沿って延在し、かつ拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するときに、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成され得る。
【0010】
第1のバヨネットマウントは、接触力センサ内に形成されたスロットを含むことができ、第2のバヨネットマウントは、スパイン保持ハブから延在する突出部を含むことができる。スロットは、突出部を受容するよう構成され得る。スロット及び突出部は各々、略L字状であり得る。スロットは、接触力センサアセンブリの遠位端から接触力センサアセンブリ内に略長手方向に延在し得る第1のスロット部分と、第1のスロット部分の端部から略横方向に延在し得る第2のスロット部分と、を含むことができる。突出部は、スパイン保持ハブから離れるように略長手方向に延在する第1の突出部分と、第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含むことができる。
【0011】
第1のバヨネットマウントは、接触力センサ内に形成された少なくとも2つのスロットを含むことができ、第2のバヨネットマウントは、スパイン保持ハブから延在する少なくとも2つの突出部を含むことができる。少なくとも2つのスロットは、少なくとも2つの突出部を受容するように構成され得る。
【0012】
第1のバヨネットマウントは、接触力センサアセンブリから延在する突出部を含むことができ、第2のバヨネットマウントは、スパイン保持ハブ内に形成されたスロットを含むことができる。スロットは、突出部を受容するよう構成され得る。スロットは、略L字状の凹部を有することができ、突出部は、略L字状の部材であり得る。
【0013】
突出部は、接触力センサアセンブリから略長手方向に延在する第1の突出部分と、第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含むことができる。スロットは、スパイン保持ハブの近位端から略長手方向に延在する第1のスロット部分、及び第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分であり得る。第1のバヨネットマウントは、接触力センサから延在する少なくとも2つの突出部を含むことができ、第2のバヨネットマウントは、スパイン保持ハブ内に形成された少なくとも2つのスロットを含むことができる。少なくとも2つのスロットは、少なくとも2つの突出部を受容するように構成され得る。
【0014】
接触力センサは、略円筒形形状を有する本体と、磁場を発生させるように構成されたコイルと、コイルによって発生した磁場を検出するように構成されたセンサと、接触力センサアセンブリに力が加えられたときに、本体が撓むことを可能にするように構成された撓み部分と、を含むことができる。撓み部分は、螺旋ばねを含むことができる。螺旋ばねは、接触力センサの本体内に螺旋状の切り込みを形成することによって、接触力センサの本体内に形成され得る。
【0015】
コイルは、接触力センサアセンブリの近位端に配置することができ、センサは、接触力センサアセンブリの遠位端に配置することができる。
【0016】
スパイン保持ハブは、少なくとも1つの電極に向かって流体を方向付けるように構成されたスプレーポートを含むことができる。
【0017】
複数のスパインの各々は、スパインに対して略横方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含むことができる。少なくとも1つの電極は、電極の本体を通って延在する中空部分を画定する本体を含むことができる。本体は、複数のスパインの各々を受容するように構成され得る。電極は、少なくとも1つの保持部材によって保持され得る。少なくとも1つの保持部材は、弓形部材を含むことができる。他の実施例では、少なくとも1つの保持部材は、反対方向に配置され、かつ各スパインのより長い長さに対して横断する、2つの弓形部材を含むことができる。
【0018】
少なくとも1つの電極は、第1の電極と、第2の電極と、を含むことができる。少なくとも1つの保持部材は、複数のスパインの各々に沿って間隔を置いた保持部材の第1のセット及び第2のセットを含むことができる。第1のセットは、反対方向に配置され、かつ各スパインのより長い長さに対して横断する、2つの弓形部材を含むことができ、第2のセットは、反対方向に配置され、かつ各スパインのより長い長さに対して横断する、2つの弓形部材を含み、その結果、第1の電極は、保持部材の第1のセットの間に捕捉され得、第2の電極は、保持部材の第2のセットの間に捕捉され得る。
【0019】
医療用プローブは、複数のスパインの各々と少なくとも1つの電極との間に配置された電気絶縁ジャケットを含み、それによって、少なくとも1つの電極を複数のスパインの各々から電気的に絶縁することができる。医療用プローブは、絶縁ジャケット内に配置されたワイヤを含むことができる。ワイヤは、少なくとも1つの電極に電気的に接続され得る。
【0020】
複数のスパインの各々は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含むことができる。複数のスパインの各々は、拡張された形態にあるときに、略球状形状又は扁球形状のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0021】
少なくとも1つの電極は、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びこれらの合金から選択される材料を含むことができる。少なくとも1つの電極は、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送出するように構成され得る。パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含むことができる。
【0022】
開示された技術の追加の特徴、機能、及び用途は、本明細書でより詳細に考察される。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本開示の技術の一実施例による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
図2】本開示の技術の一実施例による、拡張された形態の医療用プローブの斜視図である。
図3A】本開示の技術の一実施例による、下にあるスパイン構造及び1つの電極のみが1つのスパイン上に配置された状態である、図2の医療用プローブを図示する。
図3B】本開示の技術の一実施例による、チューブストックから形成されるようなスパイン構造を図示する。
図4】本開示の技術の一実施例による、図2の医療用プローブの分解図を示す。
図5A】本開示の技術の一実施例による、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの斜視図を示す。
図5B】本開示の技術の一実施例による、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの分解図を示す。
図5C】本開示の技術の一実施例による、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの分解図を示す。
図6A】本開示の技術の一実施例による、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの断面図を示す。
図6B】本開示の技術の一実施例による、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの分解断面図を示す。
図7A】本開示の技術の一実施例による、接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブがどのように一緒に結合されるかを示すための、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの断面及び詳細図を示す。
図7B】本開示の技術の一実施例による、接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブがどのように一緒に結合されるかを示すための、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの断面及び詳細図を示す。
図7C】本開示の技術の一実施例による、接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブがどのように一緒に結合されるかを示すための、医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブの断面及び詳細図を示す。
図8A】本開示の技術の別の実施例による、拡張された形態の別の例示的な医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
