(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023164397
(43)【公開日】2023-11-10
(54)【発明の名称】パーソナルカーボン排出権認証取引システム(PERSONAL CARBON CREDIT CERTIFICATION TRADING SYSTEM)
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20231102BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074507
(22)【出願日】2023-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2022-0052499
(32)【優先日】2022-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523161963
【氏名又は名称】ファビコン カンパニー,リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】キム,イル-ファン
(72)【発明者】
【氏名】ムン,ジ-ヨン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジョン-イン
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】個人別炭素排出量を算出し、炭素排出権を算出して他の個人、企業、国家と取引できるパーソナルカーボン排出権認証取引システムを提供する。
【解決手段】パーソナルカーボン排出権認証取引システム100は、個人ユーザーの内燃機関車両である個人交通手段と公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用い個人ユーザーの第1炭素排出削減量を計算し、第1炭素排出削減量が適用された第1炭素排出権を算出する公共交通炭素排出権算出部140と、個人ユーザーの内燃機関車両又は個人交通手段の利用時に排出される炭素量と、内燃機関車両又は公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用いて計算した個人ユーザーの第2炭素排出削減量を適用した第2炭素排出権を算出する環境に優しい車両の炭素排出権計算部150と、炭素排出権の譲渡要請に応答して第1、第2の炭素排出権を含む炭素排出権を他の使用者に譲渡する炭素排出権取引部160と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人ユーザーの内燃機関車両である個人交通手段、および公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用いて前記個人ユーザーの第1炭素排出削減量を計算し、前記第1炭素排出削減量が適用された第1炭素排出権を算出する公共交通炭素排出権計算部と、
前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の利用時に排出される炭素量、および内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用いて、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量を計算し、前記第2炭素排出削減量を適用した第2炭素排出権を算出する環境に優しい車両炭素排出権算出部と、
炭素排出権の譲渡要請に応じて、前記第1炭素排出権および前記第2炭素排出権を含む炭素排出権を他のユーザーに譲渡する炭素排出権取引部と、を備えるパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項2】
前記公共交通炭素排出権計算部は、
前記個人ユーザーに対して、出発地点と乗車停留場との間の距離である第1歩行距離、および下車停留場と到着地点との間の距離である第2歩行距離を算出し、前記出発地点に位置する時間と前記乗車停留場に位置する時間の間の時間である第1歩行時間、および前記下車停留場に位置する時間と前記到着地点に位置する時間との間の時間である第2歩行時間を算出し、公共交通利用距離を獲得する第1移動距離算出モジュールと、
第1混雑度または第2混雑度を算出する混雑度算出モジュールと、
前記第1混雑度および前記第2混雑度を利用して、前記個人ユーザーが個人交通手段を利用するときに排出する炭素量、および公共交通手段を利用するときに排出する炭素量を算出する第1炭素排出量算出モジュールと、
前記個人ユーザーが個人交通手段を利用するときに排出する炭素量と、公共交通手段を利用するときに排出する炭素量との差を前記個人ユーザーの炭素排出削減量として算出する第1炭素排出削減量算出モジュールと、
前記個人ユーザーの炭素削減量に歩数定数をかけた値で炭素排出権を算出する第1炭素排出権算出モジュールと、を含む請求項1に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項3】
前記第1移動距離算出モジュールは、
前記個人ユーザーが前記出発地点に位置する時間と前記乗車停留場に位置する時間との間の、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータから、隣接した時間の間の移動距離を合算して前記第1歩行距離を算出し、
前記個人ユーザーが前記下車停留場に位置する時間と前記到着地点に位置する時間との間の前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータから、隣接した時間の間の移動距離を合算して前記第2歩行距離を算出し、
前記個人ユーザーの公共交通利用データに含まれる公共交通移動距離から前記公共交通利用距離を獲得し、
前記第1歩行距離と、前記第2歩行距離と、前記公共交通利用距離とを合算して、前記出発地点と前記到着地点との間の移動距離を算出する請求項2に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項4】
前記混雑度算出モジュールは、
全体の公共交通利用データから、乗車停留場と下車停留場との間の平均通行時間を算出し、前記個人ユーザーの公共交通機関利用データから、前記乗車停留場と前記下車停留場との間の個人通行時間を算出した後、前記平均通行時間から前記個人通行時間を減算して前記第1混雑度を算出し、
前記公共交通利用距離を前記個人通行時間で割って第2混雑度を算出する請求項2に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項5】
前記第1炭素排出量算出モジュールは、
下記の数式1により、前記個人ユーザーが個人交通手段を利用する際の炭素排出量を算出し、
【数1】
(このとき、ECEV=前記個人ユーザーが個人車両を利用する際の炭素排出量、CV=混雑度、EM=温室効果ガス排出源単位(CO2/kwh)、EC=電気充電量(kwh)、Vi=環境にやさしい車両の種類(電気自動車または水素自動車の場合はV1=1、V2=0、ハイブリッド車両の場合はV1=1、V2=1、内燃車両の場合はV1=0、V2=1)、AUF1は前記個人ユーザー個人車両を利用する際の燃料使用量、CTOEは前記個人ユーザーが個人車両を利用する際の燃料使用量から石油換算量を算出するための石油換算係数、CCEは前記個人ユーザーが個人車両を利用する際の石油換算量から炭素排出量を算出するための炭素排出係数。)
下記の数式2により前記個人ユーザー公共交通手段を利用する際の炭素排出量を算出する請求項4に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム
【数2】
(EPCEV=前記個人ユーザーが公共交通手段を利用する際の炭素排出量、CV=混雑度、EM=温室効果ガス排出源単位(CO
2/kwh)、EC=電気充電量(kwh)、Vi=環境にやさしい車両の種類(電気自動車または水素車の場合はV1=1、V2=0、ハイブリッド車両の場合はV1=1、V2=1、内燃車両の場合はV1=0、V2=1、AUF2は前記個人ユーザーが公共交通手段を利用する際の燃料使用量、CTOEは前記公共交通手段を利用する際の燃料使用量から石油換算量を算出するための石油換算係数、CCEは前記公共交通手段を利用する際の石油換算量から炭素排出量を算出するための炭素排出係数、NPは前記公共交通手段の乗車人数の平均値である平均載車人数。)
【請求項6】
前記第1炭素排出権算出モジュールは、
下記の数式3により前記歩数定数を算出し、
【数3】
(σ=前記歩数定数、WD1=前記第1歩行距離、WD2=前記第2歩行距離、TDD=前記公共交通利用距離)
