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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164393
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】回転位置センサ
(51)【国際特許分類】
   G01B 21/22 20060101AFI20231102BHJP
【FI】
G01B21/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023074353
(22)【出願日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】10 2022 001 510.2
(32)【優先日】2022-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518201739
【氏名又は名称】メソード・エレクトロニクス・マルタ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】METHODE ELECTRONICS MALTA LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アレン カール ボニッチ ミカレフ
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンデル ガレア
(72)【発明者】
【氏名】マシュー スピテリ
【テーマコード(参考)】
2F069
【Fターム(参考)】
2F069AA83
2F069BB21
2F069DD19
2F069GG04
2F069GG06
2F069GG07
2F069GG64
2F069HH12
2F069JJ02
2F069JJ17
(57)【要約】
【課題】 十分な精度及び十分な分解能を提供する回転位置センサを提供すること。
【解決手段】 回転システムの位置を決定するための回転位置センサが、少なくとも3つの個別の位置センサ(10、11、12)、及びギアボックス(13)を含む。回転システムに関連するターゲット(9)が、個別の位置センサ(10、11、12)によってスキャンされる。第1の個別位置センサ(10)は、回転システムの位置を決定する。第2の個別位置センサ(11)は、回転システムを参照して回転角を決定する。第3の個別位置センサ(12)は、回転システムに関する回転変化を測定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転システムの位置を決定するための回転位置センサであって、当該回転位置センサは、
少なくとも3つの個別の位置センサ(10、11、12)、及び
ギアボックス(13)を含み、
前記回転システムに関連するターゲット(9)が、前記個別の位置センサ(10、11、12)によってスキャンされ、
第1の個別位置センサ(10)は、前記回転システムの位置を決定し、
第2の個別位置センサ(11)は、前記回転システムを参照して回転角を決定し、
第3の個別位置センサ(12)は、前記回転システムを参照して回転変化を測定する、
回転位置センサ。
【請求項2】
前記第1及び/又は前記第2及び/又は前記第3の個別位置センサ(10、11、12)は、前記回転システムの前記位置を計算するアルゴリズムに使用される出力信号を生成する、請求項1に記載の回転位置センサ。
【請求項3】
回転位置センサ(14)の前記ギアボックス(13)は、駆動ギア(4)及び/又は固定リングギア(5)及び/又は遊星ギア(6)及び/又は少なくとも1つの回転リングギア(7、8)を含む遊星ギアボックス(13)である、請求項1に記載の回転位置センサ。
【請求項4】
回転位置センサ(14)の前記ギアボックス(13)は、少なくとも2つの回転リングギア(7、8)備えており、各リングギアが少なくとも1つのターゲット(9)を含む(carry)、請求項1に記載の回転位置センサ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転システムの位置を決定するための回転位置センサに関する。
【0002】
回転位置センサは、少なくとも3つの個別の位置センサを含む。また、回転位置センサはギアボックスを提供する。
【0003】
回転システムに関連するターゲットは、個別の位置センサによってスキャンされる。
【0004】