図8B】本開示の技術による、スパインを示す8Aの医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施例を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。この説明は、当業者が本発明を製造及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施例、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0025】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、71%~110%の値の範囲を指し得る。
【0026】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザー」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザー」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者でよいことを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の位置を示す一方、「遠位部」は、作業者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0027】
本明細書で論じられるように、「作業者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0028】
本明細書で論じられるように、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)及びパルス場アブレーション(PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成される、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0029】
本明細書で論じられるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けられた2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々で略等しい。「単極」(「モノポーラ」と称されることもある)とは、2つの電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指すが、ここで、高電流密度及び高電束密度を含む1つの電極が治療部位に位置付けられ、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を含む第2の電極が、治療部位から遠隔に位置付けられる。
【0030】
本明細書で論じられるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(DC)の患者への適用を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間に略等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0031】
本明細書で論じられるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0032】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0033】
本開示は、スパインに取り付けられた電極を含むエンドエフェクタを利用するシステム、方法、又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、典型的には、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的なカテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを供給するように構成される。このような例示的なカテーテルを組み込むアブレーション処置は、X線透視法を使用して可視化され得る。
【0034】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。典型的には、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0035】
RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションに関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0036】
本開示で論じられるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療領域において熱を生成し、治療領域内の全ての細胞を無差別に加熱する。IREはしたがって、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスが利用され得る。
【0037】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的な(一時的な)又は不可逆的な(永久的な)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を適用することによって誘発され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅するが、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はおよそ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0038】
本開示の解決策は、好ましくは心筋組織においてエレクトロポレーションを誘発するのに有効なパルス電界を印加することによって、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加するためのシステム及び方法を含む。本システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘発することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆的電気穿孔は、細胞が修復することを可能にする、電極で印加された電圧が標的組織の電界閾値を下回るときに行われる。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国仮特許出願第63/336,094号の付録に添付されている。
【0039】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極幾何形状などを含み得、本明細書に提示される例は、概して、可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを有効に誘発するように適合される物理パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許出願公開第2021/0161592(A1)号、同第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、同第2021/0186604(A1)号、及び同第2021/0196372(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国仮特許出願第63/336,094号の付録に添付されている。
【0040】
IRE(不可逆エレクトロポレーション)処置でパルス場アブレーション(PFA)を送達するために、電極は、アブレーションされる組織と十分に大きな表面積で接触しなければならない。以下に説明するように、医療用プローブは、近位端及び遠位端を有するチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端にあるバスケットアセンブリと、を含む。バスケットアセンブリは、単一の一体構造を含む。一体構造は、材料の平面シートから形成された複数の線形スパインと、スパインのそれぞれに結合された1つ又は2つ以上の電極と、を含むことができる。複数の線形スパインは、1つ又は2つ以上の切り欠きを含む中心スパイン交差部で収束することができる。切り欠きは、スパインが略球形又は偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように、各スパインの屈曲を可能にすることができる。切り欠き(本明細書に記載及び図示される様々な構成における)は、バスケットが、座屈又は塑性変形を伴わずに、展開されていない(又は送出シース内への後退を受ける)ときに、はるかに小さい形状因子に圧縮されることを可能にすることに留意されたい。
【0041】
図1は、本発明の一実施例による、医療用プローブ22と制御コンソール24とを含む、医療用システム20の概略描画図である。医療用システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に説明する実施例では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション処置を実行するためなど、診断的処置又は治療的処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0042】
