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特開2023-164373所定の横方向剛性及び軸方向歪みを提供するクローバ葉状構造を有するバスケットカテーテル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164373
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】所定の横方向剛性及び軸方向歪みを提供するクローバ葉状構造を有するバスケットカテーテル
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023073140
(22)【出願日】2023-04-27
(31)【優先権主張番号】63/336,023
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/336,094
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/477,404
(32)【優先日】2022-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/477,819
(32)【優先日】2022-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】18/192,411
(32)【優先日】2023-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ジョセフ・トーマス・キース
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・ジャスティン・ヘレラ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・トーマス・ビークラー
(72)【発明者】
【氏名】アタナシオス・パパイオアンヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・ジョージ・リヒター
(72)【発明者】
【氏名】ケビン・マーク・オカルスキ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK12
4C160KK39
4C160KK63
4C160MM38
(57)【要約】
【課題】医療用プローブを提供すること。
【解決手段】チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリを含む医療用プローブが提示される。バスケットアセンブリは、その遠位端にクローバ葉状切り欠き構造と、クローバ葉状構造から近位方向に延在し、チューブ状シャフトに結合するスパインと、を含む。クローバ葉状構造は、縦軸の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含む。正弦波状部材の寸法は、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性と、最大ピーク応力が所定の閾値未満になるように、中間カテーテル内への拡張可能なバスケットアセンブリの後退中に最大ピーク応力と、を提供するように構成され得る。
【選択図】図2A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用プローブであって、
チューブ状シャフトの遠位端に結合されるように構成された拡張可能なバスケットアセンブリを備え、前記バスケットアセンブリが、
近位中心近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで縦軸に沿って延在する複数のスパインを含み、前記遠位スパイン部分が、前記縦軸の周りに半径方向に配置されたクローバ葉状構造を画定し、前記クローバ葉状構造が、前記縦軸の周りに配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、前記クローバ葉状構造が、前記縦軸の周りの方向に、1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含み、前記正弦波状部材が、
(a)第1の半径を有する第1の仮想円であって、前記縦軸に対して第1の距離に位置する前記第1の仮想円の中心を有する、第1の仮想円と、
(b)第2の半径を有する第2の仮想円であって、前記縦軸に対して前記第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する前記第2の仮想円の中心を有する、第2の仮想円と、
(c)前記第1の半径にほぼ等しい第3の半径を有する第3の仮想円であって、前記縦軸に対して前記第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する前記第3の仮想円の中心を有する、第3の仮想円と、の周りを蛇行しており、
前記クローバ葉状構造が、前記第2の仮想円の周囲上の点から、前記第2の仮想円に関して前記縦軸から真っすぐに離れたネックまで、かつ隣接する第1の仮想円と第2の仮想円との間で測定された高さを更に画定し、
前記第1の半径、前記第2の半径、前記第3の半径、及び前記高さが、所定の範囲内の前記拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成されている、医療用プローブ。
【請求項2】
前記第1の半径、前記第2の半径、前記第3の半径、及び前記高さが、最大ピーク応力が所定の閾値未満になるように、前記拡張可能なバスケットアセンブリの中間カテーテル内への後退中に前記最大ピーク応力を提供するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項3】
前記第1の半径が、前記高さの約33%であり、
前記第2の半径が、前記高さの約39%であり、
前記第3の半径が、前記高さの約33%であり、
前記正弦波状部材の最小幅が、前記高さの約25%である、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項4】
前記第1の半径が、前記高さの31%~35%であり、
前記第2の半径が、前記高さの37%~41%であり、
前記第3の半径が、前記高さの31%~35%であり、
前記正弦波状部材の最小幅が、前記高さの23%~27%である、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項5】
前記中心領域が、ほぼ0.8平方mmの領域を含み、前記正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円が、前記中心領域よりほぼ14倍大きい領域を含み、前記第1の仮想円及び前記第3の仮想円の各々が、前記縦軸から第1の距離に位置する一方、前記第2の仮想円が、前記第1の距離のほぼ1/2の第2の距離に位置する、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項6】
前記正弦波状部材が、前記中心領域の中心円に接している、請求項5に記載の医療用プローブ。
【請求項7】
前記スパインの各々が、前記スパインに対して概ね横断方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項8】
複数の電極を更に備え、
前記複数の電極のうちの各電極が、本体を備え、前記本体が、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、それによりスパインが前記中空部分に挿入され、前記少なくとも1つの保持部材によって保持され得る、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項9】
前記少なくとも1つの保持部材が、弓形状部材を含む、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項10】
前記少なくとも1つの保持部材が、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含む、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項11】
前記少なくとも1つの保持部材が、前記スパインに沿って離間した保持部材の第1のセット及び第2のセットを含み、前記第1のセットが、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含み、前記第2のセットが、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含み、それにより各電極が保持部材の前記第1のセットと前記第2のセットとの間に捕捉されている、請求項7に記載の医療用プローブ。
【請求項12】
前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインとそれぞれの電極との間に各々配置され、それによって前記それぞれの電極を前記それぞれのスパインから電気的に絶縁する複数の電気絶縁ジャケットを更に備える、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項13】
前記正弦波状部材が、前記縦軸から前記第2の距離未満に全体が位置付けられているような、前記第2の仮想円の周りの内側円弧を含み、
前記正弦波状部材が、前記縦軸から前記第2の距離より大きく全体が位置付けられているような、前記第1の仮想円及び前記第2の仮想円の周りの外側部分を含み、
前記正弦波状部材の前記外側部分の大部分が、前記電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットにより覆われている、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項14】
前記それぞれの電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、前記正弦波状部材の前記外側部分の曲率に従って外向き及び内向きに先細になっている、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項15】
前記それぞれの電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、隣接する絶縁ジャケットの前記遠位部分に当接している、請求項13に記載の医療用プローブ。
【請求項16】
前記複数のスパインのうちの各スパインについてそれぞれのスパインに結合された2つの電極を更に含み、前記複数のスパインが、第1のスパイン及び第2のスパインを含み、前記第1のスパインが単一の断面を有し、前記単一の断面が、前記第1のスパインの近位部分から前記第1のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、前記第1のスパインの前記遠位スパイン部分まで少なくとも2つの別個の断面に分割され、前記第2のスパインが少なくとも2つの別個の断面を有し、前記少なくとも2つの別個の断面が、前記第2のスパインの近位部分から前記第2のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、前記第2のスパインの前記遠位スパイン部分まで延在する単一の断面に統合されている、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項17】
前記複数の電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットの内部に配置されたワイヤを更に含み、
前記ワイヤが、前記それぞれの電極に電気的に接続されている、請求項12に記載の医療用プローブ。
【請求項18】
前記チューブ状シャフトに結合された灌注ハブを更に備え、前記灌注ハブが、縦軸に沿って延在する円柱状部材を含み、前記円柱状部材が、
第1の外径及び前記縦軸に沿って内向きに延在して内部部分を形成する凹部を有する近位端と、
第2の外径を有する遠位端であって、前記第2の外径が、前記第1の外径より小さい、遠位端と、
前記内部部分に近接して配置され、灌注供給源から流体を受容するように構成された灌注入口チャンバと、
前記灌注入口チャンバの遠位部分から前記縦軸に対して概ね横断方向に配置された複数の灌注開口部と、
前記灌注入口チャンバの前記遠位部分内に延在して流体流を遮断し、流体流を前記複数の灌注開口部から前記縦軸に対して概ね横断方向に向け直す分流器と、を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項19】
前記複数のスパインが、拡張形態にあるとき、ほぼ球形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、請求項1に記載の医療用プローブ。
【請求項20】
前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置され、前記医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリを更に備え、前記接触力センサアセンブリが、
前記接触力センサアセンブリの構成要素を含む第1のバヨネットマウント部分と、
前記拡張可能なバスケットアセンブリのそれぞれのスパイン部材を受容するための複数のスロットを含むスパイン保持ハブと、
前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記スパイン保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分と、を含む、請求項1に記載の医療用プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、米国特許法第119条の下で、先に出願された、2022年4月28日に出願の米国特許仮出願第63/336,023号(代理人整理番号253757.000242 BIO6675USPSP1)、2022年4月28日に出願の米国特許仮出願第63/336,094号(代理人整理番号253757.000137BIO6693USPSP1)、2022年12月28日に出願の米国特許仮出願第63/477,404号(代理人整理番号253757.000261 BIO6744USPSP1)、及び2022年12月29日に出願の米国特許仮出願第63/477,819(代理人整理番号237575.000331 BIO6794USPSP1)の優先権を主張し、それらの各々は、あたかも本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、医療デバイス、具体的には実質的に卵型又は台形電極を有するカテーテルに関し、心臓組織の不可逆エレクトロポレーション(irreversible electroporation、IRE)を誘導するための使用に好適なカテーテルに更に関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、AF)などの心臓不整脈は、心臓組織の領域が隣接組織に電気信号を異常に伝達するときに生じる。これは、正常な心周期を混乱させ、非同期的な律動を引き起こす。不整脈を治療するための存在するある特定の処置としては、不整脈の原因となる信号の発生源を外科的に破壊すること、及びそのような信号の伝導路を破壊することが挙げられる。カテーテルを介してエネルギーを印加して心臓組織を選択的にアブレーションすることによって、心臓の一部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は変更することが時に可能である。
【0004】
当該技術分野における多くの現在のアブレーションアプローチは、高周波(radiofrequency、RF)電気エネルギーを利用して組織を加熱する傾向にある。RFアブレーションは、組織の炭化、焼損、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻の原因となり得る熱細胞損傷のリスクが高まるなど、操作者の技能に起因する、特定のまれな欠点を伴う可能性がある。冷凍アブレーションは、RFアブレーションの代替アプローチであり、RFアブレーションと関連する一部の熱リスクを低減するが、かかるデバイスの超低温の性質に起因して、組織損傷を提示し得る。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難であり、したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0005】
いくつかのアブレーションアプローチは、非熱アブレーション法を使用して心臓組織をアブレーションするために不可逆エレクトロポレーション(IRE)を使用する。IREは、高電圧の短パルスを組織に送達し、細胞膜の回復不能な透過化を生じさせる。多電極カテーテルを使用する組織へのIREエネルギーの送達は、特許文献において以前に提案された。IREアブレーションのために構成されたシステム及びデバイスの例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号及び同第2021/0186604(A1)号に開示されており、これらの各々は、参照によりその全体が、あたかも完全に記載されているかのように本出願に組み込まれ、優先権出願の米国特許出願第63/477,404号の付録に添付されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
