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特開2023-164371座屈を防止するクローバーリーフ構造体及び電極の保持機能を有するバスケットカテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164371
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】座屈を防止するクローバーリーフ構造体及び電極の保持機能を有するバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073114
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/336,023
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/336,094
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/192,296
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】アタナシオス・パパイオアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ジョージ・リヒター
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK17
4C160KK23
4C160KK39
4C160KK63
4C160KK64
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】チューブ状シャフトの遠位端に連結された、拡張可能なバスケットアセンブリを含む医療用プローブが提示されている。バスケットアセンブリは、その遠位端にクローバーリーフ切り欠き構造体と、クローバーリーフ構造体から近位方向に延出し、チューブ状シャフトに結合するスパインとを含む。クローバーリーフ構造体は、長手方向軸線の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含む。正弦波状部材は、第1の仮想円、第2の仮想円、及び第3の仮想円の周りを蛇行し、第1の仮想円及び第3の仮想円は、医療用プローブの長手方向軸線からほぼ同じ距離にあり、ほぼ同じサイズであり、第2の仮想円は、第1の仮想円及び第2の仮想円の間にあり、長手方向軸線により近く、第1の仮想円及び第3の仮想円の第1の開放領域の約90%を有する。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含み、前記医療用プローブの長手方向軸線に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを備え、前記拡張可能バスケットアセンブリが、
前記長手方向軸線に沿って、近位中央スパイン部分から遠位スパイン部分まで延在する複数のスパインを含み、前記遠位スパイン部分は、前記長手方向軸線の周りに半径方向に配設されたクローバーリーフ構造体を画定し、前記クローバーリーフ構造体は、前記長手方向軸線の周りに配設された中央領域を有する中央切り欠き部を画定し、前記クローバーリーフ構造体が、
前記長手方向軸線の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含み、前記正弦波状部材が、
(a)前記中央領域の約20%の第1の開放領域を有する第1の仮想円であって、その中心が前記長手方向軸線に対して第1の距離に位置する、第1の仮想円と、
(b)前記第1の開放領域の約90%の第2の開放領域を有する第2の仮想円であって、その中心が前記長手方向軸線に対して、前記第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する、第2の仮想円と、
(c)前記第1の開放領域にほぼ等しい第3の開放領域を有する第3の仮想円であって、その中心が前記長手方向軸線に対して、前記第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する、第3の仮想円と、
の周りを蛇行する、
医療用プローブ。
【請求項2】
前記中央領域は、約0.8mmの領域を含み、前記正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円は、前記中央領域より約14倍大きい領域を含み、前記第1の仮想円及び前記第3の仮想円の各々は、前記長手方向軸線から、第1の距離に位置し、前記第2の仮想円は、前記第1の距離の約1/2の第2の距離に位置する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記正弦波状部材は、前記中央領域の中央円に接する、請求項2に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
各電極の断面形状は、実質的に卵形又は台形の形状を有する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記スパインの各々は、前記スパインを概ね横切る方向に延在する、少なくとも1つの保持部材を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
複数の電極を更に備え、
前記複数の電極のうちの各電極は、本体を備え、前記本体は、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、スパインが前記中空部分に挿入され、前記少なくとも1つの保持部材によって保持され得る、
請求項5の医療用プローブ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの保持部材は、弓形部材を含む、請求項5の医療用プローブ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの保持部材は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を備える、請求項5の医療用プローブ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの保持部材は、前記スパインに沿って離間した、第1の組の保持部材及び第2の組の保持部材を備え、前記第1の組は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を含み、前記第2の組は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を含み、各電極が、前記第1の組の保持部材と前記第2の組の保持部材との間に捕捉されている、請求項5の医療用プローブ。
【請求項10】
前記複数のスパインは、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しいような等角パターンで前記近位中央スパイン部分から延出する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインとそれぞれの電極との間に各々配設された複数の電気的絶縁性ジャケットを更に備え、それにより前記それぞれのスパインから前記それぞれの電極を電気的に絶縁する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記複数の電気的絶縁性ジャケットのうちのそれぞれのジャケット内に配設されたワイヤを更に備え、前記ワイヤは、前記それぞれの電極に電気的に接続されている、請求項11に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記複数のスパインのうちのそれぞれの各スパインは、2つの電極を備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
不可逆エレクトロポレーションのための、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている複数の電極を更に備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
前記複数のスパインは、拡張形態にあるときには、略球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
前記複数のスパインは、拡張形態にあるときに、略偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
前記中央切り欠き部は、中央領域を有する中央円に近似し、前記クローバーリーフ構造体は、前記長手方向軸線上に中心を有する第4の円内に配設され、前記中央円に近い前記クローバーリーフの部分が、前記第4の円に近い前記クローバーリーフの部分に対して、前記長手方向軸線に沿って離間され、それによって凹状のクローバーリーフ構造体を画定する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
前記クローバーリーフ構造体は、凹状であり、その中心は、前記バスケットの前記近位中央スパイン部分に向かって延在して、前記長手方向軸線の周りに配設された凹状表面に近似する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項19】
基準電極が、前記チューブ状シャフトの前記遠位端に近接して配設されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