医療用プローブ22は、可撓性挿入チューブ30と、チューブ状シャフトの近位端に結合されたハンドル32と、を含む。医療処置の間、医療専門家34は、医療用プローブ22の遠位端36が心臓26の室などの体腔に入るように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端36が心臓26の室に入ると、医療専門家34は、医療用プローブ22の遠位端36の近くのバスケットアセンブリ38を展開させることができる。バスケットアセンブリ38は、複数のスパイン214に取り付けられた複数の電極40を含むことができる。不可逆エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家34は、電極40が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織に係合するように、ハンドル(ハンドル32若しくは別のハンドル、又はその両方)を操作して遠位端36を位置付けることができる。電極40(バスケットアセンブリ38に配置されている)が心臓組織に係合するように遠位端36を位置付けると、医療専門家34は、電気パルスが電極40によって送達されてIREアブレーションを行うように、医療用プローブ22を作動させることができる。
【0043】
医療用プローブ22は、ガイドシースと、治療用カテーテルと、を含み得、ガイドシースは、可撓性挿入チューブ30と、ハンドル32と、を含み、治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38と、電極40と、チューブ状シャフト84と、を含む(図2図4を参照)。治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38が心臓26内に位置付けられるように、ガイドシースを通って並進する。医療用プローブ22の遠位端36は、バスケットアセンブリ38が可撓性挿入チューブ30内に収容されているときにガイドシースの遠位端に対応し、(チューブ30の)遠位端36は、バスケットアセンブリ38がガイドシースの遠位端から延在しているときにバスケットアセンブリ38の近位部分(図2)に対応する。代替的に、医療用プローブ22は、当業者によって理解されるように、治療用カテーテル上の第2のハンドルと、他の特徴と、を含むように構成され得る。
【0044】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者28に取り付けられている接着性皮膚パッチ44を含む。制御コンソール24は、追跡モジュール48と共に、心臓26内の遠位端36の位置座標を決定するプロセッサ46を含む。位置座標は、生成された磁場が存在するときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて決定することができる。位置座標は、追加的又は代替的に、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に取り付けられた電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づくことができる。ECG信号の記録又は医療処置中の位置センサとしての機能のために使用されることに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0045】
これまで述べたように、追跡モジュール48と共に、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内のチューブ30の遠位端36の位置座標を決定してもよい。このような決定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示するいくつかの実施例は、好ましくは、心臓26内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように構成されている電極40を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極40を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成された電極40であるという文脈で説明されているが、当業者は、本開示の技術が、患者28の身体の器官又は他の部分の様々な性質をマッピング及び/又は決定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0046】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(A/D)信号変換集積回路52とを含んでもよい。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、医療専門家34がIREアブレーション処置を実行することを可能にするために、回路50及び回路52並びにモジュールの特徴を使用する。
【0047】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を転送し、且つ/又はそれらに信号を転送することを可能にする入出力(I/O)通信インタフェース54を含む。図1に示される構成では、制御コンソール24は、IREアブレーションモジュール56とスイッチングモジュール58とを更に含む。
【0048】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲のピーク電力を含むIREパルスを発生させるように構成されている。いくつかの例では、電極40は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む電気パルスを送出するように構成されている。医療用システム20は、IREパルスを電極40に送達することによってIREアブレーションを実行する。好ましくは、医療用システム20は、スパイン上の電極40間に二相性パルスを送達する。追加的又は代替的に、医療用システム20は、電極40のうちの少なくとも1つと皮膚パッチとの間に単相性パルスを送達する。
【0049】
血液凝固を防止するために、システム20は、灌注流体(例えば、生理食塩水)をチューブ30の遠位端36及びバスケットアセンブリ38の近位領域に供給する。灌注流体は、可撓性挿入チューブ30を通して供給され得ることに留意されたい。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュール60を含む。IRE又はPFAについては、医療用プローブの例示的な実施形態が好ましいが、医療用プローブを、RFアブレーション(外部接地電極を有する単極モード又は双極モード)のためだけに別個に使用すること、又はIREアブレーション及びRFアブレーションを組み合わせて順次使用すること(IREモードの特定の電極及びRFモードの他の電極)、又は同時に使用すること(IREモードの電極及びRFモードの他の電極の群)も本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0050】
電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信した信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内における遠位端36の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。処置中、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。
【0051】
いくつかの実施例では、医療専門家34は、1つ又は2つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替的な実施例では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け入れるように構成され得るタッチスクリーンを含んでもよい。
【0052】
図2は、挿入チューブ30の遠位端36において挿入チューブルーメン80から前進させられることなどによって拘束されていないときの拡張された形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ22の斜視図を示すプロトタイプの図である。プローブ22は、心臓組織に対するスパインの接触力を決定するために、接触力センサアセンブリ400を含んでもよい。図2に図示される医療用プローブ22は、図1に図示されるガイドシースを欠いていることに留意されたい。拡張された形態の図2では、スパイン214は、半径方向外向きに湾曲し、示されていない折り畳まれた形態では、スパインは、一般的に挿入チューブ30の長手方向軸86に略沿って配置される。簡略化のために、単一のスパイン214のみに参照番号を付しているが、当業者であれば、図2に図示されるように、バスケットアセンブリ38が1つ又は2つ以上のスパイン214を含むことができることを理解するであろう。同様に、単一のスパイン214上の電極40及び絶縁スリーブ217のみに参照番号が付されているが、当業者であれば、バスケットアセンブリ38は、特定の構成に応じて1つ又は2つ以上の電極40及び1つ又は2つ以上の絶縁スリーブを含むことができることを理解するであろう。複数の電気絶縁スリーブ217は、各ジャケットが複数のスパイン214のうちのそれぞれのスパイン214と複数の電極40のうちのそれぞれの電極40との間に配置され、それによって複数の電極40を複数のスパイン214から電気的に絶縁することができるように、提供され得る。