下記の数式4により前記個人ユーザーの炭素排出権を算出する請求項5に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【数4】
(CER=前記個人ユーザーの炭素排出権、ECEV=前記個人ユーザーが個人交通手段を利用する際の炭素排出量、EPCEV=前記個人ユーザーが公共交通手段を利用する際の炭素排出量、σ=歩数定数)。
【請求項7】
前記環境にやさしい車両炭素排出権計算部は、
前記個人ユーザーに対して、出発地点と乗車停留場との間の距離である第1歩行距離、および下車停留場と到着地点との間の距離である第2歩行距離を算出し、前記出発地点に位置する時間と前記乗車停留場に位置する時間の間の時間である第1歩行時間、および前記下車停留場に位置する時間と前記到着地点に位置する時間との間の時間である第2歩行時間を算出し、内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段の利用距離を獲得し、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記個人交通手段の走行距離を含む運転記録を用いて、前記個人交通手段の走行距離を算出する第2移動距離算出モジュールと、
前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の運行記録および充電費情報を用いて、前記環境に優しい車両を利用する際に排出する炭素量、および前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通手段を利用するときに排出する炭素量を算出する第2炭素排出量算出モジュールと、
前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記個人交通手段を利用する際に排出する炭素量、および前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段を利用する際に排出する炭素量を用いて、 前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量を算出する第2炭素排出削減量算出モジュールと、
前記個人ユーザーの炭素削減量に歩数定数をかけた値で炭素排出権を算出する第2炭素排出権算出モジュールと、
決済カードサーバから前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の充電決済を提供する決済カードの充電費情報を受信し、前記充電費情報の月間または年間で累積される充電費情報を用いて前記第2炭素排出権を補正する運行距離補正モジュールと、を含む請求項6に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項8】
前記第2炭素排出量算出モジュールは、
前記数学式1により、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段を利用する際の炭素排出量を算出する請求項7に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項9】
前記第2炭素排出量算出モジュールは、
前記数学式2により、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段を利用する際の炭素排出量を算出する請求項8に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項10】
前記第2炭素排出量算出モジュールは、
前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータと前記環境にやさしい車両の前記運行記録の運行距離を利用して、前記個人ユーザーの炭素排出量を算出する請求項7に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項11】
前記第2炭素排出権算出モジュールは、
前記数式3により前記歩数定数を算出し、
前記数式4により前記個人ユーザーの炭素排出権を算出する請求項7に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項12】
前記公共交通利用データ、前記携帯電子機器のGPSデータおよび前記炭素排出権譲渡要請を受信し、前記決済カードサーバから決済カードの充電費情報を受信し、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運転記録を受信する通信モジュールと、をさらに備える請求項1に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項13】
前記個人ユーザーの公共交通利用データ、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータ、前記個人ユーザーの前記第1炭素排出削減量および前記第1炭素排出権を格納し、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運行記録、前記算出された個人交通手段の走行距離、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量、前記決済カードサーバからの決済カードの充電費情報、および前記個人交通手段の前記運行記録の運行距離を検証および補正した情報を格納するストレージモジュールと、をさらに備える請求項12に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【請求項14】
前記個人ユーザーの端末装置の情報提供要請に応じて、前記個人ユーザーの公共交通利用データ、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータ、前記個人ユーザーの前記第1炭素排出削減量、前記第1炭素排出権をストレージモジュールからロードし、前記通信モジュールを介して前記個人ユーザーの端末装置に送信し、
前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運行記録、前記算出された個人交通手段の走行距離、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量、前記決済カードサーバからの決済カードの充電費情報、前記個人交通手段の前記運行記録の運行距離を検証および補正した情報を、前記ストレージモジュールからロードし、前記通信モジュールを介して前記個人ユーザーの端末装置に送信するユーザーインターフェースモジュールと、をさらに備える請求項13に記載のパーソナルカーボン排出権認証取引システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パーソナルカーボン排出権認証取引システム(取引制度)に関し、パーソナルカーボン(個人炭素)排出量に応じた炭素排出権を算出し、個人間、企業間、国家間の炭素排出権を取引することができるパーソナルカーボン排出権認証取引システム(取引制度)に関する。
【背景技術】
【0002】
温室効果ガス(Greenhouse Gases、GHGs)は、地球の地表面から発生する赤外線系列の熱放射を吸収し、大気の温度を高める気体である。温室効果ガスには、代表的に二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、フロンガス(CFC)、亜酸化窒素(N2O)、水蒸気(H2O)などがある。
【0003】
温室効果ガスは地球の平均気温を上昇させ、地球温暖化(Global Warming)を引き起こす主な原因となり得る。そして地球温暖化現象で海水面が上昇し、亜熱帯性植生が増加し、森林分布地域が消滅するなどの生態系の混乱が発生する可能性がある。
【0004】
地球温暖化現象による問題を解決するために、世界各国は、1992年に気候変動に関する国際連合枠組条約(United Nations Framework Convention on Climate Change:UNFCCC)を締結した。また、1997年に採択され、かつ2005年に発効された京都議定書(Kyoto Protocol)を通じて、二酸化炭素を含む6つの温室効果ガスの排出量削減を義務付けた。
【0005】
京都議定書は、共同実施(Joint Implementation:JI)、クリーン開発メカニズム(Clean Development Mechanism:CDM)、排出権取引制度(Emission Trading:ET)などの制度を導入した。
【0006】
二重排出権取引制度は、各国別に付与された温室効果ガス排出制限量未満で温室効果ガスを排出した場合、残余分の排出量を他の国に譲渡することができ、温室効果ガス排出制限量を超えて温室効果ガスを排出した場合 、超過分の排出量に対する排出権を他国で譲り受けることができるように規定した制度である。