心臓組織の領域は、異常な電気信号を識別するためにカテーテルによってマッピングすることができる。同じ又は異なるカテーテルを使用してアブレーションを実行することができる。いくつかの例示的なカテーテルは、その上に電極が位置付けられた多数のスパインを含む。電極は、一般に、スパインに取り付けられ、はんだ付け、溶接、又は接着剤を使用することによって定位置に固定される。更に、複数の線形スパインは、概して、線形スパインの両端をチューブ状シャフト(例えば、プッシャ管)に取り付けて球形バスケットを形成することによって、一緒に組み立てられる。しかしながら、スパイン及び電極の小さいサイズに起因して、電極をスパインに接着し、次いで、複数の線形スパインから球形バスケットを形成することは、困難な作業であり、製造時間及びコスト、並びに不適切な結合又は不整合に起因して電極が故障する可能性を増加させ得る。したがって、バスケットアセンブリの製造に必要な時間、代替的なカテーテルの幾何形状、及び代替的な電極の形状及びサイズを全体的に低減するのに役立つことができる、改善されたバスケットアセンブリを形成するデバイス及び方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
チューブ状シャフトの遠位端に結合された拡張可能なバスケットアセンブリを含む医療用プローブが提示される。バスケットアセンブリは、その遠位端にクローバ葉状切り欠き構造と、クローバ葉状構造から近位方向に延在し、チューブ状シャフトに結合するスパインと、を含む。クローバ葉状構造は、縦軸の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含む。正弦波状部材の寸法は、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性と、最大ピーク応力が所定の閾値未満になるように、中間カテーテル内への拡張可能なバスケットアセンブリの後退中に最大ピーク応力と、を提供するように構成することができる。
【0008】
例示的な医療用プローブは、チューブ状シャフト及び拡張可能なバスケットアセンブリを含むことができる。チューブ状シャフトは、近位端及び遠位端を有し、医療用プローブの縦軸に沿って延在することができる。拡張可能なバスケットアセンブリは、チューブ状シャフトの遠位端に結合され得る。バスケットアセンブリは、近位中心近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで縦軸に沿って延在する複数のスパインを含むことができる。遠位スパイン部分は、クローバ葉状構造を画定することができる。クローバ葉状構造は、縦軸の周りに半径方向に配置され得る。クローバ葉状構造は、中心領域が縦軸の周りに配置された中心切り欠きを画定することができる。クローバ葉状構造は、縦軸の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含むことができる。正弦波状部材は、第1の仮想円、第2の仮想円、及び第3の仮想円の周りを蛇行することができる。第1の仮想円は、第1の半径を有する。第1の仮想円は、縦軸に対して第1の距離に位置する第1の仮想円の中心を有することができる。第2の仮想円は、第2の半径を有する。第2の仮想円は、縦軸に対して第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する第2の仮想円の中心を有することができる。第3の仮想円は、第1の半径とほぼ等しい第3の半径を有する。第3の仮想円は、縦軸に対して第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する第3の仮想円の中心を有することができる。クローバ葉状構造は、第2の仮想円の周囲上の点から、第2の仮想円に関して縦軸から真っすぐに離れたネックまで、かつ隣接する第1の仮想円と第2の仮想円との間で測定された高さを画定することができる。第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さが、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成され得る。
【0009】
第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さは、最大ピーク応力が所定の閾値未満であるように、拡張可能なバスケットアセンブリの中間カテーテル内への後退中に最大ピーク応力を提供するように構成される。
【0010】
第1の半径は、高さの約33%であってもよい。第2の半径は、高さの約39%であってもよい。第3の半径は、高さの約33%であってもよい。正弦波状部材の最小幅は、高さの約25%であってもよい。
【0011】
第1の半径は、高さの31%~35%であってもよい。第2の半径は、高さの37%~41%であってもよい。第3の半径は、高さの31%~35%であってもよい。正弦波状部材の最小幅は、高さの23%~27%であってもよい。
【0012】
中心領域は、ほぼ0.8平方mmの領域を有することができる。正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円は、中心領域よりも約14倍大きい領域を有することができる。第1の仮想円及び第3の仮想円の各々は、中心軸から第1の距離に位置することができる一方、第2の仮想円は、第1の距離のほぼ1/2の第2の距離に位置する。
【0013】
正弦波状部材は、中心円に接することができる。
【0014】
拡張可能なバスケットアセンブリは、正弦波状部材を覆うコーティングと、正弦波状部材によって囲まれた中心切り欠きと、を含むことができる。
【0015】
拡張可能なバスケットアセンブリは、正弦波状部材の大部分を覆うコーティングを含むことができ、縦軸に開口部を含む。
【0016】
各電極の断面形状は、実質的に卵形又は台形形状を有することができる。
【0017】
スパインの各々は、スパインに対して概ね横断方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含むことができる。
【0018】
医療用プローブは、複数の電極を更に含むことができる。複数の電極のうちの各電極は、本体を有し得、本体は、電極の本体を通って延在する中空部分を画定すし、それによりスパインが中空部分に挿入され、少なくとも1つの保持部材によって保持され得る。
【0019】
少なくとも1つの保持部材は、弓形状部材を含んでもよい。少なくとも1つの保持部材は、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含むことができる。
【0020】
少なくとも1つの保持部材は、スパインに沿って離間した保持部材の第1のセット及び第2のセットを含むことができる。第1のセットは、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含むことができる。第2のセットは、各電極が保持部材の第1のセットと第2のセットとの間に捕捉されるように、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置される2つの弓形状部材を含むことができる。
【0021】
複数のスパインは、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しいように、等角パターンで近位中心スパイン部分から延在し得る。
【0022】
医療用プローブは、複数のスパインのうちのそれぞれのスパインとそれぞれの電極との間に各々配置され、それによってそれぞれの電極をそれぞれのスパインから電気的に絶縁する複数の電気絶縁ジャケットを更に含み得る。
【0023】
正弦波状部材は、縦軸から第2の距離未満に全体が位置付けられているような第2の仮想円の周りの内側円弧を有することができる。正弦波状部材は、縦軸から第2の距離よりも大きく全体が位置付けられているような、第1の仮想円の周り及び第2の仮想円の周りの外側部分を有することができる。正弦波状部材の外側部分の大部分は、電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットによって覆うことができる。
【0024】
正弦波状部材の内側円弧の少なくとも一部分は、環境に露出され得る。
【0025】
複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分は、正弦波状部材の外側部分の湾曲に従って、外向き及び内向きに先細であり得る。複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分は、隣接する絶縁ジャケットの遠位部分に当接することができる。
【0026】
医療用プローブは、複数のスパインのうちの各スパインについてそれぞれのスパインに結合された2つの電極を更に含むことができる。
【0027】
医療用プローブは、複数の電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケット内部に配置されたワイヤを更に含むことができ、ワイヤは、それぞれの電極に電気的に接続される。
【0028】
複数のスパインは、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含むことができる。
【0029】
各電極は、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びこれらの合金又はこれらの組み合わせから選択される材料を含むことができる。
【0030】
医療用プローブは、不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成された複数の電極を更に含み得、電気パルスは、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む。
【0031】
複数のスパインは、拡張形態にあるときに、ほぼ球形状のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0032】
複数のスパインは、拡張形態にあるときに、ほぼ偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成され得る。
【0033】
医療用プローブは、灌注流体を複数の電極に送達するためにバスケットの近位部分に配置された潅注ポートを更に含み得る。
【0034】
中心切り欠きは、中心領域を有する中心円に近似することができ、クローバ葉状構造は、中心円に近いクローバ葉状部分が、第4の円に近いクローバ葉状部分に対して縦軸に沿って離間され、それによって凹状クローバ葉状構造を画定するように、縦軸上に中心を有する第4の円内に配置される。
【0035】
クローバ葉状構造は、その中心がバスケットの近位中心スパイン部分に向かって延在して、縦軸の周囲に配置された凹面に接近するように凹状であり得る。
【0036】
基準電極は、チューブ状シャフトの遠位端に近接して配置され得る。
【0037】
スパイン保持ハブをチューブ状シャフトの遠位端に結合して、スパインを保持ハブに接続することができる。
【0038】
円柱状の突起を設けて、突起上に基準電極を位置させることができる。
【0039】
スパイン保持ハブは、遠位端チューブ状シャフトに送達された流体が出口ポートから出てバスケットスパインによって囲まれた容積内に入ることを可能にする出口ポートを含むことができる。
【0040】
例示的な方法は、当業者によって理解されるように、様々な順序で、インターリーブステップで実行される以下のステップを含むことができる。本方法は、近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで縦軸に沿って延在する複数のスパインを含むチューブ状フレームを切断することを含むことができ、遠位スパイン部分は、縦軸の周りに半径方向に配置されたクローバ葉状構造を画定し、チューブ状フレームは、チューブ状形状から拡張されたバスケット形状に移動するように構成される。拡張されたバスケット形状において、複数のスパインは、縦軸から離れて弓状に曲がり、クローバ葉状構造は、縦軸の周りに配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、クローバ葉状構造は、縦軸の周りの方向に1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含む。拡張されたバスケット形状において、正弦波状部材は、第1の仮想円、第2の仮想円、及び第3の仮想円の周りを蛇行する。第1の仮想円は、第1の半径及び縦軸に対して第1の距離に位置する中心を有する。第2の仮想円は、第2の半径及び縦軸から第2の距離に位置する中心を有する。第2の距離は、第1の距離よりも小さくすることができる。第3の仮想円は、第1の半径にほぼ等しくあり得る第3の半径を有する。第3の仮想円は、縦軸に対する第1の距離とほぼ等しくあり得る縦軸に対する第3の距離に位置する第3の仮想円の中心を有する。拡張されたバスケット形状では、クローバ葉状構造は更に、第2の仮想円の周囲上の点から、第2の仮想円に関して縦軸から真っすぐに離れたネックまで、かつ隣接する第1の仮想円と第2の仮想円との間で測定された高さを更に画定することができる。第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さは、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成されている。本方法は、チューブ状フレームがバスケットアセンブリのための構造支持を提供するように、かつ第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さが、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成されるように、医療用プローブのためのバスケットアセンブリを形成することを更に含むことができる。
【0041】
第1の半径は、高さの約33%であってもよい。第2の半径は、高さの約39%であってもよい。第3の半径は、高さの約33%であってもよい。正弦波状部材の最小幅は、高さの約25%であってもよい。
【0042】
第1の半径は、高さの31%~35%であってもよい。第2の半径は、高さの37%~41%であってもよい。第3の半径は、高さの31%~35%であってもよい。正弦波状部材の最小幅は、高さの23%~27%であってもよい。
【0043】
本方法は、複数のスパインを、電極の本体を通って延在するルーメンを各々有する複数の電極と位置合わせすることを更に含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各スパインを複数の電極のうちの電極のルーメンに挿入することを更に含むことができる。本方法は、複数のスパインの上に複数の電極を保持することを更に含むことができる。複数のスパイン上に複数の電極を保持することは、少なくとも1つの付勢部材を用いて複数の電極のうちの電極を保持することを含むことができる。
【0044】
少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの外部に配置された付勢部材を含むことができる。追加的に、又は代替的に、少なくとも1つの付勢部材は、電極のルーメンの内部に配置された付勢部材を含むことができる。
【0045】
本方法は、拡張可能なバスケットアセンブリのスパインを、複数の電気絶縁ジャケットのうちの電気絶縁ジャケットのルーメンを通して位置付けることを更に含むことができる。本方法は、電気絶縁ジャケットのルーメンを通してワイヤを位置付けることを更に含むことができる。本方法は、複数の電極のうちの電極を電気絶縁ジャケットの上に位置付けることを更に含むことができる。本方法は、電気絶縁ジャケット内の開口を通してワイヤを電極に電気的に接続することを更に含むことができる。
【0046】
本方法は、正弦波状部材の大部分を複数の電気絶縁ジャケットで覆うことを更に含むことができる。複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分は、隣接する絶縁ジャケットの遠位部分に当接する。
【0047】
本方法は、正弦波状部材の外側部分が第1の仮想円の周り及び第2の仮想円の周りで蛇行するように、かつ外側部分が縦軸から第2の距離よりも大きく全体が位置付けられるように、正弦波状部材の外側部分の大部分を複数の電気絶縁ジャケットで覆うことを更に含むことができる。正弦波状部材の内側円弧は、内側円弧が第2の仮想円の周りを蛇行するように、かつ内側円弧が縦軸から第2の距離未満に全体が位置付けられるように、環境に露出されたままであり得る。複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分は、正弦波状部材の外側部分の湾曲に従って、外向き及び内向きに先細であり得る。
【0048】
複数のスパインのうちの各それぞれのスパインは、その上に第1の電極及び第2の電極を含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることを更に含むことができる。本方法は、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極のルーメン内及び第2の電極のルーメン内に挿入することを更に含むことができる。方法は、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させることを更に含むことができる。
【0049】
本方法は、縦軸に沿って隣接するスパイン間で電極をオフセットすることを更に含むことができる。
【0050】
電極本体ルーメンは、医療用プローブのワイヤを受容するように構成することができる。
【0051】
ワイヤは、単一のスパインから電気的に絶縁され得る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明の一実施形態による、医療用プローブを含み、医療用プローブの遠位端が電極を有するバスケットアセンブリを含む、医療用システムの概略描画図である。
図2A】本発明の一実施形態による、拡張形態の医療用プローブの斜視図である。
図2B】電極及びスパインアセンブリの内部構成要素を示す、縦軸に直交する断面平面の断面図である。
図2C】絶縁ジャケットに取り付けられた電極の斜視図であり、ワイヤが各電極への接続のためにスパインに沿って走っている。