第1の個別位置センサは、回転システムの位置を決定する。第2の個別位置センサは、回転システムを参照して回転角を決定する。第3の個別位置センサは、回転システムを参照して回転変化を測定する。
【背景技術】
【0005】
特許文献1は、回転角及び/又はトルクを決定するための回転角センサを開示している。回転角及び/又はトルクを測定するために配置された回転角センサは、ハウジング及びロータを含む。ロータは、回転軸の周りに回転可能となるようにハウジングに配置される。ロータは、ロータアセンブリにロータラッチ装置を備え付けている。ラッチ要素は、固定リングがロータに対して回転軸に沿って軸方向に固定されるべく相互作用するように配置される。ラッチ要素を固定する軸方向の位置は、ロータが回転軸に沿った軸方向に実質的に遊びなくハウジングに固定されるように相互作用する。
【0006】
回転位置センサは、バイワイヤー(by-wire)ステアリングを備えた車両で一般的に使用される。回転位置センサは自律車両にも使用される。
回転位置センサは、車両のステアリング機構の位置を正確に測定するために車両に使用され得る。ステアリング機構は、ステアリングコラム(column)又はステアリングラック(rack)のうちの少なくとも1つを含む。ステアリングコラム及び/又はステアリングラックは、例えば、ボールねじ機構及び/又は送りねじ機構によって駆動してもよい。ステアリング機構が他の構成要素も同様に含むことは言うまでもない。
【0007】
回転位置センサは、絶対回転位置センサとして設計され得る。絶対回転位置センサは、ステアリング機構の少なくとも1つの構成要素の位置を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2021/140006号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的
本発明の目的は、関連するシステムに情報をフィードバックするために十分な精度及び十分な分解能を提供する回転位置センサを提供することである。情報のフィードバックによりシステムにデータが提供され、リアルタイムの意思決定及びステアリング角の修正が実現される。
【課題を解決するための手段】
【0010】
解決手段
本発明の目的は、請求項1の特徴を備える回転位置センサによって解決される。
【0011】
回転位置センサ
本発明は、センサという用語を、現象を感知する目的で出力信号を生成する装置を意味するものと理解する。換言すれば、センサは、イベントを検出する装置及び/又はモジュール及び/又はサブシステムである。そのセンサは、センサの環境の変化を検出することもできる。センサは、接続された電子部品に情報を送信することもできる。
【0012】
回転位置センサは、物体の回転角を最大360°まで測定するために使用される。
回転位置センサは、絶対回転位置センサであってもよい。絶対回転位置センサという用語は、所与のスケール又は範囲内の位置に関する情報を提供するセンサを意味する。ただし、絶対回転位置センサには特定の基準点は必要ない。
【0013】
換言すれば、絶対回転位置センサは、静的な基準点を提供する。
【0014】
絶対回転位置センサは光センサであってもよい。そのセンサは、磁気センサ又は渦電流センサであってもよい。
【0015】
絶対回転位置センサが、他のタイプのセンサであってもよいことは言うまでもない。
【0016】
絶対回転位置センサは、速度精度及び/又は位置精度及び/又は不具合の許容誤差(fail tolerance)が絶対的に必要な状況で使用されることが好ましい。
【0017】
絶対回転位置センサを使用する場合に、電源投入時に絶対位置が決定される。つまり、電源投入時(パワーアップ時)にはリファレンスマーク(基準マーク)は必要ない。
【0018】
絶対回転位置センサは、全体的なコストを削減しながら、性能の向上及び/又は精度の向上を実現する。
【0019】
絶対回転位置センサは、回転システムの正確な位置を決定するために使用され得る。
【0020】
絶対回転位置センサは、車両のステアリング機構のステアリングホイール又はステアリングコラムに取り付けることができる。
【0021】
回転システム(回転系)
回転システムは、車両のステアリングホイール又はステアリングコラムであってもよい。回転システムは、車両のステアリング機構のステアリングラックであってもよい。
回転システムがステアリング機構の構成要素の入力シャフトであってもよいことは言うまでもない。明らかに、回転システムは、車両のステアリング機構の他の構成要素から構成してもよい。