【0007】
排出権取引制度は、国家と国家との間で温室効果ガスの排出権を取引することに加えて、個人と企業と国家との間でも温室効果ガスの排出権を取引することができる。特に、全世界的に温室効果ガス削減義務を制度化して炭素排出権に対する関心が高まっている状況から、個人と企業で炭素排出権を取引しようとする需要がますます増加している実情である。
【0008】
個人が炭素排出権を取引するためには、個人が排出する炭素量を正確に算出する必要がある。
【0009】
また、算出された個人別炭素排出権を他の個人、企業、国と取引できるシステムが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、前記のような問題点に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、個人別炭素排出量を算出し、炭素排出権を算出して他の個人、企業、国家と取引することができるシステムを提供することにある。
【0011】
また、公共交通の利用データと携帯電子機器のGPSデータを活用して個人別炭素排出量と炭素排出権を算出し、個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の運行記録と充電費情報を利用して走行距離を算出し、環境にやさしい車両利用時の炭素排出権を算出および認証して他の個人、企業、国家と取引できるシステムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前述した問題を解決するための本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムは、個人ユーザーの内燃機関車両である個人交通手段および公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用いて前記個人ユーザーの第1炭素排出削減量を計算し、前記第1炭素排出削減量が適用された第1炭素排出権を算出する公共交通炭素排出権算出部140と、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の利用時に排出される炭素量、および内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用いて前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量を計算し、前記第2炭素排出削減量を適用した第2炭素排出権を算出する環境に優しい車両の炭素排出権計算部150と、炭素排出権の譲渡要請に応答して第1、第2の炭素排出権を含む炭素排出権を他の使用者に譲渡する炭素排出権取引部160と、を備える。
【発明の効果】
【0013】
本発明は、個人利用者の公共交通利用データおよび携帯電子機器のGPSデータを利用して個人利用者の炭素排出量を算出することができ、これを利用して個人利用者の公共交通利用時の炭素排出権を算出し、個人利用者の内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の利用時に排出される炭素量、および内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通手段の利用時に排出される炭素量を算出・利用して炭素排出権を計算することができる。
【0014】
また、本発明によれば、個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の充電費情報を用いて炭素排出権を補正することによって、より正確な炭素排出権の計算および提供が可能である。
【0015】
また、本発明によれば、個人ユーザーと企業使用者と国家使用者との間に炭素排出権を譲渡するか、または譲り受けるように取引することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムの構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムの公共交通の炭素排出権計算部の構成図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムにおける環境に優しい車両炭素排出権計算部の構成図である。
【
図4】本発明の一実施形態による公共交通機関の利用データに含まれる情報を示す図である。
【
図5】本発明の一実施形態による携帯電子機器のGPSデータに含まれる情報を示す図である。
【
図6】本発明の一実施形態による個人ユーザーの移動距離算出方法を説明するための図である。
【
図7】本発明の一実施形態による平均乗車人数を算出する方法を説明するための図である。
【
図8】本発明の一実施形態による個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータと個人交通手段の前記運行記録の運行距離とを用いて、前記個人ユーザーの炭素排出量の算出と運行距離補正を説明するための図である。
【
図9】本発明の一実施形態による個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータと個人交通手段の前記運行記録の運行距離とを用いて、前記個人ユーザーの炭素排出量の算出と運行距離補正を説明するための図である。
【
図10】本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムの炭素排出権算出方法を説明するためのフローチャートである。
【
図11】本発明の他の実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムの炭素排出権算出方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、多様な変換を加えることができ、多様な実施形態を有し得るため、特定の実施形態を図面に示し、詳しく説明することにする。しかしながら、これは本発明を特定の実施形態に限定しようとするのではなく、本発明の技術的思想および技術的範囲に含まれるすべての変換、均等物および代替物を含むことと理解されたい。
【0018】
ただし、実施形態を説明するにあたって、関連する公知の機能または構成に対する具体的な説明が本発明の要旨を不必要に曖昧にすることができると判断される場合、それに対する詳しい説明は省略する。なお、図面での各構成要素のサイズは説明のために誇張されることがあり、実際に適用されるサイズを意味するものではない。
【0019】
なお、明細書全体において、一構成要素が他の構成要素と「連結される」または「接続される」などと言及されたときには、前記一構成要素が前記他の構成要素と直接連結されるか、または直接接続されてもよいが、文脈上、明らかに別の意味を示していると判定されない限り、中間に別の構成要素を介して連結または接続されてもよいと理解されるべきである。さらに、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは、特に反対の記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムの構成図であり、
図2は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムにおける公共交通の炭素排出権計算部の構成図であり、
図3は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムにおける環境に優しい車両炭素排出権計算部の構成図である。
【0021】
図4は、本発明の一実施形態による公共交通機関の利用データに含まれる情報を示す図であり、
図5は、本発明の一実施形態による携帯電子機器のGPSデータに含まれる情報を示す図であり、
図6は、本発明の一実施形態による個人使用者の移動距離算出方法を説明するための図であり、
図7は、本発明の一実施形態による平均乗車人数を算出する方法を説明するための図である。
図8および
図9は、本発明の一実施形態による個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータと個人交通手段の前記運行記録の運行距離を用いて、前記個人ユーザーの炭素排出量の算出と運行距離補正を説明するための図である。
【0022】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100は、通信モジュール110、ストレージモジュール120、ユーザーインターフェースモジュール130、公共交通炭素排出権計算部140、環境にやさしい車両炭素排出権計算部150および炭素排出権取引部160を含む。