図3A】下にあるスパイン構造及び1つのスパイン上に配置された1つの電極のみを有する図2Aの医療用プローブを例示している。
図3B】チューブストックから形成されたスパイン構造を例示している。
図4A】縦軸上に位置する観察者が見るために、バスケットスパイン全体が2枚の平坦なガラス板の間に平坦に捕捉されているかのような図3Aのバスケットスパイン構造の遠位端の端面平坦図を例示している。
図4B図3Aのスパイン構造の遠位端に近接して配置されたクローバ葉状構造の設計名称を有する図4Aのスパイン構造の端面図を例示している。
図5A図3Aのバスケットスパイン構造の側面図を例示し、仮想球によって近似され得るクローバ葉状構造の凹面を例示している。
図5B】バスケットアセンブリ38の遠位中心部分の凹面を示すための、図5Aに示される挿入図の拡大図である。
図6A】電極を示す拡大図を例示している。
図6B】電極を示す拡大図を例示している。
図7A】本発明の一実施形態による、拡張形態であり、コーティングされた遠位端を含む医療用プローブの遠位端の斜視図を例示している。
図7B】チューブストックから形成され、コーティングされた遠位端を含むようなスパイン構造を例示している。
図7C】本発明の一実施形態による、拡張形態にあり、コーティングされた遠位端を含む医療用プローブの遠位端の斜視図を示す。
図8A】近接して離間された電極対及び遠位クローバ葉状構造の一部分にわたって延在するジャケットを含む、医療用プローブの斜視図を例示している。
図8B図8Aに例示される医療用プローブの遠位端面図を例示している。
図8C】送達のために折り畳まれた形態にある、図8Aに例示される医療用プローブの2つの隣接するスパインの側面図を例示している。
図9】横方向の力及び結果として生じる横方向の変位を受ける医療用プローブの斜視図を例示している。
図10】スパインバスケット構造の所望の機械的特性を達成するように調整されているクローバ葉状構造の選択された寸法を例示している。
図11A図10に例示される寸法が変更されたクローバ葉状構造の遠位端面図を例示している。
図11B図10に例示される寸法が変更されたクローバ葉状構造の遠位端面図を例示している。
図11C図10に例示される寸法が変更されたクローバ葉状構造の遠位端面図を例示している。
図12】医療用プローブの分解図を例示している。
図13A】医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブを例示している。
図13B】医療用プローブの接触力センサアセンブリ及びスパイン保持ハブを例示している。
図14A】開示された技術による、潅注ハブの上面斜視図を示す概略描画図である。
図14B】開示された技術による、潅注ハブの下面斜視図を示す概略描画図である。
図15A】開示された技術による、潅注ハブの側面斜視図を示す概略描画図である。
図15B】開示された技術による、潅注ハブの上面図を示す概略描画図である。
図15C】開示された技術による、張力緩和ハブの底面図の概略描画例解図である。
図16】開示された技術による、潅注ハブの断面図を示す概略描画図である。
図17】本発明の一実施形態による、潅注ハブを通る流体流を示す概略描画図である。
図18A】開示された技術の別の例による、拡張状態にある電極を有する別の例示医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
図18B】本開示の技術による、スパインを示す8Aの医療用プローブの斜視図を示す概略描画図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
以下の詳細な説明は、図面を参照しながら読まれるべきものであり、異なる図面における同様の要素には同一の番号が付けられている。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本明細書は、当業者が本発明を作製及び使用することを明らかに可能にし、また本発明を実施するための最良の態様であると現在考えられているものを含めて、本発明のいくつかの実施形態、適応例、変形例、代替物及び使用を説明する。
【0054】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「ほぼ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「ほぼ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、72%~108%の値の範囲を指し得る。
【0055】
本明細書で使用する場合、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」及び「被験体」という用語は、任意のヒト被験体又は動物被験体を指し、上述のシステム又は方法をヒトにおける使用に限定することを目的としたものではないが、ヒト患者における対象の本発明の使用は、好ましい実施形態を代表するものである。加えて、「患者」、「ホスト」、「ユーザ」、及び「被験者」の血管系は、ヒト又は任意の動物の血管系であり得る。動物は、哺乳類、獣医学的動物、家畜動物、又はペット類の動物などを含むがこれらに限定されない、様々なあらゆる該当するタイプのものであり得ることを理解するべきである。一例として、動物は、ヒトに類似したある特定の性質を有するように特に選択された実験動物(例えば、ラット、イヌ、ブタ、サルなど)であり得る。被験者は、例えば、あらゆる該当するヒト患者であり得ることを理解するべきである。同様に、「近位」という用語は、作業者に近い方の位置を示す一方、「遠位」は、作業者又は医師から更に遠い位置を示す。
【0056】
本明細書で考察されるように、「作業者」は、医師、外科医、技術者、科学者、又は被験体への薬物難治性心房細動の治療のための多電極カテーテルの送達と関連する任意の他の個人若しくは送達器具を含むことができる。
【0057】
本明細書で考察されるように、用語「アブレーションする」又は「アブレーション」は、本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、本開示全体を通して、パルス電界(pulsed electric field、PEF)及びパルス場アブレーション(pulsed field ablation、PFA)と互換的に称される、不可逆エレクトロポレーション(IRE)などの非熱エネルギーを利用することによって、細胞内の不規則心臓信号の生成を低減又は防止するように構成される、構成要素及び構造的特徴を指す。本開示のデバイス及び対応するシステムに関する場合、アブレーションすること又はアブレーションは、不整脈、心房細動アブレーション、心房粗動アブレーション、肺静脈隔離、上室頻脈アブレーション、及び心室性頻脈アブレーションを含むがこれらに限定されない特定の状態の心臓組織の非熱アブレーションを参照して、本開示全体を通して使用される。「アブレーションする」又は「アブレーション」という用語はまた、当業者によって理解されるように、様々な形態の身体組織アブレーションを達成するための既知の方法、デバイス、及びシステムを含む。
【0058】
本明細書で考察されるように、「双極」及び「単極」という用語は、アブレーションスキームを指すために使用される場合、電流経路及び電界分布に関して異なるアブレーションスキームを説明する。「双極」とは、両方とも治療部位に位置付けられた2つ以上の電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、電流密度及び電束密度は、典型的には、2つの電極の各々でほぼ等しい。「単極」とは、2つ又は3つ以上の電極間の電流経路を利用するアブレーションスキームを指し、第1の電極又は電極の組み合わせは、高電流密度及び高電束密度を経験し、治療部位に位置付けられ、第2の電極又は一連の電極は、比較的低い電流密度及びより低い電束密度を経験し、治療部位から遠くに位置付けられる。
【0059】
本明細書で考察されるように、「二相性パルス」及び「単相性パルス」という用語は、それぞれの電気信号を指す。「二相性パルス」とは、正電圧相パルス(本明細書では「正相」と称する)及び負電圧相パルス(本明細書では「負相」と称する)を含む電気信号を指す。「単相性パルス」は、正相のみ又は負相のみを含む電気信号を指す。好ましくは、二相性パルスを提供するシステムは、直流電圧(direct current voltage、DC)の患者への適用を防止するように構成されている。例えば、二相性パルスの平均電圧は、地面又は他の共通基準電圧に対してゼロボルトであり得る。追加的又は代替的に、システムは、コンデンサ又は他の保護構成要素を含むことができる。二相性パルス及び/又は単相性パルスの電圧振幅が本明細書に記載されている場合、発現された電圧振幅は、正電圧相及び/又は負電圧相の各々の近似ピーク振幅の絶対値であることが理解される。二相性パルス及び単相性パルスの各相は、好ましくは、相持続時間の大部分において本質的に一定の電圧振幅を含む正方形を有する。二相性パルスの相は、相間遅延によって時間的に分離される。相間遅延持続時間は、好ましくは、二相性パルスの相の持続時間未満であるか、又はその持続時間にほぼ等しい。相間遅延持続時間は、より好ましくは、二相性パルスの相の持続時間の約25%である。
【0060】
本明細書で考察されるように、「チューブ状」及び「チューブ」という用語は、広義に解釈されるものとし、直円柱構造、若しくは断面が厳密に円形である構造、又はその長さ全体にわたって均一な断面である構造に限定されるものではない。例えば、チューブ状構造は、概して、実質的な直円柱構造として例解される。しかしながら、チューブ状構造は、本開示の範囲から逸脱することなく、先細状又は湾曲した外面を有してもよい。
【0061】
本明細書で使用される「温度定格」という用語は、構成要素が、構成要素の溶融又は熱劣化(例えば、炭化及び崩壊)などの熱損傷を引き起こすことなく、その寿命の間に耐えることができる最大連続温度として定義される。
【0062】
本開示は、スパインに取り付けられた電極を含むエンドエフェクタを利用するシステム、方法、又は使用、及びデバイスに関する。本開示の例示的なシステム、方法、及びデバイスは、心不整脈を治療するための心臓組織のIREアブレーションに特に適し得る。アブレーションエネルギーは、通常、アブレーションするべき組織に沿ってアブレーションエネルギーを送達することができるカテーテルの先端部分によって心臓組織に供給される。いくつかの例示的カテーテルは、先端部分に三次元構造を含み、三次元構造上に位置付けられた様々な電極からアブレーションエネルギーを管理するように構成される。そのような例示的カテーテルを組み込むアブレーション処置は、蛍光透視法、超音波、並びに/又は磁気及び/若しくはインピーダンスベースのナビゲーションを利用する3Dマッピングシステムを使用して可視化され得る。
【0063】
機能不全の心臓を改善するために、高周波(RF)エネルギー及び冷凍アブレーションなどの熱的技術を適用する心臓組織のアブレーションは、周知の処置である。典型的には、熱的技術を使用して首尾よくアブレーションするために、心筋の様々な位置で心電位を測定する必要がある。加えて、アブレーション中の温度測定により、アブレーションの有効性を可能にするデータを提供する。通常、熱的技術を使用したアブレーション処置では、実際のアブレーション前、アブレーション中、及びアブレーション後に、電極電位及び温度が測定される。
【0064】
RFアプローチは、組織の炭化、燃焼、スチームポップ、横隔神経麻痺、肺静脈狭窄、及び食道瘻につながり得るリスクを有し得る。冷凍アブレーションは、RFアブレーションと関連するいくらかの熱リスクを低減することができるRFアブレーションへの代替アプローチである。しかしながら、冷凍アブレーションデバイスを操作し、冷凍アブレーションを選択的に適用することは、一般に、RFアブレーションと比較してより困難である。したがって、冷凍アブレーションは、電気アブレーションデバイスによって到達され得る特定の解剖学的幾何形状では実行可能ではない。
【0065】
本開示で考察されるIREは、心房性不整脈のアブレーションに使用することができる非熱的細胞死技術である。IRE/PEFを使用してアブレーションするために、二相性電圧パルスを印加して心筋の細胞構造を破壊する。二相性パルスは非正弦波形であり、細胞の電気生理学に基づいて標的細胞に調整することができる。対照的に、RFを使用してアブレーションするために、正弦波電圧波形が適用されて、治療エリアにおいて熱を生成し、治療エリア内の全ての細胞を無差別に加熱する。IREはしたがって、アブレーションモダリティ又は隔離モダリティで知られている起こり得る合併症の低減において有益であろう、隣接する感熱性構造又は組織を救う能力を有する。追加的又は代替的に、単相性パルスが利用され得る。
【0066】
エレクトロポレーションは、細胞膜内の細孔の可逆的な(reversable)(一時的な)又は不可逆的な(永久的な)生成を引き起こすために、生物学的細胞にパルス電界を印加することによって誘発され得る。細胞は、パルス電界の印加時に静止電位を超えて増加する膜貫通静電位を有する。膜貫通静電位は閾値電位未満のままであるが、エレクトロポレーションは可逆的であり、これは、印加されたパルス電界が除去されると細孔が閉じることができ、細胞は自己修復して生存することができることを意味する。膜貫通静電位が閾値電位を超えて増加する場合、エレクトロポレーションは不可逆的であり、細胞は永久的に透過性になる。結果として、細胞は、恒常性の喪失に起因して死滅し、典型的には、プログラムされた細胞死又はアポトーシスによって死滅し、これは、他のアブレーションモダリティと比較して、より少ない瘢痕組織を残すと考えられている。一般に、異なるタイプの細胞は、異なる閾値電位を有する。例えば、心臓細胞はほぼ500V/cmの閾値電位を有するが、骨は3000V/cmの閾値電位を有する。閾値電位のこれらの差は、IREが閾値電位に基づいて組織を選択的に標的とすることを可能にする。
【0067】
本開示の解決策は、好ましくは心筋組織においてエレクトロポレーションを誘発するのに有効なパルス電界を印加することによって、心筋組織の近傍に位置付けられたカテーテル電極から電気信号を印加するためのシステム及び方法を含む。本システム及び方法は、不可逆エレクトロポレーションを誘発することによって標的組織をアブレーションするのに有効であり得る。いくつかの例では、本システム及び方法は、診断処置の一部として可逆エレクトロポレーションを誘発するのに有効であり得る。可逆エレクトロポレーションは、電極で印加された電圧が、細胞を修復することを可能にする、標的組織の電界閾値を下回るときに生じる。可逆エレクトロポレーションは細胞を死滅させないが、医師が、標的位置の近傍で電気活性化信号に対する可逆エレクトロポレーションの効果を見ることを可能にする。可逆エレクトロポレーションのための例示的なシステム及び方法は、米国特許出願公開第2021/0162210号に開示されており、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、優先権出願第63/477,404号の付録に添付されている。
【0068】
パルス電界、並びに可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを誘発するパルス電界の有効性は、システムの物理パラメータ及び電気信号の二相性パルスパラメータによって影響を受け得る。物理パラメータは、電極接触面積、電極間隔、電極幾何形状などを含み得、本明細書に提示される例は、概して、可逆エレクトロポレーション及び/又は不可逆エレクトロポレーションを有効に誘発するように適合される物理パラメータを含む。電気信号の二相性パルスパラメータは、電圧振幅、パルス持続時間、パルス相間遅延、パルス間遅延、総印加時間、送達エネルギーなどを含み得る。いくつかの例では、電気信号のパラメータは、同じ物理パラメータが与えられると、可逆エレクトロポレーション及び不可逆エレクトロポレーションの両方を誘発するように調整することができる。IREを含むアブレーションの様々なシステム及び方法の例は、米国特許出願公開第2021/0169550(A1)号、同第2021/0169567(A1)号、同第2021/0169568(A1)号、同第2021/0161592(A1)号、同第2021/0196372(A1)号、同第2021/0177503(A1)号、及び同第2021/0186604(A1)号に提示されており、これらの各々の全体は、参照により本明細書に組み込まれ、先の仮出願第63/477,404号の付録に添付されている。
【0069】
IRE(不可逆エレクトロポレーション)処置でパルス場アブレーション(PFA)を送達するために、電極は、アブレーションされる組織と十分に大きな表面積で接触しなければならない。以下に説明するように、医療用プローブは、近位端及び遠位端を含むチューブ状シャフトと、チューブ状シャフトの遠位端にあるバスケットアセンブリと、を含む。バスケットアセンブリは、単一の一体構造を含む。一体構造は、材料の平面シートから形成された複数の線形スパインと、スパインの各々に結合された1つ又は2つ以上の電極とを含むことができる。複数の線形スパインは、1つ又は2つ以上の切り欠きを含む中心スパイン交差部で収束することができる。切り欠きは、スパインがほぼ球形又は偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように、各スパインの屈曲を可能にすることができる。切り欠き(本明細書に記載及び図示される様々な構成における)は、バスケットが、座屈又は塑性変形を伴わずに、展開されていない(又は送出シース内への後退を受ける)ときに、はるかに小さい形状因子に圧縮されることを可能にすることに留意されたい。
【0070】