【0022】
ステアリング機構は、車両が希望のコースを進むのを可能にする多くの構成要素を含む。
【0023】
回転システムは、時計回り及び/又は反時計回りの方向に有限回の回転を行う。
【0024】
車両(vehicle:乗り物)
本発明の文脈において、車両は陸上車両であってもよく、又は航空機(air-based vehicle)であってもよい。もちろん、車両は船舶(water-based
vehicle)であってもよい。以下では、自動車を使用して本発明を説明する。
【0025】
この文脈において、本発明はまた、車両という用語がワイヤーによって駆動される車両を意味するものと理解する。車両という用語には、自律車両も含まれ得る。
【0026】
現代の自動車産業において、バイワイヤー技術とは、従来は機械的なリンク機構によって実現していた車両の機能を実行するために、電気及び/又は電子機械システムを使用することを意味する。
【0027】
自律車両は、周囲の環境を感知できる車両である。自律車両は、道路に対する人の介入がほとんど、又はまったくなくても安全に移動することができる。自律車両は、様々なセンサを組み合わせて車両の周囲を監視する。
【0028】
センサターゲット
本発明は、センサターゲットという用語は、センサによってスキャンされる物体の領域を意味するものと理解する。第1の個別位置センサ及び/又は第2の個別位置センサ及び/又は第3の個別位置センサはそれぞれ信号を生成する。
【0029】
第1の個別位置センサの例を使用すると、第1の個別位置センサのターゲットは、第1の個別位置センサによって生成される信号の信号変化が生じる距離として規定することができる。
【0030】
第1の個別位置センサ及び第2の個別位置センサがそれぞれ関係するターゲットは、ギアボックスに接続される。ギアボックスについては、以下でさらに詳しく説明する。
【0031】
回転位置センサの個別位置センサ
本発明によれば、回転位置センサは、少なくとも3つの個別の位置センサのクラスタを含む。
【0032】
個別位置センサのクラスタとは、1つの単一センサシステムのように機能するセンサのグループを意味する。個別位置センサのクラスタにより、センサの可用性が向上する。個別位置センサのクラスタにより、センサの感度が向上するだけでなく、センサの変動性も向上する。
【0033】
個別位置センサのクラスタの個別位置センサのそれぞれの出力は、回転システムの角度位置及び/又は回転数を決定するために使用される。
【0034】
回転位置センサは、少なくとも3つの個別の位置センサを含む。
【0035】
少なくとも1つの個別の位置センサの出力は、関連する回転システムの角度位置及び/又は回転数を決定するために使用される。
【0036】
個別位置センサは、機械的な位置の測定を容易にするセンサである。個別位置センサは、回転システムの絶対位置(位置)及び/又は相対位置(変位)も示す。
【0037】
回転システムの絶対位置の指標及び/又は回転システムの相対位置の指標は、直線移動量に関して、及び/又は回転角に関して、及び/又は三次元空間に関して示す。
【0038】
様々な異なるタイプの個別位置センサのうち、個別位置センサは、容量性変位センサ又は渦電流センサであってもよい。
【0039】
個別位置センサは、ホール効果センサ又は誘導センサであってもよい。
【0040】
あるいはまた、個別位置センサはさらに、アブソリュートエンコーダ及び/又はインクリメンタルエンコーダ等の位置エンコーダであってもよい。あるいはまた、個別の位置センサは、リニアエンコーダ又はロータリエンコーダであってもよい。
【0041】
他のタイプの個別位置センサも同様に使用できることは言うまでもない。
【0042】
第1及び第2の個別位置センサ
第1の個別位置センサは、ターゲットの回転位置を決定する。
【0043】
ターゲットの絶対回転位置の決定は、第1の個別位置センサに対するターゲットの位置に依存する。
【0044】
第1の個別位置センサは、回転システムの絶対位置を決定するために使用される。ここで、回転システムの絶対位置は、回転システムの回転数と回転角との両方によって決定される。上で言及したように、回転システムは、ステアリングホイール、ステアリングコラム、又はステアリングラックであることが好ましい。
【0045】
第1の個別位置センサは、回転位置センサの電源がオンになったときに、回転位置センサが回転位置の位置を出力するために必要である。
【0046】