【0023】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100を使用する個人、企業、国をそれぞれ個人ユーザーPU、企業ユーザーCU、国家ユーザーNUと定義する。
【0024】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100が利用する公共交通利用データTDは、個人ユーザーPUの交通系カード利用履歴を含み得る。
【0025】
交通系カードは、個人ユーザー(PU:Personal User)のTマネー、キャッシュビー、マイビー、ハナロカード、ワンパス、トップパス、ハンペイ、レールプラスなどのプリペイドカード、またはクレジットカード、デビットカードなどの後払い交通系カードであり得る。なお、これに限らず、交通料金を電子的に支払って決済するカードや、その他の媒体として交通手段の利用履歴を記録することができる他の種類のものであってもよい。
【0026】
図4に示すように、公共交通利用データTDは、個人ユーザーPUを区別する識別子TD-11と、個人ユーザーPUが利用したバス、地下鉄などの公共交通システムを示す公共交通手段TD-12と、個人ユーザーPUが利用した路線番号TD-13と、個人ユーザーPUが利用した車両番号TD-14と、個人ユーザーPUの乗車時間TD-15と、個人ユーザーPUの下車時間TD-16と、個人ユーザーPUの乗車停留場TD-17と、個人ユーザーPUの下車停留場TD-18と、乗車停留場TD-17と下車停留場TD-18との間の距離である公共交通移動距離TD-19情報と、をそれぞれ含み得る。
【0027】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100は、公共交通事業者が管理する公共交通利用データサーバTDSから公共交通利用データTDを受信することができる。
【0028】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100が利用する携帯電子機器GPSデータGDは、個人ユーザーPUの携帯電子機器の移動履歴を含み得る。
【0029】
携帯電子機器は、GPS機器を含むスマートフォン、タブレットPC、ラップトップPC、PDAのうちいずれか1つであり得る。これに限らず、GPS機器を含み、個人ユーザーPUの携帯可能な装備であれば、携帯電子機器に該当することができる。
【0030】
図5に示すように、携帯電子機器GPSデータGDは、個人ユーザーPUを区別する識別子GD-11と、携帯電子機器が衛星信号を送信した日付GD-12および時間GD-13と、携帯電子機器の経度位置(GD-14)および緯度位置(GD-15)の情報と、をそれぞれ含み得る。
【0031】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100は、個人ユーザーPUの携帯電子機器から携帯電子機器のGPSデータGDを直接受信することができる。
【0032】
あるいは、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100は、電気通信事業者が管理するGPSデータサーバ(GDS:GPS Data Server)から携帯電子機器のGPSデータGDを受信することもできる。
【0033】
通信モジュール110は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100の外部から公共交通利用データTDおよび携帯電子機器のGPSデータGDを受信することができる。
【0034】
通信モジュール110は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100と個人通信ネットワーク(PAN:Personal Area Network)、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、都市圏通信ネットワーク(MAN:Metropolitan Area Network)、ワイドエリアネットワーク(WAN:Wide Area Network)で連結された他のコンピューティング装置からTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、SMB(Server Message Block)、CIFS(Common Internet File System)、NFS(Network File System)などのプロトコルを利用して公共交通利用データTDおよび携帯電子機器のGPSデータGDを受信することができる。通信モジュール110はこれに限定されず、他の通信プロトコルを通じて公共交通利用データTDおよび携帯電子機器のGPSデータGDを受信してもよい。
【0035】
通信モジュール110は、シリアルポート(serial port)、パラレルポート(parallel port)、SCSI(Small Computer System Interface)、USB(Universal Serial Bus)、IEEE 1394、ATA(Advanced Technology Attachment)、SATA(Serial Advanced Technology Attachment)、M.2、PCI(Peripheral Component Interconnect Bus)、PCI-Expressなどのデータ入出力端子またはコンピュータバスに連結された周辺機器から、公共交通利用データTDおよび携帯電子機器のGPSデータGDを伝送してもらえる。通信モジュール110はこれに限定されず、他のデータ入出力端子に連結された周辺機器から公共交通利用データTDおよび携帯電子機器のGPSデータGDを伝送してもらえる。
【0036】
ストレージモジュール120は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100が含むモジュールによって生成されたデータまたは受信されたデータを格納することができる。
【0037】
なお、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100が含むモジュールのうち、ストレージモジュール120を除く残りのモジュールは、ストレージモジュール120に格納されるデータをロード(load)して使用することができる。
【0038】
ストレージモジュール120は、データを格納するために記憶装置を含み得る。記憶装置は、ハードディスクドライブ(hard disk drive)、光ディスクドライブ(optical disc drive)、磁気テープ(magnetic tape)、フロッピーディスク(floppy disk)、フラッシュメモリ(flash memory)、SSD(Solid State Drive)などの不揮発性メモリ装置であるか、またはランダムアクセスメモリ(Random Access Memory)などの揮発性メモリ装置であり得る。記憶装置はこれに限定されず、他の種類の記憶装置であってもよい。
【0039】
公共交通炭素排出権計算部140は、個人ユーザーの内燃機関車両である個人交通手段と、公共交通手段の利用時に排出される炭素量を用いて前記個人ユーザーの第1炭素排出削減量を計算し、前記第1炭素排出削減量が適用された第1炭素排出権を算出する。
【0040】
より具体的には、公共交通炭素排出権算出部140は、第1移動距離算出モジュール141、混雑度算出モジュール142、第1炭素排出量算出モジュール143、第1炭素排出削減量算出モジュール144および第1炭素排出権算出モジュール145を含み得る。
【0041】
第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUの移動距離を算出することができる。
【0042】
第1移動距離算出モジュール141は、公共交通利用データTDに含まれる公共交通移動距離TD-19などを用いて、個人ユーザーPUの公共交通利用距離TDDを獲得することができる。
【0043】
第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが出発地点BPに位置する時間と乗車停留場TD-17に位置する時間との間の全ての携帯電子機器のGPSデータGDから、隣接する時間の間の移動距離を合算して、出発地点BPと乗車停留場TD-17との間の距離である第1歩行距離WD1を算出することができる。また、第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが出発地点BPに位置する時間と乗車停留場TD-17に位置する時間との間の時間である第1歩行時間WT1を算出することができる。
【0044】