スパイン保持ハブが、前記チューブ状シャフトの前記遠位端に連結されて、前記スパインを前記保持ハブに接続している、請求項1に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、先に2022年4月28日に出願された米国特許仮出願第63/336,023号(代理人整理番号第253757.000242-BIO6675USPSP1号)及び先に2022年4月28日に出願された米国特許仮出願第63/336,094号(代理人整理番号第253757.000137-BIO6693USPSP1号)に対する、35 U.S.C.§119の下での優先権を主張するものであり、これらはそれぞれ、本明細書に完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、一般に、医療用装置、特に実質的に卵形又は台形の電極を有するカテーテルに関し、更に、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(IRE)を誘発するための使用に好適なカテーテルに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することがある。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向にある。RFアブレーションは、組織の炭化、焼損、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻の原因となり得る熱細胞損傷のリスクが高まるなど、操作者の技能に起因する、特定のまれな欠点を伴う可能性がある。冷凍アブレーションは、RFアブレーションの代替アプローチであり、RFアブレーションに関連するいくつかの熱リスクを低減し得るが、かかるデバイスの超低温の性質に起因して、組織の損傷を提示してしまう可能性がある。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0005】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、これらの各々は、参照によりその全体が、あたかも完全に記載されているかのように本出願に組み込まれ、優先権出願の米国特許仮出願第63/336,023号の付録に添付されている。
【0006】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端をチューブ状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、ともに組み立てられる。しかしながら、スパイン及び電極の小さいサイズに起因して、電極をスパインに接着し、次いで、複数の線形スパインから球形バスケットを形成することは、困難な作業であり、製造時間及びコスト、並びに不適切な結合又は不整合に起因して電極が故障する可能性を増加させ得る。したがって、バスケットアセンブリの製造に必要な時間、代替的なカテーテルの幾何形状、及び代替的な電極の形状及びサイズを全体的に低減するのに役立つことができる、改善されたバスケットアセンブリを形成するデバイス及び方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の一実施形態による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
図2A】本発明の一プロトタイプ又は一実施形態による、拡張形態の医療用プローブの斜視図である。
図2B】電極及びスパインアセンブリの内部構成要素を示すための、軸線86に直交する断面平面の断面図である。
図2C】絶縁性ジャケットに取り付けられた電極の斜視図であり、ワイヤが各電極への接続のためにスパインに沿って延びている図である。
図3A】下にあるスパイン構造体及び1つのスパイン上に配設された1つの電極のみを有する、図2Aの医療用プローブを示す図である。
図3B】チューブストックから形成されたスパイン構造体を示す図である。
図4A図3Aのバスケットスパイン構造体の遠位端の端面図であり、平坦化した図であり、長手方向軸線上に位置する観察者が見ると、バスケットスパイン全体が2枚の平坦なガラス板の間に平坦にキャプチャされているかのように見える図である。
図4B図3Aのスパイン構造体の遠位端に近接して配設されたクローバーリーフ構造体の設計名称を有する、図4Aのスパイン構造体の端面を示す図である。
図5A図3Aのバスケットスパイン構造体の側面図を示し、仮想球によって近似され得るクローバーリーフ構造体の凹面を示す図である。
図5B図5Aに示される挿入図の拡大図であり、バスケットアセンブリ38の遠位中央部分の凹面を示すための図である。
図6A】電極を示す拡大図である。
図6B】電極を示す拡大図である。
図7A】本開示技術の別の実施例による、電極が拡張された形態の、別の例示的医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
図7B】本開示の技術による、スパインを示す8Aの医療用プローブの斜視図を示す、概略描画図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。この説明は、当業者が本発明を製造及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0009】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0010】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、種々のあらゆる該当する種類のものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者でよいことを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の位置を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0011】
本明細書で論じられるように、「作業者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達に関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0012】
本明細書で論じられるように、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(PEF)及びパルス場アブレーション(PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成される、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房細動アブレーション、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションと関連して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0013】
本明細書で論じられるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けられた2つ以上の電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指す。電流密度及び電束密度は、典型的には、複数の電極の各々で略等しい。「単極」とは、2つ以上の電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、ここで、第1の電極又は第1の電極コンビが、高電流密度及び高電束密度を経験し、かつ治療部位に位置付けられ、第2の電極又は第2の電極シリーズが、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を経験し、かつ治療部位から遠くに位置付けられる。
【0014】
本明細書で論じられるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への適用を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間に略等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0015】
本明細書で論じられるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、テーパ状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0016】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0017】
本開示は、スパインに取り付けられた電極を含むエンドエフェクタを利用するシステム、方法、又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からのアブレーションエネルギーを管理するように構成される。そのような例示的カテーテルを組み込むアブレーション処置は、蛍光透視法、超音波、並びに/又は磁気及び/若しくはインピーダンスベースのナビゲーションを利用する3Dマッピングシステムを使用して可視化され得る。
【0018】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0019】
RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションに関連するいくらかの熱リスクを低減することができる、RFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0020】
本開示で論じられるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療領域において熱を生成し、治療領域内の全ての細胞を無差別に加熱する。IREはしたがって、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスが利用され得る。
【0021】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的な(一時的な)又は不可逆的な(永久的な)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を適用することによって誘発され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅し、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はおよそ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0022】
本開示の解決策は、好ましくは心筋組織においてエレクトロポレーションを誘発するのに有効なパルス電界を印加することによって、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加するためのシステム及び方法を含む。本システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘発することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆エレクトロポレーションは、電極で印加された電圧が標的組織の電界閾値を下回り、細胞が修復することを可能にするものである。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国特許仮出願第63/336,023号の付録に添付されている。
【0023】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極幾何形状などを含み得、本明細書に提示される例は、概して、可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを有効に誘発するように適合される物理パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願の米国特許仮出願第63/336,023号の付録に添付されている。
【0024】
IRE(不可逆エレクトロポレーション)処置でパルス場アブレーション(PFA)を送達するために、電極は、アブレーションされる組織と十分に大きな表面積で接触しなければならない。以下に説明するように、医療用プローブは、近位端及び遠位端を有するチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端にあるバスケットアセンブリと、を含む。バスケットアセンブリは、単一の一体構造を含む。一体構造は、材料の平面シート又はチューブストックから形成された複数の線形スパインと、スパインのそれぞれに結合された1つ以上の電極とを含むことができる。複数の線形スパインは、1つ以上の切り欠きを含む、中心スパイン交差部で収束することができる。切り欠きは、スパインが略球形又は偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように、各スパインの屈曲を可能にすることができる。切り欠き(本明細書に記載及び図示される様々な構成における)は、バスケットが、座屈又は塑性変形を伴わずに、展開されていない(又は送出シース内への後退を受ける)ときに、はるかに小さいフォームファクタに圧縮されることを可能にすることに留意されたい。
【0025】
図1は、本発明の一実施形態による、医療用プローブ22と、制御コンソール24とを含む医療用システム20の概略描画図である。医療用システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に説明する実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション処置を実行するためなど、診断的処置又は治療的処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0026】
医療用プローブ22は、可撓性挿入チューブ30と、チューブ状シャフトの近位端に連結されたハンドル32と、を含む。医療処置の間、医療専門家34は、医療用プローブの遠位端39が心臓26の心臓腔などの体腔に入るように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端39が心臓26の心臓腔に入ると、医療専門家34は、医療用プローブ22の遠位端39に接近するバスケットアセンブリ38を展開させることができる。バスケットアセンブリ38は、以下の図2A図2B図2C図3A、及び図3Bを参照する説明に記載するように、複数のスパイン214に取り付けられた、複数の電極40を含み得る。不可逆エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家34は、電極40が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織に係合するように、ハンドル32を操作して遠位端39を位置決めすることができる。電極40(拡張構造38上に配設されている電極)が心臓組織に係合するように遠位端39を位置付けると、医療専門家34は、電気パルスが電極40によって送達されてIREアブレーションを行うように、医療用プローブ22を作動させることができる。
【0027】
医療用プローブ22は、ガイドシース及び治療用カテーテルを含むことができ、ガイドシースは、可撓性挿入チューブ30及びハンドル32を含み、治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38、電極40、及びチューブ状シャフト84を含む(図2A及び図2Bを参照)。治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38が心臓26内に位置付けられるように、ガイドシースを通って前進する。医療用プローブ22の遠位端39は、バスケットアセンブリ38が可撓性挿入チューブ30内に収容されているときにガイドシースの遠位端に一致し、(チューブ30)の遠位端39は、バスケットアセンブリ38がガイドシースの遠位端から延出しているときにバスケットアセンブリ38の近位部(図2Aを参照)に一致する。代替的に、医療用プローブ22は、当業者によって理解されるように、治療用カテーテル上の第2のハンドルと、他の特徴と、を含むように構成され得る。
【0028】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者28に取り付けられている接着性皮膚パッチ44を含む。制御コンソール24は、追跡モジュール48と共に、心臓26内の遠位端39の位置座標を決定するプロセッサ46を含む。位置座標は、生成された磁場が存在するときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて決定することができる。位置座標は、追加的又は代替的に、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に取り付けられた電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づくことができる。医療処置中に、ECG信号を記録するために使用されること又は位置センサとして動作することに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0029】
これまで述べたように、追跡モジュール48と共に、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内でのチューブ30の遠位端39の位置座標を決定してもよい。このような決定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示するいくつかの実施形態は、好ましくは、心臓26内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように構成されている電極40を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極40を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成された電極40であるという文脈で説明されているが、当業者は、本開示の技術が、患者28の身体の器官又は他の部分の様々な性質をマッピング及び/又は決定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0030】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(A/D)信号変換集積回路52とを含んでもよい。プロセッサは、1つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、医療専門家34がIREアブレーション処置を実行することを可能にするために、回路50及び回路52並びにモジュールの特徴を使用する。