図1は、本発明の一実施形態による、医療用プローブ22と、制御コンソール24とを含む医療用システム20の概略描画図である。医療用システム20は、例えば、Biosense Webster Inc.(31 Technology Drive,Suite 200,Irvine,CA 92618 USA)によって製造されたCARTO(登録商標)システムに基づき得る。以下に説明する実施形態では、医療用プローブ22は、患者28の心臓26においてアブレーション処置を実行するためなど、診断治療又は治療処置のために使用することができる。代替的に、医療用プローブ22は、必要な変更を加えて、心臓又は他の身体器官における他の治療目的及び/又は診断目的に使用されてもよい。
【0071】
医療用プローブ22は、可撓性挿入チューブ30と、チューブ状シャフトの近位端に連結されたハンドル32と、を含む。医療処置中、医療専門家34は、医療用プローブの遠位端36が心臓26の室などの体腔に入るように、患者28の血管系を通してプローブ22を挿入することができる。遠位端36が心臓26の室に入ると、医療専門家34は、医療用プローブ22の遠位端39に接近するバスケットアセンブリ38を展開させることができる。バスケットアセンブリ38は、以下の図2A図2B図2C図3A及び図3Bを参照する説明に記載するように、複数のスパイン214に備え付けられた、複数の電極40を含み得る。不可逆エレクトロポレーション(IRE)アブレーションなどの医療処置の実行を開始するために、医療専門家34は、電極40が所望の位置(単数又は複数)で心臓組織に係合するように、ハンドル32を操作して遠位端36を位置付けることができる。電極40(延長構造38上に配置された)が心臓組織に係合するように遠位端36を位置付けると、医療専門家34は、電気パルスが電極40によって送達されてIREアブレーションを実行するように、医療用プローブ22を作動させることができる。
【0072】
医療用プローブ22は、ガイドシース及び治療用カテーテルを含むことができ、ガイドシースは、可撓性挿入チューブ30及びハンドル32を含み、治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38、電極40、及びチューブ状シャフト84を含む(図2A図2B参照)。治療用カテーテルは、バスケットアセンブリ38が心臓26内に位置付けられるように、ガイドシースを通って前進する。医療用プローブ22の遠位端36は、バスケットアセンブリ38が可撓性挿入チューブ30内に収容されているときにガイドシースの遠位端に対応し、(チューブ30の)の遠位端36は、バスケットアセンブリ38がガイドシースの遠位端から延在しているときにバスケットアセンブリ38の近位部分(図2A)に対応する。代替的に、医療用プローブ22は、当業者によって理解されるように、治療用カテーテル上の第2のハンドルと、他の特徴と、を含むように構成され得る。
【0073】
図1に示される構成では、制御コンソール24は、ケーブル42によって体表面電極に接続され、体表面電極は典型的には、患者28に取り付けられている接着性皮膚パッチ44を含む。制御コンソール24は、追跡モジュール48と共に、心臓26内の遠位端36の位置座標を決定するプロセッサ46を含む。位置座標は、生成された磁場が存在するときにカテーテルの遠位部分から提供される電磁位置センサ出力信号に基づいて決定することができる。位置座標は、追加的又は代替的に、接着性皮膚パッチ44とバスケットアセンブリ38に取り付けられている電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づくことができる。医療処置中にECG信号を記録すること又位置センサとして作用することに加えて、電極40は、心臓内の組織をアブレーションするなど、他のタスクを実行することができる。
【0074】
これまで述べたように、追跡モジュール48と共に、プロセッサ46は、接着性皮膚パッチ44と電極40との間で測定されたインピーダンス及び/又は電流に基づいて、心臓26内のチューブ30の遠位端36の位置座標を決定してもよい。このような決定は、典型的には、インピーダンス又は電流を遠位端の既知の位置に関連付ける較正プロセスが実行された後に行われる。本明細書に提示するいくつかの実施形態は、好ましくは、心臓26内の組織にIREアブレーションエネルギーを送達するように構成されている電極40を説明するが、任意の体腔内の組織に任意の他のタイプのアブレーションエネルギーを送達するように電極40を構成することは、本発明の趣旨及び範囲内であるとみなされる。更に、IREアブレーションエネルギーを心臓26内の組織に送達するように構成される電極40であるという文脈で説明されているが、当業者は、本開示の技術が、患者28の身体の器官又は他の部分の様々な性質をマッピング及び/又は決定するために使用される電極に適用可能であり得ることを理解するであろう。
【0075】
プロセッサ46は、典型的にはフィールドプログラマブルゲートアレイ(field programmable gate array、FPGA)として構成されたリアルタイムノイズ低減回路50と、それに続くアナログ-デジタル(analog-to-digital、A/D)信号変換集積回路52とを含んでもよい。プロセッサは、1つ又は2つ以上のアルゴリズムを実行するようにプログラムすることができ、医療専門家34がIREアブレーション処置を実行することを可能にするために、回路50及び回路52並びにモジュールの特徴を使用する。
【0076】
制御コンソール24はまた、制御コンソール24が電極40及び接着性皮膚パッチ44から信号を転送し、かつ/又はそれらに信号を転送することを可能にする入出力(input/output、I/O)通信インタフェース54を含む。図1に示される構成では、制御コンソール24は、IREアブレーションモジュール56とスイッチングモジュール58とを更に含む。
【0077】
IREアブレーションモジュール56は、数十キロワットの範囲のピーク電力を含むIREパルスを発生させるように構成されている。いくつかの例では、電極40は、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む電気パルスを送出するように構成されている。医療用システム20は、IREパルスを電極40に送達することによってIREアブレーションを実行する。好ましくは、医療用システム20は、スパイン上の電極40間に二相性パルスを送達する。追加的又は代替的に、医療用システム20は、電極40のうちの少なくとも1つと皮膚パッチの少なくとも1つとの間に単相性パルスを送達する。
【0078】
血液凝固を防止するために、システム20は、灌注流体(例えば、生理食塩水)をチューブ30の遠位端36及びバスケットアセンブリ38の近位領域に供給する。灌注流体は、可撓性挿入チューブ30を通して供給され得ることを留意されたい。制御コンソール24は、灌注流体の圧力及び温度などの灌注パラメータを監視及び制御するための灌注モジュール60を含む。IRE又はPFAについては、医療用プローブの例示的な実施形態が好ましいが、医療用プローブを、RFアブレーション(外部接地電極を有する単極モード又は双極モード)のためだけに別個に使用すること、又はIREアブレーション及びRFアブレーションを組み合わせて順次使用すること(IREモードの特定の電極及びRFモードの他の電極)、又は同時に使用すること(IREモードの電極及びRFモードの他の電極のグループ)も本発明の範囲内であることに留意されたい。
【0079】
電極40及び/又は接着性皮膚パッチ44から受信した信号に基づいて、プロセッサ46は、患者の体内における遠位端36の位置を示す電気解剖学的マップ62を生成することができる。処置中、プロセッサ46は、ディスプレイ64上でマップ62を医療専門家34に提示し、電気解剖学的マップを表すデータをメモリ66に記憶することができる。メモリ66は、ランダムアクセスメモリ又はハードディスクドライブなど、任意の好適な揮発性メモリ及び/又は不揮発性メモリを含んでもよい。
【0080】
いくつかの実施形態では、医療専門家34は、1つ又は2つ以上の入力デバイス68を使用して、マップ62を操作することができる。代替的な実施形態では、ディスプレイ64は、マップ62を提示することに加えて、医療専門家34からの入力を受け入れるように構成され得るタッチスクリーンを含んでもよい。
【0081】
図2Aは、挿入チューブ30の遠位端36において挿入チューブルーメンから前進して出ることなどによる、非拘束時の拡張形態のバスケットアセンブリ38を含む医療用プローブ22の斜視図の例示である。プローブ22は、心臓組織に対するスパインの接触力を決定するための接触力センサ400を含んでもよい。接触力センサの詳細は、2021年3月18日に公開された米国特許出願公開第2021/0077180(A1)号に提供されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0082】
図2Aに例示した医療用プローブ22では、図1に例示したガイドシースが不在であることに留意すべきである。拡張形態図2Aでは、スパイン214は、半径方向外向きに湾曲し、折り畳み形態(図示せず)では、スパイン214は、挿入チューブ30の縦軸86に概ね沿って配設される。図2Aでは、複数の電気絶縁ジャケット217は、各ジャケットが、複数のスパインのうちのそれぞれのスパイン214と複数の電極のうちのそれぞれの電極40との間に配置され、それによって複数の電極を複数のスパインから電気的に絶縁することができるように提供される。
【0083】
図2Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、チューブ状シャフト84の端部に形成され、両端で接続された複数の可撓性スパイン214を含む。医療処置中、医療専門家34は、チューブ状シャフト84を挿入管30から延出させ、バスケットアセンブリ38を挿入管30から出して拡張形態に移行させることによって、バスケットアセンブリ38を展開することができる。スパイン214は、楕円形、例えば、円形、又は平坦に見えることがある長方形の断面を有してもよく、本明細書でより詳細に説明されるように、支柱を形成する可撓性弾性材料、例えば、ニチノールとしても知られるニッケル-チタンなどの形状記憶合金、を含んでもよい。図2A図2B及び図3Aに示されるように、バスケットアセンブリ38は、近位部分36及び遠位端39を有する。医療用プローブ22は、チューブ状シャフト84の遠位端からバスケットアセンブリ38の遠位端39に向かって縦方向に延在する、スパイン保持ハブ90を含むことができる。上記に記載されるように、制御コンソール24は、チューブ状シャフト84を通して灌注流体をバスケットアセンブリ38に送出する灌注モジュール60を含む。
【0084】
図3Aに戻ると、複数の可撓性直線状スパイン214は、スパイン214によって画定される縦軸86上に同様に配置される中心スパイン交点211で収束する。いくつかの実施例では、中心スパイン交差部211は、以下でより詳細に説明するように、各スパインのそれぞれの取り付け端部216がスパイン保持ハブ90に接続されるときにスパイン214の屈曲を可能にする、1つ又は2つ以上の切り欠き212を含み得る。
【0085】
本明細書に示すように、バスケットアセンブリ38のスパイン114上に位置付けられる電極40は、心臓26内の組織にアブレーションエネルギーRF及び/又はIREを送達するように構成され得る。追加的又は代替的に、電極を使用して、バスケットアセンブリ38の位置を決定すること、及び/又は心臓26内の組織上のそれぞれの位置における局所表面電位など生理学的特性を測定することができる。電極40は、1つ又は2つ以上の電極40のより多くの部分がバスケットアセンブリ38から外向きに面するように付勢され得、その結果、1つ又は2つ以上の電極40は、内向きよりもバスケットアセンブリ38から離れる方向に外向きに、すなわち、心臓26組織に向かって、より多くの量の電気エネルギーを送達する。
【0086】
電極40を形成するのに理想的に適した材料の例としては、金、白金、及びパラジウム及びそれらのそれぞれの合金が挙げられる。これらの材料はまた、高い熱伝導率を有し、これにより、組織上で発生した、すなわち、組織に送達されたアブレーションエネルギーによる、最小限の熱が、電極を通って電極の裏側、すなわち、スパインの内側にある電極の部分、に伝導され、次に心臓26内の血液プールに伝導される。
【0087】
図3Aを参照すると、医療用プローブ22のバスケットアセンブリ38が、新規の下にあるバスケット構造38を示すために絶縁スリーブ217又はスリーブ217の内側に配置されている電極40への関連配線なしで示されている。バスケット38は、円柱状チューブストック(図3B)から形成され、スパイン214を半径方向に外向きに付勢させるように処理された複数のスパイン214を含む単一の一体構造を含む。スパイン214の材料は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択することができる。
【0088】
図2Aを参照すると、スパイン保持ハブ90は、チューブ状シャフト84内に挿入され、チューブ状シャフト84に取り付けられ得る。スパイン保持ハブ90は、複数のリリーフランド96を含む円柱形部材94と、バスケットスパインによって画定される容積内への灌注流体の流出を可能にする複数の灌注開口部98と、ハブ端部99と、を含むことができる。リリーフランド96は、円柱部材94の外面に配置され、各スパイン取り付け端部216など各スパイン214の一部分を、接触力センサ400用のカプラとしても知られる保持ハブ90のそれぞれのリリーフランド96に嵌合させるように構成することができる。取り付け端部216は、スパイン214のほぼ略直線状端部であり得る。取り付け端部216は、バスケットアセンブリ38がスパイン保持ハブ90から外向きに、その結果として、チューブ状シャフト84から外向きに位置付けられるように、スパイン保持ハブ90から外向きに延在するように構成され得る。このように、スパイン214は、バスケットアセンブリ38が展開されるときに、バスケットアセンブリ38をチューブ状シャフト84の遠位端から遠位に、かつ挿入チューブ30の遠位端から遠位に位置付けるように構成され得る。基準電極95は、突起94又はハブ端部面99に配置することができる。ハブ90は、事実上、(1)スパイン脚部を近位的に保持すること、(2)ハブ90(及びバスケットアセンブリ22)が遠位チューブ84に接続されることを可能にすること、(3)遠位チューブ84を通して送達される灌注流体のための流体ダイバータとして機能すること、並びに(4)基準電極95を提供すること、の複数の機能を有することができることに留意すべきである。
【0089】
図2Bを参照すると、バスケットアセンブリ38の断面図が、ジャケット217の内部に配置されたスパイン214を示すために切り取られて示されており、接続点(例えば、はんだパッド)43を介して電極40と接続するために配線41がスパイン214に沿って走り、ジャケット217を通って延びている。
【0090】
図2Cは、不透明なジャケット217の斜視図を示し、不透明なジャケット217を通して、配線41がジャケット217を通って電極40の接続点43にそれぞれ延在していることを見ることができる。接続点43は、電極40のルーメン70の内部に配置される必要はないが、接続点が電極40の組織接触を妨げない限り、ルーメン70の外部にあってもよいことに留意すべきである。
【0091】
図6A及び図6Bを参照すると、好ましい実施形態において、電極40は、長さが約2mm~約3mmであり、幅が約1.5mm~約2.5mmであり、高さが約0.8mm~約1.5mmである。ルーメン70は、約0.4平方mm~約0.7平方mmの負の表面積を有してもよい。ルーメン70は、幾何学的中心に置かれず、むしろ、ルーメン70の中心86が平坦な底面76により近くなるように下方にオフセットされる。この配置は、電極40の上面78及び80のより多くが、ルーメン70の下よりもルーメン70の上にあることを確実にする。
【0092】
図3Aを参照すると、電極40は、スパイン214と一体的に形成された保持部材220によって、スパイン214に対して実質的に定位置に位置させることができる。図3Aに例示されるように、スパイン214の各々は、スパイン214に対して概ね横断方向に延在する少なくとも1つの保持部材220を含むことができる。電極40のルーメン70(図6A)を通したスパイン214の挿入を可能にするために、各スパイン214は、保持部材220が中心スパイン部材222に向かって内向きに屈曲することを可能にするために空の空間224が提供されるように、中心スパイン部材222で二等分されることができる。保持部材220の形状は、電極40のルーメン70に挿入するために部材220が圧縮され、解放されると、保持部材220に対する電極40の移動を防止するのに役立つ限り、任意の形状とすることができる。一実施形態では、少なくとも1つの保持部材220は、弓形の構成で成形され、そのような弓形の中心は、スパイン214の周縁から離れて延在する。好ましい実施形態では、各電極40のための少なくとも1つの保持部材222は、反対方向に、かつ各スパイン214のより長い長さ214Lに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材220を含んでもよい。
【0093】
図3Aに示される構成では、少なくとも1つの保持部材は、スパインに沿って離間された保持部材220の第1のセット220a、220b及び第2のセット220c、220dを有し得る。第1のセットは、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して反対方向に、かつ横断方向に配置された2つの弓形状部材220a、220bを含み、第2のセットは、各スパイン214のより長い長さ214Lに対して反対方向に、かつ横断方向に配置された2つの弓形状部材220c、220dを含み、それにより、各電極40は、第1のセットの保持部材220a、220bと第2のセットの保持部材220c、220dとの間に捕捉される。
【0094】
図3Bは、チューブストックから形成されたスパイン構造38aを示す。スパイン構造38aが平坦なシート素材から形成され、切断され、熱処理されて本明細書に示された球状バスケット形状を達成することも本発明の範囲内である。図3Bに例示されたスパイン構造38aは、縦方向に圧縮することができ、スパイン214は、半径方向に拡張して、図2Aに例示されたバスケットアセンブリ38の図3Aに例示されたバスケット形状のスパイン構造を形成することができる。