第1の個別位置センサの出力及び/又は第2の個別位置センサの出力及び/又は第3の個別位置センサの出力は、少なくとも1つのアルゴリズムに使用される。少なくとも1つのアルゴリズムは、回転システムの動作中に回転システムの位置を計算するために提供される。
【0047】
第1の個別位置センサ及び/又は第2の個別位置センサ及び/又は第3の個別位置センサは、それぞれプリント基板(PCB)に配置される。
【0048】
第1の個別位置センサ及び/又は第2の個別位置センサ及び/又は第3の個別位置センサは、関連するターゲットの前に位置決め及び/又は固定され得る。
【0049】
回転システムの絶対位置は、回転システムの回転数及び回転角を指し、ここで、回転システムは、ステアリングホイール及び/又はステアリングコラム及び/又はステアリングラックのうちの少なくとも1つであり得る。
【0050】
回転システムが、ステアリングシステムの構成部品の入力シャフトであってもよいことは言うまでもない。
【0051】
第2の個別位置センサは、それぞれのターゲットの位置に応じて、第2の個別位置センサが関連する、回転システムのターゲットの回転位置を決定することもできる。
【0052】
第2の個別位置センサは、回転システムの複数の回転のうちの少なくとも1つの回転角を決定するために使用される。
第2の個別位置センサは、それぞれの回転システムの位置及び/又は回転方向を決定する。
【0053】
回転システムの分解能を向上させるために、第2の個別位置センサが使用される。
【0054】
こうして、回転システムの分解能の向上は、第2の個別位置センサの出力にも関係し得る。
【0055】
上で言及したように、第2の個別位置センサのターゲットはギアボックスに接続される。
【0056】
第2の個別位置センサはプリント基板(PCB)に配置される。
【0057】
第2の個別位置センサは、第2の個別位置センサの関連するターゲットの前に位置決めされ、固定される。
【0058】
上で言及したように、第2の個別位置センサは、任意の時点における回転システムの回転数と対応する回転角とを出力する。
【0059】
このようなデータを出力するために、第2の個別位置センサは、ソフトウェア・アルゴリズムを使用して評価される。
【0060】
第3の個別位置センサ
第3の個別位置センサは、回転システムの歯車(toothed gear)の少なくとも1つの立ち上がりエッジ及び/又は少なくとも1つの立ち下がりエッジに関する少なくとも1つの変化を検出することができる。
【0061】
上で言及したように、回転システムは、ステアリングホイール、ステアリングコラム、又はステアリングラックであってもよい。回転システムがステアリング機構の他の構成要素であってもよいことは言うまでもない。
本発明によれば、第3の個別位置センサは、高い取得速度でギアの歯車の回転変化を測定するために使用される。
【0062】
第3の個別位置センサを第1の個別位置センサ及び/又は第2の個別位置センサと区別するために、第3の個別位置センサは、回転システムの位置及び/又は回転方向を決定しない。
【0063】
第3の個別位置センサはプリント基板(PCB)に配置される。
【0064】
さらに、第3の個別位置センサは、関連するターゲットの前に位置決め及び/又は固定される。
【0065】
第3の個別位置センサの出力も、ソフトウェア・アルゴリズムを使用して別の構成要素に対して計算される。
【0066】
ソフトウェア・アルゴリズムは、回転位置センサの入力シャフトの回転位置を決定するように構成される。
【0067】
第1の個別位置センサ及び/又は第2の個別位置センサ及び/又は第3の個別位置センサの出力はそれぞれ、ソフトウェア・アルゴリズムを使用して計算される。ソフトウェア・アルゴリズムは、回転システムの回転位置を決定するために使用される。回転システムの回転位置には、回転システムの回転数及び/又は回転角が含まれる。
【0068】
ギアボックス
回転位置センサはギアボックスを提供する。ギアボックスは多数のギアを備えている。
【0069】
本発明は、ギアという用語を、機械の歯付きの円筒形又はローラー形状の構成要素を意味するものと理解する。以下では、個々のギアを収容するケーシングをギアボックスという用語で指す。ギアボックス内のギアは、別の歯付き円筒形又はローラー形状の構成要素と噛み合い、あるシャフトから別の構成要素に動力を伝達する。
【0070】
ギアボックス内のギアは、異なるトルク及び速度比を受け取るために使用されることが好ましい。
【0071】
ギアボックス内のギアは、駆動シャフトの方向を変えるため及び/又は従動シャフトの方向を変えるために使用され得る。