第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが下車停留場TD-18に位置する時間と到着地点EPに位置する時間との間の全ての携帯電子機器のGPSデータGDから、隣接する時間の間の移動距離を合算して、下車停留場TD-18と到着地点EPとの間の距離である第2歩行距離WD2を算出することができる。また、第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが下車停留場TD-18に位置する時間と到着地点EPに位置する時間との間の時間である第2歩行時間WT2を算出することができる。
【0045】
第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUの公共交通利用距離TDDと、第1歩行距離WD1と、第2歩行距離WD2とを合算して、出発地点BPと到着地点EPとの間の移動距離ODを算出することができる。
【0046】
混雑度算出モジュール142は、公共交通機関の混雑度を算出することができる。
【0047】
個人ユーザーPUの乗車停留場TD-17を第1停留場BS1と定義し、下車停留場TD-18を第N停留場BSNと定義する。
【0048】
混雑度算出モジュール142は、公共交通機関の利用データTDから特定の停留場間の平均通行時間ATTを算出することができる。すなわち、混雑度算出モジュール142は、乗車停留場TD-17が第1停留場BS1であり、下車停留場TD-18が第N停留場BSNである全ての公共交通利用データTDからそれぞれ乗車時間TD-15と下車時間TD-16を獲得して通行時間を算出することができ、算出した通行時間を算術平均して平均通行時間ATTを算出することができる。
【0049】
混雑度算出モジュール142は、個人ユーザーPUの公共交通利用データTDから、乗車停留場TD-17での乗車時間TD-15と下車停留場TD-18での下車時間TD-16を獲得した後、個人通行時間PTTを計算することができる。
【0050】
混雑度算出モジュール142は、個人通行時間PTTから平均通行時間ATTを減算して第1混雑度CV1を算出することができる。
【0051】
あるいは、混雑度算出モジュール142は、個人ユーザーPUの公共交通利用データTDから、乗車停留場TD-17と下車停留場TD-18との間の距離である公共交通移動距離TD-19を個人通行時間PTTで割って、第2混雑度CV2を算出することができる。
【0052】
第1炭素排出量の算出モジュール143は、個人ユーザーPUが個人交通手段および公共交通手段をそれぞれ利用するときに排出する炭素量を算出することができる。
【0053】
第1炭素排出量の算出モジュール143は、次の数学式1にしたがって個人ユーザーPUが個人交通手段を利用する際の炭素排出量ECEVを算出することができる。
【0054】
【0055】
(このとき、ECEV=前記個人ユーザーが個人車両を利用する際の炭素排出量、CV=混雑度、EM=温室効果ガス排出源単位(CO2/kwh)、EC=電気充電量(kwh)、Vi=環境にやさしい車両の種類(電気自動車または水素自動車の場合はV1=1、V2=0、ハイブリッド車両の場合はV1=1、V2=1、内燃車両の場合はV1=0、V2=1)、AUF1は 前記個人ユーザー個人車両を利用する際の燃料使用量、CTOEは前記個人ユーザーが個人車両を利用する際の燃料使用量から石油換算量を算出するための石油換算係数、CCEは前記個人ユーザーが個人車両を利用する際の石油換算量から炭素排出量を算出するための炭素排出係数。)
【0056】
数式1において、変数CVは、第1混雑度CV1または第2混雑度CV2であり得る。
【0057】
変数AFU1は、個人ユーザーPUが利用する個人交通手段の燃料使用量であってもよい。 第1炭素排出量の算出モジュール143は、個人交通手段の燃費(fuel efficiency)FE1に出発地点BPと到着地点EPとの間の移動距離ODを乗じてAFU1値を算出することができる。
【0058】
変数CTOEは、個人交通手段の燃料使用量から石油換算量を算出するための石油換算係数であり得る。
【0059】
変数CCEは、個人交通手段の石油換算量から炭素排出量を算出するための炭素排出係数であってもよい。
【0060】
ストレージモジュール120は、個人交通手段別燃費FE1、石油換算係数CTOE、炭素排出係数CCEを予め格納することができ、第1炭素排出量算出モジュール143はこれらをロードして使用することができる。
【0061】
第1炭素排出量算出モジュール143は、次の数式2にしたがって、個人ユーザーPUが公共交通手段を利用する際の炭素排出量TCEVを算出することができる。
【0062】
【0063】
(EPCEV=前記個人ユーザーが公共交通手段を利用する際の炭素排出量、CV=混雑度、EM=温室効果ガス排出源単位(CO2/kwh)、EC=電気充電量(kwh)、Vi=環境にやさしい車両の種類(電気自動車または水素車の場合はV1=1、V2=0、ハイブリッド車両の場合はV1=1、V2=1、内燃車両の場合はV1=0、V2=1、AUF2は前記個人ユーザーが公共交通手段を利用する際の燃料使用量、CTOEは前記公共交通手段を利用する際の燃料使用量から石油換算量を算出するための石油換算係数、CCEは前記公共交通手段を利用する際の石油換算量から炭素排出量を算出するための炭素排出係数、NPは前記公共交通手段の乗車人数の平均値である平均載車人数である。
【0064】
第1炭素排出量の算出モジュール143は、個人ユーザーPUが多数の公共交通路線を利用または乗り換えしたときに公共交通路線別に排出した炭素量を数式2により合算することができる。
【0065】
数式2において、変数CVは、第1混雑度CV1または第2混雑度CV2であり得る。
【0066】
変数AFU2は、個人ユーザーPUが使用する公共交通手段の燃料使用量であり得る。第1炭素排出量の算出モジュール143は、公共交通手段の燃費FE2に公共交通利用距離TDDを乗じてAFU2値を算出することができる。
【0067】
変数CTOEは、公共交通機関の燃料使用量から石油換算量を算出するための石油換算係数であり得る。
【0068】
変数CCEは、公共交通手段の石油換算量から炭素排出量を算出するための炭素排出係数であってもよい。
【0069】
変数NPは、公共交通利用データTDにおいて、個人利用者PUの乗車停留場TD-17と下車停留場TD-18との間に位置する停留場区間別実際の乗車人数の平均値である平均載車人数であり得る。
【0070】
図7に示すように、第1炭素排出権の算出モジュール160は、個人ユーザーPUの乗車停留場TD-17と下車停留場TD-18との間に位置する全ての停留場BS2~BSN-1での乗車人数および下車人数を獲得した後、それぞれの停留場BS2~BSN別に前の停留場BS1~BSN-1の載車人数に現在の停留場BS2~BSNの乗車人数を合算し、下車人数を減算して現在の停留場BS2~BSNの載車人数を算出することができる。第1炭素排出権算の出モジュール160は、停留場BS1~BSN-1別載車人数を算出して平均載車人数を算出することができる。
【0071】
ストレージモジュール120は、公共交通手段別燃費FE、石油換算係数CTOE、炭素排出係数CCEを予め格納することができ、第1炭素排出量の算出モジュール143はこれらをロードして使用することができる。
【0072】
第1炭素排出削減量の算出モジュール144は、個人ユーザーPUが個人交通手段および公共交通手段を利用した場合に、炭素排出量の差ECEV-EPCEVを炭素排出削減量として算出することができる。
【0073】
第1炭素排出権の算出モジュール145は、炭素排出削減量ECEV-EPCEVを炭素排出権CERに反映して炭素排出権CERを算出することができる。
【0074】
第1炭素排出権の算出モジュール145は、下記の数式3にしたがって歩数定数σを算出することができ、歩数定数σは総移動距離ODに対する総歩行距離WDであり得る。
【0075】
【0076】
前記数式3において、σは歩数定数で、WD1は第1歩行距離WD1である。WD2は第2歩行距離で、TDDは個人ユーザーPUの公共交通利用距離TDDである。
【0077】
第1炭素排出権の算出モジュール145は、下記の数式4にしたがって個人ユーザーPUの炭素排出権CERを算出することができる。
【0078】
【0079】
(CER=前記個人ユーザーの炭素排出権、ECEV=前記個人ユーザーが個人交通手段を利用する際の炭素排出量、EPCEV=前記個人ユーザーが公共交通手段を利用する際の炭素排出量、σ=歩数定数)。
【0080】
変数ECEVは、第1炭素排出量の算出モジュール143が求めた、個人ユーザーPUが個人交通手段を利用するときの炭素排出量であり得る。
【0081】
変数EPCEVは、第1炭素排出量の算出モジュール143が求めた、個人ユーザーPUが公共交通手段を利用するときの炭素排出量であり得る。