【0095】
図4A及び図4Bは、医療用プローブ22のバスケットアセンブリ38の遠位部分39(図2A)が2枚の平坦なガラスシートの間で平坦化されているとみなすことができる遠位部分39を示す。この観察構成では、図4Aにおいて、遠位部分39がクローバの葉に似た構造300を画定することが分かり得、したがって、構造300は、以下では「クローバ葉状」と称される。前述のように、図4A及び図4Bのバスケット38は、近位中心近位スパイン部分36から遠位スパイン部分39まで縦軸86に沿って延在する複数のスパイン214を有する。
【0096】
図4Aでは、遠位スパイン部分39は、縦軸86の周りに半径方向に配置された図4A、クローバ葉状構造300を画定する。各クローバ葉状切り欠き212は、軸86から直交して延在する半径方向軸A、B、C、D、E、及びFに沿って位置合わせされ、その結果、複数のスパイン214は、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しくなるような等角パターンで近位中心スパイン部分36から延在する。好ましい実施形態は6つのスパインを含むが、4~12の任意の数のスパインを有することは本発明の範囲内である。
【0097】
注目すべきは、クローバ葉状構造300はまた、縦軸86の周りに配置された負の又は空の領域A0を有する中心切り欠きC0を画定することである。特に、クローバ葉状構造300は、構造、具体的には、縦軸86を中心として、例えば、反時計回り又は時計回りの方向に、1つのスパイン214から隣接するスパイン214まで延在する正弦波状のクローバ葉状部材300によって画成され得る。正弦波状構造300のこの特徴は、例えば、スパイン214が半径方向軸A上に位置する図4Bに見ることができる。軸A上のこのスパイン214から開始して、正弦波状のクローバ葉状部材300は、円R1によって近似することができる負の又は第1の開口部領域A1を有する切り欠き212の一部分の周りで破線302によって示されるように蛇行するように構成される。本明細書で使用される場合、「開口部領域」という用語は、空の空間を画定するようにいかなる固体構造も存在しないことを意味する。この第1の開口部領域A1は、中心領域A0のほぼ20%である。便宜上、第1の開口部領域A1は、中心が縦軸86に対して第1の距離L1に位置する第1の仮想円R1によって近似することができる。引き続き図4Bにおいて、正弦波状のクローバ葉状部材300は、軸Aから軸Fへ、第2の開口部領域A2の周りを、軸F上に位置する隣接するスパイン214に向かって、肘当て時計回りの方向に蛇行する。便宜上、第2の開口部領域A2は、第1の開口部領域A1の約90%の第2の開口部領域A2を有する第2の仮想円R2に近似することもできる。第2の仮想円は、縦軸86までの第1の距離L1よりも小さい第2の距離L2に位置する半径R2の第2の仮想円の中心を有してもよいことに留意すべきである。図4Bの軸Fに向かって続けると、正弦波状のクローバ葉状部材300は、便宜上、半径R3を有する第3の仮想円によって近似される、第3の開口部領域A3の周囲で破線302を蛇行する。第3の仮想円は、中心軸86に対してL2よりも大きく第1の距離L1にほぼ等しい第3の距離L3に位置する半径R3の第3の仮想円の中心を有する。正弦波状のクローバ葉状部材300が軸Fと交差すると、軸Eに近い軸Fの他方の側にある別の第1の開口部領域A1で構造命名法が再び繰り返され、正弦波クローバ葉状部材300は、破線302によって参照されるように、軸E上に位置する次のスパイン214に向かって蛇行する。
【0098】
図4Bでは、スパイン214の幅T0は、0.25~1mmとすることができる一方、正弦波状部材302は、T0の幅の約1/2の最大幅T1を有し、スパイン幅T0の約1/3の最小幅T2を有する。スパイン軸(A、B、C、D、E又はF)に近接する幅T3は、T1の最大値とだいたい同じである。半径R0によって近似される中心領域A0は、ほぼ0.8平方mmであり、第4の仮想円C4は、中心領域A0よりもほぼ14倍大きい領域を有し得る。第1の仮想円R1及び第3の仮想円R3の各々は、中心軸86からほぼ1.5mmの第1の距離L1に位置する一方、第2の仮想円R2は、第1の距離L1のほぼ1/2の距離L2に位置する。
【0099】
好ましくは、複数のスパイン214は、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせ又は合金からなる群から選択される材料から作製することができる。各電極40は、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、白金、パラジウム、及びこれらの合金又は組み合わせから選択される材料から作製することができる。
【0100】
本発明者らは、バスケットアセンブリ38が、座屈することなく、又はバスケットアセンブリ38の任意の部分においてスパイン214に永久的な塑性変形を引き起こすことなく、8~12フレンチシース内に収まるように、ほぼ12mmのバスケットの最大直径から圧縮されることを可能にするために、クローバ葉状構造300を考案した。代替実施形態では、スパインの数が増加する場合、シースのサイズは、追加のスパインを収容するために14.5フレンチまで増加され得る。この設計によって、本発明者らは、バスケットをシース内に圧縮し、座屈のいかなる物理的徴候もなく少なくとも40回の完全拡張のために展開することができた。
【0101】
図4Aに戻ると、正弦波状のクローバ葉状部材300は、クローバ葉状部材300の一部分が、2つの隣接するスパイン214が位置する任意の2つの半径軸の間の位置に近接して中心円C0に接するように構成されることに留意されたい。例えば、半径方向軸A上のスパイン214が軸B上のスパイン214に隣接している場合、正弦波状のクローバ葉状部材300は、中心軸86に接続された線Q1によって2つの半径方向軸A及びBを二等分する場所において、開口円C0に接している。開口部領域A0の周りの正弦波状のクローバ葉状部材300のこの接線特性は、二等分軸Q1、Q2、Q3、Q4、Q5、Q6の全てについて、軸B上のスパイン214及び軸C上のスパイン214などのような任意の2つの隣接するスパイン214について繰り返される。二等分軸Q1、Q2、Q3、Q4は、正弦波状のクローバ葉状部材300の頂点に対応し、半径方向軸A、B、C、D、E、Fは、正弦波状のクローバ葉状の谷に対応し、正弦波状部材の頂点は中心軸86により近く、谷は中心軸86からより遠い。
【0102】
バスケット構造38の別の注目すべき特徴は、図5A及び図5Bを参照して見ることができる遠位中心部分211(図3A)の凹面305である。図5Aでは、クローバ葉状構造300は、その開口中心211が、中心円C0によって画定される平面に隣接し、クローバ葉状構造300を取り囲む第4の仮想円C4によって画定される平面に対して間隙Gによって離間されるように、屈曲されることが分かリ得る。凹面は、仮想円88及びクローバ葉状構造300によって中心軸86の周りに発生する複合曲率を表す破線305によって指し示される。
【0103】
図6Aは、本発明の一実施形態による、電極40の正面端面図を例示し、図6Bは、電極40の上から見た斜視図からの同じ電極を例示する。各電極40は、ステンレス鋼、コバルトクロム、白金、パラジウム、イリジウム又は金及びそのような金属の合金又は組み合わせなどの生体適合性導電性材料から製作される。電極40の各端部(1つを図6Aに示す)には、ルーメン70を取り囲む概ね平坦なランド82が設けられ、湾曲した外面80がランド82を取り囲んでいる。電極40は、概ね平坦な上面78を有する組織対向面を有し、湾曲した外周80が概ね平坦な上面78を取り囲んでいる。ルーメン70(すなわち、中空貫通開口部)は、それを通して縦軸86に沿って延在する。組織接触外面に加えて、各所与の電極40は、そのルーメン70によって画定される内面76を有し、スパイン214は、ルーメン70を通してその上に挿入され得る。電気ワイヤ又は電気トレース41(図2C、少なくとも10アンペアの電流パルスを送達するために十分にサイズ決定された)は、電極(外側又は内側表面)上の接続点に接続され得る。好ましくは、ワイヤ41はルーメン70の内部76上の接続点43に電気的に接続される。電極の断面は、図6A及び図6Bに示されるように、卵形、台形、又は実質的に卵形若しくは台形の形状であり得る。
【0104】
図7Aは、拡張形態にあり、コーティングされた遠位端39を含む医療用プローブの別の例示的なバスケットアセンブリ38bの斜視図である。遠位端39は、組織に対するバスケットアセンブリ38bの遠位端39の圧力による組織損傷の可能性を低減するように構成された非外傷性コーティング45を含む。コーティング45は、正弦波状部材300を覆い、正弦波状部材300によって囲まれた中心切り欠きA0を覆う。コーティング45は、バスケットアセンブリ38bの遠位端39の組織に対する圧力に起因する組織損傷の可能性を低減するために、当業者によって理解されるように、バスケットアセンブリ38bの代替構成に適用され得る。コーティング45は、開口遠位端を有するバスケットアセンブリ構造に特に好適であり得る。コーティング45はまた、バスケットアセンブリの遠位端に位置付けられた縁を伴う支柱又は構造を有するバスケットアセンブリ構造に特に好適であり得る。追加的に、コーティング45は、スパイン214の一部又は全部を電気的に絶縁する役割を果たし、それにより、電極40は、アーク放電を回避するために電極が露出した導電性表面から離間される必要がある場合よりも遠位に置かれることが可能になる。
【0105】
図7Bは、チューブストックから形成され、遠位端にコーティング45を含むスパイン構造体を例示している。コーティング45は、好ましくは高分子材料を含む。コーティング45は、遠位端39を液体ポリマーに浸漬し、ポリマーを硬化させて可撓性膜を形成することによって、バスケットアセンブリ38bに適用することができる。遠位端39は、バスケットアセンブリが図7Aに例示されるような拡張形態にあるとき、バスケットアセンブリが図7Bに例示されるようなチューブ状形状に折り畳まれているとき、又は図7A及び図7Bに例示される状態の間の部分的に拡張された状態にあるときに、浸漬され得る。遠位端39は、コーティング45がその最終形状をとるように硬化されるにつれて、図7Aに例示されるような拡張形態に拡張され得る。
【0106】
図7Cは、拡張形態にあり、中心開口部47を有するコーティング45aを含医療用プローブの別の例示的なバスケットアセンブリ38cの遠位端39の斜視図を例示している。中心開口部47は、バスケットアセンブリ38cが、図7A及び図7Bに例示されるコーティング45と比較して、より容易に折り畳まれることを可能にし得る。
【0107】
図8Aは、各々が、密接して離間された電極対40a、40b及びクローバ葉状300の近位部分306(図10)の上に延在するジャケット217aを含むスパイン214を含む例示的なバスケットアセンブリ38dを有する医療用プローブ22の斜視図を例示している。各電極対40a、40bの電極は、対の電極間に縁-縁間隔S1を有する。電極対40a、40bは、1つおきのスパイン214上により遠位に位置付けられた電極対40aと、1つおきのスパイン214上に位置付けられたより近位に位置付けられた電極対40bとの交互パターンで位置付けられる。バスケットアセンブリ38bは、縦軸86に垂直な赤道E1を画定し、ここでバスケット形状の円周は最大である。近位電極対40bは、全体が赤道E1の近位にある。赤道E1は、遠位電極対40aの各々の近位電極を横断する。
【0108】
図8Bは、図8Aに例示されるバスケットアセンブリ38dの遠位端面図を例示する。クローバ葉状300の内側円弧304は、露出される一方、クローバ葉状300の外側部分306(図10)は、ジャケット217aによって覆われ、バスケットアセンブリ38dの非外傷性遠位端39を提供する。クローバ葉状300の内側円弧304及び覆われた外側部分306が図10に指し示されている。縦軸L-Lから第2の仮想円A2(図4B)の中心までの第2の長さL2は、クローバ葉状300の内側円弧304と外側部分306との間の境界を画定する。各外側部分306(図10)の大部分は、それぞれのジャケット217aによって覆われている。内側円弧304の大部分は環境に露出される。各ジャケット217aの遠位部分は、ジャケット271aによって覆われたクローバ葉状300のそれぞれの近位部分306(図10)の湾曲に従って、外向き及び内向きに先細になっている。各ジャケット217aの遠位部分は、バスケットアセンブリが拡張されるとき、バスケットアセンブリ38dの遠位端39において互いに当接する。ジャケット271aの遠位端は、ヒートセット閉鎖及び/又は熱融着され得る。追加的又は代替的に、少量のポリマー接着剤又はエポキシが、各ジャケット217aの遠位端に適用され、ジャケット217aをスパイン214に密閉することができる。
【0109】
図8Cは、送達のために折り畳まれた形態にある、図8Aに例示されるバスケットアセンブリ38dの2つの隣接するスパイン214の側面図を例示する。図示を簡単にするために、2つのスパイン214のみが例示されている。各スパイン214は、遠位弧304の頂点において、シャフト84の遠位端からクローバ葉状300の遠位端まで測定される長さL4を有する。赤道E1は、スパイン214の長さL4のほぼ中間点に位置付けられる。電極対40a、40bは、隣接するスパイン214上の電極対40a、40bがスパイン214の長さL4に沿って重なり合わないように位置付けられる。遠位電極対40aの電極は、バスケットアセンブリ38dが送達のために折り畳まれるとき、近位電極対40bの電極の全体が遠位にある。
【0110】
図9は、横力F1及び結果として生じる横方向変位D1を受ける医療用プローブ22の斜視図を例示している。所与の力F1に対する横方向変位D1の量は、バスケット38の横方向剛性を画定する。変位D1が小さいほど、剛性は大きい。所望の横方向剛性は、医師又は医療用プローブ22の他のユーザからの定性的フィードバックに基づいて決定することができる。
【0111】
図10は、バスケットアセンブリ38の所望の機械的特性を達成するように調整することができるクローバ葉状構造300の選択された寸法を例示している。正弦波状部材302の第1の開口部領域A1の半径R1、第2の開口部領域A2の半径R2、第3の開口部領域A3の半径R3、及び最小幅T2は、各々、所望の機械的特性を達成するように調整することができる。これらの寸法は図4Bにも例示されている。追加的に、高さH1は、所望の機械的特性を達成するように調整することができる。高さH1は、第2の開口部領域A2の最も内側の点から、縦軸L-Lから離れて第2の開口部領域A2から直接半径方向外側にあるネック218まで測定される。ネック218は、クローバ葉状構造300の隣接する近位部分306が互いに最も近接する場所に位置付けられる。最小幅T2は、正弦波状部材302の周囲付近に配置することができる。
【0112】
3つの半径R1、R2、R3、高さH1、及び幅T2は、幾何学的形状に基づいて許容可能な範囲を与えられ得る。許容範囲は、製造性(例えば、チューブ又はシートから切断する能力)、クローバ葉状構造300の全体的サイズ等に基づいて決定されることができる。チューブ又はシートの厚さは、幾何学形状及び所望の機械的特性に基づいて、許容範囲を与えられることができる。図5Aの仮想円88及び/又は図5Bの複合曲線305によって示される所望の曲率も考慮され得る。仮想円88は、スパインがチューブ又はシートから切断される場合に達成することができる。
【0113】
考慮される機械的特性は、図9に例示されるような横方向剛性、及びシース又は中間カテーテルの中へのバスケットアセンブリ38の後退中に観察されるピーク応力を含むことができる。許容可能な横方向剛性の範囲は、(例えば、質的な医師のフィードバックに基づいて)予め決定することができ、バスケットアセンブリ38の後退中の最大ピーク歪みは、バスケットアセンブリが塑性変形しないことを確実にするように予め決定することができる。第1の半径R1、第2の半径R2、第3の半径R3、及び高さH1は、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成され得る。第1の半径R1、第2の半径R2、第3の半径R3、及び高さH1は、最大ピーク応力が所定の閾値未満であるように、拡張可能なバスケットアセンブリの中間カテーテル内への後退中に最大ピーク歪みを提供するように構成することができる。最大ピーク応力は、シース挿入又は後退中のピークフォンミーゼス応力に基づいて決定することができる。図10に例示される寸法変数(R1、R2、R3、H1、T2)のいくつかの許容可能な組み合わせは、後退中に許容可能な範囲内の横方向剛性及びピーク応力を有するバスケットアセンブリ38をもたらすものとして識別され得る。代替的又は追加的に、図4B及び/又は図10に例示される任意の好適な寸法の任意の組み合わせは、バスケットアセンブリが許容可能な範囲内の後退の間の横方向の剛性及び/又は最大ピーク応力を有するように変化され得る。バスケットアセンブリの寸法変数を選択する際に、他の機械的特性又は幾何学的考慮事項を更に考慮することができる。
【0114】
一実施形態では、第1の半径R1及び第3の半径R3は各々、約0.008インチであり、第2の半径R2は、約0.0095インチであり、高さH1は約0.0244インチであり、幅T2は約0.006インチである。一実施形態では、第1の半径R1及び第3の半径R3は各々、高さH1の約33%であり、第2の半径R2は高さの約39%であり、幅T2は高さH1の約25%である。幅T2は、正弦波状部材の最小幅である。スパイン214及びクローバ葉状構造300が切断されるチューブ又はシートの厚さは、約0.004インチの厚さを有することができ、その結果、得られるスパイン214及びクローバ葉状構造300は、約0.004インチの厚さを有する。