【0072】
好ましくは、ギアボックスは少なくとも3つの主要な機能を有する。
【0073】
ギアボックスの機能の1つは、駆動要素(例えば、モータ)から従動要素へのトルクを増大させることである。
【0074】
ギアボックスの別の1つの機能は、モータによって生成される速度を減速することである。
【0075】
ギアボックスのさらに別の機能は、駆動シャフトの方向を変更すること、及び/又は従動シャフトの方向を変更することである。
【0076】
ギアボックスの駆動ギアは機械的動力源に取り付けられる。一例として、駆動ギアは電気モータのシャフトによって動力を供給される。
【0077】
ギアボックスの従動ギアは、例えば電気モータから機械動力を受け取り、従動機械がその機能を実行できるようにする。
【0078】
一例として、ギアボックスの従動ギアの歯数が駆動ギアよりも多い場合に、出力速度が低下する。
【0079】
ギアボックスの駆動ギアの歯数が従動ギアの歯数よりも多い場合に、従動ギアの速度が増大し得る。
以下では、ギアボックスを複合分割遊星ギアボックスと呼ぶ場合がある。
【0080】
遊星ギアボックスは遊星ギアを備えている。遊星ギアは、回転位置センサの駆動ギア及び/又は回転位置センサの固定リングギアと噛み合う。
【0081】
さらに、ギアボックスの遊星ギアは、少なくとも2つの独立した回転リングギアと噛み合う。
【0082】
回転リングギアは様々なギア比を提供する。
【0083】
ギア比により、ギアボックスのリングギアのうちの1つが、入力シャフトの有限回転数の合計に対して1回転だけ回転することができる。もう一方の回転リングギアは何度も回転する。ただし、もう一方の回転リングギアは入力シャフトよりも回転頻度が低くなる。
【0084】
換言すれば、ギアボックスのもう一方の回転リングギアの回転数は、ギアボックスの入力シャフトの回転数よりも小さくなる。
【0085】
こうして、回転数は、回転システムの精度要件に依存する。
【0086】
遊星ギアボックスの回転リングギアは、様々なギア比を提供する。遊星ギアボックスのギア比が異なるため、遊星ギアボックスのリングギアのうちの1つが、回転位置センサの入力シャフトの有限総回転数の合計に対して1回転だけ回転することができる。
【0087】
第3の個別位置センサに設けられた歯車は、遊星ギアボックスの駆動ギアに位置決めされる。
【0088】
駆動ギアは、入力シャフトに接続されており、その比率は1:1が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0089】
本発明の更なる例及び有利な実施形態について、図面を参照してより詳細に説明する。
図1】回転位置センサの分解図である。
図2】回転位置センサの横断面図である。
図3】回転位置センサの機能ブロック図である。
図4】個別位置センサのそれぞれの出力を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0090】
図1は、回転位置センサ14の分解図を示す。
【0091】
左から右に、回転位置センサ14の入力シャフト1が見える。
【0092】
図1は、左から右の順序で、第2のケーシング2と協働する第1のケーシング3をさらに示す。
【0093】
図1は、第1のケーシング3の隣に第2の個別位置センサ11を示しており、この第2の個別位置センサ11に第3の個別位置センサ12がリンクされる。
【0094】
センサターゲット9は、第2及び第3の個別位置センサ11、12に隣接して位置決めされる。
【0095】
センサターゲット9のすぐ隣に、回転リングギア8が示されている。
【0096】
回転リングギア8と固定リングギア5との間には、駆動ギア4が配置される。
【0097】
固定リングギア5と協働するために、図1には遊星ギア6が示されている。
別の回転リングギア7が、図1では遊星ギア6とセンサターゲット9との間に位置決めされる。
【0098】
第1の個別位置センサ10は、センサターゲット9に隣接して配置される。
【0099】
図2は、回転位置センサ14の断面図を示す。
【0100】
図2の中央には、回転位置センサ14の入力シャフト1が示されている。
【0101】
第1の個別位置センサ10、第2の個別位置センサ11、及び第3の個別位置センサ12は、いずれも入力シャフト1に対して半径方向に配置される。
【0102】
2つのセンサターゲット9が、第2の個別位置センサ11と平行に、及び第1の個別位置センサ10と平行に示されている。
【0103】