【0053】
図2に示されるように、バスケットアセンブリ38は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、両端で接続された複数の可撓性スパイン214を含む。医療処置中、医療専門家34は、チューブ状シャフト84を挿入チューブ30から延出させ、バスケットアセンブリ38を挿入チューブ30から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は平坦な断面に見えることがある長方形の断面を有してもよく、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含んでもよい。図2及び図3に示されるように、バスケットアセンブリ38は、遠位端39を備えた近位部分を有する。医療用プローブ22は、チューブ状シャフト84の遠位端からバスケットアセンブリ38の遠位端39に向かって縦方向に延在する、スパイン保持ハブ90を含むことができる。上記に記載されるように、制御コンソール24は、チューブ状シャフト84を通して灌注流体をバスケットアセンブリ38に送出する灌注モジュール60を含む。
【0054】
図3Aを参照すると、複数の可撓性線形スパイン214は、スパイン214によって画定される長手方向軸86上に同様に配置される中心スパイン交差部211で収束する。いくつかの実施例では、中心スパイン交差部211は、各スパインのそれぞれの取り付け端部216がスパイン保持ハブ90に接続されるときに、スパイン214の屈曲を可能にする、1つ又は2つ以上の切り欠き212を含み得る。
【0055】
本明細書で示すように、バスケットアセンブリ38のスパイン114上に位置付けられる電極40は、心臓26内の組織にアブレーションエネルギーRF及び/又はIREを送達するように構成され得る。加えて、又は代替的に、電極を使用して、バスケットアセンブリ38の位置を決定すること、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置における局所表面電位など生理学的特性を測定することができる。電極40は、1つ又は2つ以上の電極40のより多くの部分がバスケットアセンブリ38から外向きに面するように付勢され得、その結果、1つ又は2つ以上の電極40は、内向きよりもバスケットアセンブリ38から離れて外向きに、すなわち、心臓26の組織に向かって、より多くの量の電気エネルギーを送達する。
【0056】
電極40を形成するのに理想的に適した材料の例としては、金、白金、及びパラジウム、並びにそれらのそれぞれの合金が挙げられる。これらの材料はまた、非常に高い熱伝導率を有するが、これにより、組織上で発生した、すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる、最小限の熱が、電極を通って電極の裏側、すなわち、スパインの内側にある電極の部分に伝導され、次に心臓26内の血液プールに伝導される。
【0057】
図3Aを参照すると、医療用プローブ22のバスケットアセンブリ38が、新規の下にあるバスケット構造38を示すために、絶縁スリーブ217なしで、又はスリーブ217の内側に配置されている電極40への関連付けられた配線なしで、示されている。バスケット38は、図3Bに図示されるように、円筒形チューブストックから形成され、かつスパイン214を半径方向外向きに付勢させるように処理された複数のスパイン214を含む単一の一体構造を含むことができる。スパインの材料は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0058】
図4は、本開示の技術の一実施例による、図2の医療用プローブの分解図を図示している。図4に図示されるように、スパイン保持ハブ90は、チューブ状シャフト84内に挿入され、接触力センサアセンブリ400に取り付けられ得る。スパイン保持ハブ90は、複数のリリーフスロット96、複数の灌注開口部98、及び位置センサ若しくは基準電極、又はそれらの何らかの組み合わせなどの、少なくとも1つのスパイン保持ハブ電極99(図2に示す)を含む、円筒形部材94を含むことができる。リリーフスロット96は、円筒形部材94の外面に配置され、各スパイン取り付け端部216など各スパイン214の一部分を、保持ハブ90のそれぞれのリリーフスロット96に嵌合可能にするように構成され得る。リリーフスロット96には、長手方向軸に沿って延びるアンダーカット96a(図5A)が備えられ、(図3Aに示すような穴を有してもよい)スパイン取り付け端部216の挿入を可能にする。リリーフスロット96には、保持ハブ90に対する各スパイン214のスパイン取り付け端部216のいかなるねじれも防止するために、スパイン保持端部216(図3A)上の相補的凹部218と係合するタブ96b(図5C)が備えられ得る。取り付け端部216のこの構成は、バスケット38の近位部分における複数のスパイン214が、保持ハブ90と共に単一の構造部材として機能することを可能にする。スパイン保持ハブ90はまた、本明細書でより詳細に説明されるように、接触力センサアセンブリ400のためのカプラとして機能することができる。取り付け端部216は、スパイン214の略直線状端部であり得る。取り付け端部216は、バスケットアセンブリ38がスパイン保持ハブ90から外向きに、その結果として、チューブ状シャフト84から外向きに位置付けられるように、スパイン保持ハブ90から外向きに延在するように構成され得る。このように、スパイン214は、バスケットアセンブリ38が展開されるときに、バスケットアセンブリ38をチューブ状シャフト84の遠位端から遠位に、かつ挿入チューブ30の遠位端から遠位に位置付けるように構成され得る。
【0059】
電極40は、スパイン214と一体的に形成された保持部材220によって、スパイン214に対して実質的に所定の場所に位置することができる。図3Aでは、スパイン214の各々が、スパイン214に対して略横方向に延在する少なくとも1つの保持部材220を含み得ることが分かる。電極40を通って延在するルーメン70を通るスパイン214の挿入を可能にするために、各スパイン214は、保持部材220が中心スパイン部材222に向かって内向きに曲がることを可能にするために空の空間224が提供されるように、中心スパイン部材222を用いて二分され得る。保持部材220の形状は、そのような形状が、部材220が電極40のルーメン70内への挿入のために圧縮されることを可能にし、いったん解放されると、保持部材に対する電極40の移動を防止する役割を果たす限り、任意の形状であり得る。1つの実施例では、少なくとも1つの保持部材220は、弓状の構成で成形され、そのような弓の中心は、スパイン214の周縁から離れて延在する。好ましい実施形態では、各電極40のための少なくとも1つの保持部材220は、反対方向に配置され、かつ各スパイン214のより長い長さ214Lに対して横方向に配向された2つの弓形部材220を含むことができる。
【0060】
図3Aに示される構成では、少なくとも1つの保持部材は、スパインに沿って間隔を置いた保持部材220の第1のセット220a、220b及び第2のセット220c、220dを有し得る。第1のセットは、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して横方向に反対方向に配置された2つの弓形部材220a、220bを含み、第2のセットは、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して横方向に反対方向に配置された2つの弓形部材220c、220dを含み、その結果、各電極40は、第1のセットの保持部材220a、220bと第2のセットの保持部材220c、220dとの間に捕捉される。図3Bは、チューブストックから形成されたスパイン構造38を示す。バスケットアセンブリ38が平坦なシートストックから形成され、切断され、熱処理されて、本明細書に示される楕円体バスケット形状を達成することも本発明の範囲内である。
【0061】