【0115】
図11A図11B、及び図11Cは、図10に例示される3つの半径R1、R2、R3、高さH1、及び幅T2が変更された例示的なクローバ葉状構造300a、300b、300cの遠位端面図を例示している。これらの例では、第1の開口部領域の半径R1と第3の開口部領域の半径R3とが等しく設定されている。3つの構造300a、300b、300cは、シース又は中間カテーテルの中へのバスケットアセンブリ38の後退中に観察される、ある範囲の横方向剛性及びある範囲のピーク応力を伴う、医療用プローブ22に好適な可能なクローバ葉状設計を表す。
【0116】
図12は、医療用プローブ22の分解図を例示している。スパイン214をスパイン保持ハブ90に取り付けて、バスケットアセンブリ38を形成することができる。スパイン保持スリーブ93をスパイン保持ハブ90の上に配置して、スパイン214を所定の位置に固定するのを助けることができる。接触力センサアセンブリ400を、スパイン保持ハブ90に結合させることができる。接触力センサアセンブリ400を、接触力センサアセンブリスリーブ91内に配置させることができる。接触力センサアセンブリスリーブ91は、チューブ状シャフト84に結合され得る近位カプラ97に結合され得る。完全に組み立てられると、バスケットアセンブリ38は、医療専門家34が医療用プローブ22を患者28の心臓26に挿入することを可能にするように、上述の構成要素を用いてチューブ状シャフト84に取り付けることができる。
【0117】
スパイン保持ハブ90は、複数のリリーフスロット96、複数の灌注開口部98、及び少なくとも1つのスパイン保持ハブ電極99(図2に例示されている)、又はそれらのいくつかの組み合わせを含む、円柱状部材94を含むことができる。リリーフスロット96は、円柱部材94の外面に配設され、各スパイン取り付け端部216など各スパイン214の一部分を、保持ハブ90のそれぞれのリリーフスロット96に嵌合可能にするように構成され得る。
【0118】
図13Aは、スパイン保持ハブ90を例示している。リリーフスロット96は、スパイン取り付け端部216の挿入を可能にするために縦軸に沿って走るアンダーカット96aを含むことができる。リリーフスロット96は、保持ハブ90に対する各スパイン214のスパイン取り付け端部216のねじれを防止するために、スパイン保持端部216上の相補的な凹部と係合するタブ96bを含んでもよい。取り付け端部216のこの構成は、バスケット38の近位部分における複数のスパイン214が、保持ハブ90と共に単一の構造部材として作用することを可能にする。スパイン保持ハブ90はまた、接触力センサアセンブリ400のためのカプラとして機能することができる。取り付け端部216(図12)は、スパイン214の概ね直線状端部であり得る。取り付け端部216は、バスケットアセンブリ38がスパイン保持ハブ90から外向きに、その結果として、チューブ状シャフト84から外向きに位置付けられるように、スパイン保持ハブ90から外向きに延在するように構成され得る。このように、スパイン214は、バスケットアセンブリ38が展開されるときに、バスケットアセンブリ38をチューブ状シャフト84の遠位端から遠位に、かつ挿入チューブ30の遠位端から遠位に位置付けるように構成され得る。
【0119】
図13Bは、ハブ90から切り離された接触力センサアセンブリ400の例示図である。接触力センサアセンブリ400は、近位端402と、遠位端403と、を有することができる。遠位端403は、保持ハブ90の円柱状部材94に挿入される。近位端402は、1つの磁場センサ又は複数の磁場センサを収容することができ、遠位端は、磁気発生器コイルを収容することができる。磁場発生器コイルは、磁場を発生させるように構成することができ、1つ又は2つ以上の磁場センサは、磁場の存在及び大きさを検出するように構成することができる。
【0120】
接触力センサアセンブリ400は、雌コネクタ406を含むことができ、スパイン保持ハブ90は、雄コネクタ408を含むことができる。しかしながら、理解されるように、便宜上、雌型コネクタ406を有する接触力センサアセンブリ400及び雄型コネクタ408を有するスパイン保持ハブ90として図示及び説明されているが、2つの構成要素は、本開示の範囲から逸脱することなく入れ替えることができる。換言すれば、特定の構成に応じて、接触力センサアセンブリ400は雄型コネクタ408を含むことができ、スパイン保持ハブ90は雌型コネクタ406を含むことができる。理解されるように、接触力センサアセンブリ400は、複数の雌コネクタ406を含むことができ、一方、スパイン保持ハブ90は、複数の雄コネクタ408を含むことができる。代替的に、接触力センサアセンブリ400は、雌コネクタ406及び雄コネクタ408の両方を含むことができ、一方、スパイン保持ハブは、相補的な雌コネクタ406及び相補的な雄コネクタ408を含むことができる。
【0121】
雌型コネクタ406及び雄型コネクタ408は、雄型コネクタ408が雌型コネクタと連結して接触力センサアセンブリ400をスパイン保持ハブ90に結合することができるバヨネットマウント構成を形成することができる。別の言い方をすれば、雌コネクタ406は、概ね「L」字形状を形成するスロットを含むことができ、雄コネクタ408は、概ね相補的な「L」字形状を形成する突出部を含むことができる。換言すれば、雌コネクタ406は、接触力センサアセンブリ400の遠位端403から接触力センサアセンブリ400内に概ね縦方向に延在する第1のスロット部分と、第1のスロット部分の端部から概ね横断方向に延在する第2のスロット部分とを有するスロットを含むことができる。同様に、雄型コネクタ408は、スパイン保持ハブ90から離れるように概ね縦方向に延在する第1の突出部分と、第1の突出部分の端部から概ね横断方向に延在する第2の突出部分とを有する突出部を含むことができる。
【0122】
灌注ハブ90は、縦軸86に沿って延在する円柱状部材94を含むことができる。円柱状部材94は、円柱状部材94の近位端412に第1の外径410を有することができる。円柱状部材94は、内側部分111を形成する縦軸86に沿って内向きに延在する凹部を有することができる。遠位端108は、第1の外径410よりも小さい第2の外径420を有する。
【0123】
接触力センサアセンブリ400は、近位端402と遠位端403との間に配置された撓み部分404を更に含むことができる。撓み部分404は、接触力センサアセンブリ400に力が加えられたときに撓むように構成することができる。換言すれば、撓み部分404は、力が接触力センサアセンブリ400に加えられたときに、接触力センサアセンブリ400の近位端402及び遠位端403が互いにより近くに移動することを可能にするように構成することができる。一例では、撓み部分404は、接触力センサアセンブリ400の本体内に形成された螺旋ばねを含むことができる。例えば、接触力センサアセンブリ400の本体に螺旋状の切り込みを入れて、螺旋ばねを形成することができる。このようにして、接触力センサアセンブリ400の本体は、追加の構成要素を必要とせずに、それ自体がばねを形成することができる。他の例では、近位端402と遠位端403との間にばねを組み立てて、接触力センサアセンブリ400を形成することができる。接触力センサアセンブリ400は、スパイン214による心臓組織との接触が接触力センサアセンブリ400に伝達され得るように、チューブ84(図2)内部で、バスケットアセンブリ38(図12)に対して近位に、バスケット38に可能な限り近接して配置される。
【0124】
理解されるように、接触力センサアセンブリ400に力が加えられて近位端402が遠位端403により近くに移動すると、近位端402内に収容された磁場センサは、遠位端403内に収容された磁場発生器コイルによって発生した磁場の力の大きさの変化を検出することができる。撓み部分404のばね定数Kを予め決定することができ、磁場発生器コイルと磁場センサとの間の距離を検出することができるので、医療用プローブ22に加えられる力を決定することができる(例えば、フックの法則、又は方程式F=d*Kを使用することによって)。更に、接触力センサアセンブリ400は、コンソール24から電気信号を受信し、そこに電気信号を提供して、受信した信号を処理し、バスケットアセンブリ38に加えられた力、例えばサブグラム力を決定することができる。
【0125】
図14Aは、本開示の技術による、灌注ハブ90の上面斜視図を示す概略描画図であり、図14Bは、灌注ハブ90の底面斜視図を示す概略描画図である。潅注ハブ90は、追加的又は代替的に、図2Aに例示されるスパイン保持ハブ90と同様に、近位スパイン端を保持するように構成され得る。潅注ハブ90は、医療用プローブ22の電極40に流体を送達するように構成され得る。図14Aに示すように、灌注ハブ90は、近位端103a及び遠位端103bを含む円柱状部材94を含むことができる。図示のように、近位端103aは、遠位端103bの外径よりも大きい外径を有することができる。
【0126】
灌注ハブ90は、流体がそこを通って流れることを可能にし、灌注ハブ90から外向きに流体を向けるのを助けるように構成され得る複数の灌注開口部98を含むことができる。灌注開口部98は、遠位端103bの周りに半径方向に分散させることができ、縦軸86を概ね横断することができる。灌注開口部98は各々、出口領域105bよりも小さい入口領域105aを有する開口部を形成することができ、それにより、流体は、灌注開口部98から外に向けられたときに外向きに分散することが可能になる。換言すれば、流体が灌注ハブ90を通って灌注開口部98から流出するとき、流体が最初に灌注開口部を通って流れる入口領域105aは、流体が灌注ハブ90から流出する直前に流れる出口領域105bよりも小さくなる。このようにして、灌注ハブ90は、灌注流体を電極40に向かって、又は少なくとも灌注ハブ90から外向きに案内又は向けるのを助けることができる。
【0127】
灌注ハブ90は、スパイン22を受容して保持するのを助けるように構成され得る複数のリリーフランド96を更に含むことができる。図2Aに示すように、スパイン214は各々、リリーフランド96に少なくとも部分的に挿入されるように構成され得るスパイン取り付け端部216を含むことができ、その結果スパイン214が灌注ハブ90と組み立てられて定位置に固定され得る。
【0128】
灌注ハブ90は、円柱部材94の遠位端103bに配置することができるセンサマウント108を更に含むことができる。センサマウント108は、医療用プローブ22のセンサ608(図16)を受容して支持するように構成され得る。いくつかの実施例では、センサ608は、例えば、電極40が組織を通して分散される電気信号のマッピングのために使用されるとき、電極40によって検出される信号を処理及びフィルタリングする際に使用され得る、遠距離場信号を検出するように構成される、基準電極であり得る。他の例では、センサは、バスケットカテーテル22の位置及び/又は向きを決定するために1つ又は2つ以上の磁場発生器によって出力される磁場を検出するために使用することができる1つ又は2つ以上の磁気位置センサであるか、又はそれを含むことができる。
【0129】
図14Bに示すように、円柱状部材94の近位端103aは、縦軸86に沿って内向きに延在し、内側部分111を形成する凹部を含むことができる。潅注ハブ90は、(図17に示されるように)潅注供給チューブ200を受容するように構成され得るか、又は別様にそれに接続され得る、潅注カプラ110を更に含むことができる。円柱状部材94は、灌注カプラ110の遠位側かつ内側部分111の近位側に配置され得る灌注入口チャンバ112を更に含むことができる。灌注入口チャンバ112は、灌注供給チューブ200から流体を受容するように構成することができる。灌注供給チューブ200は、内部部分111、コンビネーションセンサ608、チューブ状シャフト84、及び医療用プローブの他の構成要素から流体を流体的に分離することができる。換言すれば、流体は、流体が医療用プローブの他の内部構成要素と接触することなく、灌注供給チューブ200を介して灌注入口チャンバ112に送達され得る。灌注入口チャンバ112は、流体流が概ね妨げられないように、灌注供給チューブ200から十分な量の流体を受容するようにサイズ決定され得る。いくつかの例では、灌注入口チャンバ112は、灌注供給チューブ200の内径に等しい内径を有することができる。灌注入口チャンバ112は、流体が灌注入口チャンバ112を通って流れ、複数の灌注開口部98から出るように向けられ得るように、複数の灌注開口部98に流体接続され得る。灌注開口部98は、灌注入口チャンバ112の遠位部分から縦軸86を概ね横断して配置することができる。
【0130】
灌注ハブ90は、灌注ハブ90をコンビネーションセンサ608及び/又はチューブ状シャフト84に取り付けるように構成され得る複数の取り付け機構116を更に含むことができる。取り付け機構116は、例えば、限定されないが、バヨネットマウント、スナップコネクタ、ねじ継手、又は特定の用途のための他の好適なタイプの取り付け機構116であり得る。
【0131】
図15A図15Cは、灌注ハブ90の様々な図を例示している。特に、図15Aは、本開示の技術による灌注ハブ90の側面図を例示し、図15Bは上面図を例示し、図15Cは底面図を例示している。図15A図15Cに示される参照番号の各々は、本明細書に説明される様々な構成要素及び/又は特徴に対応する。
【0132】
図16は、開示された技術による灌注ハブ90の断面図を示す。図16に示されるように、灌注ハブ90は、灌注入口チャンバ112の遠位端に配置され、灌注入口チャンバ112内に内向きに延在する分流器120を含むことができる。潅注入口チャンバ112の中へ内向きに延在することによって、分流器120は、流体流を遮断し、縦軸86に対して概して横断する方向に、又は縦軸86に対してある角度で、潅注開口部から出る流体流を向け直すことができる。分流器120は、いくつかの例では、縦軸86から離れて角度θで延在する外面を有する円錐形部材とすることができる。角度θは、灌注供給チューブ200から受け取った流体を複数の灌注開口部98の外に向け直すのに十分な所定の角度とすることができ、その結果、流体は、縦軸86に対して概ね横断方向に向けられる。いくつかの例では、角度θは、流体を電極40の方へ向けることができる。非限定的な例として、角度θは、ほぼ15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、60°、75°、85°、又は特定の用途に好適な任意の他の角度とすることができる。円錐部材として説明されているが、分流器は、概ね平坦な側部、概ね湾曲した側部を有する他の形状、又は流体が分流器120によって複数の灌注開口部98を通って外向きに向けられ得る他の構成を含むことができる。
【0133】
理解されるように、灌注開口部98は、灌注ハブ90を通って灌注入口チャンバ112から外向きに延在することができる。前述したように、灌注開口部98は、出口領域105bよりも小さい入口領域105aを含むことができる。入口領域105aは、灌注入口チャンバ112の近くにあってもよく、出口領域105bは、灌注入口チャンバ112から離れて配置されてもよい。灌注開口部98の表面122は、入口領域105aと出口領域105bとの間に延在することができる。表面122は、表面が角度θ又は角度θと実質的に同様の角度で配置されるように構成することができ、それにより、流体は、著しい乱流を発生させることなく、灌注開口部98を通って外向きに向けられ得る。
【0134】
図16は、センサマウント108に取り付けられたセンサ608を更に示す。上記で説明したように、センサは、磁気位置センサ、基準電極、又は特定の構成のための任意の他のセンサであり得る。センサ608は、センサマウント108の周囲に、又はそれを通して配置されるように示されるが、センサ608はまた、センサマウント108の最遠位端に配置されることもできる。他の例では、センサマウント108は、複数のセンサ(例えば、センサマウント108の周囲に配置された第1のセンサ、及びセンサマウント108の遠位端に配置された第2のセンサ)を受容及び支持するように構成することができる。
【0135】
図17は、本発明の一実施形態による、灌注ハブ90を通る流路230を例示している。図17に示すように、灌注流体は、灌注供給チューブ200を通って延在し、灌注ハブ90によって外向きに向け直される流路230を有することができる。いくつかの例では、灌注ハブ90は、縦軸86に対して概ね横断方向に流体を向け直すことができる。他の例では、灌注ハブ90は、電極において所望の冷却効果を得るために、本明細書に記載されるような他の角度で流体を向け直すことができる。
【0136】
図18A及び図18Bは、スパイン714上に配置された複数の電極40a、40bと、本明細書の他の箇所に例示するハブ90と同様に機能することができるハブ90と、を有するバスケットアセンブリ738を有する別の例示的なバスケットカテーテル728を例示している。図18Aに示すように、電極40a、40bは、隣接するスパイン714上の遠位電極40a及び近位電極40bの交互のグループに配置することができる。例えば、図18A及び図18Bに示すように、2つの電極40a、40bをスパイン714上に互いに近くに配置することができ、追加の電極40a、40bは同じスパイン714上に配置されない。第1のスパイン714上では、2つの電極40bをスパイン714の近位端付近に一緒に配置することができ、一方、スパイン714に隣接する第2上では、2つの電極40aは、隣接するスパイン714の遠位端付近に一緒に配置することができる。このようにして、電極40a、40bは、バスケットアセンブリ738がシースの中に後退させられるときにより良好に折り畳むことができるように、バスケットカテーテル728の円周の周囲でオフセットされ得る。バスケットアセンブリ738が折り畳まれるとき、遠位電極40aは、近位電極40bと遠位電極40aとの間の縦軸86に沿った間隙を伴って、近位電極40bから全体が遠位方向に位置付けられる。
【0137】