【0082】
第1炭素排出権の算出モジュール145は、前記数式4にしたがって算出された値で個人ユーザーPUの炭素排出権CERを算出することができる。
【0083】
第1炭素排出権の算出モジュール145は、個人ユーザーPUの炭素排出権CERを、マイレージ、ポイント、ブロックチェーンコインなどの形で支払い、今後他のユーザーと取引が行われるようにできる。
【0084】
環境にやさしい車両炭素排出権計算部150は、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の利用時に排出される炭素量と、内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通手段の利用時に排出される炭素量とを用いて、個人ユーザーの第2炭素排出削減量を計算し、第2炭素排出削減量が適用された第2炭素排出権を算出する。
【0085】
より具体的には、環境に優しい車両炭素排出権算出部150は、第2移動距離算出モジュール151、第2炭素排出量算出モジュール152、第2炭素排出削減量算出モジュール153、第2炭素排出権算出モジュール154および運行距離補正モジュール156を含むように構成される。
【0086】
第2移動距離算出モジュール151は、個人ユーザーに対して、出発地点と乗車停留場との距離である第1歩行距離、および下車停留場と到着地点との間の距離である第2歩行距離を算出し、前記出発地点に位置する時間と前記乗車停留場に位置する時間との間の時間である第1歩行時間、および前記下車停留場に位置する時間と前記到着地点に位置する時間との間の時間である第2歩行時間算出し、内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段の利用距離を獲得し、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記個人交通手段の走行距離を含む運行記録を用いて、前記個人交通手段の走行距離を算出する。
【0087】
なお、第2炭素排出量算出モジュール152は、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の運行記録および充電費情報を用いて、前記環境に優しい車両を利用する際に排出する炭素量と、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通手段を利用する際に排出する炭素量を算出する。
【0088】
このとき、第2炭素排出量の算出モジュール152は、前記数式1により、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段を利用する際の炭素排出量を算出することができる。
【0089】
なお、前記第2炭素排出量の算出モジュール152は、前記数式2により、個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段を利用する際の炭素排出量を算出することができる。
【0090】
なお、前記第2炭素排出量算出モジュール152は、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータと前記個人交通手段の運行記録の運行距離を利用して、前記個人ユーザーの炭素排出量を算出するように構成されたり、前記運行距離を補正するように構成されたりできる。
【0091】
すなわち、前記第2炭素排出量の算出モジュール152は、
図8に示すように、GPS機器の累積距離を用いてGPSデータの記録順番の第1番目距離と記録順番の最後の累積距離との差で走行距離を獲得することができる。
【0092】
なお、
図9と同様に、ナビゲーションには、車両が通過したリンク、リンクの進入時間、リンクの進出時間としてデータが記録される。したがって、前記第2炭素排出量の算出モジュール152は、車両が通過したリンクの距離を累積して合算して走行距離を獲得することができる。
【0093】
一方、第2炭素排出削減量の算出モジュール153は、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記個人交通手段を利用するときに排出する炭素量、および前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段を利用するときに排出する炭素量を用いて、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量を算出する。
【0094】
なお、第2炭素排出権の算出モジュール154は、前記個人ユーザーの炭素削減量に歩数定数を乗じた値で炭素排出権を算出する。
【0095】
すなわち、前記第2炭素排出権の算出モジュール154は、前記数式3により前記歩数定数を算出し、さらに前記数式4により前記個人ユーザーの炭素排出権を算出することができる。
【0096】
同時に、前記第2炭素排出権の算出モジュール154は、前記個人ユーザーの炭素排出権CERを、マイレージ、ポイント、ブロックチェーンコインなどの形で支払い、今後他のユーザーと取引が行われるようにできる。
【0097】
なお、運行距離補正モジュール155は、決済カードサーバ(PCS:Payment Card Server)から前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の充電決済を提供する決済カードの充電費情報を受信し、 前記充電費情報の月間または年間累積充電費情報を用いて、炭素排出量および炭素排出削減量を算出して前記第2炭素排出権を補正することができる。
【0098】
これによって、環境にやさしい車両炭素排出権計算部150は、前記個人交通手段の前記運行記録の運行距離と前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータとを用いて、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量を計算および検証することができ、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の決済カードの充電費情報を用いて、前記第2炭素排出削減量を補正することができる。
【0099】
例えば、本発明によれば、運行記録サーバ(DRS:Driving Record Server)が内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段に内蔵された電子機器から運行記録などの全体的なデータ(data)を受信して格納し、格納されたデータを前記環境にやさしい車両炭素排出権計算部150に提供したり、前記環境にやさしい車両炭素排出権計算部150が前記内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段に組み込まれた(内蔵された)電子機器から直接運行記録などの全体的なデータ を提供したりして、これに基づいて走行距離を算出することができる。
【0100】
それだけではなく、本発明によれば、個人交通手段に設けられたナビゲーションの運行記録の偽変造を防止し、かつ信頼性を高めるために、個人ユーザーPUの端末機器PDまたはGPSデータサーバGDSからGPSデータGDを用いて、前記環境に優しい車両の炭素排出権計算部150は、個人ユーザーの第2炭素排出削減量を計算および検証することができる。
【0101】
なお、本発明によれば、電気充電/水素充電専用カードを介した充電費用を追跡して移動距離を測定することができる。つまり、カード会社から電気充電サービス用の決済(クレジット/チェック)カードを発行し、該当カードを利用して電気充電をすると、決済カードサーバPCSで充電費が月間または年間で累積され、蓄積された電気充電費を逆算して走行距離に換算し、前記運行距離補正モジュール155が前記第2炭素排出削減量を補正して第2炭素排出権を補正することができる。
【0102】
なお、前述したように、通信モジュール110は、前記公共交通機関利用データ、前記携帯電子機器のGPSデータ、前記炭素排出権譲渡要請を受信するだけではなく、決済カードサーバPCSから決済カードの充電費情報を受信し、個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運行記録を個人交通手段の運行記録サーバDRSから受信することができる。
【0103】
なお、前述したように、前記個人ユーザーの公共交通利用データ、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータ、前記個人ユーザーの前記第1炭素排出削減量および前記第1炭素排出権を格納するだけではなく、決済カードサーバPCSからの決済カードの充電費情報、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運行記録、前記個人交通手段の走行距離、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量、および前記個人交通手段の前記運行記録の運行距離を検証および補正した情報を格納することができる。