図4は、本開示の技術の一実施例による、図2の医療用プローブ22の分解図を示している。次に、図4の上から下に移動して、医療用プローブ22の組み立てについて簡単に説明する。図4に図示されるように、また前述したように、スパイン214をスパイン保持ハブ90に取り付けて、バスケットアセンブリ38を形成することができる。スパイン保持スリーブ93をスパイン保持ハブの上に配置して、スパイン214を定位置に固定するのを助けることができる。本明細書でより詳細に説明するように、接触力センサアセンブリ400は、スパイン保持ハブ90に結合され得る。医療用プローブ22は、接触力センサアセンブリスリーブ95内に配置され得る、接触力センサアセンブリ400を更に含むことができる。接触力センサアセンブリスリーブ95は、チューブ状シャフト84に結合され得る、近位カプラ97に結合され得る。完全に組み立てられると、バスケットアセンブリ38は、医療専門家34が医療用プローブ22を患者28の心臓26に挿入することを可能にするように、上述の構成要素を用いてチューブ状シャフト84に取り付けられ得る。
【0062】
次に図5A図6Bを参照すると、医療用プローブ22の接触力センサアセンブリ400及びスパイン保持ハブ90について更に説明する。接触力センサアセンブリの例は、米国特許第8,357,152号及び同第10,688,278号、並びに米国特許出願公開第2021/0187254(A1)号に開示されており、その各々が参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国仮特許出願第63/336,094号の付録に添付される。図5Aは、医療用プローブ22の互いに結合された接触力センサアセンブリ400及びスパイン保持ハブ90の斜視図を示しており、一方で、図5B及び図5Cは、接触力センサアセンブリ400及びスパイン保持ハブ90の分解図を示している。更に、図6A及び図6Bは、接触力センサアセンブリ400及びスパイン保持ハブ90の断面図を示している。
【0063】
図示されるように、接触力センサアセンブリ400は、近位端402と遠位端403と、を含むことができる。近位端402は、磁場発生器コイル410を収容することができ、遠位端403は、磁場センサ412を収容することができる。理解されるように、磁場発生器コイル410は、磁場を発生させるように構成され得、磁場センサ412は、磁場の存在及び大きさを検出するように構成され得る。
【0064】
接触力センサアセンブリ400は、近位端402と遠位端403との間に配置された撓み部分404を更に含むことができる。撓み部分404は、接触力センサアセンブリ400に力が加えられたときに撓むように構成され得る。換言すれば、撓み部分404は、力が接触力センサアセンブリ400に加えられたときに、接触力センサアセンブリ400の近位端402及び遠位端403が互いに近づいて移動することを可能にするように構成され得る。1つの実施例では、撓み部分404は、図5A図6Bに図示されるように、接触力センサアセンブリ400の本体内に形成されたコイルばねを含むことができる。例えば、接触力センサアセンブリ400の本体に螺旋状の切り込みを入れて、螺旋ばねを形成することができる。このようにして、接触力センサアセンブリ400の本体は、追加の構成要素を必要とせずに、それ自体がばねを形成することができる。他の実施例では、近位端402と遠位端403との間にばねを組み立てて、接触力センサアセンブリ400を形成することができる。接触力センサアセンブリ400は、スパイン214による心臓組織との接触が接触力センサアセンブリ400に伝達され得るように、チューブ84の内側で、バスケットアセンブリ38に対して近位に、バスケットアセンブリ38に可能な限り近接して配置され得る。
【0065】
理解されるように、接触力センサアセンブリ400に力が加えられたときに近位端402が遠位端403に近づいて移動すると、磁場センサ412は、磁場発生器コイル410によって生成された磁場の力の大きさの変化を検出することができる。撓み部分404のばね定数Kを予め決定することができ、磁場発生器コイル410と磁場センサ412との間の距離を検出することができるので、医療用プローブ22に加えられる力を(例えば、フックの法則、又は方程式F=d*Kを使用することによって)決定することができる。更に、接触力センサアセンブリ400は、コンソール24から電気信号を受信し、かつコンソール24に電気信号を提供して、受信した信号を処理し、バスケットアセンブリ38に加えられた力、例えば、サブグラム力を決定することができる。
【0066】
図5A図6Bに図示されるように、接触力センサアセンブリ400は、雌型コネクタ406を含むことができ、一方で、スパイン保持ハブ90は、雄型コネクタ408を含むことができる。しかしながら、理解されるように、便宜上、雌型コネクタ406を有する接触力センサアセンブリ400及び雄型コネクタ408を有するスパイン保持ハブ90として示され及び説明されているが、2つの構成要素は、本開示の範囲から逸脱することなく入れ替えることができる。換言すれば、特定の構成に応じて、接触力センサアセンブリ400は、雄型コネクタ408を含むことができ、スパイン保持ハブ90は、雌型コネクタ406を含むことができる。理解されるように、接触力センサアセンブリ400は、複数の雌型コネクタ406を含むことができ、一方で、スパイン保持ハブ90は、複数の雄型コネクタ408を含むことができる。代替的に、接触力センサアセンブリ400は、雌型コネクタ406及び雄型コネクタ408の両方を含むことができ、一方で、スパイン保持ハブは、相補的な雌型コネクタ406及び相補的な雄型コネクタ408を含むことができる。
【0067】
雌型コネクタ406及び雄型コネクタ408は、雄型コネクタ408が雌型コネクタと連結して接触力センサアセンブリ400をスパイン保持ハブ90に結合することができる、バヨネットマウント構成を形成することができる。別の言い方をすれば、雌型コネクタ406は、略「L」字形状を形成するスロットを含むことができ、雄型コネクタ408は、略相補的な「L」字形状を形成する突出部を含むことができる。換言すれば、雌型コネクタ406は、接触力センサアセンブリ400の遠位端403から接触力センサアセンブリ400内に略長手方向に延在する第1のスロット部分と、第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を有する、スロットを含むことができる。同様に、雄型コネクタ408は、スパイン保持ハブ90から離れるように略長手方向に延在する第1の突出部分と、第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を有する、突出部を含むことができる。
【0068】
雄型コネクタ408が雌型コネクタ406内に挿入されると、雌型コネクタ406及び雄型コネクタ408の「L」字形状が連結することができ、したがって、接触力センサアセンブリ400をスパイン保持ハブ90に結合させることができる。いくつかの実施例では、雄型コネクタ408は、雌型コネクタ406及び雄型コネクタ408の「L」部分が位置合わせされたときに、雌型コネクタ406内へと前方に跳ね返るようにすることができる。このようにして、雄型コネクタ408を雌型コネクタ406から取り外すためには、(接触力センサアセンブリ400及び/又はばね保持ハブ90を単にねじるのではなく)雄型コネクタ408を押さなければならない。
【0069】
ここで図7A図7Cを参照すると、接触力センサアセンブリ400は、雌型コネクタ406を雄型コネクタ408と位置合わせし(図7Aに示すように)、雄型コネクタ408を雌型コネクタ406内に挿入し(図7Bに示すように)、次いで接触力センサアセンブリ400及び/又はスパイン保持ハブ90をねじって、雌型コネクタ406と雄型コネクタ408とを連結させることによって、スパイン保持ハブ90に結合され得る。このようにして、接触力センサアセンブリ400は、スパイン保持ハブ90に結合されて、医療用プローブ22が可撓性挿入チューブ30を通して引っ張られるときに接触力センサアセンブリ400がスパイン保持ハブ90から外れることを防止することができる。
【0070】
図8A及び図8Bは、スパイン814上に配置された複数の電極840a、840bと、センサ608がその上に装着されたスパイン保持ハブ90とを有する、別の例示的なバスケットアセンブリ838を示している。図8Aに示すように、電極840a、840bは、隣接するスパイン814上の遠位電極840a及び近位電極840bの交互のグループに配置され得る。例えば、図8A及び図8Bに示すように、2つの電極840a、840bをスパイン814上に互いに近接して配置してもよく、同じスパイン814上に追加の電極840を配置しなくてもよい。第1のスパイン814上では、2つの電極840bは、スパイン814の近位端の近くに一緒に配置することができ、一方で、第2の隣接するスパイン814上では、2つの電極840aは、隣接するスパイン814の遠位端の近くに一緒に配置することができる。このようにして、電極840a、840bは、バスケットアセンブリ838の円周の周りでオフセットされ得、その結果、バスケットカテーテル840は、シース内に後退させられるときに、より良好に折り畳むことができる。バスケットアセンブリ838が折り畳まれるときに、遠位電極840aは、近位電極840bと遠位電極840aとの間の長手方向軸86に沿った間隙を伴って、近位電極840bから完全に遠位方向に位置付けられる。
【0071】