【0031】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を転送し、且つ/又はそれらに信号を転送することを可能にする入出力(I/O)通信インタフェース54を含む。図1に示される構成では、制御コンソール24は、IREアブレーションモジュール56とスイッチングモジュール58とを更に含む。
【0032】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲のピーク電力を含むIREパルスを発生させるように構成されている。いくつかの例では、電極40は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む電気パルスを送出するように構成されている。医療用システム20は、IREパルスを電極40に送達することによってIREアブレーションを実行する。好ましくは、医療用システム20は、スパイン上の電極40間に二相性パルスを送達する。追加的又は代替的に、医療用システム20は、電極40のうちの少なくとも1つと、少なくとも1つの皮膚パッチとの間に単相性パルスを送達する。
【0033】
血液凝固を防止するために、システム20は、灌注流体(例えば、生理食塩水)をチューブ30の遠位端39及びバスケットアセンブリ38の近位領域に供給する。なお、灌注流体は、可撓性挿入チューブ30を通して供給され得ることに留意されたい。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータをモニタリング及び制御するための灌注モジュール60を含む。IRE又はPFAについては、医療用プローブの例示的な実施形態が好ましいが、医療用プローブを、RFアブレーション(外部接地電極を有する単極モード又は双極モード)のためだけに別個に使用すること、又はIREアブレーション及びRFアブレーションを組み合わせて順次使用すること(IREモードの特定の電極及びRFモードの他の電極)、又は同時に使用すること(IREモードの電極及びRFモードの他の電極の群)も本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0034】
電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信した信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内における遠位端39の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。処置中、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、医療専門家34は、1つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け入れるように構成され得るタッチスクリーンを含んでもよい。
【0036】
図2Aは、挿入チューブ30の遠位端39において挿入チューブルーメンから前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ22の斜視図を示す図である。プローブ22は、心臓組織に対するスパインの接触力を決定するための接触力センサ400を含んでもよい。接触力センサの詳細は、2021年3月18日に公開された米国特許出願公開第20210077180(A1)号に図示及び説明されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0037】
なお、図2Aに示す医療用プローブ22では、図1に示したガイドシースが不在であることに留意されたい。拡張形態(図2A)では、スパイン214は、半径方向外向きに湾曲し、折り畳み形態(図示せず)では、スパイン214は、挿入チューブ30の長手方向軸線86に概ね沿って配置される。図2Aでは、複数の電気的絶縁性ジャケット217が提供され、各々のジャケットが、複数のスパインのうちのそれぞれのスパイン214と複数の電極のうちのそれぞれの電極40との間に配設されることが可能であり、それによって複数の電極を複数のスパインから電気的に絶縁するようになっている。
【0038】
図2Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、両端で接続された複数の可撓性スパイン214を含む。医療処置中、医療専門家34は、チューブ状シャフト84を挿入チューブ30から延出させ、バスケットアセンブリ38を挿入チューブ30から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン214は、楕円形(例えば、円形)又は長方形(平坦に見えることがある)の断面を有してもよく、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料(例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金)を含んでもよい。図2A図2B、及び図3Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、近位部分36と遠位端39とを有する。医療用プローブ22は、スパイン保持用ハブとして機能し得るハブ90、及び/又はチューブ状シャフト84の遠位端からバスケットアセンブリ38の遠位端39に向かって長手方向に延在する灌注ハブ90、を含むことができる。上記に記載されるように、制御コンソール24は、チューブ状シャフト84を通して灌注流体をバスケットアセンブリ38に送出する灌注モジュール60を含む。
【0039】
図3Aを参照すると、複数の可撓性線状スパイン214は、スパイン214によって画定される長手方向軸線86上に同様に配設される中心スパイン交点211で収束する。いくつかの実施例では、中心スパイン交点211は、以下でより詳細に説明するように、各スパインのそれぞれの取り付け端部216がスパイン保持ハブ90に接続されるときにスパイン214の屈曲を可能にする、1つ以上の切り欠き212を含み得る。
【0040】
本明細書に示されるように、バスケットアセンブリ38のスパイン114上に位置付けられる電極40は、心臓26内の組織にアブレーションエネルギー(RF及び/又はIRE)を送達するように構成され得る。加えて、又は代替的に、電極を使用して、バスケットアセンブリ38の位置を決定すること、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置における局所表面電位など生理学的特性を測定することができる。電極40は、1つ以上の電極40のより多くの部分がバスケットアセンブリ38から外向きに面するように付勢され得、その結果、1つ以上の電極40は、内向きよりも外向き、すなわちバスケットアセンブリ38から離れる方向に(すなわち、心臓26組織に向かって)より多くの量の電気エネルギーを送達する。
【0041】
電極40を形成するのに理想的に適した材料の例としては、金、白金、及びパラジウム(及びそれらのそれぞれの合金)が挙げられる。これらの材料はまた、高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で発生した(すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる)最小限の熱が、電極を通って電極の裏側(すなわち、スパインの内側にある電極の部分)に伝導され、次に心臓26内の血液プールに伝導される。
【0042】
図3Aを参照すると、医療用プローブ22のバスケットアセンブリ38が、絶縁スリーブ217又はスリーブ217の内側に配設されている電極40への関連配線なしで示されており、新規の、下にあるバスケット構造体38を示している。バスケット38は、単一の一体構造を含み、その単一の一体構造は、複数のスパイン214を含み、その複数のスパイン214は、円筒形チューブストック(図3Bを参照)から形成され、スパイン214を半径方向外向きに付勢させるように処理される。スパイン214の材料は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0043】
図2Aを参照すると、スパイン保持ハブ90は、チューブ状シャフト84内に挿入され、チューブ状シャフト84に取り付けられ得る。スパイン保持ハブ90は、複数のリリーフランド96を含む円筒形部材94と、バスケットスパインによって画定される容積内への灌注流体の流出を可能にする複数の灌注開口部98と、ハブ端部99と、を含み得る。リリーフランド96は、円筒部材94の外面に配設され得るが、各スパイン取り付け端部216など各スパイン214の一部を、接触力センサ400のためのカプラーとしても知られている、保持ハブ90のそれぞれのリリーフランド96内に嵌合させることを可能にするように構成され得る。取り付け端部216は、スパイン214の略直線状端部であり得る。取り付け端部216は、バスケットアセンブリ38がスパイン保持ハブ90から外向きに、その結果として、チューブ状シャフト84から外向きに位置付けられるように、スパイン保持ハブ90から外向きに延在するように構成され得る。このように、スパイン214は、バスケットアセンブリ38が展開されるときに、バスケットアセンブリ38をチューブ状シャフト84の遠位端から遠位側に、かつ挿入チューブ30の遠位端から遠位側に位置付けるように構成され得る。基準電極95は、突出部94又はハブ端面99に配設することができる。ハブ90は、事実上、以下の複数の機能を有することができることに留意されたい。(1)スパインの脚部を近位方向に保持する。(2)ハブ90(及びバスケットアセンブリ22)が遠位チューブ84に接続されることを可能にする。(3)遠位チューブ84を通して送達される灌注流体のための流体ダイバータとして機能する。(4)基準電極95を提供する。