【0104】
ユーザーインターフェースモジュール130は、個人ユーザーPUから情報提供要請または取引要請を処理することができる。
【0105】
個人ユーザーPUは、スマートフォン、タブレットPC、ラップトップPC、デスクトップPCなどの端末機器PDを用いて、ユーザーインターフェースモジュール130に情報提供要請RIまたは取引要請RSを送信することができる。
【0106】
ユーザーインターフェースモジュール130は、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末装置PDから公共交通利用データTDの提供要請を受信した後、ストレージモジュール120から公共交通利用データTDをロードし、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末機器PDに送信することができる。
【0107】
ユーザーインターフェースモジュール130は、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末機器PDから携帯電子機器GPSデータGDの提供要請を受信した後、ストレージモジュール120から携帯電子機器のGPSデータGDをロードし、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末機器PDに送信することができる。
【0108】
ユーザーインターフェースモジュール130は、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末装置PDから個人ユーザーPUの炭素排出量PCEV、TCEVの情報提供要請を受信した後、ストレージモジュール120から個人ユーザーPUが個人交通手段を利用したときの炭素排出量PCEV、または公共交通手段を利用したときの炭素排出量TCEVをロードし、通信モジュール110を介して個人ユーザー PUの端末機器PDに送信することができる。
【0109】
ユーザーインターフェースモジュール130は、通信モジュール110を介して、個人ユーザーPUの端末装置PDから個人ユーザーPUが所有する炭素排出権CERの情報提供要請を受信した後、ストレージモジュール120から個人ユーザーPUが所有する炭素排出権CERをロードし、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末装置PDに送信することができる。
【0110】
ユーザーインターフェースモジュール130は、通信モジュール110を介して、個人ユーザーPUの端末機器PDから、他の個人ユーザーPU、企業ユーザーCU、国家ユーザーNUへの炭素排出権CERの譲渡要請SRを受信することができる。あるいは、ユーザーインターフェースモジュール130は、通信モジュール110を介して、企業ユーザーCU、国家ユーザーNUから個人ユーザーPU、他の企業ユーザーCU、国家ユーザーNUへの炭素排出権CERの譲渡要請を受信することができる。
【0111】
ユーザーインターフェースモジュール130は、受信した炭素排出権CERの譲渡要請を炭素排出権取引部160に送信することができる。ユーザーインターフェースモジュール130は、炭素排出権取引部160が処理した炭素排出権CERの取引結果RTを受信した後、通信モジュール110を介して個人ユーザーPUの端末機器PDに送信することができる。
【0112】
すなわち、ユーザーインターフェースモジュール130は、前記個人ユーザーの端末装置PDの情報提供要請に応じて、前記個人ユーザーの公共交通利用データ、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータ、前記個人ユーザーの前記第1炭素排出削減量、および前記第1炭素排出権を前記ストレージモジュール120からロードして前記通信モジュール110を介して前記個人ユーザーの端末装置PDに送信することができる。
【0113】
その上に、前記ユーザーインターフェースモジュール130は、前記決済カードサーバPCSからの決済カードの充電費情報、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運行記録、前記算出された個人交通手段の走行距離、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量、および前記個人交通手段の前記運行記録の運行距離を検証および補正した情報を、ストレージモジュール120からロードして前記通信モジュール110を介して前記個人ユーザーの端末装置PDに送信することができる。
【0114】
一方、炭素排出権取引部160は、公共交通炭素排出権計算部140から算出された第1炭素排出権、および環境にやさしい車両炭素排出権計算部150から算出された第2炭素排出権を含む炭素排出権を他のユーザーに譲渡する。
【0115】
炭素排出権取引部160は、個人ユーザーPUと企業ユーザーCUと国家ユーザーNUとの間で炭素排出権CERの取引を処理することができる。
【0116】
したがって、炭素排出権取引部160は、ユーザーインターフェースモジュール130からの炭素排出権CERの譲渡要請に応じて、個人ユーザーPU、企業ユーザーCU、国家ユーザーNUが指定した数量の炭素排出権CERを、他の個人ユーザーPU、他の企業ユーザーCU、他の国家ユーザーNUなどの他のユーザーに譲渡することができる。
【0117】
なお、炭素排出権取引部160は、炭素排出権CERを譲渡または譲受した取引結果RTをストレージモジュール120、およびユーザーインターフェースモジュール130に送信することができる。
【0118】
したがって、ストレージモジュール120は、炭素排出権CERを譲渡したユーザーと譲受したユーザーの炭素排出権CERの変動履歴をそれぞれ反映することができる。
【0119】
一方、前記ストレージモジュール120は、前記個人ユーザーの公共交通利用データ、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータ、前記個人ユーザーの前記第1炭素排出削減量、および前記第1炭素排出権を格納し、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の走行距離を含む運行記録、前記個人交通手段の走行距離、前記個人ユーザーの第2炭素排出削減量、および前記個人交通手段の前記運行記録の運行距離を検証および補正した情報を格納することができる。
【0120】
図10は、本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン(個人炭素)排出権認証取引システムの炭素排出権算出方法を説明するためのフローチャートである。
【0121】
本発明の一実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100の炭素排出権算出方法S1~S5は、個人ユーザーPUが公共交通を利用する際に炭素排出権CERを算出する方法で第1~第5ステップS1~S5を含み得る。
【0122】
第1ステップS1は、第1移動距離算出モジュール141が個人ユーザーPUの移動距離を算出するステップである。
【0123】
第1移動距離算出モジュール141は、公共交通利用データTDの公共交通移動距離TD-19などを用いて、個人ユーザーPUの公共交通利用距離TDDを獲得することができる。
【0124】
第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが出発地点BPに位置する時間と、乗車停留場TD-17に位置する時間との間の全ての携帯電子機器のGPSデータGDから、 隣接する時間の間の移動距離を合算して、出発地点BPと乗車停留場TD-17との間の距離である第1歩行距離WD1を算出することができる。また、第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが出発地点BPに位置する時間と乗車停留場TD-17に位置する時間との間の時間である第1歩行時間WT1を算出することができる。
【0125】
第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが下車停留場TD-18に位置する時間と到着地点EPに位置する時間との間の全ての携帯電子機器のGPSデータGDから、隣接する時間の間の移動距離を合算して、下車停留場TD-18と到着地点EPとの間の距離である第2歩行距離WD2を算出することができる。また、第1移動距離算出モジュール141は、個人ユーザーPUが下車停留場TD-18に位置する時間と到着地点EPに位置する時間との間の時間である第2歩行時間WT2を算出することができる。