図8A及び図8Bに示すようなスパイン814上に配置された電極840a、840bの構成により、医療用システム20は、所与のスパイン814上の2つの隣接する電極840a、840b間に不可逆電気穿孔(IRE)を行うために使用され得るようなバイポーラ高電圧DCパルスを出力し、所与のスパイン814上の2つの隣接する電極840を電気的に接続し、バスケットアセンブリ838のスパイン814のうちの別の1つのスパイン814上の1つ若しくは2つ以上の電極814間にバイポーラ高電圧DCパルスを出力し、かつ/又は1つ若しくは2つ以上の電極828と患者28の皮膚上に配置された1つ若しくは2つ以上の接着性皮膚パッチ44との間にモノポーラ高電圧DCパルスを出力するように構成され得る。所与のスパイン814上の2つの電極840a、840bは、2つの電極840a、840bの間に配置された絶縁材料827を含むことができ、それによって、2つの電極840a、840bを互いから電気的に絶縁する。
【0072】
図8Aに示すように、スパイン814は、電極840とスパイン814との間に配置され得る、絶縁ライナー817で覆うことができる。絶縁ライナー817は、スパイン814から電極840を電気的に絶縁して、スパイン814へのアーク放電又は短絡を防止することができる。絶縁ライナー817は、スパイン保持ハブ90からバスケットアセンブリ838の遠位端まで延在することができる。更に、絶縁ライナー817は、中心スパイン交差部211の少なくとも一部分にわたって延在することができる、フレア端部842を含むことができる。このようにして、絶縁ライナー817は、組織への損傷を防止するために非外傷性先端を有することができる。
【0073】
図8Bは、バスケットアセンブリ838のフレームが見えるように、例示のために、絶縁ライナー840、一対の遠位電極840a、及び一対の近位電極840b、並びに他のスパイン要素が除去された状態である、バスケットアセンブリ838の図である。図8Bに示すように、スパイン814は、スパイン保持ハブ90から延在し、かつ中心スパイン交差部211で互いに接合することができる。中心スパイン交差部211は、スパイン814の屈曲を可能にすることができる、1つ又は2つ以上の切り欠き212を含むことができる。スパイン814は、電極840a、840bがスパイン814に沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成された電極保持領域860a、860bを更に含むことができる。図8Bに示すように、第1のスパイン814は、遠位スパイン保持領域860aを有することができ、隣接するスパインは、近位スパイン保持領域860bを有することができる。このようにして、スパイン保持領域860a、860bは、スパイン814に沿って近位位置と遠位位置との間で交互になり得る。すなわち、第1のスパイン814は、スパイン814の近位端の近くに配置された電極保持領域860bを有することができ、隣接するスパイン814aは、スパイン814の遠位端の近くに配置された電極保持領域860を有することができる。
【0074】
各電極保持領域860は、スパイン814が内向きに曲げられるか又は挟まれることを可能にすることができる、1つ又は2つ以上の切り欠き864を含むことができる。各電極保持領域860は、外向きに突出する1つ又は2つ以上の保持部材862を更に含むことができ、かつ電極840がスパイン814に沿って近位又は遠位に摺動することを防止するように構成され得る。製造中、バスケットアセンブリ838のフレームの近位端は、電極840a、840bのルーメン内に挿入され、電極840a、840bは、スパイン814に沿ってそれらのそれぞれの最終位置まで遠位に摺動する。切り欠き864は、電極840a、840bが保持部材862a~c上を摺動することを可能にする。スパイン814内の1つ又は2つ以上の切り欠き864のために、保持部材862a~cは、スパイン814が内向きに挟まれたときに内向きに移動して、電極840a、840bが保持部材862a~cの上を摺動することを可能にするように構成され得る。電極840a、840bが保持部材862を過ぎて摺動すると、保持部材862は、その以前の位置に弾性的に戻るように屈曲することができ、それによって、電極840a、840bがスパイン814に沿って近位又は遠位に摺動することを防止する。
【0075】
近位電極保持領域860bは、近位保持部材862c及び遠位保持部材862bを含む。近位電極保持領域860bは、近位電極840bが遠位保持部材862b上を通過することを可能にするように構成される必要はない。遠位電極保持領域860aは、中心スパイン交差部211を利用して、遠位電極840aがそれぞれの最終位置にくると、遠位電極840aが遠位に移動することを防止する。
【0076】
バスケットアセンブリ838は、所与のスパイン814上に互いの近くに配置された2つの電極840を有し、かつ隣接するスパイン814上に電極840の交互のグループを有するものとして示されているが、開示される技術は、示されていない電極840及びスパイン814の他の構成を含むことができる。例えば、開示される技術は、スパイン814上に配置された3つ若しくは4つ以上の電極840のグループ及び/又は電極840の複数のグループを含むことができる。したがって、開示される技術は、本明細書に示され、かつ説明される電極840及びスパイン814の特定の構成に限定されない。
【0077】
本明細書に記載の本開示の技術は、以下の条項に従って更に理解することができる。
【0078】
条項1:医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、チューブ状シャフトが、医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に配置され、かつ医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、それぞれのスパイン部材を受容するための複数のスロットを含む、スパイン保持ハブであって、スパイン保持ハブが、接触力センサアセンブリに結合され、スパイン保持ハブが、第1のバヨネットマウント部分と連結することによってスパイン保持ハブを接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、スパイン保持ハブと、スパイン保持ハブに結合された拡張可能バスケットアセンブリであって、拡張可能バスケットアセンブリが、スパイン保持ハブのそれぞれの複数のスロット内に配置された複数のスパインと、複数のスパインの各々に結合された少なくとも1つの電極と、を含み、複数のスパインが、長手方向軸に沿って延在し、かつ拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するときに、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成されている、拡張可能バスケットアセンブリと、を含む、医療用プローブ。
【0079】
条項2:第1のバヨネットマウントが、接触力センサ内に形成されたスロットを含み、第2のバヨネットマウントが、スパイン保持ハブから延在する突出部を含み、スロットが、突出部を受容するように構成されている、条項1に記載の医療用プローブ。
【0080】
条項3:スロットが、略L字状の凹部を含み、突出部が、略L字状の部材を含む、条項2に記載の医療用プローブ。
【0081】
条項4:スロットが、接触力センサアセンブリの遠位端から接触力センサアセンブリ内に略長手方向に延在する第1のスロット部分と、第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を含み、突出部が、スパイン保持ハブから離れるように略長手方向に延在する第1の突出部分と、第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含む、条項2又は3に記載の医療用プローブ。
【0082】
条項5:第1のバヨネットマウントが、接触力センサ内に形成された少なくとも2つのスロットを含み、第2のバヨネットマウントが、スパイン保持ハブから延在する少なくとも2つの突出部を含み、少なくとも2つのスロットが、少なくとも2つの突出部を受容するように構成されている、条項2~4のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0083】
条項6:第1のバヨネットマウントが、接触力センサアセンブリから延在する突出部を含み、第2のバヨネットマウントが、スパイン保持ハブ内に形成されたスロットを含み、スロットが、突出部を受容するように構成されている、条項1に記載の医療用プローブ。
【0084】
条項7:スロットが、略L字状の凹部を含み、突出部が、略L字状の部材を含む、条項6に記載の医療用プローブ。
【0085】
条項8:突出部が、接触力センサアセンブリから略長手方向に延在する第1の突出部分と、第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含み、スロットが、スパイン保持ハブの近位端から略長手方向に延在する第1のスロット部分と、第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を含む、条項6又は7に記載の医療用プローブ。