【0044】
図2Bを参照すると、スパイン及び電極の断面図が、ジャケット217の内側に配設されたスパインフレーム214を示すために切り取られて示されており、配線41がスパインフレーム214に沿って走り、ジャケット217を通って延びて、接続点(例えば、はんだパッド)43を介して電極40と接続している。図2Cは、不透明ジャケット217の斜視図を示し、配線41がジャケットを通って電極40のそれぞれの接続点43まで延在しているのを見ることができる。なお、接続点43は、電極40のルーメン70の内側に配置される必要はなく、接続点が電極40の組織接触を妨げない限り、ルーメン70の外側にあってもよいことに留意されたい。
【0045】
図6A及び図6Bを参照すると、好ましい実施形態において、電極40は、長さが約2mm~約3mmであり、幅が約1.5mm~約2.5mmであり、高さが約0.8mm~約1.5mmである。ルーメン70は、約0.4mm~約0.7mmの負の表面積を有してもよい。ルーメン70は、幾何学的中心に配置されず、むしろ、ルーメン70の中心86が平坦な底面76により近くなるように下方にオフセットされる。この配置は、電極40の上面78及び80のより多くが、ルーメン70の下よりもルーメン70の上にあることを確実にする。
【0046】
図3Aを参照すると、電極40は、スパイン214と一体的に形成された保持部材220によって、スパイン214に対して実質的に定位置に配置され得る。図3Aに示すように、スパイン214のそれぞれは、スパイン214に対して概ね横方向に延在する少なくとも1つの保持部材220を含むことができる。電極40のルーメン70(図6A)を通したスパイン214の挿入を可能にするために、各スパイン214は、中心スパイン部材222で二等分されることができ、その結果、空の空間224が提供され、保持部材220が中心スパイン部材222に向かって内向きに屈曲することが可能になる。保持部材220の形状は、部材220が電極40のルーメン70内への挿入のために圧縮され、ひとたび解放されると保持部材220に対する電極40の移動を防止することが可能になるように機能する形状である限り、任意の形状であり得る。一実施形態では、少なくとも1つの保持部材220は、弓形の構成に成形され、そのような弓形の中心は、スパイン214の周縁から離れるように延在する。好ましい実施形態では、各電極40のための少なくとも1つの保持部材222は、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して反対方向及び横方向に配設された2つの弓形部材220を含んでもよい。
【0047】
図3Aに示される構成では、少なくとも1つの保持部材は、スパインに沿って離間された保持部材220の第1の組220a、220b及び第2の組220c、220dを有し得る。第1の組は、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して横方向に、反対方向に配設された2つの弓形部材220a、220bを含み、第2の組は、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して横方向に、反対方向に配置された2つの弓形部材220c、220dを含み、それにより、各電極40は、第1の組の保持部材220a、220bと第2の組の保持部材220c、220dとの間に捕捉されている。
【0048】
図3Bは、チューブストックから形成されたスパイン構造体38aを示す。スパイン構造体38aが、平坦なシート素材から形成され、切断され、熱処理されて、ここに示された楕円体バスケット形状を実現することも本発明の範囲内である。図3Bに示すスパイン構造体38aは、長手方向に圧縮することができ、スパイン214は、半径方向に拡張して、図2Aに図示されたバスケットアセンブリ38の図3Aに示すバスケット形状のスパイン構造体を形成することができる。
【0049】
図4A及び図4Bは、遠位部分39(図2A)を示し、図では、医療用プローブ22のバスケットアセンブリ38の遠位部分39が、2枚の平坦なガラスシートの間で平坦化されているとみなすことができる。この図の構成では、図4Aにおいては、遠位部分39がクローバーの葉に似た構造体300を画定することを見ることができ、したがって、構造体300を以下では、「クローバーリーフ」と呼ぶこととする。前述のように、図4A及び図4Bのバスケット38は、近位中心近位スパイン部分36から遠位スパイン部分39まで長手方向軸線86に沿って延在する複数のスパイン214を有する。
【0050】
図4Aでは、遠位スパイン部分39は、長手方向軸線86の周りに半径方向に配設されたクローバーリーフ構造体300(図4A)を画定する。各クローバー状切り欠き212は、軸線86から直交して延在する半径方向軸線A、B、C、D、E、及びFに沿って位置合わせされる。その結果、複数のスパイン214が、近位中央スパイン部分36から、それぞれ隣接するスパインどうしの間のそれぞれの角度がほぼ等しくなるような等角パターンで延在する。好ましい実施形態は6つのスパインを含むが、4~12の任意の数のスパインを有することは、本発明の範囲内である。
【0051】
注目すべきは、クローバーリーフ構造体300はまた、長手方向軸線86の周りに配設された負の又は空の領域A0を有する中央切り欠きC0を画定することである。特に、クローバーリーフ構造体300は、以下の構造体によってその輪郭を描かれ得る。長手方向軸線86を中心として、例えば、反時計回り又は時計回りの方向に、1つのスパイン214から隣接するスパイン214まで延在する正弦波状のクローバーリーフ部材300。正弦波状構造体300のこの特徴は、例えば、スパイン214が半径方向軸線A上に配置されている図4Bに見ることができる。軸線A上のこのスパイン214から開始して、正弦波状のクローバーリーフ部材300は、円R1によって近似することができる負の又は開放された第1の領域A1を有する切り欠き212の一部の周りで、破線302によって示されるよう、蛇行するように構成される。本明細書で使用される場合、「開放された領域」という用語は、空の空間を画定するためのいかなる固体構造体も存在しないことを意味する。この第1開放領域A1は、中央領域A0の約20%である。便宜上、第1の開放領域A1は、長手方向軸線86に対して第1の距離L1にその中心が位置する第1の仮想円R1によって近似することができる。引き続き図4Bにおいて、正弦波状クローバーリーフ部材300は、軸線Aから軸線Fへと、第2の開放領域A2の周りを、軸線F上に位置する隣接するスパイン214に向かって反時計回り方向に蛇行する。便宜上、第2の開放領域A2は、第1の開放領域A1の約90%の第2の開放領域A2を有する第2の仮想円R2に近似することもできる。第2の仮想円は、長手方向軸線86までの第1の距離L1よりも小さい第2の距離L2に位置する半径R2の中心を有してもよいということに留意されたい。図4Bの軸線Fに向かって続けると、正弦波状クローバーリーフ部材300は、便宜上、半径R3を伴う第3の仮想円によって近似される、第3の開放領域A3の周囲で破線302を蛇行させる。第3の仮想円は、中心軸線86に対してL2よりも大きく第1の距離L1にほぼ等しい第3の距離L3に位置する半径R3の中心を有する。正弦波状クローバーリーフ部材300が軸線Fと交差すると、軸線Eに近い軸線Fの他方の側にある別の第1の開放領域A1で構造命名法が再び繰り返され正弦波状クローバーリーフ部材300は、破線302によって示されるように、軸線E上に位置する次のスパイン214に向かって蛇行する。
【0052】
図4Bでは、スパイン214の幅T0は、0.25~1mmとすることができ、正弦波部材302は、T0の幅の約1/2の最大幅T1を有し、スパイン幅T0の約1/3の最小幅T2を有する。スパイン軸線(A、B、C、D、E、又はF)に近接する幅T3は、T1の最大値とほぼ同じである。半径R0によって近似される中央領域A0は、約0.8mmであり、第4の仮想円C4は、中央領域A0よりも約14倍大きい領域を有し得る。第1の仮想円R1及び第3の仮想円R3の各々は、中心軸線86から約1.5mmの第1の距離L1に配置され、第2の仮想円R2は、第1の距離L1の約1/2の距離L2に配置される。
【0053】
好ましくは、複数のスパイン214は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせ又は合金からなる群から選択される材料から製造することができる。各電極40は、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びこれらの合金又は組み合わせから選択される材料から製造することができる。
【0054】
本発明者らは、バスケットアセンブリ38が、座屈することなく又はバスケットアセンブリ38のいかなる部分においてもスパイン214に永久的な塑性変形を引き起こすことがなく、8~12フレンチシース内に適合するように、約12mmのバスケットの最大直径から圧縮されることを可能にするために、クローバーリーフ構造体300を考案した。代替的一実施形態では、スパインの数が増加される場合、シースのサイズは、追加のスパインを収容するために14.5フレンチまで増加されてもよい。この設計によって、本発明者らは、バスケットをシース内に圧縮し、座屈のいかなる物理的徴候もなく、少なくとも40回の完全拡張のために展開することができている。