図18A及び図18Bに示されるようにスパイン714上に配置された電極40a、40bの構成により、システム10(図1)は、所与のスパイン714上の2つの隣接する電極40a、40bの間で不可逆エレクトロポレーション(IRE)を行い、かつ所与のスパイン714上の2つの隣接する電極40a、40bを電気的に接続するために使用され得るように、バイポーラ高電圧DCパルスを出力し、バスケットアセンブリ738のスパイン714の別の1つにある1つ又は2つ以上の電極40a、40bの間でバイポーラ高電圧DCパルスを出力し、及び/又は電極40a、40bのうちの1つ又は2つ以上と、患者28の皮膚上に配置された1つ又は2つ以上の電極パッチ44(図1)との間で単極高電圧DCパルスを出力するように構成することができる。所与のスパイン714上の2つの電極40a、40bは、2つの電極40a、40bの間に配置された絶縁材料727を含むことができ、それによって、電極対の2つの電極40a、40bを互いに電気的に絶縁する。
【0138】
スパイン714は、電極40a、40bとスパイン714のフレームとの間に配置することができる絶縁ライナ又はジャケット717で覆うことができる。絶縁ライナ717は、スパイン714のフレームから電極40a、40bを電気的に絶縁して、スパイン714のフレームへのアーク放電又は短絡を防止することができる。絶縁ライナ717は、ハブ90からバスケットアセンブリ738の遠位端39へと延在し得る。
【0139】
図18Bは、バスケットアセンブリ738のフレームが見えるように、例示のために、絶縁ライナ717、一対の遠位電極40a、及び一対の近位電極40b、並びに他のスパイン要素が除去されたバスケットアセンブリ738の例示図である。スパイン714は、ハブ90から延在し、クローバ葉状構造300によってバスケットアセンブリ738の遠位端39の近くで互いに接合される。クローバ葉状構造300は、本明細書の他の場所でより詳細に開示されるものと同様に、又はその変形例として構成されることができる。絶縁ライナ717は、クローバ葉状構造300(図18B)の大部分にわたって延在するフレア端部717a(図18A)を含むことができ、バスケットアセンブリ738の遠位端39において非外傷性遠位表面を提供し得る。このようにして、絶縁ライナ又はジャケット717は、バスケットアセンブリ738のフレームが組織に損傷を与えることを防止し得る。
【0140】
図18Bに例示するように、スパイン714は、電極40a、40bがスパイン714に沿って近位又は遠位に摺動するのを防止するように構成された電極保持領域760a、760bを更に含むことができる。隣接するスパイン714は、スパイン714に沿って近位位置と遠位位置との間で交互になるスパイン保持領域760a、760bを有することができる。すなわち、第1のスパイン714は、スパイン714の近位端の近くに配置された電極保持領域760bを有することができ、隣接するスパイン714は、スパイン714の遠位端の近くに配置された電極保持領域760aを有することができる。
【0141】
各電極保持領域760a、760bは、スパイン714が内側に屈曲されるか又は挟まれることを可能にすることができる1つ又は2つ以上の切り欠き764を含むことができる。複数のスパイン714は、遠位電極保持領域760aを有する第1のスパイン及び近位電極保持領域760bを有する第2のスパインと含む。第1のスパイン714は、第1のスパインの近位部分から第1のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、少なくとも2つの別個の断面に(電極保持領域760aにわたって)第1のスパインの遠位スパイン部分(クローバ葉状構造300において)まで分割する、単一断面を有する。第2のスパイン714は、第2のスパインの近位部分(電極保持領域760b上)から第2のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、第2のスパインの遠位スパイン部分まで延在する単一の断面に統合される、少なくとも2つの別個の断面を有する。
【0142】
2つ極保持領域760a、760bは、外向きに突出する1つ又は2つ以上の保持部材762a~cを更に含むことができ、電極40a、40bがスパイン714に沿って近位又は遠位に摺動するのを防止するように構成することができる。製造中、バスケットアセンブリ738のフレームの近位端は、電極40a、40bのルーメン内に挿入され、電極40a、40bは、スパイン714に沿ってそれらのそれぞれの最終位置まで遠位に摺動される。切り欠き764は、電極40a、40bが保持部材762a~c上を摺動することを可能にする。スパイン714内の1つ又は2つ以上の切り欠き764のために、保持部材762a~cは、スパイン714が内側に挟まれたときに内側に移動して、電極40a、40bが保持部材762a~cの上を摺動することを可能にするように構成され得る。電極40a、40bが保持部材762を過ぎて摺動されると、保持部材762は、その以前の位置に弾性的に戻るように屈曲することができ、それによって、電極40a、40bがスパイン714に沿って近位又は遠位に摺動することを防止する。
【0143】
近位電極保持領域760bは、近位保持部材762c及び遠位保持部材762bを含む。近位電極保持領域760bは、近位電極40bが遠位保持部材762b上を通過することを可能にするように構成される必要はない。遠位電極保持領域760aは、クローバ葉状構造300を利用して、遠位電極40aがそれぞれの最終位置にくると、遠位電極40aが遠位に移動するのを防止する。
【0144】
バスケットカテーテル728は、所与のスパイン714上に互いに近接して配置された2つの電極40a、40bを有し、隣接するスパイン714上に電極40a、40bの交互のグループを有するものとして示されているが、開示される技術は、図示されていない電極及びスパインの他の構成を含むことができる。例えば、開示された技術は、スパイン上に配置された3つ又は4つ以上の電極のグループ及び/又は電極の複数のグループを含むことができ、異なる数のスパインを更に含んでもよい。したがって、開示される技術は、本明細書に示され、説明される電極及びスパインの特定の構成に限定されない。
【0145】
以下の条項は、本開示の非限定的な実施形態を列挙する。
条項1.医療用プローブであって、チューブ状シャフトの遠位端に結合されるように構成された拡張可能なバスケットアセンブリであって、近位中心近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで縦軸に沿って延在する複数のスパインを含み、遠位スパイン部分が、縦軸の周りに半径方向に配置されたクローバ葉状構造を画定し、クローバ葉状構造が、縦軸の周りに配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、クローバ葉状構造が、縦軸の周りの方向に、1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含み、正弦波状部材が、第1の半径を有する第1の仮想円であって、縦軸に対して第1の距離に位置する第1の仮想円の中心を有する、第1の仮想円と、第2の半径を有する第2の仮想円であって、縦軸に対して第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する第2の仮想円の中心を有する第2の仮想円と、第1の半径にほぼ等しい第3の半径を有する第3の仮想円であって、縦軸に対して第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する第3の仮想円の中心を有する、第3の仮想円と、の周りを蛇行しており、クローバ葉状構造が、第2の仮想円の周囲上の点から、第2の仮想円に関して縦軸から真っすぐに離れたネックまで、かつ隣接する第1の仮想円と第2の仮想円との間で測定された高さを更に画定する、バスケットアセンブリを備え、第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さが、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成されている、医療用プローブ。
条項2.第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さが、最大ピーク応力が所定の閾値未満になるように、拡張可能なバスケットアセンブリの中間カテーテル内への後退中に最大ピーク応力を提供するように構成されている、条項1に記載の医療用プローブ。
条項3.第1の半径が高さの約33%であり、第2の半径が高さの約39%であり、第3の半径が高さの約33%であり、幅が高さの約25%である、条項1又は2に記載の医療用プローブ。
条項4.第1の半径が、高さの31%~35%であり、第2の半径が、高さの約37%~41%であり、第3の半径が、高さの約31%~35%であり、幅が、高さの23%~27%である、条項1~3のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項5.中心領域が、ほぼ0.8平方mmの領域を含み、正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円が、中心領域よりほぼ14倍大きい領域を含み、第1の仮想円及び第3の仮想円の各々が、中心軸から第1の距離に位置する一方、第2の仮想円が、第1の距離の約1/2の第2の距離に位置する、条項1~4のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項6.正弦波状部材が、中心円に接している、条項5に記載の医療用プローブ。
条項7.拡張可能なバスケットアセンブリが、正弦波状部材を覆うコーティングと、正弦波状部材によって囲まれた中心切り欠きを含む、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項8.拡張可能なバスケットアセンブリが、正弦波状部材を覆うコーティングを備え、縦軸に開口部を含む、条項1~6のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項9.各電極の断面形状が、実質的に卵形又は台形形状を含む、条項1~8のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項10.スパインの各々が、スパインに対して概ね横断方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含む、条項1~9のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項11.複数の電極を更に備え、複数の電極のうちの各電極が、本体であって、電極の本体を通って延在する中空部分を画定する、本体を備え、それによりスパインを中空部分に挿入し、少なくとも1つの保持部材によって保持することができる、条項10に記載の医療用プローブ。
条項12.少なくとも1つの保持部材が、弓形状部材を含む、条項10又は11に記載の医療用プローブ。
条項13.少なくとも1つの保持部材が、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含む、条項10~12のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項14.少なくとも1つの保持部材が、スパインに沿って離間した保持部材の第1のセット及び第2のセットを含み、第1のセットが、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含み、第2のセットが、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含み、それにより各電極が保持部材の第1のセットと第2のセットとの間に捕捉される、条項10~13のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項15.複数のスパインが、それぞれ隣接するスパイン間のそれぞれの角度がほぼ等しいように等角度パターンで近位中心スパイン部分から延在する、条項1~14のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項16.複数のスパインのうちのそれぞれのスパインとそれぞれの電極との間に各々配置され、それによってそれぞれの電極をそれぞれのスパインから電気的に絶縁する複数の電気絶縁ジャケットを更に備える、条項1~15のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項17.正弦波状部材が、第2の仮想円の周りに内側円弧を含み、それにより内側円弧が縦軸から第2の距離未満に全体が位置決めされ、正弦波状、部材が、第1の仮想円の周り及び第2の仮想円の周りに外側部分を含み、それにより外側部分が縦軸から第2の距離より大きく全体が位置決めされ、正弦波状部材の外側部分の大部分が、電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットにより覆われている、条項16に記載の医療用プローブ。
条項18.正弦波状部材の内側円弧の少なくとも一部分が、環境に露出されている、条項17に記載の医療用プローブ。
条項19.複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、正弦波状部材の外側部分の曲率に従って外側及び内側に先細になっている、条項17又は18に記載の医療用プローブ。
条項20.複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、隣接する絶縁ジャケットの遠位部分に当接している、条項17~19に記載の医療用プローブ。
条項21.複数のスパインのうちの各スパインについてそれぞれのスパインに結合された2つの電極を更に含む、条項16~20のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項22.複数の電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットの内側に配置されたワイヤを更に含み、ワイヤが、それぞれの電極に電気的に接続されている、条項16~21のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項23.複数のスパインが、ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、チタン、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される材料を含む、条項1~22のいずれかに記載の医療用プローブ。
条項24.各電極が、ステンレス鋼、コバルトクロム、金、プラチナ、パラジウム、及びそれらの合金又は組み合わせから選択される材料からなる、条項11~23のいずれかに記載の医療用プローブ。
条項25.不可逆エレクトロポレーションのための電気パルスを送達するように構成された複数の電極を更に含み、パルスが、少なくとも900ボルト(V)のピーク電圧を含む、条項1~24のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項26.複数のスパインが、拡張形態にあるとき、ほぼ球形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項27.複数のスパインが、拡張形態にあるとき、ほぼ偏楕円体のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、条項1~25のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項28.灌注流体を複数の電極に送達するために、バスケットの近位部分に配置された灌注ポートを更に含む、条項1~27のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項29.中心切り欠きが、中心領域を有する中心円を近似し、クローバ葉状構造が、中心円に近いクローバ葉状部分が第4の円に近いクローバ葉状部分に対して縦軸に沿って離間され、それによって凹状クローバ葉状構造を画定するように、縦軸上に第4の円の中心を有する第4の円内に配置される、条項1~28のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項30.クローバ葉状構造が、縦軸の周りに配置された凹面に近似するように、中心がバスケットの近位中心スパイン部分に向かって延在している凹面である、条項1~29のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項31.基準電極が、チューブ状シャフトの遠位端に近接して配置されている、条項1~30のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項32.スパインを保持ハブに接続するために、スパイン保持ハブがチューブ状シャフトの遠位端に結合されている、条項1~31のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項33.基準電極を突起上に位置させるために円柱状の突起が設けられる、条項1~32のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項34.スパイン保持ハブが、出口ポートを含み、遠位端チューブ状シャフトに送達された流体が、出口ポートから出て、バスケットスパインによって囲まれた容積に入ることを可能にする、条項1~33のいずれか一項に記載の医療用プローブ。