【0086】
条項9:第1のバヨネットマウントが、接触力センサから延在する少なくとも2つの突出部を含み、第2のバヨネットマウントが、スパイン保持ハブ内に形成された少なくとも2つのスロットを含み、少なくとも2つのスロットが、少なくとも2つの突出部を受容するように構成されている、条項6~8のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0087】
条項10:接触力センサアセンブリが、略円筒形形状を有する本体と、磁場を発生させるように構成されたコイルと、コイルによって発生した磁場を検出するように構成されたセンサと、接触力センサアセンブリに力が加えられたときに、本体が撓むことを可能にするように構成された撓み部分と、を含む、条項1~9のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0088】
条項11:撓み部分が、螺旋ばねを含む、条項10に記載の医療用プローブ。
【0089】
条項12:螺旋ばねが、接触力センサの本体内に螺旋状の切り込みを形成することによって、接触力センサの本体内に形成されている、条項11に記載の医療用プローブ。
【0090】
条項13:コイルが、接触力センサアセンブリの近位端に配置されており、センサが、接触力センサアセンブリの遠位端に配置されている、条項10~12のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0091】
条項14:スパイン保持ハブが、少なくとも1つの電極に向かって流体を方向付けるように構成されたスプレーポートを含む、条項1~13のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0092】
条項15:複数のスパインが各々、スパインに対して略横方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含む、条項1~14のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0093】
条項16:少なくとも1つの電極が、電極の本体を通って延在する中空部分を画定する本体を含み、本体が、複数のスパインの各々を受容するように構成されており、電極が、少なくとも1つの保持部材によって保持されている、条項15に記載の医療用プローブ。
【0094】
条項17:少なくとも1つの保持部材が、弓形部材を含む、条項15又は16に記載の医療用プローブ。
【0095】
条項18:少なくとも1つの保持部材が、反対方向に配置され、かつ各スパインのより長い長さに対して横断する、2つの弓形部材を含む、条項15~17のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0096】
条項19:少なくとも1つの電極が、第1の電極と、第2の電極と、を含み、少なくとも1つの保持部材が、複数のスパインの各々に沿って間隔を置いた保持部材の第1のセット及び第2のセットを含み、第1のセットが、反対方向に配置され、かつ各スパインのより長い長さに対して横断する、2つの弓形部材を含み、第2のセットが、反対方向に配置され、かつ各スパインのより長い長さに対して横断する、2つの弓形部材を含み、その結果、第1の電極が、保持部材の第1のセットの間に捕捉され、第2の電極が、保持部材の第2のセットの間に捕捉される、条項15~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0097】
条項20:複数のスパインの各々と少なくとも1つの電極との間に配置された電気絶縁ジャケットを更に含み、それによって、少なくとも1つの電極を複数のスパインの各々から電気的に絶縁する、条項1~19のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0098】
条項21:絶縁ジャケット内に配置されたワイヤを更に含む、条項20に記載の医療用プローブ。
【0099】
条項22:ワイヤが、少なくとも1つの電極に電気的に接続されている、条項21に記載の医療用プローブ。
【0100】
条項23:複数のスパインの各々が、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、条項1~22のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0101】
条項24:少なくとも1つの電極が、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びこれらの合金から選択される材料を含む、条項1~23のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0102】
条項25:少なくとも1つの電極が、不可逆的エレクトロポレーションのための電気パルスを送出するように構成されており、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項1~24のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0103】
条項26:複数のスパインの各々が、拡張された形態にあるときに、略球状形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0104】
条項27:複数のスパインの各々が、拡張された形態にあるときに、略扁球状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~26のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
【0105】
条項28:医療用プローブであって、医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に配置され、かつ医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインであって、複数のスパインのうちの各スパインが、保持部材を含む、複数のスパインと、複数の電極であって、複数の電極のうちの各電極が、複数のスパインのうちの1つのスパインに取り付けられ、かつ保持部材によってスパインに沿って近位又は遠位に摺動することが防止され、複数の電極が、複数のスパイン上にグループ分けして配置され、グループ分けが、隣接するスパインに沿って交互の近位位置及び遠位位置に配置されている、複数の電極と、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインを受容するための複数のスロットを含む、スパイン保持ハブであって、スパイン保持ハブが、第1のバヨネットマウント部分と連結することによってスパイン保持ハブを接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、スパイン保持ハブと、を含む、医療用プローブ。
【0106】
これまで述べた実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示し述べたものに限定されるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に記載及び図示される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、従来技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0107】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトであって、前記チューブ状シャフトが、前記医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置され、かつ前記医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、前記接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、
それぞれのスパイン部材を受容するための複数のスロットを含む、スパイン保持ハブであって、前記スパイン保持ハブが、前記接触力センサアセンブリに結合され、前記スパイン保持ハブが、前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記スパイン保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、スパイン保持ハブと、
前記スパイン保持ハブに結合された拡張可能バスケットアセンブリであって、前記拡張可能バスケットアセンブリが、前記スパイン保持ハブのそれぞれの複数のスロット内に配置された複数のスパインと、前記複数のスパインの各々に結合された少なくとも1つの電極と、を含み、前記複数のスパインが、前記長手方向軸に沿って延在し、かつ前記拡張可能バスケットアセンブリが折り畳まれた形態から拡張された形態に移行するときに、前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成されている、拡張可能バスケットアセンブリと、を含む、医療用プローブ。