【0055】
図4Aに戻って参照すると、正弦波状のクローバーリーフ部材300は、クローバーリーフ部材300の一部が、2つの隣接するスパイン214が位置する任意の2つの半径方向軸線どうしの間の位置に近接して、中央円C0に接するように構成されるということに留意されたい。例えば、半径軸線A上のスパイン214が軸線B上のスパイン214に隣接している場合、正弦波状クローバーリーフ部材300は、中心軸線86に接続された線Q1によって2つの半径軸線A及びBを二等分する位置において、開いた円C0に対して接する。開口領域A0の周りの正弦波状クローバーリーフ部材300のこの接線特性は、軸線B上のスパイン214及び軸線C上のスパイン214のような任意の2つの隣接するスパイン214について繰り返され、二等分軸線Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の全てについても同様である。二等分軸線Q1、Q2、Q3、Q4は、正弦波状クローバーリーフ部材300のピークに対応し、半径方向軸線A、B、C、D、E、Fは、正弦波状クローバーリーフの谷に対応し、正弦波状部材のピークは、中心軸線86により近く、谷は中心軸線86からはより遠い。
【0056】
バスケット構造体38の別の注目すべき特徴は、図5A及び図5Bを参照して見ることができる遠位中央部分211(図3A)の凹部305である。図5Aでは、クローバーリーフ構造体300は、曲げられて、その開放中心211が、中央円C0によって画定される平面に隣接し、クローバーリーフ構造体300を取り囲む第4の仮想円C4によって画定される平面に対して間隙Gによって離間されるということを見ることができる。凹面は、クローバーリーフ構造体300によって中心軸線86の周りに生成される複合曲率を表す破線305によって示される。
【0057】
図6Aは、本発明の一実施形態による、電極40の正面端面図を示し、図6Bは、電極40の上から見た斜視図からの同じ電極を示す。各電極40は、ステンレス鋼、コバルト、クロム、白金、パラジウム、イリジウム、又は金、及びそのような金属の合金又は組合せなどの、生体適合性のある、導電性材料から製作される。電極40の各端部(1つを図6Aに示す)には、ルーメン70を取り囲むほぼ平坦なランド82が設けられ、湾曲した外面80が、そのランド82を取り囲んでいる。電極40は、概ね平坦な上面78を有する組織対向面を有し、湾曲した外周80が概ね平坦な上面78を取り囲んでいる。ルーメン70(すなわち、中空貫通開口部)は、長手方向軸線86に沿って貫通して延在する。組織接触外側表面に加えて、各所与の電極40は、そのルーメン70によって画定される内側表面76を有し、スパイン214は、ルーメン70を通してその上に挿入され得る。電線又は電気トレース41(図2C、少なくとも10アンペアの電流パルスを送達するのに十分なサイズ)は、電極(外側又は内側表面)上の接続点に接続されることができる。好ましくは、ワイヤ41はルーメン70の内側表面76上の接続点43に電気的に接続される。電極の断面は、図6A及び図6Bに示されるように、卵形、台形、又は実質的に卵形若しくは台形の形状であり得る。
【0058】
図7A及び図7Bは、別の例示的なバスケットカテーテル728を示し、そのバスケットカテーテル728は、スパイン714上に配設された複数の電極40a、40bと、図2A及び図2Bに示すハブ90と同様に機能することができるハブ90とを有するバスケットアセンブリ738を備える。図7Aに示すように、電極40a、40bは、隣接するスパイン714上に、遠位電極40a及び近位電極40bが交互になるようなグループ化状態で、配設することができる。例えば、図7A及び図7Bに示すように、2つの電極40a、40bをスパイン714上に互いに近接して配設することができ、追加の電極40a、40bは同じスパイン714上には配設されない。第1のスパイン714上では、2つの電極40bをスパイン714の近位端付近に一緒に配置することができ、一方、第2の隣接するスパイン714上では、2つの電極40aを隣接するスパイン714の遠位端付近に一緒に配置することができる。このようにして、電極40a、40bは、バスケットアセンブリ738がシースの中に後退させられるときにより良好に折り畳むことができるように、バスケットカテーテル728の円周の周囲でオフセットされ得る。バスケットアセンブリ738が折り畳まれるとき、遠位電極40aは、近位電極40bと遠位電極40aとの間に、長手方向軸線86に沿った間隙を伴って、近位電極40bから完全に遠位方向に位置付けられる。
【0059】
図7A及び図7Bに示されるようなスパイン714上に配設された電極40a、40bの構成を用いて、システム10(図1)は、所与のスパイン714上の2つの隣接する電極40a、40b間で、不可逆エレクトロポレーション(IRE)を実行するために使用され得るような双極高電圧DCパルスを出力し、所与のスパイン714上の2つの隣接する電極40a、40bを電気的に接続し、バスケットアセンブリ738のスパイン714のうちの別の1つのスパイン上の1つ以上の電極40a、40b間に双極高電圧DCパルスを出力し、かつ/又は電極40a、40bのうちの1つ以上と患者28の皮膚上に配設された1つ以上の電極パッチ44(図1)との間に単極高電圧DCパルスを出力するように構成され得る。所与のスパイン714上の2つの電極40a、40bは、2つの電極40a、40bの間に配設された絶縁材料727を含むことができ、それによって、電極対中の2つの電極40a、40bを互いに電気的に絶縁する。
【0060】
スパイン714は、電極40a、40bとスパイン714のフレームとの間に配設することができる絶縁ライナー又はジャケット717で覆うことができる。絶縁ライナー717は、スパイン714のフレームから電極40a、40bを電気的に絶縁して、スパイン714のフレームへのアーク放電又は短絡を防止することができる。絶縁ライナー717は、ハブ90から、バスケットアセンブリ738の遠位端39へと延在し得る。
【0061】
図7Bは、バスケットアセンブリ738の図であるが、図示の明確さのために、絶縁ライナー717、一対の遠位電極40a、及び一対の近位電極40b、並びに他のスパイン要素が除去されて、バスケットアセンブリ738のフレームが見えるようになっている。スパイン714は、ハブ90から延在し、クローバーリーフ構造体300によってバスケットアセンブリ738の遠位端39の近くで互いに接合される。クローバーリーフ構造体300は、本明細書の他の場所でより詳細に開示されるものと同様に、又はその変形例として構成されることができる。絶縁ライナー717は、クローバーリーフ構造体300(図7B)の大部分にわたって延在するフレア端部717a(図7A)を含むことができ、バスケットアセンブリ738の遠位端39において非外傷性遠位表面を提供し得る。このようにして、絶縁ライナー又はジャケット717は、バスケットアセンブリ738のフレームが組織に損傷を与えることを防止し得る。
【0062】
図7Bに示すように、スパイン714は、電極40a、40bが、スパイン714に沿って近位方向又は遠位方向に摺動するのを防止するように構成された、電極保持領域760a、760bを更に含むことができる。隣接するスパイン714は、スパイン714に沿って近位位置と遠位位置との間で交互になるスパイン保持領域760a、760bを有することができる。すなわち、第1のスパイン714は、スパイン714の近位端の近くに配設された電極保持領域760bを有することができ、隣接するスパイン714は、スパイン714の遠位端の近くに配置された電極保持領域760aを有することができる。
【0063】
各電極保持領域760a、760bは、スパイン714が内側に曲げられるか又は挟まれることを可能にすることができる、1つ以上の切り欠き764を含むことができる。各電極保持領域760a、760bは、外向きに突出する1つ以上の保持部材762a~762cを更に含むことができ、電極40a、40bがスパイン714に沿って近位方向又は遠位方向に摺動するのを防止するように構成することができる。製造中、バスケットアセンブリ738のフレームの近位端は、電極40a、40bのルーメン内に挿入され、電極40a、40bは、スパイン714に沿ってそれらのそれぞれの最終位置まで遠位方向に摺動される。切り欠き764は、電極40a、40bが保持部材762a~762c上を摺動することを可能にする。スパイン714内の1つ以上の切り欠き764のために、保持部材762a~762cは、スパイン714が内側に挟まれたときに内側に移動して、電極40a、40bが保持部材762a~762cの上を摺動することを可能にするように構成され得る。ひとたび電極40a、40bが保持部材762を通り過ぎて摺動されると、保持部材762は、その以前の位置に弾性的に戻るように屈曲することができ、それによって、電極40a、40bがスパイン714に沿って近位方向又は遠位方向に摺動することを防止する。
【0064】
近位電極保持領域760bは、近位保持部材762c及び遠位保持部材762bを含む。近位電極保持領域760bは、近位電極40bが遠位保持部材762b上を通過することを可能にするように構成される必要はない。遠位電極保持領域760aは、クローバーリーフ構造体300を利用して、遠位電極40aがそれぞれの最終位置にくると、遠位電極40aが遠位方向に移動するのを防止する。
【0065】