条項35.医療用プローブを構築する方法であって、近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで縦軸に沿って延在する複数のスパインを含むチューブ状フレームを切断することであって、遠位スパイン部分が、縦軸の周りに半径方向に配置されたクローバ葉状構造を画定し、チューブ状フレームが、チューブ状形状から拡張したバスケット形状に移動するように構成されており、複数のスパインが縦軸から離れて湾曲し、クローバ葉状構造が、縦軸の周りに配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、クローバ葉状構造が、縦軸の周りの方向に、1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含むクローバ葉状構造を含み、正弦波状部材が、第1の半径を有する第1の仮想円であって、縦軸に対して第1の距離に位置する第1の仮想円の中心を有する、第1の仮想円と、第2の半径を有する第2の仮想円であって、縦軸に対して第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する第2の仮想円の中心を有する第2の仮想円と、第1の半径にほぼ等しい第3の半径を有する第3の仮想円であって、縦軸に対して第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する第3の仮想円の中心を有する、第3の仮想円と、の周りを蛇行している、複数のスパインを含み、クローバ葉状構造が、第2の仮想円の周囲上の点から、第2の仮想円に関して縦軸から真っすぐに離れたネックまで、かつ隣接する第1の仮想円と第2の仮想円との間で測定された高さを更に画定する、切断することと、チューブ状フレームがバスケットアセンブリに構造的支持を提供するように、第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さが、所定の範囲内の拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成されるように、医療プローブ用のバスケットアセンブリを形成することと、を含む、方法。
条項36.第1の半径、第2の半径、第3の半径、及び高さが、最大ピーク応力が所定の閾値未満になるように、拡張可能なバスケットアセンブリの中間カテーテル内への後退中に最大ピーク応力を提供するように構成されている、条項35に記載の方法。
条項37.第1の半径が高さの約33%であり、第2の半径が高さの約39%であり、第3の半径が高さの約33%であり、幅が高さの約25%である、条項35又は36に記載の方法。
条項38.第1の半径が、高さの31%~35%であり、第2の半径が、高さの約37%~41%であり、第3の半径が、高さの約31%~35%であり、幅が、高さの23%~27%である、条項35~37のいずれか一項に記載の方法。
条項39.複数のスパインを、各々が電極の本体を通って延在するルーメンを有する複数の電極と位置合わせすることと、複数のスパインのうちの各スパインを複数の電極のうちの電極のルーメンに挿入することと、複数のスパイン上に複数の電極を保持することと、を更に含む、条項35~38のいずれか一項に記載の方法。
条項40.複数のスパイン上に複数の電極を保持することが、複数の電極のうちの電極を少なくとも1つの付勢部材で保持することを含む、条項39に記載の方法。
条項41.少なくとも1つの付勢部材が、電極のルーメンの外側に配置されている、条項40に記載の方法。
条項42.少なくとも1つの付勢部材が、電極のルーメンの内側に配置されている、条項40又は41に記載の方法。
条項43.拡張可能なバスケットアセンブリのスパインを、複数の電気絶縁ジャケットのうちの電気絶縁ジャケットのルーメンを通して位置付けることと、電気絶縁ジャケットのルーメンを通してワイヤを位置付けることと、複数の電極のうちの電極を電気絶縁ジャケットの上に位置付けることと、電気絶縁ジャケット内の開口を通してワイヤを電極に電気的に接続することと、を更に含む、条項35~42のいずれか一項に記載の方法。
条項44.正弦波状部材の大部分を複数の電気絶縁ジャケットで覆うことを更に含む、条項43に記載の方法。
条項45.複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、隣接する絶縁ジャケットの遠位部分に当接する、条項44に記載の方法。
条項46.正弦波状部材の外側部分が第1の仮想円の周り及び第2の仮想円の周りで蛇行するように、かつ外側部分が縦軸から第2の距離よりも大きく全体が位置付けられるように、正弦波状部材の外側部分の大部分を複数の電気絶縁ジャケットで覆うことを更に含む、条項44又は45に記載の方法。
条項47.正弦波状部材の内側円弧が、内側円弧が第2の仮想円の周りを蛇行するように、かつ内側円弧が縦軸から第2の距離未満に全体が位置付けられるように、環境に露出されたままである、条項46に記載の方法。
条項48.複数の電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、正弦波状部材の外側部分の湾曲に従って、外向き及び内向きに先細になっている、条項46又は47に記載の方法。
条項49.複数のスパインのうちの各それぞれのスパインが、第1の電極及び第2の電極を含み、方法が、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極及び第2の電極と位置合わせすることと、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインを第1の電極のルーメン及び第2の電極のルーメンに挿入することと、複数のスパインのうちの各それぞれのスパインの端部を、血管系を横断するようにサイズ決定されたチューブ状シャフトに嵌合させることと、を更に含む、条項35~48のいずれか一項に記載の方法。
条項50.縦軸に沿って隣接するスパイン間で電極をオフセットすることを更に含む、条項39~49のいずれか一項に記載の方法。
条項51.電極本体ルーメンが、医療用プローブのワイヤを受容するように構成されている、条項39~50のいずれか一項に記載の方法。
条項52.ワイヤがスパインから絶縁されている、条項39~51のいずれか一項に記載の方法。
条項53.複数のスパインのうちの各スパインについてそれぞれのスパインに結合された2つの電極であって、複数のスパインが、第1のスパインであって、第1のスパインが、近位部分から第1のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、第1のスパインの遠位部分まで少なくとも2つの別個の断面に分割する単一の断面を有する第1のスパインと、第2のスパインであって、第2のスパインが、近位部分から第2のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後第2のスパインの遠位部分まで延在する単一の断面に統合されている少なくとも2つの別個の断面を有する第2のスパインと、を含む、2つの電極を更に含む、条項16に記載の医療用プローブ。
条項54.チューブ状シャフトに結合された灌注ハブであって、灌注ハブが、縦軸に沿って延在する円柱状部材を含み、円柱状部材が、第1の外径及び縦軸に沿って内向きに延在して内部部分を形成する凹部を有する近位端と、第2の外径を有する遠位端であって、第2の外径が、第1の外径より小さい、遠位端と、内部部分に近接して配置され、灌注供給源から流体を受容するように構成された灌注入口チャンバと、灌注入口チャンバの遠位部分から縦軸に対して概ね横断方向に配置され、複数の灌注開口部と、灌注入口チャンバの遠位部分に延在して、流体流を遮断し、流体流を複数の灌注開口部から縦軸に対して概ね横断する方向に向け直す分流器と、を含む、灌注ハブを更に備える、条項1に記載の医療用プローブ。
条項55.クローバ葉状構造が、縦軸の周りに配置された凹面を近似するように、中心がバスケットの近位中心スパイン部分に向かって延在している凹面であり、チューブ状シャフトの遠位端に配置され、医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリであって、接触力アセンブリの構成要素を含む第1のバヨネットマウント部分と、拡張可能なバスケットアセンブリのそれぞれのスパイン部材を受容するための複数のスロットを含むスパイン保持ハブと、第1のバヨネットマウント部分と連結することによって、スパイン保持ハブを接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分と、を含む、接触力センサアセンブリ、を含む、条項1に記載の医療用プローブ。
【0146】
これまで述べた実施形態は、例として引用したものであり、本発明は、本明細書にこれまで具体的に図示し述べたものに限られるものではない。むしろ、本発明の範囲は、上記に記載及び図示される様々な特徴の組み合わせ及び副次的組み合わせの両方、並びに前述の説明を読むと当業者に想起されるであろう、従来技術で開示されていないそれらの変形例及び修正を含む。
【0147】
〔実施の態様〕
(1) 医療用プローブであって、
チューブ状シャフトの遠位端に結合されるように構成された拡張可能なバスケットアセンブリを備え、前記バスケットアセンブリが、
近位中心近位スパイン部分から遠位スパイン部分まで縦軸に沿って延在する複数のスパインを含み、前記遠位スパイン部分が、前記縦軸の周りに半径方向に配置されたクローバ葉状構造を画定し、前記クローバ葉状構造が、前記縦軸の周りに配置された中心領域を有する中心切り欠きを画定し、前記クローバ葉状構造が、前記縦軸の周りの方向に、1つのスパインから隣接するスパインまで延在する正弦波状部材を含み、前記正弦波状部材が、
(a)第1の半径を有する第1の仮想円であって、前記縦軸に対して第1の距離に位置する前記第1の仮想円の中心を有する、第1の仮想円と、
(b)第2の半径を有する第2の仮想円であって、前記縦軸に対して前記第1の距離よりも小さい第2の距離に位置する前記第2の仮想円の中心を有する、第2の仮想円と、
(c)前記第1の半径にほぼ等しい第3の半径を有する第3の仮想円であって、前記縦軸に対して前記第1の距離にほぼ等しい第3の距離に位置する前記第3の仮想円の中心を有する、第3の仮想円と、の周りを蛇行しており、
前記クローバ葉状構造が、前記第2の仮想円の周囲上の点から、前記第2の仮想円に関して前記縦軸から真っすぐに離れたネックまで、かつ隣接する第1の仮想円と第2の仮想円との間で測定された高さを更に画定し、
前記第1の半径、前記第2の半径、前記第3の半径、及び前記高さが、所定の範囲内の前記拡張可能なバスケットアセンブリの横方向剛性を提供するように構成されている、医療用プローブ。
(2) 前記第1の半径、前記第2の半径、前記第3の半径、及び前記高さが、最大ピーク応力が所定の閾値未満になるように、前記拡張可能なバスケットアセンブリの中間カテーテル内への後退中に前記最大ピーク応力を提供するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(3) 前記第1の半径が、前記高さの約33%であり、
前記第2の半径が、前記高さの約39%であり、
前記第3の半径が、前記高さの約33%であり、
前記正弦波状部材の最小幅が、前記高さの約25%である、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(4) 前記第1の半径が、前記高さの31%~35%であり、
前記第2の半径が、前記高さの37%~41%であり、
前記第3の半径が、前記高さの31%~35%であり、
前記正弦波状部材の最小幅が、前記高さの23%~27%である、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(5) 前記中心領域が、ほぼ0.8平方mmの領域を含み、前記正弦波状部材を取り囲む第4の仮想円が、前記中心領域よりほぼ14倍大きい領域を含み、前記第1の仮想円及び前記第3の仮想円の各々が、前記縦軸から第1の距離に位置する一方、前記第2の仮想円が、前記第1の距離のほぼ1/2の第2の距離に位置する、実施態様1に記載の医療用プローブ。
【0148】
(6) 前記正弦波状部材が、前記中心領域の中心円に接している、実施態様5に記載の医療用プローブ。
(7) 前記スパインの各々が、前記スパインに対して概ね横断方向に延在する少なくとも1つの保持部材を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(8) 複数の電極を更に備え、
前記複数の電極のうちの各電極が、本体を備え、前記本体が、前記電極の前記本体を通って延在する中空部分を画定し、それによりスパインが前記中空部分に挿入され、前記少なくとも1つの保持部材によって保持され得る、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(9) 前記少なくとも1つの保持部材が、弓形状部材を含む、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(10) 前記少なくとも1つの保持部材が、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含む、実施態様7に記載の医療用プローブ。
【0149】
(11) 前記少なくとも1つの保持部材が、前記スパインに沿って離間した保持部材の第1のセット及び第2のセットを含み、前記第1のセットが、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含み、前記第2のセットが、反対方向に、かつ各スパインのより長い長さに対して横断方向に配置された2つの弓形状部材を含み、それにより各電極が保持部材の前記第1のセットと前記第2のセットとの間に捕捉されている、実施態様7に記載の医療用プローブ。
(12) 前記複数のスパインのうちのそれぞれのスパインとそれぞれの電極との間に各々配置され、それによって前記それぞれの電極を前記それぞれのスパインから電気的に絶縁する複数の電気絶縁ジャケットを更に備える、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(13) 前記正弦波状部材が、前記縦軸から前記第2の距離未満に全体が位置付けられているような、前記第2の仮想円の周りの内側円弧を含み、
前記正弦波状部材が、前記縦軸から前記第2の距離より大きく全体が位置付けられているような、前記第1の仮想円及び前記第2の仮想円の周りの外側部分を含み、
前記正弦波状部材の前記外側部分の大部分が、前記電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットにより覆われている、実施態様12に記載の医療用プローブ。
(14) 前記それぞれの電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、前記正弦波状部材の前記外側部分の曲率に従って外向き及び内向きに先細になっている、実施態様13に記載の医療用プローブ。
(15) 前記それぞれの電気絶縁ジャケットの各々の遠位部分が、隣接する絶縁ジャケットの前記遠位部分に当接している、実施態様13に記載の医療用プローブ。
【0150】
(16) 前記複数のスパインのうちの各スパインについてそれぞれのスパインに結合された2つの電極を更に含み、前記複数のスパインが、第1のスパイン及び第2のスパインを含み、前記第1のスパインが単一の断面を有し、前記単一の断面が、前記第1のスパインの近位部分から前記第1のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、前記第1のスパインの前記遠位スパイン部分まで少なくとも2つの別個の断面に分割され、前記第2のスパインが少なくとも2つの別個の断面を有し、前記少なくとも2つの別個の断面が、前記第2のスパインの近位部分から前記第2のスパインのほぼ中間点まで延在し、その後、前記第2のスパインの前記遠位スパイン部分まで延在する単一の断面に統合されている、実施態様12に記載の医療用プローブ。
(17) 前記複数の電気絶縁ジャケットのうちのそれぞれのジャケットの内部に配置されたワイヤを更に含み、
前記ワイヤが、前記それぞれの電極に電気的に接続されている、実施態様12に記載の医療用プローブ。
(18) 前記チューブ状シャフトに結合された灌注ハブを更に備え、前記灌注ハブが、縦軸に沿って延在する円柱状部材を含み、前記円柱状部材が、
第1の外径及び前記縦軸に沿って内向きに延在して内部部分を形成する凹部を有する近位端と、
第2の外径を有する遠位端であって、前記第2の外径が、前記第1の外径より小さい、遠位端と、
前記内部部分に近接して配置され、灌注供給源から流体を受容するように構成された灌注入口チャンバと、
前記灌注入口チャンバの遠位部分から前記縦軸に対して概ね横断方向に配置された複数の灌注開口部と、
前記灌注入口チャンバの前記遠位部分内に延在して流体流を遮断し、流体流を前記複数の灌注開口部から前記縦軸に対して概ね横断方向に向け直す分流器と、を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(19) 前記複数のスパインが、拡張形態にあるとき、ほぼ球形状のバスケットアセンブリを形成するように構成されている、実施態様1に記載の医療用プローブ。
(20) 前記チューブ状シャフトの前記遠位端に配置され、前記医療用プローブに加えられた力を検出するように構成された接触力センサアセンブリを更に備え、前記接触力センサアセンブリが、
前記接触力センサアセンブリの構成要素を含む第1のバヨネットマウント部分と、
前記拡張可能なバスケットアセンブリのそれぞれのスパイン部材を受容するための複数のスロットを含むスパイン保持ハブと、
前記第1のバヨネットマウント部分と連結することによって前記スパイン保持ハブを前記接触力センサアセンブリに結合するように構成された第2のバヨネットマウント部分と、を含む、実施態様1に記載の医療用プローブ。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図7C
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
図11C
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17
図18A
図18B
【外国語明細書】