(2) 前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサ内に形成されたスロットを含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記スパイン保持ハブから延在する突出部を含み、前記スロットが、前記突出部を受容するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記スロットが、略L字状の凹部を含み、
前記突出部が、略L字状の部材を含む、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 前記スロットが、前記接触力センサアセンブリの遠位端から前記接触力センサアセンブリ内に略長手方向に延在する第1のスロット部分と、前記第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を含み、
前記突出部が、前記スパイン保持ハブから離れるように略長手方向に延在する第1の突出部分と、前記第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含む、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(5) 前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサ内に形成された少なくとも2つのスロットを含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記スパイン保持ハブから延在する少なくとも2つの突出部を含み、前記少なくとも2つのスロットが、前記少なくとも2つの突出部を受容するように構成されている、実施態様2に記載の医療用プローブ。
【0108】
(6) 前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサアセンブリから延在する突出部を含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記スパイン保持ハブ内に形成されたスロットを含み、前記スロットが、前記突出部を受容するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(7) 前記スロットが、略L字状の凹部を含み、
前記突出部が、略L字状の部材を含む、実施態様6に記載の医療用プローブ。
(8) 前記突出部が、前記接触力センサアセンブリから略長手方向に延在する第1の突出部分と、前記第1の突出部分の端部から略横方向に延在する第2の突出部分と、を含み、
前記スロットが、前記スパイン保持ハブの近位端から略長手方向に延在する第1のスロット部分と、前記第1のスロット部分の端部から略横方向に延在する第2のスロット部分と、を含む、実施態様6に記載の医療用プローブ。
(9) 前記接触力センサアセンブリが、
略円筒形形状を有する本体と、
磁場を発生させるように構成されたコイルと、
前記コイルによって発生した前記磁場を検出するように構成されたセンサと、
前記接触力センサアセンブリに力が加えられたときに、前記本体が撓むことを可能にするように構成された撓み部分と、を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(10) 前記撓み部分が、螺旋ばねを含む、実施態様9に記載の医療用プローブ。
【0109】
(11) 前記螺旋ばねが、前記接触力センサの前記本体内に螺旋状の切り込みを形成することによって、前記接触力センサの前記本体内に形成されている、実施態様10に記載の医療用プローブ。
(12) 前記スパイン保持ハブが、前記少なくとも1つの電極に向かって流体を方向付けるように構成されたスプレーポートを含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(13) 前記複数のスパインが各々、前記スパインに対して略横方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含み、前記複数のスパインが、
単一の断面を含む第1のスパインであって、前記単一の断面が、前記第1のスパインの近位部分からほぼ中間点まで延在し、その後、前記第1のスパインの遠位部分まで少なくとも2つの別個の断面に分割されている、第1のスパインと、
少なくとも2つの別個の断面を含む第2のスパインであって、前記少なくとも2つの別個の断面が、前記第2のスパインの近位部分からほぼ中間点まで延在し、その後、前記第2のスパインの遠位部分まで延在する単一の断面に組み合わせられている、第2のスパインと、を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(14) 前記少なくとも1つの電極が、本体を含み、前記本体が、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、前記本体が、前記複数のスパインの各々を受容するように構成されており、前記電極が、前記少なくとも1つの保持部材によって保持されている、実施態様13に記載の医療用プローブ。
(15) 前記少なくとも1つの保持部材が、弓形部材を含む、実施態様13に記載の医療用プローブ。
【0110】
(16) 医療用デバイスであって、
前記医療用デバイスのエンドエフェクタに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、前記接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、
エンドエフェクタ保持ハブであって、前記エンドエフェクタを前記エンドエフェクタ保持ハブに固定するために前記エンドエフェクタの少なくとも一部分を受容するように構成されており、前記エンドエフェクタ保持ハブが、前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記エンドエフェクタ保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、エンドエフェクタ保持ハブと、を含む、医療用デバイス。
(17) 前記接触力センサアセンブリが、
略円筒形形状を有する本体と、
磁場を発生させるように構成されたコイルと、
前記コイルによって発生した前記磁場を検出するように構成されたセンサと、
前記本体内に形成され、かつ前記エンドエフェクタに力が加えられたときに、前記本体が撓むことを可能にするように構成された螺旋ばねと、を含む、実施態様16に記載の医療用デバイス。
(18) 前記エンドエフェクタ保持ハブが、前記エンドエフェクタの電極に向かって流体を方向付けるように構成されたスプレーポートを含む、実施態様16に記載の医療用デバイス。
(19) 前記第1のバヨネットマウントが、前記接触力センサ内に形成されたスロットを含み、
前記第2のバヨネットマウントが、前記エンドエフェクタ保持ハブから延在する突出部を含み、前記スロットが、前記突出部を受容するように構成されている、実施態様16に記載の医療用デバイス。
(20) 医療用プローブであって、
前記医療用プローブの長手方向軸に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置され、かつ前記医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、前記接触力センサアセンブリが、第1のバヨネットマウント部分を含む、接触力センサアセンブリと、
前記長手方向軸から半径方向外向きに曲がるように構成された複数のスパインであって、前記複数のスパインのうちの各スパインが、保持部材を含む、複数のスパインと、
複数の電極であって、前記複数の電極のうちの各電極が、前記複数のスパインのうちの1つのスパインに取り付けられ、かつ前記保持部材によって前記スパインに沿って近位又は遠位に摺動することが防止され、前記複数の電極が、前記複数のスパイン上にグループ分けして配置され、前記グループ分けが、隣接するスパインに沿って交互の近位位置及び遠位位置に配置されている、複数の電極と、
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインを受容するための複数のスロットを含む、スパイン保持ハブであって、前記スパイン保持ハブが、前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記スパイン保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分を有する、スパイン保持ハブと、を含む、医療用プローブ。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
【外国語明細書】