バスケットカテーテル728は、所与のスパイン714上に互いに近接して配設された2つの電極40a、40bを有し、隣接するスパイン714上に電極40a、40bが交互にグループ化されたものを有するものとして示されているが、開示される技術は、図示されていない電極及びスパインの他の構成を含むことができる。例えば、開示された技術は、スパイン上に配設された3つ以上の電極のグルーピング化されたもの及び/又は電極の複数のグルーピング化されたものを含むことができ、異なる数のスパインを更に含んでもよい。このように、開示される技術は、本明細書に図示され、説明される電極及びスパインの特定の構成に限定されない。
【0066】
これまで述べた実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示し述べたものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に記載及び図示される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、従来技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0067】
以下の条項は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
条項1.医療用プローブであって、近位端及び遠位端を含み、医療用プローブの長手方向軸線に沿って延在する、チューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを備え、拡張可能バスケットアセンブリが、長手方向軸線に沿って、近位中央スパイン部分から遠位スパイン部分まで延在する複数のスパインを含み、遠位スパイン部分は、長手方向軸線の周りに半径方向に配設されたクローバーリーフ構造体を画定し、クローバーリーフ構造体は、長手方向軸線の周りに配設された中央領域を有する中央切り欠き部を画定し、クローバーリーフ構造体は、長手方向軸線の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含み、正弦波状部材が、(a)中央領域の約20%の第1の開放領域を有する第1の仮想円であって、その中心が長手方向軸線に対して第1の距離に位置する、第1の仮想円と、(b)第1の開放領域の約90%の第2の開放領域を有する第2の仮想円であって、その中心が長手方向軸線に対して、第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する、第2の仮想円と、(c)第1の開放領域にほぼ等しい第3の開放領域を有する第3の仮想円であって、その中心が長手方向軸線に対して、第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する、第3の仮想円と、の周りを蛇行する、医療用プローブ。
条項2.中央領域は、約0.8mmの領域を含み、正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円は、中央領域より約14倍大きい領域を含み、第1の仮想円及び第3の仮想円の各々は、長手方向軸線から、第1の距離に位置し、第2の仮想円は、第1の距離の約1/2の第2の距離に位置する、条項1に記載の医療用プローブ。
条項3.正弦波状部材は、中央円に接する、条項2に記載の医療用プローブ。
条項4.各電極の断面形状は、実質的に卵形又は台形の形状を有する、条項1~3のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項5.スパインの各々は、スパインを概ね横切る方向に延在する、少なくとも1つの保持部材を含む、条項1~4のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項6.各電極は、本体を備え、その本体は、電極の本体を通って延在する中空部分を画定し、スパインが中空部分に挿入され、少なくとも1つの保持部材によって保持され得る、条項5に記載の医療用プローブ。
条項7.少なくとも1つの保持部材は、弓形部材を含む、条項5に記載の医療用プローブ。
条項8.少なくとも1つの保持部材は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を備える、条項5に記載の医療用プローブ。
条項9.少なくとも1つの保持部材は、スパインに沿って離間した、第1の組の保持部材及び第2の組の保持部材を備え、第1の組は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を含み、第2の組は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を含み、各電極が、第1の組の保持部材と第2の組の保持部材との間に捕捉されている、条項5に記載の医療用プローブ。
条項10.複数のスパインは、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しいような等角パターンで近位中央スパイン部分から延出する、条項1~5のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項11.複数のスパインのうちのそれぞれのスパインと複数の電極のうちのそれぞれの電極との間に各々配置された複数の電気的絶縁性ジャケットを更に備え、それによって、複数のスパインから複数の電極を電気的に絶縁する、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項12.複数のスパインのうちのそれぞれの各スパインは、2つの電極を備える、条項1に記載の医療用プローブ。
条項13.絶縁性ジャケットの内側に配設されたワイヤを更に備える、条項1~11のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項14.ワイヤは、電極のうちの1つに電気的に接続されている、条項12に記載の医療用プローブ。
条項15.複数のスパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される材料を含む、条項1~14のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項16.各電極は、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びそれらの合金から選択される材料を含む、条項1~17のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項17.不可逆エレクトロポレーションのための、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む電気パルスを送達するように構成されている複数の電極を更に含む、条項1~16のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項18.複数のスパインは、拡張形態にあるときには、略球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~17のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項19.複数のスパインは、拡張形態にあるときに、略偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~18のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項20.灌注流体を複数の電極に送達するためにバスケットの近位部分に配設された灌注ポートを更に備える、条項1~19のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項21.中央切り欠き部は、中央領域を有する中央円に近似し、クローバーリーフ構造体は、長手方向軸線上に中心を有する第4の円内に配設され、中央円に近いクローバーリーフの部分が、第4の円に近いクローバーリーフの部分に対して、長手方向軸線に沿って離間され、それによって凹状のクローバーリーフ構造体を画定する、条項1~20のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項22.クローバーリーフ構造体は、凹状であり、その中心は、バスケットの近位中央スパイン部分に向かって延在して、長手方向軸線の周りに配設された凹状表面に近似する、条項1~21のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項23.基準電極が、チューブ状シャフトの遠位端に近接して配設されている、条項1~22のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項24.スパイン保持ハブが、チューブ状シャフトの遠位端に連結されて、スパインを保持ハブに接続している、条項1~23のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項25.円筒形突出部が設けられて、突出部上に基準電極が配置される、条項1~24のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項26.スパイン保持ハブが、出口ポートを含み、チューブ状シャフトの遠位端に送達された流体が、出口ポートから出て、バスケットスパインによって囲まれた空間内に入ることを可能にする、条項1~25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項27.医療用プローブを構築する方法であって、その方法は、拡張可能バスケットアセンブリのスパインを、電極の本体を通って延在するルーメンを有する電極と位置合わせすることと、スパインを電極のルーメン内に挿入することと、少なくとも1つの付勢部材を用いて、スパイン上に電極を保持することと、を含む方法。