【0126】
第2ステップS2は、混雑度算出モジュール142が第1混雑度CV1または第2混雑度CV2を算出するステップである。
【0127】
混雑度算出モジュール142は、乗車停留場TD-17が第1停留場BS1であるときと、下車停留場TD-18が第N停留場であるとき(BSN)である全ての公共交通利用データTD から、それぞれ乗車時間TD-15と下車時間TD-16を獲得して通行時間を計算することができ、計算した通行時間を算術平均して平均通行時間ATTを算出することができる。
【0128】
混雑度算出モジュール142は、個人ユーザーPUの公共交通利用データTDから、乗車停留場TD-17での乗車時間TD-15と下車停留場TD-18での下車時間 TD-16を獲得して個人通行時間PTTを計算することができる。
【0129】
混雑度算出モジュール142は、個人通行時間PTTから平均通行時間ATTを減算して第1混雑度CV1を算出することができる。
【0130】
あるいは、混雑度算出モジュール142は、個人ユーザーPUの公共交通利用データTDから、乗車停留場TD-17と下車停留場TD-18との間の距離である公共交通移動距離TD-19を個人通行時間PTTで割って、第2混雑度CV2を算出することができる。
【0131】
第3ステップS3は、個人ユーザーPUが個人交通手段と公共交通手段をそれぞれ利用するときに排出する炭素量を算出するステップである。
【0132】
第1炭素排出量算出モジュール143は、第1混雑度CV1または第2混雑度CV2、個人交通手段の燃料使用量AFU1、石油換算係数CTOE、炭素排出係数CCEを数式1に入力して、個人ユーザーPUが個人交通手段を利用する際の炭素排出量PCEVを算出することができる。
【0133】
第1炭素排出量算出モジュール143は、第1混雑度CV1または第2混雑度CV2、公共交通手段の燃料使用量AFU2、石油換算係数CTOE、炭素排出係数CCE、平均載車人数NPを数式2に入力して、個人ユーザーPUが公共交通手段を利用する際の炭素排出量TCEVを算出することができる。
【0134】
第4ステップS4は、第1炭素排出削減量算出モジュール144が個人ユーザーPUの炭素排出削減量(PCEV-TCEV)を算出するステップである。
【0135】
第1炭素排出削減量算出モジュール144は、個人ユーザーPUが個人交通手段を利用するときの炭素排出量PCEVと、公共交通手段を利用するときの炭素排出量TCEVとの差で炭素排出削減量(PCEV-TCEV)を算出することができる。
【0136】
第5ステップS5は、第1炭素排出権算出モジュール145が個人ユーザーPUの炭素排出権CERを算出するステップである。
【0137】
第1炭素排出権算出モジュール145は、数式3にしたがって歩数定数σを算出した後、数式4にしたがって炭素排出削減量(PCEV-TCEV)に歩数定数σをかけて個人ユーザーPUの炭素排出権CERを算出することができる。
【0138】
図11は、本発明の他の実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システムの炭素排出権算出方法を説明するためのフローチャートである。
【0139】
本発明の他の実施形態によるパーソナルカーボン排出権認証取引システム100の炭素排出権算出方法S11~S15は、個人ユーザーの環境に優しい車両利用による炭素排出権を算出する方法であって、第11~第15ステップS11~S15を含み得る。
【0140】
第11ステップS11は、第2移動距離算出モジュール151が前記個人ユーザーに対して、出発地点と乗車停留場との間の距離である第1歩行距離および下車停留場と到着地点との間の距離である第2歩行距離を算出し、前記出発地点に位置する時間と前記乗車停留場に位置する時間との間の時間である第1歩行時間および前記下車停留場に位置する時間と到着地点に位置する時間との間の時間である第2歩行時間を算出し、内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記公共交通手段の利用距離を獲得し、前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記個人交通手段の走行距離を含む運行記録を用いて前記個人交通手段の走行距離を算出することができる。
【0141】
例えば、本発明によれば、運行記録サーバ(DRS:Driving Record Server)が個人交通手段の内蔵された電子装置から運行記録などの全体的なデータ(data)を受信して格納したり、前記個人交通手段に内蔵された電子機器から直接運行記録などの全体的なデータを提供したりして、これに基づいて走行距離を算出することができる。
【0142】
したがって、第12ステップS12では、第2炭素排出量算出モジュール152が前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の運行記録および充電費情報を用いて、前記環境に優しい車両を利用したときに排出した炭素量と、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である公共交通機関を利用したときに排出した炭素量とを算出することができる。
【0143】
このとき、前記第2炭素排出量算出モジュール152は、前記個人ユーザーの携帯電子機器のGPSデータと前記環境にやさしい車両の前記運行記録の運行距離を利用して、前記個人ユーザーの炭素排出量を算出するように構成されることもある 。
【0144】
より詳しく説明すると、本発明によれば、第2炭素排出量算出モジュール152が前記個人交通手段に設けられたナビゲーションの運行記録の偽変造を防止し、かつ信頼性を高めるために個人ユーザーPUの端末機器PDまたはGPSデータサーバGDSからGPSデータGDを用いて個人ユーザーの第2炭素排出削減量を算出することができる。
【0145】
以後、第13ステップS13では、第2炭素排出削減量算出モジュール153は、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境にやさしい車両である前記個人交通手段を利用するときに排出した炭素量と、前記個人ユーザーが内燃機関車両または環境に優しい車両である前記公共交通手段を利用するときに排出した炭素量とを用いて、前記個人ユーザーの第2炭素排出量を算出することができる。
【0146】
以後、第14ステップS14では、第2炭素排出権算出モジュール154が、前記個人ユーザーの炭素削減量に歩数定数を乗じた値で炭素排出権を算出することができる。
【0147】
なお、その後の第15ステップS15では、運行距離補正モジュール155が決済カードサーバ(PCS:Payment Card Server)から前記個人ユーザーの内燃機関車両または環境にやさしい車両である個人交通手段の専用充電決済を提供する 決済カードの充電費情報を受信し、前記充電費情報の月間または年間累積の充電費情報を用いて、炭素排出削減量を算出して前記第2炭素排出権を補正することができる。
【0148】
例えば、本発明によれば、電気充電/水素充電専用カードを介した充電費を追跡して移動距離を測定することができる。つまり、カード会社では電気充電サービス用の決済(クレジット/チェック)カードを発行し、当該カードを利用して電気充電を行うと、決済カードサーバPCSで充電費が月間または年間で累積され、累積された電気充電費を逆算して走行距離に換算し、前記第2炭素排出削減量を計算して前記第2炭素排出権を補正することが可能である。
【0149】
前述したような本発明の詳しい説明では、具体的な実施形態に対して説明した。しかし、本発明の範囲から逸脱しない限り、多様な変形が可能である。本発明の技術的思想は、本発明の前述した実施形態に限定されてはならず、特許請求の範囲だけではなく、本発明の特許請求の範囲と均等なものによって定められるべきである。
【符号の説明】
【0150】
100 パーソナルカーボン排出権認証取引システム
110 通信モジュール
120 ストレージモジュール
130 ユーザーインターフェースモジュール
140 公共交通炭素排出権計算部
141 移動距離算出モジュール
142 混雑度算出モジュール
143 第1炭素排出量算出モジュール
144 第1炭素排出削減量算出モジュール
145 第1炭素排出権算出モジュール
150 環境にやさしい車両炭素排出権計算部
151 第2移動距離算出モジュール
152 第2炭素排出量算出モジュール
153 第2炭素排出削減量算出モジュール
154 第2炭素排出権算出モジュール
155 運行距離補正モジュール
160 炭素排出権取引部