2つのセンサターゲット9の間に遊星ギアボックス13が配置される。
【0104】
図3は、回転位置センサ14の機能ブロック図を示す。
【0105】
一例として、複数の回転ギア7、8のうちの1つを図3に示す。
【0106】
図3では、第1の個別位置センサ10と第2の個別位置センサ11との両方がそれぞれ示されている。
【0107】
第3の個別位置センサには、参照符号12が与えられる。
【0108】
2つの個別のコイル15、16が示されており、一方のコイル15はマイコン(micro controller)マスター17と通信する。
【0109】
他方のコイル16は、マイコンスレーブ18と通信する。
【0110】
図3では、保護手段19が配置される。保護手段19は、第3の個別位置センサ12を介してマイコンスレーブ18と通信する。
【0111】
保護手段19は、通信リンク20を介してマイコンマスター17に接続される。
【0112】
保護手段19は、コントローラエリアネットワーク(CAN)21にリンクされる。
【0113】
コントローラエリアネットワーク21は、シリアルネットワークとして設計してもよい。コントローラエリアネットワーク(CAN)21は、組込みシステムで使用することが好ましい場合がある。コントローラエリアネットワーク21は、他のマイコンの間に構築されるネットワークであってもよい。
【0114】
コントローラエリアネットワーク(CAN)21は、シリアル2線式差動バス技術として設計してもよい。
【0115】
データは、少なくとも2つの相補信号を通じて、一度に1ビットずつ送信することができる。少なくとも2つの相補信号は、少なくとも1つのコントローラエリアネットワークハイバスワイヤ(CAN-H)及び少なくとも1つのコントローラエリアネットワークローバスワイヤ(CAN-L)22上で送信され得る。
【0116】
全てのCANアプリケーション21、22は、少なくとも1つの内蔵CANコントローラと、バスに接続された少なくとも1つのトランシーバとを備えたマイコンから構成され得る。
【0117】
保護手段19は、いわゆるSENTプロトコル23(シングルエッジニブル伝送プロトコル)にもリンクされる。
【0118】
SENTプロトコル23は、センサからコントローラに信号値を送信するためのポイントツーポイント方式であってもよい。
【0119】
SENTプロトコル23は、低いシステムコストで高解像度データの送信を可能にすることを目的としている。
【0120】
保護手段19はまた、少なくとも1つのパルス幅変調器(PWM)24に接続してもよい。
【0121】
パルス幅変調(PWM)24は、電気信号によって供給される平均電力を低減する方法として設計される。
【0122】
電気信号によって供給される平均電力は、効果的に少なくとも2つの個別の部分に分割される。
【0123】
図4は、回転システムの回転数をX軸に表示した座標系を示す。
【0124】
座標系のY軸は、第1の個別位置センサ10の信号出力、第2の個別位置センサ11の信号出力、及び第3の個別位置センサ12の信号出力をmV(ミリボルト)で示すものとする。
【0125】
座標系のX軸には、回転システムの0~30回転(rotation)及び/又は回転(turn)の数が表示される。
【0126】
座標系のY軸は、0mVと15mVの間の第1又は第2又は第3の個別位置センサ10、11、12の信号出力値をmVで示す。
【0127】
座標系では、第1の個別位置センサ10の信号出力曲線には参照符号25が付けられる。
【0128】
座標系では、第2の個別位置センサ11の信号出力曲線は、参照符号26で示される。
【0129】
第3の個別位置センサ12の信号出力曲線には、参照符号27が付いている。
【符号の説明】
【0130】
1. 入力シャフト
2. 第2のケーシング
3. 第1のケーシング
4. 駆動ギア
5. 固定リングギア
6. 遊星ギア
7. 回転リングギア
8. 回転リングギア
9. センサターゲット
10. 第1の個別位置センサ
11. 第2の個別位置センサ
12. 第3の個別位置センサ
13. 遊星ギアボックス
14. 回転位置センサ
15. コイル
16. コイル
17. マイコンマスター
18. マイコンスレーブ
19. 保護手段
20. 通信リンク
21. CAN
22. CAN-l
23. SENT
24. PWM
25. 第1の個別位置センサの信号出力曲線
26. 第2の個別位置センサの信号出力曲線
27. 第3の個別位置センサの信号出力曲線


図1
図2
図3
図4
【外国語明細書】