条項28.少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの外側に配設される、条項27に記載の方法。
条項29.少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの内側に配設される、条項27に記載の方法。
条項30.拡張可能バスケットアセンブリのスパインを、電気的絶縁性ジャケットのルーメンを通して位置付けることと、ワイヤを、電気的絶縁性ジャケットのルーメンを通して位置付けることと、電極を、電気的絶縁性ジャケットの上方に位置付けることと、電気的絶縁性ジャケットの開口を通してワイヤを、電極に電気的に接続することと、を更に含む、条項27に記載の方法。
条項31.複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの各々が、第1の電極及び第2の電極を含み、方法は、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインの各々を、第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることと、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極のルーメン及び第2の電極のルーメンに挿入することと、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させることと、を更に含む、条項31に記載の方法。
条項32.隣接するスパインどうしの間で、長手方向軸線に沿って電極をオフセットさせることを更に含む、条項27~31のいずれか一項に記載の方法。
条項33.電極本体のルーメンは、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されている、条項27~31のいずれか一項に記載の方法。
条項34.ワイヤがスパインから絶縁されている、条項26~32のいずれか一項に記載の方法。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
近位端及び遠位端を含み、前記医療用プローブの長手方向軸線に沿って延在する、チューブ状シャフトと、
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に結合された拡張可能バスケットアセンブリとを備え、前記拡張可能バスケットアセンブリが、
前記長手方向軸線に沿って、近位中央スパイン部分から遠位スパイン部分まで延在する複数のスパインを含み、前記遠位スパイン部分は、前記長手方向軸線の周りに半径方向に配設されたクローバーリーフ構造体を画定し、前記クローバーリーフ構造体は、前記長手方向軸線の周りに配設された中央領域を有する中央切り欠き部を画定し、前記クローバーリーフ構造体が、
前記長手方向軸線の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含み、前記正弦波状部材が、
(a)前記中央領域の約20%の第1の開放領域を有する第1の仮想円であって、その中心が前記長手方向軸線に対して第1の距離に位置する、第1の仮想円と、
(b)前記第1の開放領域の約90%の第2の開放領域を有する第2の仮想円であって、その中心が前記長手方向軸線に対して、前記第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する、第2の仮想円と、
(c)前記第1の開放領域にほぼ等しい第3の開放領域を有する第3の仮想円であって、その中心が前記長手方向軸線に対して、前記第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する、第3の仮想円と、
の周りを蛇行する、
医療用プローブ。
(2) 前記中央領域は、約0.8mmの領域を含み、前記正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円は、前記中央領域より約14倍大きい領域を含み、前記第1の仮想円及び前記第3の仮想円の各々は、前記長手方向軸線から、第1の距離に位置し、前記第2の仮想円は、前記第1の距離の約1/2の第2の距離に位置する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記正弦波状部材は、前記中央領域の中央円に接する、実施態様2に記載の医療用プローブ。
(4) 各電極の断面形状は、実質的に卵形又は台形の形状を有する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(5) 前記スパインの各々は、前記スパインを概ね横切る方向に延在する、少なくとも1つの保持部材を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0069】
(6) 複数の電極を更に備え、
前記複数の電極のうちの各電極は、本体を備え、前記本体は、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、スパインが前記中空部分に挿入され、前記少なくとも1つの保持部材によって保持され得る、
実施態様5の医療用プローブ。
(7) 前記少なくとも1つの保持部材は、弓形部材を含む、実施態様5の医療用プローブ。
(8) 前記少なくとも1つの保持部材は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を備える、実施態様5の医療用プローブ。
(9) 前記少なくとも1つの保持部材は、前記スパインに沿って離間した、第1の組の保持部材及び第2の組の保持部材を備え、前記第1の組は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を含み、前記第2の組は、互いに反対方向に、各スパインのより長い長さに対して横方向に配設された2つの弓形部材を含み、各電極が、前記第1の組の保持部材と前記第2の組の保持部材との間に捕捉されている、実施態様5の医療用プローブ。
(10) 前記複数のスパインは、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しいような等角パターンで前記近位中央スパイン部分から延出する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0070】
(11) 前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインとそれぞれの電極との間に各々配設された複数の電気的絶縁性ジャケットを更に備え、それにより前記それぞれのスパインから前記それぞれの電極を電気的に絶縁する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(12) 前記複数の電気的絶縁性ジャケットのうちのそれぞれのジャケット内に配設されたワイヤを更に備え、前記ワイヤは、前記それぞれの電極に電気的に接続されている、実施態様11に記載の医療用プローブ。
(13) 前記複数のスパインのうちのそれぞれの各スパインは、2つの電極を備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(14) 不可逆エレクトロポレーションのための、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を有する電気パルスを送達するように構成されている複数の電極を更に備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(15) 前記複数のスパインは、拡張形態にあるときには、略球形の形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0071】
(16) 前記複数のスパインは、拡張形態にあるときに、略偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(17) 前記中央切り欠き部は、中央領域を有する中央円に近似し、前記クローバーリーフ構造体は、前記長手方向軸線上に中心を有する第4の円内に配設され、前記中央円に近い前記クローバーリーフの部分が、前記第4の円に近い前記クローバーリーフの部分に対して、前記長手方向軸線に沿って離間され、それによって凹状のクローバーリーフ構造体を画定する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(18) 前記クローバーリーフ構造体は、凹状であり、その中心は、前記バスケットの前記近位中央スパイン部分に向かって延在して、前記長手方向軸線の周りに配設された凹状表面に近似する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(19) 基準電極が、前記チューブ状シャフトの前記遠位端に近接して配設されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(20) スパイン保持ハブが、前記チューブ状シャフトの前記遠位端に連結されて、前記スパインを前記保持ハブに接続している、実施態様1に記載の医療用プローブ。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
【外国語明細書】